JPS6032461Y2 - 球接手用ダストブ−ツ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のサスペーシミン系統およびステアリン
ク系統に用いられる球接手のダストブーツに係り、等に
ダストブーツ大開口周縁部に嵌合リングを一体的に埋設
した嵌合型ダストブーツの改良に関する。

この種嵌合型ダストブーツの欠点は、嵌合リング内径寸
法およびハウジング外周の面粗度と外径仕上寸法精度を
極めて精密に仕上げなければ、ダストブーツをハウジン
グ外周へ嵌合装着した際に確実堅固な装着と密封作用が
得られない点があった。

さらにまた、ダストブーツの嵌合リング内径がハウジン
グ外周の外径より小さく成形されているため、ダストブ
ーツ嵌合装着において径寸法の差が嵌合リング平行方向
の撓みと戊って発生し、あるいはまた嵌合装着後に内部
応力により水平方向の撓みと戒って発生し、嵌合力およ
び等に長期使用における密封作用が低下する問題があっ
た。

そこで本考案は、嵌合リングに嵌合リングの内周に全周
切れ目の無い内周エツジと波状に形成された皿状部およ
び環状の外周立上がり部とを形成することにより、ダス
トブーツ嵌合装着において嵌合リングに水平方向の撓み
や発生しないようにして、確実堅固な装着と強力な嵌合
力を発生させかつ長期間密封作用が低下することの無い
球接手用ダストブーツを提供することを目的とする。

以下本考案の実施例のその構成を図面によって説明する
。

第１図は、ハウジング６内に受座４を配してポールスタ
ッド１の球頭部３を保持せしめ、かつ浮部のハウジング
開口８からポールスタッド軸部２を突出させ、またハウ
ジング６下部の開口をプラグ５で閉鎖するとともに、ポ
ールスタッド軸部２が突出するハウジング開口δの外周
７に本考案によるダストブーツ９を嵌合装着した球接手
を示すものである。

また、第２図から第５図は、本考案によるダストブーツ
９およびその嵌合リング１０の１つの実施例を適当に拡
大し細部にわたって示すものである。

このダストブーツ９の主体は、上方に向かって収斂する
湾曲部１２と湾曲部１２から下方に向かつて円筒状に伸
びるストレート部１３とによって形成されるほぼ釣鐘状
のゴム製のカバ一体１１から戒る。

このゴム製カバ一体１１の上部には、ポールスタッド軸
部２と密接に係合する小径の小開口１５と、小開口１５
の周縁に焼付けて一体的に埋設されたナイロン等の補強
リング１７と、さらに補強リング１７の外周にシールリ
ップ１６とを有する。

また、ゴム製カバ一体１１の下部には、ハウジングの外
周７と密接に係合する大径の大開口１８と、大開口１８
の周縁にストレート部１３より大径の大開口周縁部１４
と、この大開口周縁部１４に焼付けて一体的に埋設され
た嵌合リング１０とを有する。

嵌合リング１０は、第３図および第４図に示すように、
圧延鋼板あるいはステンレス鋼板などをプレス加工によ
りあらかじめ環状に成形される。

また嵌合リンク１０のリング内周２０は、ハウジング外
周７と締りばめの関係と戊るよう、その内径がハウジン
グ外周７外径より小さく底形され、かつ内周全周に切目
の無い内周エツジ２１を備えている。

しかもまた、嵌合リング１０には、その断面が第５図に
拡大して示されるように、外周にほぼダストブーツ軸線
と平行に立ち上がった環状の外周立ち上がり部２２が形
成され、かつ外周立ち上がり部２２の底部に続く内側に
全体として外周立ち上がり部２２と直角より２渡前後上
向きに傾斜して前述のリング内周２０に接続された皿状
部２３が形成されている。

この皿状部２３は、外周立ち上がり部２２の底部で内側
上方に湾曲する曲り底部分２４と、その内径側で内側下
方に湾曲した曲り凸状部分２５と、さらにその内径側で
内側上方に湾曲する内周嵌合部分２６とから威り、全体
として波打った形状をしている。

即ち皿状部２３は、リング内周２０から外周に向かって
全体として低く戊るように傾斜するとともに、外周側が
ダストブーツ軸線と平行な垂直方向に湾曲し、内周側が
ダストブーツ軸線と直角な水平方向に湾曲する波状に形
成されている。

また、ダストブーツ９の大開口１Ｂの内周面には開口端
に向かって広がるテーパ面１９が形成されており、その
開口端側の内径はハウジング外周７外径よりわずかに大
きく、他方ストレート部１３内周と接合する部分の内径
はハウジング６外周７外径より充分に小さく底形されて
いる。

そしてまた、嵌合リング１０のリング内周２０は、テー
パ面１９の適所にテーパ面１９とほぼ同一面に配置され
ている。

上述のような寸法形状に形成したダストブーツ９の嵌合
装着は、ダストブーツを除いてすでに組立てられた球接
手のハウジング外周７にダストブーツ大開口１８を適合
させ、大開口周縁部１４の上面２７を適当な治具で押圧
して、第１図に示すようにハウジング外周７に大開口周
縁部１４を圧入する。

このとき、大開口周縁部１４に一体的に埋設されている
嵌合リング１０は、波打った皿状部２３が適度にスプリ
ング効果を発生して弾性的に湾曲変形し、嵌合リング１
０の嵌合力および密封作用を損なうような水平方向の撓
みを発生すること無く、ハウジング外周７に対して締り
ばめの関係に確実堅固に嵌着される。

すなわち、外周立ち上がり部２２により嵌合リング１０
は外周やが補強されて皿状部２３のみ変形可能にされて
いるため、嵌合リング１０は内周エツジ２１に作用した
拡張力を受けて波状の皿状部２３の等に外周側の垂直方
向の湾曲部分が弾力的に曲率が小さく成るように変形し
て皿状部に反発力を蓄積し、その反発力で強力な締付力
を内周側の水平方向の湾曲部分を介して被嵌合面に作用
させる。

しかもまた、波打った皿状部２３が適度のスプリング効
果を有するため、ハウジング外周７の外径仕上げ寸法精
度の多少のバラツキに関係なく確実堅固に嵌着されると
ともに、ハウジング外周７の面粗度が悪くてもリング内
周２０の内周切目の無い内周エツジ２１がハウジング外
周７に堅固に喰い付き、高い密封作用とハウジング外周
７からの抜けが防止される。

以上のように本考案は、外周が外周立ち上がり部により
補強された嵌合リングのその皿状部を外周側がダストブ
ーツ軸線と平行な垂直方向に湾曲しかつ内周側がダスト
ブーツ軸線と直角な水平方向に湾曲する波状に形成した
ので、被嵌着面に嵌合装着したときに、嵌合リングは内
周エツジに作用した拡張力を受けて波状の皿状部の等に
外周側の垂直方向の湾曲部が弾力的に曲率が小さく戊る
ように変形して皿状部に反発力を蓄積し、その反発力で
内周側の水平方向の湾曲部分を介して内周エツジから被
嵌着面に強力な締付力を作用させることができる。

そのため、被嵌着面の仕上げ精度に係わらず、ダストブ
ーツをハウジング外周に確実堅固に装着でき、しかもハ
ウジング外周における高い密封作用を得ることができる
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はダストブ
ーツを嵌合装着した球接手の正面図。 第２図はダストブーツの拡大断面正面図。 第３図は嵌合リングの拡大平面図。 第４図は第３図のＡ−Ａ断面図。 第５図は第２図矢視Ｂ部の部分拡大断面図。 記号の説明、７・・・・・・ハウジング外周、９・・・
・・・ダストブーツ、１０・・曲嵌合リング、１１・・
曲カバ一体、１４・・・・・・大開口周縁部、１５・・
・・・・小開口、１８・・・・・・大開口、２０・・・
・・・リング内周、２１・・曲内部エツジ、２３・・・
・・・皿状部、２５・・一波状曲部（曲り凸状部分）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に小径の小開口１５と下部に大径の大開口１８とを
   有する釣鐘状カバ一体１１のその大開口周縁部１４に、
   嵌合装着するハウジング外周７の外径より小さな内径の
   全周切れ目の無い内周エツジ２１が形成されたリング内
   周２０と、そのリング内周２０から外周に向かって全体
   として低く成るように傾斜するとともに外周側がダスト
   ブーツ軸線と平行な垂直方向に湾曲し内周側がダストブ
   ーツ軸線と直角な水平方向に湾曲する波状に形成された
   皿状部２３、および皿状部２３のの外周端からほぼダス
   トブーツ軸線と平行に立上った環状の外周立上り部２２
   とが形成された環状の嵌合リング１０を一体的に埋設し
   たことを特徴とする球接手用ダストブーツ。