JPS594306Y2 - 複合腕時計ケ−スの裏蓋取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複合腕時計ケースの裏蓋取付装置に関するもの
である。

近時、合成樹脂とステンレスのような所定金属材とを一
体複合に構成した複合時計ケースの開発が進み、既に一
部腕時計ケースに使用され、業界の注目を受けている。

これはこのような腕時計ケースは、従来の金属材に成形
加工を施したムク方式のケースに比べ、成形加工の簡素
化、軽量化、デザインの多様化、さらに安価且つ量産化
でき、しかも外観的には従来のムク方式のケースと遜色
ない外観形状を有する等の利点を有することが原因であ
ると考えられる。

本考案はこのような利点を有する複合腕時計ケースにつ
き、その裏蓋取付装置を新規な構成にしたことにより、
異形状の裏蓋でも簡易に取付けることができ、さらにシ
ール部分が喰付部（保持部）より内側にしたことによっ
て、異形状の裏蓋でも、一枚板で簡易な加工を可能とし
、従来のパツキン保持部、喰付部等のろう付溶接が不用
となり、安価に製作できる成形加工を簡素化した複合腕
時計ケースを提供せんとするものである。

以下本考案の各実施例を添付図面を参照しながら説明す
る。

第１図乃至第３図はワンピース方式の複合腕時計ケース
の実施例を示し、１はステンレスのような金属材の被覆
部材で、ケースの胴部分を構成し、２はこの被覆部材１
の内側に配する金属材で環状体に構成されている裏蓋保
持体（第６図）で、上端縁は内側に折り曲げて折曲片３
を形威し、下端縁内側には裏蓋係合用の凹溝４を形成し
である。

また、本体２ａの相対向する位置には夫々外側に折り曲
げたバンド孔５，５を穿った一対の突出片６，６を形威
しである。

７はこの内側に設けた鋳込可能な軟質金属または合成樹
脂等の注入材、８はケースの内側、つまりムーブメント
側に設けたパツキン、９は金属または合成樹脂の裏蓋で
、その外周縁は前記裏蓋保持体２の凹溝４に密に嵌合す
るように構成にしである。

１０はガラス、１１はパツキンである。しかして、被覆
部材１の内側に裏蓋保持体２をスポット溶接、ろう付、
接着、成形特インサート等により、その密着方法は問わ
ないが密に取付け、ついで、金型内に裏蓋保持体２を取
付けた被覆部材１を入れ、前記注入材７を成形機等で圧
入成形することにより一体複合化する。

つまり、被覆部材１と裏蓋部材２は共に金属材であるか
ら、注入材７の圧入成形時にこれら金属材は膨張し、注
入材７の収縮に応じて金属材が収縮することにより、こ
の注入材７と金属材は密着し複合一体化するのである。

そして、この裏蓋保持体の凹溝４に裏蓋９の外周縁部を
嵌合し、喰付部１２を構成して密に嵌合するようにしで
ある。

次に第４図及び第５図に示すツーピース方式の実施例に
ついて説明すると、１３は金属材の被覆部材で、この被
覆部材１３の裏面内方に金属材で環状体に構成されてい
る裏蓋保持体１４を配してあり、この裏蓋保持体１４の
構成は、前記裏蓋保持体２と略々同様である。

つまり、上端縁は内側に折り曲げて折曲片２０を形威し
、これを被覆部材１３の上縁部分の裏面に位置するよう
にし、さらに裏蓋保持体１４の下端縁は、裏蓋係合用の
内側に折り曲げた折曲片１５を形成してあり、さらに本
体１４ ａの相対向する位置には、夫々外側に折り曲げ
たバンド（Ｌ１６を穿った一対の突出片２１を形成しで
ある。

１７は鋳込可能な軟質金属または合成樹脂等の注入材、
１８はムーブメント側に設けたパツキン、または合成樹
脂の裏蓋を示し、前記折曲片１５゜１５・・・・・・に
この裏蓋１９の外周縁が係合するようにする。

このようなツーピース方式の腕時計ケースは、上記方法
と同様に成形するものである。

以上ワンピース及びツーピース方式の複合腕時計ケース
の成形加工方法をここで要約すると、（１）被覆部材の
内側に機械加工等により裏蓋保持体を成形し、成形金型
内で被覆部材の内側に注入材を成形機等で圧入し複合一
体化する。

（２）被覆部材の内側に機械加工等により成形した裏蓋
保持体をスポット溶接、ろう付、接着、成形時インサー
ト法等で（１）と同様に金型内で被覆部材の内側に注入
材を成形機等で圧入複合一体化する。

（３）裏蓋は蓋保持体に嵌合する等喰付くようにして裏
蓋を取付ける。

このような構成の本考案にあっては、異形状の裏蓋であ
っても、その嵌合が簡易であれば、裏蓋の成形が容易に
製作でき、さらにシール部分がこの喰付部より内側にあ
るため、異形状の裏蓋でも一枚板で製作でき、防水も完
全でありその加工も容易となり、従来のようにパツキン
保持部、喰付部等ろう付、溶接が不用となり、簡素化さ
れコストが安価になる。

また、従来この種複合腕時計ケースのバンド取付部は、
樹脂であるために脆く弱いものであったが、本考案の裏
蓋保持体には、一体的にバンド取付用の突出片を形威し
であるために、堅固な構成となり、従来の欠点を解決で
きるものである。

しかも外観的にも金属被、高級観、強度等にも問題のな
い複合腕時計ケースを提供するものである。

なお、以上の実施例に限定される必要はなく、例えば裏
蓋保持体はいずれの実施例にも利用でき、一方の実施例
に限定されず、保合部の一方は凸部または凹部とし、他
方をこれに嵌合する形状にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概略平面図、第２図は同ＡＡ断面図、
第３図は同Ｂ−Ｂ断面図、第４図は他の実施例の一方向
の断面図、第５図は他方向の断面図、第６図は裏蓋保持
体の一部切欠斜視図、第７図は裏蓋の一部切欠斜視図で
ある。 １．１３・・・・・・被覆部材、２，１４・・・・・・
裏蓋保持体、７゜１７・・・・・・注入材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定金属材の被覆部材とこの内側に配する鋳込可能な注
   入材とを複合一体化してなる複合腕時計ケースに於いて
   、この被覆部材と注入材間に上端には内側に向う折曲片
   を、下端縁内側に凹溝等の保合部を夫々形威し且つ本体
   の相対向する位置には一対のバンド取付具を設けた金属
   製環状体の裏蓋保持体を嵌入し、この係合部に裏蓋の外
   周縁を嵌合するようにしてなる複合腕時計ケースの裏蓋
   取付装置。