JP3823854B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の停止条件下で車両のエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の始動条件下でエンジンを自動的に始動させるエンジンの自動停止始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の停止条件下でエンジンを自動停止させ、その後、所定の始動条件下でエンジンを再始動させることにより、燃料を節約したり、排気エミッションを改善するシステム(エンジンアイドルストップシステム)が知られている。このシステムに用いるエンジン始動装置の一例としてピニオン飛び込み式スタータがある。但し、ピニオン飛び込み式スタータの場合には、エンジン回転中に始動できないため、エンジンの停止を待ってスタータで再始動させることになり、始動応答性が悪化する。また、始動音が大きく耳障りでもある。そのため、エンジン回転中においても再始動できるようにするため、ベルト等を用いてエンジンを始動させるものが考えられている。例えば特開平9−172753号公報に記載の始動装置は、エンジン補機の位置に始動・補機駆動装置を取り付け、ベルトを介してクランクプーリを駆動しエンジンを始動させている。この始動・補機駆動装置はエンジン始動後のエンジン回転中におけるクランク軸から始動装置の連れ回りを防止するために内部にオーバーランニングクラッチを備え、エンジン始動時の回転数以上にて非接触分離する機構を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン始動時に何らかの理由(例えば失火・誤爆など)によってエンジンがストールした場合、エンジン回転は一旦噴け上がり、回転が上昇した後に急速に回転停止へ向かうが、一旦噴け上がった状態ではオーバーランニングクラッチの作用によって電動機とは切り離される。そのため電動機は、無負荷回転数付近まで上昇した後、エンジンの減速度よりは緩やかに回転が落ちて停止に向かうこととなる。
【0004】
この際、エンジン回転速度(ここでは、プーリ比で変速されたエンジン始動装置の出力軸の回転速度の意味で用いる)とエンジン始動装置の電動機の回転速度を比べると、初期においてはエンジン回転速度の方が上回っているが、両者の回転減速度の違いにより途中から電動機の回転速度が上回る状態となる。
【0005】
この状態のときに、それまで非接触分離していたオーバーランニングクラッチが接触すると、両者間の相対的な回転速度差によって接触時のショックや接触音が発生し、また接触時の衝撃によってエンジン始動装置の破損といった問題を招来しかねない、
そこで本発明は、エンジン回転が停止する前であっても再始動可能でありながら、オーバーランニングクラッチにおける上記駆動部材と従動部材との再接触時のショックを低減して耐久性を向上可能なエンジン始動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1記載のエンジン始動装置によれば、エンジン始動時には、電動機の回転がオーバーランニングクラッチを介してクランク軸に伝達され、いわゆるクランキングが実行される。この状態ではオーバーランニングクラッチの駆動部材と従動部材の回転数は同じであるが、その後エンジンが自立運転を始めると従動部材の回転数が駆動部材の回転数を上回るようになり、オーバーランニングクラッチの作用によって電動機は無負荷状態となると、電動機には無負荷状態で取り得る最大回転数まで上昇する。一般的にはこの状態でエンジンが始動したと判定し、電動機への通電が停止され、駆動部材の回転は低下していく。
【0007】
ここで、エンジンが失火・誤爆などによって正常な運転状態へ移行することなくストールした場合、エンジン回転数は急速に低下する。この低下度合いは上述した駆動部材の回転低下度合いに比べて大きいが、本発明における接触回転数は、正常な運転状態へ移行せずストールした場合の従動部材の回転数の時間的変化を示す第一の曲線と、エンジン始動後の電動機への通電停止後における駆動部材の回転数の時間的変化を示す第二の曲線との交点以上に設定されている(図3参照)。そのため、オーバーランニングクラッチの再接触時においては、駆動部材と従動部材の回転数は同じか若しくは従動部材の方が大きくなる。したがって、両部材はスムーズに接触するため、部材の破損などを防止して耐久性を向上できる。なお、このような両曲線の交点が存在するためには、第二の曲線による駆動部材の回転数が零になるタイミングよりも第一の曲線による従動部材の回転数が零になるタイミングの方が早い必要がある。そして、エンジン始動後に正常な運転状態へ移行することなくストールする場合には、一般的にこのような現象が発生する。
【0008】
また、当然ながらこのようにエンジン回転が停止する前であってもスムーズに再接触するため、その状態において電動機への通電を再開すればエンジンの再始動が可能となる(請求項)。つまり、再始動までの時間を短縮できる。なお、従動部材の回転数はエンジンのクランク軸の回転数、に比例するため、実際には、クランク軸の回転数(いわゆるエンジン回転数)が対応する所定回転数になった場合に再始動を実行すればよい。なお、請求項に示した「エンジンストール後、通電停止により惰性回転している電動機に通電して再始動させる場合」だけではなく、請求項に示すように、所定のエンジン停止条件成立後、エンジン回転数が0になるまでの間に再始動させる場合であっても同様の効果が得られる。
【0009】
上述したように、正常な運転状態へ移行することなくエンジンがストールした場合のエンジン回転の減速特性と通電が停止された無負荷状態の電動機回転の減速特性は、前者の減速度合いの方が後者の減速度合いに比べて大きい。しかし、エンジンの減速特性は個々のエンジンの特性などによって異なるため、接触回転数も個々のエンジン特性に応じて設定する必要がある。これに対して請求項2に示すように、無負荷状態における駆動部材が取り得る最大回転数以上に接触回転数を設定しておけば、エンジン特性を考慮する必要がない。エンジン特性が異なっていても、オーバーランニングクラッチの再接触時においては、駆動部材と従動部材の回転数は同じか若しくは従動部材の方が大きくなるからである。このようにした場合は、オーバーランニングクラッチの共通化が図られるため、共通化によるコストダウンができる。
【0011】
また、接触回転数と分離回転数が同じだとすると、エンジン始動時や停止時などの低回転時においてクラッチの分離、接触が繰り返される可能性がある。そこで、請求項に示すように接触回転数が分離回転数よりも小さくなるようヒステリシスを持って設定すれば、エンジン低回転時におけるクラッチの分離、接触が繰り返されることを抑止でき、始動性の悪化や過大な衝撃の発生を防止できる。
【0013】
ところで、このようにトルク中継部材を介して駆動部材から従動部材へトルク伝達するようオーバーランニングクラッチを構成する場合、そのトルク中継部材を複数有する場合が多い。このように複数のトルク中継部材を用いた場合、製造上あるいは組み付け上の誤差やばらつきのため、個々の分離や接触は厳密には同時ではないことが考えられる。そして、少数個(例えば1個)のトルク中継部材の接触状態をオーバーランニングクラッチ全体としての接触状態と判断してしまうと、再駆動時に駆動負荷トルクを少数個(例えば1個)のトルク中継部材によって伝達とすることとなり、クラッチの破損の可能性がある。
【0014】
そこで、請求項に示すように、従動部材の回転数が上昇して複数のトルク中継部材中の所定数以上がトルク出力面と非接触状態になった状態の回転数を分離回転数とし、分離状態の従動部材の回転数が低下して複数のトルク中継部材中の所定数以上がトルク出力面と接触状態になった状態における回転数を接触回転数とする。この接触回転数を規定するための「所定数」とは、トルク伝達に十分な数を意味する。そしてこの「トルク伝達に十分な数」はトルク中継部材の物理的性状その他の事情によって異なるが、いずれにしてもトルク伝達に十分な数としているため、上述のクラッチの破損という問題を解決できる。
【0015】
なお、分離回転数を規定するための「所定数」については、例えばトルク中継部材の総数としてもよい。つまり、全てのトルク中継部材が非接触(分離)の場合に分離と判断するのである。また、分離回転数を規定するための「所定数」及び接触回転数を規定するための「所定数」を調整することで、上述のヒステリシスを持った設定とすることもできる。
【0016】
オーバーランニングクラッチの配置場所については、例えば請求項に示すように電動機に内蔵し、従動部材に連結された電動機出力軸とクランク軸とを連結することが考えられる。この場合、電動機出力軸をクランク軸そのものと直接連結してもよいし、ギヤ、ベルト、チェーン等を介して間接的に連結してもよい。そして、このような構成を採用すれば、エンジン側の構成変更を少なくできる。
【0017】
また、請求項に示すように、オーバーランニングクラッチを電動機内部には設置せず、エンジン、クランクプーリ又はトランスミッションケースに内蔵し、電動機出力軸と駆動部材とを連結してもよい。この場合も、電動機出力軸と駆動部材とを直接連結してもよいし、ギヤ、ベルト、チェーン等を介して間接的に連結してもよい。そして、このように間接的に連結したとしてもギヤ、ベルト、チェーン等はエンジン運転中には停止しているため、耐久性の観点からは有利になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0019】
図1は、本実施例のエンジン始動装置STを含むエンジンアイドルストップシステムの概要を示すブロック図である。本システムが適用される車両は、エンジンE、そのエンジンEのクランク軸に接続されたクランクプーリCPにベルトBを介して接続されたエンジン始動装置ST、エンジンEの出力軸に接続された自動変速機AT、ブレーキシステム18などを備えている。
【0020】
また、本実施例の装置システムは、エンジンアイドルストップ制御を実行するための電子制御ユニット(以下、「エコランECU」と称す。)10を中心に構成されている。このエコランECU10は、図示しないが、各種機器を制御するCPU、予め各種の数値やプログラムが書き込まれたROM、演算過程の数値やフラグが所定の領域に書き込まれるRAM、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ、各種ディジタル信号が入力され、各種ディジタル信号が出力される入出力インターフェース(I/O)、タイマ及びこれら各機器がそれぞれ接続されるバスラインなどから構成されている。後述するフローチャートに示す処理は、上記ROMに予め書き込まれている制御プログラムに基づいて実行される。
【0021】
そして、図1に示すように、エコランECU10には、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのブレーキストロークセンサ11と、車両の加減速状態を検出する車両加減速検出手段13と、エンジンEを制御するためのエンジンECU14と、自動変速機ATを制御するAT−ECU15と、エンジン停止中の自動変速機ATの作動に必要な油圧を確保するための電動油圧ポンプOPと、エンジン停止中のブレーキ作動に必要な負圧を確保するための電動真空ポンプVPとが接続されている。これによってエコランECU10は、車両の加減速状態、運転者の制動操作、エンジンEの作動状態、自動変速機ATの作動状態によってエンジンEを自動的に停止、再始動できるように構成されている。
【0022】
エンジンECU14には、エンジン回転数(Ne)を検出するエンジン回転数センサ、エンジンの各気筒に接続されて空気を取り込むために設けられた吸気管の圧力を検出する吸気管圧力センサなど(いずれも図示せず)が接続されている。そして、エンジンECU10は、これら各センサ等からの情報をもとに、所定の制御プログラムに従った演算処理を行い、図示しない駆動回路を介して、図示しないイグナイタに対する点火停止及び点火信号、図示しない燃料噴射弁に対する燃料停止及び燃料噴射信号を出力する。
【0023】
また、AT−ECU15には、シフトポジションセンサ16やアクセル操作がなされているか否かを検出するためのアクセルスイッチ17などが接続されている。
このAT−ECU15の制御対象である自動変速機ATは、変速機TM、エンジンEの出力トルクを変換すると共に変速機TMに伝達するトルクコンバータTC、ロックアップクラッチLC及び終減速機DFなどを備える。
【0024】
また、上述のように、エンジン始動装置STはエンジンEのクランク軸とベルトBを介して接続されているため、エンジン停止処理が行われてからエンジンEが停止するための間の、エンジンEのクランク軸の回転がまだ完全に停止していない状態でもエンジンEをクランキングすることが可能である。そのため、クランク軸の停止を待たずに常にエンジンEを始動することが可能である。
【0025】
次に、エンジン始動装置STについて図2を参照して説明する。
エンジン始動装置STは、始動部1と、シャフト6と、それらの間のトルク伝達を行うためのトルク伝達部3とからなる。始動部1は、通常の直流始動モータを用いた周知の電動機21がハウジング内に収納されているだけであるため、図2(a)にはその出力軸22のみ示し、詳しい説明は省略する。
【0026】
一方、トルク伝達部3は、減速機構4とオーバーランニングクラッチ5とからなり、これら減速機構4とオーバーランニングクラッチ5とはハウジング8内にタンデム配置形式にて収容されている。
まず、減速機構4について説明する。
【0027】
減速機構4はサンギヤ41、ピニオン42及びリングギア43からなるプラネタリーギヤで構成されている。サンギヤ41は 電動機21の出力軸22に固定されており、リングギア43はハウジング8の内周に固定されている。したがって、サンギヤ41とリングギア43の間に配置されているピニオン42は、次のように作動する。例えばサンギヤ41が右回転するとピニオン42はキャリア421を回転軸として左回転し、リングギヤ43も左回転させようとする。しかし、リングギヤ43は固定されているため反力を発生させ、ピニオン42は自らは左回転しながらサンギヤ41の回りを右方向に周回する。これは、電動機21の出力軸22の回転がピニオン42の回転に変換されていることを意味するが、本実施例では、ピニオン42がサンギヤ41回りを1周回する間にサンギア41が1回転よりも多く回転するようなギア比に設定してある。したがって、結果的に減速機能を果たすこととなる。
【0028】
次に、シャフト6及びオーバーランニングクラッチ5について説明する。
シャフト6は、電動機21の出力軸22と同軸上に配置され、軸受け61を介してハウジング8により回動自在に保持されている。このシャフト6の先端付近にはプーリ62が固定されており、図1に示すように、エンジンEのクランク軸に接続されたクランクプーリCPとベルトBを介して接続されている。なお、本実施例では、このベルトBとしてVリブドベルトを用いることとするが、他にもチェーンやタイミングベルトであってもよい。
【0029】
オーバーランニングクラッチ5は、内輪51、外輪52、スプラグ53、保持器54、ガータスプリング55とを主な構成要素とする。
図2に示すように、シャフト6の中程において略有底円筒形状の部材がシャフト6に固定、あるいはシャフト6と一体形成されている。この部材の円筒形状部分が外輪52に相当する。
【0030】
一方、内輪51は、シャフト6の他端(プーリ62が固定されている側とは反対側という意味)において、軸受け511により回動自在に保持されている。そのため、外輪52の内側に内輪51が存在し、それらの中心にシャフト6が存在する位置関係となっている。また、上述した減速機構4のピニオン42の回転軸であるキャリア421は、この内輪51に固定されている。そのため、サンギア41回りのピニオン42の周回運動はキャリア421を介して内輪51に伝達され、内輪51はシャフト6を回転軸として回転する。
【0031】
そして、内輪51の外周面と外輪52の内周面との間に、スプラグ53、保持器54及びガータスプリング55が配設されている。図2(b)は、これら3つの部材53,54,55と内輪51及び外輪52の配設状態を拡大図示したものであり、図2(a)のA−A断面図である。
【0032】
保持器54は、片端に鍔部を有する円筒の部材であって、スプラグ53が遊嵌される穴(図示せず)を有し、外輪52に固定されている。スプラグ53は、略瓢箪状の板体であって、上側半分に形成された溝にガータスプリング55がはめ込まれている。スプラグ53は、保持器54の穴によって概略位置が定まっており、基本位置においては、外輪52の内周面のα点に接し、内輪51の外周面のβ点に接している。ここで基本位置としたのは、スプラグ53はガータスプリング55によって内輪51の外周面側に付勢されており、他に力が作用しない場合には内輪51のβ点に接するが、スプラグ53は保持器54の穴には遊嵌しているだけなので、他に力が作用した場合にはその基本位置から移動可能だからである。また、スプラグ53の重心Gが上記α点と回転中心とを結んだ線上からずらして配置されるよう、スプラグ53の形状や内輪51、外輪52間の距離などが設計されている。
【0033】
ここで、エンジン始動装置STの動作について説明する。
電動機21への通電により出力軸22が回転されると、出力軸22に固定されたサンギア41の回転によって、上述したようにピニオン42がサンギヤ41に対して周回する。このピニオン42の周回運動はキャリア421を介して内輪51に伝達され、内輪51はシャフト6を回転軸として回転する。ここでは、電動機21の本体側から出力軸22側を見て回転方向を規定することとし、出力軸22が時計方向に回転されると、結果的に内輪51も時計方向(図2(b)中の矢印参照)へ回転することとなる。
【0034】
この場合、(図2(b)中のβ点にてスプラグ53に接している)内輪51はスプラグ53に反時計方向のモーメントを与え、スプラグ53は摩擦抗力を生じる外輪43との接点であるα点を中心として可能な範囲で反時計方向に揺動する。その結果、スプラグ53が立ってスプラグ53と内輪51及び外輪52との接触が強化され、電動機21からの出力トルクがクラッチインナ41からスプラグ53、外輪52を介してシャフト6へ伝達される。シャフト6からはプーリ62及びベルトB(図1参照)を介してクランク軸に伝達され、いわゆるクランキングが実行される。
【0035】
この状態では内輪51と外輪52の回転数は同じであるが、その後エンジンEが自立運転を始めて外輪52の回転数が内輪51の回転数を上回ると、内輪51に対して相対的に外輪52が時計方向に回転する。その結果、スプラグ53は摩擦抗力を生じるα点を中心として時計方向に揺動し、その分、スプラグ53が基本位置から寝る方向へ動くため、スプラグ53は内輪51の外周面を滑る。よって、内輪51と外輪52と間でのトルク伝達が遮断され、すなわちエンジンEから電動機21の出力軸22へのトルク伝達が遮断される。
【0036】
その後、さらにエンジンEが高速回転となると、高速回転となったスプラグ54の重心Gに対して遠心方向へ遠心力が働く。重心Gが点Aと軸心とを結ぶ線より後ろ側にずれているため、この遠心力は、スプラグ53の重心Gに摩擦抗力を生じるα点を中心として時計方向への揺動トルクを生じさせる。そのため、スプラグ53はα点を中心として揺動し、基本位置からさらに寝る方向へ動く。その結果、内輪51の外周面にて今まで滑っていたスプラグ53の表面が浮き上がり、これによりスプラグ53と内輪51との接触が完全に遮断される。このスプラグ53が浮上するときの内輪51の回転数を「分離回転数」と呼ぶ。なお、このようなスプラグ53の挙動が可能な程度に、スプラグ53は保持器54に遊嵌されている。
【0037】
このようにスプラグ53と内輪51との接触が完全に遮断された場合には、電動機21は無負荷状態となり、無負荷状態で取り得る最大回転数まで上昇する。一般的にはこの状態でエンジンEが始動したと判定し、電動機21への通電を停止するため、内輪51の回転は低下していく。一方、エンジンEが失火・誤爆などによってアイドル状態へ移行することなくストールした場合、エンジン回転数は急速に低下する。これら内輪51と外輪52の回転数の時間的変化を図3に例示した。実線が外輪52の回転数であり、破線が内輪51の回転数である。但し、図3においては、後述する接触回転数(の設定)についての理解を容易にするために、エンジンストールした後の内輪51と外輪52の回転数変化については、相互にトルク伝達がないものと仮定して示してある。図3からも分かるように、外輪52の回転数は急速に低下することとなり、外輪52の回転数の低下度合いは内輪51の回転数の低下度合いよりも大きい。
【0038】
このように外輪52の回転数が低下すると、内輪51の外周面から浮き上がっていたスプラグ53がその外周面に当接し、内輪51と外輪52と間でのトルク伝達が再開されるようになる。このトルク伝達が再開されるときの外輪52の回転数を「接触回転数」と呼ぶ。この接触回転数は、当然ながら、クランキング中の外輪52の回転数よりも大きいのであるが、エンジンEが自立運転を開始したら、その時点でのトルク伝達は不要となるため、図3(c)に示すように、クランキング中の外輪52の回転数よりも少し大きい程度の回転数を接触回転数として設定することも考えられる。しかしながら、このようにした場合には、次のような問題がある。つまり、上述したように外輪52の回転数の低下度合いが内輪51の回転数の低下度合いよりも大きいため、図3(c)に示すように、外輪52の回転数が接触回転数まで低下したとき、内輪51の回転数はそれよりも大きい状態であることが考えられる。この状態のときに内輪51と外輪52との間でトルク伝達が再開されると、両者間の相対的な回転速度差によって接触時のショックや接触音が発生し、また接触時の衝撃によってエンジン始動装置の破損といった問題を招来しかねない。
【0039】
そこで本実施例においては、そのような再接触時のショック等が発生しないような接触回転数を設定するようにした。以下、その設定例を2つ示す。
[第1の接触回転数の設定例]
図3(a)に示すように、エンジンEが自立運転後に正常な運転状態(例えばアイドル状態など)へ移行せずストールした場合の外輪52の回転数の時間的変化を示す第一の曲線(実線)と、電動機21への通電停止後、無負荷状態における内輪51の回転数の時間的変化を示す第二の曲線(破線)との交点以上に、接触回転数を設定する。図3(a)の例では、交点の回転数そのものを接触回転数に設定している。なお、このような両曲線の交点が存在するためには、第二の曲線による内輪51の回転数が零になるタイミングよりも第一の曲線による外輪52の回転数が零になるタイミングの方が早い必要がある。そして、エンジン始動後に正常な運転状態へ移行することなくストールする場合には、一般的にこのような現象が発生する。
【0040】
このようにすれば、エンジンストール後の外輪52の回転数が低下して接触回転数になった時点で内輪51と外輪52のトルク伝達が再開されることとなるが、この場合は内輪51と外輪52の回転数が等しいため、両部材はスムーズに接触する。したがって、再接触時のショック等が発生しない。なお、交点の回転数よりも高く接触回転数を設定した場合には、内輪51と外輪52のトルク伝達が再開されたとき、外輪52の回転数の方が内輪51よりも大きくなる。上述したように、外輪52の回転数が内輪51の回転数を上回っている場合は、スプラグ53が(基本位置よりは)寝る方向へ動きスプラグ53が外輪52の内周面を滑るため、やはり再接触時のショック等が発生しない。したがって、エンジンEやエンジン始動装置STの不安定な挙動が少なくなり、確実なトルク伝達ができるため乗り心地が向上する。
【0041】
また、再接触時のショック等が発生しないため、必要以上にスプラグ53の数を増やす必要がないのでコスト低減ができる。つまり、ショックが大きい場合には、接触時の衝撃トルクが大きくなり、その過大トルクに対してスプラグの強度を確保するためにはスプラグを増やして1つ当たりのスプラグに掛かる加重を下げる必要があるためである。なお、スプラグの強度確保には、スプラグ幅を大きくして接触面積を大きくし、面圧を下げることでも実現可能であるが、このようにした場合には、1つ当たりのスプラグの体格アップにつながる。
【0042】
また、外輪52の回転数がこの接触回転数以下となった際に電動機21への通電を再開すれば、クランキングが再開でき、エンジンEの再始動が可能となる。つまり、エンジン停止まで再始動を待つ必要がなく、再始動までの時間を短縮できる。
【0043】
また、この接触回転数は、スプラグ53自体の重量や形状などの物理的性状、あるいはガータスプリング55による付勢力を調整することで設定できる。特に、スプラグ53は同じでもガータスプリング55の長さなどを調整することで接触回転数の設定ができるため、接触回転数を個々のエンジン特性に応じて設定する必要がある場合にガータスプリング55のみの調整で対応すれば、スプラグ534は共通のものを用いることができる。さらに、ガータスプリング55の長さで対応するようにすれば、スプリングの素材共通化によるコスト低減も図ることができる。
【0044】
また、このスプラグ53を複数個配置する場合には、スプラグ53の製造上あるいは組み付け上の誤差やばらつきのため、個々の分離や接触は厳密には同時ではないことが考えられる。例えば10個のスプラグ53が配置されていたとして、その内の少数個(例えば1個)の接触状態をオーバーランニングクラッチ5全体の接触状態と判断してしまうと、再駆動時に駆動負荷トルクを少数個(例えば1個)のスプラグ53によって伝達とすることとなり、クラッチの破損の可能性がある。そこで、外輪52の回転数が上昇して複数のスプラグ53中の所定数以上が内輪51の外周面と非接触状態になった状態の回転数を分離回転数とし、分離状態の外輪52の回転数が低下して複数のスプラグ53中の所定数以上が内輪51の外周面と接触状態になった状態における回転数を接触回転数とする。この接触回転数を規定するための「所定数」とは、トルク伝達に十分な数を意味する。そしてこの「トルク伝達に十分な数」はトルク中継部材の物理的性状その他の事情によって異なる。そのため、例えば10個のスプラグ53中の5個程度でよい場合もあれば、8,9個程度でないとをまずい場合もある。いずれにしても、トルク伝達に十分な数が接触する状態を考慮しているため、クラッチ破損という問題を解決できる。なお、分離回転数を規定するための「所定数」については、例えばスプラグ53の総数(本例では10個)としてもよい。つまり、全てのスプラグ53が内輪51の外周面と非接触の場合に分離と判断するのである。
【0045】
ところで、このような構成にすると、オーバーランニングクラッチ5の設計上、エンジン始動直後やアイドル運転時などエンジン低回転時において非接触分離とすることが困難になると予想される。一方、本実施例に限らず一般的にも、スプラグ53と内輪51、外輪52間のような摺動部分には潤滑油が用いられることが多い。そして、エンジン運転中においても低回点でクラッチの油膜切れによる焼き付きが発生しなければ実質的な不具合を発生することもない。そこで、接触回転数と分離回転数の少なくともいずれか一方を、エンジン運転中に接触摺動によって油膜切れを発生する回転数未満に設定しておけばよい。
【0046】
ところで、接触回転数と分離回転数が同じだとすると、エンジン始動時や停止時などの低回転時において、クラッチの分離、接触が繰り返される可能性がある。そのため、図3(a)に示すように、接触回転数が分離回転数よりも小さくなるようヒステリシスを持って設定すれば、エンジン低回転時におけるクラッチの分離、接触が繰り返されることを抑止でき、始動性の悪化や過大な衝撃の発生を防止できる。
【0047】
このヒステリシスを持たせる手法については、例えば上述したスプラグ53の接触数や非接触数である「所定数」を調整することによって、分離回転数と接触回転数に差を付けることが考えられる。例えば上述したように、分離の場合は全てのスプラグ53が非接触となった状態を採用し、接触の場合はトルク伝達に十分な最低数のスプラグ53が接触した状態を採用するといったことである。あるいは、オーバーランニングクラッチの潤滑油となるオイルやグリースの粘度やその量を調整することによっても可能である。
【0048】
[第2の接触回転数の設定例]
図3(b)に示すように、電動機21への通電停止後、無負荷状態における内輪51の回転数が取り得る最大回転数以上に、接触回転数を設定する。図3(b)の例では、その無負荷最大回転数そのものを接触回転数に設定している。
【0049】
上述した第1の接触回転数の設定の場合には、個々のエンジン特性などによって外輪52の回転数の時間的変化は異なる。つまり、図3(a)に示す交点の回転数は一定ではないため、接触回転数も個々のエンジン特性に応じて設定する必要がある。これに対して第2の接触回転数の設定例の場合には、エンジン特性は関係なく、電動機21(及び減速機構4と内輪51)に依存するものである。つまり、接触回転数を無負荷最大回転数に設定しておけば、エンジン特性が異なっていても、内輪51と外輪52とのトルク伝達が再開する時点においては、内輪51と外輪52の回転数が等しいか、外輪52の回転数の方が内輪51よりも大きくなる。そのため、再接触時のショック等は発生せず、また再始動までの時間を短縮できるなど、上記第1の設定例にて説明したのと同様の効果が得られる。
【0050】
そしてさらに、本設定例の場合にはエンジン特性の違いにかかわらず、同じオーバーランニングクラッチ5を用いることができるため、部材共通化によるコストダウンが図られることとなる。
続いて、このような構成のエンジン始動装置STを用いてエコランECU10が実行するエンジンの始動制御について、図4、図5を参照して説明する。
【0051】
図4はエンジンEが完全に停止している状態において始動させる指令があった場合に実行する処理を示すフローチャートであり、まず、エンジン始動装置STへの通電を開始(スタータON)する(S10)。その後、エンジンEが始動したか否かを判定する(S20)。上述したように、エンジンEが自立運転を始め、外輪52の回転数が内輪51の回転数を上回り、スプラグ53と内輪51との接触が完全に遮断されると電動機21は無負荷状態となって無負荷状態で取り得る最大回転数まで上昇する。したがって、例えば電動機21の回転数を監視し、該当する最大回転数になったら「エンジン始動」と判定すればよい。
【0052】
エンジン始動と判定した場合には(S20:YES)、電動機21への通電を停止(スタータOFF)する(S30)。その後、エンジンEがストールしたか否かを判定する(S40)。この判定は、エンジンECU14からのエンジン作動状態を基にして行う。エンジンストールしていない場合は(S40:NO)、そのまま処理を終了するが、エンジンストールしている場合は(S40:YES)、エンジン回転数が所定値N1以下か否かを判定する(S50)。
【0053】
ここで、S50における判定のための所定値N1は、外輪52が上述した第1あるいは第2の設定例で示した接触回転数となっている場合に対応するエンジンEの回転数である。もちろん外輪52そのものの回転数を直接検出してもよい。しかし、外輪52の回転数とエンジンEの回転数は比例しており、エンジンEの回転数はシステム中では種々の場面において用いられるものであるため、そのデータを利用することが便利である。
【0054】
そして、エンジン回転数が所定値N1以下になったら(S50:YES)、エンジン始動装置STへの通電を開始(スタータON)する(S60)。エンジン回転数が所定値N1以下の場合には、内輪51と外輪52はスプラグ53を介して接触しているため、その状態でエンジン始動装置STへの通電を開始すれば、クランキングが実行でき、エンジンEの再始動を行うことができる。
【0055】
図5はエンジンEが一度正常に始動した後に実施されるエンジンの自動停止に係る処理を示すフローチャートであり、まず、エンジンEの自動停止条件が成立したか否かを判断する。この停止条件としては、例えば車速が0、且つブレーキストロークが15%よりも大きい、といった条件を採用することが考えられる。もちろん、これ以外の条件を追加してもよい。そして、エンジン自動停止条件が成立しない場合には(S110:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0056】
一方、エンジン自動停止条件が成立した場合には(S110:YES)、エンジンの停止処理を開始する(S120)。この停止処理は、噴射制御を中止することで行う。すなわち、燃料停止信号や点火停止信号によってエンジンの自動停止を実施する。
【0057】
このようにしてエンジンEの停止処理を開始した後、エンジン回転数が0になったか否かを判定し(S130)、エンジン回転数が0になっていない場合には(S130:NO)、エンジンの再始動要求があるか否かを判断する(S140)。エンジン回転数が0にならない状態で(S130:NO)、エンジンの再始動要求があった場合には(S140:YES)、エンジン回転数が所定値N1以下か否かを判定する(S150)。そして、エンジン回転数が所定値N1以下になったら(S150:YES)、エンジン始動装置STへの通電を開始(スタータON)する(S160)。エンジン回転数が所定値N1以下の場合には、上述したように内輪51と外輪52はスプラグ53を介して接触しているため、その状態でエンジン始動装置STへの通電を開始すれば、クランキングが実行でき、エンジンEの再始動を行うことができる。
【0058】
これに対して、エンジンの再始動要求がなくて(S140:NO)、エンジン回転数が0になった場合には(S130:YES)、停止処理を終了して(S170)、本処理を終了する。この場合は、図示しない自動始動に係る処理において自動始動条件が成立すると、始動処理を行う。その内容は図4に示すものと同様である。
【0059】
なお、本実施例においては、基本的に特許請求の範囲で用いた語をそのまま部材名として用いているが、一部、違う語を用いているので、その対応関係を示しておく。本実施例のオーバーランニングクラッチ5の内輪51が「駆動部材」に相当し、外輪52が「従動部材」に相当する。また、内輪51の外周面が「トルク出力面」に相当し、外輪52の内周面が「トルク入力面」に相当する。また、スプラグ53が「トルク中継部材」に相当し、ガータスプリング55が「付勢部材」に相当する。
【0060】
[その他]
(1)上記実施例で示した減速機構4やオーバーランニングクラッチ5は、一例であるため、同様の機能を果たせる他の構成であってもよい。要は、接触回転数の設定に関して上述したような工夫を施せばよいからである。
【0061】
例えばスプラグ53の形状については適宜変更は可能であるし、またガータスプリング55については、その役割が、スプラグ53が基本位置から寝る方向へ動くのを規制する方向へ付勢することであるため、そのような機能が発揮できれば他の付勢手段を用いることは当然ながらできる。例えばスプラグ53の側面を、立つ方向(つまり寝る方向から基本位置へ戻そうとする方向)へ付勢するようにしてもよい。
【0062】
(2)上記実施例では、オーバーランニングクラッチ5を電動機21に取り付け、外輪52に一体形成されたシャフト6が、プーリ62、ベルトB、クランクプーリCPを介してクランク軸と連結されているが、例えばプーリ62とオーバーランニングクラッチ5を一体形成してもよい。また、シャフト6とクランク軸とを直接連結してもよい。いずれにしても、このような構成の場合はエンジン側の構成変更を少なくできる。
【0063】
一方、オーバーランニングクラッチ5を電動機21側には設置せず、エンジンE、クランクプーリCP又はトランスミッションケースに取り付け、電動機出力軸と駆動部材とを直接連結したり、ギヤ、ベルト、チェーン等を介して間接的に連結したりすることも考えられる。そして、このように間接的に連結したとしてもギヤ、ベルト、チェーン等はエンジン運転中には停止しているため、耐久性の観点からは有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のエンジン始動装置の構成を示す部分断面図である。
【図3】接触回転数の設定例を示す説明図である。
【図4】実施例のエコランECUが実行するエンジン始動にかかる処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例のエコランECUが実行するエンジン始動にかかる処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…始動部、3…トルク伝達部、4…減速機構、5…オーバーランニングクラッチ、6…シャフト、8…ハウジング、10…エコランECU、11…ブレーキストロークセンサ、13…車両加減度検出手段、14…エンジンECU、15…AT−ECU、16…シフトポジションセンサ、17…アクセルスイッチ、18…ブレーキシステム、21…電動機、22…出力軸、41…サンギヤ、42…ピニオン、421…キャリア、43…リングギア、51…内輪、511…軸受け、52…外輪、53…スプラグ、54…保持器、55…ガータスプリング、61…軸受け、62…プーリ、E…エンジン、CP…クランクプーリ、B…ベルト ST…エンジン始動装置、AT…自動変速機、TM…変速機、TC…トルクコンバータ、LC…ロックアップクラッチ、DF…終減速機

Claims (8)

  1. 電動機の回転をオーバーランニングクラッチを介してエンジンのクランク軸側へ伝達する機構を備え、
    前記オーバーランニングクラッチは、前記電動機の出力軸に連結された駆動部材と前記クランク軸に連結された従動部材と、前記駆動部材のトルク出力面と前記従動部材のトルク入力面との間に配置され、前記両面との間の摩擦によって前記駆動部材から前記従動部材へトルクを伝達するトルク中継部材と、前記トルク中継部材を、前記駆動部材のトルク出力面に当接させて前記トルク伝達がなされる方向へ付勢する付勢部材とを有し、前記従動部材の回転によって前記トルク中継部材に作用する遠心力と、前記付勢部材から作用する力によって、前記駆動部材と従動部材とが接触または分離されることによって、前記電動機の回転の伝達の切替を行うよう構成されており、
    前記駆動部材と従動部材とが分離状態から接触状態へ移行する回転数である接触回転数を、次のように設定したことを特徴とするエンジン始動装置。
    エンジン始動後に正常な運転状態へ移行することなくストールする場合における前記従動部材の回転数の時間的変化を示す第一の曲線と、エンジン始動後に前記電動機への通電を停止した後における前記駆動部材の回転数の時間的変化を示す第二の曲線とについて、前記第二の曲線による前記駆動部材の回転数が零になるタイミングよりも前記第一の曲線による前記従動部材の回転数が零になるタイミングの方が早い場合における、それら両曲線の交点以上に、前記接触回転数を設定する。
  2. 電動機の回転をオーバーランニングクラッチを介してエンジンのクランク軸側へ伝達する機構を備え、
    前記オーバーランニングクラッチは、前記電動機の出力軸に連結された駆動部材と前記クランク軸に連結された従動部材と、前記駆動部材のトルク出力面と前記従動部材のトルク入力面との間に配置され、前記両面との間の摩擦によって前記駆動部材から前記従動部材へトルクを伝達するトルク中継部材と、前記トルク中継部材を、前記駆動部材のトルク出力面に当接させて前記トルク伝達がなされる方向へ付勢する付勢部材とを有し、前記従動部材の回転によって前記トルク中継部材に作用する遠心力と、前記付勢部材から作用する力によって、前記駆動部材と従動部材とが接触または分離されることによって、前記電動機の回転の伝達の切替を行うよう構成されており、
    前記駆動部材と従動部材とが分離状態から接触状態へ移行する回転数である接触回転数を、次のように設定したことを特徴とするエンジン始動装置。
    エンジン始動後に前記駆動部材が取り得る最大回転数以上に、前記接触回転数を設定する。
  3. 請求項1または2に記載のエンジン始動装置において、
    前記駆動部材と従動部材とが分離状態から接触状態へ移行する回転数である接触回転数が、前記駆動部材と従動部材とが接触状態から分離状態へ移行する回転数である分離回転数よりも小さくなるようヒステリシスを持って設定したことを特徴とするエンジン始動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン始動装置において、
    前記トルク中継部材を複数有しており、
    前記従動部材の回転数が上昇して前記複数のトルク中継部材中の所定数以上が前記トルク出力面と非接触状態になった状態における回転数を、前記分離回転数とし、分離状態の前記従動部材の回転数が低下して前記複数のトルク中継部材中の所定数以上が前記トルク出力面と接触状態になった状態における回転数を、前記接触回転数としたことを特徴とするエンジン始動装置。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のエンジン始動装置において、
    前記エンジンのストール後、通電停止により惰性回転している前記電動機に通電して再始動させる場合、前記従動部材の回転数が前記接触回転数以下になったときに当該電動機への通電を行うことを特徴とするエンジン始動装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のエンジン始動装置において、
    所定のエンジン停止条件成立後、エンジン回転数が0になるまでの間に再始動させる場合、前記従動部材の回転数が前記接触回転数以下になったときに当該電動機への通電を行うことを特徴とするエンジン始動装置。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のエンジン始動装置において、
    前記オーバーランニングクラッチは、前記電動機に内蔵されており、
    前記従動部材に連結された電動機出力軸と前記クランク軸とが連結されていることを特徴とするエンジン始動装置。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のエンジン始動装置において、
    前記オーバーランニングクラッチは、エンジン、クランクプーリ又はトランスミッションケースに内蔵されており、
    前記電動機出力軸と前記駆動部材とが連結されていることを特徴とするエンジン始動装置。
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