JP3823165B2 - 表面化粧シートを一体化した食品包装用発泡容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーズ発泡成形によって形成される発泡樹脂成形品に関し、特に表面化粧シートを一体的に有した発泡樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビーズをキャビティ内で発泡させることによって発泡樹脂成形品を形成するビーズ発泡成形方法は、発泡ビーズが充填されるべき型のキャビティの形状によって、「カップ」のような所謂「深もの」とする場合に有効なものとなる。何故なら、例えば、「トレイ」のような「浅もの」を形成する場合には、発泡性樹脂シートを真空または圧空成形すればよいのであるが、この発泡性樹脂シートを所謂「深絞り」して「深もの」を形成することは、肉厚変化や亀裂の発生等の問題があって、不可能だからである。勿論、この「深もの」を射出成形することもあり得るが、「カップ」のような使い捨て容器については、そのようなコストの高い製造方法を採用することはできない。
【0003】
一方、以上のビーズ発泡成形を採用して成形される発泡樹脂成形品は、ビーズ発泡成形という手段を採用することから所謂「ガスバリア性」が低く、また凹凸が表面に生じ易いことから表面へ直接印刷した場合に不鮮明とならざるを得ないという問題を含んでいるものである。
【0004】
そして、ビーズ発泡成形する際に、雌型キャビティ内に構成されている蒸気室への蒸気の導入によってビーズの加熱発泡と、同室への冷却水の導入によって冷却固化とを行うのであるが、これらの蒸気や冷却水を、雌型キャビティの上部側方の一点から対角側下部(反対側)に排出するには、相当多くの時間を要することとなる。勿論、これらの蒸気や冷却水からの発泡体への熱移動についても、成形時に必要な均一な温度を得るためには相応の時間を要するものであり、これらの時間は、この種のビーズ発泡成形品を製造する場合のコストを増大させているのである。
【0005】
そこで、この種の発泡樹脂成形品について、そのコストの安さや製造容易性という長所を十分生かしながら、ガスバリア性の確保及び装飾の完全化を図るために、例えば特開平8−132465号公報にて提案されているような、「ラベル付き発泡樹脂成形品及びその製造方法」が採用されてきているのである。
【0006】
この特開平8−132465号公報にて提案されている「ラベル付き発泡樹脂成形品及びその製造方法」では、その特許請求の範囲の請求項1の記載からすると、雌型のキャビティー内面に、「ラベル端に沿った溝」を形成しておいて、この「ラベル端に沿った溝」からエアを吸引することにより、雌型とラベルとの間を減圧してラベルの雌型に対する仮固定を行うようにするものである。この「ラベル端に沿った溝」を形成しておくことは、上記公報の特許請求の範囲の、請求項2の疑似雄型を使用する製造方法でも同様である。
【0007】
ところが、雌型のキャビティー内面に形成した「ラベル端に沿った溝」からエアを吸引してラベルの仮固定を確実に行うには、ラベルがこの「ラベル端に沿った溝」に当接し得る位置になければならないから、雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定を、常に正確に行っておかなくてはならないことになる。もし、ラベルの位置設定が正確でないと、雌型とラベルとの間の減圧が良好になされず、ラベルの雌型に対する仮固定が行えないだけでなく、ラベルがズレたまま容器表面に一体化されることにもなる。従って、出来あがった製品は、見栄えが悪いだけでなく、十分なガスバリア性が確保できていないものになる。この雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定については、上記公報中には何等具体的には記載されていないが、十分なガスバリア性を有して美麗な製品とするためには、実際上は非常に重要な問題なのである。
【0008】
また、この種の発泡樹脂成形品は、言わば使い捨てされるものであるから、高速で大量に製造しなければならないものであるが、雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定に時間が係ったり、手間が係ったりすれば、当然そのコストが上昇することになって好ましいことではない。特に、ラベルの位置設定に時間が掛かるようでは、この種の発泡樹脂成形品の製造方法としては、重大な問題を有していることになるのである。
【0009】
そこで、本発明者は、上記のラベル、つまり本発明でいうところの「表面化粧シート」の、外型(雌型)に対する位置設定を、常に正確でかつ短時間で行うようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この種の表面化粧シートを一体化した発泡樹脂成形品を製造するについて、表面化粧シートの、外型に対する位置設定を常に正確で短時間内で行えるようにして、美麗でガスバリア性が十分な発泡樹脂成形品を製造することである。
【0011】
すなわち、本発明の目的とするところは、表面化粧シートの型に対する位置調整をより効果的に行うことができて、表面化粧シートの発泡容器に対する一体化が確実となり、しかも外型に対する表面化粧シートの装着及び位置決めを自動的かつ確実に行うことができて、ガスバリア性に優れて美麗な食品包装用発泡容器の製造を高速で確実に行うことができる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「ビーズ注入孔12、及びこの近傍に形成した複数のスチーム導入孔13を有したビーズ発泡成形するための外型10と、この外型10のコア収納部11内に挿入される成形コア20とによって、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52を構成し、このキャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、次の各工程を含んで製造することを特徴とする製造方法。
(1)成形コア20とは別の疑似コア30の外周面に、裏面にキャビティ52内の隙間にて形成される発泡成形体51との接着を行う接着剤41を予めグリッド状に設けた表面化粧シート40を巻き付け、この疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させる工程;
(2)この表面化粧シート40とともに、疑似コア30を外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31からエアを噴出させることにより、表面化粧シート40を、その復元性を利用して第1段階の位置修正を行いながら、外型10のコア収納部11内面に移送させる工程;
(3)外型10のコア収納部11内面であって、表面化粧シート40のビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13側の端縁から10〜15mm内側部分、及びこの表面化粧シート40の他側の端縁内側に該当する部分に形成してある空気導入用の各エア孔14から吸引することにより、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に固定して、表面化粧シート40の内側と成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成する工程;
(4)その後、当該疑似コア30と成形コア20とを入れ換える工程;
(5)このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させる際に、表面化粧シート40に設けた接着剤41間から、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの流れを行い易くして、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行う行程。」
である。
【0013】
すなわち、本発明は、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、ビーズ発泡成形法により製造する方法に関するものであり、ビーズ注入孔12、及びこの近傍に形成した複数のスチーム導入孔13を有したビーズ発泡成形するための外型10と、この外型10のコア収納部11内に挿入される成形コア20とによって、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52を構成し、このキャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、食品包装用発泡容器50を製造しようとするものである。
【0014】
そのために、まず行程(1)では、図2に示すように、成形コア20とは別の疑似コア30の外周面に、表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させるのであるが、この表面化粧シート40の裏面には、図6に示すように、接着剤41を予めグリッド状に設けておくのである。この接着剤41は、キャビティ52内の隙間にて形成される発泡成形体51と、表面化粧シート40との接着を行うものである。そして、この表面化粧シート40を疑似コア30の表面に巻き付けて、この疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させるのである。
【0015】
行程(2)では、この疑似コア30を、表面化粧シート40とともに外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31から、今度はエアを噴出させるのである。これにより、表面化粧シート40は、その復元性によって第1段階の位置修正を行いながら、外型10のコア収納部11内面に移送されるのである。
【0016】
すなわち、この工程(2)では、疑似コア30の表面に巻き付け吸着されていた表面化粧シート40は、各エア孔31から噴出されたエアによって外型10のコア収納部11内面に移送される間に自由になるときがある。この自由になった間に、当該鏡面化粧シート40は、その復元性、つまり元に戻ろうとする性質によって位置修正を行うのであるが、これが「第1段階の位置修正」である。
【0017】
さて、次の行程(3)では、外型10のコア収納部11内面に形成してある各エア孔14から吸引することにより、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に固定するのである。これらの各エア孔14は、外型10のコア収納部11内面であって、表面化粧シート40のビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13側の端縁から10〜15mm内側部分と、この表面化粧シート40の他側の端縁内側に対向する部分とに形成してある。これらの空気導入用の各エア孔14から吸引することによって、表面化粧シート40を外型10内に固定して、この表面化粧シート40の内側と、疑似コア30と交換された成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成するのである。
【0018】
その後に、行程(4)で、図3に示すように、不要となった疑似コア30と成形コア20とを入れ換えるのである。そして、図4に示すように、成形コア20と表面化粧シート40との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成するのである。
【0019】
さて、行程(5)では、このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させて、発泡成形体51を形成するのであるが、この際に重要なことは、「第2段階の位置修正」を行うことである。この第2段階の位置修正は、キャビティ52内の隙間に存在していたガスを、表面化粧シート40に設けた接着剤41間に積極的に流すようにして、いわば意図的に行うものである。
【0020】
そのために、表面化粧シート40の裏面には、上記行程(1)での説明、及び図6で図示したように、接着剤41が予めグリッド状に形成してあり、これらの接着剤41間を、キャビティ52内へのビーズの注入、及びビーズの加熱発泡による体積増加によって、キャビティ52内の隙間に存在していたガスが、図6中の矢印にて示したように流れるのである。換言すれば、表面化粧シート40は、発泡成形体51のガスバリア性を確保するためのものでもあるから、ガスはこの表面化粧シート40を通過することがないのであり、キャビティ52内の隙間に存在していたガスは、当該表面化粧シート40の裏面であって、各接着剤41間にて流れざるを得ないものである。以上のような、表面化粧シート40の裏面であって、各接着剤41間にてのガスの流れは、これらが集まることによって、最終的には、図5に示す矢印のような大きな流れとなり、表面化粧シート40を動かす動力源となるのである。
【0021】
ところで、表面化粧シート40が、上記第1段階の位置修正によって、外型10のコア収納部11内面に対する位置が正しいものであれば、この表面化粧シート40は、コア収納部11内面にピッタリと保持されているため、図5及び図6に示したガスの流れによっては移動することはない。これに対して、表面化粧シート40が、第1段階の位置修正によっては未だコア収納部11内面に対して、例えば図7の図示上方に示したもののように、ズレがあった場合には、当該表面化粧シート40はコア収納部11内面に保持されていないことになるから、上記ガスの流れが表面化粧シート40を動かすことになり、図7の図示下方に示したもののように第2段階の位置調整がなされるのである。
【0022】
ところで、従来の技術の項で述べたように、ビーズを加熱発泡して発泡成形体51とする際には、キャビティ52内の蒸気室への蒸気の導入と、同室への冷却水の導入とを行うのであるが、キャビティ52の上部側方の一点から対角(反対側)に排出することは、成形時に必要な均一な温度を得るためには相当多くの時間を要することとなり、製造コストを増大させるものである。
【0023】
しかしながら、本発明の後述する実施形態では、図3及び図4に示すように、加熱用蒸気及び冷却水の導入孔13を、ビーズ注入孔12の近傍に2箇所形成するとともに、排出孔15を外型10の下部に形成したので、加熱用蒸気及び冷却水は、コア収納部11において、上部から下部へ障害なく短時間で流れるため、コア収納部11を均一な温度状態に短時間で行うのである。従って、本発明の成形方法では、成形サイクルを短くできて、発泡状態が均一な食品包装用発泡容器50を得ることができるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明を、図面に示した実施の形態に従って説明すると、図1には、本発明の製造方法が製造しようとしている食品包装用発泡容器50の斜視図と部分拡大図が示してあり、この食品包装用発泡容器50は、発泡成形体51の表面にガスバリア性の高い材料、例えばOPP(延伸ポリプロピレン)によって形成した表面化粧シート40が一体化してあるものである。
【0025】
この表面化粧シート40は、上記のOPP(延伸ポリプロピレン)によって薄いシート状のものに形成し、内容物の表示や、調理例、あるいは商品名等を表面に印刷したものであり、これをその復元力に抗して丸めると、図5あるいは図7に示したような筒状のものとなるものである。そして、この表面化粧シート40の裏面には、図6に示したように、接着剤41が印刷等の手段によってグリッド(格子)状に形成してあり、これら各接着剤41間は、図6中の矢印にて示したようなガスの流れる道を形成するものである。この接着剤41は、例えばホットメルト系(パラフィンワックス/エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物)を材料として印刷したもので、ビーズを加熱発泡させるための蒸気の温度によって溶けるものであり、その厚さが40μm程度の凹凸群である。
【0026】
勿論、発泡成形体51となるべきビーズは、外型10のキャビティ52内に確実に注入できるように細かくして蒸気による加熱によって発泡する樹脂であり、ビーズ発泡成形に使用されている一般的な樹脂である。
【0027】
成形コア20や疑似コア30が挿入されてキャビティ52を形成する外型10は、図3及び図4に示したように、その図示上方中央にビーズ注入孔12を有しているものであり、このビーズ注入孔12の近傍には複数のスチーム導入孔13が形成してあるものである。このスチーム導入孔13は、発泡成形後には冷却水が通されるものであり、これらの冷却水や蒸気は、当該外型10の図示下部に形成してある排出孔15から排出されるものである。
【0028】
また、この外型10は、その中心のコア収納部11内に、疑似コア30または成形コア20が挿入されることにより、疑似コア30による表面化粧シート40の保持と、成形コア20によるビーズ発泡成形のためのキャビティ52構成を行うものである。つまり、この外型10は、そのキャビティ52内に疑似コア30によって表面化粧シート40が挿入され、この表面化粧シート40の内側になるキャビティ52内にビーズ注入孔12からビーズを注入し、この注入されたビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、次のように製造することになるものである。
【0029】
以上のような外型10、成形コア20、疑似コア30及び表面化粧シート40を使用して、本発明の対象である食品包装用発泡容器50を製造するには、まず成形コア20とは別ではあるが略同じ大きさの、図2に示した疑似コア30を用意し、この疑似コア30の外周面に、接着剤41を予めグリッド状に設けた表面化粧シート40を巻き付けるのである。このとき、この表面化粧シート40は上記材料によって形成したものであるから、ある程度の復元性を有しているため、そのままでは当該表面化粧シート40の疑似コア30表面に対する添着は不安定なままである。そこで、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に機械的に巻き付けてから、疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、吸着させるのである。
【0030】
この疑似コア30を、その表面の表面化粧シート40とともに外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31から、今度はエアを噴出させるのである。これにより、表面化粧シート40は、疑似コア30から離れて、図3に示すように、外型10のコア収納部11内面に移送されるのである。このとき、表面化粧シート40は、その自らの復元性によって元の平坦な状態に戻ろうとするのであるが、この作用によって外型10のコア収納部11内面に対しての、表面化粧シート40の第1段階の位置修正が行われるのである。
【0031】
ところで、外型10のコア収納部11内面には、上述したように、ビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13が開口させてあったのであるが、これらのビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13の近傍であって、表面化粧シート40の端縁から10〜15mm内側部分、及びこの表面化粧シート40の他側の端縁内側に該当する部分に、空気導入用のエア孔14が、図3及び図4に示したように、複数形成してある。これらの空気導入用の各エア孔14から、コア収納部11の内面と表面化粧シート40との間に存在する残留エアを吸引することにより、疑似コア30によって挿入された表面化粧シート40は、外型10のコア収納部11内に固定されるのである。これにより、表面化粧シート40の内側と、次の挿入される成形コア20との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間が形成されることになるのである。
【0032】
以上のようにして、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に挿入した疑似コア30は、その役目を果たしたことになるから、これを引き出すとともに、図3にも示したように、当該疑似コア30と成形コア20とを入れ換えるのである。以上の結果、上述したように、表面化粧シート40の内側と、次の挿入される成形コア20との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間が形成されるのである。
【0033】
そこで、このキャビティ52内の隙間に、外型10に形成してあるビーズ注入孔12からビーズを注入するとともに、このビーズを、外型10に形成してある複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させるのである。
【0034】
この際に重要なことは、ビーズの注入と、このビーズの発泡による体積増加によって、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの、外型10外に対する流れが、図5に示したような状態のものとして生ずることである。このガスの流れは、ガスバリア性の高い材料によって形成した表面化粧シート40自体により、またこの表面化粧シート40の裏面にグリッド状に形成してある多数の接着剤41によって案内されるため、図5及び図6に示したように、各接着剤41間から非常に流れ易くなっているのである。以上の結果、キャビティ52内の隙間に存在していたガスは、図5に示したように、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行いながら流れるのである。
【0035】
換言すれば、このビーズの注入と、ビーズの発泡が行われるときには、表面化粧シート40に対して、図5に示したようなガスの流れが発生し易くしてあるため、外型10のコア収納部11内面に対して表面化粧シート40が位置ズレしていたとしても、このガスの流れ、コア収納部11内面の形状、及び表面化粧シート40自体が有している復元性の総合作用によって、表面化粧シート40はコア収納部11内面に対して正しい位置になるように修正されるのである。これが第2段階の位置修正である。
【0036】
勿論、このビーズ発泡時には、外型10内はスチーム導入孔13から導入されているスチームによって加熱されているのであるから、ビーズの発泡が完了する時点までには、各接着剤41は、完成されるべき発泡成形体51の表面と表面化粧シート40との接着を行えるように、十分溶解されている。従って、ビーズの発泡が完了して発泡成形体51が完成し、かつスチーム導入孔13から冷却水が注入され始めれば、表面化粧シート40は発泡成形体51の表面に隙間のない状態で一体化されるのである。これにより、本発明の製造方法が目的としていた、図1に示した食品包装用発泡容器50が完全なものとして完成し、この食品包装用発泡容器50は、図示しない一般的な取り出し装置によって、外型10から取り出されるのである。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の製造方法によれば、キャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を製造するにあたって、表面化粧シート40を添着した疑似コア30を外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31からエアを噴出させることにより、表面化粧シート40を、その復元性を利用して第1段階の位置修正を行い、疑似コア30と成形コア20とを入れ換えて、表面化粧シート40の内側と成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成し、このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させる際に、表面化粧シート40に設けた接着剤41間から、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの流れを行い易くして、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行うようにしたことにその特徴があり、これにより、表面化粧シート40を一体化した発泡樹脂成形品50を製造するについて表面化粧シート40の、外型10に対する位置設定を常に正確で短時間内で行うことができるのであり、美麗でガスバリア性が十分な発泡樹脂成形品50を製造することができるのである。
【0038】
すなわち、本発明の製造方法によれば、表面化粧シート40の型に対する位置調整をより効果的に行うことができて、表面化粧シート40の発泡容器50に対する一体化が確実となり、しかも外型10のコア収納部11に対する表面化粧シート40の装着及び位置決めを自動的かつ確実に行うことができて、ガスバリア性に優れて美麗な食品包装用発泡容器50の製造を高速で確実に行うことができるのである。
【0039】
より具体的には、本発明の製造方法では、上述した第1及び第2段階の位置修正によって、表面化粧シート40の位置設定を正確に行うことができるのであり表面化粧シート40の外型10に対する仮固定が確実に行えるだけでなく、外型10と表面化粧シート40との間の減圧を良好に行えて、表面化粧シート40を発泡成形体51の表面に正確に一体化することができるのである。従って、出来あがった食品包装用発泡容器50は、非常に美麗なものとなるのであり、十分なガスバリア性も確保できたものになる。また、本発明によれば、外型10、成形コア20、あるいは疑似コア30に対する表面化粧シート40の位置設定が短時間で行うことができて、高速で大量に製造することができるのであり、当然完成された食品包装用発泡容器50のコストが上昇することはないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって製造された食品包装用発泡容器の一部破断斜視図と、この斜視図中の1−1線部の部分拡大断面図である。
【図2】本発明において使用される疑似コアとこれに添着される表面化粧シートの断面図である。
【図3】コア収納部内面に吸引させた表面化粧シート内に成形コアを挿入している状態の断面図である。
【図4】成形コアの挿入が完了したときの外型の断面図である。
【図5】表面化粧シートの裏面側からのガスの流れを示す斜視図である。
【図6】表面化粧シートの裏面に形成してある各接着剤間を通したガスの流れ状態を示す、表面化粧シートの部分拡大斜視図である。
【図7】第1及び第2段階の位置調整によって表面化粧シートが順位正確な位置になっていく状態を示す表面化粧シートの斜視図である。
【図8】従来の技術を示す断面図である。
【符号の説明】
10 外型
11 コア収納部
12 ビーズ注入孔
13 スチーム導入孔
14 エア孔
15 排出孔
20 成形コア
30 疑似コア
31 エア孔
40 表面化粧シート
41 接着剤
50 食品包装用発泡容器
51 発泡成形体
52 キャビティ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーズ発泡成形によって形成される発泡樹脂成形品に関し、特に表面化粧シートを一体的に有した発泡樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビーズをキャビティ内で発泡させることによって発泡樹脂成形品を形成するビーズ発泡成形方法は、発泡ビーズが充填されるべき型のキャビティの形状によって、「カップ」のような所謂「深もの」とする場合に有効なものとなる。何故なら、例えば、「トレイ」のような「浅もの」を形成する場合には、発泡性樹脂シートを真空または圧空成形すればよいのであるが、この発泡性樹脂シートを所謂「深絞り」して「深もの」を形成することは、肉厚変化や亀裂の発生等の問題があって、不可能だからである。勿論、この「深もの」を射出成形することもあり得るが、「カップ」のような使い捨て容器については、そのようなコストの高い製造方法を採用することはできない。
【0003】
一方、以上のビーズ発泡成形を採用して成形される発泡樹脂成形品は、ビーズ発泡成形という手段を採用することから所謂「ガスバリア性」が低く、また凹凸が表面に生じ易いことから表面へ直接印刷した場合に不鮮明とならざるを得ないという問題を含んでいるものである。
【0004】
そして、ビーズ発泡成形する際に、雌型キャビティ内に構成されている蒸気室への蒸気の導入によってビーズの加熱発泡と、同室への冷却水の導入によって冷却固化とを行うのであるが、これらの蒸気や冷却水を、雌型キャビティの上部側方の一点から対角側下部(反対側)に排出するには、相当多くの時間を要することとなる。勿論、これらの蒸気や冷却水からの発泡体への熱移動についても、成形時に必要な均一な温度を得るためには相応の時間を要するものであり、これらの時間は、この種のビーズ発泡成形品を製造する場合のコストを増大させているのである。
【0005】
そこで、この種の発泡樹脂成形品について、そのコストの安さや製造容易性という長所を十分生かしながら、ガスバリア性の確保及び装飾の完全化を図るために、例えば特開平8−132465号公報にて提案されているような、「ラベル付き発泡樹脂成形品及びその製造方法」が採用されてきているのである。
【0006】
この特開平8−132465号公報にて提案されている「ラベル付き発泡樹脂成形品及びその製造方法」では、その特許請求の範囲の請求項1の記載からすると、雌型のキャビティー内面に、「ラベル端に沿った溝」を形成しておいて、この「ラベル端に沿った溝」からエアを吸引することにより、雌型とラベルとの間を減圧してラベルの雌型に対する仮固定を行うようにするものである。この「ラベル端に沿った溝」を形成しておくことは、上記公報の特許請求の範囲の、請求項2の疑似雄型を使用する製造方法でも同様である。
【0007】
ところが、雌型のキャビティー内面に形成した「ラベル端に沿った溝」からエアを吸引してラベルの仮固定を確実に行うには、ラベルがこの「ラベル端に沿った溝」に当接し得る位置になければならないから、雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定を、常に正確に行っておかなくてはならないことになる。もし、ラベルの位置設定が正確でないと、雌型とラベルとの間の減圧が良好になされず、ラベルの雌型に対する仮固定が行えないだけでなく、ラベルがズレたまま容器表面に一体化されることにもなる。従って、出来あがった製品は、見栄えが悪いだけでなく、十分なガスバリア性が確保できていないものになる。この雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定については、上記公報中には何等具体的には記載されていないが、十分なガスバリア性を有して美麗な製品とするためには、実際上は非常に重要な問題なのである。
【0008】
また、この種の発泡樹脂成形品は、言わば使い捨てされるものであるから、高速で大量に製造しなければならないものであるが、雌型、雄型、あるいは疑似雄型に対するラベルの位置設定に時間が係ったり、手間が係ったりすれば、当然そのコストが上昇することになって好ましいことではない。特に、ラベルの位置設定に時間が掛かるようでは、この種の発泡樹脂成形品の製造方法としては、重大な問題を有していることになるのである。
【0009】
そこで、本発明者は、上記のラベル、つまり本発明でいうところの「表面化粧シート」の、外型(雌型)に対する位置設定を、常に正確でかつ短時間で行うようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この種の表面化粧シートを一体化した発泡樹脂成形品を製造するについて、表面化粧シートの、外型に対する位置設定を常に正確で短時間内で行えるようにして、美麗でガスバリア性が十分な発泡樹脂成形品を製造することである。
【0011】
すなわち、本発明の目的とするところは、表面化粧シートの型に対する位置調整をより効果的に行うことができて、表面化粧シートの発泡容器に対する一体化が確実となり、しかも外型に対する表面化粧シートの装着及び位置決めを自動的かつ確実に行うことができて、ガスバリア性に優れて美麗な食品包装用発泡容器の製造を高速で確実に行うことができる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「ビーズ注入孔12、及びこの近傍に形成した複数のスチーム導入孔13を有したビーズ発泡成形するための外型10と、この外型10のコア収納部11内に挿入される成形コア20とによって、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52を構成し、このキャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、次の各工程を含んで製造することを特徴とする製造方法。
(1)成形コア20とは別の疑似コア30の外周面に、裏面にキャビティ52内の隙間にて形成される発泡成形体51との接着を行う接着剤41を予めグリッド状に設けた表面化粧シート40を巻き付け、この疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させる工程;
(2)この表面化粧シート40とともに、疑似コア30を外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31からエアを噴出させることにより、表面化粧シート40を、その復元性を利用して第1段階の位置修正を行いながら、外型10のコア収納部11内面に移送させる工程;
(3)外型10のコア収納部11内面であって、表面化粧シート40のビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13側の端縁から10〜15mm内側部分、及びこの表面化粧シート40の他側の端縁内側に該当する部分に形成してある空気導入用の各エア孔14から吸引することにより、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に固定して、表面化粧シート40の内側と成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成する工程;
(4)その後、当該疑似コア30と成形コア20とを入れ換える工程;
(5)このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させる際に、表面化粧シート40に設けた接着剤41間から、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの流れを行い易くして、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行う行程。」
である。
【0013】
すなわち、本発明は、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、ビーズ発泡成形法により製造する方法に関するものであり、ビーズ注入孔12、及びこの近傍に形成した複数のスチーム導入孔13を有したビーズ発泡成形するための外型10と、この外型10のコア収納部11内に挿入される成形コア20とによって、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52を構成し、このキャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、食品包装用発泡容器50を製造しようとするものである。
【0014】
そのために、まず行程(1)では、図2に示すように、成形コア20とは別の疑似コア30の外周面に、表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させるのであるが、この表面化粧シート40の裏面には、図6に示すように、接着剤41を予めグリッド状に設けておくのである。この接着剤41は、キャビティ52内の隙間にて形成される発泡成形体51と、表面化粧シート40との接着を行うものである。そして、この表面化粧シート40を疑似コア30の表面に巻き付けて、この疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に巻き付け吸着させるのである。
【0015】
行程(2)では、この疑似コア30を、表面化粧シート40とともに外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31から、今度はエアを噴出させるのである。これにより、表面化粧シート40は、その復元性によって第1段階の位置修正を行いながら、外型10のコア収納部11内面に移送されるのである。
【0016】
すなわち、この工程(2)では、疑似コア30の表面に巻き付け吸着されていた表面化粧シート40は、各エア孔31から噴出されたエアによって外型10のコア収納部11内面に移送される間に自由になるときがある。この自由になった間に、当該鏡面化粧シート40は、その復元性、つまり元に戻ろうとする性質によって位置修正を行うのであるが、これが「第1段階の位置修正」である。
【0017】
さて、次の行程(3)では、外型10のコア収納部11内面に形成してある各エア孔14から吸引することにより、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に固定するのである。これらの各エア孔14は、外型10のコア収納部11内面であって、表面化粧シート40のビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13側の端縁から10〜15mm内側部分と、この表面化粧シート40の他側の端縁内側に対向する部分とに形成してある。これらの空気導入用の各エア孔14から吸引することによって、表面化粧シート40を外型10内に固定して、この表面化粧シート40の内側と、疑似コア30と交換された成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成するのである。
【0018】
その後に、行程(4)で、図3に示すように、不要となった疑似コア30と成形コア20とを入れ換えるのである。そして、図4に示すように、成形コア20と表面化粧シート40との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成するのである。
【0019】
さて、行程(5)では、このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させて、発泡成形体51を形成するのであるが、この際に重要なことは、「第2段階の位置修正」を行うことである。この第2段階の位置修正は、キャビティ52内の隙間に存在していたガスを、表面化粧シート40に設けた接着剤41間に積極的に流すようにして、いわば意図的に行うものである。
【0020】
そのために、表面化粧シート40の裏面には、上記行程(1)での説明、及び図6で図示したように、接着剤41が予めグリッド状に形成してあり、これらの接着剤41間を、キャビティ52内へのビーズの注入、及びビーズの加熱発泡による体積増加によって、キャビティ52内の隙間に存在していたガスが、図6中の矢印にて示したように流れるのである。換言すれば、表面化粧シート40は、発泡成形体51のガスバリア性を確保するためのものでもあるから、ガスはこの表面化粧シート40を通過することがないのであり、キャビティ52内の隙間に存在していたガスは、当該表面化粧シート40の裏面であって、各接着剤41間にて流れざるを得ないものである。以上のような、表面化粧シート40の裏面であって、各接着剤41間にてのガスの流れは、これらが集まることによって、最終的には、図5に示す矢印のような大きな流れとなり、表面化粧シート40を動かす動力源となるのである。
【0021】
ところで、表面化粧シート40が、上記第1段階の位置修正によって、外型10のコア収納部11内面に対する位置が正しいものであれば、この表面化粧シート40は、コア収納部11内面にピッタリと保持されているため、図5及び図6に示したガスの流れによっては移動することはない。これに対して、表面化粧シート40が、第1段階の位置修正によっては未だコア収納部11内面に対して、例えば図7の図示上方に示したもののように、ズレがあった場合には、当該表面化粧シート40はコア収納部11内面に保持されていないことになるから、上記ガスの流れが表面化粧シート40を動かすことになり、図7の図示下方に示したもののように第2段階の位置調整がなされるのである。
【0022】
ところで、従来の技術の項で述べたように、ビーズを加熱発泡して発泡成形体51とする際には、キャビティ52内の蒸気室への蒸気の導入と、同室への冷却水の導入とを行うのであるが、キャビティ52の上部側方の一点から対角(反対側)に排出することは、成形時に必要な均一な温度を得るためには相当多くの時間を要することとなり、製造コストを増大させるものである。
【0023】
しかしながら、本発明の後述する実施形態では、図3及び図4に示すように、加熱用蒸気及び冷却水の導入孔13を、ビーズ注入孔12の近傍に2箇所形成するとともに、排出孔15を外型10の下部に形成したので、加熱用蒸気及び冷却水は、コア収納部11において、上部から下部へ障害なく短時間で流れるため、コア収納部11を均一な温度状態に短時間で行うのである。従って、本発明の成形方法では、成形サイクルを短くできて、発泡状態が均一な食品包装用発泡容器50を得ることができるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明を、図面に示した実施の形態に従って説明すると、図1には、本発明の製造方法が製造しようとしている食品包装用発泡容器50の斜視図と部分拡大図が示してあり、この食品包装用発泡容器50は、発泡成形体51の表面にガスバリア性の高い材料、例えばOPP(延伸ポリプロピレン)によって形成した表面化粧シート40が一体化してあるものである。
【0025】
この表面化粧シート40は、上記のOPP(延伸ポリプロピレン)によって薄いシート状のものに形成し、内容物の表示や、調理例、あるいは商品名等を表面に印刷したものであり、これをその復元力に抗して丸めると、図5あるいは図7に示したような筒状のものとなるものである。そして、この表面化粧シート40の裏面には、図6に示したように、接着剤41が印刷等の手段によってグリッド(格子)状に形成してあり、これら各接着剤41間は、図6中の矢印にて示したようなガスの流れる道を形成するものである。この接着剤41は、例えばホットメルト系(パラフィンワックス/エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物)を材料として印刷したもので、ビーズを加熱発泡させるための蒸気の温度によって溶けるものであり、その厚さが40μm程度の凹凸群である。
【0026】
勿論、発泡成形体51となるべきビーズは、外型10のキャビティ52内に確実に注入できるように細かくして蒸気による加熱によって発泡する樹脂であり、ビーズ発泡成形に使用されている一般的な樹脂である。
【0027】
成形コア20や疑似コア30が挿入されてキャビティ52を形成する外型10は、図3及び図4に示したように、その図示上方中央にビーズ注入孔12を有しているものであり、このビーズ注入孔12の近傍には複数のスチーム導入孔13が形成してあるものである。このスチーム導入孔13は、発泡成形後には冷却水が通されるものであり、これらの冷却水や蒸気は、当該外型10の図示下部に形成してある排出孔15から排出されるものである。
【0028】
また、この外型10は、その中心のコア収納部11内に、疑似コア30または成形コア20が挿入されることにより、疑似コア30による表面化粧シート40の保持と、成形コア20によるビーズ発泡成形のためのキャビティ52構成を行うものである。つまり、この外型10は、そのキャビティ52内に疑似コア30によって表面化粧シート40が挿入され、この表面化粧シート40の内側になるキャビティ52内にビーズ注入孔12からビーズを注入し、この注入されたビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を、次のように製造することになるものである。
【0029】
以上のような外型10、成形コア20、疑似コア30及び表面化粧シート40を使用して、本発明の対象である食品包装用発泡容器50を製造するには、まず成形コア20とは別ではあるが略同じ大きさの、図2に示した疑似コア30を用意し、この疑似コア30の外周面に、接着剤41を予めグリッド状に設けた表面化粧シート40を巻き付けるのである。このとき、この表面化粧シート40は上記材料によって形成したものであるから、ある程度の復元性を有しているため、そのままでは当該表面化粧シート40の疑似コア30表面に対する添着は不安定なままである。そこで、当該表面化粧シート40を、その復元性に抗して疑似コア30に機械的に巻き付けてから、疑似コア30の外周面に開口させた空気導入用のエア孔31から吸引することにより、吸着させるのである。
【0030】
この疑似コア30を、その表面の表面化粧シート40とともに外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31から、今度はエアを噴出させるのである。これにより、表面化粧シート40は、疑似コア30から離れて、図3に示すように、外型10のコア収納部11内面に移送されるのである。このとき、表面化粧シート40は、その自らの復元性によって元の平坦な状態に戻ろうとするのであるが、この作用によって外型10のコア収納部11内面に対しての、表面化粧シート40の第1段階の位置修正が行われるのである。
【0031】
ところで、外型10のコア収納部11内面には、上述したように、ビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13が開口させてあったのであるが、これらのビーズ注入孔12及びスチーム導入孔13の近傍であって、表面化粧シート40の端縁から10〜15mm内側部分、及びこの表面化粧シート40の他側の端縁内側に該当する部分に、空気導入用のエア孔14が、図3及び図4に示したように、複数形成してある。これらの空気導入用の各エア孔14から、コア収納部11の内面と表面化粧シート40との間に存在する残留エアを吸引することにより、疑似コア30によって挿入された表面化粧シート40は、外型10のコア収納部11内に固定されるのである。これにより、表面化粧シート40の内側と、次の挿入される成形コア20との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間が形成されることになるのである。
【0032】
以上のようにして、表面化粧シート40を外型10のコア収納部11内に挿入した疑似コア30は、その役目を果たしたことになるから、これを引き出すとともに、図3にも示したように、当該疑似コア30と成形コア20とを入れ換えるのである。以上の結果、上述したように、表面化粧シート40の内側と、次の挿入される成形コア20との間に、ビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間が形成されるのである。
【0033】
そこで、このキャビティ52内の隙間に、外型10に形成してあるビーズ注入孔12からビーズを注入するとともに、このビーズを、外型10に形成してある複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させるのである。
【0034】
この際に重要なことは、ビーズの注入と、このビーズの発泡による体積増加によって、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの、外型10外に対する流れが、図5に示したような状態のものとして生ずることである。このガスの流れは、ガスバリア性の高い材料によって形成した表面化粧シート40自体により、またこの表面化粧シート40の裏面にグリッド状に形成してある多数の接着剤41によって案内されるため、図5及び図6に示したように、各接着剤41間から非常に流れ易くなっているのである。以上の結果、キャビティ52内の隙間に存在していたガスは、図5に示したように、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行いながら流れるのである。
【0035】
換言すれば、このビーズの注入と、ビーズの発泡が行われるときには、表面化粧シート40に対して、図5に示したようなガスの流れが発生し易くしてあるため、外型10のコア収納部11内面に対して表面化粧シート40が位置ズレしていたとしても、このガスの流れ、コア収納部11内面の形状、及び表面化粧シート40自体が有している復元性の総合作用によって、表面化粧シート40はコア収納部11内面に対して正しい位置になるように修正されるのである。これが第2段階の位置修正である。
【0036】
勿論、このビーズ発泡時には、外型10内はスチーム導入孔13から導入されているスチームによって加熱されているのであるから、ビーズの発泡が完了する時点までには、各接着剤41は、完成されるべき発泡成形体51の表面と表面化粧シート40との接着を行えるように、十分溶解されている。従って、ビーズの発泡が完了して発泡成形体51が完成し、かつスチーム導入孔13から冷却水が注入され始めれば、表面化粧シート40は発泡成形体51の表面に隙間のない状態で一体化されるのである。これにより、本発明の製造方法が目的としていた、図1に示した食品包装用発泡容器50が完全なものとして完成し、この食品包装用発泡容器50は、図示しない一般的な取り出し装置によって、外型10から取り出されるのである。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の製造方法によれば、キャビティ52内に挿入した表面化粧シート40の内側に注入したビーズを発泡させることにより、表面化粧シート40を一体化した深ものである食品包装用発泡容器50を製造するにあたって、表面化粧シート40を添着した疑似コア30を外型10のコア収納部11内に挿入して、この疑似コア30の空気導入用の各エア孔31からエアを噴出させることにより、表面化粧シート40を、その復元性を利用して第1段階の位置修正を行い、疑似コア30と成形コア20とを入れ換えて、表面化粧シート40の内側と成形コア20との間にビーズ発泡成形のためのキャビティ52内の隙間を形成し、このキャビティ52内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔13から導入したスチームによって加熱発泡させる際に、表面化粧シート40に設けた接着剤41間から、キャビティ52内の隙間に存在していたガスの流れを行い易くして、表面化粧シート40の、外型10のコア収納部11内面に対する第2段階の位置修正を行うようにしたことにその特徴があり、これにより、表面化粧シート40を一体化した発泡樹脂成形品50を製造するについて表面化粧シート40の、外型10に対する位置設定を常に正確で短時間内で行うことができるのであり、美麗でガスバリア性が十分な発泡樹脂成形品50を製造することができるのである。
【0038】
すなわち、本発明の製造方法によれば、表面化粧シート40の型に対する位置調整をより効果的に行うことができて、表面化粧シート40の発泡容器50に対する一体化が確実となり、しかも外型10のコア収納部11に対する表面化粧シート40の装着及び位置決めを自動的かつ確実に行うことができて、ガスバリア性に優れて美麗な食品包装用発泡容器50の製造を高速で確実に行うことができるのである。
【0039】
より具体的には、本発明の製造方法では、上述した第1及び第2段階の位置修正によって、表面化粧シート40の位置設定を正確に行うことができるのであり表面化粧シート40の外型10に対する仮固定が確実に行えるだけでなく、外型10と表面化粧シート40との間の減圧を良好に行えて、表面化粧シート40を発泡成形体51の表面に正確に一体化することができるのである。従って、出来あがった食品包装用発泡容器50は、非常に美麗なものとなるのであり、十分なガスバリア性も確保できたものになる。また、本発明によれば、外型10、成形コア20、あるいは疑似コア30に対する表面化粧シート40の位置設定が短時間で行うことができて、高速で大量に製造することができるのであり、当然完成された食品包装用発泡容器50のコストが上昇することはないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって製造された食品包装用発泡容器の一部破断斜視図と、この斜視図中の1−1線部の部分拡大断面図である。
【図2】本発明において使用される疑似コアとこれに添着される表面化粧シートの断面図である。
【図3】コア収納部内面に吸引させた表面化粧シート内に成形コアを挿入している状態の断面図である。
【図4】成形コアの挿入が完了したときの外型の断面図である。
【図5】表面化粧シートの裏面側からのガスの流れを示す斜視図である。
【図6】表面化粧シートの裏面に形成してある各接着剤間を通したガスの流れ状態を示す、表面化粧シートの部分拡大斜視図である。
【図7】第1及び第2段階の位置調整によって表面化粧シートが順位正確な位置になっていく状態を示す表面化粧シートの斜視図である。
【図8】従来の技術を示す断面図である。
【符号の説明】
10 外型
11 コア収納部
12 ビーズ注入孔
13 スチーム導入孔
14 エア孔
15 排出孔
20 成形コア
30 疑似コア
31 エア孔
40 表面化粧シート
41 接着剤
50 食品包装用発泡容器
51 発泡成形体
52 キャビティ
Claims (1)
- ビーズ注入孔、及びこの近傍に形成した複数のスチーム導入孔を有したビーズ発泡成形するための外型と、この外型のコア収納部内に挿入される成形コアとによって、ビーズ発泡成形のためのキャビティを構成し、このキャビティ内に挿入した表面化粧シートの内側に注入したビーズを発泡させることにより、表面化粧シートを一体化した深ものである食品包装用発泡容器を、次の各工程を含んで製造することを特徴とする製造方法。
(1)前記成形コアとは別の疑似コアの外周面に、裏面に前記キャビティ内の隙間にて形成される発泡成形体との接着を行う接着剤を予めグリッド状に設けた前記表面化粧シートを巻き付け、この疑似コアの外周面に開口させた空気導入用のエア孔から吸引することにより、当該表面化粧シートを、その復元性に抗して疑似コアに巻き付け吸着させる工程;
(2)この表面化粧シートとともに、前記疑似コアを前記外型のコア収納部内に挿入して、この疑似コアの空気導入用の各エア孔からエアを噴出させることにより、前記表面化粧シートを、その復元性を利用して第1段階の位置修正を行いながら、前記外型のコア収納部内面に移送させる工程;
(3)前記外型のコア収納部内面であって、前記表面化粧シートの前記ビーズ注入ゲート及びスチーム導入孔側の端縁から10〜15mm内側部分、及びこの表面化粧シートの他側の端縁内側に該当する部分に形成してある空気導入用の各エア孔から吸引することにより、前記表面化粧シートを外型のコア収納部内に固定して、前記表面化粧シートの内側と成形コアとの間にビーズ発泡成形のためのキャビティ内の隙間を形成する工程;
(4)その後、当該疑似コアと前記成形コアとを入れ換える工程;
(5)このキャビティ内の隙間にビーズを注入して、これを複数のスチーム導入孔から導入したスチームによって加熱発泡させる際に、前記表面化粧シートの裏面に設けた前記接着剤間から、前記キャビティ内の隙間に存在していたガスの流れを行い易くして、前記表面化粧シートの、前記外型のコア収納部内面に対する第2段階の位置修正を行う行程。
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