JP2005096927A - フィルム巻取用巻芯及びその製造方法 - Google Patents

フィルム巻取用巻芯及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルムの巻き始めの領域に生じる恐れのある、フィルム端による段差跡や、両面テープによる段差跡などの発生を抑制して、製品歩留りを向上しうる巻芯を提供する。
【解決手段】 巻芯1の巻芯本体2の外周面の、少なくともフィルム巻取領域に、ヤング率が1kPa〜2000kPaのゲルで形成された被覆層3を設ける。この被覆層3はきわめてやわらかいゲルで形成されているので、その上にフィルムを巻き付けた際に、フィルム端の段差やフィルム先端固定に用いる両面テープなどの段差を吸収でき、最内層に巻かれるフィルムに生じ勝ちな段差跡を防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂の単体フィルム、樹脂の積層フィルム、樹脂と金属箔との積層フィルム、紙、金属箔などの各種のフィルム状材料(単にフィルムという)の巻取に用いる巻芯並びにその製造方法に関する。
フィルムの巻取に用いる巻芯としては、紙管、金属管、FRP管などが使用されており、その巻芯にフィルムを巻き付けるには、フィルム先端を巻芯表面に、例えば両面テープを用いて接着して固定する方法、あるいは、フィルム先端領域を巻芯外周に複数回手で巻き付けて固定する方法等が採られている。ところで、これらの方法でフィルムを巻芯に巻き付けると、フィルムの巻き始めの領域には、フィルム端や両面テープの厚み分の段差に起因するしわ、折り目などの段差跡が発生する。特に、フィルムの巻き取りの際、たけのこ状(巻き取りフィルム幅方向へフィルムが円錐状にずれること)になるのを防止するため、巻き取りテンションを高くした場合には、段差跡が顕著に生じる。また、フィルムに銅箔がラミネートされていたり、薄いフィルムの場合には、これらの段差跡がでやすく、巻き始めの100m程度にも段差跡が残ることがある。巻き取ったフィルムが、ディスプレイ用反射防止フィルム、防眩フィルム、電磁波カットフィルム等のわずかな欠陥も許されない用途のものである場合には、巻き始めの段差跡を生じている領域は、不良品として除去せざるを得ず、このため、製品歩留りの低下の原因となっている。
そこで、巻き始めのフィルムに段差跡が残るのを防止するため、外周面に発泡樹脂シートを巻き付けた巻芯(特開平5−53249号公報参照)、外周面を圧縮応力0.01〜0.1kgf/cm2 の発泡樹脂製のクッション材で被覆した巻芯(特開平9−142739号公報参照)、外周面をゴム硬度60〜75度のゴムで被覆した巻芯(実公平7−39912号公報参照)などが提案されている。
特開平5−53249号公報 特開平9−142739号公報 実公平7−39912号公報
しかしながら、外周面に発泡樹脂系のシートやクッション材を巻き付けた巻芯では、被覆層を構成する発泡体の表面にフィルムの先端を固定して巻き付けて行く際、フィルムのテンションが強いと、そのフィルムで押された発泡体自体がゆがんでしわが発生し、そのしわがフィルムの巻き付けにつれて移動し、フィルムを1周巻き付けた際に発泡体のしわがフィルム先端を固定した位置に押し付けられるようにして、その位置に残り、その上に巻かれるフィルムに転移して欠陥となるという問題があった。また、従来は、巻芯外周面に発泡樹脂系のシートやクッション材を巻き付けているため、つなぎ目が発生し、そのつなぎ目の段差跡がフィルムに残るという問題もあった。一方、ゴムを被覆した巻芯では、フィルム端や両面テープの厚み分の段差を吸収しきれず、依然としてかなりの長さ部分に段差跡が生じるという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、フィルムの巻き始めの領域に生じる恐れのあるフィルム端による段差跡や、両面テープによる段差跡などの欠陥の発生を低減して、製品歩留りを向上しうる巻芯及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の巻芯は、巻芯にフィルムを巻き取る際に最内層のフィルムに生じる恐れのあったフィルム端段差跡や、両面テープ段差跡を防止するため、巻芯本体外周面の、少なくともフィルム巻取領域に、ヤング率が1kPa〜2000kPaのゲルで形成された被覆層を設けるという構成としたものである。
ここで、前記ゲルで形成された被覆層は、巻芯本体を取り囲んで配置した金型による一体成形によって、つなぎ目の無い形態で前記巻芯本体に一体化したものとすることが好ましい。
また、前記被覆層はシリコーンゲルで形成することが好ましい。
上記構成の巻芯を製造する本発明方法は、金型内に巻芯本体を、該巻芯本体外周面の被覆層を形成すべき領域にゲル成形空間を形成するようにセットすると共に該ゲル成形空間内に熱硬化タイプの液状ゲルを供給し、次いで前記液状ゲルを加熱、硬化させて巻芯本体外周面にゲルで形成された被覆層を一体成形することを特徴とするものである。
ここで、前記液状ゲルを前記ゲル成形空間内に供給する際若しくはその前に、前記液状ゲルに真空を作用させて脱泡することが好ましい。
また、前記液状ゲルの加熱を、前記金型に巻いたバンドヒータで行うことが好ましい。
本発明の巻芯は、フィルムを巻き取る領域にきわめてやわらかいゲルからなる被覆層を備えているので、その上にフィルムを巻き付けた際に、フィルム端の段差やフィルム先端固定に用いる両面テープなどの段差をゲルで吸収でき、しかも被覆層は発泡構造ではないので、樹脂フォームを用いた場合のように被覆層自体にしわが生じるということもなく、フィルムの巻き始めの領域に生じ勝ちな欠陥を抑制してフィルムの製品歩留りを向上することができる。本発明の巻芯に巻き取る対象のフィルムは、フィルムに残る段差跡、しわなどの欠陥の防止が望まれるものであれば樹脂フィルム、積層フィルム、紙、金属箔等任意であるが、特に、ディスプレイ用反射防止フィルム、防眩フィルム、電磁波カットフィルム等の高価で且つわずかな欠陥も許されない用途のものとすることが、本発明の巻芯を用いることによる経済的効果が大きいので、好ましい。
ここで、前記ゲルで形成された被覆層を、巻芯本体を取り囲んで配置した金型による一体成形によって、つなぎ目の無い形態で前記巻芯本体に一体化したものとすると、フィルムにつなぎ目による段差跡が残らず、巻き始めのフィルムに発生する欠陥を一層抑制できる。
被覆層を形成するゲルとしては、シリコーンゲル、ウレタン系ゲル、ゴム系ゲル等種々のものを使用できるが、なかでも、シリコーンゲルが入手しやすく且つコスト的にも有利であるので、好ましい。
上記した本発明方法によれば、巻芯本体外周面の所定位置にゲルで形成された被覆層をつなぎ目の無い形態で一体成形することができ、得られた巻芯を用いることで、フィルムの巻き始めの領域に生じ勝ちな欠陥を抑制してフィルムの製品歩留りを向上することができる。
ここで、前記液状ゲルを前記ゲル成形空間内に供給する際若しくはその前に、前記液状ゲルに真空を作用させて脱泡しておくことで、液状ゲルの加熱、硬化によって形成される被覆層の表面の、泡による凹凸の発生を抑制でき、表面平滑な被覆層を形成できると共に内部に気孔のない被覆層を形成することができ、得られた巻芯ではフィルムを強いテンションで巻き付けた際においても被覆層にしわが生じることがない。
また、前記液状ゲルの加熱を、前記金型に巻いたバンドヒータで行うことで、加熱のための大型の炉を必要とせず、任意の場所で簡易に加熱操作を行うことができると共に種々なサイズの巻芯にもフレキシブルに対応できる。
以下、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。図1(a)は本発明の好適な実施形態に係る巻芯1を示す概略斜視図、図1(b)はその概略断面図である。巻芯1は、巻芯本体2とその巻芯本体2外周面の、少なくともフィルム4を巻き取るフィルム巻取領域に形成された被覆層3を備えている。巻芯本体2はフィルム4を巻き取り且つ保持するのに必要な強度、剛性を備えたものであればその材質は任意であり、具体的には、FRP管、ABS等の樹脂管、金属管、紙管、などが使用される。被覆層3は、巻芯1に巻き付けるフィルムのフィルム端による段差やフィルム接着用の両面テープによる段差を吸収するために設けるもので、ヤング率が1kPa〜2000kPaのゲルで形成されている。ここで、ヤング率を1kPa〜2000kPaと設定したのは、次の理由による。すなわち、被覆層3を形成するゲルのヤング率は、小さいほどフィルム端による段差やフィルム接着用の両面テープによる段差を吸収する効果が大きくなるが、あまり小さくなると、ゲルの入手が困難であり、且つ被覆層3が剥がれたり傷ついたりしやすく、取り扱いが困難となるので、ヤング率の下限を1kPaとした。一方、ヤング率が高くなると硬すぎて、フィルム端による段差や両面テープによる段差を吸収する効果が少なくなるので、ヤング率の上限を2000kPaと設定した。なお、被覆層3のヤング率の選定に際しては、ヤング率が大きくなる程、段差を吸収する効果が少なくなり、一方取り扱いは容易となる(傷ついたり、剥がれたりしにくくなる)ので、これらの特性と、巻き取るべきフィルムの特性を考慮して定めれば良い。例えば、光学フィルムなどとして用いる厚みが80μm程度の樹脂フィルムの巻き取りに用いる場合には、樹脂フィルムは段差跡が生じにくい特性を持っているので、ヤング率を高めに、例えば、1000〜1500kPaに選定することが好ましい。一方、電磁波カットフィルムなどとして用いる銅箔を貼った厚みが50μm程度の積層フィルムの巻き取りに用いる場合には、銅箔が折れやすい特性をもっているので、ヤング率を低めに、例えば、50〜500kPaに選定することが好ましい。
被覆層3の厚さは、薄くなると段差の吸収効果が小さくなり、一方厚くなるとコストアップすると共に傷つき易くなるので、0.5〜3mm程度に選定することが好ましく、更には、1〜2mm程度に選定することが一層好ましい。被覆層3に用いるゲルは、シリコーンゲルが容易に入手可能で且つコスト的にも有利であるので好ましいが、これ以外のもの、たとえば、ウレタン系ゲル、ゴム系ゲル等を用いても良い。また、被覆層3を形成するゲルとして粘着質のもの、たとえば、粘着質のシリコーンゲルを用いることも好ましく、これによって、被覆層3の外周面にフィルムを巻き付ける際に、フィルム先端を両面テープで固定することなく、巻き付けることが可能となり、巻芯に対するフィルム巻き付け作業を簡易とすることができる。
被覆層3は後述するように、巻芯本体2を取り囲んで配置した金型による一体成形によって、つなぎ目の無い形態で巻芯本体2に一体化される。なお、巻芯本体2の外周面に被覆層3を形成する領域は、上記したように、少なくともフィルム巻取領域とすればよく、図1に示す実施形態では、巻芯本体2の両端は被覆しない状態のまま残しているが、巻芯本体2の全長に渡って被覆層3を形成してもよい。また、巻芯本体2の両端を除いて被覆層3を形成する場合には、図2に示す巻芯1Aのように、巻芯本体2の外周面の被覆層3を形成する領域に浅い溝5を形成し、その溝5に被覆層3を形成する構成としてもよい。この構成とすると、巻芯1Aを床面等に置いた際などに被覆層3に外力があまり加わらず、被覆層3を傷付けることが少ないといった利点が得られる。
上記した構成の巻芯1(或いは1A)は、フィルムを巻き取る領域にきわめてやわらかいゲルからなる被覆層3を備えているので、その上にフィルムを巻き付けた際に、フィルム端の段差やフィルム先端固定に用いる両面テープなどの段差をゲルで吸収でき、しかも被覆層は発泡構造ではないので、樹脂フォームを用いた場合のように被覆層自体にしわが生じるということもなく、更に、被覆層3にはつなぎ目がないのでつなぎ目による段差が生じることもなく、この結果、フィルムの巻き始めの領域に生じ勝ちな欠陥(フィルム端の段差跡、両面テープの段差跡、被覆層自体に生じるしわによる欠陥、つなぎ目による段差跡など)を大幅に少なくでき、フィルムの製品歩留りを大幅に向上させ、コストダウンを図ることができる。
次に、図1に示す構成の巻芯1の製造方法を説明する。まず、図3に示す金型10を用意する。この金型10は、巻芯本体2を収容可能な長さを有し且つ形成すべき被覆層の外径寸法に等しい内径を有する筒状の金型本体11と、その金型本体11の下端を閉じる金型下蓋12と、金型本体11の上端を閉じる金型上蓋13を備えている。金型本体11には、その上下端近傍に液ゲル注入口15と真空引き穴16が形成されている。また、金型下蓋12と金型上蓋13には、巻芯本体2の上下端にそれぞれ嵌合するコーン部18、19が形成されている。更に、金型本体11及び金型下蓋12、金型上蓋13には、同心状に位置決めするための位置決めピン及び位置決め穴(図示せず)も設けられている。
次に、巻芯本体2の両端の被覆層を形成しない領域に、離型用のテープ21を巻き付け、その巻芯本体2を図4に示すように金型10内にセットして金型10を組み立てる。これにより、巻芯本体2外周面の被覆層を形成すべき領域にゲル成形空間22が形成される。次いで、その金型10の液ゲル注入口15に、熱硬化性の液状ゲル23を収容した液状ゲルタンク24を接続し、真空引き穴16には、圧縮空気を利用したエジェクターなどの真空装置(図示せず)に接続された真空吸引管25を接続する。その後、ゲル成形空間22内を真空に吸引し、所定の真空度(例えば、−100kPa)に達した時点で、液状ゲルタンク24から液状ゲルをゲル成形空間22内に注入する。これにより、液状ゲルがゲル成形空間22内を満たしてゆくと共に液状ゲルの脱泡が行われる。なお、液状ゲルを、真空引き穴16よりも少し低い位置まで充填した後、必要に応じ、液状ゲルの注入は停止した状態で真空吸引を継続し、更に脱泡を行っても良い。その後、金型10の金型本体11の外周にセラミックバンドヒータ、ファイバーバンドヒータなどのバンドヒータ(図示せず)をあてがい、金型を介してその内部の液状ゲルの加熱、硬化を行い、十分に硬化した後、金型10を分解し、巻芯本体2を取り出し、離型用のテープ21及びその上にあるゲルを除去する。以上により、図1に示すように、金型本体2の外周面の所望領域に、ゲルで形成された被覆層3をつなぎ目の無い形態で一体化した巻芯1が製造される。得られた巻芯1の被覆層3は脱泡された液状ゲルの加熱、硬化によって形成されているので、表面に気泡による凹凸が生じるとか、内部に気孔が残るといったことがなく、品質の良い被覆層となっている。
上記した実施の形態では、金型10内のゲル成形空間22内に真空を作用させて液状ゲルを脱泡し且つゲル成形空間22内に液状ゲルを注入しているが、これに代えて、脱泡した液状ゲルをポンプ等によってゲル成形空間内に供給する構成としてもよい。図5、図6はその場合の実施形態を示すものである。この実施形態では、金型10Aが、巻芯本体2を収容する金型本体11Aとその底部を閉じる金型下蓋12を備えているが、金型本体11Aの上端を閉じる上蓋は設けておらず、その代わりに、巻芯本体2と金型本体10Aとの間に挿入される3個のピン31を備え、巻芯本体2を金型本体11Aに対して同心状に位置決めする位置決め部材30を用いている。また、金型本体11Aの下端近傍の液ゲル注入口15には、真空吸引される構成の液状ゲル脱泡装置33をポンプ34を介して接続している。そして、この実施形態では、液状ゲル脱泡装置33内で液状ゲル23を脱泡した後、その液状ゲル23をポンプ34によって金型10A内のゲル成形空間22内に供給し、その状態で、金型10Aをバンドヒータ(図示せず)で加熱し、ゲル成形空間22内の液状ゲルの加熱、硬化を行うことで、金型本体2の外周面の所望領域に、ゲルで形成された被覆層3をつなぎ目の無い形態で一体化した巻芯1(図1参照)が製造される。そしてこの場合にも、得られた巻芯1の被覆層3は脱泡された液状ゲルの加熱、硬化によって形成されているので、表面に気泡による凹凸が生じるとか、内部に気孔が残るといったことがない。
図6は本発明方法の更に他の実施形態に用いる金型10Bを示すものである。この金型10Bは、巻芯本体2内に液状ゲルが入るのを防止するように巻芯1内に取り付けられる内型36と、巻芯本体2を収容する金型本体11Bと、その底部を閉じる金型下蓋12Bとを備えている。金型下蓋12Bには位置決め突起37が形成され、内型36の底面には位置決め突起37に嵌合する位置決め穴38が形成されている。この金型10Bを用いて巻芯1を製造するには、図7に示すように、巻芯本体2の両端外周面に離型用のテープ21を巻き付け、且つその巻芯本体2内に内型36を挿入しておく。次いで、金型本体11B内に、あらかじめ脱泡済の液状ゲル23を入れ、その後、その金型本体11B内に上方から、内型36を取り付けた状態の巻芯本体2をゆっくりと入れて行き、図8に示すように、金型本体11B内の所定位置に巻芯本体2及び内側36をセットし、巻芯本体2の上端と金型本体11Bの上端の間に位置決め部材30(図5に示すものと同じ構造)の位置決めピン31を差し込んで巻芯本体2を金型本体10Bに対して同心状に位置決めする。これにより、巻芯本体2の外周にゲル成形空間22が形成されると共にそのゲル成形空間22内に液状ゲルが供給された状態となる。その後、金型本体11Bをバンドヒータ(図示せず)で加熱し、ゲル成形空間22内の液状ゲルの加熱、硬化を行うことで、金型本体2の外周面の所望領域に、ゲルで形成された被覆層3をつなぎ目の無い形態で一体化した巻芯1(図1参照)が製造される。そしてこの場合にも、得られた巻芯1の被覆層3は脱泡された液状ゲルの加熱、硬化によって形成されているので、表面に気泡による凹凸が生じるとか、内部に気孔が残るといったことがない。
なお、以上に説明した実施の形態では、金型にバンドヒータを巻き付けて加熱する構成としているが、加熱手段はバンドヒータに限らず、他の手段を用いてもよく、たとえば、所望温度のお湯につけて加熱する方法等を採用してもよい。ただし、バンドヒータを用いると所望温度への加熱を容易に行うことができる利点が得られる。また、液状ゲルのゲル形成空間22への供給方法も、実施形態で説明した方法に限らず、適宜変更可能であり、例えば、単純に液状ゲルをゲル形成空間22へ注ぎ入れる方式でもよい。更に、上記実施形態に示す方法では、いずれも液状ゲルに対して脱泡を行っているが、多少の品質低下が許容される場合には、脱泡を省略してもよい。
[実施例1]
FRP製の6インチ巻芯本体2(外径:167mm、内径152.4mm、長さ1500mm)を用意し、その両端それぞれ50mmの領域に離型用のテープ21を巻いて、図4に示すように、金型10内の所定位置にセットし、金型10を閉じた。ここで用いた金型10の金型本体11の内径は169mmとした。次いで、真空吸引管25で金型10内を真空吸引し、金型内が約−100kPaに達した後、シリコーンの液状ゲル(商品名 θ−6ゲル、製造元 株式会社ジェルテック)23を金型下部の液ゲル注入口15から注入した。注入が完了した後、金型外周にセラミックバンドヒータをあてがい、約70°Cの温度で1時間、その後100°Cで3時間硬化を行った。その後、金型から巻芯本体2を取り出し、離型用のテープ21を除去し、図1に示す巻芯1を得た。
得られた巻芯1では、巻芯本体2の外周面にシリコーンゲルによるつなぎ目の無い、表面平滑な被覆部3が一体成形されていた。被覆部3の厚みは1mm、有効長さは1400mm、ヤング率は670kPaであった。
上記巻芯1を印刷機の排紙チャック台にセットし、巻き始めのAG(防眩)フィルムを巻芯に接着すべく、図9(a)に示すように、巻芯1の幅方向に2枚の両面テープ50(厚み50μm、幅30mm)を貼り付けた。次いで、図9(b)に示すように、巻き取るべきフィルム(この実施例では、厚み80μm、幅1330mmのTACフィルムを使用)の先端部分を両面テープ50に貼り付けて、20kgfのテンションで巻き始めた。フィルムを約3000m巻き取った後、次工程にて巻き出し確認を行ったところ、両面テープの段差跡、フィルム端の段差跡のいずれも、最内層のフィルムまで確認されなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたFRP製の6インチ巻芯本体2を、そのまま巻芯として、実施例1と同一条件でフィルムを巻き取り、次工程にて巻き出し確認を行ったところ、最内層のフィルムの約15mに、両面テープの段差跡、フィルム端の段差跡などの欠陥が見られた。
[実施例2]
実施例1と同様にして、実施例1とは組成の異なる2種類のシリコーンの液状ゲルを用いてシリコーンゲルの被覆層3を形成した。得られた被覆層のヤング率は1430kPa、及び120kPaであった。この巻芯を用いて、厚み50μm、40μmのPETフィルムを用いて実施例1と同様の巻き取りテストを行ったところ、いずれの場合にも、両面テープの段差跡、フィルム端の段差跡のいずれも、巻芯最内フィルムまで確認されなかった。
以上の実施例1、2及び比較例1から明らかなように、巻芯外周面にシリコーンゲルの被覆層3を形成しておくことで、最内層に巻かれるフィルムに生じる両面テープの段差跡、フィルム端の段差跡などの欠陥を良好に防止できることを確認できた。
本発明の巻芯は、任意のフィルム(紙、金属箔等を含む)の巻き取りに使用可能であるが、特に、ディスプレイ用反射防止フィルム、防眩フィルム、電磁波カットフィルム等の高価で且つわずかな欠陥も許されない用途のものの巻き取りに使用することで、最内層のフィルムに生じがちな欠陥を大幅に抑制して、製品歩留りを向上させることができ、フィルム製品の高品質化やコストダウンを図ることができる。
(a)は本発明の実施の形態に係る巻芯の概略斜視図、(b)はその概略断面図 本発明の他の実施の形態に係る巻芯の概略断面図 巻芯本体及び本発明の実施の形態に係る巻芯製造方法に用いる金型を示す概略断面図 図3に示す金型を用いて巻芯本体にゲル被覆層を成形する状態を示す概略断面図 (a)は図4とは異なる金型を用いて巻芯本体にゲル被覆層を成形する状態を示す概略断面図、(b)は(a)に示す金型の概略平面図 本発明の他の実施の形態に係る巻芯製造方法に用いる金型の概略断面及び側面図 図6に示す金型を用いた巻芯製造工程の途中を示す概略断面図 図6に示す金型を用いて巻芯本体にゲル被覆層を成形する状態を示す概略断面図 (a)は巻芯に両面テープを貼った状態を示す概略斜視図、(b)はその巻芯にフィルムの先端部分を巻き始める状態を示す概略斜視図
符号の説明
1 巻芯
2 巻芯本体
3 被覆層
4 フィルム
10、10A、10B 金型
11、11A、11B 金型本体
12、12B 金型下蓋
13 金型上蓋
15 液ゲル注入口
16 真空引き穴
21 離型用テープ
22 ゲル成形空間
23 液状ゲル
24 液状ゲルタンク
25 真空吸引管
30 位置決め部材
31 ピン
33 液状ゲル脱泡装置
34 ポンプ
36 内型3

Claims (6)

  1. 巻芯本体と、その巻芯本体外周面の、少なくともフィルム巻取領域に設けられた被覆層を備え、該被覆層が、ヤング率が1kPa〜2000kPaのゲルで形成されていることを特徴とするフィルム巻取用巻芯。
  2. 前記ゲルで形成された被覆層が、巻芯本体を取り囲んで配置した金型による一体成形によって、つなぎ目の無い形態で前記巻芯本体に一体化されていることを特徴とする請求項1記載のフィルム巻取用巻芯。
  3. 前記被覆層がシリコーンゲルで形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルム巻取用巻芯。
  4. 金型内に巻芯本体を、該巻芯本体外周面の被覆層を形成すべき領域にゲル成形空間を形成するようにセットすると共に該ゲル成形空間内に熱硬化タイプの液状ゲルを供給し、次いで前記液状ゲルを加熱、硬化させて巻芯本体外周面にゲルで形成された被覆層を一体成形することを特徴とするフィルム巻取用巻芯の製造方法。
  5. 前記液状ゲルを前記ゲル成形空間内に供給する際若しくはその前に、前記液状ゲルに真空を作用させて脱泡することを特徴とする請求項4記載のフィルム巻取用巻芯の製造方法。
  6. 前記液状ゲルの加熱を、前記金型に巻いたバンドヒータで行うことを特徴とする請求項4又は5記載のフィルム巻取用巻芯の製造方法。
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