JP4575835B2 - 発泡成形方法 - Google Patents

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本発明は、発泡成形方法に関し、更に詳細には、相互に型閉め可能な下型および上型からなる発泡成形型を使用して表皮と基材との間で発泡体を発泡成形するに際し、前記下型に表皮をセットすると共に前記上型に基材をセットするようにした発泡成形方法に関するものである。
所要形状に成形した合成樹脂製の基材と、この基材の外側に配設される合成樹脂製の表皮と、これら基材および表皮の間で発泡成形して介在された発泡体とからなる3層構造の発泡成形部材が、例えばインストルメントパネルやフロアコンソール等の車両内装部材として実施に供されている。前述した基材は、一般的にポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂原料から、インジェクション成形技術等に基づいて所要形状に成形された合成樹脂製の成形部材である。また表皮は、(a)樹脂シート材から真空成形技術に基づいて成形されたもの、(b)樹脂粉末からパウダースラッシュ成形技術に基づいて成形されたもの、(c)ポリウレタンからスプレー成形技術に基づいて成形されたもの、(d)ポリウレタン等から反応射出成形(Reaction Injection Molding成形)技術に基づいて成形されたもの等である。更に発泡体は、ポリウレタン等の発泡原料から発泡成形技術に基づいて発泡成形されたものである。
そして、前述した発泡体は、基材および表皮を前工程において別々に予備成形したもとで、これら基材および表皮を発泡成形型にセットして発泡成形するようになっている。すなわち、発泡成形部材の製造に際して実施される発泡体の発泡成形方法は、例えば図21に概略図示した発泡成形型10を使用することを前提として、図20に示すようなステップS1〜ステップS5の各工程から基本的に構成されている。
すなわち、発泡成形型10の上型30と下型20とを型開きし、これら下型20の表皮セット部22および上型30の基材セット部32に離型剤を塗布したもとで、
(1)下型20の表皮セット部22に、予備成形した表皮44を装着する(ステップS1)。
(2)上型30の基材セット部32に、予備成形した基材42を装着する(ステップS2)。
(3)基材42を装着した上型30と表皮44を装着した下型20とを型閉めする(ステップS3)。
(4)表皮44と基材42との間の空間で発泡体46を発泡成形する(ステップS4)。
(5)上型30と下型20とを型開きし、発泡成形部材40を下型20から脱型する(ステップS5)。
という一連の工程である。このような発泡成形型10を使用した発泡成形方法に関しては、例えば特許文献1に開示されている。
特開平08−080536号公報
ここで、前述した発泡成形型10は、図21に例示したように、床面等に設置固定された下型20と、この下型20に対して図示しないヒンジ部で連結された上型30とから構成され、下型20に対して上型30が上方から近接・離間して型閉め・型開きがなされるようになっている。従って、発泡体46の発泡成形に先立ち、上型30と下型20とを型開きしたもとで、予備成形した表皮44を下型20の表皮セット部22にセットし、また予備成形した基材42を上型30の基材セット部32にセットする成形準備作業が行なわれる。
このような発泡成形型10を使用した従来の発泡成形方法では、例えば発泡成形部材40がインストルメントパネル等の大型部材である場合、当然のことながら当該発泡成形型10も大型になるから、上型30と下型20とを型開きした場合に、該上型30の基材セット部32がかなり高い位置まで上昇する。しかも、発泡成形部材40の大型化により、基材42自体も大型になって重量が嵩んでしまう。このため、上型30の基材セット部32に対する基材42のセット作業は、作業員一人で行なうことが困難な場合が多く、複数の作業者で協同して行なわなければならず、基材42のセット作業の簡易化および合理化が図られない問題を内在していた。
また、大型であったり複雑な形状を有している基材42の場合には、インジェクション成形直後または保管時等に捻れや反り等の歪み変形が生じ易い。このため、上型30の基材セット部32に対する基材42のセット作業は、形状を矯正しながら行なうこととなるから、ハンマー等の工具を使用した熟練を要する作業が必要となる。しかも、ABS等の剛性のある樹脂素材から成形された基材42の場合、傷が付くばかりか、叩いた際の衝撃で破損するおそれもある。換言すると、基材42のセット作業が繁雑かつ面倒で時間がかかることとなり、成形サイクルタイムの遅延による成形効率の低下および成形コストが嵩む問題や、セット作業の不備による基材42の破損および発泡体46の成形不良が発生する問題等を内在していた。
従って本発明では、発泡成形型に対する基材のセット作業の簡易化および合理化を図り、成形コストの低減や成形不良発生の防止等を可能とした発泡成形方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1記載の発明は、
相互に型閉め可能な下型および上型からなる発泡成形型を使用して表皮と基材との間で発泡体を発泡成形するに際し、前記下型に表皮をセットすると共に前記上型に基材をセットするようにした発泡成形方法において、
前記表皮と前記発泡体とを重ね合わせた外形形状と略合致する外形形状の治具を前記下型へセットし、
前記治具をセットした前記下型へ前記基材をセットし、
これら治具および基材がセットされた下型と前記上型とを型閉めして、該治具との間に挟まれた該基材を該上型へ装着させ、
前記基材が装着された前記上型と前記下型とを型開きして、該下型にセットされていた前記治具を取除き、
前記治具を取除いた後の前記下型へ前記表皮を装着し、
前記表皮を装着した前記下型と前記基材を装着した前記上型とを型閉めし、これら表皮と基材との間で前記発泡体を発泡成形するようにしたことを要旨とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、基材を下型の表皮セット部へ載置してセットするだけでよく、上型の基材セット部に対する該基材の装着は、発泡成形型の型閉め操作を行なうだけで自動的に行なわれる。従って作業員は、腰の高さ程度まで持ち上げた基材を表皮セット部へ単に載置してセットするだけの作業を行なえばよく、基材のセット作業の大幅な合理化および軽減化を図ることができる。
請求項2記載の発明は、
相互に型閉め可能な下型および上型からなる発泡成形型を使用して表皮と基材との間で発泡体を発泡成形するに際し、前記下型に表皮をセットすると共に前記上型に基材をセットするようにした発泡成形方法において、
前記下型へ前記表皮を装着し、
前記発泡体と略合致する外形形状の治具を、前記表皮を装着した前記下型へセットし、
前記表皮および治具がセットされた前記下型へ前記基材をセットし、
これら表皮、治具および基材がセットされた前記下型と前記上型とを型閉めして、該治具との間に挟まれた該基材を該上型へ装着させ、
前記基材が装着された前記上型と前記下型とを型開きして、該下型にセットされていた前記治具を取除き、
前記表皮を装着した前記下型と前記基材を装着した前記上型とを型閉めし、これら表皮と基材との間で前記発泡体を発泡成形するようにしたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、基材を下型の表皮セット部へ載置してセットするだけでよく、上型の基材セット部に対する該基材の装着は、発泡成形型の型閉め操作を行なうだけで自動的に行なわれる。従って作業員は、腰の高さ程度まで持ち上げた基材を表皮セット部へ単に載置してセットするだけの作業を行なえばよく、基材のセット作業の大幅な合理化および軽減化を図ることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記上型と前記下型とを型閉めするに際し、該上型の基材セット部および前記治具により前記基材の歪みを矯正し、矯正された該基材を前記基材セット部へ装着させるようにしたことを要旨とする。従って、請求項3に係る発明によれば、基材に生じていた変形は、下型と上型とを型閉めする際に好適に矯正され、変形した基材の装着も容易になされる。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記上型と前記下型とを型閉めして前記基材を矯正した後に、前記上型に設けた係止手段を、前記基材に設けた係止受手段に係止するようにしたことを要旨とする。請求項4に係る発明によれば、上型と下型との型開き時に、基材が該上型から脱落することがない。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記治具は、前記基材と接触する裏面の形状が、該基材の外面の形状と合致していることを要旨とする。従って、請求項5に係る発明によれば、型閉めした際に基材が適切な形状に無理なく矯正される。
本発明に係る発泡成形方法によれば、発泡成形型に対する基材のセット作業の簡易化および合理化が図られ、成形コストの低減や成形不良発生の防止等を可能とし得る。
次に、本発明に係る発泡成形方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図21に既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係る発泡成形方法を例示した概略工程図である。この第1実施例の発泡成形方法は、図21に例示した下型20およびこれに型閉め可能な上型30からなる発泡成形型10を使用して、予備成形した表皮44と予備成形した基材42との間で発泡体46を発泡成形するに際し、下型20に表皮44を装着すると共に上型30に基材42を装着するようになっている。そして、後述するように、第1スペーサ治具(治具)50および基材42の両方を下型20へセットし、一旦上型30と下型20との型閉めを行なうことで、該上型30の基材セット部32に対して基材42を装着することを特徴としている。
発泡成形型10は、図21に例示したものと基本的に同一であって、作業員の腰の高さと略程度の高さに表皮セット部22が設けられて床面等に設置固定された下型20と、この下型20と対をなして上方から開閉する上型30とから構成され、図12に例示する発泡成形部材40を製造するために設計されたものである。下型20は、予備成形した表皮44を装着するための凹状の表皮セット部22を有しており、また成形された発泡成形部材40の脱型を許容するためのスライド型部24や着脱型部26を設けた分割型となっている。
上型30は、本来の適正形状(形状的歪みがない状態の形状)の基材42における裏面形状に倣った外面形状とされる基材セット部32が凸状に突設されており、下型20に対して型閉めした際に該下型20にセットした基材42の裏面へ当接して整合するようになっている。そして、基材セット部32の所要位置には、セットした基材42に設けたセット孔(係止受手段)42Aへ突入して該基材42の脱落防止を図るためのセットピン(係止手段)34が配設されている。このセットピン34は、コイルスプリング36の弾力により常には基材セット部32の型面から突出した状態に弾力付勢されており、型外へ延出されたワイヤー38を引張ることにより基材セット部32から没入した状態に変位可能となっている。なお、ワイヤー38を介したセットピン34の出没操作は、発泡成形型10の所定位置に設けた図示しない作動手段等により行ない得るようになっている。
そして、第1実施例の発泡成形方法では、図2(a)に例示する第1スペーサ治具(治具)50を使用することで、上型30に対する基材42の装着を行なうようになっている。この第1スペーサ治具50は、シリコンまたはゴム等の適度の弾力性を有する素材から形成されたもので、図2(b)に例示するように、表皮44と発泡体46とを重ね合わせた外形形状と略合致する外形形状とされている。すなわち第1スペーサ治具50は、基材42と接触する裏面54の形状が該基材42の外面の形状と合致しており、下型20の表皮セット部22と接触する表面52の形状は、下型20からの脱型を考慮して表皮44の形状とは若干異なっている。
ここで、本願が定義する前述の「略合致する外形形状」とは、第1スペーサ治具50の表面52の形状が表皮44の外面形状と一致すると共に裏面54の形状が発泡体46の外面形状と一致した、所謂完全に同一形状の場合を含む。また、前述した第1スペーサ治具50のように、少なくとも裏面54の形状が発泡体46の外面形状と一致し、表面52の形状が表皮44の外面形状と若干異なる場合も含む。すなわち、脱型に際してアンダーカットとならない形状の場合は、表面52の形状は表皮44の外面形状と同一としてもよい。
次に、前述した発泡成形型10および第1スペーサ治具50を使用した第1実施例の発泡成形方法につき、各図を参照しながら具体的に説明する。
第1実施例の発泡成形方法は、図1に示したように、次のようなステップS11〜ステップS19の各工程から基本的に構成されている。
すなわち、発泡成形型10の上型30と下型20とを型開きし、これら下型20の表皮セット部22および上型30の基材セット部32に離型剤を塗布したもとで、
(1)下型20の表皮セット部22へ第1スペーサ治具50をセットする(ステップS11)。
(2)第1スペーサ治具50をセットした下型20に、予備成形した基材42をセットする(ステップS12)。
(3)第1スペーサ治具50および基材42をセットした下型20と上型30とを型閉めし、該第1スペーサ治具50との間に挟まれた該基材42を該上型30の基材セット部32へ装着する(ステップS13)。
(4)基材42を装着した上型30と下型20とを型開きする(ステップS14)
(5)下型20にセットされていた第1スペーサ治具50を取除く(ステップS15)。
(6)下型20の表皮セット部22に、予備成形した表皮44を装着する(ステップS16)。
(7)基材42をセットした上型30と表皮44をセットした下型20とを型閉めする(ステップS17)。
(8)表皮44と基材42との間の空間で発泡体46を発泡成形する(ステップS18)。
(9)上型30と下型20とを型開きし、発泡成形部材40を脱型する(ステップS19)。
より具体的に説明すると、先ず、上型30と下型20とを型開きし、下型20の表皮セット部22および上型30の基材セット部32へ夫々離型剤を塗布した後(図3)、図4に例示するように、図2(a)に例示した第1スペーサ治具50を、その表面52が表皮セット部22の型面に密着するようになる向きで下型20にセットする(ステップS11)。
下型20に対する第1スペーサ治具50のセットが完了したら、図5に例示するように、予備成形した基材42を、その表面を下側に向けた裏返し状態で、第1スペーサ治具50に整合するように下型20にセットする(ステップS12)。なお、基材42に捻れや反り等の歪み変形がある場合には、第1スペーサ治具50に対して完全に密着しない場合があるが、この時点では変形を矯正することなく単に載置するだけでよい。
下型20に対して第1スペーサ治具50および基材42のセットが完了したら、図6(a)に例示するように、該下型20と上型30とを型閉めする。この際に、上型30の基材セット部32が基材42の裏面に当接して整合するようになり、基材42は第1スペーサ治具50と基材セット部32により挟まれる(図6(b))。このため、基材42が変形している場合には、この型閉めの過程において適正な形状に適宜矯正され、基材セット部32の型面形状に合致するようになる。なお、第1スペーサ治具50が適度の弾力性を有しているため、挟まれた基材42が弾力的に挟持されるようになり、該基材42に部分的な集中応力が加わることが防止される。
下型20に対する上型30の型閉めが完了したら、図7(a)および図7(b)に例示するように、前述したワイヤー38の引張りを解除して没入していたセットピン34を、延出させて基材42のセット孔42Aへ突入させる。これにより基材42は、セットピン34がセット孔42Aへ係止されるため、適正形状に矯正された状態で上型30の基材セット部32へ装着される(ステップS13)。
セットピン34の突入により基材セット部32に対する基材42の装着が完了したら、図8に例示するように、基材42が装着された上型30と下型20とを型開きする(ステップS14)。なお、上型30と下型20との型開き時では、基材セット部32が下方を指向しているが、前述したセットピン34がセット孔42Aに突入しているため、基材42が基材セット部32から脱落することはない。
型開きが完了したら、図8に例示したように、表皮セット部22にセットしてあった第1スペーサ治具50を下型20から取除く(ステップS15)。そして図9に例示するように、第1スペーサ治具50を取除いた後の下型20の表皮セット部22へ、予備成形した表皮44を装着する(ステップS16)。これらステップS11〜ステップS16を実行することにより、図20に例示した従来の発泡成形方法と同様に、下型20の表皮セット部22に表皮44が装着されると共に、上型30の基材セット部32へ基材42が装着される。
これ以降のステップS17〜ステップS19は従来の発泡成形方法と同様であって、図10に例示するように、表皮44を装着した下型20と基材42を装着した上型30とを型閉めし(ステップS17)、図11に例示するように、これら表皮44と基材42との間に画成された空間において発泡体46を発泡成形する(ステップS18)。そして、発泡体46の発泡成形が完了したら、図12に例示するように、セットピン34を没入させた後に上型30と下型20とを型開きし、スライド型部24をスライドさせると共に着脱型部26を取外すようにして、下型20から発泡成形部材40を脱型する(ステップS19)
このような第1実施例の発泡成形方法によれば、次のような作用効果を奏する。先ず、大型で重量が嵩み、かつ変形している可能性のある基材42を、型開きした上型30の基材セット部32よりかなり低い位置にある下型20の表皮セット部22へ載置してセットするだけでよい。そして、上型30の基材セット部32に対する基材42の装着は、発泡成形型10の型閉め操作を行なうだけで自動的に行なわれる。従って作業員は、腰の高さ程度まで持ち上げた基材42を表皮セット部22へ単に載置してセットするだけの作業を行なえばよく、基材42のセット作業の大幅な合理化および軽減化を図ることができる。しかも、基材42に生じていた変形は、下型20に対して上型30を型閉めする際に好適に矯正される。更に、第1スペーサ治具50を適度の弾力性を有する部材としたため、発泡成形型10の型閉め時に基材42が弾力的に挟まれるようになり、該基材42が破損する等の不都合が発生し難い。更にまた、第1スペーサ治具50の基材42と接触する裏面54の形状を、該基材42の外面(表面)の形状と合致させてあるため、型閉めした際に基材42が適切な形状に無理なく矯正される。
(第2実施例)
図13は、第2実施例に係る発泡成形方法を例示した概略工程図である。この第2実施例の発泡成形方法も、図21に例示した発泡成形型10を使用して予備成形した表皮44と予備成形した基材42との間で発泡体46を発泡成形に際し、下型20に表皮44を装着すると共に上型30に基材42を装着するようになっている。そして、後述するように、表皮44、第2スペーサ治具(治具)60および基材42を下型20へ夫々セットし、一旦上型30と下型20との型閉めを行なうことで、該上型30の基材セット部32に対して基材42を装着することを特徴としている。すなわち、第1実施例の発泡成形方法では、基材42を上型30の基材セット部32へ装着した後に表皮44を下型20の表皮セット部22へ装着するようになっているのに対し、第2実施例の発泡成形方法では、表皮44を下型20の表皮セット部22へ装着した後に基材42を上型30の基材セット部32へ装着するようになっている。
このように、表皮セット部22に対する表皮44の装着タイミングを変更したことにより、第2実施例の発泡成形方法では、図14(a)に例示する第2スペーサ治具(治具)60を使用することで、上型30に対する基材42のセットを行なうようになっている。この第2スペーサ治具60は、シリコンまたはゴム等の適度の弾力性を有する素材から形成されたもので、図14(b)に例示するように、発泡体46の外形形状と略合致する外形形状とされている。すなわち第2スペーサ治具60は、基材42と接触する裏面64の形状が該基材42の外面の形状と合致しており、下型20の表皮セット部22と接触する表面62の形状は、表皮44の裏面の形状と合致している。
第2実施例の発泡成形方法は、図13に示したように、次のようなステップS21〜ステップS29の各工程から基本的に構成されている。
すなわち、発泡成形型10の上型30と下型20とを型開きし、これら下型20の表皮セット部22および上型30の基材セット部32に離型剤を塗布したもとで、
(1)下型20の表皮セット部22へ、予備成形した表皮44を装着する(ステップS21)。
(2)表皮44を装着した下型20に、第2スペーサ治具60をセットする(ステップS22)。
(3)表皮44および第2スペーサ治具60をセットした下型20に、予備成形した基材42をセットする(ステップS23)。
(4)表皮44、第2スペーサ治具60および基材42をセットした下型20と上型30とを型閉めし、該第2スペーサ治具60との間に挟まれた該基材42を該上型30の基材セット部32へ装着する(ステップS24)。
(5)基材42を装着した上型30と下型20とを型開きする(ステップS25)。
(6)下型20にセットされていた第2スペーサ治具60を取除く(ステップS26)。
(7)基材42をセットした上型30と表皮44をセットした下型20とを型閉めする(ステップS27)。
(8)表皮44と基材42との間の空間で発泡体46を発泡成形する(ステップS28)。
(9)上型30と下型20とを型開きし、発泡成形部材40を脱型する(ステップS29)。
より具体的に説明すると、先ず、上型30と下型20とを型開きし、下型20の表皮セット部22および上型30の基材セット部32へ夫々離型剤を塗布した後、図15に例示するように、予備成形した表皮44を、その表面が表皮セット部22の型面に密着するように下型20に装着する(ステップS21)。
下型20に対する表皮44のセットが完了したら、図16に例示するように、図14(a)に例示した第2スペーサ治具60を、その表面62が表皮44の裏面に密着するように下型20にセットする(ステップS22)。
更に、下型20に対する第2スペーサ治具60のセットが完了したら、図17に例示するように、予備成形した基材42を、その表面を下側に向けた裏返し状態で、第2スペーサ治具60に整合するように下型20にセットする(ステップS23)。なお、基材42に捻れや反り等の歪み変形がある場合には、第2スペーサ治具60に対して完全に密着しない場合があるが、この時点では変形を矯正することなく単に載置するだけでよい。
下型20に対して表皮44、第2スペーサ治具60および基材42のセットが完了したら、図18(a)に例示するように、該下型20と上型30とを型閉めする。この際に、上型30の基材セット部32が基材42の裏面に当接して整合するようになり、基材42は第2スペーサ治具60と基材セット部32により挟まれる(図18(b))。このため、基材42が変形している場合には、この型閉めの過程において適正な形状に適宜矯正され、基材セット部32の型面形状に合致するようになる。なお、第2スペーサ治具60が適度の弾力性を有しているため、挟まれた基材42が弾力的に挟持されるようになり、基材42に部分的な集中応力が加わることが防止される。
下型20に対する上型30の型閉めが完了したら、図18(b)に例示したように、前述したワイヤー38の引張りを解除して没入していたセットピン34を、延出させて基材42のセット孔42Aへ突入させる。これにより基材42は、セットピン34がセット孔42Aへ係止されるため、適正形状に矯正された状態で上型30の基材セット部32へ装着される(ステップS24)。
セットピン34の突入により基材セット部32に対する基材42の装着が完了したら、図19に例示するように、基材42が装着された上型30と下型20とを型開きする(ステップS25)。なお、上型30と下型20との型開き時では、基材セット部32が下方を指向しているが、前述したセットピン34がセット孔42Aに突入しているため、基材42が基材セット部32から脱落することはない。
型開きが完了したら、図19に例示したように、下型20にセットしてあった第2スペーサ治具60を取除く(ステップS26)。これらステップS21〜ステップS26を実行することにより、図20に例示した従来の発泡成形方法と同様に、下型20の表皮セット部22に表皮44が装着されると共に、上型30の基材セット部32へ基材42が装着される。
これ以降のステップS27〜ステップS29は、前述した第1実施例の発泡成形方法におけるステップS17〜ステップS19と同じであって、図10に例示したように、表皮44を装着した下型20と基材42を装着した上型30とを型閉めし(ステップS27)、図11に例示するように、これら表皮44と基材42との間に画成された空間において発泡体46を発泡成形する(ステップS28)。そして、発泡体46の発泡成形が完了したら、図12に例示するように、セットピン34を没入させた後に上型30と下型20とを型開きし、スライド型部24をスライドさせると共に着脱型部26を取外すようにして、下型20から発泡成形部材40を脱型する(ステップS19)
このような第2実施例の発泡成形方法によっても、前述した第1実施例の発泡成形方法が奏する作用効果と同等の作用効果を得ることができる。
なお、前述した第1実施例および第2実施例では、床面等に設置固定された下型20および該下型20に対して上方から開閉する上型30とから構成された発泡成形型10を使用することを前提とした発泡成形方法を例示したが、この発泡成形型10の形態はこれに限定されるものではない。例えば、上型30が高い位置に固定され、この上型30に対して下型20が下方から開閉するよう構成された発泡成形型を使用しても、本願の発泡成形方法は好適に実施可能である。
本発明に係る発泡成形方法は、相互に型閉め可能な下型および上型からなる発泡成形型を使用して表皮と基材との間で発泡体を発泡成形するに際し、下型に表皮をセットすると共に上型に基材をセットするようにした発泡成形方法であって、例えばインストルメントパネルやフロアパネル等の車両内装部材として実施される発泡成形部材における発泡体の成形において好適に実施可能である。
第1実施例の発泡成形方法を概略的に示した工程図。 第1スペーサ治具を示した説明図。 下型と上型とを型開きした発泡成形型の概略断面図。 下型の表皮セット部へ第1スペーサ治具をセットする状態を示した説明図。 第1スペーサ治具をセットした下型へ基材をセットする状態を示した説明図。 下型と上型とを型閉めする状態を示した説明図。 上型の基材セット部へ基材を装着させる状態を示した説明図。 基材を装着した上型と下型とを型開きし、下型から第1スペーサ治具を取除く状態を示した説明図。 下型の表皮セット部へ表皮を装着する状態を示した説明図。 基材を装着した上型と表皮を装着した下型とを型閉めした状態を示した説明図。 基材の表皮との間で発泡体を発泡成形した状態を示した説明図。 上型と下型とを型開きし、発泡成形部材を脱型する状態を示した説明図。 第2実施例の発泡成形方法を概略的に示した工程図。 第2スペーサ治具を示した説明図。 下型の表皮セット部へ表皮を装着する状態を示した説明図。 表皮を装着した下型へ第2スペーサ治具をセットする状態を示した説明図。 表皮および第2スペーサ治具をセットした下型へ基材をセットする状態を示した説明図。 下型と上型とを型閉めし、上型の基材セット部へ基材を装着させる状態を示した説明図。 基材を装着した上型と下型とを型開きし、下型から第2スペーサ治具を取除く状態を示した説明図。 従来の発泡成形方法を概略的に示した工程図。 発泡成形型を型開きしたもとで、下型へ表皮を装着すると共に上型へ基材を装着する従来の発泡成形方法を示した説明図。
符号の説明
10 発泡成形型,20 下型,30 上型,32 基材セット部,
34 セットピン(係止手段),42 基材,42A セット孔(係止受手段),
44 表皮,46 発泡体,50 第1スペーサ治具(治具),54 裏面,
60 第2スペーサ治具(治具),64 裏面

Claims (5)

  1. 相互に型閉め可能な下型(20)および上型(30)からなる発泡成形型(10)を使用して表皮(44)と基材(42)との間で発泡体(46)を発泡成形するに際し、前記下型(20)に表皮(44)をセットすると共に前記上型(30)に基材(42)をセットするようにした発泡成形方法において、
    前記表皮(44)と前記発泡体(46)とを重ね合わせた外形形状と略合致する外形形状の治具(50)を前記下型(20)へセットし、
    前記治具(50)をセットした前記下型(20)へ前記基材(42)をセットし、
    これら治具(50)および基材(42)がセットされた下型(20)と前記上型(30)とを型閉めして、該治具(50)との間に挟まれた該基材(42)を該上型(30)へ装着させ、
    前記基材(42)が装着された前記上型(30)と前記下型(20)とを型開きして、該下型(20)にセットされていた前記治具(50)を取除き、
    前記治具(50)を取除いた後の前記下型(20)へ前記表皮(44)を装着し、
    前記表皮(44)を装着した前記下型(20)と前記基材(42)を装着した前記上型(30)とを型閉めし、これら表皮(44)と基材(42)との間で前記発泡体(46)を発泡成形するようにした
    ことを特徴とする発泡成形方法。
  2. 相互に型閉め可能な下型(20)および上型(30)からなる発泡成形型(10)を使用して表皮(44)と基材(42)との間で発泡体(46)を発泡成形するに際し、前記下型(20)に表皮(44)をセットすると共に前記上型(30)に基材(42)をセットするようにした発泡成形方法において、
    前記下型(20)へ前記表皮(44)を装着し、
    前記発泡体(46)と略合致する外形形状の治具(60)を、前記表皮(44)を装着した前記下型(20)へセットし、
    前記表皮(44)および治具(60)がセットされた前記下型(20)へ前記基材(42)をセットし、
    これら表皮(44)、治具(60)および基材(42)がセットされた前記下型(20)と前記上型(30)とを型閉めして、該治具(60)との間に挟まれた該基材(42)を該上型(30)へ装着させ、
    前記基材(42)が装着された前記上型(30)と前記下型(20)とを型開きして、該下型(20)にセットされていた前記治具(60)を取除き、
    前記表皮(44)を装着した前記下型(20)と前記基材(42)を装着した前記上型(30)とを型閉めし、これら表皮(44)と基材(42)との間で前記発泡体(46)を発泡成形するようにした
    ことを特徴とする発泡成形方法。
  3. 前記上型(30)と前記下型(20)とを型閉めするに際し、該上型(30)の基材セット部(32)および前記治具(50,60)により前記基材(42)の歪みを矯正し、矯正された該基材(42)を前記基材セット部(32)へ装着させるようにした請求項1または2記載の発泡成形方法。
  4. 前記上型(30)と前記下型(20)とを型閉めして前記基材(42)を矯正した後に、前記上型(30)に設けた係止手段(34)を、前記基材(42)に設けた係止受手段(42A)に係止するようにした請求項3記載の発泡成形方法。
  5. 前記治具(50,60)は、少なくとも前記基材(42)と接触する裏面(54,64)の形状が、該基材(42)の外面形状と合致している請求項1〜4の何れかに記載の発泡成形方法。
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