JP2001129907A - 気泡性緩衝材 - Google Patents

気泡性緩衝材

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JP2001129907A JP31514299A JP31514299A JP2001129907A JP 2001129907 A JP2001129907 A JP 2001129907A JP 31514299 A JP31514299 A JP 31514299A JP 31514299 A JP31514299 A JP 31514299A JP 2001129907 A JP2001129907 A JP 2001129907A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、高強度、薄肉化、および安定した成
形性の全てを満足する気泡性緩衝材を提供すること。 【解決手段】 各フィルム20,30をポリプロピレン
製とし、凸部形成フィルム20の第1層21側と第2層
22側とで融点差を設けた。従って、ポリプロピレン製
であることで、透明性、高強度、薄肉化を実現できる。
また、凸部形成フィルム20の融点差により、これを成
形可能に加熱した場合、成形ドラムと密着する高融点側
を低融点側に比して軟化し難くできるから、低融点側の
軟化によって得られる成形性を良好に維持しつつも、凸
部形成フィルム20の成形ドラムからの剥離性を向上さ
せることができ、成形性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気泡性緩衝材に係
り、特にポリプロピレン系の気泡性緩衝材に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、ポリエチレンフィルムを成形可
能温度に加熱した後、ドラム成形機で複数の凸部を形成
し、この凸部の開口側を別のポリエチレンフィルムで塞
ぐことで製作された気泡性緩衝材が知られている。この
ような気泡性緩衝材は、梱包材として用いられることも
多く、この場合には、非梱包物を容易に視認できるよう
に透明性が求められる場合がある。また、緩衝材本来の
機能を維持させるために、凸部には十分な弾力性と衝撃
に対して破れることのない強度とが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリエチレンフィルムを用いた場合には、以下のような
問題がある。 ポリエチレンフィルムでは、ある程度の透明性を確保
することは可能であるが、限界があり、より透明性に優
れた気泡性緩衝材を製造することができない。 強い衝撃を受けると、場合によっては凸部が破れるこ
とがあるため、肉厚を厚くして強度を確保する必要があ
る。 前記により、気泡性緩衝材の薄肉化が困難である。
【0004】ところで、これらの問題は、材料であるポ
リエチレンの特性に起因するところが大きい。このた
め、上記問題を解決するためには、気泡性緩衝材の材料
として、ポリエチレンよりも透明性が高く高強度なポリ
プロピレン系樹脂を用いることが考えられる。
【0005】ところが、通常のポリプロピレンフィルム
は融点が高いため、凸部を成形する場合やフィルム同士
を熱融着して互いに貼り合わせる場合に、成形温度、融
着温度をより高く設定しなければならない。このため、
高温で軟化した部分が凸部成形用のドラムや融着用の加
熱ロールに融着し易く、これらからの剥離性が悪化して
成型品の外観が損なわれる可能性がある。
【0006】本発明の目的は、透明性、高強度、薄肉
化、および安定した成形性の全てを満足する気泡性緩衝
材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の気泡性緩衝材
は、一方に開口した凸部を有する凸部形成フィルムと、
前記凸部の開口側を塞ぐようにして前記凸部形成フィル
ムに貼り合わされる封止フィルムとで構成された気泡性
緩衝材であって、前記凸部形成フィルムおよび封止フィ
ルムのうちの少なくとも一方のフィルムは、多層のポリ
プロピレン系樹脂からなるとともに、互いに貼り合わさ
れる一方の面側の融点よりも、これとは反対の他方の面
側の融点が高いことを特徴とする気泡性緩衝材。
【0008】このような本発明においては、材料として
ポリプロピレン系樹脂を用いるので、従来のポリエチレ
ンを用いた場合に比べて優れた透明性および高強度化が
容易に実現される。また、高強度化に伴って薄肉化を促
進することも可能である。加えて、一方のフィルムを多
層構造にして各面側で融点差を生じさせているため、例
えば、凸部成形フィルムにそのような融点差を生じさせ
た場合には、凸部形成フィルムの高融点側の面を凸部成
形用のドラムに密着させればよく、凸部形成フィルムが
成形可能な温度に加熱されたり、封止フィルムと融着可
能な温度に加熱されても、凸部形成フィルムのドラムと
密着する高融点側の面が低融点側の面に比して軟化し難
くなり、低融点側の軟化によって得られる成形性および
融着状態を良好に維持しつつも、凸部形成フィルムの前
記ドラムからの剥離性が向上し、気泡性緩衝材の成形性
が向上する。同様に、封止フィルムを多層構造にして各
面側で融点差を生じさせた場合でも、熱融着用の加熱ロ
ール等に高融点側を密着させればよく、密着した高融点
側の過度の軟化が抑えられて加熱ロールからの剥離性が
向上し、やはり気泡性緩衝材の成形性が向上する。
【0009】また、本発明の気泡性緩衝材では、前記凸
部形成フィルムおよび封止フィルムの両方を多層構造と
し、それぞれのフィルムの各面側で融点差を生じさせる
ことが好ましく、このような場合には、気泡性緩衝材の
両面側での剥離性が向上し、気泡性緩衝材全体の成形性
が格段に向上する。
【0010】さらに、本発明の気泡性緩衝材では、前記
多層のポリプロピレン系樹脂からなるフィルムの前記一
方の面側と前記他方の面側との融点差が10℃以上であ
ることが望ましく、より望ましくは20℃以上である。
融点差が10℃よりも小さいと、極端に薄いフィルムを
用いて成形する時など、場合によっては凸部成形時や熱
融着時の熱で高融点側(ドラムや加熱ロールと接触する
側)の軟化が促進される可能性があり、剥離性が阻害さ
れて成形性が悪化するおそれがある。
【0011】そして、本発明の気泡性緩衝材では、前記
多層のポリプロピレン系樹脂からなるフィルムは3層構
造であってもよい。このような構成では、凸部の大きさ
違いや厚さ違い、あるいは強度違い等の種々の気泡性緩
衝材を製造する際に、凸部の成形性、各フィルムの融着
性、あるいは要求される強度等に応じた融点の材料で中
間層を形成すればよいから、成形温度、成形時間、融着
温度、融着時間等、製造時の各種パラメータを大きく変
える必用がなく、それらの製造が容易に行われる。
【0012】また、本発明の気泡性緩衝材では、前記凸
部形成フィルムおよび封止フィルムの互いに貼り合わさ
れる面側同士の融点差が20℃以内であることが望まし
い。融点差が20℃よりも大きいと、熱融着時の加熱温
度によっては、各フィルム同士が均一に軟化せず、熱融
着を良好に行えない場合がある。また、一方のフィルム
が過度に加熱される可能性があるから、ドラムまたは加
熱ロールと密着する面が著しく軟化するおそれがあり、
剥離性が阻害される心配がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0014】〔第1実施形態〕図1は、本実施形態に係
る気泡性緩衝材10を示す断面図、図2は、気泡性緩衝
材10の要部を拡大して示す断面図である。
【0015】気泡性緩衝材10は、一方に開口した凸部
20Aを有する凸部形成フィルム20と、凸部20Aの
開口側を塞ぐようにして凸部形成フィルム20に熱融着
された封止フィルム30とで構成され、凸部20A内の
空気(気泡)による弾性によって良好な緩衝作用を生じ
させている。
【0016】凸部形成フィルム20は、ポリプロピレン
製であり、図2に拡大して示すように、下方から上方に
向けて第1、第2層21,22が形成された多層構造を
有している。第1層21は、高融点(Tm:160〜16
5℃)のホモポリプロピレン(耐熱PP)からなる。第
2層22は、コポリプロピレンの中のランダム(2元ま
たは3元)ポリプロピレン、またはこのランダムポリプ
ロピレンにゴム性または金属性のエラストマーを混合し
たものであり、第1層21よりも低融点(Tm:80〜1
55℃)化が図られている。そして、実際に各層21,
22を形成する材料としては、それぞれの融点差が10
℃以上となる材料が選択される。つまり、融点が160
℃の材料で第1層21を形成する場合には、融点が80
℃以上でかつ150℃よりも低い融点の材料で第2層が
形成される。
【0017】一方、封止フィルム30は単層のポリプロ
ピレン製であり、具体的には、ランダムポリプロピレ
ン、またはこのようなコポリマーに低融点化のためのエ
ラストマーを混合したものであって、これと熱融着され
る凸部形成フィルム20の第2層22と同じ低い融点
(Tm:80〜155℃)を有している。そして、実際の
封止フィルム30および凸部形成フィルム20の第2層
を形成する材料としては、それぞれの融点差が20℃以
内の材料が選択される。つまり、融点が100℃の材料
で凸部形成フィルム20の第2層22を形成する場合に
は、融点が80〜120℃の材料で封止フィルム30が
形成される。
【0018】次に、図3〜図4に基づき、気泡性緩衝材
10の製造装置であるドラム成形機40、および気泡性
緩衝材10の製造方法を説明する。
【0019】図3において、ドラム成形機40は、凸部
形成フィルム20に凸部20Aを形成した後、この凸部
形成フィルム20と封止フィルム30とを熱融着する装
置であり、送り装置41から案内ロール42A,42
B,43Bを通って繰り出された凸部形成フィルム20
を加熱する赤外線ヒータ43と、この凸部形成フィルム
20が巻回される凸部20A形成用の成形ドラム44
と、別の送り装置45から案内ロール46A,46B,
46Cを通って繰り出された封止フィルム30を凸部形
成フィルム20に熱融着する加熱ロール(シールロー
ル)47と、以上によって製造された気泡性緩衝材10
を送り出す搬送手段48と、これら各部を統括駆動制御
するための操作盤49とを備えている。
【0020】これらのうち、成形ドラム44は、軸方向
および周方向に沿って複数形成された凹部44Aを備え
ている。凹部44Aは、図4に拡大して示すように、成
形ドラム44の金属製の外周部分に穿設された貫通孔5
0の所定深さ位置に、シリコン成形品からなる易離型性
材としての底面部材51を配置することで形成されてお
り、底面部材51が有する弾性力で貫通孔50内に保持
されている。図5にも示すように、底面部材51の周縁
には複数の切欠部51Aが設けられ、各切欠部51Aに
よって成形ドラム44内と凹部44Aとが連通すること
により、各凹部44Aを成形ドラム44内から真空吸引
可能になっている。
【0021】また、成形ドラム44の外周部分は、内蔵
された図示しないヒータによって40〜100℃に加熱
されている。すなわち、この図示しないヒータおよび外
部に配置された前記赤外線ヒータ43で加熱手段が構成
され、この加熱手段によって凸部形成フィルム20が両
面側から60〜155℃に加熱されるようになってい
る。
【0022】このような成形ドラム44においては、加
熱されて軟化した凸部形成フィルム20は、高融点側で
ある第1層21が成形ドラム44の外周に密着するよう
に巻回されている。そして、凹部44Aをドラム内から
真空吸引することにより、これに巻回された凸部形成フ
ィルム20には凹部44Aの形状に対応した凸部20A
が形成される。
【0023】なお、凹部44Aをドラム内部から吸引す
るのではなく、凹部44Aに嵌合する押圧子によって、
凸部形成フィルム20を凹部44A内に押し込んで凸部
形成フィルム20に凸部20Aを形成してもよい。
【0024】加熱ロール47は、表面温度が80〜15
5℃まで加熱されるものであり、この範囲の融着温度で
封止フィルム30を凸部形成フィルム20に押圧しなが
ら互いを熱融着するように構成されている。
【0025】搬送手段48は、成形ドラム44から剥離
した気泡性緩衝材10を直下に案内する一対のコンベア
48A,48Bと、案内された気泡性緩衝材10を水平
方向に送り出す受け台48Cとを備えているとともに、
一方のコンベア48Bが可倒式になっており、製造開始
時に送り出された気泡性緩衝材10の先端を各コンベア
48A,48B間に容易に位置させることが可能であ
る。
【0026】このような本実施形態においては、以下の
ようにして気泡性緩衝材10を製造する。先ず、ロール
状に巻かれた凸部形成フィルム20および封止フィルム
30をそれぞれ送り装置41,45に装着し、各フィル
ム20,30を成形ドラム44まで案内して巻回させ
る。この際、凸部形成フィルム20の高融点側を成形ド
ラム44に密着させる。そして、成形ドラム44に巻回
された凸部形成フィルム20を、赤外線ヒータ43およ
び40〜100℃とされた成形ドラム44自身の外周表
面で60〜155℃まで加熱し、成形可能な状態に軟化
させるとともに、成形ドラム44内からの真空吸引を行
って凸部形成フィルム20に凸部20Aを形成する。こ
の後、凸部形成フィルム20とこれに重ねられた封止フ
ィルム30とを、80〜155℃に加熱された加熱ロー
ル47で熱融着する。最後に、熱融着によって一体とさ
れた各フィルム20,30を成形ドラム44から剥離さ
せて気泡性緩衝材10を得る。
【0027】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。 (1)凸部形成フィルム20および封止フィルム30の
材料としてポリプロピレンが用いられているので、従来
のポリエチレンを用いた場合に比べて優れた透明性およ
び高強度化を容易に実現でき、気泡性緩衝材を梱包材と
して用いた場合などに非梱包物を容易に視認できるう
え、凸部20A側およびその開口部側から大きな衝撃が
加わっても破れる等の心配がない。また、各フィルム2
0,30の高強度化に伴って薄肉化を促進することもで
き、薄肉化に伴ってコストも削減できる。さらに、ポリ
プロピレン製であるから、二次加工性、ガスバリア性、
防湿性も向上させることができる。
【0028】(2)凸部成形フィルム20は多層構造と
されて各面側で融点差があるから、凸部形成フィルム2
0の高融点側の面を成形ドラム44に密着させることに
より、凸部形成フィルム20が成形可能な温度に加熱さ
れたり、封止フィルム30と融着可能な温度に加熱され
ても、凸部形成フィルム20のドラムと密着する高融点
側の面が低融点側の面に比して軟化し難くなり、低融点
側の軟化によって得られる成形性および融着状態を良好
に維持しつつも、凸部形成フィルム20の成形ドラム4
4からの剥離性を向上させることができ、気泡性緩衝材
10の成形性を向上させることができる。
【0029】(3)凸部形成フィルム20の第1層21
と第2層22との融点差が10℃以上となるように各層
21,22の材料が選択されるから、凸部20A成形時
や熱融着時の熱で高融点側(成形ドラム44と密着する
側)である第1層21が軟化するのをより確実に防止で
き、剥離性が阻害されて成形性が悪化する心配がない。
【0030】(4)互いに融着される封止フィルム30
と凸部形成フィルム20の第2層22とは、共にランダ
ムポリプロピレン、またはこれにエラストマーを混合し
たものであり、それぞれ低融点であるから、凸部形成フ
ィルム20と封止フィルム30との融着温度も80〜1
55℃と高融点側に何ら熱影響を及ぼすことのない程度
に低く設定でき、熱融着を行っても凸部形成フィルム2
0の成形ドラム44からの剥離性が低下する心配がな
い。
【0031】(5)特に、凸部形成フィルム20および
封止フィルム30は、互いに貼り合わされる面側同士の
融点差が20℃以内となるように各材料が選択されるた
め、各フィルム20,30が均一に軟化し、熱融着を良
好に行える。また、一方のフィルムが過度に加熱される
心配がないから、成形ドラム44または加熱ロール47
と密着する面が著しく軟化するのを防止でき、剥離性を
良好に維持できる。
【0032】(6)凸部形成フィルム20は高融点側の
第1層21がホモポリプロピレンで形成されているの
で、自身が高融点であるという特性をそのまま活かすこ
とができ、高融点化を容易に実現できる。また、低融点
側の第2層22がランダムポリプロピレンで形成されて
いるので、高融点のホモポリプロピレンとの融点差を容
易に生じさせることができる。特に、ランダムポリプロ
ピレンにエラストマーを混合した場合には、低融点化を
一層容易に実現でき、凸部形成フィルム20の各面で融
点差を簡単かつ確実に生じさせることができる。
【0033】(7)凸部形成フィルム20の凸部20A
成形時の温度を60〜155℃にし、凸部形成フィルム
20と封止フィルム30との熱融着時の温度を80〜1
55℃にすることで、それぞれの温度を適切に設定した
ので、凸部20Aの成形不良や各フィルム20,30の
融着不良、さらには成形ドラム44からの剥離不良を防
止でき、各フィルム20,30をポリプロピレン製とし
た場合でも、気泡性緩衝材10の製造を確実かつ効率的
に行える。
【0034】(8)ドラム成形機40の加熱手段は、赤
外線ヒータ43および成形ドラム44により、凸部形成
フィルム20を両面側から加熱可能に構成されているた
め、凸部形成フィルム20を短時間で適切な成形温度に
することができ、生産性をさらに向上させることができ
る。
【0035】(9)成形ドラム44の凹部44Aの底面
は、シリコン成形品である底面部材51で形成されてい
るため、凹部44A内での凸部20Aの剥離性を一層向
上させることができ、気泡性緩衝材10の凸部20Aを
より確実に形成できる。
【0036】〔第2実施形態〕図6には、本発明の第2
実施形態に係る気泡性緩衝材の断面図が示されている。
なお、以下の各実施形態では、前記第1実施形態と同じ
構成には同一符号を付し、それらの詳細な説明を省略す
る。
【0037】図6において、気泡性緩衝材を構成する凸
部形成フィルム20は単層のポリプロピレン製であり、
具体的には、ランダムポリプロピレン、またはこのよう
なコポリマーに低融点化のためのゴム性または金属性の
エラストマーを混合したものであって、低い融点(Tm:
80〜155℃)を有している。
【0038】これに対し、封止フィルム30は、ポリプ
ロピレン製であり、上方から下方に向けて第1、第2層
31,32が形成された多層構造を有している。第1層
31は、高融点(Tm:160〜165℃)のホモポリプ
ロピレンからなる。第2層32は、コポリプロピレンの
中のランダム(2元または3元)ポリプロピレン、また
はこのランダムポリプロピレンにエラストマーを混合し
たものであり、第1層31よりも低く凸部形成フィルム
20と同じ低融点(Tm:80〜155℃)化が図られて
いる。
【0039】そして、実際に各層31,32を形成する
材料としては、それぞれの融点差が10℃以上となる材
料が選択される。つまり、融点が160℃の材料で第1
層21を形成する場合には、融点が80℃以上でかつ1
50℃よりも低い融点の材料で第2層が形成される。ま
た、第2層32および凸部形成フィルム20を形成する
材料としては、それぞれの融点差が20℃以内の材料が
選択される。つまり、融点が100℃の材料で封止フィ
ルム30の第2層32を形成する場合には、融点が80
〜120℃の材料で凸部形成フィルム20が形成され
る。すなわち、本実施形態では、第1実施形態の各フィ
ルム20,30の材料構成を逆転させた構造になってい
る。
【0040】本実施形態によれば、各フィルム20,3
0がポリプロピレン製であることにより、前述した
(1)の効果を同様に得ることができる。封止フィルム
30の各面側で融点差があるから、熱融着用の加熱ロー
ル47に高融点側の第1層31を密着させることによ
り、密着した第1層31の過度の軟化が抑えられて加熱
ロール47からの剥離性を向上させることができ、構成
は異なるが、やはり気泡性緩衝材の成形性を向上させて
(2)の効果も同様に得ることができる。封止フィルム
30の第1層31と第2層32との融点差が10℃以上
となるように各層31,32の材料が選択されるから、
熱融着時の熱で高融点側(加熱ロール47と密着する
側)である第1層31が軟化するのをより確実に防止で
き、剥離性が阻害されて成形性が悪化する心配がなく、
(3)の効果も得ることができる。また、他の同様な構
成により、(4)〜(6)の効果も同様に得ることがで
きる。
【0041】〔第3実施形態〕図7には、本発明の第3
実施形態に係る気泡性緩衝材が示されている。本実施形
態では、凸部形成フィルム20および封止フィルム30
の両方が多層構造とされ、それぞれ第1層21,31、
第2層22,32を有している。各層21,22,3
1,33の具体的な材料は第1、第2実施形態と同じで
ある。
【0042】このような本実施形態によれば、前述の
(1)〜(6)の効果に加え、以下の効果がある。すな
わち、各フィルム20,30において、各面側に融点差
があるから、それぞれの高融点側を成形ドラム44、加
熱ロール47に密着させることにより、成形ドラム44
および加熱ロール47の両方からの剥離性を向上させる
ことができ、成形性を格段に向上させることができる。
【0043】〔第4実施形態〕図8に示す第4実施形態
では、各フィルム20,30の第1層21,31と第2
層22,32との間に、中間層としての第3層23,3
3が設けられている。この第3層23,33の具体的な
材料は、ポリプロピレン系樹脂の中から、凸部20Aの
大きさや肉厚からくる成形性や、各フィルム20,30
の融着性、あるいは要求される強度等を勘案して、それ
に応じた融点のものを選択してよく、例えば、第1層2
1,31および第2層22,32のいずれかと同じ材料
か、あるいは通常のポリプロピレンである。
【0044】このような本発明によれば、凸部20Aの
大きさ違いや厚さ違い、あるいは強度違い等の種々の気
泡性緩衝材を製造する際に、凸部20Aの成形性、各フ
ィルム20,30の融着性、あるいは要求される強度等
に応じた融点の材料で第3層23,33を形成すればよ
いから、成形温度、成形時間、融着温度、融着時間等、
製造時の各種パラメータを大きく変える必用がなく、そ
れらを容易に製造できる。
【0045】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等
を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1、第2実施形態では、凸部形成フィル
ム20、封止フィルム30が共にポリプロピレン製であ
ったが、単層のフィルム側をそれぞれポリエチレン等の
他のポリオレフィン系樹脂としてもよい。
【0046】また、各フィルム20,30として、単層
構造、2層構造、3層構造のものがある場合、各構造の
フィルムの組合せは、各実施形態の組合せに限定され
ず、例えば、図9に示すように、一方のフィルムを単層
構造とし、他方のフィルムを3層構造としてもよく、図
示を省略するが、一方を2層構造とし、他方を3層構造
としてもよい。そして、多層構造としては、2層構造、
3層構造に限らず、4層以上の場合でも本発明に含まれ
る。要するに、いずれの多層構造のフィルムにおいて
も、貼り合わせ側の融点よりも、これとは反対側の融点
が大きければよく、層数は任意である。
【0047】さらに、気泡性緩衝材10の厚さや凸部2
0Aの大きさ、形状等も、その実施にあたって適宜決め
られてよく、前記各実施形態のものに限定されない。
【0048】
【実施例】本発明の実施例として、図8に示す第4実施
形態に基づき、凸部形成フィルムおよび封止フィルムを
共に3層構造とした場合の気泡性緩衝材(第1〜第3実
施例)を製造し、また、図9に基づき、一方のフィルム
を3層構造、他方のフィルムを単層構造にした気泡性緩
衝材(第4、第5実施例)を製造し、比較例として、ポ
リエチレン製のフィルムを用いて厚さ違いの気泡性緩衝
材(第1、第2比較例)を製造し、これらの透明性、強
度、および成形性を比較した。各実施例、比較例で使用
した各フィルムの材料および諸特性を表1、表2に示
し、比較結果を表3に示す。なお、表3において、○は
良、△は可、×は不可である。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】比較の結果、第1〜第4実施例までが、外
観上良好な透明性および成形性が得られ、また、強い衝
撃を加えた場合でも凸部の破れ等が生じず、十分な強度
が得られた。第5実施例は、透明性および強度について
は良好であるが、成形性に関して他の実施例よりも劣
る。しかし、この成形状態も凸部の形状が多少不均一に
なっている程度で、許容できる範囲であり、製品として
何ら支障を来すものではない。一方、第1比較例は、特
に強度が各実施例に比較して著しく劣っており、衝撃に
よって凸部が容易に破れてしまった。透明性および成形
性に関しては、製品として問題となる程度ではないが、
各実施例と比較すると透明感に欠け、また、凸部の形状
が良好でない部分があった。第2比較例では、凸部形成
フィルムとして第1比較例よりも厚いものを使用したた
め、強度および成形性(熱融着時のドラム側への熱影響
が小さい)が幾分改善されている。しかし、このうち強
度に関しては、衝撃を加えた際に凸部が依然として破れ
る場合があった。透明性に関しても第1比較例と同様に
幾分透明感に欠ける。また、各比較例では、特に強度を
実施例程度に向上させるためには、より厚いフィルムを
用いる必要があり、薄肉化が困難であるといえる。以上
により、本発明の気泡性緩衝材が従来のポリエチレン製
の気泡性緩衝材よりも優れ、前記目的を達成できること
が明らかになった。
【0053】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
従来のポリエチレン製の気泡性緩衝材に比べ、透明性、
高強度、および成形性を向上させることができ、加えて
薄肉化をも促進できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る気泡性緩衝材を示
す断面図である。
【図2】前記気泡性緩衝材の要部を拡大して示す断面図
である。
【図3】前記気泡性緩衝材の製造装置の概略を示す構成
図である。
【図4】前記製造装置の要部を拡大して示す断面図であ
る。
【図5】前記製造装置の構成部材を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る気泡性緩衝材を拡
大して示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る気泡性緩衝材を拡
大して示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る気泡性緩衝材を拡
大して示す断面図である。
【図9】本発明の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 気泡性緩衝材 20 凸部形成フィルム 21 第1層 22 第2層 23 第3層 20A 凸部 30 封止フィルム 31 第1層 32 第2層 33 第3層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E066 AA22 BA02 CA01 CB03 DB01 LA01 LA30 MA01 4F100 AK01A AK01B AK07A AK07B AL09 BA02 BA04 BA10A BA10B DD06B DD17B DD22 GB15 JA04A JA04B JK01 JK11 JL01 JN01 YY00A YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方に開口した凸部を有する凸部形成フ
    ィルムと、前記凸部の開口側を塞ぐようにして前記凸部
    形成フィルムに貼り合わされる封止フィルムとで構成さ
    れた気泡性緩衝材であって、 前記凸部形成フィルムおよび封止フィルムのうちの少な
    くとも一方のフィルムは、多層のポリプロピレン系樹脂
    からなるとともに、互いに貼り合わされる一方の面側の
    融点よりも、これとは反対の他方の面側の融点が高いこ
    とを特徴とする気泡性緩衝材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の気泡性緩衝材におい
    て、前記凸部形成フィルムおよび封止フィルムの両方が
    多層のポリプロピレン系樹脂からなるとともに、互いに
    貼り合わされる一方の面側の融点よりも、これとは反対
    の他方の面側の融点が高いことを特徴とする気泡性緩衝
    材。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の気泡性
    緩衝材において、前記多層のポリプロピレン系樹脂から
    なるフィルムの前記一方の面側と前記他方の面側との融
    点差が10℃以上であることを特徴とする気泡性緩衝
    材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の気泡性緩衝材において、前記多層のポリプロピレン
    系樹脂からなるフィルムは3層構造であることを特徴と
    する気泡性緩衝材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の気泡性緩衝材において、前記凸部形成フィルムおよ
    び封止フィルムの互いに貼り合わされる面側同士の融点
    差が20℃以内であることを特徴とする気泡性緩衝材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1477299A1 (en) * 2003-05-06 2004-11-17 Gruppo Colines S.R.L. Polypropylene bubble wrap and process for producing the same
JP2008016843A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 Cree Inc 半導体ウエハ及びデバイス用のボンディング方法及び装置
JP6440890B1 (ja) * 2018-07-10 2018-12-19 酒井化学工業株式会社 気泡緩衝シート

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