JP3822840B2 - 粒子径分布測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、分散している粒子群にレーザ光を照射することによって生じる回折/散乱光を検出し、その検出によって得られる散乱光強度信号に基づいて粒子群の粒子径分布を測定する粒子径分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試料粒子による光の回折現象および/または散乱現象を利用した粒子径分布測定装置では、回折光および/または散乱光の強度分布、つまり、回折角および/または散乱角と光強度との関係を測定し、これにフラウンホーファ回折理論および/またはミー散乱理論に基づく演算処理を施すことによって、試料粒子の粒子径分布が算出される。
【0003】
図9は、従来の粒子径分布測定装置における光学系の要部を概略的に示すもので、この図において、81は例えば分散媒中に粒子を分散させた液体(以下、試料液という)を収容する試料セルである。そして、82,83は試料セル81の厚み方向(照射光透過方向)の一方の側、すなわち、試料セル81の後方側に設けられる光源および集光レンズであり、84は試料セル81の厚み方向の他方の側、すなわち、試料セル81の前方側の集光レンズ83の焦点位置に設けられるフォトダイオードアレイよりなる前方検出器で、透過光と散乱角が比較的小さい(例えば0°〜30°)散乱光を検出するものであり、集光レンズ83が光源82側に位置する所謂逆フーリエ光学系に形成されている。そして、85は散乱角が比較的大きい(30°以上)散乱光(広角散乱光)を検出する広角散乱光検出器群で、試料セル81の一側に、その前方から後方にわたって設けられる複数のフォトダイオード(シングルチャンネル型検出器)86よりなる。87は複数のシングルチャンネル型検出器86を所定の状態で支持する基板である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記粒子径分布測定装置においては、試料セル81に対して光源82からの照射光(例えばレーザ光)88を垂直に入射するようにしていたので、散乱角が90°の側方散乱光89を受光する場合、試料セル81の真横方向(照射光透過方向と直交する方向)に検出器86aを設ける必要があるが、図示例のように試料セル81が幅広である(光88の入射する方向と直交する方向において長い)場合、前記側方散乱光89が試料セル81内を通過する際に減衰し、そのため、検出器86aから出力される信号が弱くなるといった不都合がある。また、符号90で示すように、散乱角が90°前後の散乱光が試料セル81表面における全反射のために広角散乱光検出器群85の検出器86のいずれによっても検出できないことがある。つまり、従来の粒子径分布測定装置においては、散乱角が90°または90°前後(以下、単に90°近傍という)の側方散乱光を確実に検出することができないことがあり、このため、直径が例えば1μm以下の微小粒子の測定精度やデータ再現性が悪いといった課題があった。
【0005】
ところで、前記図9に示すように構成された粒子径分布測定装置においては、試料セル81を透過した光が前方検出器84の透過光検出部に入射し、そこで反射して試料セル81に向かい、この反射光が試料セル81の前面において反射して再度前方検出器84に向かうといったことを防ぐため、前記試料セル81を光軸88に対してごく小さな角度、例えば5°程度傾けて配置することが試みられている。しかしながら、このようにした場合においても、前記図9に示した場合と同様に、散乱角が90°近傍の側方散乱光を確実に検出することができないことに起因して生ずる上述した課題があった。
【0006】
そこで、このような課題を解決する手法として、直方体形状の試料セル81に代えて、側方(図9における符号81aで示す部分)を曲面加工して、取り出したい散乱光の光軸と試料セル81における空気との境界面とができるだけ垂直になるようにして前記全反射を防ぐことが考えられるが、このような特殊な形状の試料セルは、その加工精度が要求され、それだけコストアップするといった不都合がある。
【0007】
上述の課題は、所謂逆フーリエ光学系の粒子径分布測定装置のみならず、試料セルの前方側に集光レンズを設け、この集光レンズの焦点位置に前方検出器を配置した所謂フーリエ光学系の粒子径分布測定装置(図示してない)においても同様に生じているところである。
【0008】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、散乱角が90°近傍の側方散乱光をも確実に検出することができ、0°〜180°付近までの広い角度範囲の散乱光をもれなく確実に検出することができ、広い粒子範囲にわたる粒径分布を再現性よく測定することのできる粒子径分布測定装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、光源と、この光源からの光が照射される試料セルと、前記光の光軸上に配置される集光レンズと、前記試料セルにおいて生ずる透過光および所定の散乱光を検出する前方検出器とを備えた粒子径分布測定装置において、前記試料セルを、前記光源を発した光の光軸に対して傾けた状態で設けるとともに、前記試料セルの前記光の入射面及び出射面に対向する側それぞれに、散乱角が90°または90°前後の側方散乱光と後方散乱光及び前記側方散乱光と前方散乱光を各散乱角ごとに個別に検出する複数の検出器を列状に設けた広角散乱光検出器群を配置したことを特徴としている(請求項1)。
【0010】
そして、上記請求項1に記載の粒子径分布測定装置において、集光レンズを光源と試料セルとの間に設けるとともに、前方検出器の透過光検出部を前記集光レンズの焦点位置に設けてもよく(請求項2)、あるいは、集光レンズを試料セルと前方検出器との間に設けるとともに、この前方検出器を前記集光レンズの焦点位置に設けてもよい(請求項4)。そして、前記請求項2のように構成する場合、集光レンズと前方検出器との間の光軸上のいずれかの位置に、透過光または散乱光を前記前方検出器の受光面上に収斂させるための光学的コンペンセータを設けるのが好ましい(請求項3)。このように構成した場合、逆フーリエ光学系を採用した粒子径分布測定装置において、試料セルに照射光が斜め方向に入射することによって生ずる非点収差が解消され、測定データへの悪影響を除去することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1および図2は、この発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は、この発明の粒子径分布測定装置の構成の一例を概略的に示し、図2はその要部の構成を示すものである。そして、図1に示す粒子径分布測定装置は、その光学系が逆フーリエ光学系に構成されている。すなわち、図1および図2において、1は例えばレーザ光2を発する光源、3はこのレーザ光源1の前方に設けられる集光レンズで、後述する試料セル6に集光レーザ光4を照射する。5は集光レンズ3の焦点位置に設けられる前方検出器で、その受光面5aは、例えば、公知のリングディテクタのように、透過光を検出する透過光検出部と、この透過光検出部を中心に複数の円弧状のフォトダイオードをアレイ状に配置した散乱光検出部とからなるもので、試料セル6において生ずる透過光および散乱角が例えば0°〜30°程度といった比較的小さい前方散乱光を検出するように構成されている。
【0012】
6は集光レンズ3と前方検出器5の間に設けられる試料セルで、分散媒に測定対象の粒子群を分散させた試料液7を収容するためのもので、例えば、透明なガラスなどよりなり、直方体形状に形成されており、その照射光透過方向の厚みtは、この照射光透過方向に直交する幅方向の長さwに比べてかなり小さくしてある。そして、この試料セル6は、集光レーザ光4の光軸4aに対して角度θだけ後方に傾けて配置されており、図示例ではθは45°である。すなわち、厚み方向における試料セル6の中心線CLと光軸4aとの成す角度θが45°となるように傾いた状態で配置されている。このような試料セル6に、レーザ光源1側からの集光レーザ光4が入射すると、その中心光軸4aは、図2に示すように、試料セル6の厚み部分および試料液7を通過するごとに屈折し、試料セル6の出射側における光軸4bは、前記光軸4aのとは多少ずれるがこれと平行となり、前方検出器5の透過光検出部に焦点を結ぶ。なお、前記試料セル6は、試料液7が流通的に供給される流通型試料セルであってもよい。
【0013】
8,9は試料セル6の両側、すなわち、集光レーザ光4の入射面6aと出射面6bにそれぞれ対向する両側にそれぞれ設けられる広角散乱光検出器群で、試料セル6内の粒子によって回折または散乱した照射光のうち、例えば30°〜180°といった比較的大きな角度で散乱/回折した広角散乱光を、各散乱角ごとに個別に検出するもので、この広角散乱光用光検出群8,9は、前方検出器5と異なる角度で列状に設けられる複数のフォトダイオード10からなり、それぞれの配設角度に応じて、試料セル1内の粒子による所定角度の散乱光を検出することができ、図示例では、一方の広角散乱光検出器群8が30°〜90°までの散乱光(散乱角が比較的大きい前方散乱光および90°近傍の側方散乱光)を検出し、他方の広角散乱光検出器群9が90°〜180°までの散乱光(側方散乱光および後方散乱光)をそれぞれ検出する。11はフォトダイオード10を、その受光面に前記散乱光が直角に入射するように保持する電気回路基板で、プリアンプ(図示していない)を備えている。
【0014】
そして、図1において、12は前方検出器5および電気回路基板11からの出力を順次取り込み、AD変換器13に順次送出するマルチプレクサ、14はAD変換器13の出力が入力される演算処理装置としてのコンピュータである。このコンピュータ14は、ディジタル信号に変換された前方検出器5および複数のフォトダイオード10の出力を、フラウンホーファ回折理論やミー散乱理論に基づいて処理し、粒子群における粒子径分布を求めるプログラムが格納されている。15は演算結果などを表示するカラーディスプレイなどの表示装置である。
【0015】
上述のように構成された粒子径分布測定装置においては、試料セル6に試料液7を収容した状態で、レーザ光源1からレーザ光2を発すると、このレーザ光2は、集光レンズ3において収斂され、集光レーザ光4となって試料セル6内の試料液7を照射する。そして、この集光レーザ光4は、試料セル6中の粒子によって回折または散乱する。その回折光または散乱光のうち、0°〜30°といった散乱角の比較的小さい前方散乱光は、前方検出器5の散乱光検出部において検出される。なお、前記粒子による散乱を受けない集光レーザ光4は、透過光となり、前方検出器5の透過光検出部において検出される。この前方検出器5が検出した光強度はアナログ電気信号に変換され、さらに、プリアンプ(図示していない)を経てマルチプレクサ12に入力される。
【0016】
一方、前記粒子によって回折または散乱した集光レーザ光4のうち、散乱角が30°を超える散乱光は、広角散乱光検出器群8,9によって検出される。より具体的には、前記散乱光のうち、散乱角が30°〜90°までの前方散乱光および90°近傍の側方散乱光の一部は、一方の広角散乱光検出器群8を構成する複数のフォトダイオード10によって散乱角度ごとに検出され、散乱角が90°〜180°までの後方散乱光および90°近傍の側方散乱光の一部は、他方の広角散乱光検出器群9を構成する複数のフォトダイオード10によって散乱角度ごとに検出される。前記フォトダイオード10が検出した光強度はアナログ電気信号に変換され、さらに、電気回路基板11に設けられたプリアンプ(図示していない)を経てマルチプレクサ12に入力される。
【0017】
前記マルチプレクサ12においては、前方検出器5および各フォトダイオード10からの測定データ、つまりアナログ電気信号が所定の順序で順次取り込まれる。そして、マルチプレクサ12によって取り込まれたアナログ電気信号は直列信号にされて、AD変換器13で順次ディジタル信号に変換され、さらに、コンピュータ14に入力される。
【0018】
前記コンピュータ14においては、前方検出器5および各フォトダイオード10によってそれぞれ得られた各散乱角ごとの光強度データを、フラウンホーファ回折理論やミー散乱理論に基づいて処理し、その処理結果は、表示装置15の表示画面上に適宜の形態で表示される。
【0019】
上記構成の粒子径分布測定装置においては、試料セル6を光軸4a(または4b)に対して45°に傾けているので、90°近傍の散乱/回折光を、全反射などで妨げられることなく、また、それらの試料セル6内での減衰を可及的に防止することにより、確実に検出することができる。さらに、試料セル6の入射面及び出射面に対向する両側に、複数の検出器10を列状に設けた広角散乱光検出器群8,9を配置しているので、前方検出器5によって検出されないより大きな角度で散乱/回折する前方散乱光は勿論のこと、90°近傍の側方散乱光や後方散乱光をもれなく確実に検出することができる。また、90°近傍の散乱/回折光を、前記広角散乱光検出器群8,9で検出することができ、信号量を増加させることができる。したがって、90°近傍の散乱/回折光に対して十分な信号量が得られるとともに、散乱角が0°〜180°近傍までの広い範囲の散乱光をもれなく連続的に検出することができ、測定精度およびデータ再現性を向上させることができる。
【0020】
そして、上記構成よれば、集光レンズ3として長い焦点距離を確保することができるといった逆フーリエ光学系の利点を100%享受することができるので、散乱角が例えば0°〜5°というような微小な散乱光を検出するのに、微細加工を施した高価な前方検出器5を必要とせず、市販の安価なダイオードアレイを用いることができる。また、長い焦点距離を確保することができるので、焦点のビーム径を大きくしても、散乱角が小さい散乱光を検出することができるので、集光レンズ3として焦点ビーム径の大きなもの、つまり、安価なものを用いることができ、それだけ装置を安価に構成することができる。
【0021】
この発明は、種々に変形して実施することができる。以下、説明する。上記第1の実施の形態においては、試料セル6の光軸4a(または4b)に対する傾き角度θが45°であり、試料セル6を光軸4a(または4b)に対して容易に傾けた状態で配置することができるが、この角度θはこれに限られるものではなく、例えば25°〜65°までの任意の角度に設定することができる。これは、前記角度θがあまりに小さいと、試料セル6における全反射やその内部における光の多重反射等を確実に防止できないといった不都合があり、また、角度θがあまり大きいと、試料セル6内における光路長が大きくなり、前方検出器5に対する信号が弱くなったり、試料セル6内における光の多重反射による弊害を防止できないといった不都合があるからである。なお、前記傾き角度θは、この発明の主旨を逸脱しない範囲で任意の大きさで設定することができ、したがって、前記角度範囲に限定されるものではない。
【0022】
さらに、上記実施の形態においては、試料セル6を後方に傾けていたが、これに代えて、前方に傾けてもよい。
【0023】
そして、上述の実施の形態においては、光学系が所謂逆フーリエ光学系に構成されていたが、例えば図3に示すように、集光レンズ3を試料セル6と前方検出器5との間に設けるとともに、前方検出器5を集光レンズ3の焦点位置に設け、光学系を所謂フーリエ光学系に構成してあってもよい。
【0024】
そして、試料セル6の両側に設けられる広角散乱光検出器群8,9は、必ずしも、図2に示した配置に限定されるものではなく、図4に示すように、試料セル6の幅方向(長手方向)に平行になるように配置してもよい。なお、この図4における光学系は、逆フーリエ系であるが、フーリエ光学系であってもよいことは勿論である。
【0025】
そして、上記いずれの実施の形態においても、広角散乱光検出器群8,9における複数のフォトダイオード10が、平板な基板上に配置されており、直線上に配置されているが、これに限られるものではなく、例えば図5に示すように、フォトダイオード10を湾曲した基板11A上に設けるなどして、広角散乱光検出器群8,9のそれぞれにおけるフォトダイオード10を曲線状に配置してもよい。なお、この図5における光学系は、逆フーリエ系であるが、フーリエ光学系であってもよいことは勿論である。
【0026】
また、試料セル6の両側に設けられる広角散乱光検出器群8,9が受光する散乱光の分担は、上述した数値範囲に限られるものではなく、広角散乱光検出器群8,9の設置位置を試料セル6の前方または後方に適宜ずらしたり、広角散乱光検出器群8,9の光軸4a(または4b)方向における設置範囲を広げたり狭めたりすることにより、適宜設定することができる。
【0027】
ところで、粒子径分布測定装置における光学系としては、大きく分けて、逆フーリエ光学系(図1、図2、図4および図5参照)と、フーリエ光学系(図3参照)があり、省スペースという観点からは、前者が勝っている。しかしながら、逆フーリエ光学系において、図10に示すように、光軸91に対して試料セル92を傾けて配置した場合、試料セル92において入射する光線93の角度が異なるため、試料セル92を通過する長さが光線ごとに異なり、非点収差によって前方検出器94の受光面94aにおいて焦点ボケが生じ、これに起因して測定データに悪影響が及ぼされるといった不都合が生ずることがある。なお、95は光源、96は集光レンズである。また、このような不都合は、フーリエ光学系においては生ずることはない。
【0028】
そこで、この発明の第2の実施形態として、逆フーリエ光学系を採用した粒子径分布測定装置において、集光レンズと前方検出器との間の光軸上のいずれかの位置に、散乱光を前記前方検出器の受光面上に収斂させるためのガラスなどの平板状の光透過部材より成る光学的コンペンセータを、試料セルの傾き方向と逆方向に傾いた状態で設けるようにしている。以下、この発明の第2の実施形態について、図6〜図8を参照しながら説明する。
【0029】
まず、図6は、この発明の第2の実施の形態の一つを示すもので、逆フーリエ光学系を採用した粒子径分布測定装置の要部の構成を概略的に示している。この図6において、20は例えば平面視矩形の試料室で、その周囲は例えば外部の光を遮断する機能を有する材料よりなる側壁20a〜20dで囲われている。そして、一対の側壁20a,20cの45°対角線上には光透過性素材よりなる光学的コンペンセータとしての光学窓21,22が形成されている。
【0030】
そして、一方の光学窓21の外部の斜め下方には、光源1と集光レンズ3が一方の光学窓21を介して他方の光学窓22を臨むように、つまり、光源1、集光レンズ3、一方の光学窓21および他方の光学窓22がこの順で一つの直線23上に並ぶように配置されている。また、他方の光学窓22の斜め上方には、前方検出器5が他方の光学窓22を介して一方の光学窓21を臨むように、つまり、前方検出器5、他方の光学窓22および一方の光学窓21がこの順で前記一つの直線23上に並ぶように配置されている。つまり、光源1、集光レンズ3、一方の光学窓21、他方の光学窓22および前方検出器5が45°傾いた一つの直線23上に並ぶように配置されている。
【0031】
また、前記試料室20の内部ほぼ中央には、前記一つの直線23上に位置し、かつ、光源1を発し、集光レンズ3を経た集光レーザ光4が45°で入射するように、直方体形状の試料セル6が設けられている。より具体的には、試料セル6の照射光透過方向の辺6aが一対の側壁20a,20cと平行になり、幅方向の辺6bが他の一対の側壁20b,20dと平行になるように設けられている。つまり、試料セル6は、その中心線CLが直線23と45°傾くようにした状態で設けられている。そして、前記試料セル6の両側の側壁20b,20dには、広角散乱光検出器群8,9がそれぞれ設けられている。
【0032】
そして、この実施の形態においては、前記光学窓21,22を、光軸(図中の符号23で示す線)に対して後方(光源1側)に45°傾けて設けられた試料セル6と逆方向に傾けて、つまり、前記光軸23に対して前方(前方検出器5側)に45°傾けて配置することにより、これらの光学窓21,22が、試料セル6において生じ前方検出器5に入射する散乱光を、前方検出器5の受光面5a上に収斂させるための光学的コンペンセータとして機能する。この場合、光学窓21,22における光の透過方向の厚みを適宜設定して、それらのトータルの厚みが前方検出器5の受光面5a上にレーザ光を収斂させるのに最適になるようにするのである。このように構成された粒子径分布測定装置においては、試料セル6に照射光が斜め方向に入射することによって生ずる非点収差が解消され、測定データへの悪影響を除去することができる。
【0033】
つまり、この発明の第2の実施形態の一つである粒子径分布測定装置においては、試料セル6に照射光が斜め方向に入射することによって生ずる光線のずれを、試料セル6の傾き方向と逆に所定角度だけ傾けた状態で設けた光学的コンペンセータ21,22によって補正している。
【0034】
そして、上記図6に示した構成によれば、集光レンズ3として長い焦点距離を確保することができるといった逆フーリエ光学系の利点を100%享受することができるので、上記第0020段落において述べた効果を奏することは言うまでもない。
【0035】
また、上記図6においては、光学的コンペンセータ21,22が試料セル6や広角散乱光検出器群8,9を収容した試料室20における光学窓として兼用されるものであったが、これに限られるものではなく、種々に変形して実施することができ、レーザ光源1のレーザ光2の光度が強すぎる場合には、減光するためのND(ニュートラル・デンシティ)フィルタを光学的コンペンセータとして用いるようにしてもよい。また、レーザ光2が複数の波長を有するものであったり、レーザ光源に代えて、白色光源を用いるような場合には、波長選別のためのバンドパスフィルタを光学的コンペンセータとして用いるようにしてもよい。
【0036】
さらに、図7に示すように、楔型のプリズム21A,22Aを光学的コンペンセータとして用いてもよく、適宜のレンズを用いてもよい。なお、光学的コンペンセータとしてレンズを用いる場合、その設置角度は、セル6の中心線CLと90°をなすように設ける必要はない。これは、光学的コンペンセータが平板状である場合、収差を除去するために、試料セル6の中心線CLと90°をなすように設ける必要があるが、光学的コンペンセータが平板状でない場合には、前記設置角度に関係なく収差を除去することができる。なお、光学的コンペンセータが平板状の場合、より簡易な構成で収差を除去することができる。
【0037】
また、図8に示すように、試料セル6のみを密閉された収容室24内に収容してもよい。この場合、収容室24はレーザ光などの光を良好に透過させる素材で形成する必要がある。なお、試料セル6を試料室20や収容室24など密閉された空間内に設けることにより、より安定な測定を行うことができる。
【0038】
そして、上記図6〜図8の実施の形態においては、集光レンズ3と前方検出器5との間の光軸上に二つの光学的コンペンセータ21,22(21A,22A、21B,22B)を設けていたが、このようにする必要はなく、前記光軸上のいずれかの位置に、光学的コンペンセータを唯一つ設けてあってもよい。
【0039】
また、前記平板状の光学的コンペンセータを設けたこの発明の他の実施の形態においても、試料セル6の光軸23に対する傾き角度θが45°のみに限られるものではなく、前記角度θを、例えば25°〜65°までの任意の角度に設定している。この場合、試料セル6の傾き角度θと、光学的コンペンセータ21,22(21A,22A、21B,22B)の傾き角度θ’との間には、θ+θ’=90°となるように設定する。例えば、試料セル6を後方に30°傾けた場合、光学的コンペンセータ21,22(21A,22A、21B,22B)は、前方に60°傾ける必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の粒子径分布測定装置によれば、試料セルの入射面及び出射面に対向する側それぞれにおいて、散乱角が90°または90°前後の側方散乱光と後方散乱光及び前記側方散乱光と前方散乱光を確実に検出することができ、0°〜180°付近までの広い角度範囲の散乱光をもれなく確実に検出することができ、広い粒子範囲にわたる粒径分布を再現性よく測定することができる。
【0041】
そして、請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、逆フーリエ光学系を採用した粒子径分布測定装置において、試料セルに照射光が斜め方向に入射することによって生ずる非点収差が解消され、測定データへの悪影響を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 の発明の第1の実施の形態である粒子径分布測定装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】 前記粒子径分布測定装置の光学系の一例を示す図である。
【図3】 前記光学系の他の例を示す図である。
【図4】 前記光学系のさらに他の例を示す図である。
【図5】 前記光学系のさらに他の例を示す図である。
【図6】 この発明の第2の実施の形態である粒子径分布測定装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【図7】 前記粒子径分布測定装置の構成の他の例を概略的に示す図である。
【図8】 前記粒子径分布測定装置の構成のさらに他の例を概略的に示す図である。
【図9】 従来技術を説明するための図である。
【図10】 従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1…光源、3…集光レンズ、4a,4b…光軸、5…前方検出器、5a…受光面、6…試料セル、6a…入射面、6b…出射面、8,9…広角散乱光検出器群、10…検出器、21,21A,21B,22,22A,22B…光学的コンペンセータ、23…光軸。

Claims (4)

  1. 光源と、この光源からの光が照射される試料セルと、前記光の光軸上に配置される集光レンズと、前記試料セルにおいて生ずる透過光および所定の散乱光を検出する前方検出器とを備えた粒子径分布測定装置において、前記試料セルを、前記光源を発した光の光軸に対して傾けた状態で設けるとともに、前記試料セルの前記光の入射面及び出射面に対向する側それぞれに、散乱角が90°または90°前後の側方散乱光と後方散乱光及び前記側方散乱光と前方散乱光を各散乱角ごとに個別に検出する複数の検出器を列状に設けた広角散乱光検出器群を配置したことを特徴とする粒子径分布測定装置。
  2. 前記集光レンズ光源と試料セルとの間に設けられているとともに、前方検出器の透過光検出部を前記集光レンズの焦点位置に設けてなる請求項1に記載の粒子径分布測定装置。
  3. 前記集光レンズと前方検出器との間の光軸上のいずれかの位置に、透過光または散乱光を前記前方検出器の受光面上に収斂させるための光学的コンペンセータを設けてなる請求項2に記載の粒子径分布測定装置。
  4. 前記集光レンズ試料セルと前方検出器との間に設けられているとともに、この前方検出器を前記集光レンズの焦点位置に設けてなる請求項1に記載の粒子径分布測定装置。
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