JP2006214886A - 光学素子の欠陥検出方法および欠陥検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を、高精度に検出することができる光学素子の欠陥検出方法および欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】 互いに異なる2つの観察角度θ1,θ2で輝点10の光強度を検出し、検出した各観察角度θ1,θ2における光強度を比較し、欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することによって、当該欠陥が本欠陥であるか疑似欠陥であるかを峻別する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透光性を有する複数の層が積層されて構成される光学素子の欠陥を検出する光学素子の欠陥検出方法および欠陥検出装置に関する。
被検査物の欠陥をレーザ光を用いて検出する技術が種々実用に供されている。第1の従来技術の欠陥検出方法は、レーザ光を半導体ウェハの側面からウェハ表面に導光させ、被検査物の上方から反射光を検出する。被検査物からの反射光を検出する際に、異物によって反射された反射光と、正常な保護膜等によって反射された反射光とを区別するために偏光板を用いることで、異物によって反射された反射光のみを検出する。このように異物による反射光の偏光成分の特性を利用することによって、異物であるか否かを判断している(たとえば特許文献1参照)。
第2の従来技術の欠陥検出方法は、透明基板にレーザ光を導入し、透明基板内でレーザ光を全反射させ、透明基板内の不均一点で全反射条件が満たされないときに漏れ出す光を欠陥点として光検出器で検出する。このような技術では、光検出器と透明基板との間に偏光板を配置して、偏光板によって光学素子から漏出す光以外の光を除去し、欠陥を検出している(たとえば特許文献2参照)。
積層型光学素子を導光方式によって欠陥検出する場合には、当該欠陥は積層型光学素子表面上で輝点として観測される。積層型光学素子とは、異なる光学的性質をもつ厚さが数μmから数十μmの光学フィルムが積層されて構成されるものであって、積層されるフィルム、および積層数によって積層型光学素子全体の光学的性質を制御する。積層型光学素子の表面上に現れる輝点は、検査光が導波している層中の何らかの散乱要因に起因するが、この場合2種類の輝点が存在する。1つは積層型光学素子にとって欠陥と考えられるものによって発生する散乱輝点(以下、「欠陥輝点」ということがある)であり、もう1つは積層型光学素子にとってその機能を妨げる欠陥とはならない散乱輝点(以下、「疑似輝点」ということがある)である。
これら散乱輝点が生じる要因は、積層型光学素子の構成が複雑になればなるほど多くなる。特に擬似輝点に関しては、被検査物の機能を妨げないような微小な欠陥に起因するものも含まれている。このような微小な欠陥であっても、その散乱光の輝度、つまり擬似輝点の輝度と欠陥輝点の輝度とは大差がない。換言すると、欠陥の大きさと散乱光の輝度とは比例しない。したがって単に散乱光の輝度を検出しても、欠陥輝点と擬似輝点とを区別することができないという問題がある。
前述の第1および第2の従来技術では、被検査体内部に光を導波させ欠陥を検出する手段を備えている技術が開示されており、また観測される散乱輝点を偏光素子を通して観察することによって散乱輝点からの散乱光以外の光を除去する技術を開示している。このような従来技術では、散乱輝点が欠陥輝点であるのか擬似輝点であるのかを判別することができないという問題がある。したがって第1および第2の従来技術では、本来は欠陥と判断されるべきでない疑似欠陥を含む積層型光学素子も、欠陥を有すると誤認識される可能性があり、欠陥の検出精度が悪いという問題がある。
したがって本発明の目的は、透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を、高精度に検出することができる光学素子の欠陥検出方法および欠陥検出装置を提供することである。
本発明は、透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する方法であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する検出工程と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較工程と、
前記比較工程の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法である。
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する検出工程と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較工程と、
前記比較工程の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法である。
本発明に従えば、互いに異なる複数の観察角度で光強度を検出し、検出した各観察角度における光強度を比較し、比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する。透光性を有する複数の層が積層される光学素子では、検出用の光の散乱する欠陥として、光学素子の機能を妨げないが検出用の光を散乱させる疑似欠陥と、異物または気泡など光学素子の機能を妨げ検出用の光を散乱させる本欠陥とがあり、これらの欠陥の散乱光は観察角度によって光強度が異なるという性質を有する。したがって本発明のように、互いに異なる複数の観察角度で光強度を検出し、検出した各観察角度における光強度を比較することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。
また本発明は、前記検出工程において、少なくとも1つの光検出手段を用いることを特徴とする。
本発明に従えば、前記検出工程において、少なくとも1つの光検出手段を用いて、複数の観察角度で検出するので、欠陥の正当性を判断することができる。
さらに本発明は、前記検出工程における複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記検出工程における複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むので、検出する光強度の差異を大きくすることができる。
さらに本発明は、前記検出工程において、複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させる段階を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記検出工程において、複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させる段階を含むので、観察角度の数よりも、検出位置の数を少なくすることができる。
さらに本発明は、透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する方法であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する検出工程と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法である。
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する検出工程と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法である。
本発明に従えば、予め定める観察角度で光強度を検出し、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する。前述したように疑似欠陥と本欠陥との散乱光は観察角度によって光強度が異なるという性質を有するので、本発明のように、予め定める観察角度で光強度を検出することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。
さらに本発明は、前記入射工程では、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させることを特徴とする。
本発明に従えば、前記入射工程では、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させる。検出用の光は、光学素子内を導光するにつれて減衰するが、検出用の光の光強度が制御されるので、予め定める位置で、検出用の光の光強度を略同一にすることができる。
さらに本発明は、前記検出工程において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることを特徴とする。
本発明に従えば、前記検出工程において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることによって、前記相関関係による正当性をより確実に判断することができる。
さらに本発明は、前記入射工程では、検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることを特徴とする。
本発明に従えば、前記入射工程では、検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることによって、検出用の光が光学素子の散乱要因によって散乱しても、散乱する方向が積層方向に略平行にすることができる。これによって検出用の光が不所望に拡散して、減衰することを防ぐことができる。
さらに本発明は、透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する装置であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する光検出手段と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置である。
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する光検出手段と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置である。
本発明に従えば、光検出手段によって互いに異なる複数の観察角度で光強度を検出し、比較手段によって検出した各観察角度における光強度を比較し、判断手段によって予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する。前述したように透光性を有する複数の層が積層される光学素子では、検出用の光の散乱する欠陥として、疑似欠陥と本欠陥とがあり、これらの欠陥の散乱光は観察角度によって光強度が異なるという性質を有する。したがって本発明のように、互いに異なる複数の観察角度で光強度を検出し、検出した各観察角度における光強度を比較することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。
さらに本発明は、少なくとも1つの光検出手段を用いることを特徴とする。
本発明に従えば、少なくとも1つの光検出手段を用いることによって、欠陥の正当性を判断することができる。
本発明に従えば、少なくとも1つの光検出手段を用いることによって、欠陥の正当性を判断することができる。
さらに本発明は、前記光検出手段における複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記光検出手段による複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むので、検出する光強度の差異を大きくすることができる。
さらに本発明は、導光手段をさらに含み、
複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させることを特徴とする。
複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させることを特徴とする。
本発明に従えば、複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させるので、観察角度の数よりも、検出位置の数を少なくすることができる。
さらに本発明は、透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する装置であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する光検出手段と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置である。
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する光検出手段と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置である。
本発明に従えば、光検出手段によって予め定める観察角度で光強度を検出し、判断手段によって予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する。前述したように疑似欠陥と本欠陥との散乱光は観察角度によって光強度が異なるという性質を有するので、本発明のように、予め定める観察角度で光強度を検出することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。
さらに本発明は、前記入射手段は、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させることを特徴とする。
本発明に従えば、入射手段によって、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させる。検出用の光は、光学素子内を導光するにつれて減衰するが、検出用の光の光強度が制御されるので、予め定める位置で、検出用の光の光強度を略同一にすることができる。
さらに本発明は、前記光検出手段は、観察角度が前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることを特徴とする。
本発明に従えば、光検出手段において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることによって、前記相関関係による正当性をより確実に判断することができる。
さらに本発明は、前記入射手段は、検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることを特徴とする。
本発明に従えば、入射手段によって検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることによって、検出用の光が光学素子の散乱要因によって散乱しても、散乱する方向が積層方向に略平行にすることができる。これによって検出用の光が不所望に拡散して、減衰することを防ぐことができる。
本発明によれば、互いに異なる複数の観察角度で光強度を検出するうえ、欠陥の観察角度と光強度との相関関係が予め規定されるので、この相関関係に基づいて、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって検出される欠陥が、本欠陥であるか疑似欠陥であるかを峻別することができる。これによって本欠陥が検出された光学素子だけを除くことができるので、生産性を向上することができる。
また本発明によれば、前記検出工程において、少なくとも1つの光検出手段を用いて、複数の観察角度で検出するので、欠陥の正当性を判断することができる。
さらに本発明によれば、検出する光強度の差異を大きくすることができる。したがって欠陥の正当性の判断の精度を向上することができる。
さらに本発明によれば、観察角度の数よりも、検出位置の数を少なくすることができる。これによって本発明を簡便に実現することができる。
さらに本発明によれば、欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。
さらに本発明によれば、予め定める位置で、検出用の光の光強度を略同一にすることができる。これによって欠陥によって光学素子から出射する光の光強度を、検出用の光の光強度によって不所望に減衰することを防ぐことができ、前記相関関係によって、欠陥の正当性を確実に判断することができる。
さらに本発明によれば、前記検出工程において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることによって、前記相関関係による正当性をより確実に判断することができる。
さらに本発明によれば、検出用の光が不所望に拡散して、減衰することを防ぐことができる。したがって検出用の光を効率的に光学素子内を導光させることができる。
さらに本発明によれば、欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。これによって本欠陥が検出された光学素子だけを除くことができるので、生産性を向上することができる。
さらに本発明によれば、少なくとも1つの光検出手段を用いることによって、欠陥の正当性を判断することができる。
さらに本発明によれば、検出する光強度の差異を大きくすることができる。したがって欠陥の正当性の判断の精度を向上することができる。
さらに本発明によれば、観察角度の数よりも、検出位置の数を少なくすることができる。これによって本発明を簡便な装置によって実現することができる。
さらに本発明によれば、欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。
さらに本発明によれば、予め定める位置で、検出用の光の光強度を略同一にすることができるので、欠陥によって光学素子から出射する光の光強度を、検出用の光の光強度によって不所望に減衰することを防ぐことができ、前記相関関係によって、欠陥の正当性を確実に判断することができる。
さらに本発明によれば、光検出手段において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることによって、前記相関関係による正当性をより確実に判断することができる。
さらに本発明によれば、検出用の光が不所望に拡散して、減衰することを防ぐことができる。したがって検出用の光を効率的に光学素子内を導光させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図1は、本発明の実施の第1の形態の光学素子の欠陥検出装置1を示す斜視図である。光学素子の欠陥検出装置(以下、単に「欠陥検出装置」ということがある)1は、入射部2、光検出器3、比較部4および判断部5を含んで構成される。欠陥検出装置1は、透光性を有する複数、本実施の形態では8つの層が積層されて構成される積層型光学素子(以下、「光学素子」ということがある)6の欠陥を検出し、欠陥の正当性を判断する装置である。図1では、理解を容易にするため、積層数を減らした光学素子6を示す。
光学素子6は、異なる光学的性質を有する厚さが数μmから数十μmの光学フィルムが積層されて構成され、積層されるフィルム、および積層数によって光学素子6全体の光学的性質を制御することができる。
入射部2は、光学素子6の一端面部6aから、検出用の光7を入射させる。光学素子6の端面は、積層方向に交差する方向の外周面である。入射部2は、波長650nmのレーザ光を出射するレーザ光源8、およびレーザ光を集光する集光レンズ9を含んで構成される。レーザ光源8は、たとえば半導体レーザ装置によって実現される。集光レンズ9は、レーザ光源8からのレーザ光を光学素子6の一端面部6aに集光し、レーザ光源8からの検出用の光7を入射させる。集光レンズ9によって検出用の光7を点状に集光しても、線状に集光してもどちらでもよい。
集光レンズ9によって約20μmのスポット径に集光されたレーザ光を、たとえば厚さが約200μmで8層の積層構造をもつ光学素子6に導入する場合、レーザ光を光学素子6の中で選択された少なくとも1つの層で導光させることが可能である。
光学素子6中を導光させる層の光の減衰係数をα、輝点10から光の入射端面までの距離をx、光学素子6への入射直前のレーザパワーをP、輝点10位置における導波光強度をIとおくと次式(1)が成り立つ。
I=P・exp[−α・x] …(1)
I=P・exp[−α・x] …(1)
入射直前のレーザパワーPが約1mWのレーザ光を用いると、減衰係数αが0.2(cm−1)、検出に必要な導波光強度Iが2.5μWとした場合、光学素子6の入射端面から30cmまでの領域を検査することが可能である。本実施の形態では、レーザパワーPは、約1mWに設定される。
また、レーザ光の集光スポット形状は偏光方向の垂直な方向に広がるので、積層方向により集光し易くするために、偏光方向を光学素子6に対して法線方向に平行となる偏光面をもつ直線偏光として入射させることで、1つの層に集光する場合はより効果的である。
入射部2は、光学素子6を構成する少なくとも1つの層にレーザ光を導入させ、層の中を導光させている。導波光は光学素子6を導波することにより徐々に減衰するが、層の中に異物、気泡、または屈折率等の不均一点などがあると、導波光は散乱され散乱光として光学素子6の表裏面に射出され、光学素子6表面上にて輝点10として現れる。この輝点10は検出用の光7が導波している層の中の散乱原因に起因するものであるので、導波していない層および光学素子6の表裏面のほこりや傷等による影響はない。
光検出器3は、光検出手段であって、光学素子6の積層方向の一表面部6bから出射される光の光強度を、互いに異なる複数、本実施の形態では2つの観察角度θ1,θ2で検出する。本実施の形態では、2つの光検出器3a,3bを用いて、散乱によって光学素子6表面に現れる輝点10を、2つの観察角度θ1,θ2で観察する。一方の光検出器3aである第1光検出器3aは、光学素子6表面と素子中の導波光線の両方に対して観察角度θ1を75度の方向に配置し、他方の光検出器3bである第2光検出器3bは、光学素子6と素子中の導波光線の両方に対して観察角度θ2を15度の方向に配置して、輝点10の光強度を検出する。各光検出器3a,3bは、検出した各観察角度θ1,θ2における光強度に基づく情報を、比較部4に与える。各光検出器3a,3bは、たとえば受光素子および電荷結合素子(Charge Coupled Device:略称CCD)によって実現される。
比較部4は、検出した各観察角度θ1,θ2における光強度を比較する。本実施の形態においては、比較部4は、前述の2つの光検出器3a,3bによって1つの輝点10の像を検出し、その2つの像の明るさを比較する。比較部4は、その比較結果に基づく情報を判断部5に与える。比較部4は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。
判断部5は、比較部4の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する。判断部5は、第1光検出器3aの像が第2光検出器3bの像に比べて明るければ、その散乱輝点10は擬似輝点であると判断する。また逆に第2光検出器3bの像が第1光検出器3aの像に比べて明るければ欠陥輝点と判断する。判断部5は、判断した結果を示す情報を報知手段、たとえば表示手段または音発生手段に与えて、欠陥の正当性に基づく情報を報知させる。判断部5は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。
図2は、観察角度と輝点強度との関係の一例を示すグラフである。グラフの横軸は観察角度を表し、グラフの縦軸は輝点強度を表す。判断部5は、観察角度と光強度との相関関係、本実施の形態では図2に示すグラフに基づいて、欠陥の正当性を判断する。図2に示すグラフは、本件出願人の実験によって見出された欠陥輝点および擬似輝点の散乱特性である。このグラフは、欠陥輝点および擬似輝点の観察角度を導波光線の光学素子6表面に対する角度θとした場合、輝点10の明るさと観察角度θとの関係を示したものである。
光学素子6を検出用の光7を用いた導光方式で欠陥の検出を行う場合、欠陥は光学素子6表面上で輝点10として観測される。光学素子6の表面上に現れる輝点10は、検査光が導波している層中の何らかの散乱要因に起因するが、この場合2種類の輝点10、欠陥輝点と擬似輝点とが存在する。欠陥輝点は、光学素子6にとって欠陥と考えられる本欠陥によって発生する散乱輝点10である。擬似輝点は、光学素子6にとってその機能を妨げない欠陥と考えられる疑似欠陥によって発生する散乱輝点10である。
図2において、「○」および「×」でプロットした点が、欠陥輝点の輝点10の明るさ観察角度θとの関係を示し、「△」および「□」でプロットした点が、擬似輝点の輝点10の明るさと観察角度θとの関係を示す。欠陥輝点(○、×)の傾向は、観察角度θが小さくなるに伴って輝点10は明るくなる。換言すれば、欠陥輝点は、観察角度θに対し右肩下がりの輝点強度特性を有する。図2に示すように、10度の方向から検出した輝点10からの散乱光の明るさ1.0に対し、約30度法線方向に近くなることで、その明るさは約0.5となり半分以下になる。さらに法線方向に近づくことでその明るさは約0.2まで低下する。
擬似輝点(△、□)の傾向は、観察角度θが大きくなるに伴って輝点10は明るくなる。換言すれば、擬似輝点は、観察角度θに対し右肩上がりの輝点強度特性を有する。図2に示すように、80度から検出した輝点10からの散乱光の明るさ1.0に対し、約20度素子平面側に傾けたて観察角度θを約60度とした場合、輝点10の明るさは約0.3まで低下する。このように欠陥輝点および擬似輝点ともに、光学素子6の一表面に近い角度から見た場合、たとえば15度の方向と、一表面からの法線に近い角度から見た場合、たとえば75度の方向とでは、最も明るく輝点10が観察されるときの明るさに対して3分の1以下にまで明るさが変化する。
以上説明したように、観察角度θ1をたとえば75度に設定したときに、欠陥輝点と擬似輝点との輝点強度の差異、および光強度の大小関係を容易に見出すことが可能となる。観察角度θ2をたとえば15度に設定したときに、欠陥輝点と擬似輝点との輝点強度の差異、および光強度の大小関係を容易に見出すことが可能となる。このように本件出願人は、輝点10を、散乱要因に起因して欠陥輝点と擬似輝点とに分けたうえで、鋭意努力によって前述したような相関関係を見出した。つまり欠陥輝点は、観察角度θに対し右肩下がりの輝点強度特性を有し、擬似輝点は、観察角度θに対し右肩上がりの輝点強度特性を有する。前記判断部5は、このような相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断している。
図3は、光学素子6の欠陥検出方法を示すフローチャートである。ステップa0にて、光学素子6が予め定める位置に配置され、ステップa1に進む。ステップa1は、光学素子6の一端面部6aから、検出用の光7を入射させる入射工程である。入射部2によって、検出用の光7を、光学素子6を構成する層の内、予め定める1つの層に入射させ、ステップa2に移る。
ステップa2は、光学素子6の積層方向の一表面部6bから出射される光の光強度を、互いに異なる2つの観察角度θ1,θ2で検出する検出工程である。第1光検出器3aによって、観察角度75度で散乱光を検出し、第2光検出器3bによって、観察角度15度で散乱光を検出し、ステップa3に移る。
ステップa3は、検出した各観察角度θ1,θ2における光強度を比較する比較工程である。比較部4によって、光学素子6の同位置における各光検出器3a,3bが検出した散乱光の光強度の大小関係を比較し、ステップa4に移る。
ステップa4は、比較部4による比較結果、予め規定される欠陥の観察角度θと光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断工程である。判断部5は、観察される輝点10の明るさの差と、欠陥および擬似輝点の傾き特性とによって欠陥輝点と擬似輝点とを判別し、ステップa5に移る。具体的には、図2に示したグラフに基づいて、第2光検出器3bによる観察角度15度から観察した輝点10の方が、第1光検出器3aによる観察角度75度から観察した輝点10よりも明るければ、その輝点10は欠陥輝点と判断し、逆に観察角度75度から観察した輝点10の方が観察角度15度から観察した輝点10よりも明るければ、擬似輝点であると判断する。ステップa5にて、ステップa0からの一連の検出手順を終了する。このような検出手順によって、欠陥を検出し、その欠陥の正当性が判断される。
以上、説明したように本実施の形態の光学素子6の欠陥検出装置1によれば、互いに異なる2つの観察角度θ1,θ2で光強度を検出し、検出した各観察角度θ1,θ2における光強度を比較することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、図2に示すように予め既知であるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。
また本実施の形態では、光検出器3における2つの観察角度θ1,θ2は、前記一表面部6bに対し略法線方向となる75度と、一表面部6bに対して比較的小さい鋭角となる15度とであるので、図2のグラフに示すように1つの輝点10に対する角度依存性を大きくして、検出する光強度の差異を大きくすることができる。したがって欠陥の正当性の判断の精度を向上することができる。
また本実施の形態では、入射部2によって、検出用の光7の偏光状態を、光学素子6の積層方向に略平行となる直線偏光として入射させるので、検出用の光7が光学素子6の散乱要因によって散乱しても、散乱する方向が積層方向に略平行にすることができる。これによって検出用の光7が不所望に拡散して、減衰することを防ぐことができる。したがって検出用の光7を効率的に光学素子6内を導光させることができる。
また本実施の形態では、2つの光検出器3a,3bを固定的に用いて欠陥を検出しているがこれに限ることはなく、たとえば視野の狭い光検出器3、または光強度を積分して検出するような光検出器3を角度変位させて複数の観察角度から光強度を検出するように構成してもよい。この場合には、光検出器数を低減することが可能となり、欠陥検出装置の製作コストの低減を図ることが可能となる。
図4は、本発明の実施の第2の形態の光学素子6の欠陥検出装置20を示す斜視図である。図4では、理解を容易にするため、積層数を減らした光学素子6を示す。前述の実施の第1の形態では2つの光検出器3a,3bを用いて、それぞれを2つの観察角度θ1,θ2から輝点10の光強度を検出したが、本実施の形態の欠陥検出装置1では、1つの観察角度θから輝点10を検出することで欠陥検出装置20の簡略化する点に特徴を有する。
本実施の形態の欠陥検出装置20は、プリズムミラー21をさらに含んで構成される。プリズムミラー21は、導光手段であって、複数の観察角度で検出されるべき出射光を、プリズムミラー21を介して特定の検出位置に屈折させる。プリズムミラー21は、45度の傾斜角を有し、輝点10近傍に配置される。このように配置することによって、輝点10からの出射光を、反射して特定の検出位置である1つの光検出器3に導くことができる。
光検出器3は、導光線と光学素子6の一表面に対して75度の位置に配置される。このような配置とすることによって、光検出器3は光学素子6上の輝点10を75度の角度から検出する。また同時にプリズムミラー21に映る輝点10の像をプリズムミラー21の表面に対して30度の角度から検出することになり、それは光学素子6に対して15度の角度から観察していることと同じである。つまり前述の実施の第1形態の欠陥検出装置1において第1および第2光検出器3a,3bを用いて観測した像を、本実施の形態では1つの光検出器3で観測することが可能である。
光検出器3は、2つの散乱光を同時に観察可能な視野範囲を有するように構成される。光検出器3は、2つの散乱光を映像データとして取得し、光強度はCCDのカウント数によって比較することができる。
ここではプリズムミラー21に映った輝点10は、光学素子6の一表面に対して15度の角度から観測した輝点10と同じであるので、プリズムミラー21に映った輝点10が光学素子6の一表面上の輝点10よりも明るければ、その輝点10は欠陥輝点であると判別ができる。逆にプリズムミラー21に映った輝点10よりも光学素子6の一表面上の輝点10が明るければ、その輝点10は擬似輝点であると判別することができる。
以上説明したように、本実施の形態の欠陥検出装置1によれば、2つの観察角度で検出されるべき出射光を、プリズムミラー21を介して特定の検出位置に屈折させるので、観察角度の数よりも、検出位置の数を少なくすることができる。これによって光検出器3の数を減らすことができ、欠陥検出装置1の構成を簡略化することができる。
図5は、本発明の実施の第3の形態の光学素子の欠陥検出装置30を示す斜視図である。図5では、理解を容易にするため、積層数を減らした光学素子6を示す。本実施の形態の欠陥検出装置30は、前述の実施の第1および第2の形態から比較部4を除いて構成であって、入射部2の出射光量を制御するレーザパワー制御装置31を含んで構成される。
光検出器3は、光学素子6の積層方向の一表面部6bから出射される光の光強度を、予め定める1つの観察角度θで検出し、検出した光強度に基づく情報を判断部5に与える。判断部5は、予め規定される欠陥の観察角度θと光強度との相関関係、および光検出器3で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する。
レーザパワー制御装置31は、光学素子6の予め定める位置において、検出用の光7の光強度が略同一となるように、検出用の光7を入射させるために、入射部2を制御する。レーザパワー制御装置31は、輝点10位置における導波光の光強度を常に同じにすることを目的とする装置である。レーザパワー制御装置31は、常に導波光強度Iを一定にするため、前述の式(1)を用いると、距離x0での導波光強度I0=P0・exp[−α・x0]と、距離x1での導波光強度I1=P1・exp[−α・x1]が等しくなるように、入射光強度P0とP1とを制御する。
たとえばレーザ光の入射時のレーザパワーが1mWのレーザ光を、光学素子6中の導波している層の減衰係数がα=0.5(cm−1)の光学素子6に入射させる場合、光学素子6の端面から5cm導波した光の強度I0は0.082mWとなり、同様に端面から10cm導波した光の強度I1は0.067mWとなる。5cmの時に比べて10cm導波した場合では、導波した光の強度は0.82倍となる。つまり5cm導波した点において10cm導波した点と同じ光強度にするためには、入射のレーザパワーを0.82倍(0.82mW)にするようにレーザパワー制御装置31によって制御すればよい。
輝点10位置における導波光強度が一定の場合において、輝点10からの散乱光を斜めの方向から測定した場合、図2に示したように、擬似輝点と欠陥輝点との間に明確な輝度の差が測定可能であるので、擬似輝点と欠陥輝点とからの散乱光の輝度にしきい値を設定することができる。したがって輝点10の斜め方向に配置した光検出器3によって、輝点10の散乱光の輝度を測定し、その輝度が設定したしきい値を超えるか超えないかを判断して、輝点10の判別が可能である。
以上説明したように本実施の形態の欠陥検出装置30によれば、光検出器3によって予め定める観察角度θで光強度を検出し、判断部5によって予め規定される欠陥の観察角度θと光強度との相関関係、および検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する。前述したように疑似欠陥と本欠陥との散乱光は観察角度θによって光強度が異なるという性質を有するので、本実施の形態のように、予め定める観察角度で光強度を検出することによって、欠陥の散乱光の性質を判定することができる。欠陥の観察角度と光強度との相関関係は、たとえば図2に示すように予め規定されるので、この相関関係によって、欠陥の正当性、つまり疑似欠陥であるか、本欠陥であるかを判断することができる。したがって欠陥が本欠陥であるか、疑似欠陥であるかを、峻別することができる。
また本実施の形態では、入射部2によって、光学素子6の予め定める位置において、検出用の光7の光強度が略同一となるように、レーザパワー制御装置31によって検出用の光7を入射させる。検出用の光7は、光学素子6内を導光するにつれて減衰するが、検出用の光7の光強度が制御されるので、予め定める位置で、検出用の光7の光強度を略同一にすることができる。これによって欠陥によって光学素子6から出射する光の光強度を、検出用の光7の光強度によって不所望に減衰することを防ぐことができ、前記相関関係によって、欠陥の正当性を確実に判断することができる。
このように1つの観察角度から輝点10を観察することによって、装置および方法を簡略化して、光強度を比較することなく、散乱光の光強度を測定するだけで輝点10の判別をすることができる。
前述の実施の第3の形態では、1つの観察角度θから輝点10を観察するためにレーザパワー制御装置31によってレーザ光源8からの出射光量を制御しているが、このような構成に限ることはなく、たとえば光検出器3のゲインを制御することによって、同様の効果を達成するように構成してもよい。図6は、入射端面からの距離と光強度との関係の一例を示すグラフである。グラフの横軸は入射端面からの距離を表し、グラフの縦軸は光強度を表す。導波光の強度は、式(1)に基づいて図6に示すように、入射端面からの距離に従って指数関数的に減少する。
たとえば、輝点10の検出可能な導波光強度を2.5μWとした場合、レーザパワーPが1mW、減衰係数αが0.2(cm−1)であれば検出可能限界は端面から30cmまでとなる。換言すると、30cm以内の領域に関しては、導波光の強度は輝点10が発現するために充分な大きさを有しているので、ゲイン制御によって輝点強度を補正することができる。しかしながら30cmを超える領域に関しては、その位置において輝点10が発現するために必要な光強度が無いので光検出器3のゲイン制御によって検出した光強度を増幅させたとしても、輝点10を検出することができない。したがって光学部品が予め定める大きさ、たとえば30cm以内である場合、光検出器3のゲインを制御することによって、1つの光検出器3を用いて、欠陥の正当性を判断することができる。
図7は、本発明の実施の第4の形態の光学素子の欠陥検出装置40を示す斜視図である。図7では、理解を容易にするため、積層数を減らした光学素子6を示す。本実施の形態の欠陥検出装置40は、入射部41の構成に特徴を有する。
レーザ光源8は、光学素子6端面に対して平行に少なくとも2つ以上並べて配置され、同時に端面の全域にわたってレーザ光を出射するように入射部41が構成される。レーザの波長は、650nmに設定される。レーザ光源8は、約1cmの間隔をあけて配置され、それぞれから出射されるレーザ光が集光レンズ9によって集光される。
約1cmおきに並べたレーザ光源8によって、光学素子6には積層方向に交差する幅方向の広い範囲にわたってレーザ光23を導波させることができる。たとえばレーザ光源8を20個並べることで約20cm、40個並べることで約40cmの領域を導波光の幅とすることができる。
このように入射部41を構成することによって、光学素子6の全体にわたって欠陥検出することができ、1つの光学素子6に必要な検出時間を短縮することができる。これによって欠陥検出の作業効率を向上することができる。
また本実施の形態では、実施の第2の形態で示したように光学素子6上にプリズムミラー21を配置して輝点10を判別するように構成してもよい。また本実施の形態では、実施の第3の形態で示したように1つの光検出器3によって輝点10の判別するように構成してもよい。また光検出器3をレーザ光源8を入射させる端面に平行に並べ、少なくとも導波光の幅よりも広い幅を同時に検出することができるように構成してもよい。
また前述の実施の各形態では、波長650nmのレーザ光源8を用い、光学素子6への入射直前のパワーは1mWとしているが、レーザ光源8の構成はこれに限ることはなく、用いる検出用の光7のパワーもこれに限らなくともよい。
また前述の実施の各形態では、レーザ光源8が出射する検出用の光7を、1つのレンズで集光する構成を示すが、レンズの部分は1つのレンズで構成されていなくともよく、レーザ光を集光しやすくするカップリングレンズと集光レンズ9との2つのレンズの組合せで構成してもよい。たとえばカップリングレンズの焦点距離fを12mmとし、集光レンズ9の焦点距離fを12mmとした場合、レーザ光は約20μmのスポット径に集光される。また集光レンズ9としては、平凸レンズの他にたとえば、光学素子6面内に垂直な方向に集光するシリンドリカルレンズを用いることで、光学素子6境界面に平行な面内で広げて検査することも可能である。
前述の各実施の形態では、最大で2つの観察角度で光学素子6から出射される散乱光を検出しているが、これに限ることはなく、たとえば3つ以上の観察角度であってもよい。観察角度を増加させることによって、欠陥の正当性の判断の正確性を向上させることができる。また前述の各実施の形態では、図2に示すグラフに基づいて、欠陥の正当性を判断しているが、図2に示すグラフに限らず、光強度と観察角度との相関関係を示す情報、たとえばデータベースなどであってもよい。
1,20,30,40 光学素子の欠陥検出装置
2,41 入射部
3 光検出器
4 比較部
5 判断部
6 光学素子
7 検出用の光
8 レーザ光源
9 集光レンズ
10 輝点
21 プリズムミラー
31 レーザパワー制御装置
2,41 入射部
3 光検出器
4 比較部
5 判断部
6 光学素子
7 検出用の光
8 レーザ光源
9 集光レンズ
10 輝点
21 プリズムミラー
31 レーザパワー制御装置
Claims (16)
- 透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する方法であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する検出工程と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較工程と、
前記比較工程の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法。 - 前記検出工程において、少なくとも1つの光検出手段を用いることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 前記検出工程における複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 前記検出工程において、複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させる段階を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する方法であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射工程と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する検出工程と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断工程とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出方法。 - 前記入射工程では、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させることを特徴とする請求項5に記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 前記検出工程において、観察角度は前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 前記入射工程では、検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出方法。
- 透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する装置であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、互いに異なる複数の観察角度で検出する光検出手段と、
検出した各観察角度における光強度を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果、予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係に基づいて、欠陥の正当性を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置。 - 少なくとも1つの光検出手段を用いることを特徴とする請求項9に記載の光学素子の欠陥検出装置。
- 前記光検出手段における複数の観察角度は、前記一表面部に対し略法線方向となる第1角度と、前記一表面部に対し鋭角となる第2角度とを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の光学素子の欠陥検出装置。
- 導光手段をさらに含み、
複数の観察角度で検出されるべき出射光を、導光手段を介して特定の検出位置に屈折させることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出装置。 - 透光性を有する複数の層が積層される光学素子の欠陥を検出する装置であって、
光学素子の一端面部から、検出用の光を入射させる入射手段と、
光学素子の積層方向の一表面部から出射される光の光強度を、予め定める観察角度で検出する光検出手段と、
予め規定される欠陥の観察角度と光強度との相関関係、および前記検出工程で検出された光強度に基づいて、欠陥の有無を判断する判断手段とを含むことを特徴とする光学素子の欠陥検出装置。 - 前記入射手段は、光学素子の予め定める位置において、検出用の光の光強度が略同一となるように、検出用の光を入射させることを特徴とする請求項13に記載の光学素子の欠陥検出装置。
- 前記光検出手段は、観察角度が前記一表面部に対し30度以下の角度に規定されることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出装置。
- 前記入射手段は、検出用の光の偏光状態を、光学素子の積層方向に略平行となる直線偏光として、入射させることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の光学素子の欠陥検出装置。
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