JP3822773B2 - 血栓溶解酵素及び粘質物を多量に生産する納豆菌株及びその取得方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血栓溶解酵素及び粘質物を多量に生産する納豆菌株及びその取得方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸煮大豆に納豆菌を噴霧、醗酵させてできる納豆は、豊富で良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの成分を含み、納豆の製造に使用する各種の納豆菌が、特開平2−65777号公報、特開平6−261744号公報、特開平8−80189号公報、特開平8−275772号公報等で提案されている。そのうち、特開平6−261744号公報には、納豆菌の産生する血栓溶解酵素(ナットウキナーゼ)が血栓症予防に役立っているということが記載され、納豆の機能性も注目をされている。従来から、納豆菌の特性である血栓溶解酵素を多量に産生する納豆株を育種しようとする試みがなされており、例えば、ヤマダフーズ社製の「おはようキナーゼ納豆(商標)」やパンタス食品社製の「ナットウキナーゼ六倍健康志向」などである。このような安価で美味しい納豆は日本人にとって欠かせない健康食品の一つといえる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
納豆は、納豆菌が作り出す血栓溶解酵素によって血栓症予防に効果があるが、納豆によって血栓溶解酵素活性が異なるのは、納豆の酵素生産能力の違いに負うところが大きいと考えられる。このことから、従来の市販納豆菌を使用すると、同程度の血栓溶解酵素を含む納豆しか生産されないことになる。
【0004】
また、従来の納豆菌株の育種は、菌株の維持管理に厳しい温度管理が必要であったり、低温で長時間醗酵を必要とするなど製造上の問題点があるだけでなく、納豆製品の賞味期間中に血栓溶解酵素活性値が低下したり、独特の納豆臭を呈するなどの課題も残されている。
【0005】
また、納豆が有する特徴の一つに、高い粘性と強い糸引きがあげられる。納豆菌は、大豆たんぱく質を分解し、分解物を材料にポリ−γ−グルタミン酸を合成し、この粘質物により、納豆中の旨味成分が引き出され、また糸引きが充分な納豆らしい納豆を得ることができる。そのため、粘質物生産量の高い納豆菌株が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、従来の納豆とその製造方法の問題点を解消するため、納豆臭が少なく、かつ血栓溶解酵素活性が高く、賞味期間(10日間)中もこの活性をほぼ維持するとともに、粘質物生産量が高くて旨味のあるかつ糸引きが強い納豆を製造する納豆菌株及びその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の納豆菌株は、自然界に存在する稲藁で作製した納豆からバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)に属し、血栓溶解酵素を多量に生産するとともに、粘質物を多量に生産する納豆菌株KA−145株を特徴とする。
【0008】
また、本発明の納豆菌株の取得方法は、平板に生育した多数のコロニーの中から、血栓溶解酵素を多量に生産するコロニーを一目で判定できる平板を利用して前記納豆菌株を取得することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による納豆菌株KA−145株は、FERMP−17659(11生寄文第1602号)として工業技術院生命工学工業技術院研究所に寄託されている。
【0010】
また、本発明による納豆菌株の取得方法は、バルビタールーアガロースーフィブリンゲル平板培地の開発により、一段階でフィブリンゲル溶解酵素生産力の高い菌をスクリーニングすることが可能となった。この平板に生育した菌は、酵素生産能力に応じてコロニー周辺のフィブリンゲルを溶解し、大きさの異なる透明域を形成する。試料を同平板に塗抹し、大きな透明域を形成したコロニーを選抜するだけで、酵素生産能の高いコロニーを見いだすことができる。
【0011】
本発明の納豆菌の取得方法は、(1)自然界より納豆菌の分離、(2)血栓溶解酵素高生産株のスクリーニング、(3)粘質物高生産株のスクリーニングの手順により酵素及び粘質物高生産株を選抜する。
【0012】
前記手順により選抜した酵素及び粘質物高生産株により納豆を製造し、フィブリン寒天平板法及びマイクロプレート法の二つの異なる方法で酵素活性を測定した。また、粘質物の流下量により簡易粘度を測定した。
【0013】
さらに、遺伝学的手法(RAPD法)により納豆菌株を分類同定した。
【0014】
また、パネラーにより納豆の官能検査を実施した。
【0015】
【実施例】
(1)自然界より納豆菌の分離
熊本県阿蘇郡より得た稲藁で作製した藁苞に蒸煮大豆を約100g包み、37℃で30時間醗酵後、4℃にて4日間熟成した。
【0016】
(2)血栓溶解酵素高生産株のスクリーニング
上記藁苞納豆15粒を滅菌生埋食塩水100mlに懸濁させ、懸濁液を適宜に希釈する。次に示すバルビタール−アガロース−フィブリンゲル(Barbital−Agarose−Fibrin gel)平板培地に滅菌コンラージ棒で塗抹する。平板を37℃で20時間インキュベートし、平板に生育したコロニー周辺部のフィブリンゲル溶解面積を測定した。
【0017】
バルビタール−アガロース−フィブリンゲル平板培地の組成は表1に示すとおりである。
【0018】
【表1】
調整方法は、高圧滅菌した表1のA液とB液とを同量混合し、これに加温溶解したアガロース溶液を1.2質量%とフィブリノーゲン溶液を0.3質量%(いずれも最終濃度)となるように添加する。あらかじめトロンビン溶液(12.5U/ml)0.53mlを入れた滅菌シャーレに上記混合液を13.2ml加え、アガロースがゲル化する前に時計方向、逆方向に動かして撹拌、静置して平板とした。
【0019】
上記方法により、平板に生育したコロニーの中からフィブリンゲルを溶解し、大きな透明域を形成しているコロニー58個を取得した。
【0020】
(3)粘質物高生産株のスクリーニング
糸引きの高い納豆を製造するために、選抜した株を次に示す粘質物生産培地に、適宜希釈液を滅菌コンラージ棒で塗抹する。平板を37℃で18時間インキュベートし、コロニーを形成させた。粘質物生産培地の組成は表2のとおりである。
【0021】
【表2】
上記平板に生育したコロニーの中から、コロニー内に粘質物を蓄積し不定形に隆起したコロニーを選抜した。コロニー内に蓄積した粘質物をパスツールピペットで吸い出し、その重量から粘質物生産量を簡易的に比較した。従来から使用している宮城野株より1.8倍以上粘質物を生産する新規分離株10株を、酵素及び粘質物高生産株として得た。
【0022】
次に本発明の納豆菌による納豆の製造方法について説明する。
【0023】
中国産大豆1kgを水で洗浄した後、約15℃の水道水に15時間浸漬し水切り後、1.2kg/cm2で70分間蒸煮した。これに、選抜した納豆菌の胞子懸濁液(1×105cells/ml)を蒸煮大豆に対して1質量%噴霧し、よく混合した後、納豆製造用容器(ポリスチレン製、50g用)に50gずつ計量した。小孔を有するポリエチレン製フィルムで被覆し蓋を閉め、40℃で18時間醗酵させ、その後4℃で24時間熟成させた。得られた試料納豆と、市販納豆M社(当社従来品)、P社、T社、A社の各市販納豆の血栓溶解酵素活性を測定し比較した。
【0024】
納豆の血栓溶解酵素活性は、フィブリン寒天平板法とマイクロプレート法の二種類の方法で測定した。なお、フィブリン寒天平板法は、太田らの方法にしたがった{太田、三浦、戸沢、「臨床血液」、13(5),793〜799(1972)参照}。納豆の血栓溶解酵素活性の測定方法を以下に示す。なお、二種類の方法に供する納豆からの粗酵素溶液の取得は、納豆3gに7倍容の生理食塩水を添加し、30℃で30分間回転振とうし、酵素を抽出した。抽出液をガーゼで濾過し、14,000rpmで5分間遠心分離し、上澄みを粗酵素溶液として活性測定に用いた。
【0025】
(1)フィブリン寒天平板法による測定
1)平板の作製
アガロース2gを0.1molバルビタール−HCl緩衝液(pH7.8)100mlに懸濁後、121℃で5分間加熱して溶解する。一方、フィブリノーゲン112mgを0.1molバルビタール−HCl緩衝液(pH7.8)42mlに溶解させた後、ガーゼで濾過した。
【0026】
50℃に保温しておいたアガロース溶液8mlとフィブリノーゲン溶液3mlを滅菌シャーレに加え、気泡が生じないように撹拌し、静置した。
【0027】
平板が固まったら、トロンビン溶液(5U/1.5ml)1.5mlを流し込み、表面を均一に浸らせた。次に、気泡が入り込まないように滅菌円形濾紙をのせ、4℃の冷蔵庫に入れて5時間以上水平に保持した平板を活性測定に使用した。
【0028】
2)酵素活性の測定
濾紙を取り除いた平板にピペットを用いて外径2mmの孔をあけ、試料溶液を2μl入れた後、ふたをして37℃で18時間インキュベートした。
【0029】
平板を取り出し、図1に示すフィブリンゲルが丸く透明に溶解している部分の直径を測定する。径の2乗値をフィブリンゲル溶解面積とし、酵素活性値とした。フィブリン平板は半透明であるため、溶解部分との境界線が分かり難いので、Coomassie brilliant blue色素溶液で平板を染色し、判定しやすくした(図1参照)。また、あらかじめフィブリンゲル溶解面積(Clear zone)とプラスミン(Plasmin(U/ml))から作成した検量線に基づいてプラスミン単位に換算して表示できるようにした(図2及び図3参照)。
【0030】
上記測定方法に従って測定した結果、当社従来品に対して血栓溶解酵素活性が2倍高い納豆菌株KA−145を得た。この納豆菌で製造した納豆は5℃で10日間保蔵していても、80%の残存活性を示し、当社従来品及び他社製品の50ないし60%に比べると、高い残存率であった。各納豆のフィブリンゲル溶解面積を表3に示す。
【0031】
【表3】
(2)マイクロプレート法による測定
1)フィブリンゲルマイクロプレートの作製
96穴マイクロプレートの各穴にトロンビン(12.5U/ml)10μlと0.4%フィブリノーゲン溶液200μlを加え、フィブリンゲルを作製する。80℃で30分間保持し、フィブリンゲル中に混在するプラスミンを失活させた後、一夜室温で放置したものを活性測定に使用した。
【0032】
2)酵素活性の測定
マイクロプレートリーダー(IWAKI WELLREADER SME3400)を吸光度630nm、37℃にセットした。5分間プレインキュベーションした後、フィブリンゲル上に試料溶液を100μl滴下して酵素反応を開始し、5分毎に60分までの吸光度を経時的に測定した。横軸に反応時間、縦軸に吸光度をとり、吸光度が直線的に減少している10分から60分の間の吸光度の変化を酵素活性値とした。図4は時間と630nmにおける吸光度をグラフ化したもので、図5は蛋白量(Protein)と50分間の吸光度減少量(ΔA630nm)を示すグラフである。
【0033】
この測定方法を用いても、本発明のKA−145株は、当社従来品に対してフィブリン平板法の測定と同様に2倍高い酵素活性を示した。また、5℃で10日間保蔵しても80%の残存活性を示した。結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
次に納豆中の粘度測定について説明する。
【0035】
納豆をよくかき混ぜ粘りを出した後、ビーカーに入れ、10倍希釈になるように脱イオン水を加え、納豆表面の粘質物が完全に取れるまで約10分間スターラーで撹拌した。これを濾し機で濾し、粘質物懸濁液とした。次に20mlピペットで脱イオン水を計り、15秒間で流下した液量を測った。同様の操作を4回繰り返し、平均値を求めた。粘質物懸濁液についても同様の操作を行った。(脱イオン水の流下量/粘質物懸濁液の流下量)×100で求めた値を簡易粘度値とし、値に応じて評価した。測定値の判定は表5のとおりである。
【0036】
【表5】
上記方法を用いて粘度を測定した結果、本発明の納豆菌株KA−145株を用いて製造した納豆の測定値は258.7、宮城野株で製造した納豆(当社従来品)の176.1に比べて高い粘性を示した。
【0037】
本発明のKA−145株の菌学的性質について説明する。
【0038】
本発明のKA−145株の生理・生化学的性状を表6に示す。
【0039】
【表6】
KA−145株は、グラム陽性、好気性、芽胞形成、運動性を有する桿菌であった。オキシダーゼ、カタラーゼ、β−ガラクトシダーゼ活性が陽性で、クエン酸を利用し、アセトインを産生し、ゼラチンを液化した。最小培地では生育にビオチンを要求し、粘質物生産培地では粘質物を生産した。KA−145株の性状は、対照として用いた市販納豆菌(宮城野株、弥生株、高橋株、成瀬株)の性状とはよく一致したが、枯草菌の基準株(Bacillus subtilisTMarburg)とは、硝酸塩の還元、ビオチン要求性、粘質物生産が異なっていた。これらの結果から、KA−145株は納豆菌であると同定した。
【0040】
また、KA−145株は市販納豆菌4株と炭水化物からの酸生成パターンがよく一致したが、枯草菌とはアミグダリン、サリシン、セロビオース、βゲンチオビオースが異なっていた。
【0041】
遺伝学的手法による納豆菌株の分類
表6に示したように、従来の生理・生化学的手法で納豆菌を「株」レベルで分類することはむずかしい。しかし、遺伝学的手法(RAPD法)を用いると、納豆菌を「株」レベルで分類できる。
【0042】
RAPD法は、各種納豆菌から調製したDNAを鋳型とし、OPERON社の10−merKitsをプライマーとしてPCR反応を行った後、増幅産物を電気泳動することによりDNA断片の確認を行うものである。
【0043】
血栓溶解酵素を多量に生産するKA−145株は、市販納豆菌(宮城野株、弥生株、高橋株、成瀬株)のいずれとも異なる泳動パターンを示し、市販納豆菌とは遺伝的に異なる株であることが証明できた。図6及び図7は泳動パターンを示し、オペロン社のプライマーA−5及びプライマーA−8のRAPDパターンを示す図である。
【0044】
また、これまでにも血栓溶解酵素産生能の高い納豆菌株を用いた納豆が市販されている。そこで、血栓溶解酵素産生能の高い納豆菌株を用いたヤマダフーズ社とパンタス食品社の納豆、旭松食品社の低臭化納豆菌株を用いた納豆、フジッコ社の二段熟成製法納豆から納豆菌を単離し、同様の方法でDNA断片の確認を行ったところ、それぞれ異なる泳動パターンを示した(図7参照)。この結果から、KA−145株は遺伝的にも異なる新規分離株であるといえる。
【0045】
納豆の官能評価
KA−145株を用いて作製した納豆を4℃、48時間冷蔵後、専門パネラー10名により表7に示す項目について、
1.優良 2.良 3.普通 4.やや悪い 5.悪い
の5段階評価で官能評価を行った。また、比較例として宮城野株を上記実施例と同様にして納豆を製造し、評価を行った。評価値は各パネラーの平均で示した。
【0046】
【表7】
官能検査の結果、同じ工程で納豆を製造したにもかかわらず、KA−145株で製造した納豆は、宮城野株で製造した納豆よりも旨味が著しく増し、粘度も高く、くせのないあっさりとした納豆に仕上がった。また、5℃で10日間保蔵しても、納豆特有の納豆臭が少なく、旨味のある納豆で、対象として宮城野株で製造した納豆に比べると優れていた。また、総合評価では、10名のパネラーのうち、8名がKA−145株で作製した納豆が官能的に優れていると答えた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の納豆菌株は、本出願人が従来から使用していた宮城野株と比べて、血栓溶解酵素生産力が2倍、粘質物生産力も1.8倍高かった。
【0048】
この新規納豆菌株を用いて製造した納豆は、当社従来品よりも血栓溶解酵素活性が2倍高く、粘度も1.5倍高かった。さらに官能的にも高い評価を示したため、従来の納豆製造方法と同じやり方でも、本発明の納豆菌株を用いることにより優れた品質の納豆を提供することが可能となった。
【0049】
血栓症予防に効果があるといわれている量の血栓溶解酵素を摂取するためには、従来の納豆では1日100gの納豆を食べる必要があるが、多様な食生活を営む現代では、納豆だけで100g食べることは現実的でない。しかし、本発明の新規納豆株で製造した納豆では、I日50g食べるだけで同じ効果が得られる。納豆1パックの重さが50gであることから、1食のメニューに加えるだけで、血栓症予防に効果があるといわれている量の血栓溶解酵素を容易に摂取することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フィブリン寒天平板法による酵素活性を示す図である。
【図2】 プラスミン標準溶液によるフィブリンゲルの溶解を示す図である。
【図3】 プラスミン標準溶液によるフィブリンゲル溶解面積の相関を示すグラフである。
【図4】 マイクロプレート法による630nmにおける吸光度の減少を示すグラフである。
【図5】 マイクロプレート法による検量線を示すグラフである。
【図6】 オペロン社のプライマーAー5のRAPDパターンを示す図である。
【図7】 オペロン社のプライマーAー8のRAPDパターンを示す図である。
【符号の説明】
1:平板
2:孔
3:フィブリンゲル溶解部分(透明域)
Claims (2)
- バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)に属する納豆菌であって、血栓溶解酵素生産量及び粘質物生産量が高い納豆菌株KA−145株(FERM P−17659)。
- 高圧滅菌した下記のA液とB液とを同量混合し、これに加温溶解したアガロース溶液を1.2質量%とフィブリノーゲン溶液を0.3質量%(いずれも最終濃度)となるように添加し、あらかじめトロンビン溶液(12.5U/ml)0.53mlを入れた滅菌シャーレに上記混合液を13.2ml加え、アガロースがゲル化する前に撹拌、静置して平板とし、該平板に生育したコロニー周辺部のフィブリンゲル溶解面積を測定して、大きな透明域を形成しているコロニーを取得し、選抜した株を粘質物生産培地に移植し、コロニーの中から、コロニー内に粘質物を著量蓄積し不定形に隆起したコロニーを選抜することを特徴とする請求項1記載の納豆菌株KA−145株(FERM P−17659)の取得方法。
A液
0.2mol/lバルビタールナトリウム 50ml
0.1mol/lHCl 135ml
pH 7.8
B液
ポリペプトン 1.8g
酵母エキス 0.36g
MgSO4・7H2O 0.18g
大豆抽出液 36ml
蒸留水 144ml
pH 7.0
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