JPH05336917A - 無臭・酵素賦活納豆とその製造方法 - Google Patents

無臭・酵素賦活納豆とその製造方法

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JPH05336917A
JPH05336917A JP4174530A JP17453092A JPH05336917A JP H05336917 A JPH05336917 A JP H05336917A JP 4174530 A JP4174530 A JP 4174530A JP 17453092 A JP17453092 A JP 17453092A JP H05336917 A JPH05336917 A JP H05336917A
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JP
Japan
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natto
corn
enzyme
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odorless
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JP4174530A
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English (en)
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Keitaro Kato
圭太郎 加藤
Yoshiharu Ishikawa
良春 石川
Tsutomu Onga
勉 恩賀
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NIPPON OPEREETAA KK
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NIPPON OPEREETAA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 納豆臭およびアンモニア臭を発生せず、良好
な粘性と旨味を有し、しかも納豆酵素(ナットーキナー
ゼ)活性の高い納豆と、このような納豆を、容易かつ廉
価に製造するための方法を提供する。 【構成】 浸漬大豆にとうもろこしを添加して混合し、
これを蒸煮した後、納豆菌を接種して発酵させることを
特徴とする無臭・酵素賦活納豆の製造方法と、この方法
によって製造した無臭・酵素賦活納豆。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無臭・酵素賦活納豆
とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、納豆臭やアンモニア臭を発せず、良好な粘
性と旨味を有し、かつ納豆酵素(ナットーキナーゼ)活
性の高い新しい納豆と、この納豆を容易に製造するため
の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝統食品のひとつである納豆は、その独
特な旨味と香りに加え、たん白質、ビタミン、無機塩、
食物繊維等を多く含む栄養価の高い食品であり、近年の
健康志向を背景に急激な需要の伸長をみせている。また
最近、納豆菌の産生する酵素(ナットーキナーゼ)が血
栓溶解作用を有するという報告(昭和62年度農化大会
要旨、第549頁、1988年)もなされ、納豆の機能
性が注目を集めてもいる。
【0003】納豆を製造する場合には、従来より、原料
となる大豆を浸漬、蒸煮し、これに納豆菌を接種して発
酵させる方法が採られてきた。すなわち、この発酵の過
程で大豆のたん白質は納豆菌の酵素(プロテアーゼ)に
よって分解し、納豆の旨味のもととなるアミノ酸が生成
するとともに、グルタミン酸のポリペプチドとフラクト
ース(果糖)が重合して納豆特有の粘性(糸ひき)が形
成される。
【0004】また、その血栓溶解作用が注目されている
ナットーキナーゼについては、その活性が高い特殊な納
豆菌株を用いて、ナットーキナーゼを多量に含有する納
豆が製造され始めてもいる(たとえば、「ナットーキナ
ーゼ納豆(商標)」、ヤマダフーズ社製、「私のなっと
う(商標)」、朝日工業社製など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
納豆は、上記のような特有の旨味や粘性に加え、発酵に
よって弱アルカリ性(pH7.6 〜8.0 )となり、独特の納
豆臭を呈するようにもなる。この納豆臭は、納豆を特徴
づける大きな特性の一つではあるが、市場調査の結果か
らは、納豆の購入頻度が月1回以下である消費者(全体
の6.3 %)のうち、55.8%(複数回答)もの人がこの納
豆臭をその理由に挙げている(食品と科学、第33巻、
6号、第96〜98頁、1991年)。さらに、従来製
法による納豆は、製造後、時間を経るに従い基質中の糖
質が減少するために納豆菌の自己消化(オートリーゼ)
作用が活性化して遊離アンモニアを生成させ、これが納
豆臭とは別の強い異臭の原因ともなっている。
【0006】また、既に商品化されている高活性ナット
ーキナーゼ納豆の場合には、発酵に使用する特殊な納豆
菌株が、たとえば厳しい温度管理と低温長時間発酵を必
要とするため、製造工程が複雑化し、また製造コストも
上昇することが避けられなかった。この発明は、以上の
通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の納豆と
その製造方法の問題点を解消し、納豆臭やアンモニア臭
を発せず、良好な粘性と旨味を有し、かつナットーキナ
ーゼ活性の高い納豆と、これを特殊な納豆菌を用いるこ
となく容易に製造するための方法を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、浸漬大豆にとうもろこしを添加
して混合し、これを蒸煮した後、納豆菌を接種して発酵
させることを特徴とする無臭・酵素賦活納豆の製造方法
とこの方法によって製造した無臭・酵素賦活納豆とを提
供する。
【0008】この発明では、上記のとうもろこしが、生
とうもろこし、あるいはその冷凍品、高温浸漬あるいは
高周波加熱したとうもろこし、またはコーンミール、コ
ーンフラワー、コーングルテン、またはその他のとうも
ろこし加工品の任意のものとすることができる。このよ
うなとうもろこしの添加量については特に限定はない。
【0009】以下、この発明についてさらに詳しく説明
する。まず、この発明の製造方法においては、納豆の原
料として、大豆ととうもろこしの混合物を使用すること
を大きな特徴としている。とうもろこしは、表1にその
成分組成を示したように、糖質、とくに納豆製造に不可
欠なフラクトースを多く含有するため、大豆に不足する
糖質を補うことができる。このため、この発明では、国
産大豆に比べ糖質含量が低く、脂質が多いためにこれま
では納豆製造には不向きとされてきた輸入大豆(たとえ
ばアメリカ産大豆)をも原料大豆として用いることがで
きる。
【0010】
【表1】
【0011】この発明の方法により納豆を製造する場合
には、まず原料大豆を常法に従い浸漬し、これにとうも
ろこしを添加して、充分に混合する。原料大豆は、全粒
大豆または1/8 程度に分割したひきわり大豆を用いるこ
とができ、一方、とうもろこしは、生とうもろこし、あ
るいはその冷凍品、全粒とうもろこしを温水浸漬もしく
は高周波加熱したもの、もしくはコーンミール、コーン
フラワー、コーングルテンまたはその他のとうもろこし
加工品等を用いることができる。またこのようなとうも
ろこしの添加量は、一般的には5〜90%(重量)、好
ましくは20〜50%(重量)程度とする。
【0012】次に、浸漬大豆ととうもろこしの混合物
を、たとえばオートクレーブを用いて常法に従い加圧蒸
煮し、これに納豆菌を接種して発酵させる。その際に、
納豆菌は特殊な菌株を用いる必要はなく、通常の納豆製
造に使用する納豆菌を適宜使用することができ、また発
酵条件も、たとえば40〜50℃の温度で18時間程度
の発酵で十分である。
【0013】このようにして発酵した納豆は、その後、
たとえば5℃程度の低温で12〜24時間熟成させ、所
定の分量に包装して商品化することができる。この発明
の納豆は、とうもろこしの添加により多量の糖質を含む
ため、発酵によっても十分な糖質が残存し、そのpHは約
7.0 と中性を保つため、納豆に特有な匂いをほとんど発
することがない。また、たとえば冷蔵庫に2週間程度保
存した後もアンモニア臭が発生することはなく、その保
存性はきわめて良好である。
【0014】さらに、高含量の糖質の効果として、大豆
由来のグルタミン酸ととうもろこし由来のフラクトース
の重合により、粘張な糸ひきを生じ、糸の安定性も良好
となる。また、味覚についても、まろやかな甘味のある
納豆となる。さらにまた、この発明の納豆は、納豆本来
の良質なたん白質、繊維素、鉄分、ビタミンB1 、B2
に加え、とうもろこしの添加によりビタミンAを含むた
め、美容や健康に優れた効果を及ぼすことができる。し
かも、ナットーキナーゼの活性値も、従来製品の数倍に
増加し、特殊な納豆菌株を用いた製品と同等の酵素活性
を有している。
【0015】以下、実施例を示してこの発明をさらに具
体的に説明する。
【0016】
【実施例】実施例1 全粒とうもろこし(スイート種)100g を保温ポット
(東芝社製)に入れ、90℃の温水に12時間浸漬して
給熱、膨潤させ、これを18℃の水に16時間浸漬した
大豆(中国産)200g に添加、混合し、オートクレー
ブで30分間加圧蒸煮(蒸気圧1.8kg /cm2 )し、次い
で、市販の納豆菌(宮城野菌:菌数10 8 個/ml)を1
000倍に希釈した水溶液6mlをスプレーし、発泡スチ
ロール製の納豆容器に50g ずつ充填し、孵卵器中に入
れ、40℃で20時間発酵させた。なお、発酵中期の品
温は発酵熱により約50℃に上昇した。
【0017】発酵終了後、容器ごと冷蔵庫(4〜8℃)
に一夜保存して冷却、熟成し、無臭・酵素賦活納豆約3
00g を製造した。このようにして得た納豆および比較
例として用いた市販納豆について、パネル検査により、
各々の外観、粘性、臭い、および味と風味を評定した。
また、硬さ、pH、ビタミンA効力、およびナットーキナ
ーゼ活性についてもそれぞれ測定した。
【0018】結果は表2に示した通りである。この表2
からも明らかな様に、この発明の納豆(実施例1)は比
較例に比べその品質がはるかに良好であった。実施例2 脱胚芽、粗砕き(1/2 〜1/4 分割)のとうもろこし(商
品名ホミニー・イエロー)100g を52℃の温水に3
0時間浸漬し、これを実施例1記載と同様の浸漬大豆2
00g に添加、混合し、実施例1と同様の方法で蒸煮
し、納豆菌を接種し、発酵、熟成させて無臭・酵素賦活
納豆約300g を製造した。
【0019】このようにして得た納豆を、実施例1記載
と同様に検査した。その結果は表2に示した通りであ
り、検査した全ての項目についてこの発明の納豆(実施
例2)は比較例よりもすぐれた品質を有していた。実施例3 脱胚芽、微粉砕のとうもろこし(商品名グリッツ・イエ
ロー)100g を40℃の微温水に4時間浸漬し、これ
を、18℃の水に2時間浸漬した脱皮、ひきわり大豆
(1/8 分割)300gに添加、混合し、オートクレーブ
で10分間加圧蒸煮(蒸気圧1.2kg /cm2 )した後、実
施例1と同様の方法で納豆菌を接種し、発酵、熟成させ
て、無臭・酵素賦活ひきわり納豆約400g を製造し
た。
【0020】このようにして得たひきわり納豆を、硬度
の測定を除き、実施例1と同様の方法で検査した。その
結果は表2に示した通りであり、この発明のひきわり納
豆(実施例3)は、検査した全ての項目について比較例
よりもすぐれた品質を有していた。実施例4 中国産大豆30kgを18℃の水に16時間浸漬し、蒸煮
釜に入れてこれにスイートコーン凍結品の解凍したもの
35kgを加えて混合した。蒸気圧1.8kg/cm2で25分
間加圧蒸煮を行い、納豆菌を接種し、規定の容器に充填
後、醗酵室で18時間(最高温度50℃)醗酵・熟成さ
せた。5℃の冷蔵庫で保冷し無臭で明るい淡黄色の酵素
賦活納豆40g入りパック1,900個製造した。
【0021】製造したコーン入り納豆の品質は表2にし
た通り、比較例に比べはるかに良好であった。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明の
方法によって、納豆臭およびアンモニア臭を発生せず、
良好な粘性と旨味を有し、しかもナットーキナーゼ活性
の高い納豆を、容易かつ廉価に製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】このようにして得たひきわり納豆を、硬度
の測定を除き、実施例1と同様の方法で検査した。その
結果は表2に示した通りであり、この発明のひきわり納
豆(実施例3)は、検査した全ての項目について比較例
よりもすぐれた品質を有していた。実施例4 中国産大豆30kgを18℃の水に16時間浸漬し、蒸煮
釜に入れてこれにスイートコーン凍結品の解凍したもの
25kgを加えて混合した。蒸気圧1.8kg/cm2で25分
間加圧蒸煮を行い、納豆菌を接種し、規定の容器に充填
後、醗酵室で18時間(最高温度50℃)醗酵・熟成さ
せた。5℃の冷蔵庫で保冷し無臭で明るい淡黄色の酵素
賦活納豆40g入りパック1,900個製造した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸漬大豆にとうもろこしを添加して混合
    し、これを蒸煮した後、納豆菌を接種して発酵させるこ
    とを特徴とする無臭・酵素賦活納豆の製造方法。
  2. 【請求項2】 とうもろこしが、スイートコーンまたは
    その他の生とうもろこし、あるいはその冷凍品、高温浸
    漬あるいは高周波加熱したとうもろこし、またはコーン
    ミール、コーンフラワー、コーングルテン、またはその
    他のとうもろこしの加工品である請求項1の無臭・酵素
    賦活納豆の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法により製造
    してなることを特徴とする無臭・酵素賦活納豆。
JP4174530A 1991-07-01 1992-07-01 無臭・酵素賦活納豆とその製造方法 Pending JPH05336917A (ja)

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JP4174530A JPH05336917A (ja) 1991-07-01 1992-07-01 無臭・酵素賦活納豆とその製造方法

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JP3-160679 1991-07-01
JP16067991 1991-07-01
JP4174530A JPH05336917A (ja) 1991-07-01 1992-07-01 無臭・酵素賦活納豆とその製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001238667A (ja) * 2000-02-28 2001-09-04 Marumiya:Kk 血栓溶解酵素及び粘質物を多量に生産する納豆菌株、その取得方法及びそれを用いて製造した納豆
CN100337557C (zh) * 2004-06-28 2007-09-19 天津科技大学 利用大豆制品发酵生产大豆肽液体食品及益菌片的方法
CN108142832A (zh) * 2017-11-08 2018-06-12 珠海市微豆生物技术有限公司 一种提高黑纳豆激酶含量和活性的制备方法

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