JP3821949B2 - 壁パネル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばユニットバスルームなどの浴室の壁面に用いられる壁パネルに関するものであり、特に、この種壁パネルの組立施工性の向上を図るようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は従来の壁パネルを示すものであり、塩ビ鋼鈑等で断面略コ字状に成形した表面部材ａと、メッキ鋼鈑等を略同形に成形し表面部材の開口を閉塞するように設けた裏面部材ｂとからなり、互いの開口を対面させて中空部分が生ずるように組合わせ、中空部分内にウレタン発泡樹脂等の合成樹脂発泡体Ｃなどを充填して設けられている。
該壁パネルの上端及び下端には施蓋部材が取付けられ、これら施蓋部材は天井面並びに床面の取付箇所に対応する形状に形成されており安定した配設が可能に設けられている。
【０００３】
建物内において浴室等を形成する場合には、このように成形した複数枚の壁パネルを互いの側面部同士を当接させて配列し所定の室内空間を形成している。配列された壁パネルは、裏面部材側の連結箇所間に固定板を介在させ、隣合った裏面部材においてネジ止めして接合されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、壁パネルの側面部は平坦面に形成されたものが多く、壁パネルを配列する場合に隣接する壁パネルとの間にズレや隙間が生じ易くなっており、施工時の位置合わせ等が面倒であるといった施工作業に係る問題点があった。
【０００５】
本発明は、上記した事情のもとになされたものであり、その目的とするところは、壁パネルの側面形状に工夫を施すことにより、施工が容易な壁パネルを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、 表面部と両側面部と裏面側への折返し部とを押出成形により一体成形してなる成形体で構成し、該成形体の裏面開口に配設される背面板とを組合せ、その中空部分に合成樹脂発泡体を充填又は接着して構成する壁パネルであって、前記両側面部に、折返し部との間で背面板のスライド挿着を可能とする隙間を成し設けて高さ方向に延びる連結用凹所を形成し、該連結用凹所に着脱自在に嵌合し一部が側面部端面に突出する形状に別体成形してなる連結部材を介在させ、隣接する壁パネルとの位置合わせを可能にした壁パネルを構成するものである。
そして、前記連結用凹所は側面部端面に拡張開放される台形部分と、この台形部分の奥側に連続してなる円形部分とからなる横断面形状で、かつ円形部分を所定のネジ部材が螺入可能な径寸法にて設定する一方、連結部材は壁パネル接合状態時の互いの台形部分より形成される空間に対応する形状の係合部と、この係合部の一方側のみに設けられ前記円形部分に嵌合する突出部とからなり、前記連結用凹所において着脱自在な位置合わせ手段を構ずるものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図１から図３を参照しながら詳細に説明する。
図中Ｐは本発明の壁パネルを示すものであり、１はＦＲＰ（繊維強化プラスチック）を押出成形により一体成形してなる成形体で、表面部１Ａと両側面部１Ｂ，１Ｂと裏面側への折返し部１Ｃ，１Ｃとからなり、該成形体１の裏面開口に、同じくＦＲＰにより成形された平板状の背面板２を配設し、その中空部分に合成樹脂発泡体Ｃを充填して構成するものである。
【０００８】
前記成形体１の両側面部１Ｂ，１Ｂには壁パネルの並設時の位置合わせを図るための連結用凹所１０が高さ方向に一連に形成してある。この連結用凹所１０は側面部端面に拡張開放される台形部分１０ａと、この台形部分の奥側に連続形成した円形部分１０ｂとからなる横断面形状を呈して一部に括れ箇所が設けられており、また、前記円形部分１０ｂはネジ部材等の螺着が可能な径寸法で設けられる。
【０００９】
この連結用凹所１０の形成位置は必ずしも側面部１Ｂの幅方向中央部に設定する必要はなく、連結用凹所１０と折返し部１Ｃとの隙間Ｓを前記背面板２の厚さ寸法に対応させて設けると、該背面板２を成形体１の裏面側に配設する場合のガイドとなってスムースなスライド装着が図れ、成形時の作業効率が向上するものとなる。
【００１０】
そして固定用ネジ３０を前記連結用凹所１０の円形部分１０ｂに螺着することにより施蓋部材３が取付けられる。
【００１１】
このように成形された壁パネルＰは、隣合う壁パネルの側面部１Ｂどうしが当接するような形態で配列されるが、接合箇所にズレ等を生じないように複数枚の壁パネルを平継ぎする場合には、前記連結用凹所１０に着脱可能に設けた連結部材１１を介して接合が図られる。
【００１２】
前記連結部材１１は塩化ビニル等の軟質性樹脂で構成され、壁パネルどうしの接合箇所において連結用凹所が対向して形成される空間を充填するような形状に形成するものであり、連結用凹所の双方の台形部分に係合する係合部１１ａと、該係合部の一方側に設ける玉状の突出部１１ｂとからなり、該突出部１１ｂは一方側の連結用凹所１０の円形部分１０ｂ内に弾性変形して嵌入し、該係合部の一部が側面部端面から突出した状態で側面部１Ｂに係止される。
【００１３】
この連結部材１１を、配列される壁パネルＰ，Ｐのいづれか一方の壁パネルＰの側面部１Ｂ（連結用凹所１０）に取付けることにより、連結部材の係合部１１ａの一部がその側面部端面に突出した状態に係止され、他方の壁パネルの連結用凹所１０に係合して位置合わせが図られ、互いの側面部端面に隙間やズレ等を生ずることなく当接し、さらには、該連結部材１１によって結合箇所のコーキング作用も得られる。
【００１４】
そして図２及び図３のように、所定の室内を形成するために並設される複数枚の壁パネルＰ，Ｐ……の背部（背面板２）側において連結、固定がなされる。その場合の連結具としては壁パネル同士の隣合った折返し部１Ｃ，１Ｃ間に架設する固定板４等が用いられ、この固定板４を夫々の折返し部１Ｃにねじ止めすることにより連結固定がなされる。
【００１５】
前記固定板４にあっては、成形体の折返し部１Ｃ端縁に対して係止するように長さ方向の一方端を鈎状に折曲げてなるフック部４１を形成することで該固定板の取付作業に確実性と容易性とが得られるものとなる。
【００１６】
すなわち、施工前の複数枚の壁パネルのうち所定の壁パネルの折返し部１Ｃに、フック部４１を形成した側を半分程度隣接パネル方向に張出させて固定板４を取付けておき、配列時に前記フック部４１が他方の壁パネルの折返し部１Ｃの端縁に係止するように設けることにより、隣接する壁パネル同士の位置合わせと同時に仮止め的な連結が図れ、壁パネル列の背部側における固定板の配設位置も特定されることから作業効率が向上するのである。
【００１７】
したがって折返し部１Ｃの端縁は、前記固定板のフック部が係着し易い形状に設けることが好ましく、予め成形体１の成形段階において前記背面板２との間に適度な拘引角θが生ずるように設けることが好ましい。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表面部と両側面部と裏面側への折返し部とを押出成形により一体成形してなる成形体で構成し、該成形体の裏面開口に配設される背面板とを組合せ、その中空部分に合成樹脂発泡体を充填又は接着して構成する壁パネルであって、前記両側面部に高さ方向に延びる連結用凹所を形成し、該連結用凹所に着脱自在に嵌合し一部が側面部端面に突出する形状に別体成形してなる連結部材を介在させ、隣接する壁パネルとの位置合わせを可能にした壁パネルを構成したことにより、壁パネルの連結に係る施工が簡便化される。
【００１９】
すなわち、前記連結用凹所は側面部端面に拡張開放される台形部分と、この台形部分の奥側に連続してなる円形部分とからなる横断面形状を呈する一方、連結部材は壁パネル接合状態時の互いの台形部分により形成される空間に対応する形状の係合部と、この係合部の一方側のみに設けられ前記円形部分に嵌合する突出部とからなり、前記連結用凹所において着脱自在な位置合わせ手段としたことから、壁パネルの平継ぎの継ぎ目の隙間をなくした組立が容易になされ施工性の向上が図られるといった優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の壁パネルの一実施形態を示す説明図である。
【図２】 本発明の壁パネルの組立施工の一例を示す説明図である。
【図３】 図２のＸ−Ｘ線に沿って示す断面図である。
【図４】 従来の壁パネルを示す説明図である。
【符号の説明】
Ｐ……壁パネル、１……成形体、１Ａ……表面部、１Ｂ……側面部、１Ｃ……折返し部、１０……連結用凹所、１０ａ……台形部分、１０ｂ……円形部分、２……背面板、１１……連結部材、１１ａ……係合部、１１ｂ……突出部、３……施蓋部材、３０……固定用ネジ、４……固定板、４１……フック部。

Claims (2)

1. 表面部と両側面部と裏面側への折返し部とを押出成形により一体成形してなる成形体で構成し、該成形体の裏面開口に配設される背面板とを組合せ、その中空部分に合成樹脂発泡体を充填又は接着して構成する壁パネルであって、
   前記両側面部に、折返し部との間で背面板のスライド挿着を可能とする隙間を成し設けて高さ方向に延びる連結用凹所を形成し、該連結用凹所に着脱自在に嵌合し一部が側面部端面に突出する形状に別体成形してなる連結部材を介在させ、隣接する壁パネルとの位置合わせを可能にしたことを特徴とする壁パネル。
2. 連結用凹所は側面部端面に拡張開放される台形部分と、この台形部分の奥側に連続してなる円形部分とからなる横断面形状で、かつ円形部分を所定のネジ部材が螺入可能な径寸法にて設定する一方、連結部材は壁パネル接合状態時の互いの台形部分より形成される空間に対応する形状の係合部と、この係合部の一方側のみに設けられ前記円形部分に嵌合する突出部とからなることを特徴とする請求項１に記載の壁パネル。

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