JP3821912B2 - 活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物およびそれを用いた印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物に関するものである。より詳しくは紙、フィルムあるいは金属缶用印刷に使用する、印刷適性が良好で塗膜の耐性に優れた活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物に関するものである。
【0002】
また、活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物を印刷した後のウェット状態にある印刷面上にオーバーコーティング用組成物を塗布した後、硬化させて印刷物を得る方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
平版印刷は、油性インキと水とが反発する性質を利用して、親油性の画像部と親水性の非画像部とからなる印刷版に、油性インキと湿し水とを供給し、親油性の画像部にのみ油性インキを選択的に付着させ、しかる後、被印刷体に油性インキを転移させ印刷物を得ている。この印刷方法は画像が鮮明で高級印刷物が得られる反面、油性インキと湿し水の供給量の制御が極めて難しく、熟練を要するものである。近年、湿し水の供給量制御の問題点を解決するために、湿し水を使用することなく平版印刷ができる水無し平版印刷方法が実用化されている。しかしながら、水無し平版印刷に従来の平版インキを使用すると、版面温度の上昇に伴いインキ自体の凝集力が低下し、地汚れが発生する。
【0004】
かかる問題点を解決するために、バインダ樹脂成分を高分子量化して凝集力を上げる、増粘剤を用いて凝集力を上げる、シリコーンオイルを添加する等の手法が取られているが、これらの手法では地汚れは改善するもののインキ着肉性やインキのローラー転移性等の印刷機上安定性が劣化するという新たな問題点が発生する。また、湿し水を使用する一般オフセット印刷に比べ厚盛り印刷となるため乾燥性が劣り、棒積み適性や箔押しなどの後加工で不都合が生じている。この乾燥性を改善するために活性エネルギー線硬化型の水無し平版用インキについて、種々提案がなされている。例えば、数平均分子量が800以上で分子内にエポキシ基を含有する化合物と、アクリロイル基、メタクリロイル基またはその他の感光性の基とカルボキシル基とを含有する化合物との反応生成物を含むインキ組成物であって、エポキシ基とカルボキシル基の反応で生成したポリマーを使用することにより水無し平版印刷における耐地汚れ性能と保存安定性を両立させようとするもの(特開平1−247476号)、紫外線硬化性組成物に従来のインキに用いられる油性インキ用ワニス成分を配合し、紫外線硬化性能と水無し平版印刷適性を両立させようとするもの(特開平2−28273号)、ラウリル酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の長鎖アルキルの酸で変性されたアクリレートエステルを用いることで紫外線硬化性能と印刷適性を両立させようとするもの(特開平3−39373号)、不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を用いることで硬化性と耐地汚れ性を両立させようとするもの(特開平3−247678)、ウレタンアクリレート樹脂と高酸価樹脂の併用によって印刷適性と耐地汚れ性を両立させようとするもの(特開平3−252472号)等がある。しかしながら、いまだ十分な乾燥性と印刷機上安定性とを両立するインキが得られていないのが現状である。
【0005】
更には、非吸収性であるフィルムあるいは金属缶への印刷については、被印刷体との接着性、スクラッチ性が不十分であり、特に金属缶印刷ではレトルト適性が劣り、ほとんど実用化されていないのが現状である。
【0006】
また、特開平7−157668号では、不飽和基含有化合物の重合物、ビニルエーテル化合物、光カチオン重合開始剤を含有する放射線硬化型樹脂組成物が、特開平7−196948号では、ビスフェノール型エポキシアクリレート、ビニルエーテル化合物、光カチオン重合開始剤および任意成分として光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性オーバーコート用組成物が提案されているが、水無し平版インキに求められる印刷適性を付与するために、これらの組成物に凝集力のある樹脂成分を添加すると、活性エネルギー線硬化性能が低下してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述したような従来技術では、克服が困難であった問題点を解決し、低粘度、高流動性で、印刷時の機上安定性が良好で、活性エネルギー線硬化性を有し、且つ印刷物が高光沢、高耐摩擦性、折り曲げ適性に優れた活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物を提供することにある。また、金属缶印刷に対する水無し平版印刷適性があり、被印刷体との接着性、スクラッチ性が優れ、且つレトルト適性が良好な活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物を提供することにある。
【0008】
更には、このインキ組成物を用いて印刷物を得る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤とを含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物を提供する。すなわち、本発明のインキ組成物は、ラジカル重合性とカチオン重合性の機能を共に有することを特徴とする。かかる構成を採用することにより、優れた乾燥性および印刷機上安定性を達成することができる。
【0010】
本発明の別の態様においては、本発明はエポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤と、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるエポキシ基を側鎖に有するポリマーとしては、本発明の組成物の構成成分の1つであるエポキシ基を有する反応性希釈剤に溶解性を有するものであればよく、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体およびグリシジル(メタ)アクリレートと、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、スチレン、アルキルスチレン等の不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体、アリルグリシジルエーテルなどのアルケニルグリシジルエーテルとアクリル系モノマーとの共重合体、エポキシ化スチレンとエチレン、プロピレン、ブタジエン等のモノマーとの共重合体等を挙げることができる。
【0012】
重量平均分子量は1,000〜250,000の範囲であり、好ましくは5,000〜150,000、より好ましくは8,000〜100,000である。
【0013】
ポリマー分子量が、1,000より低分子量の場合は、水無し印刷適性における地汚れ温度が維持できない上、インキ流動性も低下してしまう。250,000を越える高分子量ポリマーになると、インキ弾性が高くなりすぎ、インキの調子が維持できない上、印刷物の光沢が低下する。
【0014】
また、エポキシ基を側鎖に有するポリマーの配合量は0.5〜30重量%であり、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。ポリマーの配合量が0.5重量%未満ではインキ弾性が不足し地汚れが発生し、一方、30重量%を超えるとインキが硬くなりレベリング不良となり、印刷物の光沢が出ない。またインキの活性エネルギー線硬化性能や塗膜特性を低下させない範囲で、インキ物性をコントロールするためにスチレン系あるいはブタジエン系エラストマーを適宜使用することができる。
【0015】
本発明で使用されるアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマーとしては、公知のエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートの単官能あるいは多官能オリゴマーが挙げられる。
【0016】
本発明で使用されるビニルエーテル化合物は、分子量100〜300で沸点150℃以上の単官能あるいは多官能ビニルエーテルであるが、好適には直鎖の炭化水素を骨格に持つモノあるいはジビニルエーテルが好ましい。分子量が100未満のビニルエーテル化合物ではインキの機上安定性が不良となり、300を超える化合物ではインキ中での相溶性が不十分であり、インキの貯蔵安定性が悪化する。
【0017】
ビニルエーテル化合物の配合量は0.5〜20重量%の範囲であり、より好ましくは1〜15重量%である。ビニルエーテル化合物が0.5重量%未満ではインキ組成物が低粘度となり、地汚れが発生し、一方、20重量%を超えて配合するとインキの安定性が維持できない上にインキ弾性が不足し、地汚れの原因となる。
【0018】
代表的な単官能のビニルエーテルとしては、2−エチルヘキシルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル等が挙げられ、多官能のビニルエーテルとしては、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
【0019】
本発明で使用されるエポキシ基を有する反応性希釈剤は、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4)エポキシシクロヘキシルアジペート等であり、市販品としてはUVR−6128(ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2080、セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)社製)等のエポキシモノマーが使用できる。
【0020】
エポキシモノマーは本発明のエポキシ基を有するポリマーの希釈溶剤としての機能も有しており、使用するポリマーの種類と量にもよるが、その配合量は5〜60重量%の範囲で使用される。
【0021】
また、反応性希釈剤としてエポキシモノマーと共に他のモノマーも併用できる。例えば、アクリルモノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリントリアクリレート等が使用できる。
【0022】
光ラジカル重合開始剤は、公知のもの、例えばアンスラキノン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビストリクロロメチルベンゾフェノン、ジブチルフェニルホスフィン、α,α−ジエトキシアセトフェノン,2−エチルアンスラキノン、ベンゾインビフェニル、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アントラキノンチオキサントン、メチルオルソベンゾイル安息香酸、パラジメチルアミノアセトフェノン等が使用でき、さらに増感助剤としてパラジメチルアミノ安息香酸エステル等が使用できる。また、光カチオン重合開始剤は、米国特許第4、231、951号明細書に記載のようなトリアリールスルフォニウム錯塩、米国特許第4、256、828号明細書に記載のようなハロゲン含有錯イオンの芳香族スルフォニウム塩または芳香族ヨードニウム塩;米国特許4、058、401号および第4、138、255号明細書に記載のような第VIa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4、069、055号明細書に記載のような第Va族元素の芳香族オニウム塩を包含するものが使用できる。光重合開始剤は、それぞれインキ中0.1〜30重量%で使用される。
【0023】
その他、熱重合禁止剤として、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−ブチルハイドロキノン、カテコール、ピクリン酸等を使用することができる。また、必要に応じて各種添加剤を使用できる。例えば滑剤としてパラフィンワックス、インキの稠度調整のための体質顔料としてシリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
なお、本発明のインキに使用する着色顔料としては、一般のインキに使用される顔料が使用できる。
【0025】
本発明のインキ組成物を用いた印刷方法としては、例えば枚葉水無し平版印刷を行う場合、排紙部に紫外線および/または電子線の照射装置を有する乾燥ユニットを具備したオフセット印刷機を使用し、版胴に水無し平版を装着し、印刷用紙に印刷した後、連続して該インキ組成物が硬化するのに有効な量の活性エネルギー線を照射して、印刷面を乾燥させることによって印刷物を得ることができる。
【0026】
また、本発明は、本発明のインキ組成物と光カチオン重合開始剤を含有してなるオーバーコーティング用組成物とを組み合わせて印刷物を製造する方法を提供する。該方法は、エポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤と、光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物により水無し平版印刷をした後のウエット状態にある印刷面上に、光カチオン重合開始剤を必須成分として含有してなるオーバーコーティング用組成物を塗布した後、紫外線照射装置により硬化させることを特徴とする。光ラジカル重合開始剤を含有するインキ組成物を用いて、水無し平版印刷を行った直後のウェット状態にある印刷面上に、光カチオン重合開始剤を必須成分として含有するオーバーコーティング用組成物を塗布することによって、インキ組成物中に光カチオン重合開始剤を供給した後、紫外線照射を行い、インキ皮膜を硬化させることができる。また、電子線照射装置を併用して硬化させる場合はインキ組成物中に必ずしも光ラジカル重合開始剤を添加する必要はない。
【0027】
ここで用いられるオーバーコーティング用組成物が紫外線硬化型組成物の場合は紫外線の照射によってインキ皮膜と同時に硬化し、好都合である。また、オーバーコーティング用組成物が熱硬化型組成物の場合は紫外線の照射後にオーブンなどを通して硬化させることができる。
【0028】
本発明のインキ組成物の製造方法は、通常知られている手法を用いることができる。まずエポキシ基を有するポリマーを反応性希釈剤に加熱溶解し、これを用いて着色顔料を3本ロール等の各種分散機により練肉分散し、ついでビニルエーテル並びに必要に応じて光重合開始剤、各種添加剤等を配合し、再度練肉分散し、活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキとする。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、例中、特に断らない限り、部は全て重量部を表すものとする。
【0030】
[溶解ワニスの製造例1]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にブレンマーG CP−50S(日本油脂社製、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、重量平均分子量21,000)25部とEO変性グリセリントリアクリレート50部とUVR−6110(ユニオンカーバイド日本(株)社製、エポキシモノマー)25部とを入れ、80℃で30分間攪拌し、ポリマー溶解ワニスAを得た。
【0031】
[溶解ワニスの製造例2]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にブレンマーG CP−50S 25部とUVR−6110 75部とを入れ、100℃で30分間攪拌し、ポリマー溶解ワニスBを得た。
【0032】
[溶解ワニスの製造例3]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にエポブレンドESBS A−1020(ダイセル化学工業社製、重量平均分子量100,000)7.5部、EO変性グリセリントリアクリレート60部、UVR−6110 32.5部とを入れ、100℃、30分攪拌し、ポリマー溶解ワニスCを得た。
【0033】
[溶解ワニスの製造例4]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にエポブレンドESBS A−1020 7.5部、UVR−6110 92.5部とを入れ、100℃、30分攪拌し、ポリマー溶解ワニスDを得た。
【0034】
[溶解ワニスの製造例5]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にブレンマーG CP−30(日本油脂株式会社製、グリシジルメタクリレート重合体、重量平均分子量9,000)50部とEO変性グリセリントリアクリレート25部とUVR−6110 25部とを入れ、80℃で30分間攪拌し、ポリマー溶解ワニスEを得た。
【0035】
[溶解ワニスの製造例6]
攪拌機と冷却器を有した反応容器にブレンマーG CP−30 50部とUVR−6110 50部を入れ、80℃で30分間攪拌し、ポリマー溶解ワニスFを得た。
【0036】
[オーバーコーティング組成物の製造例]
UVR−6105(脂環式エポキシ樹脂、ユニオンカーバイド社製)65.8部、TONE 0301(ε−カプロラクトントリオール)17.2部、D.E.N.431(エポキシノボラック樹脂、ダウケミカル社製)10.0部、UV−1−6990(光カチオン重合開始剤)5部、ワックス1部およびレベリング材1部をディスパーで混合し、オーバーコーティング組成物1を得た。
【0037】
(実施例1)
ポリマー溶解ワニスA40部とフタロシアニンブルー25部を、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−3701(ダイセルユーシービー(株)社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)20部、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製、光カチオン重合開始剤)3部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製、光ラジカル重合開始剤)3.5部、2−エチルヘキシルビニルエーテル8部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型紙用水無し平版用インキ1を得た。
【0038】
(実施例2)
ポリマー溶解ワニスC40部とフタロシアニンブルー25部を、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−657(ダイセルユーシービー(株)社製、ポリエステルアクリレート)20部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、2−エチルヘキシルビニルエーテル10部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型紙用水無し平版用インキ2を得た。
【0039】
(実施例3)
ポリマー溶解ワニスE40部とフタロシアニンブルー25部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−657 22部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、ドデシルビニルエーテル6部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型紙用水無し平版用インキ3を得た。
【0040】
(実施例4)
ポリマー溶解ワニスB40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−3701 13部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、2−エチルヘキシルビニルエーテル10部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ4を得た。
【0041】
(実施例5)
ポリマー溶解ワニスD40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついで、EB−3701 15部、UVR−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、ドデシルビニルエーテル8部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ5を得た。
【0042】
(実施例6)
ポリマー溶解ワニスD40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−3701 15部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、2−エチルヘキシルビニルエーテル10部、UVR−6110 2部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ6を得た。
【0043】
(実施例7)
ポリマー溶解ワニスF40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−657 15部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、ドデシルビニルエーテル8部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ7を得た。
【0044】
(実施例8)
ポリマー溶解ワニスA40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでUVR−6110 6部、EB−3701 15部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、ドデシルビニルエーテル2部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ8を得た。
【0045】
(比較例1)
EO変性グリセリントリアクリレート15部とEB−3701 30部とフタロシアニンブルー30部とを三本ロールで練肉混合し、ついで1,9−ノナンジオールジアクリレート15部、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製、光重合開始剤)10部、ポリエチレンワックス1部、カテコール1部を引き続き三本ロールで練肉し、活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ9を製造した。
【0046】
(比較例2)
UVR6110 55部とセロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)社製、エポキシモノマー)10部とフタロシアニンブルー30部とを三本ロールで練肉混合し、ついでUVI6990 6部、ポリエチレンワックス1部を引き続き三本ロールで練肉し、活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ10を製造した。
【0047】
(比較例3)
ポリマー溶解ワニスA40部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEO変性グリセリントリアクリレート8部、EB−3701 15部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ11を得た。
【0048】
(比較例4)
EO変性グリセリントリアクリレート10部とUVR6110 10部とフタロシアニンブルー30部とを、三本ロールで練肉混合し、ついでEB−370115部、EB−438(ダイセルユーシービー(株)社製、ポリエステルアクリレート)20部、UVI−6990 3部、イルガキュア184 3.5部、2−エチルヘキシルビニルエーテル8部、ポリエチレンワックス1部、カテコール0.3部を引き続き3本ロールにて十分に分散し、ラレー粘度で350ポイズの活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ12を得た。
【0049】
(インキ組成物の評価)
実施例1〜8および比較例1〜4において得られた活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキを用いて紙および塗装アルミ板上に印刷を行い、これに紫外線を照射して硬化させ、各インキの特性を評価した。実施例1〜8および比較例1〜4において得られたインキの紙での評価結果を表1に示した。また、実施例4〜8および比較例2〜4において得られたインキについては塗装アルミ板での評価を行い、その結果を表2に示した。なお評価は、以下の方法で行った。
【0050】
[地汚れ温度]
版下にヒーターを備えたダビッドソン印刷機を使用し、コート紙(NKハイコート90K)を用いて印刷速度2400枚/時で、版面を昇温しながら印刷を行い、地汚れが発生した版面温度を地汚れ温度とした。
【0051】
[硬化速度]
RI−2型展色機分割ロール(明製作所製)によりインキ量0.15ml/204cm2をアート紙(三菱特アート110K)に展色したものを試験片とし、その後、160W/cmのメタルハライドランプ(焦点距離13cm、集光型、1灯:ヘレウス社製)を使用して展色物の乾燥を行い、指触によりタックフリーになる乾燥速度で評価。
硬化速度評価に使用したタックフリーとなった展色物を試験片とし、以下の皮膜物性に関する項目について評価を行った。
【0052】
[接着性]
セロテープ剥離テスト(クロスカット法)を行い、インキ皮膜の基材からの剥離状態を見て評価した;
優:皮膜の基材からの剥離がないか、基材そのものが破壊されてしまう
良:インキ皮膜の一部が剥離する
劣:インキ皮膜が基材との界面から剥離する。
【0053】
[耐摩性]
染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科学精機製作所製)を使用し、印刷面同士を1000gの荷重で1000回往復し、目視評価した;
優:皮膜に傷がつかない
良:皮膜に数本の傷が入る
劣:皮膜に無数の傷が入るか、塗膜が剥がれてしまう。
【0054】
[光沢]
展色物を目視評価した;
優:鏡面状態を有する
良:わずかにくもりが認められる
劣:光沢がない状態にある。
塗装アルミ板にRI展色した試験片については次の項目についても評価した。
【0055】
[鉛筆硬度]
鉛筆(三菱鉛筆ユニ)を使用して、硬化皮膜に傷つきが生じた時の鉛筆硬度。
【0056】
[レトルト処理]
130℃の水蒸気中に試験片を30分間暴露した後の、皮膜の状態を目視により評価した;
優:皮膜表面に変化がない
良:わずかにくもりが認められる
劣:皮膜がくもる、あるいは白化(濁り)が認められる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
(印刷例)
光カチオン重合剤であるUVI−6990を添加しないことを除き、実施例1記載のインキ1の配合と同様にして、活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ13を作製した。これをRI展色機で0.15ml/204cm2の盛量で展色した後、ウエットな状態で別途作製したオーバーコーティング組成物1を膜厚が5μmとなるように展色した。これに160W/cmのメタルハライドランプ(焦点距離13cm、集光型、1灯:ヘレウス社製)を使用して紫外線照射し、展色物を硬化させ、前述した[硬化速度]、[接着性]、[光沢]の各項目について評価した。評価結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキは、通常の印刷用紙、フィルム、および缶印刷に対する水無し平版印刷適性を有し、活性エネルギー線照射で速乾性であり、且つ硬化皮膜については高光沢で、耐摩擦適性に優れ、特に缶印刷では優れた耐レトルト性を有し、きわめて実用性の高いものである。
Claims (4)
- エポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤とを含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物。
- エポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤と、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物。
- エポキシ基を側鎖に有するポリマーが不飽和二重結合を有する単量体を付加重合して得られる重合体であって、その重量平均分子量が8,000〜100,000であることを特徴とする、請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物。
- エポキシ基を側鎖に有する重量平均分子量1,000〜250,000のポリマー0.5〜30重量%と、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマー5〜30重量%と、ビニルエーテル化合物0.5〜20重量%と、エポキシ基を有する反応性希釈剤と、光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型水無し平版用インキ組成物により水無し平版印刷をした後のウエット状態にある印刷面上に、光カチオン重合開始剤を必須成分として含有してなるオーバーコーティング用組成物を塗布した後、紫外線照射装置により硬化させることを特徴とする印刷物の製造方法。
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