JP6517059B2 - インク組成物 - Google Patents
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そこで、生産性を向上するために、印刷及び塗工の高速化への対応が余儀なくされている。したがって、高速印刷や高速塗工に適応したインクや紙コート剤の性能向上が要求されている。
本発明は、安全性が高く、幅広い表面寿命における動的表面張力が低く、静的表面張力も低いインク組成物を提供することを目的とする。
R1O(AO)mX (1)
[式中、R1は炭素数6〜10の脂肪族炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表す0〜5の数であり、Xは−R 2 を表し、R2は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。]
R1O(AO)mX (1)
[式中、R1は炭素数6〜10の脂肪族炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表す0〜5の数であり、Xは−R2又は−COR2を表し、R2は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。]
分岐脂肪族炭化水素において、分岐の位置はいずれの位置でもよく、分岐の数に特に制限はない。
不飽和脂肪族炭化水素において、二重結合の位置はいずれの位置でもよく、二重結合の数に特に制限はない。
R1としては、直鎖を有する脂肪族炭化水素基(直鎖アルキル基及び直鎖アルケニル基)、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基(炭素数1〜3の分岐鎖を1〜4本有する分岐炭化水素基が含まれ、分岐アルキル基及び分岐アルケニル基が含まれる)が含まれる。
直鎖アルキル基としては、炭素数6〜10の直鎖アルキル基が含まれ、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等が挙げられる。
直鎖アルケニル基としては、炭素数6〜10の不飽和結合を1〜5個有する直鎖アルケニル基が含まれ、具体的には、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基及びデセニル基等が挙げられる。
分岐アルキル基としては、炭素数1〜3の分岐鎖を1〜6本有する炭素数6〜10の分岐アルキル基が含まれ、具体的には、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、2−エチルヘキシル基、4,6−ジメチルオクチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基及び2,4,6−トリメチルヘプチル等が挙げられる。
分岐アルケニル基としては、炭素数1〜3の分岐鎖を1〜6本有する炭素数6〜10の分岐アルケニル基が含まれ、具体的には、イソヘキセニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソノネニル基、イソデセニル基、2−エチルヘキセニル基、4,6−ジメチルオクテニル基、3,5,5−トリメチルヘキセニル基及び2,4,6−トリメチルヘプテニル基等が挙げられる。
AOとしては、動的表面張力の観点から、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基が好ましい。
mとしては、動的表面張力の観点から、0〜4が好ましく、さらに好ましくは0〜3の数である。
(AO)mは、1種のアルキレンオキシ基が付加したものでもよく、2種以上のアルキレンオキシ基が付加したものでもよい。また、2種以上が付加したものである場合、ランダム付加でもブロック付加でもよい。
R2としては、直鎖又は分岐でもよく、飽和でも不飽和でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチレン基、ビニル基及びプロペニル基等が挙げられる。
R2としては、動的表面張力の観点から、メチル基が好ましい。
Xとしては、動的表面張力の観点から、−R2が好ましい。
(A)としては、動的表面張力の観点から、アルキル(炭素数6〜10)アルコールアルキレンオキサイド付加物(アルキレンの炭素数2〜4、重合度=1〜5)のメチルエーテルが好ましく、さらに好ましくは3,5,5−トリメチルヘキサノールのアルキレンオキサイド付加物のメチルエーテル、さらに好ましくは3,5,5−トリメチルヘキサノールEO付加物(重合度=1〜5)のメチルエーテル又は3,5,5−トリメチルヘキサノールPO付加物(重合度=1〜5)のメチルエーテルである。
(a)としては、動的表面張力低下能の観点から、炭素数6〜10の分岐脂肪族アルコールが好ましく、さらに好ましくは、炭素数1〜3の分岐鎖を1〜6本有する炭素数7〜10の分岐脂肪族アルコールである。
炭素数が6未満の脂肪族アルコールでは、界面活性能が低下するため、好ましくない。また、炭素数が10を越える脂肪族アルコールでは静的表面張力は低下するものの、短い表面寿命での動的表面張力低下能が低いため、好ましくない。
炭素数6〜10の脂肪族アルコール(a)を加圧反応容器に仕込み、触媒(E)の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(D)[脂肪族アルコール(a)1モルに対して1〜10モル]を吹き込み、常圧又は加圧下で反応を行なう。反応性の観点から、反応温度は50〜200℃が好ましく、反応時間は2〜20時間が好ましい。アルキレンオキサイド(D)の付加反応終了後は、触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製し、化合物(A1)を得る。
このようにして得られた化合物(A1)又は炭素数6〜10の脂肪族アルコール(a)と炭素数2〜4のモノカルボン酸(b)を反応容器に仕込み、酸触媒(F)存在下、反応温度80〜150℃で4〜12時間脱水反応することで目的の化合物(A)が得られる。
また、化合物(A1)又は炭素数6〜10の脂肪族アルコール(a)と炭素数4〜10の酸無水物(b’)とを反応容器に仕込み、反応温度80℃〜150℃で4〜12時間開環反応することでも目的の化合物(A)が得られる。
また化合物(A1)又は炭素数6〜10の脂肪族アルコール(a)、及び水酸化ナトリウム[化合物(A1)又は(a)1モルに対して1.05モル]を加圧反応容器に仕込み、炭素数1〜3のアルキルクロライド(c)を吹き込み、常圧又は加圧下、反応温度20〜70℃で4〜12時間エーテル化反応することでも目的の化合物(A)が得られる。
酸性触媒(E1)としては、過ハロゲン酸(塩)、硫酸(塩)、燐酸(塩)、硝酸(塩)、パーフルオロアルキルスルホン酸金属塩が挙げられる。塩を形成する場合の金属は、特に限定されるものではないが、後述するWeibullの分布定数の観点から、2価または3価の金属が好ましい。これら金属としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu、Al、Cd、Ti、Hf、Cr、Mo、Mn、Fe、Pd及び希土類原子であり、更に好ましくは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba、Al、Cu、Cd、Ti、Cr、Fe及び希土類原子であり、特に好ましくは、Mg、Zn、Al、Ti、Fe、Scである。
過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭素、沃素が挙げられ、Weibullの分布定数の観点から、塩素が好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸金属塩としてはトリフルオロメタンスルホン酸塩、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩が好ましい。
酸性触媒(E1)の使用量としては、反応速度と経済性の点から、脂肪族アルコール(a)の重量に基づいて、0.001〜1重量%が好ましい。さらに好ましくは0.003〜0.8重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%である。
塩基性触媒(E2)の使用量としては、反応速度と経済性の点から、脂肪族アルコール(a)の重量に基づいて、0.0001〜1重量%が好ましい。さらに好ましくは0.001〜0.5重量%である。
酸触媒(F)の使用量としては、化合物(A1)又は脂肪族アルコール(a)の重量に基づいて、0.001〜1重量%が好ましい。
られる。
着色剤(B)の含有量は、画像濃度の観点から、インク組成物の重量を基準として、1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜20重量%であり、特に好ましくは5〜15重量%である。
これらの顔料分散剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
顔料分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、顔料の分散安定性の観点から、インク組成物の重量を基準として、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜8重量%である。
水溶性有機溶剤としては、顔料の分散安定性の観点から、グリコールエーテル及びポリオールが好ましい。
これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
インク組成物における水溶性有機溶剤の含有量は、動的表面張力の観点から、インク組成物の重量を基準として、1〜60重量%であることが好ましい。
酸化防止剤としては、アロハネート及びメチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット及びテトラメチルビウレット等のビウレット類等、L−アスコルビン酸及びその塩等、BASF社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024等並びにランタニドの酸化物等が挙げられる。
また、界面活性剤としては、これらの一種を用いても良く、2種以上を併用してもよい。
これにより、記録媒体にインクが着弾した際のインク滴の拡がりがさらに大きくなり、画像濃度を向上させることができる。
攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うこともできる。
着色剤(B)は、顔料、顔料分散剤及び水を分散または溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合することによって製造された顔料分散液として含有することが好ましい。攪拌混合は、上記インク組成物の製造と同様の方法により行うことができる。
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、3,5,5−トリメチルヘキサノール144部(1モル部)及び水酸化カリウム0.5部(0.009モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、70℃に昇温し、1時間減圧下で脱水を行った。130℃に昇温し、EO132部(3モル部)を圧力が0.2MPaG以下になるように調整しながら10時間かけて滴下した後、140℃で5時間熟成した。次いで70℃に冷却後、吸着処理剤[キョーワード600:協和化学工業(株)製]10部を投入し、70℃で1時間撹拌して処理した後、吸着処理剤をろ過して3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物(A1−1)を得た。
製造例1において、「3,5,5−トリメチルヘキサノール144部」に代えて「デカノール[KHネオケム(株)製]158部(1モル部)」を用いて、「EO132部(3モル部)」に代えて「PO290部(5モル部)」を用いる以外は製造例1と同様にして、デカノールPO5モル付加物(A1−2)を得た。
製造例1において、「3,5,5−トリメチルヘキサノール144部」に代えて「2−エチルヘキサノール130部(1モル部)」を用いて、「EO132部(3モル部)」に代えて「BO72部(1モル部)」を用いる以外は製造例1と同様にして、2−エチルヘキサノールBO1モル付加物(A1−3)を得た。
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、3,5,5−トリメチルヘキサノール144部(1モル部)及び水酸化カリウム0.5部(0.009モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、70℃に昇温し、1時間減圧下で脱水を行った。130℃に昇温し、PO58部(1モル部)を圧力が0.2MPaG以下になるように調整しながら10時間かけて滴下した後、140℃で5時間熟成した。次いでEO88部(2モル部)を圧力が0.2MPaG以下になるように調整しながら10時間かけて滴下した後、140℃で5時間熟成した。70℃に冷却後、吸着処理剤[キョーワード600:協和化学工業(株)製]10部を投入し、70℃で1時間撹拌して処理した後、吸着処理剤をろ過して3,5,5−トリメチルヘキサノールのPO1モルEO2モル付加物(A1−4)を得た。
製造例1において、「EO132部(3モル部)」に代えて「PO174部(3モル部)」を用いる以外は製造例1と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノールのPO3モル付加物(A1−5)を得た。
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ロート備えた反応容器に、2−エチルヘキサノール130部(1モル部)を投入し、滴下ロートに酢酸無水物102部(1モル部)を投入した。窒素置換後密閉し、100℃に昇温し、無水酢酸を2時
間かけて滴下し、8時間熟成後、1時間減圧し酢酸60部(1モル部)を留去し、2−エチルヘキサノール酢酸エステル(A−1)を得た。
製造例6において、「2−エチルヘキサノール130部」に代えて「3,5,5−トリメチルヘキサノール144部」を用いる以外は製造例6と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノール酢酸エステル(A−2)を得た。
製造例6において、「2−エチルヘキサノール130部」に代えて「3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物(A1−1)276部」を用いる以外は製造例6と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物の酢酸エステル(A−3)を得た。
製造例6において、「2−エチルヘキサノール130部」に代えて「デカノールPO5モル付加物(A1−2)448部」を用いる以外は製造例6と同様にして、デカノールPO5モル付加物の酢酸エステル(A−4)を得た。
製造例6において、「2−エチルヘキサノール130部」に代えて「2−エチルヘキサノールBO1モル付加物(A1−3)202部」を用いる以外は製造例6と同様にして、2−エチルヘキサノールBO1モル付加物の酢酸エステル(A−5)を得た。
製造例6において、「2−エチルヘキサノール130部」に代えて「3,5,5−トリメチルヘキサノールのPO1モルEO2モル付加物(A1−4)290部」を用いる以外は製造例6と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノールPO1モルEO2モル付加物の酢酸エステル(A−6)を得た。
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ロート備えた反応容器に、2−エチルヘキサノール130部(1モル部)及びメタンスルホン酸0.5部を投入し、滴下ロートにプロピオン酸74部(1モル部)を投入した。窒素置換後密閉し、100℃に昇温し、プロピオン酸を2時間かけて滴下した。同温度で減圧下で脱水しながら8時間反応後、2−エチルヘキサノールプロピオン酸エステル(A−7)を得た。
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物276部(1モル部)及び水酸化ナトリウム40部(1モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、20℃に冷却した。メチルクロライド51部(1モル部)を温度が20℃となるよう調整しながら10時間かけて滴下した後、20℃で10時間熟成した。次いで水を300部投入し、20℃で1時間攪拌し、静置後、分層した上層を回収し、3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物メチルエーテル(A−8)を得た。
製造例13において、「3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物276部」に代えて「3,5,5−トリメチルヘキサノールのPO1モルEO2モル付加物(A1−4)290部」を用いる以外は製造例13と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノールPO1モルEO2モル付加物メチルエーテル(A−9)を得た。
製造例13において、「3,5,5−トリメチルヘキサノールEO3モル付加物276部」に代えて「3,5,5−トリメチルヘキサノールのPO3モル付加物(A1−5)318部」を用いる以外は製造例13と同様にして、3,5,5−トリメチルヘキサノールPO3モル付加物メチルエーテル(A−10)を得た。
[顔料分散液の作製]
カーボンブラック(B−1)30部とβ−ナフトールEO40モル付加物6部、蒸留水164部を混合し、超音波分散機を用いて1時間分散させカーボンブラック15%含有の顔料分散液(P−1)を得た。得られた顔料分散液のカーボンブラック粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ、162.1nmであった。なお、平均粒径(D50)の測定は、 レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−750)を用いた。
(A’−1):サーフィノール485(日信化学工業(株)製)
(A’−2):KF−643(信越化学工業(株)製)
動的表面張力及び静的表面張力の測定条件は以下の通りである。
各インク組成物についてKRUSS社製バブルプレッシャー型動的表面張力計BP−2を用いて、25℃における表面寿命が100ms、500msの場合の動的表面張力を測定した。
各インク組成物について協和界面科学(株)製表面張力計DM−700を用いて、ペンダントドロップ法によって25℃におけるインク組成物の静的表面張力(mN/m)を測定した。
また、本発明のインク組成物は、幅広い表面寿命において動的表面張力が低く、静的表面張力も低いことから、記録媒体にインクが着弾した際のインク滴の拡がりが大きくなり、画像濃度を向上させることができることがわかる。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される化合物(A)、着色剤(B)及び水を含有するインク組成物であって、水の含有量が、インク組成物の重量を基準として40〜90重量%であるインク組成物。
R1O(AO)mX (1)
[式中、R1は炭素数6〜10の脂肪族炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表す0〜5の数であり、Xは−R 2 を表し、R2は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。] - 一般式(1)において、R1が分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基である請求項1に記載のインク組成物。
- 前記化合物(A)が、アルキル(炭素数6〜10)アルコールアルキレンオキサイド付加物(アルキレンの炭素数2〜4、重合度=1〜5)のメチルエーテルである請求項1又は2に記載のインク組成物。
- インクジェット用インク組成物である請求項1〜3いずれかに記載のインク組成物。
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