JP5105046B2 - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Description

本発明は、着色剤として着色粒子を使用したイクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録用インクとしては、水及び水溶性有機溶媒からなるインク溶媒に染料を溶解した染料インクが広く使用されているが、染料インクは印字物に滲みが生じ易い。これに対し、着色剤として、体積平均径が0.01〜20μm程度の着色粒子を使用した、所謂粒子インクが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開平4−185672号公報 特開平8−92513号公報
粒子インクでは、着色粒子とインク溶媒との分離を防止するために、インク溶媒と着色粒子の比重を一致させることが望ましく、密度調整剤が用いられる。密度調整剤を用いると、理論上は、インク溶媒と着色粒子との密度を一致させることができる。しかしながら、インク溶媒調製時の計量誤差、温度変化等により数%程度の密度差が生じる。
この密度差は、粒径が大きいほど粒子の沈降又は浮上速度に大きく影響する。従来使用されている着色粒子は粒径分布がブロードであるため、大きな粒子がインクの保存安定性に悪影響を及ぼす。さらに、粒径がノズル径の1/5〜1/3程度以上の大きな粒子となると、一時的にノズルが閉塞するという問題も生じさせる。一方、サブミクロンオーダーの比較的小さな粒子は、インク滴が紙面に着弾した後、インク溶媒と共に紙繊維の間隙に入り込んでしまう。このため、滲みが肉眼で識別でき、画線部のエッジが崩れるという問題を引き起こす。
このような問題に対し、本発明は、着色剤として着色粒子を用いたインクジェット記録用インクにおいて、印字物に滲みを生じさせず、かつ吐出安定性と保存安定性を向上させることを目的とする。
本発明者は、特定の粒径分布を有する着色粒子を使用すると、滲みを生じさせず、かつ吐出安定性と保存安定性の向上したインクジェット記録用インクを得られることを見出した。
即ち、本発明は、水、水溶性有機溶媒及び着色粒子を含有するインクジェット記録用インクであって、着色粒子の体積平均径が1〜5μmであり、
着色粒子中、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%以下であるインクジェット記録用インクを提供する。
本発明のインクジェット記録用インクによれば、着色粒子が特定の粒径分布を有するので、印字物に滲みがなく、シャープなエッジを有し、ブリードを防止することができる。
さらに、吐出安定性にも優れ、インク滴の不吐出による印字の「抜け」や、インク吐出時にインクジェットノズルでメニスカスが歪んで形成されたことによって、吐出方向がずれることによる「ヨレ」の発生を防止できる。
また、インク中で沈降又は浮上する着色粒子が実質的に存在せず、保存安定性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、着色剤として着色粒子を含有する。本発明では、この着色粒子として、体積平均径が1〜5μmの粒子を使用する。
体積平均径が1μm以上の着色粒子を使用することにより、紙面等の被記録面に着弾された着色粒子が、インク溶媒と共に被記録面に浸透することなく、紙繊維や充填剤に引っかかるので、画像の滲みが生じず、シャープなエッジを有し、ブリードも防止された印字物を得ることが可能となる。一方、着色粒子の体積平均径を5μm以下とすることにより、インクジェットノズルからの吐出安定性を確保することができる。特に、体積平均径は、インクジェットノズル径の20%以下とすることが吐出安定性を向上させる点から好ましい。
また、本発明では、着色粒子として、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が着色粒子全体の5vol%以下に粒径制御されたものを使用する。体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%以下、好ましくは4.5vol%以下とし、粒径を揃えることで、僅かな温度変化によりインク溶媒と着色粒子との間に密度差が生じても、吐出安定性を高く維持することができる。また、このように粒径を揃えると、分離速度の速い粗大粒子数が極度に少なくなることから、インク全体としての保存安定性も向上する。
なお、着色粒子の粒径分布は、シャープであるほど、理論上は、吐出安定性や保存安定性が向上する。即ち、インク滴を安定して吐出させるためには、図1(a)に示すように、インクジェットノズル1のノズル端面でのインク2のメニスカス3が、ノズル中心から深さ方向へ引いた直線を含む断面において左右線対称であることが必要である。これに対し、同図(b)に示すように、着色粒子4の粒径分布のばらつきが大きいと、インク滴吐出直後のメニスカス3表面に存在する着色粒子4の体積のばらつきも大きくなり、その結果、メニスカス3表面の慣性力が場所によって相違し、メニスカス3が左右線対称に形成されなくなる。このメニスカスは、吐出時の振動で一層歪み、インク滴が被記録面にまっすぐ着弾せずに、ヨレてしまったり、複数のインク滴に分かれてしまったりする。
一方、過度に粒径分布をシャープにすると、インクとしての性能に問題は生じないものの、生産コストが極端に上昇するため好ましくない。
さらに、体積平均径の1/2以下の粒径を有する着色粒子の、着色粒子全体に対する割合は、粒子全体に対する体積%が充分に小さくなると、メニスカス表面に存在しても、メニスカス表面における体積も充分小さいこと等から問題にならない。ただし、粒径0.5μm以下の着色粒子は着色粒子の5vol%以下とし、より好ましくは3vol%以下とする。これにより、印字物の滲みを防止することができる。
着色粒子の密度は、1〜1.2g/cm3とすることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.15g/cm3とする。これにより、着色粒子と溶媒の密度差の温度依存量を少なくすることができる。即ち、着色粒子の沈降又は浮上を防止するため、着色粒子の密度は、インク溶媒の密度と同一であることが望ましく、必要に応じて密度調整剤が使用されるが、着色粒子もインク溶媒もそれぞれ別個に密度が変化する。そこで、通常溶媒の密度は1.1g/cm3程度であるため、この密度に着色粒子の密度を近づけ、密度調整剤の使用量を低減し、さらに、温度変化による密度差も大きくならないようにするため、上述の範囲とすることが好ましい。
以上のような粒径分布と密度を有する着色粒子は、このような粒径分布を有する樹脂粒子を着色剤で着色することにより得ることができる。
ここで、着色剤としては、発色性及び色再現性の点から、顔料よりも染料を使用することが好ましい。
染料としては、直接染料、酸性染料、分散染料、カチオン染料、反応染料、硫化染料、油溶染料及び金属錯塩染料等を用いることができ、特に、分散染料およびカチオン染料が好ましい。
また、染料で樹脂粒子を着色する方法としては、例えば、40℃〜120℃に加温した染料溶液に、樹脂粒子を分散して一定時間攪拌することで、着色が可能である。なお、樹脂粒子を染料で着色した後、樹脂粒子の表面に析出した余分な染料を除去するために、還元洗浄を行う。この還元洗浄に使用する溶媒としては、水酸化ナトリウムやハイドロキシサルファイト等を溶解させた水溶液を使用する。
一方、樹脂粒子としては、例えば、溶媒中に、単量体、分散剤及び開始剤等を入れ、所定の条件で開始剤をラジカル化させ、ラジカルによって溶媒中で単量体を重合反応させる分散重合法により得ることができる。分散重合法は、特開2004−326029号公報等に記載のトナー組成物で用いる樹脂粒子の製造と同様に行うことができるが、本発明においては、分散重合の反応系の各成分の種類、量、SP値(溶解度パラメータ)、反応温度及び反応時間等を適宜制御することにより、上述のように粒径の制御された樹脂粒子を得、それを用いる。より具体的には、スチレンベースの単量体に対するアクリル量が30wt%以下、好ましくは20wt%以下、開始剤量が単量体の10wt%以下、好ましくは6wt%以下、溶媒に対する単量体量が40wt%以下、好ましくは30wt%以下、溶媒系のSP値が12〜15(cal/cm31/2、好ましくは13〜14.5(cal/cm31/2、反応温度が50〜63℃、好ましくは55〜60℃である。
インクジェット記録用インク中における着色粒子の含有量は、インク全量に対して2〜7重量%とすることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、着色粒子の他、水、水溶性有機溶媒及び必要に応じて密度調整剤、粘度調整剤、分散剤、界面活性剤、pH調整剤及び防腐剤等の添加剤を含有する。
水としては、イオン交換水又は純水が好ましい。インクジェット記録用インクにおける水の含有量は、50〜80重量%とすることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、主としてインクジェットノズル先端部におけるインクの乾燥を防止する湿潤剤と、主として紙面上での乾燥速度を高める浸透剤を含有することが好ましい。
湿潤剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等;1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物等が挙げられる。中でも、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。
これらの湿潤剤は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。また、インクにおける湿潤剤の含有量は、一般的には0〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
浸透剤としては、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。また、エタノールやプロパノール等のアルコールも使用できる。
これらの浸透剤は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。また、インクにおける浸透剤の含有量は、一般的には0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
密度調整剤としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、臭化カリウム等の一価の陽イオンに解離する電解質等を使用することができる。
粘度調整剤としては、澱粉、アラビアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、ガゼイン、デキストリン水和物、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等を使用することができる。
分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、1−ヘキサデカノール等の高分子等を使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、エマール、ラテムル、レベノール、ネオペレックス、エレクトロストリッパー、NSソープ、KSソープ、OSソープ、ペレックス、アンヒトール(以上、花王(株)製)、リポラン、Kリポラン、ライポン、サンノール、リポタックTE、エナジコール、リパール、リオノール、ロータット(以上、ライオン(株)製等のアニオン性界面活性剤;エマルゲン、レオドール、レオドールスーパー、エマゾール、エマゾールスーパー、エキセル、エマノーン、アミート、アミノーン(以上、花王(株)製)、ドバノックス、レオコール、レオックス、ラオール、レオコン、ライオノール、カデナックス、リオノン、レオファット、エソファット、エソミン、エソデュオミン、エソマイド、アロモックス(以上、花王(株)製)等の非イオン性界面活性剤等が例示できるが、特にこれに限定されるものではなく、これらの界面活性剤を単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いることも可能である。
pH調整剤としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化物等を使用することができる。
本発明においては、インク着色粒子の沈降又は浮上を防止し、インクの保存安定性を向上させるため、次のストークスの式で算出される沈降速度が、3.9×10-7cm/sec(10mm/month)以下となるようにインク組成を調整することが好ましい。
Figure 0005105046

(式中、V:着色粒子の沈降速度(cm/sec)
r:着色粒子の体積平均径/2(cm)
ρ:着色粒子の密度(g/cm3)
ρw:インク溶媒の密度(g/cm3
g:重力の加速度(cm/sec2
η:インク溶媒の粘度(g/(cm・sec))
ここで、インク溶媒の粘度ηは、吐出安定性と紙面への浸透性の点から0.02〜0.08g/(cm・sec)に調整することが好ましく、また、着色粒子の半径は、前述のように体積平均径で1〜5μmとする。したがって、この式で算出される沈降速度が10mm/month(3.9×10-7cm/sec)となるようにするには、インク溶媒の密度ρwと着色粒子の密度ρとの差が0.02g/cm3以下、好ましくは0.005g/cm3以下となるように、添加剤を含めたインク溶媒の組成を調整することが好ましく、通常、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び臭化カリウム等の密度調整剤の含有量を30wt%以下の範囲で適宜調整する。
本発明のインクジェット記録用インクは、常法にしたがって上述の各成分を混合、撹拌することにより製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜4
(1)重合粒子の製造
表1の組成の重合粒子を、分散重合法で次のように重合した。
攪拌機、冷却管、温度計及びガス導入管を取り付けた反応装置に、ガス導入管から窒素ガスを導入しながら、表1の樹脂粒子仕込組成の各成分を反応装置に入れ、反応液を60℃に昇温して100rpmで撹拌し、表1の重合時間重合した。さらに、表1に記載のように、重合開始後所定時間で希釈剤及び架橋剤溶媒を添加して重合を続けた。その後、冷却して重合反応を停止させた。反応装置から重合粒子を濾別回収し、水−メタノール混合液で洗浄し、室温で48時間放置して乾燥させ、重合粒子を得た。
(2)着色樹脂粒子の製造
(1)で得た重合粒子を次のようにして着色した。
攪拌機、冷却管及び温度計を取り付けた反応装置に、イオン交換水100重量部、(1)で製造した重合粒子100重量部及び染料としてKayalon Polyester Black S-200(日本化薬(株)製)20重量部を入れ、これらの混合液を95℃に昇温して150rpmで1時間撹拌した。得られた着色樹脂粒子を、濾別回収し、着色樹脂粒子の表面に残っている余分な染料を取り除くために、イオン交換水100重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.8重量部及び水酸化ナトリウム0.8重量部の混合液を使用して還元洗浄を行い、室温で48時間放置して乾燥させ、着色樹脂粒子を得た。
(3)インクの調製
表2のインク組成のうち、着色樹脂粒子((2)で得たもの)以外の成分をよく混合し、その後、超音波をあてながら着色樹脂粒子を徐々に加えてよく撹拌し、インクを得た。
(4)評価
(a)着色樹脂粒子の体積平均径及び粒径分布
得られた着色樹脂粒子の体積平均径及び粒径分布を、粒度分布測定装置(マルチサイザーII;ベックマン・コールター社製)により測定した(測定個数:50000個)。ただし、体積平均径が1μm以下の粒子のみ、日機装(株)製マイクロトラックUPAを使用して測定した。なお、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子割合は、粒度分布計の各粒径のvol%一覧表より算出可能である。
(b)着色樹脂粒子とインク溶媒の密度
着色樹脂の密度をマイクロピクノメータ真密度測定装置(ユアサアイオニクス(株)製)により測定した。
また、インク溶媒(着色樹脂粒子を除くインク成分)の密度を密度比重計(DA−100;京都電子工業(株)製)により測定した。
(c)インク溶媒の粘度
インク溶媒(着色樹脂粒子を除くインク成分)の粘度をブルックフィールド粘度計(DVII+;ブルックフィールド製)により測定した。
(d)着色樹脂粒子の沈降速度
(3)で得たインクの体積平均粒子径の着色樹脂粒子について、前述のストークスの式で算出される着色樹脂粒子の沈降速度を算出した。
(d)保存安定性評価
(3)で得たインクを内径47mmの瓶に100cc取り分け(深さ約6cmになる)、30℃で1ヶ月放置後、瓶内のインクの上部からインクをサンプリングして、紫外可視分光光度計(UV−2450;(株)島津製作所製)を用いて、吸光度(λ=500nm)を測定し、以下の基準に基づき4段階に評価した。
AA:保存前の90%以上100%以下
A :保存前の80%以上90%未満
B :保存前の60%以上80%未満
C :保存前の60%未満
(e)印字評価
(3)で得たインクをインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(MFC−3100C;ブラザー工業(株)製)のカートリッジに分注(フォーム無し)し、同プリンタを使用して印字品質評価パターンを印字し、そのラインエッジとブリード(黄色地に黒インクを印字)を以下の基準に基づき評価した。
AA:抜けや滲みがなく、ラインエッジがシャープであり、ブリードもほとんどない
A :若干の抜けや滲みが認められるが、ラインエッジは顔料インクよりシャープ、かつブリードも一般的な顔料インクよりも良い
B :顔料インクと同等レベルのラインエッジおよびブリードである
C :染料インクと同等以下のラインエッジ及びブリード、又は画線部の抜けが目立つ
以上の評価結果を表2に示す。
表1及び表2から、着色樹脂粒子の体積平均径が1〜5μmであり、着色樹脂粒子中、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%以下である着色樹脂粒子No.1〜4を用いた実施例1〜4のインクによれば、保存安定性評価と印字評価のいずれも優れている。これに対し、着色樹脂粒子中、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%以下ではあるが、その体積平均径が1μmに満たない着色樹脂粒子No.5を用いた比較例1のインクは印字評価が劣っており、着色樹脂粒子の体積平均径は1〜5μmであるが、着色樹脂粒子中、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%を超えている着色樹脂粒子No.6〜8を用いた比較例2〜4のインクは保存安定性評価が劣っていることがわかる。
















Figure 0005105046






Figure 0005105046

本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェットプリンタによる印刷に広く使用することができ、通常のテキストドキュメントの他、特に画像のシャープさやブリードの防止が必要とされるグラフィック印刷や、速乾性が求められる高速プリンタ等でも有用となる。
インクジェットノズルにおけるメニスカスの説明図である。
符号の説明
1 インクジェットノズル
2 インク
3 メニスカス
4 着色粒子

Claims (5)

  1. 水、水溶性有機溶媒及び樹脂粒子と着色剤とを含む着色粒子を含有するインクジェット記録用インクであって、着色粒子の体積平均径が1〜5μmであり、
    着色粒子中、体積平均径の1.5倍以上の粒径の粒子が5vol%以下であるインクジェット記録用インク。
  2. インクジェット記録用インクを静置(25℃)した場合の着色粒子の、次のストークスの式により算出される沈降速度が3.9×10-7cm/sec以下である請求項1記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0005105046

    (式中、V:着色粒子の沈降速度(cm/sec)
    r:着色粒子の体積平均径/2(cm)
    ρ:着色粒子の密度(g/cm3)
    ρw:インク溶媒の密度(g/cm3
    g:重力の加速度(cm/sec2
    η:インク溶媒の粘度(g/(cm・sec))
  3. 着色粒子の密度が、1〜1.2g/cm3である請求項1又は2記載のインクジェット記録用インク。
  4. 粒径0.5μm以下の着色粒子が、着色粒子全体の5vol%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 着色粒子が、樹脂粒子を染料で着色したものである請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
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