JP3821265B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車両に関し、特に、前部と後部とに分解したときのためのスタンドを備えた電動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電動車両として、特開平4−371152号公報に記載のものが知られている。ここに開示された電動車両は一人乗り用の電動三輪車であり、遠隔の地で使用する場合などのため、前後に分解して車に搭載して運搬できるようになっている。こうした分解・連結の作業の必要から、前部側と後部側にはそれぞれスタンドが設けられる。スタンドは車体を分解した場合には起立状態となって車体を支持するが、車体を連結する場合には、連結動作に伴って跳ね上げられて車体の適所に格納されるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このスタンドは連結動作に伴って格納位置へ退避するものであるから、車で運搬する際には車の姿勢に拘わらず依然として起立したままの位置にある。したがって、運搬時としてはコンパクトさに欠けると言える。その対策としては、起立位置と格納位置との間の変位操作が容易にできるよう、適当な操作部材を設けて自在にスタンドを操作できるようにすることが望まれる。しかし、その場合にあっても、単に専用の操作部材を追加するのでは、部品点数の増加、ひいては重量増、コスト高につながってしまう。
【0004】
本発明はこうした事情に鑑みて開発工夫されたものであり、その目的とするところは、電動車両の構造を複雑化させることなく、スタンドの使い勝手に優れる電動車両を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、車体を前部側と後部側とに分解可能である一方、接地面に突き立てられることで分解状態にある前記車体を支持可能とする起立位置とこの起立位置から跳ね上げられた格納位置との間で変位可能とされたスタンドを有してなる電動車両であって、前記スタンドには、このスタンドを前記起立位置から前記格納位置へと変位させる操作部材が接続されるとともに、この操作部材は、前記スタンドの格納位置への保持と併せて、非拘束状態にある前記車体の装備品の固定が可能となっているところに特徴を有する。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の電動車両において、前記車体には、前記車体が分解状態にあるときに非拘束状態にある装備品と前記車体が連結状態にあるときに非拘束状態にある装備品とが備えられ、かつ前記操作部材は前記車体の分解時あるいは連結時においてそれぞれ前記非拘束状態にある装備品を選択して固定可能となっているところに特徴を有する。
【0007】
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の電動車両において、前記操作部材の先端にはロック部が装着され、前記車体には前記ロック部と解離可能に係止することで前記非拘束状態にある装備品を固定可能とするロック受け部が配されているところに特徴を有する。
【0008】
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3いずれかに記載の電動車両において、前記車体の前部側には倒伏可能なハンドル部が立設され、後部側には前記車体から取り外し可能にバッテリーが搭載され、前記操作部材は前記車体の分解時に倒伏されて非拘束状態にあるハンドル部を緊締可能であるとともに前記車体の連結時には非拘束状態にある前記バッテリーを緊締可能であるところに特徴を有する。
【0009】
さらに、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4いずれかに記載の電動車両において、前記操作部材はベルトによって形成されるとともに、その一端は前記スタンドに接続されかつ他端側は前記車体の床面を貫いて操作可能に引き出されているところに特徴を有する。
【0010】
さらに、請求項6に係る発明は、請求項5記載の電動車両において、前記操作部材が前記車体の床面を貫いて引き出される位置は、運転者の足載せ部位よりも後方に設定されているところに特徴を有する。
【0011】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、車体が前後に分解されたときには、スタンドを起立位置にすれば車体の支持がなされる。車体を連結させる場合には、操作部材によってスタンドを起立位置から格納位置へと移行させるとともに、この操作部材をそのまま非拘束状態にある装備品の固定に利用することができる。したがって、スタンドの操作部材と装備品の固定部材との共有化を図ることが可能となる。
【0012】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、車体に搭載された装備品のうち、車体の連結状態にあるときに非拘束状態となっているものと、車体の分解状態にあるときに非拘束状態となっているものがある場合において、操作部材が連結・分解状態のときどきに応じ、非拘束状態となっている装備品を選択して固定することができる。したがって、車体が分解・連結何れの状態にあるときにも操作部材は有効に利用されることになる。
【0013】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、ロック部とロック受け部との係止・解除を行うだけで装備品に対する操作部材の固定・解除が可能となるため、使い勝手に優れたものとなる。
【0014】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、操作部材は、分解時においては倒伏したハンドルを固定するとともに、連結時においてはバッテリーを固定する。したがって、分解時にはハンドルが回動等によりずれるのを防止可能であるとともに、車体をコンパクトにまとめることが可能となる。また、連結時には走行中にバッテリーのがたつきや外れを抑止可能である。
【0015】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、ベルトが床面上方へ引き出されているため、スタンドを起立位置から格納位置へ移行させる操作を容易に行うことが可能である。
【0016】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、上記操作部の引き出し口が足載せ部分よりも後方に配設されているので、操作部が乗員の足等に引っ掛かり電動車両の操縦の妨げとなることを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係る電動車両10は、車体前部20と車体後部30とに分解可能である。車体前部20には、前輪27とハンドル部28とが備わり、車体後部30には、一対の後輪37とバッテリー40と座席38とが備わる。図1は、電動三輪車10を連結して走行可能な状態を示しており、図2は、車体前部20と車体後部30とを分解して、車体後部30から座席38を取り外した状態を示している。
【0018】
車体後部30は、図1に示すように、リアボディ31に座席38が着脱可能に取付けられている。リアボディ31は全体を合成樹脂材で成形されており、内部には必要な強度を保持するための図示しないリアフレームを有する。リアボディ31の左右両側にはリアフェンダー35,35が一体的に設けられており、このリアフェンダー35,35で覆われた後輪37,37にはリアボディに内蔵される電動モータ(図示せず)からの駆動が伝わり、電動三輪車10は走行が可能となる。
【0019】
また、図1に示すように、リアボディ31の中央付近に設けられた左右一対の筒状のレッグサポート36,36は、座席38のシートレッグ38B,38Bを抜き差し自在に差し込んで座席38全体を支持するためのものである。座席38は、図1に示すように、シートクッション38Cとシートバック38Dとひじ掛け部38E,38Eとを備えて椅子状に形成されたシート38Aと、このシート38Aの下方に取り付けられる二本のシートレッグ38B,38Bとからなる。尚、シートクッション38Cの下方は荷物を収納するための収納空間として利用することができる。
【0020】
さらに、レッグサポート36,36の前方には、バッテリー40が搭載され、本実施形態においてバッテリー40は、鉛蓄電池を二つ搭載しており、走行のための電力を供給する。このバッテリー40は、リアボディ31の中央部から前端部にかけて凹み形成されたバッテリーハウジング34に収容されている(図2、図3参照)。また、図3に示すように、バッテリーハウジング34の前壁から続くリアボディ31の前端部には仕切壁33が設けられて、仕切壁33内はリアフレームのフロントメンバ31Fにより堅持されて、バッテリーハウジング34に作用するバッテリー40の重量を支持している。
【0021】
そして、図2に示すように、仕切壁33の左右両端には、連結孔部39が設けられている。ここへ通されたフロント連結部29がリアボディ31内に配された図示しない解除可能なロック機構によって抜け止めされる。これにより、車両の前後部の連結状態の維持が可能となる。
【0022】
車体前部20は、図1及び図2に示すようにフロントボディ21の前部に前輪27とハンドル部28とがステアリングシャフト25を介して取付けられている。フロントボディ21は全体を合成樹脂材で成形されて、内部には必要な強度を得るために図示しないフロントフレームが備わる。また、フロントボディ21の前部には、ステアリングシャフト25の下部側及び前輪27を収容する椀状のカップ23が形成されている。このカップ23の中央部分にはステアリングシャフト25を貫通させる貫通孔23Aが設けられている。
【0023】
ステアリングシャフト25は、図1及び図2に示すように、上部側をステアリングポスト26で覆われており、僅かに座席38側へ傾いて取り付けられている。また、ステアリングシャフト25は、中央部分でアッパステアリングシャフト25Uとロアステアリングシャフト25Lとに二分割され、これら二つのステアリングシャフト25U,25Lはステアリングポスト26で覆われた傾動機構45を介して回動可能に連結されおり、傾動機構45に備わったレバー48の操作によりアッパステアリングシャフト25Uの傾動及び折り畳みを可能とする。そして、ロアステアリングシャフト25Lの下端部には、前輪27が支持されており、アッパステアリングシャフト25Uの上端部には、後述するハンドル部28が備え付けられている。
【0024】
ハンドル部28は、握り部28Hと操作パネル28Pとからなる。握り部28Hは、ゴム等の弾性部材で覆われたパイプを、ステアリングポスト26の上端部から左右両側方へ突出させ、その両端部分を座席38側へ折り返して略楕円形状に形成されたものである。また、握り部28Hの間には操作パネル28Pが取り付けられている。そして、乗員は、握り部28Hを把持してハンドル部28を操作し、また、操作パネル28Pに設けたスイッチ等により、前進・後進の切り換えやヘッドライトの点灯等を行う。さらに、この操作パネル28Pには、握り部28Hに沿ってアクセルレバー28Aが備えられており、乗員が握り部28Hを握りながらアクセル操作することを可能としている(図1、図2参照)。
【0025】
フロントボディ21の中央部分から後端部分の上面側には、ステップ板24が組み付けられて平坦面を形成している。また、フロントボディ21の後端には車体後部30と連結するための左右一対のフロント連結部29,29が設けられている(図2参照)。このフロント連結部29,29は、本実施形態においては、車体前部20のサイドメンバ21Sの後端を延長して形成されており(図示なし)、上述した連結孔部39に挿入後、図示しないロック機構により固定される。
【0026】
さて、フロントボディ21の後方の下面側にはスタンド50が設けられており、分解時には、車体前部30の後端を支持して安定させる。
【0027】
スタンド50は、金属製のパイプによって形成され、接地部51の両端を屈曲させて全体としてコの字型をなしている(図2参照)。そして、その取付けは次のようにしてなされている(図3等参照)。スタンド50の両端部分には取付板52,52がそれぞれ固着されており、一方、フロントフレームのサイドメンバ21Sには取付ブラケット54,54が固着されている。両取付板52は対応する取付ブラケット54に対してピンによって回動可能に組み付けられており、これによってスタンド50全体が図3に示す矢印方向への回動が許容される。
【0028】
また、スタンド50にはスタンド50を起立方向へと付勢するためのスプリング56が取付けられている。スプリング56の一端はスタンド50の取付板52へ取付けられており、他端はサイドメンバ21Sの取付ブラケット54の前方に設けられたスプリング係止片53へ係止されている。
【0029】
さらに、図3に示すように、取付板52の先端にはテーパ部58が設けられている。このテーパ部58は、取付ブラケット54において外側へ張り出すようにして折り曲げられて形成された当接片55と当接可能となっていて、スプリング56による付勢力に抗してスタンド50を所定の起立位置に保持する。ここで、テーパ部58のテーパ形状又は当接片55の配設位置によって、スタンド50の起立位置での対地角等を設定することが可能である。
【0030】
一方、スタンド50にはフロントボディ21を貫いて引っ張り出されたベルト状の操作ベルト60(本発明の操作部材に相当する)が接続されており、スタンドの起立・格納の操作を可能としている(図2参照)。操作ベルト60の一端は、スタンド50の接地部51の左右両外側に設けられたコの字型形状のベルトフック57,57に固定されている。また、操作ベルト60の他端は、車体前部20のステップ板24の後端部で乗員が着座した際に足を載せる個所よりも後方に設けられた引出し孔65からステップ板24上に引っ張り出され、その先端には操作バックル61が備えられる。ここで、操作バックル61は、リアバックル63又はフロアバックル62と対をなして係止可能なロック機構を有し、その構造は、例えば自動車のシートベルトのバックルに用いられるものと同様の周知構造である。
【0031】
リアバックル63,63は、リアボディ31におけるバッテリーハウジング34の後端とレッグサポート36,36の間に配設されており、操作ベルト60と同様、柔軟性を有するベルトの先端に取り付けられている。そして、操作ベルト60の操作バックル61に挿入されることによって連結可能となり、その状態でバッテリー40の固定がなされる(図3及び図6参照)。
【0032】
フロアバックル62,62は、フロントボディ21における後端部分で引出し孔65の前方へ配設されており、操作ベルト60の操作バックル61に挿入されて、倒伏したハンドル部28を固定する(図3〜図5参照)。
【0033】
そして、操作ベルト60は、図3の実線で示した操作バックル61とリアバックル63とが連結状態にあるとき、また、図3の一点鎖線で示した操作バックル61とフロアバックル62とが連結状態にあるとき、ともに緊張状態となって、バッテリー40とハンドル部28とのそれぞれを、がたつきなく保持するとともに、いずれのときにおいてもスタンド50は跳ね上げられた位置で保持する長さである。
【0034】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作について、特に連結状態の電動三輪車10を分解する工程について説明する。尚、電動三輪車10を連結する場合は以下に述べる工程を逆にして行えば良い。
【0035】
図3の実線で示すように、電動三輪車10が前後で連結されている状態において、操作ベルト60は操作バックル61とリアバックル63との係止によりバッテリー40を固定しているとともに、スタンド60をスプリング56のバネ力に抗して格納位置に保持している。この状態においては操作ベルト60は緊張状態であるのでバッテリー40が電動車両10からの振動を受けてもがたつかない。
【0036】
操作ベルト60の操作バックル61のロックを解除すると、操作バックル61はリアバックル63から解離するため、バッテリー40は非拘束状態となる。その後、スタンド60はスプリング56による付勢状態にあるので、スプリング56に引っ張られて図3の二点鎖線で示したように起立位置へと自動的に変位する。すると、スタンド60はテーパ部58と当接片55との当接によって起立位置で停止する。
【0037】
そして、リア連結部39のロックを解除して車体後部30を後方に引っ張り出すことにより、フロント連結部29とリア連結部との嵌合を外して、車体前部20と車体後部30とを分離させる。すると、図2に示すように車体前部20はスタンド60によって、後端側が支持されて安定する。
【0038】
続いて、車体前部20のステアリングシャフト25に設けた傾動機構45のレバー48を操作してハンドル部28を倒伏させる。ハンドル部28を倒伏させた後に傾動機構45のレバー48を操作して固定すると上下方向の回動が抑制されて倒伏状態が保持される。
【0039】
それとともに、操作ベルト60を引っ張り、ハンドル部28の握り部28Hに通して引っ掛け、操作バックル61へフロアバックル62を挿入してロックする(図5参照)。これにより、ハンドル部28はさらに左右方向の回動を抑制されて固定される。このときハンドル部28を固定する作業と同時にスタンド50は格納位置に移行する。こうして電動三輪車10の分解作業が完了する。この状態において、操作ベルト60はスタンド50をスプリングのバネ力に抗して跳ね上げられた格納位置に保持するとともに、操作ベルト60は緊張状態にあって、ハンドル部28をがたつきなく保持している。
【0040】
このように、本実施形態の電動三輪車10によれば、スタンド50の操作部材である操作ベルト60が、連結時は車載したバッテリー40を固定でき、また、分解時は倒伏したハンドル部28を固定できるので、電動三輪車10は、それぞれの専用部品を設けることなく部品を共有化することが可能となる。また、電動三輪車10は、車体が分解・連結何れの状態にあるときにも操作ベルト60を有効に利用することが可能である。これにより、電動三輪車10は、軽量化及びコストの削減を達成することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態のように電動三輪車10は、車載したバッテリー40の固定とスタンド50の格納とを同時に行うことにより、バッテリー40の固定を行うことで意識せずにスタンド50の格納を行うことが可能である。
【0042】
さらに、電動三輪車10は、分解時において、操作ベルト60が倒伏したハンドル部28を固定するので倒伏後のハンドル部28が回動してずれてしまうことを抑制することが可能である。それとともに、このとき、操作ベルト60は、スタンド50を収納位置に保持しかつハンドル部28を倒伏状態で固定することが可能であるので、本実施形態は、分解後の電動車両10をコンパクトにまとめることが可能となる。
【0043】
そして、操作ベルト60がステップ板24の上方へ引き出されているため、電動三輪車10は、スタンド50を起立位置から格納位置へと移行させる操作を容易に行うことが可能となる。
【0044】
また、電動三輪車10は操作ベルト60がステップ板24の上方に引き出されているので、操作ベルト60がバッテリー40を固定しているか否かは乗員に容易に視認可能であるから、それに伴い乗員はスタンド50を格納しているか否かの状態を容易に確認することができる。そのため、電動三輪車10はスタンド50の格納を失念してしまうこと及び走行中に不意にスタンド50が起立してしまうことを防ぐことが可能であり、安全性が向上する。
【0045】
また、本実施形態では、電動三輪車10の左右両側に操作ベルト60を設けてあるから、左右どちら側からでも操作ベルト60を操作することが可能であり使い勝手に優れる。
【0046】
さらに、本実施形態の電動三輪車1は、操作ベルト60の引出し孔65がステップ板24の足載せ部分よりも後方に配設されているので、操作ベルト60が乗員の足等に引っ掛かり電動三輪車10の操縦の妨げとなることを防ぐことができる。
【0047】
<第2実施形態>
図7、図8は本発明の第2実施形態を示す。
この第2実施形態は、操作ベルト60の操作バックル61をフック形状とし、フロアバックル62とリアバックル63との形状を長方形の板材に長方形状の孔を設けて、フロントボディ21とリアボディ31とに直接設置した点において上記第1実施形態とは異なるものである。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0048】
このような構成によれば、電動三輪車10は操作ベルト60の係止のための構造を軽量化することが可能となるとともに、フロアバックル62又はリアバックル63を使用していない場合に場所をとらないとともに、乗員の操縦の妨げとならない。
【0049】
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態においては、フロアバックル62又はリアバックル63を使用していない場合には、それぞれが剥き出しになっているが、使用しない場合にそれぞれのバックルが収容される凹部を設ける等により収納可能なものであってもよい。
【0050】
(2)上記実施例においては、バッテリー40がそのまま剥き出しになっていたがバッテリーカバーによって覆う構成であってもよい。また、バッテリーは2個に限らず幾つであっても良い。
【0051】
(3)上記実施形態においては電動三輪車10であったが車輪の数には限定されるものではなく、例えば四輪の電動車両であってもよい。
【0052】
(4)上記実施形態においては、電動三輪車10のスタンドは車体前部20にのみ備わっていたが、さらに車体後部30にも備えられたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動三輪車の斜視図である。
【図2】分解中の電動三輪車の斜視図ある。
【図3】電動三輪車の拡大断面図である。
【図4】分解前後の電動三輪車の車体前部の側面図である。
【図5】フロアバックルの拡大図である。
【図6】リアバックルの拡大図である。
【図7】第2実施形態のフロアバックルの拡大図である。
【図8】第2実施形態のリアバックルの拡大図である。
【符号の説明】
10…電動三輪車(電動車両)
20…車体前部(前部)
24…ステップ板(床面)
28…ハンドル部
30…車体後部(後部)
40…バッテリー
50…スタンド
60…操作ベルト(操作部材)
61…操作バックル(ロック部)
62…フロアバックル(ロック受部)
63…リアバックル(ロック受部)

Claims (6)

  1. 車体を前部側と後部側とに分解可能である一方、接地面に突き立てられることで分解状態にある前記車体を支持可能とする起立位置とこの起立位置から跳ね上げられた格納位置との間で変位可能とされたスタンドを有してなる電動車両であって、
    前記スタンドには、このスタンドを前記起立位置から前記格納位置へと変位させる操作部材が接続されるとともに、この操作部材は、前記スタンドの格納位置への保持と併せて、非拘束状態にある前記車体の装備品の固定が可能となっていることを特徴とする電動車両。
  2. 前記車体には、前記車体が分解状態にあるときに非拘束状態にある装備品と前記車体が連結状態にあるときに非拘束状態にある装備品とが備えられ、かつ前記操作部材は前記車体の分解時あるいは連結時においてそれぞれ前記非拘束状態にある装備品を選択して固定可能となっていることを特徴とする請求項1記載の電動車両。
  3. 前記操作部材の先端にはロック部が装着され、前記車体には前記ロック部と解離可能に係止することで前記非拘束状態にある装備品を固定可能とするロック受け部が配されていることを特徴とする請求項1または2記載の電動車両。
  4. 前記車体の前部側には倒伏可能なハンドル部が立設され、後部側には前記車体から取り外し可能にバッテリーが搭載され、前記操作部材は前記車体の分解時に倒伏されて非拘束状態にあるハンドル部を緊締可能であるとともに前記車体の連結時には非拘束状態にある前記バッテリーを緊締可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の電動車両。
  5. 前記操作部材はベルトによって形成されるとともに、その一端は前記スタンドに接続されかつ他端側は前記車体の床面を貫いて操作可能に引き出されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の電動車両。
  6. 前記操作部材が前記車体の床面を貫いて引き出される位置は、運転者の足載せ部位よりも後方に設定されていることを特徴とする請求項5記載の電動車両。
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