JP3820597B2 - エンジン用動弁装置の制御回路 - Google Patents

エンジン用動弁装置の制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、運転状況に応じて吸・排気バルブのバルブリフト量や開弁時期等を変化させることができるエンジン用動弁装置の制御回路に係り、特に、エンジンを作動・停止するイグニッションスイッチ等のON−OFF時に、カム切替音の発生を防止するエンジン用動弁装置の制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車および自動二輪車等の車両に搭載される4サイクルエンジンでは、燃焼室上方に吸・排気バルブが配設されており、これらのバルブは動弁装置によって駆動される。すなわち、上記動弁装置は、エンジンのクランクシャフトに連動するカムシャフトを備え、このカムシャフトに形成されたカムによって上記吸・排気バルブを所定のタイミングで上下動させている。
【0003】
ところで、上記4サイクルエンジンは、低回転数域から中・高回転数域にかけての広い回転数域内で高い出力が得られること、つまりパワーバンドが広帯域であることが望ましい。
【0004】
しかし、従来の動弁装置では、バルブの開閉タイミングおよびリフト量が固定されているため、特定のエンジン回転数域においてピーク値を有する出力特性しか得られず、したがって低回転数域の出力特性に重点を置くか、もしくは中・高回転数域の出力特性に重点を置くかの選択を余儀なくされる。
【0005】
そこで、ソレノイドバルブの作動によって作動油の流れ方向を切り替えてロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構と、ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタとを有し、低速用および中高速用ロッカアームの両先端部が吸・排気バルブの軸線の延長上に重ね合せて配置されたエンジンの動弁装置が考案されたが、イグニッションスイッチ等のエンジン停止スイッチのON−OFF操作時にカムの切替音が発生するため、このカム切替音の発生を防止する目的で、特開平5−18281号公報に開示されるエンジンの動弁装置(以下、従来技術と称す)を本発明者は考案した。
【0006】
この従来技術には、二つの発明が開示されており、第一の発明は、ソレノイドコイルの一端をイグニッションスイッチのON−OFF操作に拘らずバッテリープラス端子と連結し、イグナイタ内にソレノイドコイルの他端への結線に時定数回路を設置し、さらに、イグナイタは、中高速用カムの作動時にエンジン回転数が低回転数域にあっても、エンジン回転数が一旦中高速回転数域まで上昇した後低回転数域に低下したときに初めてソレノイドをON操作して低速用カムを作動させるようにしたものである。
【0007】
また、第二の発明は、ソレノイドおよびイグナイタに、バッテリおよびイグニッションスイッチを経てオルタネータからともに遅延タイマリレーのリレーを介して電圧が印加可能に設けられ、さらに遅延タイマリレーのリレーのON−OFFを制御する遅延回路に、イグニッションスイッチのON−OFF操作に拘らずオルタネータからの電圧が印加されるように構成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の第一の発明においては、イグナイタ内の時定数回路の時定数が一定と決められているため、イグニッションスイッチ等のエンジン停止スイッチがOFF操作されてから一定の時間が経過するとソレノイドがOFF操作されてしまう。ところが、エンジンの、エンジン停止操作から完全停止状態、すなわち作動油の油圧が著しく低下した状態、まで要する時間は必ずしも一定でないため、作動油の油圧が充分低下してない状態でソレノイドをOFF操作してしまう虞がある。
【0009】
また、第二の発明においては、イグニッションスイッチに接点を二つ以上備えた特殊なスイッチを必要とすると共に、遅延タイマリレーという特殊なリレーを使用するため、電気回路が複雑になり、また、コストアップにも繋がる。
【0010】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ソレノイドバルブの作動によって作動油の流れ方向を切り替えてロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備えるエンジンを作動・停止させるイグニッションスイッチ等のON−OFF操作のタイミングにより、作動油の油圧が十分低下していない状態でOFFし、再びON操作するときのロッカシャフト駆動機構による低速用カムと高速用カムとの作動を択一的に切り替える動作の作動不良により生じるカム切替音の発生を防止可能なエンジン用動弁装置の制御回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルおよびエンジンの回転数に応じて昇降する上記油圧アクチュエータの作動油圧を検出するオイルプレッシャースイッチが接続される一方、上記中央処理装置は、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したものである。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルが接続される一方、上記中央処理装置は、上記エンジン回転数が所定の回転数より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記エンジン回転数が所定の回転数より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したものである。
【0013】
【作用】
上記の構成を有する本発明においては、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルおよびエンジンの回転数に応じて昇降する上記油圧アクチュエータの作動油圧を検出するオイルプレッシャースイッチが接続される一方、上記中央処理装置は、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したため、上記イグニッションスイッチをOFF操作することにより上記ソレノイドがOFF状態となってカムを中高速用カムにセットしようとしても作動油圧は著しく低下した状態となって上記油圧アクチュエータを作動できず、よってカムは切り替わらないので、従来の制御回路に比べて簡単な電気回路で上記イグニッションスイッチのON−OFF時のカム切換音の発生を防止できる。
【0014】
また、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルが接続される一方、上記中央処理装置は、上記エンジン回転数が所定の回転数より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記エンジン回転数が所定の回転数より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したため、上記イグニッションスイッチをOFF操作することにより上記ソレノイドがOFF状態となってカムを中高速用カムにセットしようとしても作動油圧は著しく低下した状態となって上記油圧アクチュエータを作動できず、よってカムは切り替わらないので、従来の制御回路に比べて簡単な電気回路で上記イグニッションスイッチのON−OFF時のカム切換音の発生を防止できる。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路が適用される動弁装置の一実施例を示す斜視図である。
【0017】
この動弁装置は、エンジンの一つのシリンダにおける吸気側と排気側にそれぞれ配設される。したがって、図1〜図3に示すバルブ1,2は吸気または排気を行なうために配置されている。
【0018】
この一実施例は、低速用カム3、並びにこの低速用カム3の一側方および他側方にそれぞれ配置された中高速用カム4,5を有したカムシャフト6(図2、図3)と、カム3,4および5のそれぞれの下方に位置された低速用ロッカアーム7、中高速用ロッカアーム8,9と、これらのロッカアーム7,8および9の支持部7a,8a,9aが嵌挿され、かつ図示しないシリンダヘッドのロッカシャフト軸受部に回動自在に支承されたロッカシャフト10と、このロッカシャフト10を回動させるロッカシャフト駆動機構11(図4)とを備えて構成される。
【0019】
低速用ロッカアーム7の先端は二方に分岐し、これらの両分岐先端部7bは、図示しないエンジンの燃焼室を開閉する上記バルブ1,2のステム1a,2a頭部にそれぞれ当接している。また、低速用ロッカアーム7の支持部7aは、ロッカシャフト10に直接嵌挿されて、回動可能に設けられる。
【0020】
中高速用ロッカアーム8,9のそれぞれの支持部8a,9aは、ロッカシャフト10よりも大径の偏心ブッシュ12を介して、ロッカシャフト10に対し回動可能に嵌挿される。この偏心ブッシュ12は、図2に示すように、軸心がロッカシャフト10の中心から偏心しており、位置決め固定ピン13によってロッカシャフト10に着脱自在に固定される。したがって、この偏心ブッシュ12は、ロッカシャフト10におけるエキセントリック大径部として機能する。
【0021】
また、中高速用ロッカアーム8,9の各先端部8b,9bの下面は、低速用ロッカアーム7の一方および他方の分岐先端部7bに、シム14aを介してそれぞれ当接される。したがって、図2に示すように、低速用カム3が低速用ロッカアーム7のカムフロア面7cを押下げて、その各先端部7bを下降させた場合(低速用カム3の作動時)には、中高速用ロッカアーム8,9の各先端部8b,9bは、分岐先端部7bと共に押下げられるには至らない。
【0022】
一方、図3に示すように、中高速用カム4,5が中高速用ロッカアーム8,9のカムフロア面8c,9cをそれぞれ押下げた場合(中高速用カム4,5の作動時)には、これらのロッカアーム8,9の先端部8b,9bが低速用ロッカアーム7の各分岐先端部7bを押下げることから、この分岐先端部7bは強制的に下降される。
【0023】
なお、バルブ1,2のステム1a,2a頭部には有蓋円筒形状のシム14bが被冠され、このシム14bに、低速用ロッカアーム7の分岐先端部7b下面が当接する。これらのシム14aおよび14bは、バルブ1,2のタペットクリアランス調整用に用いられる。
【0024】
前記カム3,4および5のうち、中高速用カム4,5は同一のカムプロフィールを有し、また低速用カム3はこれらの中高速用カム4,5のカムプロフィールとは異なるカムプロフィールを有する。つまり、低速用カム3は、エンジンが低回転数域で運転されているときに適したバルブリフト量および開閉弁時期が得られるようにそのカムプロフィールが設定される。また、中高速用カム4,5は、エンジンが中・高回転数域で運転されているときに適したバルブリフト量および開閉弁時期が得られるようにそのカムプロフィールが設定される。
【0025】
また、前記ロッカシャフト駆動機構11は、図1および図4に示すように、エンジンオイルを作動油として作動する油圧アクチュエータ15と、この油圧アクチュエータ15へ供給されるエンジンオイルの流れを切り替えるオイル切替ソレノイドバルブ16とを有して構成される。
【0026】
油圧アクチュエータ15は、アクチュエータボディ17のシリンダ18内にピストン19が対向配置され、さらにアクチュエータボディ17には、シリンダ18の両端部に連通された低速用油路20と、シリンダ18の軸方向中央位置に連通した中高速用油路21とが形成されたものである。ピストン19の先端部にはラック22が一体に成形され、このラック22がロッカシャフト10の端部に形成されたピニオン23に噛み合う。
【0027】
一方、オイル切替ソレノイドバルブ16は、バルブボディ24内にスプールバルブ25が配設され、このスプールバルブ25を電磁石26の励磁および消磁によって摺動させるものである。バルブボディ24には、エンジンオイルが流入する給油ポート27と、低速用油圧パイプ28を経て油圧アクチュエータ15の低速用油路20に連通された低速用給油ポート29と、中高速用油圧パイプ30を経て油圧アクチュエータ15の中高速用油路21に連通された中高速用給油ポート31と、リリーフポート32とがそれぞれ形成される。また、電磁石26の励磁および消磁は、エンジン回転数等に基づいて、後述のイグナイタ33により制御される。
【0028】
電磁石26が励磁すると、スプールバルブ25が図4に示す位置から矢印Q方向に移動し、給油ポート27と低速用給油ポート29とが連通し、かつ中高速用給油ポート31がリリーフポート32に連通する。このため、作動油は給油ポート27から低速用給油ポート29、低速用油圧パイプ28を経て油圧アクチュエータ15の低速用油路20へ導入され、ピストン19は図4に示す矢印M方向に押し戻されて、ピニオン23が矢印O方向に回動する。これにより、図2に示すように、偏心ブッシュ12の厚肉頂部12aが斜め前方へ移動して、低速用カム3が低速用ロッカアーム7を作動し、バルブ1,2を駆動する。
【0029】
また、電磁石26が消磁すると、ソレノイドリターンスプリング34の付勢力によってスプールバルブ25が図4に示す位置へ移動し、その結果、給油ポート27と中高速用給油ポート31とが連通し、かつ低速用給油ポート29とリリーフポート32とが連通する。このため、作動油は給気ポートから中高速用給油ポート31および中高速用油圧パイプ30を経て中高速用油路21へ導入され、ピストン19は図4に示す矢印N方向へ押し出されて、ピニオン23が矢印P方向に回動する。これにより、図3に示すように、偏心ブッシュ12の厚肉頂部12aが斜め後方へ移動して、中高速用カム4,5が中高速用ロッカアーム8,9を作動し、バルブ1,2を駆動する。
【0030】
図5は、本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路の第1実施例を示す電気回路図である。図5に示すように、オルタネータ35およびバッテリ36の少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチ37を介する電源回路38およびイグナイタ電源リレー(以下、第1リレーと称す)39を介する電源回路40を経てイグナイタ33および電磁石26のソレノイド41へ通電されるようになっている。
【0031】
イグナイタ33は、イグニッションコイル42へ流れる電流を断続する点火用トランジスタ43と、ソレノイド41へ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタ44と、第1リレー39へ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタ45と、各トランジスタ43,44,45のベース端子への電流を制御する中央処理装置であるCentral Processing Unit(以下、CPUと称す)46とを有して構成される。
【0032】
図5に示す電気回路では、オルタネータ35にて発生した交流電流は、レギュレートレクティファイア47にて整流され、電圧値が制御された後、第1フューズ48を経てバッテリ36に蓄電されると共に、イグニッションスイッチ37、第2フューズ49、サイドスタンドリレー(以下、第2リレーと称す)50およびキルスイッチ51を経て、イグニッションコイル42へ供給される。
【0033】
また、電流は、イグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経て、イグナイタ33のCPU46およびオイル切替ソレノイドバルブ16のソレノイド41へ供給される。なお、バッテリ36からの電流も同様にイグニッションコイル42、CPU46およびソレノイド41へ供給される。
【0034】
一方、オルタネータ35およびバッテリ36からの電流は、イグニッションスイッチ37の上流側から第1リレー39を経てイグニッションスイッチ37およびキルスイッチ51のON−OFF操作と無関係にCPU46およびソレノイド41へ供給されるようにもなっている。
【0035】
さらに、ソレノイド41は、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44のコレクタ端子に接続される。また、第1リレー39は、リレースイッチング用トランジスタ45のコレクタ端子に接続される。
【0036】
イグナイタ33のCPU46には、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号、作動カム判定スイッチ54からのカム判定信号およびオイルプレッシャースイッチ55からのオイルプレッシャー信号が入力される。
【0037】
ピックアップコイル53はオルタネータ35の回転からエンジン回転数を検出し、また、作動カム判定スイッチ54は、ロッカシャフト10の回動位置を検出して、低速用カム3または中高速用カム4,5のいずれかの作動状態を判定するものである。さらに、オイルプレッシャースイッチ55は、エンジンの回転数に応じて昇降する油圧アクチュエータ15の作動油圧を検出し、作動油圧が所定の油圧より高い場合はOFF信号を、また、作動油圧が所定の油圧より低い場合はON信号をCPU46に出力するものである。
【0038】
CPU46は、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号が所定回転数より高い場合、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44をOFF作動させる一方、エンジン回転数信号が所定回転数より低い場合、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44をON作動させる。また、オイルプレッシャースイッチ55からの信号がOFFの場合、リレースイッチング用トランジスタ45をON作動させる一方、信号がONの場合、リレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。但し、リレースイッチング用トランジスタ45をONからOFFに切り替える時は、オイルプレッシャースイッチ55からの信号を受けてから所定時間を経てから切り替わるよう、予めタイムラグが設定される。
【0039】
なお、符号56は、イグニッションスイッチ37の下流側の電圧を検出して、レギュレートレクティファイア47が一定電圧値(例えば12V)の直流に制御するための検出線であり、符号57は点火プラグを示す。
【0040】
ここで、イグニッションスイッチ37をON操作すると(図6のA点)、バッテリ36からの電流は第1フューズ48、イグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経てCPU46およびソレノイド41に給電される(図6のB点)。
【0041】
この時、給電されたCPU46は、エンジンが始動前で、油圧アクチュエータ15の作動油圧が低いため、オイルプレッシャースイッチ55からのON信号(図6のC点)によりリレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。よって、第1リレー39はOFF状態である(図6のD点)。また、エンジンが始動前で、オルタネータ35が回転していない(図6のE点)ため、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号によりソレノイドスイッチング用トランジスタ44をON作動させる。よって、ソレノイド41もON状態となってカムを低速用カム3にセットする。(図6のF点)。
【0042】
第2リレー50およびキルスイッチ51がON状態でエンジン始動装置、例えばセルスイッチ(図示せず)をON操作することによりエンジンは回転を始め、油圧アクチュエータ15の作動油圧も徐々に上昇する。エンジンの回転数が上昇し、作動油圧が所定の油圧(図6のG線)以上に達すると、オイルプレッシャースイッチ55はCPU46にOFF信号を出力し(図6のH点)、リレースイッチング用トランジスタ45をON作動させる。
【0043】
リレースイッチング用トランジスタ45をON作動させることにより、第1リレー39はON状態となり(図6のI点)、オルタネータ35およびバッテリ36からの電流は、イグニッションスイッチ37の上流側から第1リレー39を経てイグニッションスイッチ37およびキルスイッチ51のON−OFF操作と無関係にCPU46およびソレノイド41へ供給されるようになる。
【0044】
一方、CPU46は、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号に基づいて点火用トランジスタ43を操作し、イグニッションコイル42の一次コイルへ流れる電流を制御して点火時期を制御する。さらに、CPU46は、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号および作動カム判定スイッチ54からのカム判定信号を入力して、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44のベース端子へ流れる電流を制御し、ソレノイド41をON−OFF操作する。
【0045】
つまり、CPU46は、エンジン回転数上昇時には、例えば約9500rpm以下の回転数でソレノイドスイッチング用トランジスタ44へ給電し、ソレノイド41をON操作して電磁石26を励磁させ、スプールバルブ25および油圧アクチュエータ15の作用で低速用カム3を作動させると共に、約9500rpm以上の回転数でソレノイドスイッチング用トランジスタ44への給電を遮断してソレノイド41をOFF操作し、電磁石26を消磁させて中高速用ロッカアーム8,9を作動させる(図6のJ点)。
【0046】
また、CPU46はエンジン回転数の下降時には、例えば約9000rpm以上の回転数でソレノイド41をOFF操作して、電磁石26を消磁し、中高速用カム4,5を作動させる一方、約9000rpm以下の回転数でソレノイド41をON操作し、電磁石26を励磁して低速用カム3を作動させる(図6のK点)。
【0047】
さらに、CPU46は、作動カム判定スイッチ54からのカム判定信号を入力し、このCPU46へ給電された時点において中高速用カム4,5に切り替わっているときには、エンジン回転数が一旦約9500rpm以上の中高速用カム4,5の作動領域まで上昇しない限り、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44へ給電せず、ソレノイド41をOFF操作し続けて、中高速用カム4,5およびの作動状態を維持させる。
【0048】
第1リレー39がON状態で、イグニッションスイッチ37がOFF操作されると(図6のL点)、イグニッションコイル42に給電される電流およびイグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経てCPU46およびソレノイド41に給電される電流は断たれてしまうが、エンジンはまだ完全停止には至らない状態で回転を続けているため(図6のM)、作動油圧は下り切っておらず、オイルプレッシャースイッチ55はCPU46にOFF信号を出力し続け(図6のN点)、リレースイッチング用トランジスタ45もON作動し続けて第1リレー39はON状態を維持し(図6のP点)、電流はCPU46およびソレノイド41へ供給され続ける。
【0049】
エンジンが完全停止に向かってその回転数が低下するに従って作動油圧も低下し、所定の油圧(図6のG線)以下に達すると、オイルプレッシャースイッチ55はCPU46にON信号を出力し(図6のQ点)、予め設定されたタイムラグ(図6のR)の後リレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。
【0050】
リレースイッチング用トランジスタ45がOFF作動されることにより第1リレー39もOFF状態となり(図6のS点)、CPU46およびソレノイド41への給電は完全に断たれ(図6のT点)、ソレノイド41もOFF状態となる(図6のU点)。
【0051】
ところで、ソレノイド41をOFF状態とすることによりカムを中高速用カム4,5にセットしようとするが、作動油圧は著しく低下した状態となっているため、油圧アクチュエータ15は作動できず、よってカムは切り替わらない。よって、カム切替音も発生しない。
【0052】
第1リレー39がON状態で、キルスイッチ51がOFF操作されると(図7のAA点)、イグニッションコイル42に給電される電流は断たれてしまうが、エンジンはまだ完全停止には至らない状態で回転を続けているため(図7のBB)、作動油圧は下り切っておらず、オイルプレッシャースイッチ55はCPU46にOFF信号を出力し続け(図7のCC点)、リレースイッチング用トランジスタ45もON作動し続けて第1リレー39はON状態を維持し(図7のDD点)、電流はCPU46およびソレノイド41へ供給され続ける。
【0053】
エンジンが完全停止に向かってその回転数が低下するに従って作動油圧も低下し、所定の油圧(図7のEE線)以下に達すると、オイルプレッシャースイッチ55はCPU46にON信号を出力し(図7のFF点)、予め設定されたタイムラグ(図7のGG)の後リレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。
【0054】
リレースイッチング用トランジスタ45がOFF作動されることにより第1リレー39もOFF状態となる(図7のHH点)が、イグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経てCPU46およびソレノイド41に給電される電流はまだ断たれておらず、イグニッションスイッチ37がOFF操作された時点(図7のII点)でCPU46およびソレノイド41への給電は完全に断たれ(図7のJJ点)、ソレノイド41もOFF状態となる(図7のKK点)。
【0055】
ところで、ソレノイド41をOFF状態とすることによりカムを中高速用カム4,5にセットしようとするが、作動油圧は著しく低下した状態となっているため、油圧アクチュエータ15は作動できず、よってカムは切り替わらない。よって、カム切替音も発生しない。
【0056】
なお、オイルプレッシャースイッチ55が切り替わる作動油圧は、その対応するエンジン回転数がオイルプレッシャースイッチ55機能を満足し得る最低回転数に設定するのが望ましい。
【0057】
図8は、本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路の第2実施例を示す電気回路図である。この第2実施例の電気回路は、第1実施例の電気回路からオイルプレッシャースイッチ55を取除いたもので、他はすべて同一であるから、第1実施例と同一の符号を付す。
【0058】
第2実施例の電気回路において、イグナイタ33のCPU46には、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号および作動カム判定スイッチ54からのカム判定信号が入力される。ピックアップコイル53はオルタネータ35の回転からエンジン回転数を検出し、エンジン回転数信号が所定回転数より高い場合、リレースイッチング用トランジスタ45をON作動させると共にソレノイドスイッチング用トランジスタ44をOFF作動させる一方、エンジン回転数信号が所定回転数より低い場合、リレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させると共にソレノイドスイッチング用トランジスタ44をON作動させる。但し、リレースイッチング用トランジスタ45をONからOFFに切り替える時は、エンジン回転数信号が所定回転数より低くなってから所定時間を経てから切り替わるよう、予めタイムラグが設定される。
【0059】
ここで、イグニッションスイッチ37をON操作すると(図6のA点)、バッテリ36からの電流は第1フューズ48、イグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経てCPU46およびソレノイド41に給電される(図6のB点)。
【0060】
この時、給電されたCPU46は、エンジンが始動前で、オルタネータ35が回転していない(図6のE点)ため、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号によりリレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。よって、第1リレー39はOFF状態である(図6のD点)。また、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号によりソレノイドスイッチング用トランジスタ44をON作動させる。よって、ソレノイド41もON状態となってカムを低速用カム3にセットする。(図6のF点)。
【0061】
第2リレー50およびキルスイッチ51がON状態でエンジン始動装置、例えばセルスイッチ(図示せず)をON操作することによりエンジンは回転を始め、油圧アクチュエータ15の作動油圧も徐々に上昇する。エンジンの回転数が上昇し、所定の回転数(図6のG線)以上に達すると、CPU46はピックアップコイル53からのエンジン回転数信号に基づいてリレースイッチング用トランジスタ45をON作動させる。
【0062】
リレースイッチング用トランジスタ45をON作動させることにより、第1リレー39はON状態となり(図6のI点)、オルタネータ35およびバッテリ36からの電流は、イグニッションスイッチ37の上流側から第1リレー39を経てイグニッションスイッチ37およびキルスイッチ51のON−OFF操作と無関係にCPU46およびソレノイド41へ供給されるようになる。
【0063】
一方、CPU46は、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号に基づいて点火用トランジスタ43を操作し、イグニッションコイル42の一次コイルへ流れる電流を制御して点火時期を制御する。さらに、CPU46は、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号および作動カム判定スイッチ54からのカム判定信号を入力して、ソレノイドスイッチング用トランジスタ44のベース端子へ流れる電流を制御し、ソレノイド41をON−OFF操作する。
【0064】
第1リレー39がON状態で、イグニッションスイッチ37がOFF操作されると(図6のL点)、イグニッションコイル42に給電される電流そしてイグニッションスイッチ37、第2フューズ49およびダイオード52を経てCPU46およびソレノイド41に給電される電流は断たれてしまうが、エンジンはまだ完全停止には至らない状態で回転を続けているため(図6のM)、エンジン回転数は下り切っておらず、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号によりリレースイッチング用トランジスタ45はON作動し続けて第1リレー39はON状態を維持し(図6のP点)、電流はCPU46およびソレノイド41へ供給され続ける。
【0065】
エンジンが完全停止に向かってその回転数が低下するに従ってエンジン回転数が所定の回転数(図6のG線)以下に達すると、ピックアップコイル53からのエンジン回転数信号により、予め設定されたタイムラグ(図6のR)の後リレースイッチング用トランジスタ45をOFF作動させる。
【0066】
リレースイッチング用トランジスタ45がOFF作動されることにより第1リレー39もOFF状態となり(図6のS点)、CPU46およびソレノイド41への給電は完全に断たれ(図6のT点)、ソレノイド41もOFF状態となる(図6のU点)。
【0067】
ところで、ソレノイド41をOFF状態とすることによりカムを中高速用カム4,5にセットしようとするが、作動油圧は著しく低下した状態となっているため、油圧アクチュエータ15は作動できず、よってカムは切り替わらない。よって、カム切替音も発生しない。
【0068】
なお、第1リレー39がON状態で、キルスイッチ51がOFF操作された場合においては第1実施例と同様のため説明を省略する。また、第1リレー39が切り替わる所定のエンジン回転数は、CPU46が認識し得る最低回転数に設定するのが望ましい。
【0069】
いずれの実施例においても、エンジンが完全停止状態、すなわち作動油の油圧が著しく低下した状態でソレノイドをOFF操作するため、油圧アクチュエータは作動できず、イグニッションスイッチ等のON−OFF時にカム切替音は発生しない。
【0070】
また、時定数回路、イグニッションスイッチに接点を二つ以上備えた特殊なスイッチおよび遅延タイマリレーという特殊なリレーを必要としないので、電気回路が簡単になり、コストもかからない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路によれば、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルおよびエンジンの回転数に応じて昇降する上記油圧アクチュエータの作動油圧を検出するオイルプレッシャースイッチが接続される一方、上記中央処理装置は、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したため、上記イグニッションスイッチをOFF操作することにより上記ソレノイドがOFF状態となってカムを中高速用カムにセットしようとしても作動油圧は著しく低下した状態となって上記油圧アクチュエータを作動できず、よってカムは切り替わらないので、従来の制御回路に比べて簡単な電気回路で上記イグニッションスイッチのON−OFF時のカム切換音の発生を防止できる。
【0072】
また、ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルが接続される一方、上記中央処理装置は、上記エンジン回転数が所定の回転数より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記エンジン回転数が所定の回転数より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したため、上記イグニッションスイッチをOFF操作することにより上記ソレノイドがOFF状態となってカムを中高速用カムにセットしようとしても作動油圧は著しく低下した状態となって上記油圧アクチュエータを作動できず、よってカムは切り替わらないので、従来の制御回路に比べて簡単な電気回路で上記イグニッションスイッチのON−OFF時のカム切換音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路が適用される動弁装置を示す斜視図。
【図2】 図1の動弁装置において低速用カムの作動状態を示す側面図。
【図3】 図1の動弁装置において中高速用カムの作動状態を示す側面図。
【図4】 図1の動弁装置においてロッカシャフト駆動機構を示す断面図。
【図5】 本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路の第1実施例を示す電気回路図。
【図6】 イグニッションスイッチをON−OFF操作したときに制御される動弁装置の各電位およびカム位置の変化を示す状態図。
【図7】 キルスイッチをOFF操作したときに制御される動弁装置の各電位およびカム位置の変化を示す状態図。
【図8】 本発明に係るエンジン用動弁装置の制御回路の第2実施例を示す電気回路図。
【符号の説明】
3 低速用カム
4,5 中高速用カム
10 ロッカシャフト
11 ロッカシャフト駆動機構
15 油圧アクチュエータ
16 オイル切替ソレノイドバルブ
33 イグナイタ
35 オルタネータ
36 バッテリ
37 イグニッションスイッチ
38 イグニッションスイッチを介する電源回路
39 イグナイタ電源リレー(第1リレー)
40 イグナイタ電源リレーを介する電源回路
41 ソレノイド
44 ソレノイドスイッチング用トランジスタ
45 リレースイッチング用トランジスタ
46 CPU(Central Processing Unit…中央処理装置)
53 ピックアップコイル
55 オイルプレッシャースイッチ

Claims (2)

  1. ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルおよびエンジンの回転数に応じて昇降する上記油圧アクチュエータの作動油圧を検出するオイルプレッシャースイッチが接続される一方、上記中央処理装置は、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記油圧アクチュエータの作動油圧が所定の油圧より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したことを特徴とするエンジン用動弁装置の制御回路。
  2. ソレノイドバルブの作動によって、エンジンの回転数に応じて油圧が昇降する作動油の流れ方向を切り替える油圧アクチュエータによりロッカシャフトを正逆方向に回動させ、低速用カムと中高速用カムとの作動を択一的に切り替えるロッカシャフト駆動機構を備え、上記ソレノイドバルブのソレノイドのON−OFF操作をエンジン回転数に基づいて制御するイグナイタを備えると共に、上記エンジンの回転数が低回転のときは上記低速用カムを選択し、上記エンジンの回転数が高回転のときは上記中高速用カムを選択するように上記ソレノイドをON−OFF操作するエンジン用動弁装置において、オルタネータおよびバッテリの少なくとも一方からの電流は、イグニッションスイッチを介する電源回路およびイグナイタ電源リレーを介する電源回路を経て上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ通電され、上記イグナイタは、上記ソレノイドへ流れる電流を断続するソレノイドスイッチング用トランジスタと、上記イグナイタ電源リレーへ流れる電流を断続するリレースイッチング用トランジスタと、各トランジスタへの電流を制御する中央処理装置とを備え、この中央処理装置にはエンジン回転数を検出するピックアップコイルが接続される一方、上記中央処理装置は、上記エンジン回転数が所定の回転数より高くなったときに上記リレースイッチング用トランジスタをON作動させて上記イグナイタ電源リレーをON状態とし、上記バッテリからの電流が上記イグニッションスイッチのON−OFF操作と無関係に上記イグナイタおよび上記ソレノイドへ給電されるように構成すると共に、上記エンジン回転数が所定の回転数より低くなったときに予め設定されたタイムラグの後上記リレースイッチング用トランジスタをOFF作動させて上記イグナイタ電源リレーをOFF状態とし、上記バッテリから上記イグナイタおよび上記ソレノイドへの給電を断つように構成したことを特徴とするエンジン用動弁装置の制御回路。
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