JP3820193B2 - マンホール用の継手 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、マンホールに下水道管等の取付管を接続するのに用いられ、水密性及び可撓性を有する樹脂又はゴム製の継手に関する。
【0002】
【従来技術】
耐震性を有するこの種の継手には、マンホールの内側から取付けられるタイプのものと、外側から取付けられるタイプのものがある。
図8は、内側から取付けられるタイプのものを示すもので、その施工は、マンホール1の削孔2に継手31を内側から挿入し、位置決めしたのち大径部31aに張り出し金具32を装着して、図示しない拡張治具をセットし、張り出し金具32を拡径して大径部31aを孔内面に圧着させる。この状態で張り出し金具32をロックし、拡径状態に保持したのち拡張治具を取り外す。その後、マンホール外側から取付管3を挿入し、小径部31bをホースバンド5で締め付けることにより固定する。そしてマンホール内側からポリエチレンスポンジよりなる管状の充填材6を取付管3と継手大径部31aとの間の隙間より挿入し、張り出し金具32に装着する。その後モルタル仕上げを行う。図中、7は継手31の小径部31bと、取付管3との間をシールする水膨張スポンジゴムであり、8は、継手31の大径部31aと削孔2の内面との間をシールする水膨張スポンジゴムである。また、9はモルタル等の目地材を示す。
【0003】
図9は、継手35をマンホール1の外側から取付けるタイプのものを示すもので、その施工は、マンホール1の削孔2に継手35を図示する状態でマンホール外側から挿入する。そしてフランジ35cを孔縁に当てゝ位置決めしたのち、小径部35bをマンホール内側に押込んで真直ぐに延ばし、大径部35aに張り出し金具36を上記と同様に装着して図示しない拡張治具をセットし、張り出し金具36を拡径して大径部35aを孔内面に圧着させる。そして張り出し金具36をロックし、拡径状態に保持して拡張治具を取外す。その後、小径部35bを図示するように折り返してマンホール外側に戻し、その後取付管3をマンホール外側から挿入する。ついで小径部35bをホースバンド5の締付けにより固定する一方、マンホール内側からポリエチレンスポンジ等よりなる充填材6を取付管3と継手大径部35aとの間の隙間に押し込み挿入する。9はモルタル等の目地材である。なお、大径部35aと削孔内面との間には図示していないが、小径部36bと取付管3との間に設けられる水膨張スポンジゴム7と同様、水膨張スポンジゴムが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の継手には上述するように、マンホールの内側から取付けられるタイプと、外側から取付けられるタイプの二種類があり、施工状況によっていずれかの継手を選択して使用せねばならなかった。
本発明は、一種類でマンホールの内側からでも、外側からでも取付けることができる継手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題の解決手段】
請求項1に係わる発明は、マンホールに取付管を接続する際に用いられ、水密性及び可撓性を有するマンホール用の継手であって、一端に大径部を、他端に小径部を有し、大径部端で内向きに折り込み可能なゴム又は樹脂製の継手本体と、該継手本体の大径部内側に装着され、拡径して大径部をマンホールに削孔された孔内面に圧着させる張り出し金具と、上記小径部を継手本体に挿入された取付管に締着し固定する締着手段と、小径部の内外に設けられる第1のシール手段と、大径部の外側に設けられ、マンホールの削孔内面に圧着する第2のシール手段を有し、マンホールの内側からでも外側からでも取付けることができるようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明の継手をマンホールの内側から取付ける時には、図4に示すように、マンホールの内側から削孔に継手本体を小径部を先頭にして挿入し、大径部に張り出し金具を装着して拡張治具により拡径し、大径部を削孔内面に圧着させて固定する。固定後、拡張治具を取り外してマンホール外側から継手本体内に取付管を挿入し、締着手段で継手本体の小径部を取付管に締着し固定する。マンホール内側からは、継手本体の大径部と取付管との間の隙間に充填材を詰め、モルタル仕上げする。
【0007】
一方、本発明の継手をマンホールの外側から取付けるときには、マンホールの削孔に継手本体を小径部を先頭にして挿入する。挿入は位置決め手段で位置決めされるまで行われ、位置決め手段としては、例えば図5に示すように円周上の一部を切り欠く環状をなして大径部に着脱可能に取着され、径方向外向きに突出する爪38又はフランジを有する位置決め金具39が用いられる。
【0008】
位置決め後、位置決め手段を取外し、ついで大径部に装着した張り出し金具を拡張金具により拡径し、大径部を削孔内面に圧着させ固定する。固定後、拡張治具を取外し、大径部端で内向きに折り込んで小径部をマンホール外に引出し、図9に示すようにマンホール外に向けて突出させる。その後、継手本体内に取付管を挿入し、締着手段で継手本体の小径部を取付管に締着し固定する。マンホール内側からは継手本体と取付管との間の隙間に上記と同様、充填材を詰め、モルタル仕上げする。
【0009】
なお、上述の張り出し金具は、継手本体を削孔に挿入後に大径部に装着しているが、継手本体に装着した状態で継手本体と共に削孔に挿入するようにしてもよい。
本発明で用いる締着手段としては、継手本体の小径部を取付管に締着して固定できるようなものであればよく、特に限定されないが、敢えて例示すれば上述のホースバンド5が挙げられる。
【0010】
また第1及び第2のシール手段としては、例えば上述の水膨張スポンジゴム、小径部の内外及び大径部の外側に突出形成されるシールリップ等を使用することができるが、このなかではシールリップが望ましい。継手本体と一体成形が可能で、シール手段を別に用意して取付ける必要がなくなるからである。
【0011】
請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明の第1及び第2のシール手段が小径部の内外及び大径部の外側に突出形成されるシールリップであることを特徴とする。
請求項3に係わる発明は、前記継手をマンホールに削孔された孔内に小径部を先頭にしてマンホール外側から挿入し、挿入後大径部端から内向きに折り返して小径部をマンホール外側に向けて突出したとき、大径部と小径部の間の傾斜部と、大径部を孔内面に圧着させる張り出し金具との間の隙間に充填材をマンホール外側から挿入したことを特徴とする。
本発明によると、傾斜部と張り出し金具との間の隙間に充填材を挿入することにより、上記隙間に土砂が入り込み、継手と当たって継手を損傷するのを防ぐことができ、充填材が継手を保護する機能を果たす。したがってこの充填材は、上記隙間への土砂の流入防止と、マンホール継手の保護の機能を果たすようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、継手本体15について示すもので、一端の大径部15aと、他端の小径部15bと、中間の傾斜部15cとよりなっており、大径部端の傾斜部15cとの境は、周溝16により薄肉に形成され、該薄肉部分で傾斜部15cと、その先端の小径部15bが図2に示すように内側に容易に折り返しができるようになっている。そして大径部15aの外側には第2のシール手段としてのシールリップ17が、小径部15bの内外に第1のシール手段としてのシールリップ18がそれぞれ鋸歯状に形成されている。なお、継手本体15は、樹脂又はゴム製、好ましくはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体EPDMのソリッドゴムで形成される。
【0013】
継手本体15と共に継手を構成する張り出し金具19と締着手段のホースバンド5は図4及び図7に示してある。これらの構造は既知のもので、その詳細な構造と説明については省略する。
継手本体15をマンホール1の削孔2に内側から取付ける時には、図1に示す継手本体15を大径部15aに張り出し金具19を装着した状態で、小径部15bを先頭にして削孔2に挿入する。ついで図3に示すように上記張り出し金具19のトッグルジョイント19aを構成するリンクの連結部分に拡張治具としての油圧ジャッキ21を当て、トッグルジョイント19aを押し込むことにより張り出し金具19を拡径し、大径部15aを削孔内面に圧着させて固定する。固定後、油圧ジャッキ21を取り外す。
【0014】
次に図4に示すように、マンホール外側から取付管3を金属製好ましくはステンレス製のホースバンド5を取付けた状態で継手本体15の小径部15bより継手本体15に挿入し、ホースバンド5を小径部15b上に移動させて締込みを行い、小径部15bを取付管3上に締着し固定する。そしてマンホール1の内側から大径部15aと取付管3との間の隙間よりポリエチレンスポンジよりなる管状の充填材6を挿入し、張り出し金具19に装着する。その後モルタル仕上げを行う。図4は、施工を完了した状態を示している。図中、9はモルタル部分を示す。
【0015】
継手本体15をマンホールの外側から取付けるときには、大径部15aに張り出し金具19と図5に示す位置決め金具39を装着した状態で削孔2に小径部15bを先頭にして挿入し、爪38が削孔2の孔縁に当たるまで挿入することにより位置決めを行う(図6)。位置決め後、位置決め金具39を取外し、ついで上記と同様、油圧ジャッキ21により張り出し金具19を拡径させて大径部15aを削孔内面に圧着し固定する。固定後、油圧ジャッキ21を取り外す。
【0016】
次にマンホール内に突出する小径部15bを掴んで手前に寄せ、周溝16の薄肉部分で屈折させて図2に示すように内向きに折り込む。この状態で小径部15bと傾斜部15cは、継手本体15を内側から取り付けたものと比べ、表裏が逆となる。その後、上記と同様、取付管3を差込み、ホースバンド5で小径部15bを取付管3に締着し固定する。続いて、傾斜部15cと張り出し金具19間の隙間にマンホール外側から充填材4を挿入し、上記隙間を塞ぐ。そしてマンホール内側から傾斜部15cと取付管3との間の隙間に上記充填材6を装着し、ついでモルタル仕上げを行う。図7は施工を完了した状態を示す。
【0017】
本実施形態の継手本体は以上のように、マンホール11の内側からでも外側からでも削孔2に挿入して施工することができ、小径部15bには内外にシール手段としてのシールリップ18が形成されているので、引繰り返してもいずれかのシールリップ18が取付管3を圧着してシールできるようになる。
【0018】
上記実施形態では、張り出し金具としてトッグルジョイントを備えたものを使用し、拡張治具として油圧ジャッキを使用しているが、既知の他のタイプのもの、例えば特開平8−20996号に示されるような支持リングや圧着治具を用いることもできる。
また位置決め金具も他の位置決め金具、例えば爪に代えてフランジにしたものを用いることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の継手によると、施工状況によってマンホールの内側からでも外側からでも取付けることができ、二種類の継手を用意し、使い分ける必要がない。またマンホールの内外のいずれの側から取付けた場合でも小径部の内外にシール手段を設けたことによりシールが可能となる。
またシール手段としてシールリップを用いれば、継手本体と一体成形することが可能となり、シール手段を別途設けて取付ける必要もなくなる。
【0020】
また、継手をマンホール外側から取付ける際に発生する大径部と小径部の間の傾斜部と、張り出し金具の間の隙間に充填材をマンホール外側から挿入し、上記隙間を塞ぐようにすれば、マンホール周辺を埋め戻した時に土砂が入り込むのを防ぎ、土砂の流入により継手が損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】継手本体の部分断面正面図。
【図2】図1に示す継手本体の小径部と傾斜部を内向きに折返した状態を示す部分断面正面図。
【図3】油圧ジャッキで張り出し金具を拡径するときの状態を示す図。
【図4】継手を内付けしたときの断面図。
【図5】位置決め金具の正面図。
【図6】図5に示す位置決め金具で位置決めした継手本体の断面図。
【図7】継手を外付けしたときの断面図。
【図8】従来の内付け用継手の断面図。
【図9】従来の外付け用継手の断面図。
【符号の説明】
1・・マンホール
2・・削孔
3・・取付管
4・・充填材
5・・ホースバンド
6・・充填材
9・・目地材
15・・継手本体
15a・・大径部
15b・・小径部
15c・・傾斜部
16・・周溝
17、18・・シールリップ
19・・張り出し金具
19a・・トッグルジョイント
21・・油圧ジャッキ
38・・爪
39・・位置決め金具
Claims (3)
- マンホール1に取付管3を接続する際に用いられ、水密性及び可撓性を有するマンホール用の継手であって、一端に大径部15aを、他端に小径部15bを有し、大径部15a端で内向きに折り込み可能なゴム又は樹脂製の継手本体15と、該継手本体15の大径部内側に装着され、拡径して大径部15aをマンホール1に削孔された孔2内面に圧着させる張り出し金具19と、上記小径部15bを継手本体15に挿入された取付管3に締着し固定する締着手段5と、小径部15bの内外に設けられる第1のシール手段18と、大径部15aの外側に設けられ、マンホール1の削孔2内面に圧着する第2のシール手段17を有し、マンホールの内側からでも外側からでも取付けることができるようにしたことを特徴とする継手。
- 上記第1及び第2のシール手段が小径部15bの内外及び大径部15aの外側に突出形成されるシールリップ17、18であることを特徴とする請求項1記載の継手。
- 前記継手をマンホール1に削孔された孔2内に小径部15bを先頭にしてマンホール外側から挿入し、挿入後大径部15a端から内向きに折り返して小径部15bをマンホール外側に向けて突出したとき、大径部15bと小径部15bの間の傾斜部15cと、大径部15aを孔2内面に圧着させる張り出し金具19との間の隙間に充填材4をマンホール外側から挿入したことを特徴とする請求項1又は2記載の継手。
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