JP3820170B2 - 浮遊物質除去装置及び養殖装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中に浮遊する浮遊物質を除去するための浮遊物質除去装置及びこれを備えた養殖装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水中に浮遊する有機物等の浮遊物質(以下、SSということがある)を気泡により水面6に浮上させて除去する浮遊物質除去装置が提案されている。図6に浮遊物質除去装置Aの従来例を示す。この装置は外容器30と内容器31とで構成される除去槽1を具備して形成されている。
【0003】
外容器30は略樽形状に形成されるものであって、外容器30の上面は除去開口32として全面に亘って開放されている。また、外容器30の周壁にはパイプ等の管体を突設することにより流出口5が形成されている。また、外容器30の底部には外容器30の内外に突出する筒状の水導入部33が形成されている。水導入部33の上面は全面に亘って開口されていると共に水導入部33の底部にはパイプ等の管体を突設することにより流入口4が形成されている。
【0004】
内容器31は略樽形状に形成されるものであって、内容器31の上下面は開口されていると共に内容器31の周壁には通孔34が形成されている。そして、内容器31は外容器30の内側において水導入部33の上側に配設されていると共に内容器31の下面開口に水導入部33の上端が差し込まれており、これにより、内容器31と水導入部33が連通状態となっている。
【0005】
流入口4の近傍において水導入部33の内側には気泡噴出部8が設けられている。気泡噴出部8は除去槽1に供給された水3に気泡を供給するためのものであって、気泡を生成するためのノズル等で構成されている。また、気泡噴出部8には気液供給管35の一端が接続されていると共に気液供給管35の他端は加圧ポンプ36に接続されている。さらに、加圧ポンプ36には水導入管38が接続されていると共に水導入管38には空気導入管37が接続されている。
【0006】
上記のような浮遊物質除去装置Aは除去槽1に浮遊物質2を含む水3を供給して水中の浮遊物質2を水3から分離して除去するものである。すなわち、浮遊物質2を含む水3は流入口4から水導入部33に導入された後、水導入部33から内容器31に導入され、この後、内容器31に導入された水3は内容器31の上面開口及び通孔34を通って外容器30に導入され、この後、流出口5を通じて外容器30から排出されるものであるが、浮遊物質2を含む水3には水導入部33及び内容器31を通過する間に気泡噴出部8から発生する気泡7が供給されるものであり、この気泡7により水中の浮遊物質2が捕捉されて水3から分離すると共に気泡7に捕捉された浮遊物質2は水面6に浮上して固まりになるものである。従って、除去槽1に供給された水3は浮遊物質2が減少した状態で除去槽1から排出されるものである。尚、水面6に浮上した浮遊物質2の固まりは外容器30の上面開口からすくったりして除去するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の浮遊物質除去装置Aでは、除去槽1が外容器30と内容器31から構成される二重構造となっていたり、外容器30と内容器31が断面多角形に形成されていたりして除去槽1の構造が複雑であるために、清掃等のメンテナンスが行ないにくく維持管理が容易に行えないという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、清掃等のメンテナンスが行ないやすく維持管理を容易に行うことができる浮遊物質除去装置及び養殖装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る浮遊物質除去装置Aは、略円筒形の除去槽1の上部に浮遊物質2を含む水3を供給するための流入口4を設けると共に浮遊物質2が減少した水3を排出するための流出口5を除去槽1の下部に設け、浮遊物質2を水面6に浮上させるために除去槽1の水3に微細な気泡7を噴出するための気泡噴出部8を流出口5よりも上側に設け、気泡噴出部8から気泡7を除去槽1の周方向と略平行に噴出して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また、流出口5の反対側に向かって気泡噴出部8から気泡7を噴出して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る浮遊物質除去装置Aは、請求項1に加えて、水面6に浮上した浮遊物質2を排出するための排出除去口9を除去槽1に設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る浮遊物質除去装置Aは、請求項1又は2に加えて、除去槽1の底部を略逆円錐形の排水部10として形成し、排水部10の頂部に排水口39を設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る養殖装置は、魚介類を飼育するための飼育水槽11と、飼育水槽11の水を浄化するための浄化装置12と、飼育水槽11と浄化装置12との間で水を循環させるための循環経路13とを具備し、飼育水槽11から浄化装置12への循環経路13の途中に請求項1乃至3のいずれかに記載の浮遊物質除去装置Aを備えて成ることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1(a)(b)に示すように、本発明の浮遊物質除去装置Aは除去槽1と気泡発生機15とを備えて形成されている。除去槽1は有底の略円筒形に形成されるものであって、その上面は全面に亘って開口されている。除去槽1の周壁の上部にはパイプ等の管体が外側に向かって突設されており、この管体により流入口4が形成されている。また、除去槽1の周壁の下部にはパイプ等の管体が外側に向かって突設されており、この管体により流出口5が形成されている。さらに、流入口4と略対向する位置において、除去槽1の周壁の上部にはパイプ等の管体が外側に向かって突設されており、この管体により排出除去口9が形成されている。除去槽1の平面視において上記の流出口5及び排出除去口9は流入口4と略反対側に突出して設けられている。また、排出除去口9は流入口4よりも若干下側に位置するように形成されている。
【0016】
気泡発生機15は気泡噴出部8と気液供給管35と加圧ポンプ36及び空気導入管37と水導入管38を具備して形成されている。気泡噴出部8は図2(b)に示すような気泡生成ノズル16を用いて形成されている。気泡生成ノズル16は、前面が噴出口17として全面に亘って開口され、後面が閉塞された有底円筒状のノズル本体18と、ノズル本体18の底部に外側に突出するように設けた接続部19と、ノズル本体18を前後方向(気泡生成ノズル16の長手方向と平行な方向)に仕切る円盤状の仕切り部20とを備えて形成されている。仕切り部20には図2(a)に示すように、仕切り部20を前後方向(厚み方向)に貫通する多数個の流通孔21が形成されている。流通孔21は細孔に形成されている。気液供給管35はその一端が気泡生成ノズル16の接続部19に接続されていると共に、気液供給管35の他端は加圧ポンプ36に接続されている。また、加圧ポンプ36には水導入管38の一端が接続されていると共に水導入管38の他端は水源に接続されている。さらに、水導入管38には空気導入管37の一端が接続されていると共に空気導入管37の他端は大気中で開放されている。
【0017】
このような気泡発生機15で気泡7を生成するにあたっては次のようにして行なう。まず、加圧ポンプ36の作動により、水導入管38からの水と空気導入管37からの空気とを加圧ポンプ36に吸い込んで導入する。次に、加圧ポンプ36に導入した水と空気を加圧することにより空気を水に混入して溶解させる。ここで、加圧ポンプ36による加圧は0.3〜0.6MPa(3〜6kgf/cm2)の圧力で行なうようにすればよい。次に、空気が混入された水を気液供給管35を通じて気泡生成ノズル16に圧送する。そして、気泡生成ノズル16に圧送された水は仕切り部20の流通孔21及び噴出口17を通って気泡生成ノズル16から噴出されるが、流通孔21を通った水は加圧状態から常圧状態へと減圧されるものであり、これにより、気泡生成ノズル16(気泡噴出部8)で多数個の気泡7が生成されるものである。本発明では直径(泡径)が10〜30μmの微細な気泡7を用いるのが好ましいものであり、このような微細な気泡7が生成されるように流通孔21の孔径や加圧ポンプ36による加圧力を調整するようにする。尚、ここでは気泡7の発生方法として加圧方式のものを例示したが、これに限定されるものではなく、上記と同様の気泡7を発生させることができるものであれば、どのような方式を採用しても良い。
【0018】
上記の気泡発生機15の気液供給管35は除去槽1の周壁を貫通して配設されており、気液供給管35の先端に設けた気泡生成ノズル16(気泡噴出部8)は除去槽1内に設けられている。また、気泡生成ノズル16は流出口5よりもやや上側に配置されていると共に平面視において気泡生成ノズル16は除去槽1の中心よりも周壁に近づけて配置されており、さらに、気泡生成ノズル16はその前後方向(長手方向)が除去槽1の周方向と略平行になるように配置されている。従って、気泡生成ノズル16の噴出口17は除去槽1の中心の方には向いていないものである。そして、気泡生成ノズル16の噴出口17が流出口5と反対側に向いて開口するように気泡生成ノズル16(気泡噴出部8)が配置されている。
【0019】
そして、上記のような浮遊物質除去装置Aを用いて水3に含まれる浮遊物質2を除去するにあたっては、次のようにして行なう。まず、浮遊物質2を含む水3を流入口4から除去槽1内に供給する。除去槽1に供給された水3は流出口5から順次流出していくが、除去槽1内には排出除去口9付近までの一定量の水3が常に溜まった状態になるように、流入口4からの水3の流入量と流出口5からの水3の流出量とを調整するようにする。
【0020】
このようにして流入口4からの水3の流入と流出口5からの水3の流出とを連続的に行なって除去槽1に一定量の水3が溜まった状態を維持しながら、上記のようにして気泡噴出部8で気泡7を発生させて除去槽1内の水3に多数個の気泡7を気泡噴出部8(気泡生成ノズル16)の噴出口17から噴出するようにして供給する。また、平面視において気泡噴出部8は除去槽1の中心よりも周壁(除去槽1の内周面)に近接させた位置に配設されており、且つ気泡噴出部8はその前後方向が除去槽1の周方向と略平行になるように配設されているために、上記の気泡7は水とともに気泡噴出部8から除去槽1の周方向と略平行な方向に噴出されることになる。従って、気泡噴出部8から水3に噴出された気泡7は図1(a)(b)の除去槽1内の矢印で示すように、水3の中を螺旋状に流動するものである。そして、このように気泡7を水3の水中で螺旋状に流動させることによって、除去槽1内の水3の全体に亘って気泡7を略均一に分散させるように送ることができ、水3の全体に気泡7による処理を略均一に作用させることができるものである。また、気泡7を水3の水中で螺旋状に流動させることによって、流入口4から流出口5に向かって上から下に流れる水3の流れに抗して気泡7を上昇させやすくすることができ、後述の浮遊物質2等の浮上が行ないやすくなるものである。
【0021】
上記のように除去槽1内の水3に噴出された気泡7は螺旋状に流動して水3の水面6にまで達するが、気泡7の一部は水3の水中を移動する際に水3に存在する直径1mm程度の浮遊物質2及び水3に存在する直径5〜10μmの懸濁物質22と接触することになる。そして、複数個の気泡7と浮遊物質2の接触により、図3(a)に示すように、浮遊物質2には複数個の気泡7が吸着することになり、気泡7の浮力により浮遊物質2は気泡7とともに水3の水面6へと浮上することになる。また、気泡7と複数個の懸濁物質22の接触により、図3(b)に示すように、気泡7には複数個の懸濁物質22が吸着することになり、気泡7の浮力により懸濁物質22は気泡7とともに水3の水面6へと浮上することになる。さらに、水3に溶解している蛋白質やCOD(化学的酸素要求量で表される水の汚れ)等に相当する溶解物質は気泡7の界面に濃縮されることになり、これら溶解物質も気泡7とともに水3の水面6へと浮上することになる。
【0022】
このように水3に含まれている浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質は流入口4から流出口5に向かって上から下に流れる水3の流れに抗して水面6に集まる(凝集する)ことになり、水3は流出口5に達するまでに気泡7の上記作用により浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質が減少した状態となるものである。従って、流出口5から流出する水3は浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質が分離除去されて減少した状態となっているものである。そして、水3の水面6に浮上した浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質を吸着した気泡7はオーバーフローにより排出除去口9から除去槽1外に排出されるものであり、このようにして水3から浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質を除去することができるものである。
【0023】
そして、本発明の浮遊物質除去装置Aでは、除去槽1を上面が開口する略円筒形に形成したので、従来例のものよりも構造や形状が単純であり、また、気泡噴出部8が除去槽1の上面開口から掃除したり取り替えたりすることが可能なものであり、清掃等のメンテナンスが行ないやすく維持管理を容易に行うことができるものである。また、本発明では、除去槽1内の水3に噴出された気泡7が螺旋状に流動して水3の水面6にまで達するので、従来例のように気泡7を真っ直ぐ上方に浮上させる場合に比べて、水中における気泡7の流動距離を長くすることができ、浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質と気泡7との接触効率が高まって、浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質の分離除去を効率よく行うことができるものである。また、流出口5の反対側に向かって気泡噴出部8から気泡7を噴出するので、気泡7を噴出しても流出口5に向かって水3が流れにくくなって気泡7の作用を受ける前の水3が流出口5から流出するのを少なくすることができ、浮遊物質2等が除去されていない水3の流出を少なくすることができるものである。
【0024】
尚、上記の実施の形態では、水3の水面6に浮上した浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質を吸着した気泡7をオーバーフローにより排出除去口9から排出したが、これに限らず、例えば、ベルト式の掻き取り装置で浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質を吸着した気泡7を除去槽1の上面開口から掻き取って(すくい取って)排出しても良い。
【0025】
図4(a)(b)に本発明の他の実施の形態を示す。この浮遊物質除去装置Aは流出口5よりも下側における除去槽1の底部を略逆円錐状の排水部10として形成したものである。また、排水部10の頂部(最下端)にはパイプ等の管体が外側に向かって突設されており、この管体により排水口39が形成されている。その他の構成は図1(a)(b)に示すものと同様である。
【0026】
このように形成される浮遊物質除去装置Aにおいても、図1(a)(b)に示すものと同様にして浮遊物質2と懸濁物質22及び溶解物質の除去を気泡7で行うことができるが、この時には排水口39は閉塞されている。そして、気泡7により浮上させることができない大型の浮遊物質2は除去槽1の底部に沈殿することになるが、この実施の形態では除去槽1の底部が略逆円錐状の排水部10として形成し、排水部10の頂部に排水口39を設けたので、排水口39を開放することによって、除去槽1の底部に沈殿した大型の浮遊物質2は排水部10の傾斜した内周面を滑り落ちて水3とともに排水口39から除去槽1外に排出されることになり、図1(a)(b)のものに比べて除去槽1の底部に沈殿した大型の浮遊物質2を容易に除去槽1外に排出することができて清掃等のメンテナンスが行ないやすく維持管理を容易に行うことができるものである。
【0027】
図5に本発明の養殖装置の一例を示す。この養殖装置は閉鎖循環式の養殖システムであって、魚介類を飼育するための飼育水槽11と、飼育水槽11の水を浄化するための浄化装置12と、飼育水槽11と浄化装置12との間で水を循環させるための循環経路13と、上記の図1(a)(b)又は図4(a)(b)に示す浮遊物質除去装置Aとを具備して構成されている。
【0028】
飼育水槽11は魚介類を養殖したり一時的に蓄養したりするものであり、FRPやコンクリートなどで形成されている。この飼育水槽11にはパイプなどの配管で形成される循環経路13の一端と他端が接続されている。循環経路13の途中には水の流れの上流側から下流側に向かって順に、沈殿槽27、浮遊物質除去装置A、浄化装置12、循環ポンプ28などが設けられている。
【0029】
沈殿槽27は飼育水槽11から供給された水3に含まれている大型の不純物を沈殿させて水3から分離させるものである。上記の大型の不純物は魚介類の排泄物等である。沈殿槽27で沈殿分離させた大型の不純物は、沈殿槽27に接続されたドレン29を通じて集水枡40に排出されて破棄されるものである。
【0030】
浮遊物質除去装置Aは流入口4を通じて沈殿槽27と接続されており、大型の不純物を減少させた水3が沈殿槽27から供給されるものであり、上述のように気泡7を用いて水3に含まれている小型あるいは微細な浮遊物質2等を水3から分離除去するものである。また、上述のように、浮遊物質除去装置Aの気泡発生機15には水導入管38が具備されており、この水導入管38の一端は加圧ポンプ36に接続されているが、水導入管38の他端は浄化装置12と飼育水槽11の間において循環経路13に接続するのが好ましい。そして、これにより、浮遊物質2やアンモニアが減少された水を用いて気泡7を発生させることができ、気泡生成ノズル16や加圧ポンプ36等に浮遊物質2の目詰まりが発生しにくくなり、浮遊物質除去装置Aのメンテナンスを低減することができるものであり、しかも、別途に水源を用意することがなくなって養殖装置を簡素化することができるものである。さらに、上述のように、除去槽1では気泡7により浮上させることができない大型の浮遊物質2が沈殿することがあるが、この沈殿した浮遊物質2は除去槽1に接続されているドレン41を通じて集水枡40に排出されて破棄されるものである。
【0031】
浄化装置12は流出口5を通じて浮遊物質除去装置Aと接続されており、浮遊物質2等を減少させた水3が浮遊物質除去装置Aから供給されるものであり、水3に含まれているアンモニアを硝化処理(硝化反応)により硝酸態窒素に変換してアンモニアを水3から除去するものである。上記の硝化処理には硝化菌等が用いられる。
【0032】
循環ポンプ28は循環経路13で水3を循環させるためのポンプであり、この循環ポンプ28により飼育水槽11の水3は、沈殿槽27、浮遊物質除去装置A、浄化装置12をこの順で通過した後、飼育水槽11に返送されるように循環経路13を流れるものである。
【0033】
そして、上記の養殖装置では、魚介類の飼育に使用した飼育水槽11の水3が沈殿槽27、浮遊物質除去装置A、浄化装置12を通過して循環するので、水3に含まれている不純物、すなわち、魚介類に与える餌に起因する残餌及び魚介類の糞や代謝物によって生じる有機物などの不溶性の浮遊物質や懸濁物質、水溶性の蛋白質やCOD、アンモニア等の不純物を水3から除去して浄化した後、飼育水槽11に返送することができ、閉鎖循環式の養殖装置でありながら水質を低下しにくくすることができるものであり、これにより、魚介類を高密度で品質良く管理しながら飼育することができるものである。
【0034】
従来、この種の閉鎖循環式の養殖装置では、本発明のような浮遊物質除去装置Aが具備されておらず、その代わりに繊維状のフィルターが備えられていた。そして、上記と同様の沈殿槽27とフィルターによって、微細な浮遊物質2まで除去しようとしていたが、浮遊物質2の除去が充分に行えないものであって、水質の低下(負荷)とともに、浄化装置12で浮遊物質2の沈殿堆積が発生して浄化装置12の機能に悪影響が生じたりしていた。しかしながら、本発明の養殖装置では上記のような浮遊物質除去装置Aが具備されているので、微細な浮遊物質2の除去が充分に行うことができるものであり、従って、水質の低下や浄化装置12の機能に悪影響が生じないものである。また、フィルターを用いた場合のような目詰まりもなくなり、メンテナンス性に優れるものである。
【0035】
また、従来では魚介類からでる蛋白質等の難分解性物質除去のために、浄化装置12に個別に泡沫分離装置を設ける場合もあるが、本発明では浮遊物質除去装置Aが泡沫分離機能も有しているために、浄化装置12に泡沫分離装置を設ける必要が無く、浄化装置12の簡素化を図ることができるものである。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、略円筒形の除去槽の上部に浮遊物質を含む水を供給するための流入口を設けると共に浮遊物質が減少した水を排出するための流出口を除去槽の下部に設け、浮遊物質を水面に浮上させるために除去槽の水に微細な気泡を噴出するための気泡噴出部を流出口よりも上側に設け、気泡噴出部から気泡を除去槽の周方向と略平行に噴出するので、従来例のもののように二重構造や樽形状でなく、構造や形状が単純であり、清掃等のメンテナンスが行ないやすく維持管理を容易に行うことができるものである。また、除去槽内の水に噴出された気泡が螺旋状に流動して水の水面にまで達するので、気泡を真っ直ぐ上方に浮上させる場合に比べて、水中における気泡の流動距離を長くすることができ、浮遊物質と気泡との接触率が高まって、浮遊物質の分離除去を効率よく行うことができるものである。
【0037】
また、流出口の反対側に向かって気泡噴出部から気泡を噴出するので、気泡を噴出しても流出口に向かって水が流れにくくなって気泡の作用を受ける前の水が流出口から流出するのを少なくすることができ、浮遊物質が除去されていない水の流出を少なくすることができるものである。
【0038】
また、本発明の請求項2の発明は、水面に浮上した浮遊物質を排出するための排出除去口を除去槽に設けるので、排出除去口から浮遊物質を排出することができ、浮遊物質の除去を容易に行うことができるものである。
【0039】
また、本発明の請求項3の発明は、除去槽の底部を略逆円錐形の排水部として形成し、排水部の頂部に排水口を設けるので、除去槽に沈殿した大型の浮遊物質を排水部の内周面の傾斜で滑り落として排水口まで導いて排出することができ、除去槽に浮遊物質が沈殿しにくくなって除去槽の清掃等のメンテナンスを容易に行うことができるものである。
【0040】
また、本発明の請求項4の発明は、魚介類を飼育するための飼育水槽と、飼育水槽の水を浄化するための浄化装置と、飼育水槽と浄化装置との間で水を循環させるための循環経路とを具備し、飼育水槽から浄化装置への循環経路の途中に請求項1乃至3のいずれかに記載の浮遊物質除去装置を備えるので、浮遊物質除去装置で浮遊物質や懸濁物質を除去することができ、魚介類を飼育するための水の濁りを低減することができるものである。また、浄化装置への浮遊物質の流入が少なくなって浄化装置での浮遊物質の目詰まり等が無いようにすることができ、浄化装置での負荷が低減されて水の浄化を効率よく行なうことができて水質を高く維持することができるものである。また、浮遊物質除去装置において気泡を噴出するにあたって空気を水に加圧溶解させているので、循環する水への空気の溶解度が過飽和になり、飼育水槽で飼育されている魚介類への酸素供給を容易に行うことができるものであり、また、浄化装置で硝化菌等の微生物を用いた生物処理を行なっている場合には微生物を活性化することができ、浄化装置での水の浄化を効率よく行なうことができるものである。さらに、浮遊物質除去装置において魚介類から出る難分解性物質である蛋白質等の不純物を気泡の界面で濃縮して水から分離して除去することができ、魚介類の飼育環境を改善することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮遊物質除去装置の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】(a)は同上の気泡生成ノズルの仕切り部の一例を示す正面図、(b)は気泡生成ノズルの一例を示す断面図である。
【図3】(a)は浮遊物質に気泡が吸着した状態を示す概略図、(b)は気泡に懸濁物質が付着した状態を示す概略図である。
【図4】本発明の浮遊物質除去装置の他の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図5】本発明の養殖装置の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図6】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 除去槽
2 浮遊物質
3 水
4 流入口
5 流出口
6 水面
7 気泡
8 気泡噴出部
9 排出除去口
10 排水部
11 飼育水槽
12 浄化装置
13 循環経路
39 排水口
A 浮遊物質除去装置
Claims (4)
- 略円筒形の除去槽の上部に浮遊物質を含む水を供給するための流入口を設けると共に浮遊物質が減少した水を排出するための流出口を除去槽の下部に設け、浮遊物質を水面に浮上させるために除去槽の水に微細な気泡を噴出するための気泡噴出部を流出口よりも上側に設け、流出口の反対側に向かって気泡噴出部から気泡を除去槽の周方向と略平行に噴出して成ることを特徴とする浮遊物質除去装置。
- 水面に浮上した浮遊物質を排出するための排出除去口を除去槽に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の浮遊物質除去装置。
- 除去槽の底部を略逆円錐形の排水部として形成し、排水部の頂部に排水口を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮遊物質除去装置。
- 魚介類を飼育するための飼育水槽と、飼育水槽の水を浄化するための浄化装置と、飼育水槽と浄化装置との間で水を循環させるための循環経路とを具備し、飼育水槽から浄化装置への循環経路の途中に請求項1乃至3のいずれかに記載の浮遊物質除去装置を備えて成ることを特徴とする養殖装置。
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