JP3819470B2 - 薄膜インダクタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜インダクタ、その製造方法、及び薄膜インダクタを用いた半導体集積回路装置に関し、特に、インダクタを半導体集積回路装置と同一基板上に形成するのに適した薄膜インダクタ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄膜インダクタは、マイクロ波集積回路装置と同一基板上にスパイラル模様に配置された配線により構成されていた。大きなインダクタンスが必要な場合には、スパイラル模様の巻数を多くする。
【0003】
また、薄膜インダクタのインダクタンスを増大させる方法として、配線を強磁性体で被覆する方法が提案されている(荒川他、電気学会マグネティクス研究会MAG−92−3(1992)、19〜28ページ)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
大きなインダクタンスを得るためにスパイラル模様の巻数を多くすると、基板面内の占有面積が増大する。占有面積を増大することなく巻数を多くするためには、配線を細くする必要があるが、配線を細くすると薄膜インダクタの直流抵抗が増加してしまう。
【0005】
荒川らの方法により配線を強磁性体で被覆すると、インダクタンスを増大させることができるが、マイクロ波集積回路装置に適用するには不十分である。
本発明の目的は、大きなインダクタンスを得ることができる薄膜インダクタ技術を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、大きなインダクタンスを有する薄膜インダクタ及びトランジスタを同一基板上に形成したモノリシック半導体集積回路装置を提供することである。
【0007】
本発明の一観点によると、平面状の支持面を有する支持基板と、前記支持面の上に形成され、磁性材料からなる下部磁性層と、前記下部磁性層の上に、非磁性の導電材料により形成され、長手方向に電流が流れる配線であって、該配線の外周面が、前記支持面に対向する平面状の下表面と該下表面以外の上表面により構成され、該上表面内の各点の法線ベクトルと前記支持面の法線ベクトルとのなす角が90°よりも小さい前記配線と、前記配線を上から覆うように、磁性材料により形成され、前記下部磁性層と共に前記配線と鎖交する閉磁路を構成する上部磁性層と、前記下部磁性層の上の前記配線とは異なる位置に、非磁性材料により形成され、前記配線と平行に配置され、前記配線を流れる電流と同一の向きに電流を流す他の配線であって、該他の配線の外周面が、前記支持面に対向する平面状の下表面と該下表面以外の上表面により構成され、該上表面内の各点の法線ベクトルと前記支持面の法線ベクトルとのなす角が90°よりも小さい前記他の配線とを有し、前記上部磁性層が、前記配線と共に前記他の配線をも覆うように形成され、前記配線と前記他の配線との間の領域において、前記下部磁性層と磁気的に接続されておらず、前記閉磁路が前記他の配線とも鎖交する薄膜インダクタが提供される。
【0008】
上部磁性層と下部磁性層により、配線と鎖交する閉磁路が構成される。配線を流れる電流と鎖交す磁束数が増加するため、薄膜インダクタのインダクタンスを大きくすることができる。上表面内の各点の法線ベクトルと支持面の法線ベクトルとのなす角を90°よりも小さくすることにより、上表面に良好な磁気特性を有する上部磁性層を形成することができる。上部磁性層の磁気特性を良好に保つことができるため、インダクタンスをより大きくすることができる。
【0012】
配線と他の配線との双方に鎖交する閉磁路を形成しているため、配線間の相互インダクタンスが大きくなる。このため、相互に平行に電流をながす2本の配線の合成インダクタンスを大きくすることができる。
【0014】
本発明の他の観点によると、平面状の支持面を有する支持基板の該支持面上に、磁性材料からなる下部磁性層を形成する工程と、前記下部磁性層の上に、導電性の非磁性材料からなる配線層を形成する工程と、前記配線層の上に、配線を形成すべき領域に対応したマスクパターンを形成し、該マスクパターンで覆われていない領域に露出した前記配線層を除去し、該マスクパターンで覆われた領域に、下底辺よりも上底辺が短い台形状の断面を有する配線を残す工程と、前記配線及び前記下部磁性層を覆うように、磁性材料からなる上部磁性層を形成する工程とを有し、前記配線が、相互に平行に配置された1対の配線部分を含み、前記下部磁性層及び上部磁性層が導電性を有し、前記上部磁性層を形成する工程の後に、さらに、前記1対の配線部分の間の領域のうち該配線部分に平行な方向に長い一部の領域の前記上部磁性層及び前記下部磁性層の全厚さ部分を酸化することにより、前記1対の配線部分が前記上部磁性層及び下部磁性層を介して電気的に短絡されないように両者を電気的に分離する工程を含む薄膜インダクタの製造方法が提供される。
本発明のさらに他の観点によると、平面状の支持面を有する支持基板の該支持面上に、磁性材料からなる下部磁性層を形成する工程と、前記下部磁性層の上に、導電性の非磁性材料からなる配線層を形成する工程と、前記配線層の上に、配線を形成すべき領域に対応したマスクパターンを形成し、該マスクパターンで覆われていない領域に露出した前記配線層を除去し、該マスクパターンで覆われた領域に、下底辺よりも上底辺が短い台形状の断面を有する配線を残す工程と、前記配線及び前記下部磁性層を覆うように、磁性材料からなる上部磁性層を形成する工程とを有し、前記下部磁性層を形成する工程の後、前記配線層を形成する工程の前に、さらに、前記下部磁性層の上に、前記下部磁性層と前記配線層との密着性を強くするための下部接着層を形成する工程を含み、前記配線を残す工程において、前記マスクパターンで覆われていない領域の前記下部接着層をも除去し、前記配線を残す工程の後、前記上部磁性層を形成する工程の前に、さらに、前記配線及び前記下部接着層の側面に、前記配線と前記上部磁性層との密着性を強くするための上部接着層を形成する工程を含む薄膜インダクタの製造方法が提供される。
【0015】
配線の断面形状を、下底辺よりも上底辺が短い台形状にすると、配線の側面にも比較的良好な磁気特性を有する磁性層を形成することができる。磁性層の磁気特性を良好に保つことにより、薄膜インダクタのインダクタンスを大きくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1A〜1C及び図2A、2Bを参照して、本発明の第1の実施例による薄膜インダクタの製造方法及び構成を説明する。
【0017】
図1Aは、第1の実施例による薄膜インダクタの平面レイアウトの概略を示す。全長5mmの配線1が葛折れ模様に配置され、その両端にパッド2A、2Bが形成されている。このように、配線1は、縞状に配置された直線状部分と、これら直線状部分を相互に接続する屈曲部分により構成される。なお、葛折れの回数は11回である。
【0018】
図1B、1C、図2A及び2Bは、図1Aの一点鎖線B1−B1における断面図を示す。なお、図1Aでは、配線1と断面B1−B1が11箇所で交わっているが、断面図では、11箇所の交点うち2箇所のみを代表して示す。断面図に示さない他の交点も、図に示す2箇所の交点と同様の構成である。
【0019】
図1Bに示すように、半導体からなる基板10の上に、化学気相成長(CVD)等により、SiO2 からなる絶縁膜11を形成する。絶縁膜11の上にレジスト膜を塗布し、薄膜インダクタを形成すべき領域に開口15aを有するレジストパターン15を形成する。なお、モノリシック集積回路装置を作製する場合には、絶縁層11を形成する前に、基板10の表面にトランジスタ等の半導体素子を形成しておく。
【0020】
基板表面全面に下部磁性層12a、下部接着層13a、及び配線層1aをこの順番に積層する。
【0021】
下部磁性層12aは、コバルト(Co)を主成分とし、ニオブ(Nb)とジルコニウム(Zr)を含むCo83Nb10Zr7 からなる導電性アモルファス合金である。Nb、Zrの代わりに、ハフニウム(Hf)またはタンタル(Ta)を含んでもよい。また、Coを主成分とし、Nb、Zr、Hf、及びTaのうち少なくとも1つの元素を含むアモルファス合金で形成してもよい。なお、Nb、Zr、Hf、及びTaの合計の濃度が5〜25原子%となるようにすることが好ましい。また、他の強磁性体で形成してもよい。実施例では、アモルファス合金の厚さを0.2μm〜2.0μmとした。
【0022】
下部磁性層12aの成膜は、例えば、ターゲットとして成膜すべき磁性層と同一組成のCoNbZr合金ターゲット、スパッタガスとしてアルゴン(Ar)を用い、圧力を0.4〜5mTorr、基板温度を室温、印加電力を100Wとした直流スパッタリングにより行う。また、成膜時に、図1Aに示す配線1の縞状に配置された直線状部分の長手方向にほぼ平行な磁場を印加する。磁場の強さは、例えば1〜200エルステッド(80〜16000A/m)とする。印加された磁場により、下部磁性層12aの磁化容易軸が磁場と平行な方向、すなわち配線1の直線状部分の長手方向と平行な方向を向く。
【0023】
下部接着層13aは、Tiからなる厚さ5nmの層である。下部接着層13aの成膜は、例えば蒸着法により行う。Tiの代わりにTiN、W、WSi等により形成してもよい。膜厚は1〜10nmとすることが好ましい。下部接着層13aは、下部磁性層12aと配線層1aとの密着性を強める作用を有する。
【0024】
配線層1aは、Auからなる厚さ2μmの層である。配線層1aの成膜は、例えば蒸着法、メッキ法等により行われる。Auの代わりに他の非磁性の導電材料、例えばAl等により形成してもよい。膜厚は、0.5〜5μmとすることが好ましく、典型的には2〜4μmとする。
【0025】
レジストパターン15を、その上に堆積した層と共に除去する。図1Aに示す開口15a内に、下部磁性層12a、下部接着層13a及び配線層1aからなる積層構造が残される。このように、薄膜インダクタが形成される領域以外の領域の積層構造をリフトオフ法を用いて除去することにより、半導体基板10の表面に半導体素子が形成されている場合に、半導体素子の損傷を防止することができる。
【0026】
図1Cに示すように、配線1を形成すべき領域をレジストパターン16で覆う。レジストパターン16をマスクとして、加速電圧500〜1000V、圧力2×10-4Torrの条件で、Arを用いたミリングにより配線層1a及び下部接着層13aを部分的に除去する。レジストパターン16が形成された領域に配線1及び下部接着層13が残る。上記条件でミリングを行うと、配線1の断面形状は、下底辺が上底辺よりも長い台形状になる。実施例で作製した配線1の断面は、下底辺10μm、上底辺8μmの台形状である。なお、本明細書において、「台形状」の語は、側辺が厳密に直線である場合のみならず、曲線により構成されている場合を含むものとする。配線層1aと下部接着層13aのミリング後、レジストパターン16を除去する。
【0027】
なお、レジストパターン16をマスクとした等方性のウェットエッチングを用いて、配線層をエッチング除去してもよい。等方性のウェットエッチングは横方向にも進むため、レジストパターン16の端部下方の配線層がアンダーカットされる。このため、配線1の断面を台形状にすることができる。
【0028】
図2Aに示すように、メサ状に残された配線1及び下部接着層13の積層構造の側面にTiからなる上部接着層17を形成する。上部接着層17の形成は、ターゲットとしてTiを用いた直流スパッタリングによりほぼ等方的に厚さ2nmのTi膜の堆積を行った後、Arを用いた異方性のミリングにより平坦部のTi膜を優先的に除去することにより行う。
【0029】
なお、上部接着層17を、Tiの代わりにTiN、W、WSi等で形成してもよい。また、上部接着層17の厚さは1〜5nmとすることが好ましい。上部接着層17は、その上に形成される上部磁性層と配線1との密着性を強くする作用を有する。
【0030】
基板全面を覆うように、強磁性材料からなる上部磁性層18aを形成する。上部磁性層18aの材料及び成膜方法は、図1Bで説明した下部磁性層12aのそれと同様である。
【0031】
上部磁性層18aの表面上に、配線1が形成された領域及びその両側に連続する近傍の領域を覆うレジストパターン19を形成する。
図2Bに示すように、レジストパターン19をマスクとして上部磁性層18aと下部磁性層12aをミリングにより部分的に除去する。相互に隣り合う配線1の間に、分離溝20が形成される。分離溝20は、配線1同士がその周囲を取り囲む磁性層12、18を介して電気的に短絡されることを防止する。下部磁性層12と上部磁性層18により、各配線1と鎖交する閉磁路が形成される。
【0032】
図2Bでは、分離溝20により相互に隣り合う配線1の間を電気的に分離する場合を説明したが、その他の方法で分離してもよい。
【0033】
例えば、溝20を形成すべき領域の磁性層12及び18を部分的に酸化して、CoNbZrの酸化物からなる酸化領域OXを形成してもよい。この酸化領域は、図2Aに示す上部磁性層18aの表面上にレジストパターン19と同一パターンのSiN膜を形成し、このSiN膜をマスクとして酸化雰囲気中で温度350℃程度の選択熱酸化を行うことにより形成することができる。
【0034】
また、図2Aに示すレジストパターン19をマスクとして、磁性層12a及び18a内に酸素をイオン注入し、酸化領域OXを形成してもよい。また、選択熱酸化とイオン注入とを組み合わせてもよい。
【0035】
図3は、図1Aの平面図及び図2Bの断面図で示される薄膜インダクタのインダクタンスの周波数依存性を従来の薄膜インダクタ等と比較して示す。横軸は周波数を単位GHzで表し、縦軸はインダクタンスを単位nH/mmで表す。図中の実線aは、上記実施例による薄膜インダクタ(配線の台形状断面の上底辺が8μm、下底辺が10μm)、実線bは、図2Bにおける磁性層12及び18の磁化容易軸が基板面に平行、かつ配線1の直線状部分の長手方向に対して直交する薄膜インダクタ、破線cは、図2Bにおける配線1の断面を長方形状とした薄膜インダクタ、点線dは、図2Bにおける配線1の回りの磁性層12及び18を有さない薄膜インダクタのインダクタンスを示す。
【0036】
磁性層の磁化容易軸を配線の直線状部分に対して直交させるためには、磁性膜の形成時に配線の直線状部分の長手方向と直交し基板面に平行な向きの磁場を印加しておけばよい。
【0037】
磁性層を有しない薄膜インダクタのインダクタンスは、点線dで示すようにほとんど周波数に依存せず約0.4nH/mmである。断面が長方形状の配線の周囲に磁性層を配置すると、破線cで示すようにインダクタンスを1.6〜1.8nH/mmまで増加させることができる。
【0038】
配線の断面形状を台形状にすると、実線a及びbで示すように、インダクタンスに大きな周波数依存性が現れ、周波数の増加と共にインダクタンスが減少する。周波数の増加と共にインダクタンスが減少するのは、周波数が強磁性共鳴周波数に近づくに従って損失が大きくなるためと考えられる。
【0039】
配線を磁性層で囲み、配線の断面を台形状にすると、2GHz以下の周波数帯域において、磁性層なしのものよりも大きなインダクタンスを得ることができる。また、磁性層の磁化容易軸を配線の直線状部分の長手方向に対して平行にすることにより、直交させる場合に比べて大きなインダクタンスを得ることができる。
【0040】
また、配線の断面形状を台形状にすると、長方形状の場合に比べて、周波数約1.7GHz以下の周波数領域においてインダクタンスが大きくなる。配線の断面を長方形状とした場合に大きなインダクタンスが得られないのは、基板表面に対してほぼ垂直な側面上に磁性層が堆積しにくいか、または堆積しても良好な磁気的特性が得られないためと考えられる。
【0041】
配線の断面を台形状にすると、配線の側面が基板表面の上方を向くため、磁性層が堆積しやすくなると考えられる。このため、側面上にも良好な特性の磁性層が安定して形成され、高インダクタンスを得ることができるものと考えられる。
【0042】
配線の外周面を、基板面に対向する平面状の下表面と下表面以外の上表面により構成し、上表面内の各点の法線ベクトルと基板面の法線ベクトルとのなす角が90°よりも小さくなるように構成することにより、配線の断面を台形状にした場合と同様の効果を得ることができるであろう。例えば、配線の断面形状を部分円形状等にしてもよいであろう。断面が弓形のレジストマスク等を形成し、イオンミリング等を行うことにより、このような形状の断面を得ることができる。なお、ここで、法線ベクトルとは、構成部材の表面上のある点において、その表面に垂直であり、かつその構成部材の外側を向くベクトルを意味する。
【0043】
また、周波数1.7GHz以下の周波数帯域において、大きなインダクタンスを得るためには、配線の長手方向と磁性層の磁化容易軸とを平行にすることが好ましい。この理由は、以下のように推察される。
【0044】
磁性層の磁化容易軸方向を基板面に平行にし、かつ配線の長手方向と直交させると、図2Bにおいて、配線1の側面以外の領域の磁性層12及び18中に形成される磁束の向きが磁化容易軸と平行になる。一般に強磁性体を磁化容易軸に沿って磁化する場合には磁区の移動が伴うため、1GHz程度の周波数に対する磁気特性が悪くなる。これに対し、配線の長手方向と磁性層の磁化容易軸とを平行にすると、配線を流れる電流によって形成される磁束の向きが磁化困難方向になる。磁化容易軸に沿って磁化しないため、1GHz程度でも良好な磁気特性を示すと考えられる。
【0045】
なお、図1Aに示す葛折れ模様配線1の屈曲部にも磁性層が形成されており、屈曲部では磁束の向きが磁化困難方向にならない。ただし、この部分の長さは全体の長さに対して僅かであるため、インダクタンス特性に与える影響は小さい。
【0046】
なお、第1の実施例では、配線1の直線状部分の長手方向と、磁性層12及び18堆積時の印加磁場方向とを平行にする場合を説明したが、厳密に平行である必要はない。配線1を流れる電流により、磁性層12、18をその磁化困難方向に励磁するためには、配線1の直線状部分の長手方向と印加磁場方向とを平行に近づけることが好ましい。なお、電流磁界の磁化困難方向成分を元の磁界の大きさの1/2以上とするために、配線1の直線状部分の長手方向と印加磁場方向とのなす角を60°以下とすることが好ましい。
【0047】
図4は、図2Bに示す薄膜インダクタのインダクタンスと配線1の膜厚との関係を示す。横軸は、配線1の膜厚の2倍を単位μmで表し、縦軸は、インダクタンスを単位nH/mmで表す。なお、配線1の断面の下底辺と上底辺の長さの和は20μmである。横軸の値が5μm以下の範囲の3点においてインダクタンスを測定した。測定結果を記号○で示す。横軸の値が5μm以上の範囲においては、3点の測定点から得られる直線を外挿して示す。図中の斜線領域は、全長1.2mm、幅約10μm、厚さ約2μm、巻数5〜7個のスパイラル型の構成を有する従来の薄膜インダクタの典型的なインダクタンスを示す。
【0048】
配線を厚くすると、インダクタンスが低下することがわかる。この理由は以下のように推察される。
【0049】
図3では、図2Bに示す配線1の側面を傾斜させることにより、側面が基板面に対して垂直な場合に比べて、側面上にも比較的良好な磁気特性を有する磁性層を形成できることを示した。しかし、側面上の磁性層の磁気特性は、上側平坦面上の磁性層よりは悪いと思われる。配線1を厚くすると、磁性層12及び18により形成される閉磁路のうち、配線1の側面に沿う部分の割合が大きくなる。このため、閉磁路全長のうち、磁気特性の比較的良くない部分の長さの割合が大きくなり、インダクタンスが低下するものと考えられる。
【0050】
図4に示すように、測定点を外挿した直線と従来の薄膜インダクタのインダクタンスを示す斜線の領域とが、横軸の値20μmの近傍で交わっている。従って、配線1の上底辺と下底辺との和を20μm以下とすることが好ましいであろう。すなわち、配線の断面形状を、上底辺と下底辺との和が配線の厚さの2倍以下となる台形状とすることが好ましいと考えられる。
【0051】
次に、図5〜図7を参照して、薄膜インダクタの磁性層の厚さの好適な範囲について説明する。
【0052】
図5は、図2Bの薄膜インダクタのインダクタンスと磁性層12及び18の厚さとの関係を示す。横軸は磁性層の厚さを単位μmで表し、縦軸はインダクタンスを単位nH/mmで表す。図中の記号○は、周波数1GHzにおける薄膜インダクタのインダクタンスを示す。
【0053】
磁性層を形成しない場合、及び磁性層の厚さが0.2、0.5及び0.8μmの場合の4点でインダクタンスを測定した。磁性層を形成しない場合のインダクタンスは約0.4nH/mmであり、磁性層を形成すると3nH/mm程度まで増加した。磁性層の厚さが0.2〜0.8μmの範囲で、インダクタンスの有為な差は見られなかった。図5から、磁性層の厚さを、少なくとも0.2μmとすれば、インダクタンスの増大効果が得られることがわかる。
【0054】
図6は、図2Bに示す磁性膜12及び18の磁化困難方向の透磁率と周波数との関係を示す。横軸は、周波数を単位GHzで表し、縦軸は、比透磁率を表す。図中の記号○、□及び△は、それぞれ磁性層12及び18の厚さが0.2μm、0.5μm及び2.0μmの場合を示す。
【0055】
磁性層の厚さが0.2μm及び0.5μmの場合は、周波数を0.1GHzから1GHzまで上昇させても透磁率の低下は見られず、むしろ増加傾向にある。磁性層の厚さが2.0μmの場合には、周波数を0.1GHzから1GHzまで上昇させると、透磁率が徐々に低下する。磁性層を厚くした場合に、周波数の上昇と共に透磁率が低下するのは、渦電流による損失が増加するためと考えられる。薄膜インダクタを1GHz程度の周波数帯域で使用する場合には、磁性層の厚さを2.0μmよりも薄くすることが好ましい。透磁率の低下を防止するためには、磁性層の厚さを1.0μm以下とすることがさらに好ましい。
【0056】
図7は、磁性材料の透磁率と周波数との関係を解析的に求めた結果を示す。横軸は、周波数を単位GHzで表し、縦軸は、比透磁率を表す。なお、磁性材料の直流域における透磁率を1000、電気抵抗率を120×10-6Ω・cmとした。図中の実線p、破線q、点線r及び一点鎖線sは、それぞれ磁性材料の厚さを0.5μm、1.0μm、1.5μm及び2.0μmとした場合の透磁率を示す。
【0057】
周波数を上昇させると、渦電流損失により透磁率が低下し、図6に記号△で示した膜厚2.0μmの場合の透磁率と同様の傾向を示す。透磁率の低下量は、磁性材料の膜厚が厚い程大きい。磁性材料を使用する効果を得るためには、透磁率を300以上とすることが好ましく、500以上とすることがより好ましい。
【0058】
周波数1GHz程度で使用する場合、磁性材料を用いる有為な効果を得るためには、磁性層の厚さを2.0μmよりも薄くすることが好ましく、1.5μm以下とすることがより好ましい。
【0059】
図5〜図7で説明したように、周波数1GHz程度の周波数域で使用する場合、図2Bに示す薄膜インダクタの磁性層12及び18の厚さを0.2〜2.0μmとすることが好ましく、0.2〜1.5μmとすることがより好ましい。
【0060】
図8は、図2Bに示す薄膜インダクタの磁性層12及び18を形成後、熱処理を行った場合のインダクタンスの周波数依存性を、熱処理を行わない場合と比較して示す。横軸は、周波数を単位GHzで表し、縦軸はインダクタンスを単位nH/mmで表す。図中の記号●は熱処理後のインダクタンス、記号○は熱処理前のインダクタンスを示す。なお、熱処理は、磁性層12及び18の成膜時の磁場方向、すなわち配線の直線状部分の長手方向とほぼ同一の磁場方向を持ち、強さが1〜5キロエルステッド(80〜400kA/m)の磁場中で、温度を300℃として1時間行った。
【0061】
磁性層を熱処理することにより、周波数1.5GHz以下の周波数域において、インダクタンスが増加している。これは、熱処理によって下部磁性層12と上部磁性層18との界面の密着性が強くなったため、及び磁性層自体の磁気特性が向上したためと考えられる。なお、周波数1.5GHz以上の周波数域でインダクタンスが低下しているのは、強磁性共振周波数におけるインダクタンスのピークがより急峻になったためと考えられる。
【0062】
また、熱処理中に磁場を印加することにより、磁性層12及び18の磁化容易軸方向を、配線の直線状部分の長手方向に平行に維持することができる。なお、磁性層の成膜時の印加磁場の場合と同様に、磁場の方向と配線の直線状部分の長手方向との角度を60°以下とすることが好ましい。
【0063】
図8に示すように、薄膜インダクタを1.5GHz程度以下の周波数域で使用する場合には、磁性層を形成後、磁場中で熱処理を行うことにより、より大きなインダクタンスを得ることができる。なお、熱処理温度は、350℃以下とすることが好ましい。
【0064】
次に、図9A〜9C、図10A及び10Bを参照して、本発明の第2の実施例による薄膜インダクタの構成及び製造方法を説明する。
【0065】
図9Aは、第2の実施例による薄膜インダクタの平面レイアウトの概略を示す。全長5mmの配線31が矩形のスパイラル模様に配置され、外周側の端部がパッド32Aに連続し、内周側の端部が、スパイラル模様部の配線31と接触しないように層間絶縁膜を介して配線31の上層に形成された配線を経由してパッド32Bに接続されている。
【0066】
図9B、9C、図10A及び10Bは、図9Aの一点鎖線B9−B9における断面図を示す。
【0067】
図9Bに示すように、半導体からなる基板40の上に、CVD等により、SiO2 からなる絶縁膜41を形成する。図2Bの工程と同様のリフトオフ法を用いて、レジストパターン43の開口43a内に下部磁性層42aを形成する。下部磁性層42aの材料、成膜方法は、図1Bの下部磁性層12aのそれと同様である。図9Aに示すように、開口43aは、その内部領域に配線31のうち図の縦方向に延在する配線部分のみが含まれるように配置される。
【0068】
図9Cに示すように、下部磁性層42aの上に、CVD等によりSiO2 等の絶縁膜44を形成する。絶縁膜44の上に、図1B及び1Cの工程と同様の方法で、下部接着層45及び配線31を形成する。絶縁層44の上に、配線31を覆う絶縁層46を形成する。
【0069】
絶縁層44及び46をパターニングし、図9Aに示す開口43a内の配線31のうち、図中左側の2本のみを被覆する領域と、右側の3本のみを被覆する領域に分離する。すなわち、相互に隣接する2本の配線部分を流れる電流の向きが同一の場合には、その間に絶縁層44及び46を残し、電流の向きが反対の場合には、その間の絶縁層44及び46を除去する。このようにして、絶縁層44及び46が島状に残される。
【0070】
図10Aに示すように、基板全面に上部磁性層47aを形成する。上部磁性層47aの材料及び形成方法は、図2Aの上部磁性層18aのそれと同様である。上部磁性層47aの上にレジストパターン48を形成し、絶縁層44及び46が島状に残されている領域及びその両側に連続する近傍領域を、各島状の領域毎に覆う。レジストパターン48をマスクとして上部磁性層47a及び下部磁性層42aの露出部分を除去する。上部磁性層47a及び下部磁性層42aの除去は、図2Bの工程と同様の方法で行う。
【0071】
図10Bに示すように、下部磁性層42と上部磁性層47により、2本の配線31の双方に鎖交する閉磁路が構成される。
【0072】
ここで、2本の平行配線I1 、I2 があり、各配線の自己インダクタンスをそれぞれL1 、L2 、配線間の相互インダクタンスをMとしたときの2本の配線の合成インダクタンスLを考える。2本の配線の合成インダクタンスLは、配線I1 に流れる電流により生ずる磁束の向きと、配線I2 を流れる電流により生じ配線I1 と鎖交する磁束の向きがと同一、すなわち電流の向きが同一のとき、
【0073】
【数1】
L=L1 +L2 +2M …(1)
となり、磁束の向きが反対、すなわち電流の向きが反対のとき、
【0074】
【数2】
L=L1 +L2 −2M …(2)
となる。
【0075】
図2Bの場合は、2本の配線1を流れる電流の向きが相互に逆向きであるため、合成インダクタンスLは、式(2)で与えられる。従って、大きな合成インダクタンスLを得るためには、相互インダクタンスMを小さくすることが好ましい。このため、2つの閉磁路を磁気的に分離し、相互インダクタンスを小さくしている。
【0076】
これに対し、図10Bの場合は、相互に隣接する2本の配線31を流れる電流の向きが同一であるため、合成インダクタンスLは、式(1)で与えられる。従って、大きな合成インダクタンスLを得るためには、相互インダクタンスMを大きくすることが好ましい。このため、一方の配線と鎖交する閉磁路が、同時に他方の配線を流れる電流とも鎖交するような構成としている。
【0077】
図10Bに示すように、1つの閉磁路が2本の配線31の双方と鎖交するような構成にすることにより、相互インダクタンスが大きくなり薄膜インダクタのインダクタンスをより大きくすることができる。
【0078】
図11は、図1A及び図2Bに示す第1の実施例による薄膜インダクタを用いたマイクロ波用回路を示す。メタルセミコンダクタ電界効果トランジスタ(MESFET)61と抵抗62によりマイクロ波増幅回路が形成されている。MESFET61には、薄膜インダクタ60を介して直流バイアスVddが印加されている。すなわち、薄膜インダクタ60がバイアスチョークを構成している。薄膜インダクタンス60の直流バイアス側の端子は、キャパシタ63を介して接地されている。MESFET61のゲート電極に入力信号Vinが与えられ、MESFET61と抵抗62との相互接続点から出力信号Vout が取り出される。
【0079】
薄膜インダクタ60からなるバイアスチョークにより、MESFET61のゲート電極と電源線Vddとの間の高周波インピーダンスが増大し、高周波信号に対する増幅率の低下を抑制することができる。
【0080】
薄膜インダクタ60、MESFET61及び抵抗62を同一半導体基板上に形成することにより、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を作製することができる。
【0081】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薄膜インダクタの配線の断面形状を好適な形状とし、その外周面を強磁性体で取り囲むことにより、大きなインダクタンスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による薄膜インダクタの平面図、及び薄膜インダクタの作製方法を説明するための基板の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による薄膜インダクタの作製方法を説明するための基板の断面図である。
【図3】第1の実施例による薄膜インダクタのインダクタンスの周波数依存性を従来の薄膜インダクタ等と比較して示すグラフである。
【図4】第1の実施例による薄膜インダクタのインダクタンスと配線の膜厚との関係を示すグラフである。
【図5】第1の実施例による薄膜インダクタのインダクタンスと磁性層の厚さとの関係を示すグラフである。
【図6】第1の実施例による薄膜インダクタの透磁率の周波数依存性を、磁性層の厚さ毎に示すグラフである。
【図7】強磁性層の透磁率の周波数依存性を、強磁性層の厚さ毎に示すグラフである。
【図8】第1の実施例による薄膜インダクタの磁性層を形成後、熱処理を行った場合のインダクタンスの周波数依存性を、熱処理を行わない場合と比較して示すグラフである。
【図9】本発明の第2の実施例による薄膜インダクタの平面図、及び薄膜インダクタの作製方法を説明するための基板の断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例による薄膜インダクタの作製方法を説明するための基板の断面図である。
【図11】第1の実施例による薄膜インダクタを使用したマイクロ波回路の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1、31 配線
2A、2B、32A、32B パッド
10、40 基板
11、41 絶縁膜
12、42 下部磁性層
13、45 下部接着層
15、16、19、43、48 レジストパターン
15a 開口
17 上部接着層
18、47 上部磁性層
44、46 絶縁層
60 薄膜インダクタンス
61 MESFET
62 抵抗
63 キャパシタ
Claims (5)
- 平面状の支持面を有する支持基板と、
前記支持面の上に形成され、磁性材料からなる下部磁性層と、
前記下部磁性層の上に、非磁性の導電材料により形成され、長手方向に電流が流れる配線であって、該配線の外周面が、前記支持面に対向する平面状の下表面と該下表面以外の上表面により構成され、該上表面内の各点の法線ベクトルと前記支持面の法線ベクトルとのなす角が90°よりも小さい前記配線と、
前記配線を上から覆うように、磁性材料により形成され、前記下部磁性層と共に前記配線と鎖交する閉磁路を構成する上部磁性層と、
前記下部磁性層の上の前記配線とは異なる位置に、非磁性材料により形成され、前記配線と平行に配置され、前記配線を流れる電流と同一の向きに電流を流す他の配線であって、該他の配線の外周面が、前記支持面に対向する平面状の下表面と該下表面以外の上表面により構成され、該上表面内の各点の法線ベクトルと前記支持面の法線ベクトルとのなす角が90°よりも小さい前記他の配線と
を有し、
前記上部磁性層が、前記配線と共に前記他の配線をも覆うように形成され、前記配線と前記他の配線との間の領域において、前記下部磁性層と磁気的に接続されておらず、
前記閉磁路が前記他の配線とも鎖交する薄膜インダクタ。 - 平面状の支持面を有する支持基板の該支持面上に、磁性材料からなる下部磁性層を形成する工程と、
前記下部磁性層の上に、導電性の非磁性材料からなる配線層を形成する工程と、
前記配線層の上に、配線を形成すべき領域に対応したマスクパターンを形成し、該マスクパターンで覆われていない領域に露出した前記配線層を除去し、該マスクパターンで覆われた領域に、下底辺よりも上底辺が短い台形状の断面を有する配線を残す工程と、
前記配線及び前記下部磁性層を覆うように、磁性材料からなる上部磁性層を形成する工程と
を有し、前記配線が、相互に平行に配置された1対の配線部分を含み、
前記下部磁性層及び上部磁性層が導電性を有し、
前記上部磁性層を形成する工程の後に、さらに、前記1対の配線部分の間の領域に、前記上部磁性層の上面から前記下部磁性層の下面まで達し、かつ前記1対の配線部分に平行な溝を形成する工程を含む薄膜インダクタの製造方法。 - 平面状の支持面を有する支持基板の該支持面上に、磁性材料からなる下部磁性層を形成する工程と、
前記下部磁性層の上に、導電性の非磁性材料からなる配線層を形成する工程と、
前記配線層の上に、配線を形成すべき領域に対応したマスクパターンを形成し、該マスクパターンで覆われていない領域に露出した前記配線層を除去し、該マスクパターンで覆われた領域に、下底辺よりも上底辺が短い台形状の断面を有する配線を残す工程と、
前記配線及び前記下部磁性層を覆うように、磁性材料からなる上部磁性層を形成する工程と
を有し、前記配線が、相互に平行に配置された1対の配線部分を含み、
前記下部磁性層及び上部磁性層が導電性を有し、
前記上部磁性層を形成する工程の後に、さらに、前記1対の配線部分の間の領域のうち該配線部分に平行な方向に長い一部の領域の前記上部磁性層及び前記下部磁性層の全厚さ部分を酸化することにより、前記1対の配線部分が前記上部磁性層及び下部磁性層を介して電気的に短絡されないように両者を電気的に分離する工程を含む薄膜インダクタの製造方法。 - 平面状の支持面を有する支持基板の該支持面上に、磁性材料からなる下部磁性層を形成する工程と、
前記下部磁性層の上に、導電性の非磁性材料からなる配線層を形成する工程と、
前記配線層の上に、配線を形成すべき領域に対応したマスクパターンを形成し、該マスクパターンで覆われていない領域に露出した前記配線層を除去し、該マスクパターンで覆われた領域に、下底辺よりも上底辺が短い台形状の断面を有する配線を残す工程と、
前記配線及び前記下部磁性層を覆うように、磁性材料からなる上部磁性層を形成する工程と
を有し、前記下部磁性層を形成する工程の後、前記配線層を形成する工程の前に、さらに、前記下部磁性層の上に、前記下部磁性層と前記配線層との密着性を強くするための下部接着層を形成する工程を含み、
前記配線を残す工程において、前記マスクパターンで覆われていない領域の前記下部接着層をも除去し、
前記配線を残す工程の後、前記上部磁性層を形成する工程の前に、さらに、
前記配線及び前記下部接着層の側面に、前記配線と前記上部磁性層との密着性を強くするための上部接着層を形成する工程を含む薄膜インダクタの製造方法。 - 前記下部接着層及び上部接着層が、W、WSi、TiまたはTiNで形成されている請求項4に記載の薄膜インダクタの製造方法。
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