JP3818682B2 - 活性炭支持触媒の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は活性炭支持体上に均一に分散した触媒を製造する方法に関するものである。好ましくは、触媒金属前駆体を活性炭前駆体と組み合わせてから、この組合物をコーティングとして基体に施し、次いで、活性炭前駆体を炭化して、活性化し、触媒が表面に分散した耐久性のある活性炭コーティングを形成する。
【0002】
【従来の技術】
貴金属および卑金属を含む遷移金属のような金属が多くの化学反応において触媒として用いられている。触媒は一般的に、化学反応の速度を増加させ、製造業における製造速度をより増加させている。ある触媒は、反応を所望の経路に沿って起こすのにも用いられている。すなわち、触媒は、他の化学物質よりも効率的に好ましいある化学物質を形成する。
【0003】
一般的に、触媒は高価であり、したがって、所定量の触媒をその最大の能力まで使用することが必要である。このことは、触媒の表面積を最大にすること、すなわち、分散性を増大させることにより達成できる。触媒は、固体または液体として使用することができる。この固体の触媒は、粉末の形態で使用することができるが、一般的には、高表面積の支持体に支持されている。このような場合には、支持体の特性が非常に重要となってきている。
【0004】
活性炭もまた、表面積が非常に大きいために、触媒金属(例えば、貴金属)の支持体として用いられている。そのような触媒は、様々な石油化学反応において(粉末形態またはビーズ形態で)用いられている。これらの触媒は通常、予め成形した活性炭に貴金属粒子を分散させることにより作成している(初期湿潤技術:incipient wetness technique )。
【0005】
この初期湿潤技術には、金属塩の溶液中に活性炭粉末を分散させる工程がある。このようにして、活性炭粉末に溶液をしみこませる。この活性炭粉末を濾過して取り出し、乾燥させ、適温まで加熱して、金属塩を所望の金属触媒または金属酸化物触媒に分解する。所望の量の触媒を活性炭に施すには、通常、何回も含浸することが必要である。活性炭粉末の表面特性は、得られた金属触媒を分散させる際に非常に重要な役割を果たす。活性炭粉末の表面のpHおよび酸素含有量を注意深く制御して、活性炭に金属を良好に分散させなければならない。この工程に要する様々な工程を行なうと、非常に高価な、活性炭により支持された触媒粉末(活性炭支持触媒)が得られる。
【0006】
活性炭支持触媒を製造する別の方法には、大きな蒸気圧を作用させて炭素表面に触媒金属前駆体を付着させるものがある。この技術において、炭素表面にある化学物質は、触媒前駆体の選択に影響を与える。最も望ましい触媒の多くには、しばしば適切な前駆体がない。容易に蒸着できない触媒金属の例としては、アルカリ土類金属、Cr、Mn、Cu等が挙げられる。なぜならば、これらの金属の化合物の蒸気圧は小さいからである。Pt、PdおよびCoのような他の金属は、これらの金属の揮発性化合物が蒸気相中で急速に分解してしまうので、蒸着させるのが非常に難しい。さらに、入手できるそれらの金属の多くは毒性が強い。結局、この方法には、非常に発達した高価な蒸着装置が必要とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この業界において、より単純で、費用効率のよい、触媒が均一に分散した活性炭触媒を製造する方法が求められている。
【0008】
本発明はそのような方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施態様によると、活性炭支持触媒を製造する方法であって、炭素前駆体および触媒前駆体を組み合わせ、必要であればその炭素前駆体を硬化させ、炭素前駆体を炭化させて、炭素を活性化させて、活性炭支持触媒を製造する各工程からなる方法を提供する。
【0010】
本発明の別の実施態様によると、活性炭支持触媒は、基体上のコーティング、粉末、またはモノリシック体の形態をとることができる。
【0011】
本発明は、触媒が活性炭粒子上に均一に分布した活性炭触媒を製造する方法を提供する。本発明はまた、ハニカム形状の活性炭触媒支持体を提供する。ハニカム基体の利点は、連続フロー反応に用いる既製の反応器が得られることである。ハニカム触媒反応器に電極を取り付けて加熱し、所定の反応のために温度を制御することもできる。
【0012】
概して、本発明の方法には、触媒前駆体を活性炭前駆体と接触させ、その後活性炭前駆体を炭化させて炭素を活性化させる工程がある。この触媒は、活性炭の「その場」での成形中に施すべきであると言われている。
【0013】
その場での方法には、一般的な炭素支持触媒の調製方法よりも優れた多くの利点がある。例えば、触媒は、多孔率が大きい、活性炭上に十分に分散した金属であり、このことは、たった1つの工程、すなわち、触媒前駆体を最初に活性炭前駆体と接触させる工程により行なわれる。本発明のその場での工程には、炭素に触媒を充填する工程がないので、以前の方法よりも効果効率がよい。
【0014】
活性炭および触媒は、微細な粉末粒子、ペレットまたはモノリシック体の形状であっても差支えない。炭素は、粘土、マイカのような無機粒子、フレーク、小板、またはアルミナ、ムライト、ガラス、ガラスセラミックのような他の無機粉末材料もしくは無機繊維の表面に被覆しても差支えない。炭素を管、気泡体、多画体のような成形基体上に被覆しても差支えない。炭素モノリスおよび炭素被覆基体の好ましい形状は、ハニカムのような多画構造体である。
【0015】
触媒を選択して所望の用途(例えば、製油、化学合成、自動車の排気ガス精製のような汚染対策等)に適応させる。
【0016】
触媒前駆体は最も一般的には、加熱すると触媒金属または触媒金属酸化物に分解する触媒金属の有機塩または無機塩等の化合物である。無機化合物は、例えば、塩化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、アンモニウム複塩等の塩、酸化物であっても差支えない。有機化合物は、例えば、適切な種類の有機金属ハロゲン化物であっても差支えない。
【0017】
典型的な触媒金属は、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの組合せである。最も有用なものは、貴金属、卑金属またはこれらの組合せである。好ましくは、触媒金属は、Pt、Pd、Rh、Ag、Au、Fe、Co、Cr、Ni、Mn、Cu、Li、Mg、Ba、Mo、Ru、Os、Ir、またはこれらの組合せである。触媒金属の例としては、全てを含むものではないが、NOxおよびSOxを転化するためには、V、Co、Cu、NiまたはFeの酸化物、様々な化学反応等のためには、貴金属およびCu、Zn、Co、Ni、Mn、Cr、Feが挙げられる。
【0018】
特に有用な触媒金属の1つは、白金である。白金を使用する場合には、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム、(NH4 )2 PtCl4 のようなアンモニウム複塩前駆体の形態に、白金と炭素前駆体を組み合わせることが好ましい。
【0019】
炭素前駆体は、加熱の際に連続構造の炭素に転化される炭素含有物質を意味するものである。炭素前駆体に、液体または液化可能な炭質物質を含んでも差支えない。有用な炭素前駆体の例としては、熱可塑性樹脂(例えば、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等)、砂糖溶液、フルフリルアルコールおよびコールタールピッチが挙げられる。
【0020】
低粘度の炭素前駆体(熱硬化性樹脂)は、粘度が小さいので、この炭素前駆体が基体の多孔中により多く浸透するので、特に炭素前駆体および触媒を基体と接触すべき場合には好ましい。フェノール樹脂は、粘度が小さく、炭素を多く生成し、他の前駆体と比較して硬化の際の架橋の度合いが高いので、最も好ましい。特に適したフェノール樹脂は、フェノールレゾール(No.43290)およびプリオフェンである。両方とも、オクシデンタルケミカル社(ニューヨーク州、ナイアガラフォール)から得られる。
【0021】
本発明に使用する炭素前駆体の液体には、1種類の前駆体材料または2種類以上の前駆体材料の混合物を含んでも差支えない。炭素前駆体および触媒前駆体は、それらを互いに混合して溶液またはエマルジョンを形成することにより組み合わせる。
【0022】
一度炭素前駆体および触媒前駆体を組み合わせたら、これらを加工して炭素前駆体を炭化させて得られた炭素を活性化させ、必要であれば触媒前駆体も活性化させ、活性炭を所望の物理的な形状に造型しても差支えない。
【0023】
好ましい実施態様によると、炭素前駆体および触媒を適切な無機多孔性モノリス基体と接触させて、この基体を炭素前駆体および触媒により被覆する。
【0024】
基体には外面があり、そこから細孔が基体中に延びている。コーティングがこれらの細孔中に浸透し、細孔全体に亘って分布している。
【0025】
モノリス基体の最も有用な形態において、このモノリス基体には、作用流(workstream)をその中に通す手段、例えば、外側から内側に連絡する細孔のネットワーク、および/または作用流が一方の端から他方の端に通過するための、モノリスの一方の端から他方の端に延びる通路がある。
【0026】
基体は、使用する用途で機能するのに十分な強度を有さなければならず、なおかつ活性炭コーティングを形成する際に経験する熱処理温度に耐えることができなければならない。
【0027】
基体の全体の開放多孔率は、少なくとも約10%、好ましくは約25%より大きく、最も好ましくは約40%よりも大きいことが望ましい。ほとんどの目的にとって、多孔率の所望の範囲は約45%から約55%までである。好ましくは、基体材料の細孔は、相互に連結した多数の細孔を作り出す。このような相互に連結した多数の細孔は、細孔が他の細孔中に連結したり他の細孔を横切ることにより基体中に作られる多孔の曲がりくねったネットワークを形成することにより特徴付けられる。
【0028】
適切な多孔性基体材料の例としては、セラミック、ガラスセラミック、ガラス、金属、およびこれらの組合せが挙げられる。組合せとは、物理的な組合せまたは化学的な組合せ、例えば、混合物、化合物、または複合体を意味するものである。
【0029】
本発明を実施するのに特に適した材料は、本発明はそれらに限定されるものではないが、コージエライト、ムライト、粘土、タルク、ジルコン、酸化ジルコニウム、ジルコン酸塩、酸化ジルコニウム−尖晶石、マグネシウムアルミノシリケート、尖晶石、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、ホウ化物、アルミノケイ酸塩(例えば、磁器)、リチウムアルミノシリケート、アルミナシリカ、長石、チタニア、溶融シリカ、窒化物、炭化物(例えば、炭化ケイ素)、窒化ケイ素またはこれらの混合物である。コージエライトの熱膨張係数は炭素の熱膨脹係数と匹敵しており、活性炭構造体の安定性が高まるので、コージエライトが好ましい。典型的なセラミック基体のいくつかが、米国特許第4,127,691 号および同第3,885,977 号に開示されている。これらの特許をここに引用する。適切な金属材料は、使用するのに構造的な耐久性を有し、かつ望ましくは約600 ℃未満では軟化しない金属または合金もしくは金属間化合物である。特に有用な合金は、炭素を含むか(例えば、スチール、特にステンレススチールまたは高温スチール)または含まない、主に鉄族金属(すなわち、Fe、Ni、およびCo)からなる合金である。高温で使用するための最も典型的な高温スチールは、鉄族金属およびアルミニウムから実質的になるものであり、好ましい鉄族金属は鉄である。特に好ましいのは、Fe、Al、およびCrである。例えば、他に考えられる添加剤と混合された、Fe5-20Al5-40Cr粉末(5−20%のAlおよび5−40%のCrを含有するFe粉末)およびFe710 Al10-20 Cr粉末(7−10%のAlおよび10−20%のCrを含有するFe粉末)が特に適している。基体を形成するための金属粉末の典型的な組成物のいくつかが、米国特許第4,992,233 号、同第4,758,272 号、およびEPO特許出願公報第488716A1号に開示されている。これらの特許をここに引用する。米国特許第4,992,233 号、および同第4,758,272 号は、任意の添加剤としてSn、Cu、およびCrを含む、FeおよびAlからなる金属粉末組成物から作られた多孔性焼成体を製造する方法に関するものである。EPO特許出願公報第488716A1号は、重量パーセントで、約5から約40%のCr、約2から約30%のAl、0から約5%の特定の金属、0から約4%の希土類酸化物添加剤および残りの量を補う鉄族金属並びに混入が避けられない不純物から実質的になる組成を有する多孔性焼成体に関するものである。ここで、好ましい鉄族金属は鉄である。希土類酸化物が含まれる場合には、この特定の金属は、Y、ランタニド、Zr、Hf、Ti、Si、アルカリ土類金属、B、Cu、およびSnからなる群から選択される少なくとも1種類の金属である。希土類酸化物が含まれない場合には、この特定の金属は、Y、ランタニド、Zr、Hf、Ti、Si、およびBからなる群より選択される少なくとも1種類の金属であり、任意の添加剤としては、アルカリ土類金属、Cu、およびSnが挙げられる。
【0030】
基体は好ましくは、ハニカムまたはハニカムの端部の間に延びる多数の開放端セルを形成する薄壁のマトリックスである。
【0031】
本発明の方法により製造されるハニカムの例としては、本発明は以下に限定されるものではないが、約172 セル/cm2 (1100セル/in2 (cpsi))、約94セル/cm2 (600 セル/in2 )、約62セル/cm2 (400 セル/in2 )、または約47セル/cm2 (300 セル/in2 )のセル密度を有するハニカム、約31セル/cm2 (200 セル/in2 )、約15セル/cm2 (100 セル/in2 )、約2.5 セル/cm2 (16セル/in2 )、または約1.5 セル/cm2 ( 9セル/in2 )のセル密度を有するハニカムが挙げられる。
【0032】
壁(ウェブ)厚は典型的には、ほとんどの用途で約0.1 mmから約1.3 mm (約4ミルから約50ミル)までの範囲におよぶ。しかしながら、本発明はこれらの寸法に限定されるものではない。外寸およびボディの形状は、用途に応じて変更でき、上述したものに限定されるものではない。例えば、セル密度および壁厚の他の組合せを用いても差支えない。
【0033】
コージエライトハニカムが、活性炭用の基体として特に好ましい。
【0034】
接触は、炭素前駆体および触媒材料を無機基体と密接に接触させるのに適したいかなる方法により行なってもよい。接触を行なう方法の例としては、炭素前駆体と触媒前駆体との溶液(または液体)中に基体を浸漬させること、および炭素前駆体と触媒前駆体との溶液(または液体)を直接基体に吹き付けることが挙げられる。
【0035】
基体上に結果として形成される炭素(および触媒)の量は、基体により保持される炭素前駆体(および触媒前駆体)の量に依存する。基体に保持される炭素前駆体(および触媒前駆体)の量は、例えば、2度以上基体を炭素前駆体(および触媒前駆体)と接触させ、接触工程の間に基体を乾燥させることにより、増加させることができる。さらに、基体に保持される炭素前駆体(および触媒前駆体)の量は、単に基体の全体の多孔率を変更することにより多孔性基体において制御することができる(例えば、多孔率を増加させると、基体により保持される炭素前駆体(および触媒前駆体)の量が増加し、次いで基体上に形成される炭素(および触媒金属)の量が増加する)。
【0036】
次いで、基体および炭素前駆体(および触媒前駆体)に熱処理を施して、炭素前駆体を連続炭素に転化させる(炭化)。得られた炭素(および触媒)被覆基体に熱処理を施して、炭素を活性化させ、触媒が表面に分散した活性炭構造体を製造する。
【0037】
炭素前駆体が熱硬化性樹脂である場合には、炭素前駆体を活性化の前、なおかつ最も一般的には炭化前に硬化させる。硬化は、被覆基体を約0.5 から約5.0 時間に亘り約100 ℃から約200 ℃までの範囲の温度に加熱することにより一般的に行なう。硬化は一般的に大気圧の空気中で行なう。ある炭素前駆体(例えば、フルフリルアルコール)を使用する場合には、酸触媒のような硬化触媒を室温で添加することにより硬化を行なえる。
【0038】
炭化は炭質材料の熱分解であり、これによって、低分子量の物質(例えば、二酸化炭素、水等)を除去し、凝固した炭素塊を作りだし、この炭素塊中には細孔の初期的構造を形成する。
【0039】
硬化した炭素前駆体のそのような転化または炭化は、一般的に、還元雰囲気または不活性雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)中で約1時間から約10時間に亘って、基体を約600 ℃から約1000℃までの範囲の温度に加熱することにより行なう。
【0040】
基体上に炭素前駆体を硬化させ炭化させると、基体の全面に亘って、触媒が分散した、炭素の実質的に連続した層状のコーティングを有する構造体が得られる。この炭素コーティングは基体の多孔中に固着しており、その結果、付着力が非常に大きい。炭素コーティングの上面には、炭素間同士の結合による連続層がある。
【0041】
上述したように、相互に連結した多数の細孔が基体中に存在する場合には、絡み合った炭素のネットワークが組成物内に形成され、均一でより付着力の強い炭素コーティングが形成される。形成された基体の外面全体に延びる連続炭素のコーティングのために、比較的炭素の含有量が少なく、強度が大きく、使用温度が高いことにもかかわらず、吸着容量が大きいという利点を有する構造体が得られる。基体および炭素の合計重量に対して、約50%以下の量、しばしば約30%以下の量の炭素を含有する構造体を形成することができる。
【0042】
活性化を行なって、容量を実質的に大きくし、炭化中に形成されるミクロ細孔の直径を大きくし、新しい多孔を形成する。活性化により表面積が大きくなり、そのために、構造体の吸着容量が大きくなる。活性化は、高温(例えば、約600 ℃から約1000℃)で、構造体を、蒸気、二酸化炭素、金属塩化物(例えば、塩化亜鉛)、リン酸、または硫酸カリウムのような酸化剤にさらすことのような既知の方法により行なう。
【0043】
上述した活性炭構造体の活性炭コーティングは、チッピングおよびフレーキングに対する抵抗が大きく、強度が大きく、活性炭および結合剤のスラリー中に基体を浸漬することにより製造した炭素コーティングと比較して高温に対する抵抗が大きい。さらに、これらの炭素被覆構造体は、コーティングが炭素から直接作られる場合には、押出し炭素構造体または被覆構造体よりも吸着容量が大きい。
【0044】
活性炭支持触媒を形成する他の実施態様は、炭素前駆体および触媒前駆体を加工して、粉末、ペレット、粒体、またはモノリシック体を形成することである。この場合には、炭素は、多孔性の無機基体には支持されていない。しかしながら、炭素支持触媒の加工を、活性炭被覆固体の加工と平行して行なう。例えば、特定の金属触媒使用量(一般的には、約0.1 から10重量%)となるのに十分な量で、触媒前駆体を炭素前駆体と混合する。次いで、炭素前駆体に一連の熱処理を施して、必要であれば炭素前駆体を硬化させ、その後、炭化により、炭素前駆体を連続炭素に転化させる。粉末、ペレット、粒体、またはモノリシック体としての活性炭と触媒の形状は、硬化工程または炭化工程の際に形成される。粉末は、硬化させたか炭化させた活性炭または触媒を粉砕するか、もしくは前駆体の溶液を炭素前駆体の硬化を行なう温度で(硬化を行なう場合には)噴霧乾燥することにより作成できる。これに続いて、粉末を炭化させて活性化させて、多孔率の大きい活性炭を形成する。炭素前駆体および触媒前駆体をあるキャビティ中に注型して注意深く硬化させ、炭化させ、その成形品を活性化させることによりモノリスを形成できる。ペレットおよび粒体は、前駆体溶液またはエマルジョンを小さな型中に注型するか、またはモノリスを粉砕することにより形成できる。
【0045】
炭素材料内の炭化触媒は、炭素の表面積を大きくし、触媒金属表面を反応のために流体にさらす前述した工程のうちのいずれか1つにより活性化させる。
【0046】
活性炭粉末、粒体、ペレットまたはモノリス炭素体に支持された触媒の実施態様により、多くの利点を有する活性炭被覆基体が得られる。すなわち、そのような利点としては、触媒の分散性が高いこと、吸着容量が大きいこと、細孔の容積が大きいこと、そして活性表面積が大きいことが挙げられる。触媒を単純な一連の工程で良好に分散させる、上記材料特性を達成するのに使用する方法は、特に好ましく、活性炭の成形体上に触媒を形成するのに使用する他の方法とは区別される。初期湿潤技術または気相蒸着のような他の方法には、炭素の表面化学物質および触媒の多数の用途を注意深く配慮しなければならず、したがって、非常にコストがかかってしまう。
【0047】
特に有用な1つの実施態様において、フェノール樹脂のような樹脂を、例えば、(NH4 )2 PtCl4 のような白金塩の形態で白金と組み合わせる。このときのPt金属の使用量は、例えば、活性化させてコージエライトハニカムのような基体に施した後の炭素の量に基づいて約0.5 重量%から約5重量%までである。白金微結晶の大きさおよび活性炭上の白金の分散度合いは、後述する実施例に見られるように、炭化温度および活性化温度を制御することにより調節できることが分かった。
【0048】
別の有用な実施態様において、塩化物のような溶性塩の形態にある遷移金属 (例えば、Fe、Cu、Ni、およびCr)を炭素前駆体(例えば、フェノール樹脂)と組み合わせて、基体(例えば、コージエライトハニカム)にコーティングとして施すことができる。
【0049】
異なる金属前駆体は、炭化および活性化工程中に、焼成条件下で熱力学平衡により金属または金属酸化物に転化する。炭化の還元雰囲気中において、Crのような酸化電位の高い金属は酸化物を形成するが、酸化電位の低い金属は金属のままである。活性化の穏やかな還元条件下では、Fe、およびNi(より低い電位)のような酸化電位が中位の金属は酸化物を形成するが、Pt、およびCuのような酸化電位の小さい金属は金属微結晶を形成する。本発明は、炭化工程および活性化工程中に直接形成される触媒に限定されるものではない。金属触媒の酸化状態、および実際の化学状態は、活性化工程を終了した後に適切な処理によって変えることができる。水素含有雰囲気中で熱処理を行なうことにより、活性炭構造体を犠牲にすることなく、金属酸化物を還元できる。約400 ℃未満で空気にさらすことにより、活性炭支持体を実質的に酸化することなく金属を酸化物に転化できる。異なる化学物質から触媒を形成することが必要な場合には、硫化物、例えば、H2 S含有雰囲気中の熱処理を用いて、活性炭構造体に実質的に影響を与えることなく、金属酸化物の金属を、細かく分散した硫化金属触媒粒子に転化できる。
【0050】
炭化は、約1−10時間に亘り約500 ℃から1100℃までの範囲の温度で不活性雰囲気または還元雰囲気中で行なうことができる。活性化を約400 ℃から約1000℃までの範囲の温度、好ましくは約400 ℃から約900 ℃の範囲の温度で行なうことができる。その種に特有な温度は触媒および前駆体に依存する。
【0051】
別の実施態様によると、活性炭および触媒で被覆した基体に電極を取り付けることができる。この操作を行なう好ましい方法は、1994年 5月26日に出願された米国特許出願SN 08/249,897 号に記載されている。この特許出願をここに引用する。
【0052】
好ましい基体はハニカムであり、最も好ましいものはコージエライトハニカムである。
【0053】
この実施態様において、利点は炭素の導電特性にある。電流が炭素に流れることによって、その炭素の構造体の抵抗および加える電圧に依存して、炭素は所定の温度まで加熱される。炭素構造体の温度を所望の温度まで上昇させるのに適した抵抗および電圧を伴う炭素構造体を設計することができる。
【0054】
所望の温度まで加熱するための電気接点が取り付けられ、その上に均一に分散した触媒コーティングを有する上記構造体は、適切な反応のための連続反応器として機能できる。選択したある反応のために、活性炭上に所望の触媒が分散した活性炭被覆基体を調製する。電極により、前記構造体を最適反応温度まで加熱する。この反応器に反応体を通して、所望の反応(例えば、化学転化)を行なう。
【0055】
前記構造体または特に該構造体を構成する炭素に電流を流して炭素を均一に加熱できるように、導電手段を配置する。導電手段の実際の配置は、この手段の種類および構造体の形状に依存するが、電流がホットスポットを生じること無く構造体を均一に加熱するかぎり、本発明は導電手段の特定の種類および特定の形状寸法に限定されるものではない。
【0056】
一般的に、導電手段は、少なくとも約0.001 オーム・cm、典型的には少なくとも約0.01オーム・cm、そして最も典型的には少なくとも約0.10オーム・cmの抵抗率を有さなければならない。本発明のほとんどの目的には、抵抗率は約0.10オーム・cmから25オーム・cmまでの間の範囲である。
【0057】
本発明の目的にとっては、構造体の抵抗率は次式から求められる:
【0058】
【数1】
【0059】
ここで、ρはオーム・cmで示した抵抗率であり、Rはオームで示した抵抗であり、Aはcm2 で示した導電表面の面積であり、Lはcmで示した2つの導電表面の間の距離である。
【0060】
電圧と電流の必要条件は用途に応じて変わり、上記式にしたがって、抵抗率を所望の値に調節できる。例えば、構造体を、自動車用途の空気のような、酸素含有雰囲気中で加熱すべき場合には、構造体に約350 ℃より高いホットポイントを発生させないように温度を上昇させるような電圧および電流を用いるべきである。構造体を不活性雰囲気または非反応性雰囲気(例えば、N2 )中で加熱すべき場合には、構造体に約1000℃より高いホットポイントを発生させないように温度を上昇させるような電圧および電流を用いるべきである。
【0061】
特に好ましい導電材料の例としては、銅、銀、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉛、スズ、およびこれらの合金が挙げられ、抵抗を最小とする高導電率のため、および安価であるために、銅が好ましい。
【0062】
導電手段は一般的に、導電材料の小片、電極、またはモノリス基体上の導電材料のコーティングのいずれかの形態にある。本発明において、「導電コーティング」は、活性炭構造体に施され、このために、炭素被覆構造体の炭素コーティングとは区別されるコーティングである。
【0063】
電極を使用する場合には、圧力接触(例えば、スプリング)により施すことができる。もしくは、導電金属の小片を用いて、アクメケミカルスアンドインシュレーション社から得られるEソルダー#3012および#3021等の銀含有エポキシのような導電接着剤により構造体に付着させることができる。
【0064】
導電コーティングは対費用効果がよく、ホットスポットが生じないように均一の抵抗路が形成される。
【0065】
特に適した形状は、構造体の反対の表面に施された導電金属を有するものである。反対の表面は、構造体の形状にしたがって、導電表面間の電流通路が、炭素を均一に加熱する電流を発生させるように離れた表面を意味する。
【0066】
モノリスの好ましい形状はハニカム、例えば、2つの反対の面上に導電コーティングを有する矩形の形状にある、炭素前駆体から形成した炭素被覆ハニカムである。
【0067】
導電コーティングはモノリス構造体の内側にも侵入し、セルの壁を、壁の長さの一部まで覆う。コーティングに覆われる長さは、変えることができるが、構造体を均一に横切るように電流を流すほど十分でなければならない。
【0068】
他に考えられる構造体の形状およびコーティングの配置は、閉塞側に沿って筋状に導電コーティングを有するか、または開放端で周りを囲った側面にコーティングを有するか、または開放端上に導電コーティングを有するか、構造体の内側(例えば、中心)に別の接触がなされた、構造体の完全に外側に導電コーティングを有する矩形面または管状のハニカムである。上述した内容は説明のためであり、限定を意図するものではない。構造体の形状およびコーティングの配置は、用途の性質および、例えば、コスト、空間、温度等のような要因に依存する。必要条件は、抵抗が小さく、機械的に安定なシステムが達成できることである。
【0069】
導電コーティングは、フリットボンディング、アーク噴霧、溶射、プラズマ噴霧、超音波溶接、塗装のような既知の適切な技術により施すことができる。
【0070】
本発明においては、コーティングの厚さを特定のものに限定しない。厚さは、被覆表面の性質およびコーティング金属の性質に依存する。コーティングは、抵抗が小さい電流通路を提供し、長持ち、すなわち、酸化および腐食に対して抵抗を有し、良好な機械安定性を有するほど厚くなければならない。しかしながら、コーティングは、欠けたり、剥離したり、法外に高価であるべきではない。
【0071】
特に適した導電コーティング技術の1つには、活性炭被覆表面が滑らかなことを確実にすることがある。この工程は通常、活性炭被覆表面が平らで滑らかになるまで研磨することにより行なわれる。表面が粗い場合には、600 グリットのサンドペーパーで研磨する。次いで、滑らかになった活性炭コーティング上に導電コーティングを施す。導電コーティングを施すのに有用な技術のいくつかを以下に記載する。
【0072】
そのような技術の1つは、銅の金属粉末およびガラスフリットのコーティング混合物を、ガラスフリットに対する銅の重量比が、一般的には約10:1から2:1までの範囲、より一般的には約6:1から約2:1までの範囲となるように調製することである。例えば、いくつかの一般的な銅−フリット組成としては、70重量%のCuおよび30重量%のフリット、または84重量%の銅および16重量%のフリットがある。次いでコーティングを焼成する。
【0073】
アーク噴霧は適切な技術である。アーク噴霧は、ワイヤフィーダおよびアーク噴霧ガンに2つの金属化ワイヤを通すことにより行なわれる。電流によりワイヤの間にアークが生じる。ワイヤを溶融するアークにより高熱地帯が生じ、圧縮空気を被覆すべき基体上の溶融金属に吹き付けて、耐久性を有するコーティングを付着させる。
【0074】
別の技術としては、例えば、銀、ニッケル、または他の適した導電コーティングのはんだを用意し、超音波溶接を含む上述した方法により、そのはんだを施すことが挙げられる。
【0075】
【実施例】
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。全ての部、部分および百分率は別記しない限り重量に基づくものである。
【0076】
実施例1
エングルハードスペシャルティーケミカルス社(ニュージャージー州、ニューウォーク)から得た白金塩(NH4 )2 PtCl4 を脱イオン水中に溶解させて33%の溶液を調製した。フェノール樹脂は、オクシデンタルケミカル社(ニューヨーク州、ナイアガラフォール)から得たフェノリックレゾール(No.43290 )であった。約7.5 gの白金塩溶液を約100 gの樹脂に加えて、混合した。次いで、62セル/cm2 (400 セル/in2 )の多孔性コージエライトハニカム基体を約1分間に亘り混合物中に浸漬することにより基体を混合物で被覆し、圧縮空気を吹き付けることによりチャンネルから過剰の樹脂を取り去った。試料を室温から約150 ℃まで約25℃/時間の速度で加熱して乾燥させ、樹脂を硬化させた。硬化した樹脂により被覆されたハニカムを、次いでN2 中で約500 ℃まで約150 ℃/時間の速度で加熱し、この温度を約1時間に亘り維持した。次いで、ハニカムを約900 ℃に加熱し、この温度を約6時間に亘り維持して、樹脂を炭化させた。炭化した樹脂に被覆されたハニカムを約800 ℃で約1時間に亘り蒸気中で活性化させた。このとき、蒸気は窒素中に約30モルの分画であった。このように活性化した試料を室温まで冷却し、取り出して、H2 温度プログラム還元(temperature programmed reduction:TPR)および脱着(TPD)法、およびX線回折法により特徴付けた。TPDの結果は、Pt微結晶が約100 オングストロームであることを示している。X線回折パターンは、Pt微結晶にはPtOまたはPtO2がほとんどまたはまったく含まれないことを示している。このように良好に分散したPtは、様々な化学反応にとって非常に活性の強い触媒を形成することが期待されている。
【0077】
温度プログラム還元(TPR)および温度プログラム脱着(TPD)は、触媒の分散を測定するのに使用されるよく知られている技術である。触媒を含有する炭素試料を、約30cc/分の流速で最初にアルゴン中において約300 ℃まで加熱して吸着された物質を除去する。次いで、H2 を流して(30cc/分)試料を約380 ℃まで加熱して金属を還元する。試料を室温まで冷却して、吸着のためにH2 を通過させる。試料を加熱することにより、吸着された水素を脱着させて、異なる温度で放出される水素の量を測定する。既知の量の水素から、白金の活性表面積を計算し、表面積および試料中に存在する既知の量の触媒から分散性を計算する(すなわち、白金微結晶の大きさが得られる)。これは標準的な技術であり、分散部位は、透過電子顕微鏡検査(transmission electron microscopy:TEM)技術により確かめられる。TPDの実験から計算した微結晶の平均サイズと、TEMにより測定した微結晶のサイズとの相関性は良好である。TEMは、百万を越える倍率で特性を視覚化して、それにより分散粒子を直接測定できる電子顕微鏡検査技術である。
【0078】
実施例2
活性化を約2時間に亘り約900 ℃でCO2 中において行なったことを除いて、実施例1の方法を繰り返した。TPDの結果は、Pt微結晶が約170 オングストロームであることを示している。X線回折パターンは、白金は酸化物としてではなく金属の形態で有用であるので望ましい、PtOまたはPtO2 をほとんどまたはまったく含まないPt微結晶が存在することを示している。これらの結果は、白金が金属の形態かまたは触媒として最も有用な形態で存在することを示している。
【0079】
実施例3
炭素の活性化をCO2 中において2時間に亘り約700 ℃で行なったことを除いて実施例2の実験を繰り返した。この試料の白金微結晶のサイズは約25オングストロームであった。この分散性は、実施例1または2よりも著しく良好である。
【0080】
実施例1から3は明確に、白金の分散を炭素を加工するパラメータにより制御できることを示している。実施例3において達成された非常に良好な分散性は、20オングストロームでの初期の方法により調製した従来技術の触媒の状態に近い。
【0081】
実質例4
鉄、ニッケル、銅、およびクロムの塩化物の各々を水中に溶解させて、水5−10部に対してそれぞれの金属が約2部である溶液を調製した。金属塩化物溶液を、約98部の活性炭を生成するのに十分な量のフェノール樹脂と混合した。得られた金属塩化物と樹脂との混合物を約150 ℃で硬化させ、約700 ℃から約900 ℃で炭化させた。これらの試料をCO2 において約1時間に亘り約900 ℃で活性化させた。Fe、Ni、およびCuの塩を有する炭化した樹脂がX線回折により発見され、金属が0価の状態にあることを支持した(炭化工程中に金属塩も金属化合物も形成されなかった)。クロムが炭素中においてCr2 O3 相を形成し、このとき、0価の金属は存在しなかった。900 ℃で炭化させた試料を約1.5 時間に亘り約900 ℃で活性化させ、X線回折により検査した。クロムおよび鉄が酸化物を形成し、ニッケルがNiOおよびNi金属の組合せとして存在した。銅は金属としてのみ存在した。これらの結果により、活性炭中の金属の化学状態は、加工方法に依存し、従って、制御し予期できることが分かった。言い換えれば、適切な触媒前駆体および加工条件を選択することにより、触媒は金属状態または酸化状態で形成した。
【0082】
本発明により製造した構造体の多くの用途のうちの1つには、オゾン対策がある。レーザープリンターおよびコピー機の使用中に生成するオゾンは、健康に対して危険であると考えられるほどオフィス環境における濃度が大きいことが分かった。過去においては、活性炭床を用いて、オゾンを吸着し、分解し、生成した酸素を環境に放出していた。活性炭床を使用することにより生じる問題は、プリンターおよびコピー機の内部操作部品を冷却するのに必要なファンが、冷却するのに十分な気流を発生させるための大きな圧力差を克服しなければならないことである。この問題に対する解決策は、ハニカム形状の活性炭を使用することである。成形した活性炭構造体の欠点は、前述したとおりである。本発明により製造した構造体は、オゾン対策用途において非常に良好に機能する。
【0083】
以下の実施例は、本発明により製造した触発された炭素被覆ハニカムがオゾン対策において良好に機能することを示す。
【0084】
実施例5
セル密度が約31セル/cm2 (200 セル/in2 )であり、壁厚が0.3 mm (12ミル)であり、セル形状が正方形であるコージエライトハニカムを、オクシデンタルケミカル社(ニューヨーク州、ナイアガラフォール)から得たプリオフェンフェノール樹脂で被覆した。この樹脂を硬化させ、窒素中において約900 ℃で炭化させ、CO2 中において同温で活性化させた。得られた炭素のN2 BET表面積は約753 m2 /gであった。次いで、直径が2.54cm(1インチ)であり、長さが2.54cm(1インチ)であるハニカムの試料を、約15.24 m(50フィート)/分の流速、約0.60ppmのオゾン濃度でオゾン吸着について試験した。試料は約92%の吸着効率を示した。試料の炭素のパーセントは、ハニカムの重量に対して21重量%であった。
【0085】
実施例6
セル密度が約59セル/cm2 (380 セル/in2 )であり、セル形状が矩形である別のコージエライトハニカムを、実施例5のように被覆し、硬化させ、炭化させ、活性化させた。この試料を、約50フィート/分の流速、約0.63ppmのオゾン濃度でオゾン吸着について試験した。この場合の吸着効率は約86%であった。試料の炭素のパーセントは、ハニカムの重量に対して19.8重量%であった。
【0086】
実施例5および6の両方で達成した高い吸着効率により、試料上には非常に低レベルの炭素しかなくても、本発明の方法により製造した製品が効果的であることが分かる。一般的に、炭素被覆ハニカム上に触媒を付着させて、このハニカムの吸着効率を高めて寿命を長くする。
【0087】
以下の実施例は、本発明のその場(in situ )での工程により、ハニカム上に数種類の遷移金属酸化物触媒を付着させることについて記載するものである。
【0088】
実施例7
約5.6 gのMn(NO3 )2 ・4H2 Oを約30gの蒸留水中に溶解させた。この溶液を約187.5 gのプリオフェンフェノール樹脂に加えた。次いで、コージエライトハニカムをこの樹脂溶液で被覆した。樹脂を硬化させ、窒素中約900 ℃で炭化させ、約2時間に亘り約900 ℃で活性化させて、その場で触媒付着ハニカムを得た。このコージエライト試料は、0.15mm(6ミル)厚の壁を有する62セル/cm2 (400 cpsi)のハニカムであった。約120 フィート/分、または約36メートル/分の試験速度で空気中約1重量ppmのオゾン濃度にてオゾン試験を行なった。オゾン対策の効率は100 %であった。
【0089】
実施例8
約8gのCuSO4 を約35gの水に溶解させた溶液を用いて、実施例7の方法を繰り返した。この溶液を実施例7のようなフェノール樹脂溶液約250 gに加えた。62セル/cm2 (400 cpsi)のハニカムを樹脂で被覆し、前述のように、硬化させ、炭化させ、活性化させて、CuO付着ハニカムを得た。実施例7と同一の試験条件下で、オゾン対策の効率は100 %であった。
【0090】
実施例9
CuSO4 の代わりにMnSO4 を用いて実施例8の方法を繰り返し、ハニカム上にMnOを付着させた。実施例7と同一の試験条件下で、オゾン対策の効率は100 %であった。
【0091】
実施例10
約8.8 gのFe(NO3 )3 ・9H2 Oおよび約5.6 gのMn(NO3 )2 ・4H2 Oの溶液を約187.5 gのプリオフェンフェノール樹脂に加えた。コージエライトハニカムをこの溶液で被覆して、硬化させ、炭化させ、前述のように900 ℃で活性化させた。実施例7と同一の条件下で、オゾン対策の効率は100 %であった。
【0092】
実施例11
本発明にしたがって製造した触媒の用途のいくつかには、炭素を粉末、粒体、ペレットまたはモノリシックボディの形態で提供する必要があるかもしれない。以下の実施例は、炭素粉末上に支持されたニッケル触媒の製造方法を説明するものである。
【0093】
前述した実施例に記載した一般的な方法により、活性炭粉末上に支持されたニッケルの試料を作成した。以下の実施例において、約1.85gのNiCl2 ・6H2 Oを約5mlのH2 O中に溶解させ、次いで、約100 mlのプリオフェンフェノール樹脂に加えた。試料を約150 ℃で硬化させ、約600 ℃から約800 ℃までの範囲の温度で炭化させた。試料をさらに約700 ℃から約900 ℃までの温度でCO2 で活性化させた。硬化した樹脂を炭化させる前に-100メッシュに粉砕することにより、各々の試料を粒状粉末として作成した。
【0094】
硬化した樹脂の一部を約6時間に亘り約900 ℃で炭化させて、TEMにより実験した。顕微鏡写真によると、ニッケルの平均粒径は500 オングストロームであった。X線回折分析により、ニッケルがニッケル金属として存在することが分かった。
【0095】
Niと硬化した樹脂の第2の試料を約6時間に亘り約700 ℃で炭化させた。この試料の平均粒径は約250 −350 オングストロームであり、この試料のほとんどが結晶化した炭素支持体となった。炭化工程および活性化工程の条件が穏やかになるにつれ、ニッケルの粒径が減少した。このことは、材料の熱加工を最適化することにより粒径を制御できることを示している。
【0096】 第3の試料を約2時間に亘り約600 ℃で炭化させ、約1時間に亘り約800 ℃で活性化させて、約2.02%のNiを含む炭素を製造した。この試料をTPDにより分析した。その結果、平均粒径が約125 オングストロームであることがわかった。
本発明の実施態様を以下に項分け記載する。
1)活性炭支持触媒の製造方法であって、
a) 炭素前駆体および触媒前駆体を組み合わせ、
b) 前記炭素前駆体を炭化させ、
c) この炭化により生成した炭素を活性化させて、活性炭支持触媒を製造する、各工程から成ることを特徴とする方法。
2)前記触媒前駆体が、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの組合せから成る群より選択される金属の化合物であることを特徴とする実施態様1記載の方法。
3)前記金属が、Pt、Pd、Rh、Ag、Au、Fe、Co、Cr、Ni、Mn、Cu、Li、Mg、Ba、およびそれらの組合せから成る群より選択されることを特徴とする実施態様2記載の方法。
4)前記金属がPtであることを特徴とする実施態様3記載の方法。
5)前記触媒前駆体が塩化白金酸アンモニウムであることを特徴とする実施態様4記載の方法。
6)前記組合せ工程後、前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を無機基体にコーティングとして施すことを特徴とする実施態様1記載の方法。
7)前記炭素前駆体が熱硬化性樹脂であることを特徴とする実施態様6記載の方法。
8)前記熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする実施態様7記載の方法。
9)前記熱硬化性樹脂を、活性化させる前に硬化させることを特徴とする実施態様7記載の方法。
10)前記無機基体がハニカム形状にあることを特徴とする実施態様6記載の方法。
11)前記無機基体が、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、金属、およびそれらの組合せから成る群より選択されることを特徴とする実施態様6記載の方法。
12)前記無機基体がコージエライトから作成されることを特徴とする実施態様11記載の方法。
13)前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を粉末に粉砕することを特徴とする実施態様1記載の方法。
14)前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体をモノリシック構造体に造型することを特徴とする実施態様1記載の方法。
15)前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を粉末に粉砕し、得られた粉末をモノリシック構造体に造型することを特徴とする実施態様1記載の方法。
16)実施態様1から15いずれか1項記載の方法により製造された活性炭支持触媒であって、電流を流すために、該活性炭支持触媒に電極が適合していることを特徴とする活性炭支持触媒。
Claims (13)
- 活性炭支持触媒の製造方法であって、
a) 液状熱硬化性樹脂から成る炭素前駆体および水溶性状態にある触媒前駆体を組み合わせ、
b) 前記熱硬化性樹脂から成る炭素前駆体を硬化させ、
c) 前記熱硬化性樹脂から成る炭素前駆体を炭化させ、
d) この炭化により生成した炭素を活性化させて、活性炭支持触媒を製造する、各工程から成ることを特徴とする方法。 - 前記触媒前駆体が、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの組合せから成る群より選択される金属の化合物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記金属が、Pt、Pd、Rh、Ag、Au、Fe、Co、Cr、Ni、Mn、Cu、Li、Mg、Ba、およびそれらの組合せから成る群より選択されることを特徴とする請求項2記載の方法。
- 前記金属がPtであることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記触媒前駆体が塩化白金酸アンモニウムであることを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記組合せ工程後、前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を無機基体にコーティングとして施すことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記無機基体がハニカム形状にあることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 前記無機基体が、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、金属、およびそれらの組合せから成る群より選択されることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 前記無機基体がコージエライトから作成されることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を粉末に粉砕することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体をモノリシック構造体に造型することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記組合せ工程後に前記炭素前駆体および前記触媒前駆体を粉末に粉砕し、得られた粉末をモノリシック構造体に造型することを特徴とする請求項1記載の方法。
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