JP3818553B2 - 収納式キャビンを有する軽車両 - Google Patents

収納式キャビンを有する軽車両 Download PDF

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋根付きの収納式キャビンを有する自動2輪車又は自動3輪車等の軽車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平2−96387、同7−43627号には、収納式キャビンを有するスクータが示され、このキャビンは車体前部へ収納自在に設けられたウインドスクリーンと、シート後方の車体後部へ収納自在に設けられたリヤピラーと、このリヤピラーとウインドスクリーンの先端間に取付けられた屋根とで構成されている。
【0003】
ウインドスクリーンはキャビンの収納時にフロントトランク内へ収納可能であり、リヤピラーは2つ折りにたたまれてリヤカバーの側面上に支持され、屋根は着脱式のパネル又は折りたたみ自在の柔軟素材で構成されたソフトトップになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
収納式キャビンを有する軽車両は、キャビン収納時におけるキャビン構成部材の収納構造が重要であり、特に、リヤピラーは、キャビン収納時に外観部品以外の機能を発揮しないので、これを多機能化して有効利用することが望まれる。また、屋根についてもより効率的な収納構造が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係る収納式キャビンを有する軽車両は、車体前部へ収納自在に設けられたウインドスクリーンと、シート後方の車体後部へ収納自在に設けられたリヤピラーと、これらリヤピラーとウインドスクリーンの間へ取り外し可能に支持される屋根とにより収納式キャビンを構成した軽車両において、リヤピラーは、一端を車体へ揺動可能に取付けられたベース部とピラー本体部とを備え、ピラー本体部は、一端がベース部の揺動端側へ揺動自在に連結され、他端が屋根支持部をなし、キャビンの収納時に、前記屋根支持部はシートの下方に収容され、前記屋根支持部側を固定するための収容時固定部が、シートの底板又は車体側もしくは双方の間に形成され、ベース部は、キャビンを収納したとき、略水平方向を指向して車体側へ固定されたリヤキャリヤになることを特徴とする。
【0006】
リヤキャリヤとしての使用時におけるベース部材の車体側に対する固定は、ベース部自体の直接固定又はピラー本体部の固定による間接固定のいずれかもしくは双方によることができる。また、軽車両には、収納式キャビンを有する自動2輪車又は自動3輪車が含まれる。
【0007】
また、上記屋根を柔軟材料で形成し、この屋根を前記ピラー本体部の屋根支持部に収容させてもよい。この場合の屋根収容構造は、屋根支持部の周囲へ単に屋根を折りたたんだだけでも良く、巻き取りローラーなどの収容装置を設けて収容したものでも良い。
【0008】
屋根支持部側をシートの下方へ収容させる場合、屋根支持部に屋根を収容した状態でも、また屋根を分離して屋根支持部単独の状態でも良い。
このとき、前記屋根支持部及び屋根を前記収容時固定部に入れ、シートと車体の間に挟み込んで固定できる。
【0009】
収容時固定部を形成する車体側にはシート以外の車体構成部材、例えば、車体フレームに支持された物入れボックスのようなものも含む。
また、前記収容時固定部は、シートの底板に形成された凹部と、これに対応させて物入れボックスの上側縁に形成された凹部等で構成してもよい。
さらに、前記ウィンドスクリーンは、上下一対のリンクからなる平行リンクを介して上下移動するようにできる。
【0010】
【発明の効果】
リヤピラーをベース部とピラー本体部で構成し、ベース部は一端を車体側へ揺動自在に取付け、他端の揺動端にピラー本体部の一端を揺動自在に連結した。
【0011】
そこで、キャビンを組み立てるときは、ウインドスクリーンを上方へ伸ばすとともに、ベース部の揺動端及びピラー本体部の屋根支持部を上方へ起立させ、ピラー本体部の屋根支持部とウインドスクリーンの上端間に屋根を取付ける。
【0012】
キャビンを収納するときは、屋根をウインドスクリーン又はピラー本体部屋根支持部の少なくとも一方側から外し、ウインドスクリーンを車体前部へ収納するとともに、ピラー本体部をベース部に対して折りたたみ、かつベース部を揺動させて略水平を指向するように車体側へ固定する。
【0013】
これによりベース部はリヤキャリヤとして機能するので、リヤピラーを本来のキャビン構成部品として使用するだけでなく、キャビン収納時におけるリヤキャリヤとして使用することにより多機能化でき、キャビン構成部品を効率的に利用できる。
【0014】
このとき、ピラー本体部の屋根支持部側に柔軟素材からなる屋根を収容可能にすれば、キャビンの収納時に分解した屋根をピラー本体部と一体化できるので取扱が容易になる。
【0015】
さらに、リヤピラーの収納時に、ピラー本体部の屋根支持部側をシートの下方へ収容すれば、シートを利用してピラー本体部の固定ができるとともに、ピラー本体部をリヤキャリヤとして機能するベース部の支持ステーとして役立てることができる。
【0016】
また、シートの下方へ収容するに先立って、ピラー本体部の屋根支持部に予め柔軟素材の屋根を変形させて収容すれば、キャビン収納時に不要となる屋根をピラー本体部とともにシートの下方へ収納できる。
【0017】
一方、シートの底板又は車体側にピラー本体部屋根支持部の収容時固定部を設ければ、ピラー本体部もしくはこれと一体になっている屋根をシート下方へ収容したとき、シートの底板又は車体側もしくは双方を利用して容易に固定でき、かつ、この収容時固定部の形成自体も容易にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は本願発明の一実施形態に係る収納式キャビンを有するスクータ型自動2輪車においてキャビンの組立過程を示す斜視図であり、図1はキャビン収納状態、図2はフロントカバー兼用リッド及びシートを開いた状態、図3はウインドスクリーンを使用位置にした状態、図4はキャビン形成状態である。さらに、図5は図2の段階におけるウインドスクリーンの収納状態を示す断面図、図6は図3の段階における同様図である。
【0019】
図1乃至図4において、この自動2輪車は、車体の前後方向に設けられる車体フレーム1の前後に前輪2と後輪3を支持する。
【0020】
前輪2を支持するフロントフォーク4をハンドル5で操向するとともに、この操向軸部とフロントフォーク4の上部は、レッグシールド6とフロントカバー7によって覆われている。
【0021】
フロントカバー7の前側下部にはヘッドランプ8が取付けられ、その近傍上部にリッドヒンジ9(図5,6参照)を介してフロントカバー兼用リッド10が開閉自在に取付けられている。
【0022】
フロントカバー兼用リッド10は、それ自体がフロントカバー7の一部をなすとともに、裏側に形成されたウインドスクリーン収納空間7a(図3)に対する開閉自在のリッドとして機能する。
【0023】
したがって、フロントカバー兼用リッド10は、キャビン形成時にリッドヒンジ9を中心にして上部側を車体前方へ開き、その内側へ収納されているウインドスクリーン11を上方へ引き出せるようになっている。
【0024】
ウインドスクリーン11は、図3、図5及び図6に示すように、平行リンク12を介してフロントカバー兼用リッド10の内側の前記空間内へ収まる収納位置と、キャビン形成のため、フロントカバー兼用リッド10より上方へ延出する使用位置の間を上下動自在になっている。
【0025】
平行リンク12は上下一対のリンク13、14を車幅方向両側に設けたものであり、リンク13、14の各一端をウインドスクリーン11へ連結し、他端をウインドスクリーン収納空間7a内に設けられたボス7b(図3)へ連結してある。但し、この連結先はフロントカバー7内の車体フレーム側又はフロントカバー兼用リッド10のいずれかでもよい。
【0026】
さらに、リンク14とフロントカバー7又はこの部分の車体フレーム側の間に反転スプリング15を張設し、反転スプリング15によりウインドスクリーン11を使用位置又は収納位置のいずれか側へ選択的に移動付勢し、ウインドスクリーン11は移動位置で固定された状態を保持するようになっている。
【0027】
この上下移動操作は、一端がリンク14へ連結され、他端が乗員の手元近傍位置へ延びている手元操作レバー16を上下動させることにより行われる。
【0028】
図6において特に明らかなように、ウインドスクリーン11は、その使用位置のとき、下端部11aがフロントカバー兼用リッド10の上端部10aより上方へ離れて隙間を形成するので、この隙間を隠すために摺動リッド17が設けられる。
【0029】
摺動リッド17は、ウインドスクリーン11が使用位置のとき、その下端部11aとフロントカバー兼用リッド10の上端部10aとを同時に覆うように予めウインドスクリーン11の上部へ取付けられている。
【0030】
しかも、フロントカバー兼用リッド10の表面に形成されたガイドレール18(図4)に案内されて、上下方向へ摺動自在となっており、上下の摺動完了位置において係合等の適宜手段(図示省略)により位置固定できるようになっている。
【0031】
車体フレーム1の後部には、大型の物入れボックス20とその上部開口を前端のヒンジ21を介して開閉自在とするシート22が支持されている。
【0032】
ハンドル5の中間部は、レッグシールド6から続く低床式のフロア23で覆われ、物入れボックス20を含む車体フレーム1の後部側はリヤカバー24が覆われている。
【0033】
シート22は前端部のヒンジ21を中心に後部側を起伏自在であり、図示の倒伏位置では、シートロック(図8,9参照)で車体側へ固定される。
【0034】
シート22の後端部近傍には、支持突部25が車体フレーム1から上方へ突出形成され、かつこの支持突部25からサブキャリヤ26が後方へ延出している。
【0035】
サブキャリヤ26は、キャビンの形成時においてリヤキャリヤとして使用される部材であり、その表面は通常運搬する程度の大きさの物品を支持できるような面積を有する略水平の平坦面になっている。
【0036】
支持突部25の突出端には、リヤキャリヤを兼用するベース部30の一端が揺動自在に支持されている。
【0037】
ベース部30はキャビン収納時にリヤキャリヤとして使用できるよう、サブキャリヤ26と同様形状の平坦部を有する平面視略長方形の充分な厚みと剛性を有する部材である。
【0038】
ベース部30はキャビン形成時に使用する起立位置(図4)と、キャビン収納時のリヤキャリヤとして使用する倒状位置(図1)との間を揺動自在である。
【0039】
ベース部30の揺動端31には、略長四辺形のリング状をなすピラー本体部32の基端部33が揺動自在に取付けられ、かつ基端部33は揺動端31に対してネジ34により回動規制されるようになっている。
【0040】
ピラー本体部32の他端は屋根支持部35をなし、実線で示すキャビン収納時には、揺動端31に支持された基端部33側を中心に回動してシート22の下方に達する長さになっている。
【0041】
屋根支持部35は、柔軟で防水性のあるプラスチック素材等で形成されたソフトトップ形式の屋根36の一端が固定されるとともに、キャビン収納時には屋根収容部になっている。
【0042】
屋根36の他端37には、ホック等適当な取付具38を設け(図4)、ウインドスクリーン11の上端11bに形成されたホック等の相手側部材11c(図3)へ取付可能になっている。
【0043】
図7は、屋根36の詳細を示す斜視図であり、この屋根36は左右のパイプ部40へ空気を注入することにより、形状を保持するエアマット状に構成されている。
【0044】
また、ピラー本体部32の屋根支持部35には巻き取りローラ41が設けられ、屋根36は収納時にこの周囲へ巻き取られるようになっている。
【0045】
この巻き取りローラ41の周囲へ巻き取られた屋根36は、図2及び図3に示すように、キャビンの収納時において、ピラー本体部32が揺動して屋根支持部35がシート22の下方位置へ移動することにより、物入れボックス20の上部開口の上へ移動する。
【0046】
図8は、底板42に形成されたリブの凹部43と、これに対応させて物入れボックス20の上端縁44に形成した凹部45とで、屋根支持部35及びその周囲の巻き取りローラ41へ巻き取られた屋根36に対する収容時固定部が構成されている。
【0047】
屋根支持部35及び屋根36をこの収容時固定部に入れ、シート22と物入れボックス20の間に挟むことにより、屋根36をシート22の下部へ外観されないように体裁良く収納される。
【0048】
さらに、シート22と物入れボックス20の間をシートロック46で施錠することにより、シート22の固定と同時に屋根支持部35を固定し、その結果、ピラー本体部32も揺動不能に固定される。
【0049】
次に、本実施形態の作用を説明する。図1に示すキャビンの収納状態では、ウインドスクリーン11はウインドスクリーン収納空間7a内へ収納され、かつフロントカバー兼用リッド10はウインドスクリーン収納空間7aを閉じた状態になっている。
【0050】
一方、屋根36はピラー本体部32の屋根支持部35の周囲へ巻き取られてシート22の下方に位置し、シート22によって外から見えないようになっている。
【0051】
このとき、ピラー本体部32が収納位置へ揺動しているため、ベース部30は揺動端31側を倒伏位置へ揺動させ、サブキャリヤ26上に重なり、略水平のリヤキャリヤとして機能する。
【0052】
しかも、ピラー本体部32は、屋根支持部35が屋根36と共に、シート22の下へ収納されて固定されるので揺動不能になり、ベース部30はシート22で回動不能に間接固定される。
【0053】
したがって、ピラー本体部32はベース部30をガタつかないように固定するための支持ステーとして機能し、シートロック46を利用することにより、ピラー本体部32を固定するための特別な構造を車体フレーム1側へ加工することが不要になる。
【0054】
なお、ベース部30をサブキャリヤ26へ直接固定することもでき、また、この直接固定とピラー本体部32による間接固定とを併用することもできる。
【0055】
キャビンを形成するには、シートロック45を外してシート22を起こすことにより、屋根支持部35側をフリーにし(図2,3)、ピラー本体部32の基端部33を中心に屋根支持部35をシート22から外して上方へ回動させる。
【0056】
これにより、ベース部30は揺動可能になるので、図4に示すように、ベース部30の揺動端31側を上方へ揺動させて起立し、さらにピラー本体部32の屋根支持部35側も起立させ、ピラー本体部32が所定角度揺動したところでネジ34を締めることにより基端部33を回動規制する。
【0057】
続いて、折りたたんであった屋根36を広げるとともに、その他端37を、予めフロントカバー兼用リッド10から伸び出した使用位置にされているウインドスクリーン11の上端11bにおける相手側部材11c(図3)に取付具38で取付ける。
【0058】
その後、シート22及びフロントカバー兼用リッド10をそれぞれ閉じると、車体の上方に屋根付きのキャビンが簡単に形成され(図4)、この時、ベース部30はピラー本体部32の強固な支持部材として機能する。
【0059】
このように本実施形態によれば、リヤピラーの一部をなすベース部30及びピラー本体部32を、キャビン形成時及びキャビンの収納状態のいずれにも有効に活用でき、部品を多機能化し、特に、キャビンの収納状態における存在価値を高めることができる。
【0060】
また、キャビンの収納時には、屋根36をシート22の下方へ収納できるので、収納場所に困らずに済み、かつ屋根支持部35をシート22で固定することにより、収納時における屋根36の保持を確実にできる。ただし、本願発明においてシートロックによる固定は必ずしも必要とされるものではない。
【0061】
図9は、キャビンの収納状態における屋根36の収納に関する変形例であり、シート22の底板42に、図3で示す巻き取りローラ41に巻き取られた屋根36を収納することが可能な凹部からなる収容時固定部47を形成してある。
【0062】
さらに、底板42の収容時固定部47近傍に、ホックのような取付具38の相手側部材48(同11cと同様のもの)が予め取付けられており、ここに取付具38が係脱自在に取付けられて屋根36の他端37に対する端末固定をするようになっている。
【0063】
なお、取付具38及び相手側部材48がホック以外の適宜係止部材であってもよいことは前述と同じである。符号49はシートロックである。
【0064】
このようににすると、屋根支持部35の周囲に巻き取った屋根36を、前記図8と同様にシート22の下部へ収納することができるとともに、屋根36の端末を確実に処理することができ、常時体裁を良好に保つことができる。
【0065】
次に、ウインドスクリーンの動作について説明する。図1及び図5に示すキャビンの収納状態では、ウインドスクリーン11はフロントカバー兼用リッド10裏側のウインドスクリーン収納空間7a内へ収納されている。
【0066】
このとき、ウインドスクリーン11は、反転スプリング16の弾力により収納位置に固定され、かつこの状態を保持されている。
【0067】
そこで、フロントカバー兼用リッド10を十分に開き、手元操作レバー16を引き下げると、平行リンク12が反転スプリング16に抗して上方へ回動するので、ウインドスクリーン11は上方へ移動する。
【0068】
ウインドスクリーン11が所定量移動し、反転スプリング16が死点を上方へ越えて使用位置になると、ウインドスクリーン11は、反転スプリング16の弾力により移動を停止して使用位置に固定され、かつこの状態を保持される。
【0069】
続いて、フロントカバー兼用リッド10を、その上端部10aがウインドスクリーン11の下端部11aの下方位置まで閉じ、摺動リッド17を上方へ移動させ、ウインドスクリーン11の下端部11aとフロントカバー兼用リッド10の上端部10aとの間に形成された隙間を隠す。
【0070】
摺動リッド17の移動はガイド18によりスムーズかつ位置決めされた状態で行われ、これにより、図4及び図6に示すウインドスクリーン11の使用状態になる。なお、この状態から収納するには逆手順で行えばよい。
【0071】
ところで、前記従来例のようにリンク部材を用いると、ウインドスクリーンの上下移動量を比較的大きくでき、かつ上下移動時にハンドルや計器類等と干渉しないようすることも容易である。しかしながら移動中にウインドスクリーンの傾きが不規則に変化し易いので、ワンタッチ式で簡単かつ迅速な上下移動は困難であり、このような場合における操作性の向上が望まれていた。
【0072】
しかるに、本実施形態においては、ウインドスクリーン11を上下一対のリンク13,14からなる平行リンク12を介して上下移動させるので、上下移動距離を十分に長くすることができ、キャビンを構成するための部材としてのウインドスクリーン11を十分に長く上方へ突出させることができる。
【0073】
しかも、この上下移動中においてウインドスクリーン11は平行に移動し、その傾きが不規則な変化をしないので、予めフロントカバー兼用リッド10を所定角度だけ十分に開いておけば、ウインドスクリーン11を他部品と干渉することなくワンタッチ式で簡単かつ迅速な上下移動が可能になり、操作性が向上する。
【0074】
そのうえ、手元操作レバー16を設けたので、この手元操作レバー16を操作することによりウインドスクリーン11をワンタッチ式でさらに簡単かつ迅速に上下移動させることができ、一層操作性が向上する。
【0075】
また、この平行リンク12に反転スプリング15を設けたので、ロックなど特別な固定手段を用いずに、ウインドスクリーン11を収納位置又は使用位置で固定された状態に保持できるため、走行中のがたつきを防止でき、固定のための手間やコストを削減できる。
【0076】
さらに、フロントカバー7の一部を開閉自在のフロントカバー兼用リッド10とし、その裏側へウインドスクリーン11を収納するようにしたので、フロントカバー7全体を比較的薄くできる。
【0077】
なお、上記収納式ウインドスクリーンに関する構造は種々に変形可能であり、例えば、リンク機構は上下方向に一対以上のリンク部材があればよく、必ずしも一対だけのリンク部材を用いて形成するものではなく、また、左右いずれか片側だけでもよい。
【0078】
さらに、平行リンクでなく、必要によりリンク部材を不等長にして、ウインドスクリーン11に特殊な移動軌跡をとらせることもできる。
【0079】
また、リンク部材13,14の連結先を車体フレーム側でなく、フロントカバー7側にすれば、メンテナンス等でフロントカバーを着脱するとき、リンク部材と車体フレーム側との着脱作業が不要になるので、メンテナンス性が向上する。
【0080】
さらにまた、このウインドスクリーン収納構造は、収納式キャビンと関係なく、ウインドスクリーン単独の収納に用いることもできる。
【0081】
なお、本願発明は上記の実施形態に限定されることなく種々に変形可能であり、例えば、自動2輪車のみならず収納式キャビンを有する自動3輪車にも適用できる。
【0082】
また、屋根36の巻き取り構造に代えて、折りたたむようにしてもよく、この場合はさらに蛇腹状など折りたたみ易くするための構造を必要により施すことができる。
【0083】
但し、本願に係る発明のうち、一部のものにおいては屋根をソフトトップにして巻き取り又は折りたたみ可能にすることは必ずしも必要ではなく、比較的剛性のあるパネルであってもよい。この場合、キャビン収納時には、屋根を車体側の任意の場所に収納するか、車体と分離して保管する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明が適用された自動2輪車のキャビン収納時斜視図
【図2】 フロントカバー兼用リッド及びシートを開いた状態の図1同様図
【図3】 ウインドスクリーンを使用位置にした状態の図1同様図
【図4】 キャビン形成状態の図1同様図
【図5】 図2の段階におけるウインドスクリーンの収納状態を示す断面図
【図6】 図3の段階におけるウインドスクリーンの状態を示す断面図
【図7】 屋根部分の斜視図
【図8】 屋根の収納状態を示す断面図
【図9】 他の変形例を示す図8と同様の図
【符号の説明】
10:フロントカバー兼用リッド、11:ウインドスクリーン、12:平行リンク、20:物入れボックス、22:シート、30:ベース部、32:ピラー本体部、36:屋根

Claims (4)

  1. 車体前部へ収納自在に設けられたウインドスクリーンと、シート後方の車体後部へ収納自在に設けられたリヤピラーと、これらリヤピラーとウインドスクリーンの間へ取り外し可能に支持される屋根とにより収納式キャビンを構成した軽車両において、
    リヤピラーは、一端を車体へ揺動可能に取付けられたベース部とピラー本体部とを備え、
    ピラー本体部は、一端がベース部の揺動端側へ揺動自在に連結され、他端が屋根支持部をなし、
    キャビンの収納時に、前記屋根支持部はシートの下方に収容され、前記屋根支持部側を固定するための収容時固定部が、シートの底板又は車体側もしくは双方の間に形成され、この収容時固定部には前記屋根支持部が入れられてシートと車体の間に挟み込んで固定されるとともに、
    ベース部は、キャビンを収納したとき、略水平方向を指向して車体側へ固定されたリヤキャリヤになることを特徴とする収納式キャビンを有する軽車両。
  2. 前記収容時固定部は、シートの底板に係止された凹部と、これに対応させて物入れボックスの上側縁係止した凹部とで構成したことを特徴とする請求項記載の収納式キャビンを有する軽車両。
  3. 前記屋根を柔軟材料で形成し、この屋根を前記ピラー本体部の屋根支持部に収容したことを特徴とする請求項1記載の収納式キャビンを有する軽車両。
  4. 前記ウィンドスクリーンは、上下一対のリンクからなる平行リンクを介して上下移動することを特徴とする請求項1記載の収納式キャビンを有する軽車両。
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