JPH0326015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は幌付自動車のトノカバー取付構造に関
する。

（従来技術） 一般に、オープンボデー型の自動車としては、
実開昭60−84318号公報に記載されているような
ルーフユニツト全体を後方にずらせて車室の前席
上方を開放させる型式のものや、布製幌を折畳ん
で車室全体の上方を開放させる型式のもの等があ
り、布製幌を折畳む型式のものでは、折畳まれた
幌を座席の後部に設けられた幌格納部に格納し、
幌格納部の上方開口部を車体に着脱可能に取付け
られるトノカバーで覆うようにしてある。

ところで、従来車体とトノカバーとの取付構造
は、第６図に示すように、幌格納部１０５の周囲
の車体上端部１０８に断面へ形のベルトラインモ
ール１２４の下縁部１２４ｂを外側下向きに開口
させて取付け、トノカバー１０６の下縁部内周面
１０６ｄに取付けられたフツク１２３を上記ベル
トラインモール１２４の外方から下縁部１２４ｂ
に係合させることにより、トノカバー１０６を車
体に取付ける構造になつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のトノカバー取付構造では、ベルトライン
モールにその外方からトノカバーのフツクが着脱
される時にトノカバーの下縁部やフツクがベルト
ラインモール近傍の車体上面を擦り、車体上面の
塗装面を傷付けたり塗装を剥離させたりするの
で、トノカバーを取外して幌を張設した時に傷つ
いた塗装面部分や剥離した部分が外部に露出して
外観が損なわれてしまう。

しかも、ベルトラインモールの下縁部と車体上
面との間に形成されるフツク挿入用隙間が幌張設
時に外部にあらわれるのでこの点でも外観が悪く
なつてしまうという問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る幌付自動車のトノカバー取付構造
は、幌を折畳んだときにその幌が車体後部に格納
され、該格納状態の幌を上方から覆うトノカバー
を車体後部に取付けたトノカバー取付構造におい
て、車体の幌格納開口周縁部及びその幌格納開口
側近傍部の上方を覆う断面略への字形のベルトラ
インモール、その前半部である略水平な上縁部が
幌格納開口周縁部の前端に対して間隔をあけて上
方に位置するように、その下端において車体の幌
格納開口周縁部の上面に取付け、トノカバー下縁
部内側に断面略Ｌ字状の弾性係止部材を該トノカ
バー下縁部と係止部材との間の開口部が外方に向
く状態に取付け、該開口部に上記ベルトラインモ
ールの上縁部を挿入し、係止部材と該トノカバー
下縁部との間にベルトラインモールの上縁部を挟
持してトノカバーをベルトラインモールに取付け
たものである。

（作用） 本考案に係る幌付自動車のトノカバー取付構造
においては、トノカバーの係止部材とトノカバー
下縁部との間の開口部をベルトラインモールの上
縁部に対向させた状態でトノカバーを車室側から
車体後部側にすべらせると、係止部材とトノカバ
ーの下縁との間にベルトラインモールの上縁部が
挿入されて挟持されトノカバーが簡単に車体に取
付けられることになる。

また、トノカバーを取外す場合はトノカバーを
車室側にすべらせるとトノカバーの下縁と係止部
材との間に挟持されていたベルトラインモールの
上縁部からトノカバー下縁部が抜け出してトノカ
バーが取外される。

（考案の効果） 本考案の幌付自動車のトノカバー取付け構造に
よれば、以上説明したように、トノカバーを車室
側から車体後部側にすべらせてトノカバーを取付
ける時や、車体後部側から車室側にすべらせてト
ノカバーを取外す時に、トノカバーの下縁部はベ
ルトラインモールの上面に摺接するだけであり、
係止部材はベルトラインモールの下面に摺接する
だけなので、トノカバーの車体への着脱時にトノ
カバーの下縁部および係止部材が車体上面の塗装
面を擦ることなく、塗装面を傷つけたり、塗装が
剥離するのが防止され車体の外観が損なわれるの
をなくすることができる。

しかも、トノカバーの係止部材がベルトライン
モールの上縁部に係止されるようになつており、
ベルトラインモールの下縁部と車体との間に隙間
がないのでトノカバーを取外した幌張設時に隙間
の露出による外観の低下をなくすことができる。

（実施例） 以下、本考案に係る幌付自動車のトノカバー取
付構造の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すように、幌付のオープンボデー型
自動車１では、幌を畳んでオープン状態にした時
に折畳まれた幌部材２を車室３内の座席３３とト
ランクルーム４との間に形成された幌格納部５に
格納するようになつており、幌部材２を格納した
幌格納部５の上部開口は着脱可能に取付けられた
合成樹脂製のトノカバー６で覆われている。

上記幌部材２は、第２図及び第３図に示すよう
に座席３の上方に位置するルーフパネル７と車体
８に揺動可能に枢着された可動ピラー９と、可動
ピラー９の中間部に揺動可能に設けられたフオー
ミングバー１０と、幌格納部５の上部内周に沿う
ように形成され、後辺部分１１ａが下方に揺動可
能な幌張り部材１１と、幌張り部材１１と可動ピ
ラー９との間に張架された複数のフオーミングバ
ンド１２及びフオーミングバンド１２に保形され
て車室後部を覆う布製の幌１３とからなる。

尚、複数のフオーミングバンド１２のうち、内
側のフオーミングバンド１２には窓支持枠１４が
設けられており、この窓支持枠１４は幌１３に取
付けられたガラス製のリヤウインド１５を支持す
るようになつている。

折畳まれた幌部材２を格納した幌格納部５の上
部開口を覆うトノカバー６は、第１図に示すよう
に、略直線部分の本体部分６ａとその左右両側の
コーナ部分６ｂとを一体に形成してあり、各コー
ナ部分６ｂの前端部には着脱可能にロツクするロ
ツク装置１６が設けられている。

尚、上記トノカバー６は本体部分６ａとコーナ
部分６ｂとをそれぞれ別部品で形成した後、端部
同士を接合して形成してもよい。

上記ロツク装置１６は、第４図に示すようにト
ノカバー６のコーナ部６ｂの前端部に枢支された
操作杆１７を操作すると、リンク１８を介して係
止フツク１９が、固定部材２０の上面に立設され
且つ先端部が溝部２２に嵌合してトノカバー６の
前後移動を防止する門形金具２１に係脱操作され
るようになつている。

トノカバー６の本体部分６ａの下縁部６ｃに
は、第３図及び第５図に示すように、複数の断面
略Ｌ字状の弾性係止金具（係止部材）２３が設け
られており、係止金具２３が車体８に固定された
ベルトラインモール２４に係合してトノカバー６
の外周下縁部６ｃが固定されるようになつてい
る。

上記係止金具２３は、この係止金具２３とトノ
カバー６の下縁部６ｃとの間に形成される開口部
２５が外方に向く状態でトノカバーの下縁部６ｃ
にリベツト２６で固着されている。

ベルトラインモール２４は、断面略への字形の
合成樹脂製部材からなり、その上縁部２４ａが略
水平になる状態で下端部２４ｂを幌格納部５の開
口周縁部の車体８の上面にゴム製シール材２７を
介して固定してある。

上記のように構成された幌付自動車では、車室
３の上方を幌部材２で覆つたクローズ状態からオ
ープン状態にする場合、まずルーフパネル７を介
し、可動ピラー９を後方に回転させるとフオーミ
ングバー１０が後方へ回動し、これに伴つてフオ
ーミングバンド１２および布製の幌１３を折畳み
ながら、これら幌部材２を幌格納部５に格納する
（第３図参照）。

幌部材２が幌格納部５に格納されると、この格
納部５の上方にトノカバー６が取付けられる。

上記トノカバー６の取付けは、先ず本体部分６
ａの下縁部６ｃと係止金具２３との間に形成され
た開口部２５をベルトラインモール２４の上縁部
２４ａに対向させた状態でトノカバー６を車室３
側からトランクルーム４側にすべらせると、ベル
トラインモール２４の上縁部２４ａが上記開口部
２５に挿入されて本体部分６ａの下縁部６ｃと係
止金具２３とで挟持され、本体部分６ａが支持さ
れる。

次に、コーナ部分６ｂの前端部のロツク装置１
６の係止フツク１９を固定部材２０の門形金具２
１に係合させてロツクすると、トノカバー６は幌
格納部５の上部開口を覆う状態で車体８に固定さ
れる。

また、幌付自動車１のオープン状態からクロー
ズ状態にする場合、コーナ部分６ｂのロツク装置
１６の操作杆１７を時計回わり方向に操作して係
止フツク１９と固定部材２０の門形金具２１との
係合を解除し、この状態でコーナ部分６ｂの前端
部を少し持上げながらトノカバー６を車体３側に
引いて移動させると、これまでトノカバー６の下
縁部６ｃと係止金具２３との間に挟持されていた
ベルトラインモール２４の上縁部２４ａからトノ
カバー６の下縁部６ｃが外れ、トノカバー６を車
体８から取外すことができる。

この後、可動ピラー９を前方へ回動（反時計回
わり方向へ回動）して幌部材２を車室３の上方に
張設すると自動車１はクローズ状態になる。

以上述べたように、トノカバー６の着脱時にト
ノカバー６の下縁部６ｃ及び係止金具２３はベル
トラインモール２４に当接するだけで車体８の上
面には接触することがないので、車体上面の塗装
の傷みや剥離がなくなるうえ、ベルトラインモー
ル２４の下縁は車体８に隙間なく固着されまたト
ノカバー６の下縁部６ｃとベルトラインモール２
４とは密接するのでこの間に隙間がなくなるので
外観上好ましいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は、本考案に係る幌付自動車
のトノカバー取付構造の実施例を示すもので、第
１図はオープン状態の自動車の斜視図、第２図は
幌部材の構成を示す斜視図、第３図は幌格納部の
縦断側面図、第４図はロツク装置の部分の縦断側
面図、第５図は第３図部拡大図、第６図は従来
例の第５図相当図である。 ６……トノカバー、６ａ……６の下縁部、８…
…車体、１３……幌、２３……係止部材、２４…
…ベルトラインモール、２４ａ……２４の上縁
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 幌を折畳んだときにその幌が車体後部に格納さ
   れ、該格納状態の幌を上方から覆うトノカバーを
   車体後部に取付けたトノカバー取付構造におい
   て、 車体の幌格納開口周縁部及びその幌格納開口側
   近傍部の上方を覆う断面略への字形のベルトライ
   ンモールを、その前半部である略水平な上縁部が
   幌格納開口周縁部の前端に対して間隔をあけて上
   方に位置するように、その下端において車体の幌
   格納開口周縁部の上面に取付け、トノカバー下縁
   部内側に断面略Ｌ字状の弾性係止部材を該トノカ
   バー下縁部と係止部材との間の開口部が外方に向
   く状態に取付け、該開口部に上記ベルトラインモ
   ールの上縁部を挿入し、係止部材と該トノカバー
   の下縁部との間にベルトラインモールの上縁部を
   挟持してトノカバーをベルトラインモールに取付
   けたことを特徴とする幌付自動車のトノカバー取
   付構造。