JPH0437774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特にルーフが着脱自在なオープント
ツプ形式の車両のオープンルーフ構造の改良に関
する。

（従来技術とその問題点） この種の自動車のルーフ構造としては、例えば
英国公開特許第2086316号に開示されているよう
に、車体両側壁間に略逆Ｕ字形状の可倒ピラーが
掛け渡され、この可倒ピラー頂部とフロントガラ
ス頂部との間に取り外し可能にルーフパネルを掛
け渡したものが公知である。

この構造において、可倒ピラーはその両脚端部
を中心に、起立位置から座席後方の車室内に収納
される傾倒位置までの間を回動可能となつてお
り、また、上記可倒ピラーと車室後方部との間に
は一般に幌が張られている。

そして、可倒ピラーを起立位置となるように立
てると、可倒ピラーから車室後方側は、幌により
覆われ、この状態において可倒ピラーとフロント
ガラスとの間にルーフパネルを掛け渡して車体ル
ーフとすることができる。

しかしながら、このような構造において、車体
ルーフを取り外してオープンタイプとするために
は、まず、ルーフパネルを取り外して所定の収納
場所へ格納し、その後、可倒ピラーを傾倒位置に
倒さねばならないというやつかいな２工程の手順
が必要であり、そのために取外し、作業を迅速に
行なうことができなかつた。このことは、車体ル
ーフの取付作業についても同様である。

また、従来のルーフ構造では、上述のように可
倒ピラーから後方の車室を幌で覆うようにしてい
るので、外観があまりよくなく、また高速走行時
等においてこの幌が風に打たれて振動・騒音が生
ずる等の問題があつた。

そこで、本出願人は、上記取付け、取外し作業
の操作性を改善することができるとともに、外観
上の問題や高速走行時の上記騒音等の問題も解消
することのできる自動車のルーフ構造を、特願昭
60−260832号で新規に提案した。

（考案の目的） 本考案は、本出願人の提案に係るような自動車
のルーフ構造、つまり、ハードルーフがリンク機
構を介して車体に連結されていて、オープン操作
時に上記ルーフがリヤシート後方に格納されるよ
うになつた車両のオープンルーフ構造において、
ハードルーフの剛性向上やシール性の向上を図る
ことを目的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、ハードルーフがリンク機構
を介して車体に連結されていて、ハードルーフオ
ープン操作時に上記ハードルーフがリヤシート後
方に格納されるようになつた車両のオープンルー
フ構造において、上記ハードルーフのアウターパ
ネルの下端部に、車体幅方向に延在するレインレ
ールが設けられる一方、車体側のルーフ格納用開
口の開口縁に、ハードルーフクローズ時に上記ハ
ードルーフの外面に当接する第１リツプ部と、上
記レインレールに当接する第２リツプ部とを有す
るウエザストリツプが設けられていることを特徴
とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、ハードルーフのアウターパネ
ルの下端部にレインレールが設けられているか
ら、該レインレールが補強部材として機能するの
で、ハードルーフの剛性が向上する一方、車体側
のルーフ格納用開口の開口縁に、ハードルーフの
外面に当接する第１リツプ部と、レインレールに
当接する第２リツプ部とを有するウエザストリツ
プが設けられているから、車体側のルーフ格納用
開口とハードルーフとの間が二重にシールされる
ことになり、シール性が向上するようになる。

また、ウエザストリツプに２つのリツプ部が一
体形成されているので、ウエザストリツプを別々
に設ける場合と比べて、組付工数や部品点数が削
減され、コストダウンが図れるようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第４図は、本考案に係る自動車のルーフ構造の
側面図であり、１は自動車の車体を示し２はフロ
ントウインド３上部のフロントヘツダ４からリヤ
ボデイ５まで後方に延び、車室６を覆うルーフで
ある。

このルーフ２は、鋼板等で構成されたハード部
材で形成されており、車室前部６ａを覆うルーフ
フロント部７と、車室後部６ｂを覆うルーフリヤ
部８とに車体前後方向に２つに分割されている。
ルーフリヤ部８には、リヤウインド９が設けられ
ている。なお、ルーフリヤ部８は、実用新案登録
請求の範囲に記載されたハードルーフに相当す
る。

上記ルーフフロント部７には、全体としてほぼ
逆Ｕ字形状をした車体側取付部１０が設けられて
おり、この取付部１０の両脚部１１の下端部１１
ａは、車体１のベルトライン１２（第３図のハツ
チング部参照）より下方にまた前方にわずかに斜
めに延びている。上記両脚部１１は、上記下端部
１１ａにおいて、リヤフエンダＦ内方のインナパ
ネル１３のサイドドア１４の後縁１４ａの内方に
位置する前縁１３ａに枢着ピン１５によつて枢着
されている。

一方、上記ルーフリヤ部８の両側部下端部に
は、上記ベルトライン１２より下方で前方に延び
る車体側取付部１６が設けられている。この取付
部１６は、その先端部１６ａにおいてインナパネ
ル１３の枢着ピン１７によつて枢着されている。
なお、車体側取付部１６および枢着ピン１７は、
実用新案登録請求の範囲に記載されたリンク機構
に相当する。

ルーフ２を構成するルーフフロント部７とルー
フリヤ部８は、上記枢着ピン１５と１７を中心と
して回動し、第４図に示すクローズ位置と第５図
に示すオープン操作途中位置をへて、第６図に示
すオープン位置を取ることができるようになつて
いる。

ルーフフロント部７とルーフリヤ部８は、この
オープン位置において、前後に重ね合された状態
で車室後部のリヤシート１８後方の収納部に収納
されている。

第１図は第３図のＩ−Ｉ線断面、第２図は第３
図の−線断面を示すものであつて、上記ルー
フリヤ部８はアウターパネル２０とインナーパネ
ル２１とで閉断面に形成されていて、中央部には
リヤウインド９が嵌着される開口２２が設けられ
ている。

該リヤウインド９は、アウターパネル２０の外
面に接着剤２３などを介して固定されている。

上記インナーパネル２１には、上記車体側取付
部１６がボルト・ナツト２４で固定されている。

一方、上記アウターパネル２０の下端部には、
車体幅方向に延在する、断面略Ｕ字状のレインレ
ール部２５が一体的に形成されている。

このレインレール部２５は、別体の部材をアウ
ターパネル２０の下端部に固着して形成してもよ
い。

また、車体１のリヤボデイ５からリヤフエンダ
Ｆにまたがつて形成されたルーフ格納用開口２６
の開口縁２６ａには、ルーフリヤ部８のクローズ
操作時に、アウターパネル２０に固定されたリヤ
ウインド９の外面に上方から当接する第１リツプ
部２７ａと、上記レインレール部２５の立上り端
部２５ａに上方から当接する第２リツプ部２７ｂ
とを有するウエザストリツプ２７が枢着されてい
る。

上記のような構成であれば、ルーフリヤ部８が
クローズ時（第４図参照）には、ウエザストリツ
プ２７の第１リツプ部２７ａがリヤウインド９の
外面に当接し、第２リツプ部２７ｂがレインレー
ル部２５の立上り端部２５ａに当接するので、ル
ーフ格納用開口２６とルーフリヤ部８との〓間が
二重にシールされることになり、シール性が向上
するのである。

また、１個のウエザストリツプ２７に２つのリ
ツプ部２７ａ，２７ｂが一体形成されていること
から、２個のウエザストリツプを設ける必要がな
く、コストダウンなどが図れる。

また、レインレール部２５はルーフリヤ部８の
下端部に一体形成（別体でも同じ）されているか
ら、ルーフリヤ部８が補強されて剛性が向上す
る。

さらに、ウエザストリツプ２７の各リツプ部２
７ａ，２７ｂは、リヤウインド９の外面及びレイ
ンレール部２５の立上り端部２５ａに上方から当
接するので、ルーフリヤ部８のオープン操作に支
障が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るルーフ構造の第３図のＩ
−Ｉ線断面図、第２図は第３図の−線断面
図、第３図は自動車のリヤ側斜視図、第４図はル
ーフクローズ時の自動車の側面図、第５図はルー
フオープン途中の自動車の側面図、第６図はルー
フオープン時の自動車の側面図である。 １……車体、２……ルーフ、５……リヤボデ
イ、７……ルーフフロント部、８……ルーフリヤ
部、９……リヤウインド、１２……ベルトライ
ン、１８……リヤシート、２０……アウターパネ
ル、２５……レインレール部、２５ａ……立上り
端部、２６……ルーフ格納用開口、２６ａ……開
口縁、２７……ウエザストリツプ、２７ａ……第
１リツプ部、２７ｂ……第２リツプ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハードルーフがリンク機構を介して車体に連結
   されていて、ハードルーフオープン操作時に上記
   ハードルーフがリヤシート後方に格納されるよう
   になつた車両のオープンルーフ構造において、 上記ハードルーフのアウターパネルの下端部
   に、車体幅方向に延在するレインレールが設けら
   れる一方、車体側のルーフ格納用開口の開口縁
   に、ハードルーフクローズ時に上記ハードルーフ
   の外面に当接する第１リツプ部と、上記レインレ
   ールに当接する第２リツプ部とを有するウエザス
   トリツプが設けられていることを特徴とする車両
   のオープンルーフ構造。