JP3817019B2 - モップ保持器 - Google Patents

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一郎 岩本
雅清 角南
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パイル付きあるいはシート状のモップ類を保持するモップ保持器に関し、特に、モップを保持器に対して着脱自在に取り付けることができるモップ保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】
モップを着脱自在に取り付けることができるモップ保持器の取付構造としては、一般的には、実公平7−40360号に記載されているように、モップの端部に袋部を設け、該袋部に保持器の端部を挿入し、マジックテープあるいは適宜の挟み具に挟む構造や、実用新案登録3017545号のように保持器の上面にバックルを設け、モップの両端折曲部をバックルによって固定する構造や、あるいは実開平4−89252号のように、保持器の背面に複数の突起を形成し、シート型モップの前後両端部に係合孔を形成し、保持器の下側に当てたモップの両端を折り返して、上記突起に係合する構造等がある。また、保持器背面に突起を形成し、一方パイル付モップの両端部には孔を形成し、モップを保持器の下側に当て、モップ両端を保持器背面へと折り返し、孔に前記突起を係合する構造もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
いずれもモップの先端部を部分的に保持器に固定する構造なので、モップ全体を均一にかつ一定張力で固定することが困難であり、モップの途中にしわがよったり、あるいは清掃作業中に力を入れてこすり過ぎると、外れたりする。
【0004】
【発明の目的】
モップの取付が簡単で、かつ、モップ全体にしわが寄らないように、モップ全体として均一な張力で保持器に取り付けることができるモップ保持器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本願請求項1記載の発明によるモップ保持器は、間隔を置いて並行配置された1対の側壁4を一体に有する下側保持板1と、柄5を備えた上側押え板2とからなり、上側押え板2は下側保持板1の側壁4間に嵌め込み可能となっており、B.下側保持板1の両側壁4と上側押え板2の上記側壁側の端部には、上側押え板2を下側保持板1内に上側から一定圧で押し込むことにより、保持板1及び押え板2の弾性に抗して互いに係合する係合部10、11をそれぞれ形成し、下側保持板1の下面に当てたモップ3の両端を、各側壁4を経て下側保持板1内へと折り込み、下側保持板1に上側押え板2を嵌め込むことにより、両板1、2間でモップ3を挟持し、上側押え板2は下側保持板1に対し側壁4に沿って移動可能に嵌め込まれており、該側壁4に沿った移動により係合部10、11同士の係合を解除可能とし、上側押え板2と下側保持板1の間には、上記係合部10、11同士の係合位置で両板をロックするロック機構を設けている
ことを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のモップ保持器において、上側押え板は下側保持板に対し側壁に沿って移動可能に嵌め込まれ、該側壁に沿った移動により係合部同士の係合を解除可能とし、上側押え板と下側保持板の間には、上記係合部同士の係合位置で両板をロックするロック機構を設けていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明を適用したモップ保持器の斜視図であり、保持器全体は、偏平な直方体となっており、短手方向を前後方向と仮定して以下説明する。保持器は、前後両端に垂直な側壁4を有する下側保持板1と、該保持板1内に上側から嵌め込まれる上側押え板2とから構成されており、該上側押え板2の上面には、自在継手9を介して柄5が設けられており、該柄5の先端部にはハンドルパイプ6が着脱自在に接続されている。両板1,2は上方から見ていずれも矩形状に形成されている。パイル付きのモップ3を保持板1の下面に配置して、その前後両端を下側保持板1の内側へと折り返して、上側押え板2を上方から下側保持板1内に嵌め込むことにより、モップ3を挟持している。上記下側保持板1、上側押え板2及び柄5は硬質樹脂でできている。
【0009】
図2は下側保持板1の単体の平面図であり、前後の側壁4は互いに平行に配置されると共に下側保持板1の左右方向(長手方向)の全幅にわたって形成されているが、保持板1の左右端には側壁は形成されておらず、解放されている。各側壁4の互いに向き合う面には、左右1対の係合突起10がそれぞれ形成されており、前後の係合突起10は互いに対向配置されており、それぞれ左右方向に一定長さd1を有している。
【0010】
下側保持板1の平面本体部分には、上記各係合突起10に前後間隔をおいてそれぞれ向き合うように仮止め用片12が形成されており、各仮止め用片12に対応する保持板1部分にはそれぞれ四辺形の逃がし孔14が形成されている。
【0011】
右側の前後の仮止め用片12間には、前後幅の中心線O上に位置するようにロック用ボタン13が配置され、該ボタン13はこれと樹脂一体成形されたH型の板ばね15により上方に付勢されている。
【0012】
図3は上側押え板2の単体の平面図を示しており、短手方向の前後端部には、左右方向に一定の間隔をおいて左右1対の係合突起11がそれぞれ形成されており、各係合突起11はそれぞれ円弧形に形成されると共にその左右方向の長さd2を概ね前記図2の係合突起10の長さd1とおなじ程度の長さか、あるいはそれよりも短い長さにしてある。図3では、たとえば70〜80%程度の長さにしてある。右側の1対の係合突起11間には、前後幅の中心線O上にロック用ボタン通過孔17が形成されている。4つの円弧形係合突起11及びボタン通過孔17の位置は、それぞれ図2の係合突起10及びロック用ボタン13に対応している。
【0013】
図4は図2のIV−IV断面を示しており、上側押え板2の前後両端には、下向きに突出する短い側壁19が形成され、該側壁19に前記円弧状の係合突起11が形成されており、該係合突起11の下面は、下方への挿入勝手となるように傾斜面11aとなっている。一方、下側保持板1の係合突起10は、側壁4の上端に形成されており、前記上側押え板2の係合突起11が挿入勝手となるように、該係合突起11の傾斜面11aに対向する傾斜面10aが形成されている。前側の仮止め用片12は、前側の逃がし孔14の後端縁から垂直上方に少し突出すると共に、水平前方へと延びており、前端部には下向きに三角形状に張り出すやじり状の返し21が形成されている。後側の仮止め用片12は、前側の仮止め用片12と前後対称に形成されており、水平後方へと延び、後端部には下向きに三角形状に張り出すやじり状の返し21が形成されている。
【0014】
図5は図2のV−V断面図を示しており、右側の前後の仮止め用片12間にはボタン装着板22が架設されており、該装着板22には前記ボタン通過孔17に対応する位置にボタン挿通孔23が形成されている。ロック用ボタン13には段部24が形成されており、前記板ばね15により上方へと付勢されるボタン13の段部24がボタン挿通孔23の周縁に着座している。
【0015】
板ばね15は図7に示すように左右幅の中央部が高くなるように山形に形成され、前後の下端四隅は、保持板1の平面部分に、左右方向に摺動可能に支持されている。また板ばね15の下端四隅を囲むように前後左右両側にはガイド壁27が形成されている。
【0016】
図6は上側押え板2の右側面図を示しており、上側押え板2の左右端部には、前後幅の中間部に下開きの切欠き30を有する側壁31が形成されている。
【0017】
モップ3の着脱作業を説明する。図4において、モップ3の上面(背面)に下側保持板1を載せ、モップ3の前後両端をそれぞれ前後の側壁4の表面を経て保持板1内へと折り込み、それぞれ前後の仮止め用片12の下側に挟み込む。これにより、モップ3の前後両端部分は、仮止め用片12の返し21により、前後に抜け落ちないように仮止めされる。
【0018】
次に、上側押え板2を、ボタン通過孔17がボタン13に対応するように位置させて、下側保持板1内に上方から一定の押圧力で嵌め込む。この嵌め込み過程において、上側押え板2はその係合突起11により、係合突起10を介して側壁4を前後に押し広げながら嵌め込まれ、最終的に図5に示すように係合突起10,11同士が係合することにより、両係合突起10,11間でモップ3を挟持すると同時に上側押え板2を嵌め込み状態に維持する。
【0019】
この状態では、図8に示すようにロック用ボタン13により保持板1に対する上側押え板2の左右方向の移動は固定されている。
【0020】
モップ3を取り外す場合には、ボタン13を押し込んで上側押え板2とのロックを解除して、上側押え板2を右あるは左方向にスライドする。図8で上側係合突起11が下側保持板1の係合突起10から外れる位置まで移動すると、上側押え板2を上方へと取り外すことができる。
【0021】
【その他の実施の形態】
(1)上側押え板2のスライドをロックする機構は、図5のような押しボタン式のものに限定されず、たとえば、保持板1の長手方向の一端に、上側押え板2の長手方向の端縁を係止する位置に進退可能なロックピンを設けてもよい。
【0022】
(2)モップとして、シート状の使い捨てモップを取り付けるモップ保持器に適用することも可能である。
【0023】
(3)図示の実施の形態では、下側保持板1及び上側押え板2は、いずれも上方から見た形状は図2及び図3のように矩形状に形成されているが、左右両端部をそれぞれ円弧形とすることもできる。ただし、この場合も、前後の側壁4は平行に配置され、上側押え板2が左右にスライドするように嵌め込まれる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると、
(1) 下側保持板1の両側壁4と上側押え板2の上記側壁側の端部には、上側押え板2を下側保持板1内に上側から一定圧で押し込むことにより、保持板1及び押え板2の弾性に抗して互いに係合する係合部10,11をそれぞれ形成し、下側保持板1の下面に当てたモップの両端を、各側壁4を経て下側保持板1内へと折り込み、下側保持板1に上側押え板2を嵌め込むことにより、両板1,2間でモップを挟持するようにしているので、モップの着脱を簡単に行えると共に、モップを保持するための特別のクリップ機構を必要とせず、構造も簡素化することができる。
【0025】
(2) モップの前後両端部の全域を保持板1内に折り込んで上側押え板2との間で挟持できるので、モップ全体を略均一張力で張った状態で保持することができ、清掃作業中にモップが緩んでしわになる心配はなく、スムーズに清掃作業が行える。
【0026】
(3) 保持板1内に折り込まれるモップ端部を仮保持する仮止め用片12を設けていると、モップの装着作業において、モップを仮止めした状態で上側押え板2を嵌め込むことにより、しわがよることなく簡単に、均一な張力で取り付けることができる。
【0027】
(4) 上側押え板2は下側保持板1に対し側壁4に沿って移動可能に嵌め込まれ、該側壁4に沿った移動により係合部同士の係合を解除可能とし、上側押え板2と下側保持板1の間には、上記係合部同士の係合位置で両板1,2をロックするロック機構を設けていると、清掃中に上側押え板2及びモップが外れにくくなると共に、一定期間使用後にモップを取り外す時、ロック機構を解除して上側押え板2をスライドさせるだけで簡単に取り外すことができ、作業員の手を汚すことが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した清掃用具の斜視図である。
【図2】 下側保持板の単体の平面図である。
【図3】 上側押え板の単体の平面図である。
【図4】 図2のIV−IV断面図である。
【図5】 図2のV−V断面図である。
【図6】 上側押え板の右側面図である。
【図7】 図2のVII-VII断面図である。
【図8】 モップ保持器の部分平面図である。
【符号の説明】
1 下側保持板
2 上側押え板
3 モップ
4 側壁
10 係合突起(係合部)
11 係合突起(係合部)
12 仮止め用片
13 ロック用ボタン

Claims (2)

  1. 間隔を置いて並行配置された1対の側壁(4)を一体に有する下側保持板(1)と、柄(5)を備えた上側押え板(2)とからなり、上側押え板(2)は下側保持板1の側壁(4)間に嵌め込み可能となっており、
    下側保持板1の両側壁(4)と上側押え板(2)の上記側壁側の端部には、上側押え板(2)を下側保持板(1)内に上側から一定圧で押し込むことにより、保持板(1)及び押え板(2)の弾性に抗して互いに係合する係合部(10、11)をそれぞれ形成し、
    下側保持板(1)の下面に当てたモップ(3)の両端を、各側壁(4)を経て下側保持板(1)内へと折り込み、下側保持板(1)に上側押え板(2)を嵌め込むことにより、両板(1、2)間でモップ(3)を挟持し、
    上側押え板 (2) は下側保持板 (1) に対し側壁 (4) に沿って移動可能に嵌め込まれており、該側壁 (4) に沿った移動により係合部 (10 11) 同士の係合を解除可能とし、
    上側押え板 (2) と下側保持板 (1) の間には、上記係合部 (10 11) 同士の係合位置で両板をロックするロック機構を設けていることを特徴とするモップ保持器。
  2. 下側保持板1内には、保持板1内に折り込まれるモップ端部を仮保持する仮止め用片12を設けていることを特徴とする請求項1記載のモップ保持器。
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