JP3813092B2 - 運搬台車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物やコンテナー等を載置して運搬するためのキャスターが取り付けられた運搬台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷物やコンテナー等が載置される載置面を有するデッキ板の裏面にキャスターを取り付けるとともに、デッキ板の上面に、運搬台車を段積みした際に、上方に位置する運搬台車のキャスターが嵌合する凹部を形成した運搬台車が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の運搬台車は、空の運搬台車同士を段積みする場合には、上方に位置する運搬台車のキャスターを、下方に位置するデッキ板の上面に形成された凹部に嵌合するようにして段積みするために、キャスターの凹部への嵌合分だけしか、換言すれば、凹部の深さ分のみしか、段積み高さを低くすることができず、従って、運搬台車同士の段積みに、大きなスペースが必要になるとともに、キャスターが凹部に嵌合されているだけであるので、段積みが不安定であるという問題があった。
【0004】
また、下方に位置する運搬台車に対して、上方に段積みされる運搬台車を、90度回転させて、空の運搬台車同士を十字状に段積みする、所謂、クロス積みが行われるが、このようなクロス積みの場合には、上方に位置する運搬台車のデッキ板の裏面に突設された係合突起を、下方に位置する運搬台車のデッキ板に形成された嵌合凹部に嵌合させて段積みするが、係合突起と嵌合凹部との嵌合に時間がかかり、段積みの作業性が低下するとともに、空の運搬台車同士を十字状に段積みするため、段積みの平面サイズは、結局、デッキ板の長手方向の長さ×デッキ板の長手方向の長さとなり、保管スペースの大幅な減少が期待できない。また、クロス積みの場合には、十字状の角部が無駄なデッドスペースになるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の運搬台車が有する課題を解決するようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、デッキ板の相対する辺の一方の辺に沿って穿設された2つの開口部と、前記一方の辺に沿って、前記デッキ板の裏面に取着された2つのキャスターと、前記デッキ板の相対する辺のもう一方の辺に沿って穿設された2つの開口部と、前記もう一方の辺に沿って、前記デッキ板の裏面に取着された2つのキャスターとを有し、空の運搬台車を段積みするに際し、上方に位置する運搬台車と下方に位置する運搬台車とが同じ向きに配置されている状態から、上方に位置する運搬台車を、下方に位置する運搬台車に対して、水平面上を180度回転させた状態で、下方に位置する運搬台車に載置した場合にのみ、上方に位置する運搬台車のキャスターが、下方に位置する運搬台車のデッキ板に穿設された開口部に挿入可能となるように構成したものであり、また、空の運搬台車を段積みする際に、上方に位置する運搬台車のデッキ板の裏面が、下方に位置する運搬台車のデッキ板の載置面に載置されるように構成したものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
先ず最初に、図1及び図2を用いて、本発明の1実施例について説明する。
【0009】
1は、荷物やコンテナー等が載置される載置面1aを有する、平面形状が長方形状のデッキ板であり、デッキ板1の一方の短辺1bに沿って、且つ、短辺1bに接近して、デッキ板1の裏面1cには、2つのキャスター2が取り付けられている。また、デッキ板1のもう一方の短辺1dに沿って、且つ、上記のキャスター2に比べて、よりデッキ板1の中央寄りのデッキ板1の裏面1cには、2つのキャスター3が取り付けられている。
【0010】
本実施例においては、キャスター2、3は、車輪2a、3aの支持軸2b、3bの両端部を支持する二股状の支持枠2c、3cが、デッキ板1の裏面1cにボルト等の適当な固着具により取着される台座2d、3dに対して回転自在な、所謂、自在キャスターとして構成されている。そして、支持枠2c、3cの台座2d、3dに対する回転中心から、車輪2a、3aの支持軸2b、3bの位置がずれているので、支持枠2c、3cを台座2d、3dに対して180度回転させた車輪2a、3aの位置と、支持枠2c、3cを台座2d、3dに対して180度回転させる前の車輪2a、3aの位置とはずれていることになる。
【0011】
4は、デッキ板1の一方の短辺1bに沿って、且つ、デッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター2に隣接するとともに、該キャスター2より、デッキ板1の中央寄りに穿設された、開口部を構成する丸孔である。5は、デッキ板1のもう一方の短辺1dと、該短辺1dに沿って、且つ、上記のキャスター2に比べて、よりデッキ板1の中央寄りのデッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター3との間に穿設された、上記の丸孔4と同じ大きさの、同じく開口部を構成する丸孔である。丸孔4、5の大きさは、上述ように、支持枠2c、3cを台座2d、3dに対して180度回転させた車輪2a、3aと、支持枠2c、3cを台座2d、3dに対して180度回転させる前の車輪2a、3aとが、共に、挿入可能な大きさに形成されている。
【0012】
6は、デッキ板1の1つの角部を挟んで位置する短辺1dと長辺1fに沿って、デッキ板1の載置面1aに形成された凸条部である。デッキ板1の載置面1aにコンテナーを積む際に、凸条部6が形成されていない側に、コンテナーの一部を載置し、その後、コンテナーを、デッキ板1の載置面1aをスライドさせながら、コンテナーが、凸条部6に当接するまで押し込んで、デッキ板1の載置面1aにコンテナーを載置することが行われるが、このような載置方法の際には、凸条部6を形成することにより、コンテナーを押し込みすぎて、デッキ板1の載置面1aから飛び出るようなことが防止できるとともに、コンテナーを、デッキ板1の載置面1aに安定して積むことができる。また、デッキ板1の裏面1cの略中央部には、裏面1cから垂下されるリブ7aにより形成される枠状突出部7が形成されている。なお、この枠状突出部7の機能については後述する。
【0013】
以下に、図3を用いて、上述したように構成されている運搬台車Cを、空の状態で段積みする場合について説明する。
【0014】
上方に位置する運搬台車C1と下方に位置する運搬台車C2とが同じ向きに配置されている状態(例えは、短辺1dに形成された凸条部6が、同じ側に位置している状態)から、上方に位置する運搬台車C1を、下方に位置する運搬台車C2に対して、水平面上を180度回転させた状態で、下方に位置する運搬台車C2に載置すると、上方に位置する運搬台車C1のデッキ板1の一方の短辺1bに沿って、且つ、短辺1bに接近して、デッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター2が、下方に位置する運搬台車C2のデッキ板1のもう一方の短辺1dと、該短辺1dに沿って、且つ、上記のキャスター2に比べて、よりデッキ板1の中央寄りのデッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター3との間に穿設された丸孔5に挿入されるように構成されている。また、上方に位置する運搬台車C1の短辺1dに沿って、且つ、上記のキャスター2に比べて、よりデッキ板1の中央寄りのデッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター3が、下方に位置する運搬台車C2のデッキ板1の一方の短辺1bに沿って、且つ、デッキ板1の裏面1cに取り付けられたキャスター2に隣接するとともに、該キャスター2より、デッキ板1の中央寄りに穿設された丸孔4に挿入されるように構成されている。
【0015】
上述したように、上方に位置する運搬台車C1と下方に位置する運搬台車C2とが同じ向きに配置されている状態から、上方に位置する運搬台車C1を、下方に位置する運搬台車C2に対して、水平面上を180度回転させた状態で、下方に位置する運搬台車C2に載置した場合には、上方に位置する運搬台車C1のキャスター2、3が、下方に位置する運搬台車C2のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されるように構成されているので、上述した上方に位置する運搬台車のキャスターを、下方に位置するデッキ板の上面に形成された凹部に嵌合するようにして段積みする従来の運搬台車に比べて、より低く段積みすることができ、運搬台車の保管スペースを縮小することができるとともに、上方に位置する運搬台車C1のキャスター2、3が、下方に位置する運搬台車C2のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されているので、安定した段積みを行うことができる。なお、運搬台車Cのデッキ板1に穿設される、開口部を構成する孔は、キャスターが挿入可能なものであれば、丸孔に限らず、方形状の孔でも、楕円状の孔でもよい。
【0016】
次に、図4を用いて、デッキ板1の裏面1cの略中央部に垂下された枠状突出部7の機能について説明する。
【0017】
図4には、3つの運搬台車が段積みされた状態が示されており、説明の都合上、便宜的に、下から順に、下の運搬台車C3、中間の運搬台車C4、上の運搬台車C5と称することにする。そして、中間の運搬台車C4は、下の運搬台車C3に対して、水平面上を180度回転された状態で段積みされており、また、上の運搬台車C5は、中間の運搬台車C4に対して、水平面上を180度回転された状態で段積みされている。即ち、下の運搬台車C3と上の運搬台車C5とは同じ向きである。従って、中間の運搬台車C4のキャスター2、3は、下の運搬台車C3のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されており、また、上の運搬台車C5のキャスター2、3は、中間の運搬台車C4のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されている。
【0018】
上述したように、上の運搬台車C5のキャスター2、3は、中間の運搬台車C4のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されているが、このとき、上の運搬台車C5のキャスター2、3が、下の運搬台車C3のデッキ板1の載置面1aに当接すると、キャスター2、3は動きやすいので、上の運搬台車C5が不安定になる。勿論、上の運搬台車C5のキャスター2、3は、中間の運搬台車C4のデッキ板1に穿設された丸孔4、5に挿入されているので、大きく動くことはないが、丸孔4、5内において、横方向に動きやすくなる。そこで、本実施例においては、上の運搬台車C5のデッキ板1の裏面1cに垂下された枠状突出部7を、中間の運搬台車C4のデッキ板1の載置面1aに載置するように構成することにより、上の運搬台車C5のキャスター2、3が、下の運搬台車C3のデッキ板1の載置面1aに当接しないようにしたものである。このように、枠状突出部7の高さは、上の運搬台車C5のキャスター2、3が、下の運搬台車C3のデッキ板1の載置面1aに当接しないような高さに構成されている。このように、上の運搬台車C5のキャスター2、3が、下の運搬台車C3のデッキ板1の載置面1aに当接しないように構成されているので、安定した状態で、多数の運搬台車Cを段積みすることができる。なお、突出部7を、デッキ板1の裏面1cから垂下されたリブ7aにより形成した例を用いて、本実施例を説明したが、突出部7を、単に、デッキ板1の裏面1cから突出した板材により形成することも、また、複数の柱状突出部として形成することもできる。
【0019】
上述した実施例においては、キャスター2、3を、自在キャスターとした例が示されているが、車輪2a、3aの支持軸2b、3bの両端部を支持する二股状の支持枠2c、3cが、回転しないキャスターを使用することもできる。この場合には、支持枠2c、3cが回転しないキャスターが挿入可能な大きさの孔を穿設すればよい。また、自在キャスターと支持枠2c、3cが回転しないキャスターとを、適宜、組み合わせて使用することもできる。
【0020】
また、荷物やコンテナー等が載置される載置面1aを有する平面形状が長方形状のデッキ板1は、1枚の板状に限定されるものではない。例えば、棒状の枠材で額縁状に形成された外枠内に、縦横に枠材を取着することにより、載置面1aを有するデッキ板1を構成することもできる。この場合には、キャスターが挿入可能な開口部は、外枠内に取着された縦枠及び横枠により形成される。また、デッキ板1を、額縁状に形成された外枠と該外枠内に形成されたリブにより構成する場合には、リブにより、キャスターが挿入可能な開口部を形成することができる。
【0021】
更に、上述した実施例においては、デッキ板1の1つの角部を挟んで位置する短辺1dと長辺1fに沿って、デッキ板1の載置面1aに形成された凸条部6を形成した例が示されているが、1辺のみを残して、他の3辺に凸条部6を形成することも、また、全周に凸条部6を形成することもできる。更には、このような凸条部6を形成することなく、デッキ板1の載置面1aを平らに形成することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0023】
空の運搬台車を段積みする際に、上方に位置する運搬台車のキャスターが、下方に位置する運搬台車のデッキ板に形成された開口部に挿入されるように構成したので、上方に位置する運搬台車のキャスターを、下方に位置するデッキ板の上面に形成された凹部に嵌合するようにして段積みする従来の運搬台車に比べて、より低く段積みでき、保管スペースを縮小できるとともに、上方に位置する運搬台車のキャスターが、下方に位置する運搬台車のデッキ板に穿設された孔に挿入されているので、安定した段積みを行うことができる。
【0024】
運搬台車のデッキ板の裏面に突出部を形成したので、安定した状態で、多数の運搬台車を段積みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の運搬台車の斜視図である。
【図2】図2は本発明の運搬台車を裏から見た斜視図である。
【図3】図3は本発明の空の運搬台車を段積みした状態の垂直断面図である。
【図4】図4は同じく本発明の空の運搬台車を段積みした状態の垂直断面図である。
【符号の説明】
B・・・・・・・コンテナー
C・・・・・・・運搬台車
1・・・・・・・デッキ板
2、3・・・・・キャスター
4、5・・・・・丸孔
7・・・・・・・枠状突出部
Claims (2)
- デッキ板の相対する辺の一方の辺に沿って穿設された2つの開口部と、前記一方の辺に沿って、前記デッキ板の裏面に取着された2つのキャスターと、前記デッキ板の相対する辺のもう一方の辺に沿って穿設された2つの開口部と、前記もう一方の辺に沿って、前記デッキ板の裏面に取着された2つのキャスターとを有し、空の運搬台車を段積みするに際し、上方に位置する運搬台車と下方に位置する運搬台車とが同じ向きに配置されている状態から、上方に位置する運搬台車を、下方に位置する運搬台車に対して、水平面上を180度回転させた状態で、下方に位置する運搬台車に載置した場合にのみ、上方に位置する運搬台車のキャスターが、下方に位置する運搬台車のデッキ板に穿設された開口部に挿入可能となるように構成したことを特徴とする運搬台車。
- 空の運搬台車を段積みする際に、上方に位置する運搬台車のデッキ板の裏面が、下方に位置する運搬台車のデッキ板の載置面に載置されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002008205A JP3813092B2 (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 運搬台車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002008205A JP3813092B2 (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 運搬台車 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP36221797A Division JP3302314B2 (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | 運搬台車 |
Publications (2)
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JP2002205655A JP2002205655A (ja) | 2002-07-23 |
JP3813092B2 true JP3813092B2 (ja) | 2006-08-23 |
Family
ID=19191397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002008205A Expired - Lifetime JP3813092B2 (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 運搬台車 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3813092B2 (ja) |
-
2002
- 2002-01-17 JP JP2002008205A patent/JP3813092B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2002205655A (ja) | 2002-07-23 |
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