JP3812511B2 - ハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造 - Google Patents

ハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造 Download PDF

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    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
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    • F16H3/727Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path
    • F16H3/728Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path with means to change ratio in the mechanical gearing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータと遊星歯車機構と駆動出力機構とを備えたハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層モータのモータコイル給電構造としては、例えば、特開2000−14986号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、インナーロータとアウターロータとの間にステータが配置された多層モータにおいて、複数のステータ積層体に巻かれるコイルに対する給電構造として、ステータの端面から延伸された複数のコイル線端部をそれぞれ絶縁パイプにて被覆し、複数のU相コイルの端部を互いに接続して1つのU相給電線とし、複数のV相コイルの端部を互いに接続して1つのV相給電線とし、複数のW相コイルの端部を互いに接続して1つのW相給電線とし、また、複数の中性点コイルの端部を互いに接続する。そして、これら複数のコイル線をステータの端面円周上に沿わせて束ね、最後に、U相給電線とV相給電線とW相給電線との3本の給電線をステータの背面側から取り出し、スター結線にてインバータに結線するものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の多層モータがハイブリッド駆動ユニットに採用された場合であって、多層モータから取り出されたU相給電線とV相給電線とW相給電線との3本の給電線をステータの正面側から遊星歯車機構側に取り出すようにした場合、3本の給電線がそれぞればらばらであるため、給電線の取り廻し配線作業や給電線の接続部分の絶縁処理作業が必要であり、組み付け作業性に劣るという問題点がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、給電線の取り廻し配線作業や絶縁処理作業が不要で、良好な組み付け作業性を得ることができると共に、給電部材に大電流を流しても給電部材の発熱を有効に抑えることができるハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンとモータと遊星歯車機構と駆動出力機構とを備えたハイブリッド駆動ユニットにおいて、
前記モータのステータとロータを収容するモータ室と、前記遊星歯車機構および駆動出力機構を収容するギヤ室と、を隣接して配置し、
前記モータのコイルに対する給電構造を、前記ギヤ室を画成するケース部材に設けた給電接続端子と、前記ギヤ室内に配置し、導電材料による給電プレートを形成し、この給電プレートを複数枚径方向に隙間を介して重ね合わせ、全体を絶縁材により覆って成形したバスバー径方向積層体と、前記ギヤ室と前記モータ室との隔壁に設けた給電コネクタと、を有して構成し、
かつ、前記バスバー径方向積層体を、ギヤ室内の回転するギヤ部材の径方向外周位置に配置した。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明にあっては、従来の給電線に代え、導電材料による給電プレートを形成し、この給電プレートを複数枚径方向に隙間を介して重ね合わせ、全体を絶縁材により覆って成形したバスバー径方向積層体を給電部材として採用したことで、給電線の取り廻し配線作業や絶縁処理作業が不要で、良好な組み付け作業性を得ることができる。加えて、このバスバー径方向積層体を、ギヤ室内の回転するギヤ部材の径方向外周位置に配置したため、回転するギヤ部材が跳ね上げた潤滑油がバスバー径方向積層体にあたることによる冷却作用で、給電部材に大電流を流しても給電部材の発熱を有効に抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
【0011】
[ハイブリッド駆動ユニットの全体構成]
図1は第1実施例のコイル給電構造が適用されたハイブリッド駆動ユニットの全体図であり、図1において、Eはエンジン、Mは複軸多層モータ(モータ)、Gはラビニョウ型複合遊星歯車列(遊星歯車機構)、Dは駆動出力機構、1はモータカバー、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーである。
【0012】
前記エンジンEは、ハイブリッド駆動ユニットの主動力源であり、エンジン出力軸5とラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2とは、フライホイールダンパー6及び多板クラッチ7を介して連結されている。
【0013】
前記複軸多層モータMは、外観的には1つのモータであるが2つのモータジェネレータ機能を有する副動力源である。この複軸多層モータMは、前記モータケース2に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、前記ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、を同軸上に三層配置することで構成されている。前記インナーロータIRに固定の第1モータ中空軸8は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1に連結され、前記アウターロータORに固定の第2モータ軸9は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2に連結されている。
【0014】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、二つのモータ回転数を制御することにより無段階に変速比を変える無段変速機能を有する遊星歯車機構である。このラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2との5つの回転要素を有して構成されている。前記第1リングギヤR1とギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が介装されている。前記共通キャリヤCには、出力ギヤ11が連結されている。
【0015】
前記駆動出力機構Dは、出力ギヤ11と、第1カウンターギヤ12と、第2カウンターギヤ13と、ドライブギヤ14と、ディファレンシャル15と、ドライブシャフト16L,16Rにより構成されている。そして、出力ギヤ11からの出力回転及び出力トルクは、第1カウンターギヤ12→第2カウンターギヤ13→ドライブギヤ14→ディファレンシャル15を経過し、ドライブシャフト16L,16Rから図外の駆動輪へ伝達される。
【0016】
すなわち、ハイブリッド駆動ユニットは、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸5を連結し、前記第1サンギヤS1と第1モータ中空軸8とを連結し、前記第2サンギヤS2と第2モータ軸9とを連結し、前記共通キャリヤCに出力ギヤ11を連結することにより構成されている。
【0017】
[複軸多層モータの構成]
図2は第1実施例のモータコイル給電構造が適用された三相の複軸多層モータMを示す縦断側面図、図3は第1実施例のモータコイル給電構造が適用された複軸多層モータMを示す一部縦断正面図、図4は第1実施例のステータを背面側から視た図である。
【0018】
図2において、1はモータカバー、2はモータケースであり、これらに囲まれたモータ室17内にインナーロータIRとステータSとアウターロータORとにより構成された複軸多層モータMが配置されている。
【0019】
前記インナーロータIRは、その内筒面が第1モータ中空軸8の段差軸端部に対して圧入(或いは焼きばめ)により固定されている。このインナーロータIRには、図3に示すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した配置によるインナーロータマグネット21(永久磁石)が軸方向に12本埋設されている。但し、2本が対をなしてV字配置されて同じ極性を示し、3極対としてある。
【0020】
前記ステータSは、ステータピース40を積層したステータピース積層体41とコイル42とステータ冷却用水路43とインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45と非磁性体樹脂層46とを有して構成されている。そして、ステータSの正面側端部が、正面側エンドプレート47とステータ固定ケース48とを介してモータケース2に固定されている。
【0021】
前記コイル42は、コイル数が18で、図4に示すように、6相コイルを3回繰り返しながら円周上に配置される。
【0022】
そして、前記6相コイルに対しては、図外のインバータから給電接続端子50とバスバー径方向積層体51と給電コネクタ52とバスバー軸方向積層体53を介して複合電流が印加される(図8参照)。この複合電流は、アウターロータORを駆動させるための3相交流と、インナーロータIRを駆動させるための6相交流を複合させたものである。
【0023】
前記アウターロータORは、その外筒面がアウターロータケース62に対してロー付け、或いは、接着により固定されている。そして、アウターロータケース62の正面側には正面側連結ケース63が固定され、背面側には背面側連結ケース64が固定されている。そして、この背面側連結ケース64に第2モータ軸9がスプライン結合されている。このアウターロータORには、図3に示すように、ロータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるアウターロータマグネット61(永久磁石)が、両端位置に空間を介して軸方向に12本埋設されている。但し、アウターロータマグネット61は、インナーロータマグネット21とは異なり、1本づつ極性が違い、6極対をなしている。
【0024】
図2において、80,81はアウターロータ6をモータケース2及びモータカバー1に支持する一対のアウターロータベアリングである。82はインナーロータIRをモータケース2に支持するインナーロータベアリング、83はアウターロータORに対しステータSを支持するステータベアリング、84は第1モータ中空軸8と第2モータ軸9との間に介装される中間ベアリングである。
【0025】
また、図2において、85はインナーロータIRの回転位置を検出するインナーロータレゾルバ、86はアウターロータORの回転位置を検出するアウターロータレゾルバである。
【0026】
[遊星歯車機構の構成]
図5はハイブリッド駆動ユニットのラビニョウ型複合遊星歯車列Gを示す縦断面図である。図5において、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーであり、これらに囲まれたギヤ室30内にラビニョウ型複合遊星歯車列G及び駆動出力機構Dが配置されている。
【0027】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2には、フライホイールダンパー6と変速機入力軸31とクラッチドラム32とを介し、多板クラッチ7の締結時にエンジンEからの回転駆動トルクが入力される。
【0028】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1には、第1モータ中空軸8がスプライン結合され、決められたモータ動作点にしたがって、複軸多層モータMのインナーロータIRから第1トルクと第1回転数が入力される。
【0029】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2には、第2モータ軸9がスプライン結合され、決められたモータ動作点にしたがって、複軸多層モータMのアウターロータORから第2トルクと第2回転数が入力される。
【0030】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1リングギヤR1と、ギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が設けられ、発進時等において多板ブレーキ10が締結された時には、第1リングギヤR1が停止する。
【0031】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの共通キャリヤCには、ステータ固定ケース48に対しベアリングを介して回転可能に支持された出力ギヤ11がスプライン結合されている。
【0032】
前記駆動出力機構Dは、前記出力ギヤ11と噛み合う第1カウンターギヤ12と、この第1カウンターギヤ12のシャフト部に設けられた第2カウンターギヤ13と、第2カウンターギヤ13と噛み合うドライブギヤ14とを有する。そして、第2カウンターギヤ13とドライブギヤ14の歯数比により、終減速比が決められる。
【0033】
前記多板クラッチ7のクラッチピストン33には、フロントカバー4に形成されたクラッチ圧油路34により締結圧が供給される。また、前記多板ブレーキ10のブレーキピストン35には、フロントカバー4に形成されたブレーキ圧油路36により締結圧が供給される。前記クラッチピストン33と前記ブレーキピストン35は、フロントカバー4の内側で、内周位置にクラッチピストン33が配置され、その外周位置にブレーキピストン35が配置される。
【0034】
また、前記第2モータ軸9と変速機入力軸31には、軸心油路37が形成されていて、この軸心油路37には、フロントカバー4に形成された潤滑油路38を介して潤滑油が供給される。
【0035】
[モータコイル給電構造]
図6は第1実施例のギヤ室側モータコイル給電構造を示す縦断面図、図7は第1実施例のギヤ室側モータコイル給電構造を示す正面図である。
【0036】
前記給電接続端子50とバスバー径方向積層体51と給電コネクタ52とバスバー軸方向積層体53により、ステータSのU相コイル、V相コイル、W相コイルに対するモータコイル給電構造が構成される。
【0037】
前記給電接続端子50は、図7に示すように、U相給電接続端子部50aとV相給電接続端子部50bとW相給電接続端子部50cとを1組として構成され、この端子組がギヤ室30を画成するモータケース2(ケース部材)の周方向に異なる位置に2組配置固定されている。
【0038】
前記バスバー径方向積層体51は、ギヤ室30内に配置され、各給電接続端子部50a,50b,50cの各ギヤ室側端部にそれぞれ固定されたU相プレート51aとV相プレート51bとW相プレート51cとを有する。そして、銅等の導電材料による各プレート51a,51b,51cを、互いに所定の隙間を介して径方向に重ね合わせ、隙間を含む全体を絶縁樹脂51dで覆い、方形断面形状に成形することで構成されている。
【0039】
このバスバー径方向積層体51は、図7に示すように、2組配置された給電接続端子50,50に対応し、出力ギヤ11の径方向外周位置であって、出力ギヤ11の外径形状に沿うように2組配置されている。
【0040】
前記給電コネクタ52は、ギヤ室30とモータ室17との隔壁部2aを貫通して設けられたU相給電コネクタ52aとV相給電コネクタ52bとW相給電コネクタ52cとを有する。各給電コネクタ52a,52b,52cは、絶縁性を保ちながらギヤ室30に露出した一端部に各プレート51a,51b,51cを接続している。
【0041】
前記バスバー軸方向積層体53は、ステータSの正面側エンドプレート47に固定され、リング状のU相プレートとV相プレートとW相プレートと中性点用プレートとの間にそれぞれ絶縁材を介装して軸方向に積層した後、全体を絶縁樹脂にて封止して構成される。そして、リング状プレートから内側に突出したU相給電部とV相給電部とW相給電部に各給電コネクタ52a,52b,52cが接続され、リング状プレートから外側に突出したコイル接続部にステータSの各相コイル42が接続される。
【0042】
次に、作用を説明する。
【0043】
[複軸多層モータの基本機能]
2ロータ・1ステータで、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線との2つの磁力線が作られる複軸多層モータMを採用したことで、コイル42及び図外のコイルインバータを2つのインナーロータIRとアウターロータORに対し共用できる。そして、インナーロータIRに対する電流とアウターロータORに対する電流を重ね合わせた複合電流を1つのコイル42に印加することにより、2つのロータIR,ORをそれぞれ独立に制御することができる。つまり、外観的には、1つの複軸多層モータMであるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせものとして使える。
【0044】
よって、例えば、ロータとステータを持つモータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つのものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロス)を防止することができる。
【0045】
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持ち、例えば、第1実施例のように、ハイブリッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組み合わせを選択することができる。
【0046】
[モータコイル給電構造の組み付け作業]
従来の多層モータがハイブリッド駆動ユニットに採用された場合であって、多層モータから取り出されたU相給電線とV相給電線とW相給電線との3本の給電線をステータの正面側から遊星歯車機構側に取り出すようにした場合、3本の給電線がそれぞればらばらであるため、給電線の取り廻し配線作業や給電線の接続部分の絶縁処理作業が必要であり、組み付け作業性に劣る。
【0047】
これに対し、第1実施例のモータコイル給電構造は、従来の給電線に代え、絶縁成形処理により予め形状が決まっていて絶縁性を有するバスバー径方向積層体51を給電部材として採用したことで、給電線の取り廻し配線作業や絶縁処理作業が不要であり、良好な組み付け作業性を得ることができる。
【0048】
[給電用バスバー部品の冷却作用]
ハイブリッド駆動ユニットに組み込まれている複軸多層モータMに、バスバー径方向積層体51を給電部材として採用した場合、バスバー径方向積層体51の各プレート51a,51b,51cに大電流を流す必要があるため、バスバー径方向積層体51自体が発熱するという問題があった。
【0049】
これに対し、このバスバー径方向積層体51を、ギヤ室30内の回転する出力ギヤ出力ギヤ11の径方向外周位置であって、出力ギヤ11の外径形状に沿うように配置したため、回転する出力ギヤ11が跳ね上げた潤滑油がバスバー径方向積層体51にあたることによる冷却作用で、各プレート51a,51b,51cに大電流を流してもバスバー径方向積層体51の発熱を有効に抑えることができる。
【0050】
次に、効果を説明する。
第1実施例のハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0051】
(1) エンジンEと、複軸多層モータMと、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gと、駆動出力機構Dと、を備えたハイブリッド駆動ユニットにおいて、前記複軸多層モータMのステータSとロータIR,ORを収容するモータ室17と、前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gおよび駆動出力機構Dを収容するギヤ室30と、を隣接して配置し、前記複軸多層モータMのコイル42に対する給電構造を、前記ギヤ室30を画成するモータケース2に設けた給電接続端子50と、前記ギヤ室30内に配置したバスバー径方向積層体51と、前記ギヤ室30と前記モータ室17との隔壁2aに設けた給電コネクタ52と、を有して構成し、かつ、前記バスバー径方向積層体51を、ギヤ室30内の回転する出力ギヤ11の径方向外周位置に配置したため、給電線の取り廻し配線作業や絶縁処理作業が不要で、良好な組み付け作業性を得ることができると共に、給電部材に大電流を流しても給電部材の発熱を有効に抑えることができる。
【0052】
(2) バスバー径方向積層体51を、ギヤ室30内の回転する出力ギヤ11の外径形状に沿うような形状としたため、回転する出力ギヤ11が跳ね上げた潤滑油がバスバー径方向積層体51に効果的にあたり、高い冷却作用を得ることができる。
【0053】
(3) モータを、コイル42を巻いた固定電機子としてのステータSと、ステータSの外側に配置し、アウターロータマグネット61を埋設したアウターロータORと、ステータSの内側に配置し、インナーロータマグネット21を埋設したインナーロータIRと、を有し、外観的には1つのモータでありながら2つのモータジェネレータ機能を備えた複軸多層モータMとしたため、ハイブリッド駆動ユニットに組み込まれた複軸多層モータMのコイル42の温度上昇を抑えることができる。
【0054】
すなわち、複軸多層モータMがハイブリッド駆動ユニットに組み込まれていることで、要求トルクを出すために複軸多層モータMのコイル42に大電流を流す頻度が高い。これに対し、給電部材であるバスバー径方向積層体51の発熱を有効に抑えることで、バスバー径方向積層体51の延長位置に存在するコイル42の温度上昇も抑えることができる。
【0055】
(4) 遊星歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、の少なくとも4つの回転要素を有するラビニョウ型複合遊星歯車列Gとし、ハイブリッド駆動ユニットは、第2リングギヤR2とエンジン出力軸5を連結し、第1サンギヤS1と第1モータ中空軸8とを連結し、第2サンギヤS2と第2モータ出力軸9とを連結し、共通キャリヤCに出力ギヤ11を連結することにより構成し、出力ギヤ11の半径方向外周位置に、バスバー径方向積層体51を配置したため、ハイブリッド駆動ユニットの構成要素のうち油を飛散させる出力ギヤ11を利用してバスバー径方向積層体51の発熱を必要時に効果的に抑えることができる。
【0056】
すなわち、バスバー径方向積層体51に大電流を流す加速走行時等においては、出力ギヤ11が回転し、跳ね上げた潤滑油によるバスバー径方向積層体51の冷却作用が高い。一方、バスバー径方向積層体51への給電を停止する車両停止時には、出力ギヤ11も停止し、バスバー径方向積層体51の冷却作用は発揮されない。このように、出力ギヤ11を利用することで、バスバー径方向積層体51の冷却要求に応えたものとなる。
【0057】
以上、本発明のハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0058】
例えば、第1実施例では、モータとして2ロータ・1ステータによる三層の複軸多層モータの例を示したが、1ロータ・1ステータの同期モータや2以上のロータや2以上のステータを有する複軸多層モータにも適用することができる。さらに、同期モータ以外のモータのコイル給電構造にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のモータコイル給電構造が適用されたハイブリッド駆動ユニットを示す概略全体図である。
【図2】第1実施例のモータコイル給電構造が適用された複軸多層モータMを示す縦断側面図である。
【図3】第1実施例のモータコイル給電構造が適用された複軸多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【図4】第1実施例のモータコイル給電構造が適用された複軸多層モータMをステータの背面側から視た図である。
【図5】第1実施例のモータコイル給電構造が適用されたラビニョウ型複合遊星歯車列Gおよび駆動出力機構Dを示す縦断側面図である。
【図6】第1実施例のモータコイル給電構造を示す縦断側面図である。
【図7】第1実施例のモータコイル給電構造を示す正面図である。
【図8】複軸多層モータのステータコイルに印加する複合電流の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
E エンジン
M 複軸多層モータ(モータ)
G ラビニョウ型複合遊星歯車列(遊星歯車機構)
D 駆動出力機構
1 モータカバー
2 モータケース
2a 隔壁部(隔壁)
3 ギヤハウジング
4 フロントカバー
5 エンジン出力軸
6 フライホイールダンパー
7 多板クラッチ
8 第1モータ中空軸(第1モータ軸)
9 第2モータ軸
10 多板ブレーキ
11 出力ギヤ(ギヤ室内の回転するギヤ部材)
17 モータ室
30 ギヤ室
50 給電接続端子
51 バスバー径方向積層体
52 給電コネクタ
53 バスバー軸方向積層体

Claims (4)

  1. 主動力源としてのエンジンと、副動力源としてのモータと、各動力源と連結された遊星歯車機構と、該遊星歯車機構からの出力回転を駆動軸に伝達する駆動出力機構と、を備えたハイブリッド駆動ユニットにおいて、
    前記モータのステータとロータを収容するモータ室と、前記遊星歯車機構および駆動出力機構を収容するギヤ室と、を隣接して配置し、
    前記モータのコイルに対する給電構造を、前記ギヤ室を画成するケース部材に設けた給電接続端子と、前記ギヤ室内に配置し、導電材料による給電プレートを形成し、この給電プレートを複数枚径方向に隙間を介して重ね合わせ、全体を絶縁材により覆って成形したバスバー径方向積層体と、前記ギヤ室と前記モータ室との隔壁に設けた給電コネクタと、を有して構成し、
    かつ、前記バスバー径方向積層体を、ギヤ室内の回転するギヤ部材の径方向外周位置に配置したことを特徴とするハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造において、
    前記バスバー径方向積層体を、ギヤ室内の回転するギヤ部材の外径形状に沿うような形状としたことを特徴とするハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造。
  3. 請求項1または請求項2の何れか1項に記載されたハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造において、
    前記モータは、コイルを巻いた固定電機子としてのステータと、ステータの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータと、ステータの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータと、を有し、外観的には1つのモータでありながら2つのモータジェネレータ機能を備えた複軸多層モータであることを特徴とするハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載されたハイブリッド駆動ユニットのモータコイル給電構造において、
    前記遊星歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンと第2ピニオンを支持する共通キャリヤと、第1ピニオンに噛み合う第1サンギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2サンギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2リングギヤと、の少なくとも4つの回転要素を有するラビニョウ型複合遊星歯車列とし、
    前記ハイブリッド駆動ユニットは、前記第2リングギヤとエンジン出力軸を連結し、前記第1サンギヤと第1モータ出力軸とを連結し、前記第2サンギヤと第2モータ出力軸とを連結し、前記共通キャリヤに出力ギヤを連結することにより構成し、
    前記出力ギヤの半径方向外周位置に、バスバー径方向積層体を配置したたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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