JP3812477B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置に関し、詳しくは、フラットベッド型のスキャナを備えた記録装置であって、全体的に薄く小型化された記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上部にフラットベッドタイプのスキャナ部を、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部をそれぞれ備えた複合機において、スキャナ部には、原稿が載置されるガラス、当該ガラスの裏側から原稿を読み取る読み取りユニット及び読み取りユニットを駆動する駆動機構等が設けられている。また、インクジェット記録方式のプリンタ部には、紙等の記録媒体に印字を行うインクジェットヘッドや紙を搬送するためのプラテン等からなる紙送り機構さらにはヘッドを走査するためのキャリッジ機構等から構成されたプリンタエンジン、紙をプリンタ内部に供給するための給紙トレイ及びプリンタ外部へ排出するための排紙トレイ等が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術では、上部に位置するフラットベッドタイプのスキャナ部の最小寸法が、読み取る原稿の用紙仕様、読み取りユニットのサイズ、読み取りユニットの移動量及び駆動機構等により決定されるため、下部のプリンタ部を構成するプリンタエンジン等の各部材を小型化しても、複合機即ち記録装置全体の大きさを小型化できないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、構成部品を巧みに配置することにより全体的に薄く小型化した記録装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に係る発明の記録装置は、原稿の画像情報を読み取って記録媒体に印字を行う記録装置であって、ガラス面に置いた原稿の画像を読み取るフラットベッド型のスキャナと、前記記録媒体が搬送される搬送経路と、前記記録媒体を排出する排出部と、前記記録媒体にインクを吐出するヘッドとを備え、前記スキャナは、原稿読取センサを走査する駆動モータを備え、前記スキャナの下方で、前記排出部の側方の一方に前記駆動モータが、他方に外部記憶メディアが着脱可能に嵌挿されるコネクタを備えたメディア基板が設けられていることを特徴とする。
【0006】
この構成の記録装置では、スキャナの下方において、印字が行われた記録媒体が排出される排出部の側方の一方には、原稿読取センサを走査する駆動モータが設けられ、他方には、外部記憶メディアが嵌挿されるコネクタを備えたメディア基板が設けられており、排出部の側方の余剰空間を無駄にすることなく利用しているので、記録装置を全体的に小型化することができる。
【0007】
また、請求項2に係る発明の記録装置では、請求項1に記載の記録装置の構成に加えて、前記外部記録メディアには、前記スキャナによって読み取られた画像情報が記憶され、あるいは前記記録媒体上に記録される画像情報が記憶されていることを特徴とする。
【0008】
この構成の記録装置では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、外部記録メディアをメディア基板上のコネクタに挿嵌することにより、スキャナによって読み取られた画像情報を記憶でき、また、外部記憶メディアに記憶された画像情報を記録媒体上に記録することができる。
【0009】
また、請求項3に係る発明の記録装置では、請求項1又は2に記載の記録装置の構成に加えて、前記ヘッドと前記駆動モータとは、側面視で横方向に並んで位置しており、各々が、高さ方向で一部重なっていることを特徴とする。
【0010】
この構成の記録装置では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、ヘッドと駆動モータとは、側面視で横方向に並んで位置しており、各々が高さ方向で一部重なっている。従って、ヘッドと駆動モータとは、高さ方向に占める領域を最小限にした状態で並べられているので、記録装置を全体的に薄くでき、小型化することができる。
【0011】
また、請求項4に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の記録装置の構成に加えて、前記メディア基板は、複数枚設けられ、それぞれ上下方向で重なる状態で横置きに配設されていることを特徴とする。
【0012】
この構成の記録装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の作用に加えて、メディア基板は、複数枚設けられ、前記コネクタが横置きでかつ上下方向に重なる状態で配設されているので、メディア基板に対して水平に装着される外部記憶メディアを、その表裏を間違えることなく正確な状態で対応するメディア基板上のコネクタに挿嵌することができる。
【0013】
また、請求項5に係る発明の記録装置では、請求項に記載の記録装置の構成に加えて、前記メディア基板は、上方から下方に向かって、それぞれ自身のコネクタに対応する前記外部記憶メディアの表面積が小さい順に並んで配置されていることを特徴とする。
【0014】
この構成の記録装置では、請求項に記載の発明の作用に加えて、メディア基板は、上方から下方に向かって、それぞれ自身のコネクタに対応する外部記憶メディアの表面積が小さい順に並んで配置されているので、記録装置を平面視したときに、どの外部記憶メディアが挿嵌されているのかが一目で確認でき、外部記憶媒体の抜き取り動作及び嵌挿動作を確実にかつ簡単に行うことができる。
【0015】
また、請求項6に係る発明の記録装置では、請求項1乃至5の何れかに記載の記録装置の構成に加えて、前記記録装置は、当該記録装置の動作を制御する主基板を備え、当該主基板と前記駆動モータとが対向し、その対向方向と直交する方向で前記ヘッドに供給されたインクの廃液を吸収する廃液吸収部材と前記メディア基板とが対向することを特徴とする。
【0016】
この構成の記録装置では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の作用に加えて、記録装置の動作を制御する主基板と駆動モータとが対向しているので、駆動モータの回転によって主基板上に生じるノイズを最小限に抑えることができる。
【0017】
また、請求項7に係る発明の記録装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の記録装置の構成に加えて、前記記録装置は、前記ヘッドを装着し、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動するキャリッジと、当該キャリッジを移動させるキャリッジモータと、前記記録媒体を前記記録装置内へ送る前記記録媒体送りモータとを備え、前記記録媒体送りモータと前記キャリッジモータと前記駆動モータとは、それぞれ離れて位置し、各駆動軸の方向が重ならないように配設されていることを特徴とする。
【0018】
この構成の記録装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の作用に加えて、記録媒体送りモータとキャリッジモータと駆動モータとは、それぞれ離れて位置し、各駆動軸の方向が重ならないように配設されているので、比較的大きな収納空間を必要とする複数のモータを装備するにも関わらず、装置の大型化を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、請求項8に係る発明の記録装置では、請求項1乃至7の何れかに記載の記録装置の構成に加えて、前記ヘッドに供給されるインクを貯留した複数のインクカートリッジが、前記排出部と駆動モータとの下方に並べて配置されていることを特徴とする。
【0020】
この構成の記録装置では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の作用に加えて、インクを貯留した複数のインクカートリッジが、排出部と駆動モータとの下方に並べて配置されているので、記録装置を全体的に薄くでき、また小型化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面に沿って説明する。尚、本実施の形態では、インクジェット記録方式のプリンタとスキャナ機能とファクス機能とを備えた複合機を例に挙げて説明する。ここで、図1は、複合機1の斜視図である。図1に示すように、複合機1は、フラットベッド読取部35を備えたフラットベッドタイプのスキャナ(スキャナ部)30と、当該スキャナ30の直下に位置するインクジェットプリンタ(プリンタ部)3とを備えており、略直方体形状を有している。詳細には、複合機1は、図1での横方向が奥行き方向に対してやや長い辺を持つ略長方形を、上下方向に前記辺よりも短い所定量だけ引き延ばして形成された略直方体形状となっている。また、複合機1の背面側(図1での奥行き側)には、インクジェットプリンタ3内に搬送される記録媒体としての紙(図示外)を供給するための給紙トレイ4が上方に開口して設けられている。
【0022】
複合機1の上側に位置するスキャナ30は、平面視略長方形で、上下方向に所定厚さを有した略直方体のフラットベッド読取部35を備えている。また、図3に示すように、スキャナ30は、原稿の文字面(読取側の面)が当接する原稿ガラス36、当該原稿ガラス36に上方から覆設され、軸55を中心に回動可能(開閉可能)なカバー37、原稿ガラス36を挟んで前記原稿が載置される面と反対側に設けられた原稿読取装置である密着型イメージセンサ45及び密着型イメージセンサ45を走査する駆動モータ38等を備えている。また、スキャナ30のフラットベッド読取部35は、自身の背面側(図3での右側)側縁に一対の軸受け部(図示外)を備えており、この軸受け部が、後述するインクジェットプリンタ3のカバー部材20に設けられた一対のヒンジ22,22(図2参照)に嵌合することで、フラットベッド読取部35がインクジェットプリンタ3に対して回動可能となる。
【0023】
スキャナ30の直下に位置するインクジェットプリンタ3は、図1及び図2に示すように、後述する各基板やヘッド(図示外)、プラテン、キャリッジ、搬送ローラ等の各機構等からなるプリンタエンジン14等が配設される基材10と、基材10に上方から覆設されて、インクジェットプリンタ3を構成する各基板やプリンタエンジン14等を覆うカバー部材20とを備えている。また、基材10の複合機1の前面側(図1及び図2での手前側)には、記録媒体である紙(図示外)に印字を行うためのインクを貯留した4つのインクカートリッジ18(図5参照)が載置されるようになっている。これら4つのインクカートリッジ18は、その上方に設けられた不動状態の第1のカバー26aと、当該第1のカバー26a先端の側縁に設けられた回動軸23(図3参照)を中心として回動可能な第2のカバー26bとからなるカバー26によって全体的に覆われた状態となっている。尚、インクジェットプリンタ3では、図1及び図2での奥行き側が紙の搬送方向上流側、手前側が下流側とそれぞれなっている。
【0024】
インクジェットプリンタ3の背面側(図1及び図2の奥行き側)には、記録媒体である紙(図示外)が供給される給紙トレイ4が設けられている。給紙トレイ4は、上方に開口した開口部4aを備えており、斜め方向に用紙(紙)を保持する。また、給紙トレイ4は、記録媒体である紙をインクジェットプリンタ3内に送るための給紙ローラ65(図3参照)等を備えている。カバー部材20は、前面側が切り欠き21によって切り欠かれた略凹の字を上下方向に引き延ばした形状を有し、切り欠き21周縁部に形成された3つの壁部の内、その背面側に位置する底部には、記録媒体である紙が排出される排出部5が形成されている。排出部5の紙の搬送方向下流側からは、図5に示すインクカートリッジ18を覆ったカバー26が前記下流側にさらに延出しており、カバー26の左右方向側縁が、それぞれ切り欠き21周縁部の図2での左側に位置する左側壁21a及び右側に位置する右側壁(図示外)に密接した状態となっている。
【0025】
図5及び6に示すように、インクカートリッジ18は、それぞれ複合機1の前面側から背面側に向かって挿入され、その挿入方向(図6の奥行き方向)に長尺で厚さの薄い略直方体形状を有している。そして、各インクカートリッジに対応して、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のインクの何れかがそれぞれ充填されている。インクカートリッジ18は、略同一高さの位置で水平方向に4つ並んでおり、複合機1の前面側(図6の手前側)へ取り出し可能となっている。そして、図3に示すように、インクカートリッジ18は、その複合機1の背面側(図3での右側)に位置する側面18aがインクジェットプリンタ3側から突出した針28に貫通されることによって、内部のインクが、針28から連続した図示外のチューブを通ってインクジェットヘッド(図示外)に送られるようになっている。
【0026】
また、図2に示すように、カバー部材20のインクジェットプリンタ3の背面側縁には、スキャナ30に設けられた図示外の軸受け部が嵌合するヒンジ22が左右方向で一対となって設けられている。ヒンジ22は、カバー部材20のインクジェットプリンタ3の背面側縁で、カバー部材20の表面20aから表面20aに対して略垂直方向に突出した左右一対の鉛直部22aと、当該鉛直部22a間に渡設された水平部22bとから構成されており、下方に開口した略コの字型形状を有している。
【0027】
さらに、図1及び図2には図示しないが、排出部5の紙(図示外)の搬送方向下流側には、排出された図示外の紙を外部へ案内する排紙トレイ6(図3参照)が設けられている。排紙トレイ6は、インクジェットプリンタ3のカバー部材20の切り欠き21周縁部に形成された左側壁21a及び右側壁(図示外)とそれぞれ僅かな隙を空けて取り付けられている。図3に示すように、排紙トレイ6は、インクカートリッジ18の上方に設けられており、その紙の搬送方向下流側(図3での左側)端部が上方に向かって傾斜している。また、インクジェットプリンタ3の給紙トレイ4と排紙トレイ6間において、図3に2点鎖線で示す紙の搬送経路75と一部重なる位置には、図示外のインクジェットヘッド、プラテン及びインクジェットヘッドを装着したキャリッジ等の各機構等からなるプリンタエンジン14が設けられており、プリンタエンジン14には、自身内部に設けられたキャリッジを左右方向に往復駆動するためのキャリッジモータ60が設けられている。さらに、プリンタエンジン14の下方には、インクカートリッジ18からプリンタエンジン14内のインクジェットヘッドに供給されたインクの廃液、例えば、パージ動作によってヘッドから吸引されたインクや、フラッシングによってヘッドから吐出されたインクの廃液を吸収する廃液吸収部材15が設けられている。
【0028】
また、インクジェットプリンタ3の基材10には、図5に示すように、インクカートリッジ18と、複合機1(図1参照)の動作を制御する主基板11と、ファクス機能のための電話回線との接続を制御するネットワークコントロールユニット(以下、「NCU」と言う。)基板12と、電源基板13と、図示外のインクジェットヘッド、プラテン及びインクジェットヘッドを装着したキャリッジ等の各機構等からなるプリンタエンジン14と、インクカートリッジ18から供給されたプリンタエンジン14内のインクの廃液を吸収する廃液吸収部材15とが配設されている。プリンタエンジン14以外の何れの部材も、高さ方向で重ならないよう、即ち、インクジェットプリンタ3を上方から見た図5において、何れの部材も重ならないように配設されている。
【0029】
詳細には、インクジェットプリンタ3の前面側(図5の下側)から挿着された4つのインクカートリッジ18に対して、そのインクジェットプリンタ3の背面側(図5の上側)直ぐの位置に、主基板11と廃液吸収部材15とが、図5での左側と右側とにそれぞれ配設されている。主基板11は、そこからインクジェットプリンタ3の背面近傍まで延びた略長方形形状となっており、廃液吸収部材15は、インクジェットプリンタ3の背面側に向かって、主基板11の略半分の長さだけ延びた略長方形形状となっている。廃液吸収部材15の直ぐ後には、主基板11と隣接したNCU基板12と、当該NCU基板12を挟んで主基板11の反対側に位置する電源基板13とが配設されている。また、図4及び図5に示すように、プリンタエンジン14の直ぐ後側であって、主基板11の上方に相当する位置には、給紙トレイ4内の紙をインクジェットプリンタ3内に供給すると共に、図4に2点鎖線で示す搬送経路75に沿って紙を搬送し、その後、排出部5から排紙トレイ6上に排出するための給紙モータ(紙送りモータ)61が設けられている。尚、給紙モータ61には、高速で駆動が可能で、騒音、ノイズ発生の少ないモータが用いられている。
【0030】
プリンタエンジン14は、主基板11の一部と廃液吸収部材15の全体とをそれらの上方でほぼ覆うような状態で設けられている。プリンタエンジン14内のインクジェットヘッド(図示外)には、4つのインクカートリッジ18に個別につながれた図示外のチューブが連結されており、当該チューブを介してインクがヘッドに供給されることになる。そして、ヘッドに供給されたインクは、ヘッドのノズル面から記録媒体に向かって吐出される。
【0031】
次に、図3乃至図6を参照して、スキャナ30の構造について説明する。ここで、図3は、複合機1を正面視に対して右側から見た側面図であり、図4は、左側から見た側面図であり、図5は、複合機1における各構成部材の配置関係を模式的に示した平面図であり、図6は、複合機1の正面図である。図3及び図4に示すように、スキャナ30は、図示外の軸受け部によってインクジェットプリンタ3に対して回動可能となったフラットベッド読取部35を備えており、フラットベッド読取部35には、原稿の文字面(読取側の面)が当接する原稿ガラス36が設けられている。原稿ガラス36は、その上部に回動可能に設けられたカバー37に覆われており、原稿ガラス36の直下には、原稿ガラス36に当接した原稿の文字面を読み取る読み取り装置である密着型イメージセンサ45が設けられている。また、図示しないが、スキャナ30は、自動給紙装置を備えており、原稿ガラス36は、図5に示すように、自動給紙装置で供給された原稿の文字面が当接する小さな第1のガラス36aと、平坦な状態の原稿の文字面が当接する大きな第2のガラス36bとから構成されている。第1と第2のガラスとは、紙の搬送方向(図5の上下方向)に対して直交する方向に分離して並んでおり、その並列方向に延びたガイドレール50によって裏面側で連結された状態となっている。
【0032】
図3乃至図5に示すように、密着型イメージセンサ45は、図3及び図4の左右方向に延びた形状を有し、スキャナ30の右側下方に設けられた駆動モータ38によって、タイミングベルトを介し図3及び図4の手前方向及び奥行き方向に延在した軸40に案内されて、当該軸40の延在方向に向かって走査されるようになっている。詳細には、駆動モータ38は、密着型イメージセンサ45及び原稿ガラス36の下側であって、かつインクカートリッジ18の上側に形成された余剰空間に配置され、インクジェットプリンタ3のプリンタエンジン14と高さ方向で一部重なって水平方向に並んだ状態となっている。尚、駆動モータ38には、位置制御のし易いステップモータやハイブリッドモータが使用されている。また、密着型イメージセンサ45は、自身直下に位置するベース部材46に支持されて、ベース部材46と共に軸40に沿って移動可能とされている。ベース部材46は、密着型イメージセンサ45と同様に、図中左右方向に延びており、その両端部近傍に付勢部材47が設けられている。これにより、密着型イメージセンサ45は、付勢部材47の上方への付勢力によってその両端部が前記ガイドレール50に当接することにより、常に原稿ガラス36に対して一定の間隔が保たれたまま、前記軸40の延在方向に向かって走査されるようになっている。
【0033】
また、図4乃至図6に示すように、複合機1を正面視したときに、インクジェットプリンタ3の前面に設けられた排出部5の左側には、図示外の外部記録媒体であるスマートメディア(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)及びメモリースティック(登録商標)が挿嵌されるコネクタを備えたメディア基板が複数設けられている。詳細には、排出部5を挟んで、密着型イメージセンサ45の駆動モータ38と対向する位置で、3つの媒体の内で最も幅の広いコンパクトフラッシュを挿嵌可能なコネクタ80aを備えたメディア基板80が下側に、その上側にスマートメディアの挿嵌口及びメモリースティックの挿嵌口が形成されたコネクタ81aを備えたメディア基板81が、それぞれ水平方向と略平行な状態で鉛直方向に並んで設けられている。
【0034】
メディア基板80,81に設けられた各コネクタに、スマートメディア、コンパクトフラッシュ及びメモリースティック等の外部記憶媒体を挿嵌することにより、スキャナ30で読み取った画像情報を前記外部記憶媒体に記憶させることができると共に、外部記憶媒体に記憶されたデータをインクジェットプリンタ3で紙等の記録媒体に記録することができる。また、複合機1では、下側に最も幅の広いコンパクトフラッシュが挿嵌され、そこから上方に向かって幅が最も狭く長さが最も長いメモリースティックが、さらにその上方にコンパクトフラッシュよりも幅が狭く、メモリースティックより幅広で、かつ厚さが最も薄いスマートメディアが挿嵌されるので、複合機1を上方から見た場合に、何が挿嵌されているのかが容易に確認できる。さらに、各メディア基板は、水平方向と略平行な状態で、鉛直方向に並んでいるので、各メディア基板に備えられたコネクタに前記外部記憶媒体を挿嵌する際、ユーザは、メディアのラベル面を見ることができるので、その表裏を間違えることなく正確な状態で挿嵌できる。従って、外部記憶媒体の抜き取り動作及び嵌挿動作を確実にかつ簡単に行うことができる。
【0035】
さらに、図5に示すように、駆動モータ38と主基板11とは、複合機1を平面視したときに斜め方向に形成される対角線上に位置しており、即ち、お互いが複合機1上で実現できる最も遠い位置関係となっているので、駆動モータ38の回転により発生するノイズの主基板11に対する影響を最小限に抑えることができる。また、プリンタエンジン14内において、図示外のキャリッジを移動させるためのキャリッジモータ60と、インクジェットプリンタ3内に紙を供給搬送するための給紙モータ(紙送りモータ)61と、密着型イメージセンサ45を走査する駆動モータ38とは、それぞれ離れた位置に配置されており、各モータの駆動軸の軸心がそれぞれ異なる方向を向いているので、比較的大きなスペースを必要とする各モータを装置内の限られた空間にコンパクトに収納することができる。さらに、複合機1を構成する各部材の内、比較的重量の大きいモータが離れた位置に配置されているので、複合機1の重量バランスをよくすることができ、安定した状態にすることができる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態の記録装置である複合機1では、スキャナ30の密着型イメージセンサ45を走査する駆動モータ38が、インクジェットプリンタ3のプリンタエンジン14と高さ方向で一部重なった状態で水平方向に並んで配置されており、また、インクカートリッジ18が、紙の排出部5と駆動モータ38との下方に配置されている。従って、インクジェットプリンタ3とスキャナ30との互いの余剰空間にそれぞれの構成部材を配置することにより、複合機1を全体的に薄型形状とすることができ、コンパクトに構成することができる。また、インクジェットプリンタ3の基材10に設けられた主基板11と、密着型イメージセンサ45を走査する駆動モータ38とが、複合機1上の離れた位置に配置されているので、主基板11に駆動モータ38の回転によって生じるノイズを最小限に抑えることができる。
【0037】
また、複合機1では、メディア基板80,81が水平方向と略平行な状態で鉛直方向に並んで設けられており、メディア基板80のコネクタ80aにはコンパクトフラッシュを、メディア基板81のコネクタ81aにはメモリースティック及びスマートメディアをそれぞれ挿嵌することができるようになっている。これら外部記憶媒体の内、最も幅広な外部記憶媒体であるコンパクトフラッシュは下側のメディア基板80に備えられたコネクタ80aに挿嵌されるので、現在どの外部記憶媒体が挿嵌されているのかが一目で確認でき、また水平方向と略平行な状態となっているので、挿嵌時に表裏を間違えることもない。
【0038】
さらに、給紙トレイ4から供給された紙を送るための給紙モータ61と、インクジェットヘッドを装着したキャリッジを駆動するキャリッジモータ60と、密着型イメージセンサ45を走査する駆動モータ38とがそれぞれ離れた位置に配置されていることから、比較的大きなスペースを必要とする各モータを装置内の限られた空間にコンパクトに収納することができる。従って、複合機1では、スキャナ30及びインクジェットプリンタ3の各機能を小さな筐体内で実現することができる。加えて、インクを貯留した複数のインクカートリッジが、排出部と駆動モータとの下方に並べて配置されているので、記録装置を全体的に薄くでき、また小型化することができる。
【0039】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、他の部材の配置構成による制約がなければ、複合機1を正面視した状態で、紙の排出部5を挟んでメディア基板80,81を右側に、密着型イメージセンサ45の駆動モータ38を左側に配置してもよい。また、各基板の配設位置は、上記実施の形態の位置関係に限定されるものではなく、その位置を入れ替えてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、請求項1に係る発明の記録装置では、スキャナの下方において、印字が行われた記録媒体が排出される排出部の側方の一方には、原稿読取センサを走査する駆動モータが設けられ、他方には、外部記憶メディアが着脱可能に嵌挿されるコネクタを備えたメディア基板が設けられており、排出部の側方の余剰空間を無駄にすることなく利用しているので、記録装置を全体的に小型化することができる。
【0041】
また、請求項2に係る発明の記録装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、外部記録メディアをメディア基板上のコネクタに挿嵌することにより、スキャナによって読み取られた画像情報を記憶でき、また、外部記憶メディアに記憶された画像情報を記録媒体上に記録することができる。
【0042】
また、請求項3に係る発明の記録装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、ヘッドと駆動モータとは、側面視で横方向に並んで位置しており、各々が高さ方向で一部重なっている。従って、ヘッドと駆動モータとは、高さ方向に占める領域を最小限にした状態で並べられているので、記録装置を全体的に薄くでき、小型化することができる。
【0043】
また、請求項4に係る発明の記録装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加えて、メディア基板は、複数枚設けられ、前記コネクタが横置きでかつ上下方向に重なる状態で配設されているので、メディア基板に対して水平に装着される外部記憶メディアを、その表裏を間違えることなく正確な状態で対応するメディア基板上のコネクタに挿嵌することができる。
【0044】
また、請求項5に係る発明の記録装置では、請求項に記載の発明の効果に加えて、メディア基板は、上方から下方に向かって、それぞれ自身のコネクタに対応する外部記憶メディアの表面積が小さい順に並んで配置されているので、記録装置を平面視あるいは正面視したときに、どの外部記憶メディアが挿嵌されているのかが一目で確認でき、外部記憶媒体の抜き取り動作及び嵌挿動作を確実にかつ簡単に行うことができる。
【0045】
また、請求項6に係る発明の記録装置では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加えて、記録装置の動作を制御する主基板と駆動モータとが対向しているので、駆動モータの回転によって主基板上に生じるノイズを最小限に抑えることができる。
【0046】
また、請求項7に係る発明の記録装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、記録媒体送りモータとキャリッジモータと駆動モータとは、それぞれ離れて位置し、各駆動軸の方向が重ならないように配設されているので、比較的大きな収納空間を必要とする複数のモータを装備するにも関わらず、装置の大型化を最小限に抑えることができる。
【0047】
また、請求項8に係る発明の記録装置では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果に加えて、インクを貯留した複数のインクカートリッジが、排出部と駆動モータとの下方に並べて配置されているので、記録装置を全体的に薄くでき、また小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、複合機1の斜視図である。
【図2】 図2は、インクジェットプリンタ3の斜視図である。
【図3】 図3は、複合機の側面図である。
【図4】 図4は、複合機の側面図である。
【図5】 図5は、複合機1における各構成部材の配置関係を模式的に示した平面図である。
【図6】 図6は、複合機1における各構成部材の配置関係を模式的に示した正面図である。
【符号の説明】
1 複合機
3 インクジェットプリンタ
5 排出部
11 主基板
14 エンジン
15 廃液吸収部材
18 インクカートリッジ
30 スキャナ
35 フラットベッド
38 駆動モータ
45 密着型イメージセンサ
60 キャリッジモータ
61 給紙モータ
75 搬送経路
80,81 メディア基板
80a,81a コネクタ

Claims (8)

  1. 原稿の画像情報を読み取って記録媒体に印字を行う記録装置であって、
    ガラス面に置いた原稿の画像を読み取るフラットベッド型のスキャナと、
    前記記録媒体が搬送される搬送経路と、
    前記記録媒体を排出する排出部と、
    前記記録媒体にインクを吐出するヘッドと
    を備え、
    前記スキャナは、原稿読取センサを走査する駆動モータを備え、
    前記スキャナの下方で、前記排出部の側方の一方に前記駆動モータが、他方に外部記憶メディアが着脱可能に嵌挿されるコネクタを備えたメディア基板が設けられていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記外部記録メディアには、前記スキャナによって読み取られた画像情報が記憶され、あるいは前記記録媒体上に記録される画像情報が記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置
  3. 前記ヘッドと前記駆動モータとは、側面視で横方向に並んで位置しており、各々が、高さ方向で一部重なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記メディア基板は、複数枚設けられ、前記コネクタが横置きでかつ上下方向に重なる状態で配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の記録装置。
  5. 前記メディア基板は、上方から下方に向かって、それぞれ自身のコネクタに対応する前記外部記憶メディアの表面積が小さい順に並んで配置されていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  6. 前記記録装置は、当該記録装置の動作を制御する主基板を備え、当該主基板と前記駆動モータとが対向し、その対向方向と直交する方向で前記ヘッドに供給されたインクの廃液を吸収する廃液吸収部材と前記メディア基板とが対向することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の記録装置。
  7. 前記記録装置は、
    前記ヘッドを装着し、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動するキャリッジと、
    当該キャリッジを移動させるキャリッジモータと、
    前記記録媒体を前記記録装置内へ送る前記記録媒体送りモータと
    を備え、
    前記記録媒体送りモータと前記キャリッジモータと前記駆動モータとは、それぞれ離れて位置し、各駆動軸の方向が重ならないように配設されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の記録装置。
  8. 前記ヘッドに供給されるインクを貯留した複数のインクカートリッジが、前記排出部と駆動モータとの下方に並べて配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の記録装置。
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