JP3812168B2 - 強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度で靱性に優れ、鋼管全体の強度が均一なラインパイプ用継目無鋼管の経済的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
継目無鋼管の製造においては、製品の強度と靱性をバランスさせるために、通常、熱間加工や冷間加工による製管工程後に、焼入れや焼戻しなどの調質処理が行われる。しかし、このような製造工程の増加は、生産性の低下とコスト上昇を招くため好ましくない。
【0003】
特に、昨今は、地球温暖化防止の観点から、その製造過程で消費されるエネルギー節約の気運が高まっており、できる限り再加熱プロセスを省くための努力が必要になっている。
【0004】
このような経済性と再加熱プロセスの省略という要求を満足させるプロセスとしては、熱間圧延後、直ちに焼入れ処理を施す、直接焼入れ法がある。
【0005】
例えば、特開平6−25738号公報には、低降伏比の鋼板を経済的に製造するために、熱延直後の鋼板に直接焼入れを施し、次いで焼戻す方法が示されている。また、特公昭61−51009号公報には、Pcm値が0.21%以下の化学組成を有する鋼からなる熱間加工終了直後の継目無鋼管に直接焼入れを施し、次いで焼戻す方法が示されている。
【0006】
しかし、直接焼入れ法をこのような継目無鋼管の製造に適用した場合、一本の鋼管の各部で強度が大きくばらつくという問題点が生じる。このような現象は、継目無鋼管がAPI規格に規定されるX50〜X80グレード程度のラインパイプ用の場合、焼入れ処理によって完全にはマルテンサイト組織にならないので、特に顕著である。
【0007】
このような強度ばらつきは、圧延直後の厚鋼板に直接焼入れ法を適用する際にも生じるが、圧延ロールの形状が複雑なために、接触による抜熱むらが生じやすい継目無鋼管においてはさらに顕著になる。
【0008】
また、鋼板の熱間圧延に比べて継目無鋼管の熱間製管では、900℃以下の低温でのオーステナイト相(以下、単にγ相という)域での圧延が難しいために、制御圧延の効果を利用した細粒化を図り難く、靱性の確保が容易ではなかった。
【0009】
このように、ラインパイプ用の継目無鋼管を、経済性とエネルギー消費の節約を重視して直接焼入れ法によって生産する場合、強度の均一性と低温靱性の確保が困難であり、これを解決する技術が必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一な高い強度と良好な靱性を有するラインパイプ用継目無鋼管を高能率に製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、後述の知見に基づいて完成されたもので、その要旨は次の強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法にある。
【0012】
重量%で、C:0.02〜0.15%未満、Si:1%以下、Mn:0.3〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.004%未満、Ti:0.001〜0.017%、N:0.008%以下、sol.Al:0.001〜0.1%を含み、さらにCr:0〜1.5%、Mo:0〜1%、V:0〜0.15%、Nb:0〜0.015%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜4%、B:0〜0.003%、Ca:0〜0.004%、Mg:0〜0.003%、REM:0〜0.004%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Ti、SおよびNとの関係が下記の(1)式または(2)式を満たす化学組成の鋼からなるビレットの熱間での穿孔圧延および延伸圧延を950℃以上で終了し、Ar3 変態点以下の温度に冷却することなく、900〜1100℃の温度で1〜30分間均熱保持した後、5℃/s以上の冷却速度で400℃以下の温度域にまで冷却する焼入れ処理を施すことを特徴とする強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
【0013】
(Ti/N)<3.4の時
Ti+8.1×S≦0.035 ・・・・・・・ (1)
(Ti/N)≧3.4の時
3.4×N+8.1×S≦0.035 ・・・・ (2)
ただし、(1)式および(2)式中の元素記号は、鋼中のそれぞれの元素の含有量(重量%)を意味する。
【0014】
上記本発明の方法においては、焼入れ処理後の鋼管に、Ac1 変態点以下の温度で焼戻す処理を施すのが好ましい。また、継目無鋼管は、Ti:0.004〜0.017%、N:0.001〜0.008%を含有し、かつTiとNの関係が下記の(3)式を満たす鋼からなる継目無鋼管であることが好ましく、この場合には溶接熱影響部の靱性が一層向上する。
【0015】
0.4≦(Ti/N)≦4.0 ・・・・ (3)
ただし、(3)式中の元素記号は、鋼中のそれぞれの元素の含有量(重量%)を意味する。
【0016】
本発明者らは、上記の化学組成の鋼を対象に、直接焼入れ法を念頭において、靱性低下を回避するために、試作試験用の小型圧延機および熱処理設備による実験室レベルの試験や、実製造ラインを用いた数多くの製造実験を行った結果、次の知見を得た。
【0017】
強度ばらつきは、製管仕上げ温度を950℃以上にするとかなり低減され、1000℃以上にするとより一層改善される。
【0018】
上記に加え、製管後の鋼管を900〜1100℃の温度で所定の時間均熱保持すると、強度ばらつきが完全になくなる。その際に用いる炉は、均熱だけが目的であるために小型の炉で十分であり、加熱のためのエネルギーも余り必要としない。
【0019】
製管の高温仕上げは、強度の均一化のみならず強度アップにも有効であるが、オーステナイト粒(以下、単にγ粒という)の粗大化を招いて靱性が劣化する。
【0020】
γ粒の粗大化による靱性劣化は、通常の制御圧延などを利用してγ粒の細粒化を図らずとも、TiNとMnSを低減することで回避でき、実用上問題のないレベルにまで靱性が改善する。具体的には、後述する(1)式または(2)式を満たせば、ラインパイプ用に要求される低温靱性が確保できる。
【0021】
TiNとMnSの低減効果は、製管温度を下げてγ粒を細粒化した場合にも認められるがその効果は極めて小さく、γ粒が粗大な場合にのみ顕著になる。
【0022】
CaやREMなどの介在物形成元素は、γ粒が粗大な場合、遷移温度に悪影響を及ぼし靭性を低下させるが、その含有量を低減すれば悪影響を及ぼすことがない。なお、上記の悪影響は、MnSやTiNに比べると極めて小さく、その含有量の低減はさほど重要ではない。
【0023】
上記本発明の方法による場合には、均一な高い強度と良好な靱性を有するラインパイプ用継目無鋼管を高能率に製造することが可能である。これは、直接焼入れプロセスの適用に際し、強度の均一性を確保する手段に高温製管仕上げと焼入れ処理前の均熱処理を採用する一方、高温仕上げに伴うγ粒の粗大化に起因する靱性劣化の抑制手段にTiNとMnSの低減を採用したことによる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の方法では、継目無鋼管を直接焼入れプロセスにて製造し、かつ局所的な強度ばらつきの少ない均一な製品を得るために、製管仕上げ温度を950℃以上、より好ましくは1000℃以上とし、製管終了後Ar3 変態点以下に冷却することなく、引き続いて炉内を900〜1100℃の温度範囲に保った炉に1〜30分在炉させて均熱処理した後に焼き入れ処理を行う。
【0025】
製管仕上げ温度を高める狙いは、鋼に加工が加えられる際の素材各部の温度差をできるでけなくし、組織むらを減らすことにある。また、製管終了後Ar3 変態点以下に冷却することなく均熱処理する狙いは、α相が部分的に析出するのに伴って生じる鋼中合金元素の不均一分布と、これに起因する組織の不均一を防ぐことにある。
【0026】
すなわち、製管途中での抜熱は、圧延ロールやその他の治具との接触による熱伝導と放射によるものとに大きく分けられる。接触による温度低下は温度むらの原因となるが、放射による温度低下は温度むらを招きにくい。放射による熱エネルギーロスは、温度が高まるほど飛躍的に多くなる。このため、製管工程においても、950℃以上では、接触による熱伝導があっても熱損失に占める割合が小さく、大きな温度むらを引き起こさない。この効果を利用するために、本発明における継目無鋼管の製管仕上げ温度は950℃以上、より好ましくは1000℃以上とした。
【0027】
また、製管終了から均熱炉に装入するまでの間にAr3 変態点以下に冷却すると、α相が部分的に析出して鋼中の合金元素が不均一分布し、これが起因で組織が不均一になって製品の強度ばらつきが大きくなる。このため、均熱処理はAr3 変態点以下に冷却することなく施すことにした。
【0028】
しかし、製管仕上げ温度を高めても、焼き入れ処理前の継目無鋼管には若干の温度むらが残る。これをなくすために、本発明では900〜1100℃に温度を保った炉に1〜30分間在炉させて温度の均一化を図る。この際、加工されたγ粒の再結晶が進むために組織むらも減少する。
【0029】
在炉時間が1分未満では均熱の効果が少なく、逆に30分以上在炉させても好ましい効果は得られない。また、均熱炉の温度が900℃未満では、製管仕上げ温度が950℃以上であるためにかえって温度むらが生ずる。逆に、1100℃以上では鋼管内外面の温度むらを招くのみならず、酸化によるスケールロスが無視できなくなる。
【0030】
均熱炉から抽出した鋼管は、引き続いて焼入れ処理が施される。冷却は必ずしも水冷である必要はないが、冷却速度は少なくとも5℃/s以上、冷却終了温度は400℃以下とする必要である。これは、冷却速度が5℃/s未満、冷却終了温度が400℃よりも高いと、充分な強度が得られないだけでなく、最終組織が粗大になって靱性を損なうためである。
【0031】
焼入れ処理を行った後は、必要に応じ、Ac1 変態点以下で焼戻して製品とする。
【0032】
本発明の方法では、組織の細粒化に有効な低温での加工は行わないので、上記の加工熱処理条件のみを採用しただけでは、鋼の組織は粗大になり、靱性面で実用に耐えない製品しか得られなくなる。
【0033】
しかし、このような粗大組織に起因する靱性の低下は、前述の(1)式または(2)式を満たすようにS、NおよびTiの各含有量を管理してMnSとTiNの量を低減させた鋼を用いることにより、実用上十分なレベルにまで回復させることができる。
【0034】
なお、前述の(1)式または(2)式の右辺の値は、このような観点から0.035以下でなければならない。より好ましくは0.025以下である。
【0035】
以下に、本発明が対象とする鋼の化学組成を上記のように定めた理由について説明する。なお、以下において、「%」はとくに断らない限り「重量%」を意味する。
【0036】
C:
Cは、強度を確保するために必要で、0.02%未満の含有量では必要とする強度を確保することができない。一方、その含有量が0.15%以上であると、溶接した場合に溶接熱影響部、母材ともに靱性が劣化する。したがって、C含有量は0.02〜0.15%未満とした。
【0037】
Si:
Siは、脱酸作用があり、強度上昇にも寄与する。しかし、1%を超えて含有させると靭性が低下するので、1%を上限とした。なお、本発明の継目無鋼管ではAlを含んでいるので、下限は鋼の脱酸に支障を来たさない限り、幾ら少なくても何らの問題もない。このため、Siは必ずしも添加する必要はない。
【0038】
Mn:
Mnは、焼入性を高めるのに効果があり、強度確保に有効な成分である。しかし、その含有量が0.3%未満では、焼入性の不足によって必要とする強度および靱性が確保できない。一方、2.5%を超えて含有させると、偏析が増すとともに焼入性が高まりすぎ、溶接した場合に溶接熱影響部、母材ともに靱性が低下する。したがって、Mn含有量は0.3〜2.5%とした。
【0039】
P:
Pは、不純物として鋼中に不可避的に存在する。しかし、その含有量が0.05%を超えると、粒界に偏析して靭性を低下させるだけでなく、溶接時に高温割れを招く。したがって、P含有量は0.05%以下とした。
【0040】
S:
Sは、Mnおよび後述するCaやREMと結合してオキシサルファイド(硫酸化物)を形成し、介在物として鋼中に存在する。これらの介在物は、鋼の強度が低い場合、または組織が十分に細粒の場合には、靱性におおきな悪影響は及ぼさない。しかし、組織がある程度粗大な粗粒組織の場合は、その含有量は前述の(1)式または(2)式を満足するように制限しなければならない。しかし、前述の(1)式または(2)式を満たしても、その含有量が0.004%以上であると、靱性への悪影響は避けられない。したがって、S含有量は0.004%未満とした。より望ましくは、0.003%未満である。
【0041】
Ti:
Tiは、鋼中のNを固定して高温延性を改善させるための成分として0.001%以上含有させる。しかし、TiNは靱性低下の原因となるため、Tiは過度には添加しないことが望ましく、靱性面から許容される範囲は、前述の(1)式または(2)式で限定される。しかし、前述の(1)式または(2)式を満たしても、その含有量が0.017%超になると、靱性が劣化する。したがって、Ti含有量は0.001〜0.017%とした。
【0042】
なお、大入熱溶接を行う鋼材については、過度の清浄化はγ粒の過度の粗大化を招いて靱性劣化を招く場合がある。このため、Tiを0.004%以上含有さる一方、後述するようにNを0.001%以上含有させたうえで、Ti/Nの比を0.4〜4.0の範囲に制御するのがよい。
【0043】
N:
Nは、高温延性低下の原因となる不純物であり、通常はTiを添加してTiNの形で固定することで悪影響を回避している。しかし、本発明においては、TiNそのものが靱性低下の原因になるため、TiNの形成を抑制する必要がある。そのため、Nの含有量を低減するか、あるいはTiの含有量を低減する。
【0044】
優れた靱性を得るためのN含有量の範囲は、前述の(1)式または(2)式を満足することが必要であるが、(1)式または(2)式を満足しても、Nの含有量が0.008%超であると、TiNによる靱性低下、あるいは、十分に固定されずに固溶しているNによる靱性への悪影響が無視できなくなる。したがって、N含有量は0.008%以下とした。
【0045】
なお、N含有量を0.001%未満にするとSの低減によってMnSが殆ど存在しないようになり、この条件下ではγ粒の粒成長が非常に容易になる。このため、サブマージドアーク溶接法(以下、単にSAWという)などにより、100kJ/cm前後の大入熱にて溶接を行う場合、溶接熱影響部において局部的にγ粒が粗大化することがある。
【0046】
また、本発明の方法で得られた継目無鋼管は、γ粒の粗大化による靱性の劣化を起こしにくい性質を持っているが、SAWによる大入熱溶接時の熱影響部では、硬度が不均一になり、結晶粒の大きさにも不均一が生じるため、靱性面から許容されるγ粒径の上限は300μm程度となる。このため、SAWによる大入熱溶接を前提とする場合には、γ粒成長抑制効果を持つTiNをある程度は含ませなければならず、Nを0.001%以上含有させるのがよく、併せて若干のTiも含有させるのがよい。これに対し、溶接しない場合や、SAWによる40kJ/cm以下の小入熱溶接しか行わない場合には、経済的に許される限り、Nはできるだけ低減するのがよい。
【0047】
sol.Al:
Alは、脱酸のために必須の元素であり、sol.Alで0.001%以上含有させる必要がある。それ未満の場合には、脱酸不足によって鋼質劣化を招く。しかし、0.1%を超えて含有させると、母材の靱性劣化や、溶接部の靱性低下を招く。したがって、sol.Al含有量は0.001〜0.1%とした。
【0048】
Cr、Mo:
CrとMoは添加しなくてもよいが、いずれの元素も焼入性と焼戻し軟化抵抗を高める作用を有しており、添加すれば、厚肉鋼管の焼入性と焼戻し軟化抵抗を高めることができる。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果はいずれの元素も0.02%以上で顕著になる。しかし、Crについては1.5%、Moについては1%を超えて含有させると、溶接部の靭性低下が著しくなる。したがって、添加する場合のCr含有量は0.02〜1.5%、Mo含有量は0.02〜1%とするのが望ましい。
【0049】
V:
Vは添加しなくともよいが、添加すれば、強度が向上するほか焼入性と焼戻し軟化抵抗も向上する。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.01%以上で顕著になる。しかし、0.15%を超えて含有させると靭性が著しく低下する。したがって、添加する場合のV含有量は0.01〜0.15%とするのが望ましい。
【0050】
Nb:
Nbは添加しなくともよいが、添加すれば、強度が向上する。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.003%以上で顕著になる。しかし、0.015%を超えて含有させると、本発明のように950℃以上の高温で圧延を終了する場合、圧延終了温度1000℃以上では析出強化を通して靱性を著しく低下させる。したがって、添加する場合のNb含有量は0.003〜0.015%とするのが望ましい。なお、靭性確保の観点から見た場合の好ましい上限は0.01%、より好ましい上限は0.007%である。
【0051】
Cu:
Cuは添加しなくてもよいが、添加すれば、強度および耐食性が向上するほか焼入性も向上する。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.05%以上で顕著になる。しかし、1.5%を超えて含有させてもコスト上昇に見合った性能改善は見られない。したがって、添加する場合のCu含有量は0.05〜1.5%とするのが望ましい。
【0052】
Ni:
Niは添加しなくてもよいが、添加すれば、マトリックスの靭性が向上するとともに安定化するほか焼入性も向上する。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.05%以上で顕著になる。しかし、4%を超えて含有させてもコスト上昇に見合った性能改善は見られない。したがって、添加する場合のNi含有量は0.05〜4%とするのが望ましい。
【0053】
B:
Bは添加しなくてもよいが、添加すれば、γ粒界の焼入性を高めて強度上昇に寄与する。このため、この効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.0002%以上で顕著になる。しかし、0.003%を超えて含有させると、過剰なBがBNとなってγ粒界に析出し、靭性の低下を招く。したがって、添加する場合のB含有量は0.0002〜0.003%とするのが望ましい。
【0054】
Ca:
Caは添加しなくてもよいが、添加すれば、鋼中のSと反応して硫酸化物を生成する。この硫酸化物は、MnSなどとは異なり、圧延加工によって圧延方向に伸びることがなく、圧延後も球状である。このため、延伸した介在物の先端などを割れの起点とする溶接割れや水素誘起割れ(以下、HICという)を抑制するので、溶接割れやHICの発生が減少するほか靭性も向上する。このため、その効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.0002%以上で顕著になる。しかし、0.004%を超えて含有させると、清浄度が悪化し、靭性の低下を招く。したがって、添加する場合のCa含有量は0.0002〜0.004%とするのが望ましい。
【0055】
Mg:
Mgは添加しなくてもよいが、添加すれば、鋼中の酸化物の融点を高め、高温での加工に際して酸化物を変形させにくくする効果がある。この効果は、結晶粒が比較的細粒の鋼では明瞭でないが、本発明のようにγ粒が粗大であることを許容した鋼材においては顕著であり、靭性の向上に大きく寄与する。このため、その効果を得たい場合に添加することができ、その効果は0.0002%以上で顕著になる。しかし、0.003%を超えて含有させると、介在物量が増加し、かえって靭性の低下を招く。したがって、添加する場合のMg含有量は0.0002〜0.003%とするのが望ましい。
【0056】
REM:
REMは添加しなくてもよいが、添加すれば、溶接熱影響部の組織の微細化やSの固定に寄与し、靭性が向上する。このため、この効果を得たい場合には添加するのがよく、その効果は0.0002%以上で顕著になる。しかし、0.004%を超えて含有させると、その介在物量が多くなって清浄度の悪化を招き、かえって靭性が低下する。したがって、添加する場合のREM含有量は0.0002〜0.004%とするのが望ましい。
【0057】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する14種類の鋼を250トン転炉で溶製した後、その溶湯を丸型鋳型を備える連続鋳造機に供して鋳造し、外径190〜310mmの丸ビレットにした。
【0058】
【表1】
【0059】
得られた丸ビレットは、種々の温度に加熱した後にマンネスマン−マンドレルミル方式の製管ラインに供し、仕上げ温度を種々変えて外径219〜324mm、肉厚12〜36mmの継目無鋼管に仕上げた。
【0060】
仕上げ後の継目無鋼管は、仕上げ圧延機の後段に設けられ均熱炉に装入して均熱した後に焼入れ処理し、次いで焼戻し処理した。その際、均熱炉に装入する前の鋼管の温度、均熱炉の炉温(均熱温度)と在炉時間(保持時間)、焼入れ時の冷却速度および焼戻し温度を種々変化させた。なお、一部の継目無鋼管については、均熱炉に装入することなく焼入れし、次いで焼戻し処理した。また、均熱保持後の冷却は、いずれの場合も室温まで強制冷却した。
【0061】
そして、得られた各継目無鋼管から、JIS Z 2201に規定される4号試験片と、同じくJIS Z 2202に規定される4号試験片を採取し、それぞれ引張試験とシャルピー衝撃試験に供し、機械的性質(引張強さTSと降伏強さYS)と靭性(破面遷移温度(vTrs))を調べた。
【0062】
なお、試験片は、性能のばらつきを確認するために、鋼管の円周方向の4ケ所(90度ピッチ)から、軸長方向に平行なL方向の試験片と、周方向に平行なT方向の試験片を採取した。また、円弧状のT方向試験片は、必要に応じて平板形状に展開成形した。
【0063】
また、一部の継目無鋼管については、入熱量100kJ/cmのサブマージドアーク溶接(SAW)法で突き合わせ溶接を行い、その溶接部のL方向(管軸長方向)からFusion Line がノッチ部に位置するJIS Z 2202に規定される4号試験片を採取し、シャルピー衝撃試験に供して溶接熱影響部(HAZ)の靭性(破面遷移温度(vTrs))を調べた。
【0064】
上記の各試験結果を、表2に、製造条件と併せて示した
【0065】
【表2】
【0066】
表2に示す結果から明らかなように、本発明の方法に従って製造して得られた継目無鋼管(試番1〜7)は、引張強さの平均値が522〜610MPaと高いのみならず、引張強さの最大値と最小値の差が19MPa以下でばらつきが小さく、破面遷移温度も−49℃以下で、強度と靭性に優れていた。
【0067】
これに対し、比較例の方法に従って製造して得られた継目無鋼管(試番8〜26)のうち、仕上げ温度条件、均熱条件および冷却条件のいずれか1つ以上が本発明で規定する条件を満たさない継目無鋼管(試番8〜19)は、破面遷移温度が−45℃以下で靱性に優れ、かつ引張強さ平均値が479〜611MPaと高いものの、引張強さの最大値と最小値の差が35〜97MPaで、強度のばらつきが極めて大きかった。特に、仕上げ温度が本発明で規定する条件を満たさないうえに、均熱処理を施すことなく製造して得られた継目無鋼管(試番15、16および19)は、強度のばらつきが大きかった。
【0068】
また、仕上げ温度条件、均熱条件および冷却条件は本発明で規定する条件を満たすものの、化学組成が本発明で規定する範囲を外れる鋼を用いて得られた継目無鋼管(試番20〜26)は、強度のばらつきは小さいものの、破面遷移温度がおしなべて高く、靭性が悪かった。
【0069】
さらに、試番6、7と試番25、26の対比から明らかなように、鋼の組成が前記の(3)式を満たす本発明例の継目無鋼管(試番6、7)は、比較例の鋼管(試番25、26)に比べて溶接熱影響部(HAZ)の靱性に優れていた。
【0070】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、強度のばらつきが小さく、しかも靱性に優れたラインパイプ用の継目無鋼管を、高い生産性のもとに低コストで製造することができる。
Claims (3)
- 重量%で、C:0.02〜0.15%未満、Si:1%以下、Mn:0.3〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.004%未満、Ti:0.001〜0.017%、N:0.008%以下、sol.Al:0.001〜0.1%を含み、さらにCr:0〜1.5%、Mo:0〜1%、V:0〜0.15%、Nb:0〜0.015%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜4%、B:0〜0.003%、Ca:0〜0.004%、Mg:0〜0.003%、REM:0〜0.004%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Ti、SおよびNとの関係が下記の(1)式または(2)式を満たす化学組成の鋼からなるビレットの熱間での穿孔圧延および延伸圧延を950℃以上で終了し、Ar3 変態点以下の温度に冷却することなく、900〜1100℃の温度で1〜30分間均熱保持した後、5℃/s以上の冷却速度で400℃以下の温度域にまで冷却する焼入れ処理を施すことを特徴とする強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
(Ti/N)<3.4の時
Ti+8.1×S≦0.035 ・・・・・・・ (1)
(Ti/N)≧3.4の時
3.4×N+8.1×S≦0.035 ・・・・ (2)
ただし、(1)式および(2)式中の元素記号は、鋼中のそれぞれの元素の含有量(重量%)を意味する。 - 焼入れ処理後、Ac1 変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする請求項1に記載の強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
- ビレットが、Ti:0.004〜0.017%、N:0.001〜0.008%を含有し、かつTiとNの関係が下記の(3)式を満たす化学組成の鋼からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
0.4≦(Ti/N)≦4.0 ・・・・ (3)
ただし、(3)式中の元素記号は、鋼中のそれぞれの元素の含有量(重量%)を意味する。
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