JP3760640B2 - 鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管の製造方法に関し、特に、鋼管に優れた機械的性質と良好な真直形状を付与できる鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材の強度を増加させるためには、Mn、Si等の合金元素の添加や、さらに、制御圧延、制御冷却、焼入れ焼戻し等の熱処理あるいは、Nb、V等の析出硬化型元素の添加などが利用されている。しかし、鋼材には、強度のみでなく延性・靱性が高いことが必要で、以前から、強度と延性・靱性がバランスよく向上した鋼材が要望されている。
【0003】
結晶粒の微細化は、強度、延性・靱性を共に向上させうる数少ない手段として重要である。結晶粒を微細化する方法としては、オーステナイト粒の粗大化を防止して、微細オーステナイトからオーステナイト−フェライト変態を利用しフェライト粒を微細化する方法、加工によりオーステナイト粒を微細化しフェライト粒を微細化する方法、あるいは焼入れ焼戻し処理によるマルテンサイト、下部べイナイトを利用する方法などがある。
【0004】
なかでも、オーステナイト域における強加工とそれに続くオーステナイト−フェライト変態によりフェライト粒を微細化する制御圧延が、鋼材製造に広く利用されている。また、微量のNbを添加しオーステナイト粒の再結晶を抑制してフェライト粒を一層微細化することも行われている。オーステナイトの未再結晶温度域で加工を施すことにより、オーステナイト粒が伸長して粒内に変形帯が生成し、この変形帯からフェライト粒が生成して、フェライト粒が一層微細化される。さらにフェライト粒を微細化するために、加工の途中あるいは加工後に冷却を行う工程、すなわち制御冷却も利用されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した方法では、フェライト粒径で4〜5μm 程度までの微細化が限度であり、また、鋼管の製造に適用するには工程が複雑すぎる。このようなことから、鋼管の靱性・延性の向上のために、簡素な工程でフェライト結晶粒径のさらなる微細化が要望されていた。
【0006】
この要望に対し、本発明者らは鋭意検討を重ね、特定の化学組成を有する鋼管素材を温間絞り圧延することにより、粒径3μm 以下の微細組織を有し延性−強度バランスに優れる製品管が得られるという知見を得た。
しかし、鋼管を温間絞り圧延後に水冷した場合、あるいは空冷した場合にも、圧延歪が残存し、製品管の延性が不足したり、ばらついたりするという問題が生じた。
【0007】
かかる製品管の延性不足やばらつきをなくすための従来方法としては、圧延温度を上げる、縮径率を下げる、などがある。
しかし、これらの方法では、結晶粒の微細化が困難で強度不足となりやすい問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題を有利に解決し、延性−強度のバランスに優れ、しかもこれら特性のばらつきが小さい製品管を製造できる鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、重量%で、C:0.005 〜0.70%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜4.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、
あるいはさらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上、および/または、Nb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種又は2種以上、および/または、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有する鋼管を、
Ac3変態点〜400 ℃に加熱または均熱した後、Ac3変態点〜400 ℃で、1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む累積縮径率20%以上の絞り圧延を行い、引き続き、温度θ(℃)×時間τ(min )が1200以上となるように保温した後、冷却することを特徴とする鋼管の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、特定の化学組成(以下単に「組成」ともいう)になる鋼管を圧延素材(素管)として用いるが、この素管を製造する手段(造管法)は特に限定されない。冷間または熱間での高周波電流を利用した電気抵抗溶接法(素管名称:電縫管、熱間の場合は熱間電縫管)、オープン管両エッジ部を固相圧接温度域に加熱し圧接接合する固相圧接法(素管名称:固相圧接管)、鍛接法(素管名称:鍛接管)、およびマンネスマン式穿孔圧延法(素管名称:継目無管)のいずれも好適に使用できる。
【0010】
次に、素管の組成の限定理由を説明する。
C:0.005 〜0.70%
Cは、基地中に固溶しあるいは炭化物として析出し、鋼の強度を増加させる元素であり、また、硬質な第2相として析出したセメンタイト、パーライト、べイナイト、マルテンサイトが高強度化と延性(一様伸び)向上に寄与する。所望の強度を確保し、第2相として析出したセメンタイト等による延性向上の効果を得るためには、Cは0.005 %以上、より好ましくは0.04%以上の含有を必要とするが、0.70%を超えて含有すると延性が劣化する。このため、Cは0.005 〜0.70%の範囲に限定した。
【0011】
Si:0.01〜3.0 %
Siは、脱酸剤として作用するとともに、基地中に固溶し鋼の強度を増加させる。この効果は、0.01%以上、好ましくは0.1 %以上、の含有で認められるが、3.0 %を超える含有は延性を劣化させる。このことから、Siは0.01〜3.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、強度延性バランスの点から0.10〜1.5 %の範囲である。
【0012】
Mn:0.01〜4.0 %
Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、第2相としてのセメンタイトの微細析出、あるいはマルテンサイト、べイナイトの析出を促進させる。このような効果は0.01%以上の含有で認められるが、4.0 %を超える含有は延性を劣化させる。このため、Mnは0.01〜4.0 %の範囲に限定した。なお、強度−伸びバランスの観点から、Mnは0.2 〜1.3 %の範囲が好ましく、より好ましくは0.6 〜1.3 %の範囲である。
【0013】
Al:0.001 〜0.10%
Alは、結晶粒を微細化する作用を有している。結晶粒微細化のためには、少なくとも0.001 %以上の含有を必要とするが、0.10%を超えると酸化物系介在物量が増加し清浄度が劣化する。このため、Alは0.001 〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.015 〜0.06%である。
【0014】
上記した基本組成に加えて、次に述べる合金元素群を単独あるいは複合して添加してもよい。
Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれる1種又は2種以上
Cu、Ni、Cr、Moはいずれも強度を増加させる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を添加できる。これら元素は、変態点を低下させ、フェライト粒あるいは第2相を微細化する効果を有している。しかし、Cuは多量添加すると熱間加工性が劣化するため、1%を上限とした。Niは強度増加とともに靱性をも改善するが2%を超えて添加しても効果が飽和しコスト高になるため、2%を上限とした。Cr、Moは多量添加すると溶接性、延性が劣化するうえコスト高となるため、それぞれ2%、1%を上限とした。なお、好ましくはCu:0.1 〜0.6 %、Ni:0.1 〜1.0 %、Cr:0.1 〜1.5 %、Mo:0.05〜0.5 %である。
【0015】
Nb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれる1種または2種以上
Nb、V、Ti、Bは、炭化物、窒化物または炭窒化物として析出し、結晶粒の微細化と高強度化に寄与する元素であり、特に高温に加熱される接合部を有する鋼管では、接合時の加熱過程での粒の微細化や、冷却過程でフェライトの析出核として作用し、接合部の硬化を防止する効果もあり、必要に応じ1種または2種以上添加できる。しかし、多量添加すると、溶接性、靱性とも劣化するため、Nbは0.1 %、Vは0.3 %、Tiは0.2 %、Bは0.004 %をそれぞれ上限とした。なお、好ましくはNb:0.005 〜0.05%、V:0.05〜0.1 %、Ti:0.005 〜0.10%、B:0.0005〜0.002 %である。
【0016】
REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれる1種または2種
REM 、Caは、いずれも介在物の形状を調整し加工性を向上させる作用を有しており、さらに、硫化物、酸化物または硫酸化物として析出し、接合部を有する鋼管での接合部の硬化を防止する作用をも有し、必要に応じ1種以上添加できる。REM が0.02%を超え、あるいは、Caが0.01%を超えると介在物が多くなりすぎ清浄度が低下し、延性が劣化する。なお、REM が0.004 %未満、Caが0.001 %未満ではこの作用による効果が少ないため、REM :0.004 %以上、Ca:0.001 %以上とするのが好ましい。
【0017】
上記成分元素以外の組成部分(残部)は、Feおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、N:0.010 %以下、O:0.006 %以下、P:0.025 %以下、S:0.020 %以下が許容される。
N:0.010 %以下
Nは、Alと結合して結晶粒を微細化するに必要な量、0.010 %までは許容できるが、それ以上の含有は延性を劣化させるため、0.010 %以下に低減するのが好ましい。なお、より好ましくは、Nは0.002 〜0.006 %である。
【0018】
O:0.006 %以下
Oは、酸化物として清浄度を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.006 %までは許容できる。
P:0.025 %以下
Pは、粒界に偏析し、靱性を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.025 %までは許容できる。
【0019】
S:0.020 %以下
Sは、硫化物を増加し清浄度を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.020 %までは許容できる。
次に、本発明の絞り圧延工程について説明する。
絞り圧延は、3ロール式の絞り圧延機(レデューサ)により行うのが好ましいが、3ロール式に限定されるものではない。レデューサは複数のスタンドをタンデムに配置した連続圧延可能なものがよい。スタンド数は被圧延管のレデューサ入側および出側での目標寸法により適宜定められる。
【0020】
本発明では、上記組成を有する鋼管(素管)を、Ac3変態点〜400 ℃に加熱または均熱した後、Ac3変態点〜400 ℃で累積縮径率20%以上の絞り圧延を行い、引き続き、温度θ(℃)×時間τ(min )が1200以上となるように保温した後、冷却する。
加熱または均熱温度(以下、加熱温度と総称する)がAc3変態点を超えると、表面性状が劣化するとともに、結晶粒が粗大化する。このため素管の加熱温度ははAc3変態点以下、好ましくは(Ac1+50℃)以下、より好ましくは750 ℃以下とするのがよい。加熱温度が400 ℃未満では、好適な圧延温度を確保することが困難になるため、加熱温度は400 ℃以上とするのが好ましい。
【0021】
加熱または均熱された素管の絞り圧延は、3ロール式絞り圧延機を用いて行うのが好ましいがこれに限定されるものではない。絞り圧延機は、複数のスタンドをタンデムに配置した連続圧延可能なものが好ましい。スタンド数は素管および製品管の寸法により適宜決定できる。
絞り圧延の圧延温度は、フェライト回復・再結晶温度域のAc3〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃の範囲とする。
【0022】
圧延温度がAc3変態点を超えると、再結晶後のフェライト粒の成長が著しくなり、強度低下のわりには延性が向上しない。このため、圧延温度はAc3変態点以下、好ましくは(Ac1+50℃)以下、さらに好ましくは750 ℃以下とする。一方、圧延温度が400 ℃未満では青熱脆性により脆化し圧延中に材料が破断するおそれがある。さらに圧延温度が400 ℃未満では材料の変形抵抗が増大し圧延が困難となるほか、再結晶が不十分となり加工歪が残存しやすくなる。このため、絞り圧延の圧延温度は、Ac3〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、さらに好ましくは750 ℃〜400 ℃の範囲に限定した。なかでも好ましいのは700 〜600 ℃の範囲である。
【0023】
絞り圧延における累積縮径率は20%以上とする。累積縮径率(={(素管外径−製品管外径)/(素管外径)}×100 %)が20%未満では、回復・再結晶による結晶粒の微細化が不十分であり、延性に富む鋼管とならない。また、圧延速度も遅く生産性が悪い。このため累積縮径率は20%以上とする必要がある。なお、累積縮径率が60%以上では、加工硬化による強度増加に加えて組織の微細化が顕著となり、上記した組成範囲の合金添加量が低い低成分系の鋼管でも強度と延性のバランスに優れ、強度、延性ともに優れた鋼管が得られる。このことから、累積縮径率は60%以上とするのがより好ましい。
【0024】
絞り圧延においては、1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む圧延とする。これが6%未満では、回復・再結晶による結晶粒の微細化が不十分である。また、6%以上では、加工発熱による温度上昇が認められ圧延温度の低下を防止できる。なお、結晶粒のさらなる微細化のためには1パス当たりの縮径率は8%以上が殊更好ましい。
【0025】
上記条件で絞り圧延された製品管を、図1(c) に示す管の温度履歴における圧延後の温度×時間(θ℃×τmin )を1200以上とするように、保温することにより、強度−延性のバランスに優れ、しかもこれら特性のばらつきが小さい鋼管を得ることができる。
前記保温を行うには、素管1を絞り圧延後、直管2に切断して冷却床で移送する場合には冷却床を保熱炉7で覆う(図1(a) )のが好適であり、また、コイル3に巻き取る場合には、コイル3を保熱炉8で覆う(図1(b) )のが好適である。これは、既存の設備に簡単な改造を加えるだけで実施可能である。なお、図1において、4は加熱・均熱炉、5はレデューサ(絞り圧延機)、6は切断機である。
【0026】
保温後は、常法に従って冷却すればよい。この冷却は空冷でも水冷でもよい。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
表1に組成を示す鋼のうちA鋼〜E鋼を表2の素管(φ62.0mm×T5.0 mm(φ:外径,T:肉厚、以下同じ))に加工(造管)し、これら素管を、705 ℃に加熱後、16スタンド・タンデム配置の3ロール式レデューサにより圧延温度700 〜655 ℃、圧延速度(最終スタンド出側)400m/minの条件下で絞り圧延して、φ25.4mm×T4.5mm の製品管とし、圧延後は図1(b) のように保熱炉内でコイルに巻き取り、表2に示す条件にて保温後冷却した。また、比較のために圧延後の保温を行わずに冷却したもの、および、保温条件が本発明を外れるものも製造した。
【0028】
なお、表2の素管欄に「固相」と記した固相圧接管は、熱延鋼帯を予熱炉で600 ℃に予熱後、複数の成形ロールで連続的に管状に成形し、その継目部を誘導加熱により1000℃に予熱後未溶融温度域の1450℃まで加熱し、スクイズロールによりアプセットして造管した。「ERW」と記した電縫管は、熱延鋼帯を複数の成形ロールで連続的に管状に成形しその継目部を誘導加熱により溶融温度域に加熱後スクイズロールによりアプセットする常法により造管した。
【0029】
かくして得た製品について、引張特性、結晶粒径を調査した結果を表2に示す。なお、引張試験にはJIS 11号試験片を用い、伸びの値は、試験片サイズ効果を考慮して、換算式El=El0(√(a0/a))0.4(ここに、El0 :実測伸び,a0:定数292mm2,a :試験片断面積(mm2) )による換算値で評価した。結晶粒径は、鋼管長手方向に直角な断面をナイタール液で腐食し、光学顕微鏡または電子顕微鏡で組織観察し、200 個以上の粒の円相当径を求め、その平均値を用いた。なお、フェライト以外の組織の粒径に関し、パーライトの場合はパーライトコロニー境界、べイナイト、マルテンサイトの場合はパケット境界を粒界として粒径を測定した。
【0030】
表2より、いずれの製品も結晶粒径3μm 以下であるが、圧延後にθ(℃)×τ(min ):1200以上の保温を行った後冷却した本発明例では、強度(TS)−延性(El)バランスに優れ、かつTS、Elのばらつき(n数は50)が小さいのに対し、圧延後の保温を行わずに冷却した比較例、および保温条件が本発明を外れる比較例ではTS、Elのバランスが悪く、ばらつきも大きい。
(実施例2)
表1に組成を示す鋼のうちF鋼〜J鋼について、連続鋳造製ビレットを加熱しマンネスマンマンドレルミルにて穿孔圧延することにより表3に「SML」と記した継目無素管(φ71.5mm×T11.0mm×長さ15m)に造管し、穿孔圧延後560 ℃まで冷却した後、680 ℃に加熱し、18スタンド・タンデム配置の3ロール式レデューサにより圧延温度680 〜645 ℃、圧延速度(最終スタンド出側)500m/minの条件下で絞り圧延して、φ33.0mm×T10.0mmの製品管とし、圧延後は図1(a) のように所定長さの直管に切断後保熱炉内でウォーキングビームにて搬送する際に、表3に示す条件にて保温し、その後冷却した。また、比較のために圧延後の保温を行わずに冷却したものも製造した。
【0031】
かくして得た製品について、実施例1と同様に引張特性、結晶粒径を調査した結果を表3に示す。
表3より、いずれの製品も結晶粒径3μm 以下であるが、圧延後にθ(℃)×τ(min ):1200以上の保温を行った後冷却した本発明例では、強度(TS)−延性(El)バランスに優れ、かつTS、Elのばらつき(n数は30)が小さいのに対し、圧延後の保温を行わずに冷却した比較例ではTS、Elのバランスが悪く、ばらつきも大きい。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、結晶粒径3μm以下で強度−延性バランスに優れ、しかもこれら特性のばらつきが小さい鋼管を製造できるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 素管
2 直管
3 コイル
4 加熱・均熱炉
5 レデューサ(絞り圧延機)
6 切断機
7,8 保熱炉
Claims (1)
- 重量%で、
C:0.005 〜0.70%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜4.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、
あるいはさらに、 Cu :1%以下、 Ni :2%以下、 Cr :2%以下、 Mo :1%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上、および/または、 Nb : 0.1 %以下、V: 0.3 %以下、 Ti : 0.2 %以下、B: 0.004 %以下のうちから選ばれた1種又は2種以上、および/または、 REM : 0.02 %以下、 Ca : 0.01 %以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有し、残部 Fe 及び不可避的不純物からなる化学組成を有する鋼管を、
Ac3変態点〜400 ℃に加熱または均熱した後、Ac3変態点〜400 ℃で、1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む累積縮径率20%以上の絞り圧延を行い、引き続き、温度θ(℃)×時間τ(min )が1200以上となるように保温した後、冷却することを特徴とする鋼管の製造方法。
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