JP3622499B2 - 鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超微細結晶粒を有し、高強度、高靱性・高延性を有しかつ耐衝突衝撃特性に優れた鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材の強度を増加させるためには、Mn、Si等の合金元素の添加や、さらに、制御圧延、制御冷却、焼入れ焼戻し等の熱処理あるいは、Nb、V等の析出硬化型元素の添加などが利用されている。しかし、鋼材には、強度のみでなく延性・靱性が高いことが必要で、従来から、強度と延性・靱性がバランスよく向上した鋼材が要望されている。
【0003】
結晶粒の微細化は、強度、延性・靱性を共に向上させうる数少ない手段として重要である。結晶粒の微細化の方法としては、オーステナイト粒の粗大化を防止して、微細オーステナイトからオーステナイト−フェライト変態を利用しフェライト結晶粒を微細化する方法、加工によりオーステナイト粒を微細化しフェライト結晶粒を微細化する方法、あるいは焼入れ焼戻し処理によるマルテンサイト、下部ベイナイトを利用する方法などがある。
【0004】
なかでも、オーステナイト域における強加工とそれに続くオーステナイト−フェライト変態によりフェライト粒を微細化する制御圧延が、鋼材製造に広く利用されている。また、微量のNbを添加しオーステナイト粒の再結晶を抑制してフェライト粒を一層微細化することも行われている。オーステナイトの未再結晶温度域で加工を施すことにより、オーステナイト粒が伸長し粒内に変形帯を生成して、この変形帯からフェライト粒が生成され、フェライト粒が一層微細化される。さらにフェライト粒を微細化するために、加工の途中あるいは加工後に冷却を行う、制御冷却も利用されるようになっている。
【0005】
しかしながら、上記した方法では、フェライト粒径で4〜5μm 程度までの微細化が限度であり、また、鋼管の製造に適用するには、工程が複雑である。このようなことから、鋼管の靱性・延性の向上のために、簡素な工程でフェライト結晶粒のさらなる微細化が要望されていた。また、上記した方法では、最近、要望が高まってきた自動車の安全性向上を目的とした耐衝突衝撃特性を向上させた鋼管を製造するうえで、設備の改造等を含む大幅な工程改造が必要となり、コスト面で限界があった。
【0006】
また、ラインパイプ用鋼管の耐硫化物応力腐食割れ性を向上させるために、不純物の低減や合金元素の調整による硬さ制御を行っているのが現状である。
従来から耐疲労特性を向上させるために、調質、高周波焼入れ、浸炭等の熱処理、あるいはNi、Cr、Mo等の高価な合金元素を多量添加していた。しかし、これらの方法では、溶接性が劣化し、しかもコスト高となる問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した問題を有利に解決し、大幅な工程変更することなく、延性および耐衝突衝撃特性に優れた鋼管の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、フェライト結晶粒が3μm 以下、好ましくは1μm 以下に微細化され靱性・延性に優れた超微細粒を有する鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、延性に優れた高強度鋼管を高造管速度で生産できる鋼管の製造方法について鋭意検討した結果、組成を限定した鋼管にフェライト回復・再結晶温度域で絞り圧延を施すと、強度−延性バランスに優れた高延性高強度鋼管を製造できることを見い出した。
【0009】
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
0.09質量%C−0.40質量%Si−0.80質量%Mn−0.04質量%Alを含有する電縫鋼管(φ42.7mmD× 2.9mmt)を、750 ℃〜550 ℃の各温度に加熱し、絞り圧延機により製品管の外径をφ33.2〜15.0mmに種々変化した絞り圧延を圧延速度200m/minで施し製品管とした。圧延後、製品管の引張強さ(TS)、伸び(El)を測定し、伸び−強度の関係に図示し、図1に示す(図中●印)。なお、○印は、各種サイズの溶接接合した絞り圧延を行わない電縫鋼管の伸び−強度の関係を同様に図示した例である。なお、伸び(El)の値は、試験片サイズ効果を考慮して、
El=El0 ×(√(a0/a))0.4 (ここに、El0 :実測伸び、a0:292mm2、a:試験片断面積(mm2 ))を用いて求めた換算値を使用した。
【0010】
図1から、素材鋼管を750 〜 550℃に加熱して絞り圧延を施すと、接合のままの電縫鋼管の伸び−強度の関係にくらべ、同一強度で比較して高い伸びが得られることがわかる。すなわち、本発明者らは、組成を制限した素材鋼管を750 〜400 ℃に加熱し絞り圧延を施すことにより、延性−強度バランスに優れた高強度鋼管が製造できるという知見を得た。
【0011】
さらに、上記の製造方法で製造された鋼管は、3μm 以下という微細フェライト粒を有していることが判明した。本発明者らは、耐衝突衝撃特性を調べるため、歪速度を 2000s−1と大幅に変化して、引張強さ(TS)とフェライト粒径との関係を求めた。その結果、図2に示すように、フェライト粒径が3μm 以下となると、顕著にTSが増加する、とくに歪速度が大きい衝突衝撃変形時にTSの増加が著しいことを見い出した。すなわち、微細フェライト粒を有する鋼管は、延性−強度バランスが優れることに加えて、顕著に改善された耐衝突衝撃特性を有しているという知見も得た。
【0012】
本発明は、上記した知見に基づいて構成されたものである。
【0016】
すなわち、本発明は、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは、加熱温度:(Ac1+50℃)〜400 ℃、さらに好ましくは750 〜400 ℃に加熱したのち、圧延温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃で累積縮径率:20%以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする鋼管の製造方法であり、延性および耐衝突衝撃特性に優れた鋼管が製造できる。また本発明では、前記累積縮径率が60%以上とするのが好ましい。また、本発明では、前記絞り圧延を潤滑下での圧延とするのが好適である。
また、本発明では、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Cu :1%以下、 Ni :2%以下、 Cr :2%以下、 Mo :1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Nb : 0.1 %以下、V: 0.5 %以下、 Ti : 0.2 %以下、B: 0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 REM : 0.02 %以下、 Ca : 0.01 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよい。
また、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Cu :1%以下、 Ni :2%以下、 Cr :2%以下、 Mo :1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、 Nb : 0.1 %以下、V: 0.5 %以下、 Ti : 0.2 %以下、B: 0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよく、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Cu :1%以下、 Ni :2%以下、 Cr :2%以下、 Mo :1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、 REM : 0.02 %以下、 Ca : 0.01 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Nb : 0.1 %以下、V: 0.5 %以下、 Ti : 0.2 %以下、B: 0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、 REM : 0.02 %以下、 Ca : 0.01 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよい。
また、前記組成を、質量%で、C: 0.005 〜 0.30 %、 Si : 0.01 〜 3.0 %、 Mn : 0.01 〜 2.0 %、 Al : 0.001 〜 0.10 %を含有し、さらに、 Cu :1%以下、 Ni :2%以下、 Cr :2%以下、 Mo :1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、 Nb : 0.1 %以下、V: 0.5 %以下、 Ti : 0.2 %以下、B: 0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、 REM : 0.02 %以下、 Ca : 0.01 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成としてもよい。
【0017】
また、本発明者らは、上記した鋼管の製造方法において、素材鋼管の組成をさらに適正範囲内に限定することにより、高強度、高靱性でかつ耐応力腐食割れ性に優れた鋼管を製造できることを見い出し、ラインパイプ用鋼管として有利に利用できることに思い至った。
ラインパイプ用鋼管は、従来から耐応力腐食割れ性を向上するために、S等の不純物の低減や合金元素の調整による硬さ制御を行っていた。しかし、これらの方法では、高強度化に限界があり、しかもコスト高となる問題があった。
【0018】
素材鋼管の組成をさらに適正範囲内に限定し、フェライト再結晶域での絞り圧延を行うことにより、微細フェライトと微細炭化物の分散が得られ、高強度、高靱性が得られるとともに、さらに合金元素を制限でき溶接硬化性が低減し、またクラックの発生、進展を抑制でき耐応力腐食割れ性が向上する。
すなわち、本発明は、質量%で、C: 0.005〜0.10% 、Si: 0.01 〜0.5 %、Mn: 0.01 〜1.8 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Cu:0.5 %以下、Ni:0.5 %以下、Cr:0.5 %以下、Mo:0.5 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、およびNb:0.1 %以下、V:0.1 %以下、Ti:0.1 %以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、あるいはさらにREM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃に加熱したのち、圧延温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃で累積縮径率:20%以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする延性および耐衝突衝撃特性に優れ、かつ耐応力腐食割れ性に優れた鋼管の製造方法である。
【0019】
また、本発明では前記累積縮径率が60%以上とするのが好ましい。また、本発明では、前記絞り圧延を潤滑下での圧延とするのが好適である。
また、本発明者らは、上記した鋼管の製造方法において、素材鋼管の組成をさらに適正範囲内に限定することにより、高強度、高靱性でかつ耐疲労特性に優れた鋼管を製造できることを見い出し、高疲労強度鋼管として有利に利用できることに思い至った。
【0020】
適正範囲内に限定した組成の素材鋼管を、フェライト回復・再結晶域での絞り圧延を行うことにより、微細フェライトと微細析出物の分散が得られ、高強度、高靱性が得られるとともに、さらに合金元素を制限でき溶接硬化性が低減し、また疲労クラックの発生、進展を抑制でき耐疲労特性が向上する。
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃に加熱したのち、圧延温度:Ac3変態点〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃で累積縮径率:20%以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする延性、耐衝突衝撃特性および耐疲労特性に優れた鋼管の製造方法である。
【0021】
また、本発明では、前記累積縮径率が60%以上とするのが好ましい。また、本発明では、前記絞り圧延を潤滑下での圧延とするのが好適である。
また、延性、耐衝突衝撃特性および耐疲労特性に優れた鋼管の製造方法である本発明では、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよく、また、前記組成を、質量%で、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよい。
【0022】
また、前記組成を、C:0.06〜0.30%、Si:0.01〜1.5 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成としてもよい。
【0023】
さらに超微細粒を有する鋼管を得るための本発明は、外径ODi (mm)で鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径di(μm )の素材鋼管を加熱し、平均圧延温度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)の絞り圧延を施し外径ODf (mm)の製品管とする鋼管の製造方法において、前記絞り圧延を425 ℃以上加熱または均熱温度以下の温度範囲で、かつ前記平均結晶粒径di(μm )、前記平均圧延温度θm(℃)および前記合計縮径率Tred (%)の関係が次(1)式
【0024】
【数2】
【0025】
(ここに、di:素材鋼管の平均結晶粒径(μm ) 、θm:平均圧延温度(℃)=(θi+θf)/2、θi:圧延開始温度、θf:圧延終了温度、Tred :合計縮径率(%)=(ODi−ODf)×100 /ODi 、ODi :素材鋼管外径(mm)、ODf :製品管外径(mm))を満足する絞り圧延とすることを特徴とする鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径が1μm 以下の超微細粒を有する鋼管の製造方法である。また、本発明では、前記絞り圧延を425 〜775 ℃の温度範囲で行うのが好ましい。また、本発明では、前記素材鋼管の加熱または均熱をAc3 変態点以下とするのが好ましく、また、前記素材鋼管の加熱または均熱を該素材鋼管のAc1変態点を基準にし、(Ac1+50℃)以下の温度範囲とするのが好ましく、また、前記絞り圧延が潤滑下での圧延とするのが好ましい。
【0026】
また、平均結晶粒径が1μm 以下の超微細粒を有する鋼管の製造方法である本発明では、前記素材鋼管を質量%で、C:0.60wt%以下を含有する鋼管とするのがよく、また、本発明では、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、本発明では、前記組成に加えて、さらに、次A〜C群、
A群:Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群、
B群:Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群、
C群:REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群、
のうちから選ばれた1群または2群以上から該各群のうちの1種以上を含有する鋼管としてもよい。
【0027】
平均結晶粒径が1μm 以下の超微細粒を有する鋼管の製造方法である本発明では、具体的には、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群から選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群から選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群から選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群から選ばれた1種または2種以上、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群から選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群から選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群から選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群から選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群から選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましく、また、前記素材鋼管を質量%で、C:0.005 〜0.30%、Si:0.01〜3.0 %、Mn:0.01〜2.0 %、Al:0.001 〜0.10%を含有し、さらに、Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群から選ばれた1種または2種以上、Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群から選ばれた1種または2種以上、REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群から選ばれた1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とするのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明では素材として鋼管を用いる。素材鋼管の製造方法についてはとくに限定しない。高周波電流を利用した電気抵抗溶接法による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)、オープン管両エッジ部を固相圧接温度域に加熱し圧接接合による固相圧接鋼管、鍛接鋼管、およびマンネスマン式穿孔圧延による継目無鋼管いずれも好適に使用できる。
【0029】
つぎに、素材鋼管の化学組成の限定理由を説明する。
C:0.60%以下
Cは、基地中に固溶あるいは炭化物として析出し、鋼の強度を増加させる元素であり、また、硬質な第2相として析出した微細なセメンタイト、マルテンサイト、ベイナイトが延性(一様伸び)向上に寄与する。所望の強度を確保し、第2相として析出したセメンタイト等による延性向上の効果を得るためには、Cは0.005 %以上、好ましくは0.04%以上の含有を必要とするが、0.60%を超えて含有すると強度が高くなりすぎ延性が劣化する。なお、好ましくはCは0.30%以下、より好ましくは0.10%以下である。このようなことから、Cは0.60%以下、好ましくは0.005 〜0.30%、より好ましくは0.04〜0.30%の範囲に限定した。なお、ラインパイプ用として耐応力腐食割れ性を向上させるためには、Cは0.10%以下とするのが好ましい。0.10%を超えると、溶接部の硬化のため、耐応力腐食割れ性が劣化する。
【0030】
なお、高疲労強度鋼管用として、耐疲労特性を向上させるためには、Cは0.06〜0.30%とするのが好ましい。0.06%未満では、強度のため、耐疲労特性が劣化する。
Si:0.01〜3.0 %以下
Siは、脱酸元素として作用するとともに、基地中に固溶し鋼の強度を増加させる。この効果は、0.01%以上、好ましくは0.1 %以上の含有で認められるが、3.0 %を超える含有は延性を劣化させる。このことから、Siは0.01〜3.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.1 〜1.5 %の範囲である。
【0031】
なお、ラインパイプ用として耐応力腐食割れ性を向上させるためには、Siは0.5 %以下とするのが好ましい。0.5 %を超えると、溶接部が硬化し、耐応力腐食割れ性が劣化する。
なお、高疲労強度鋼管用として、耐疲労特性を向上させるためには、Siは1.5 %以下とするのが好ましい。1.5 %を超えると、介在物を生成するため、耐疲労特性が劣化する。
【0032】
Mn:0.01〜2.0 %
Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、本発明では第2相としてのセメンタイトの微細析出、あるいはマルテンサイト、ベイナイトの析出を促進させる。0.01%未満では、所望の強度が確保できないうえ、セメンタイトの微細析出、あるいはマルテンサイト、ベイナイトの析出が阻害される。また、2.0 %を超えると、強度が増加しすぎて延性が劣化する。このため、Mnは0.01〜2.0 %の範囲に限定した。なお、強度−伸びバランスの観点から、Mnは0.2 〜1.3 %の範囲が好ましく、より好ましくは0.6 〜1.3 %の範囲である。
【0033】
なお、ラインパイプ用として耐応力腐食割れ性を向上させるためには、Mnは1.8 %以下とするのが好ましい。1.8 %を超えると、溶接部が硬化するため、耐応力腐食割れ性が劣化する。
Al:0.001 〜0.10%
Alは、結晶粒径を微細化する作用を有している。結晶粒微細化のためには、少なくとも0.001 %以上の含有を必要とするが、0.10%を超えると酸素系介在物量が増加し清浄度が劣化する。このため、Alは0.001 〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.015 〜0.06%である。
【0034】
上記した素材鋼管の基本組成に加えて、つぎに述べるA〜C群の合金元素群から選ばれた1群または2群以上から該各群のうちの1種または2種以上を添加含有してもよい。
A群:Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群
Cu、Ni、Cr、Moはいずれも、鋼の焼入れ性を向上させ、強度を増加させる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を添加できる。これら元素は、変態点を低下させ、フェライト粒あるいは第2相を微細化する効果を有している。しかし、Cuは多量添加すると熱間加工性が劣化するため、1%を上限とした。Niは強度増加とともに靱性をも改善するが2%を超えて添加しても効果が飽和し経済的に高価となるため、2%を上限とした。Cr、Moは多量添加すると溶接性、延性が劣化するうえ経済的に高価となるため、それぞれ2%、1%を上限とした。なお、好ましくはCu:0.1 〜0.6 %、Ni:0.1 〜1.0 %、Cr:0.1 〜1.5 %、Mo:0.05〜0.5 %である。
【0035】
なお、ラインパイプ用として耐応力腐食割れ性を向上させるためには、Cu、Ni、Cr、Moはいずれも、それぞれ、0.5 %以下に制限するのが好ましい。0.5 %を超えて多量添加すると、溶接部が硬化し、そのため、耐応力腐食割れ性が劣化する。
B群:Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群
Nb、V、Ti、Bは、炭化物、窒化物または炭窒化物として析出し、結晶粒の微細化と高強度化に寄与する元素であり、特に高温に加熱される接合部を有する鋼管では、接合時の加熱過程での結晶粒の微細化や、冷却過程でフェライトの析出核として作用し、接合部の硬化を防止する効果もあり、必要に応じ1種または2種以上添加できる。しかし、多量添加すると、溶接性と靱性が劣化するため、Nbは0.1 %、Vは0.5 %好ましくは0.3 %、Tiは0.2 %、Bは0.005 %好ましくは0.004 %をそれぞれ上限とした。なお、好ましくはNb:0.005 〜0.05%、V:0.05〜0.1 %、Ti:0.005 〜0.10%、B:0.0005〜0.002 %である。
【0036】
なお、ラインパイプ用として耐応力腐食割れ性を向上させるためには、Nb、V、Tiは、それぞれ、0.1 %以下に制限するのが好ましい。Nb、V、Tiが0.1 %を超えて、多量に添加されると、析出硬化のため、耐応力腐食割れ性が劣化する。
C群:REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群
REM 、Caは、いずれも介在物の形状を調整し加工性を向上させる作用を有しており、さらに、硫化物、酸化物または硫酸化物として析出し、接合部を有する鋼管での接合部の硬化を防止する作用をも有し、必要に応じ1種以上添加できる。REM :0.02%、Ca:0.01%を超えると介在物が多くなりすぎ清浄度が低下し、延性が劣化する。なお、REM :0.004 %未満、Ca:0.001 % 未満ではこの作用による効果が少ないため、、REM :0.004 %以上、Ca:0.001 %以上とするのが好ましい。
【0037】
素材鋼管は、上記した成分のほか、残部Feおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、N:0.010 %以下、O:0.006 %以下、P:0.025 %以下、S:0.020 %以下が許容される。
N:0.010 %以下
Nは、Alと結合して結晶粒を微細化するに必要な量、0.010 %までは許容できるが、それ以上の含有は延性を劣化させるため、0.010 %以下に低減するのが好ましい。なお、より好ましくは、Nは0.002 〜0.006 %である。
【0038】
O:0.006 %以下
Oは、酸化物として清浄度を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.006 %までは許容できる。
P:0.025 %以下
Pは、粒界に偏析し、靱性を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.025 %までは許容できる。
【0039】
S:0.020 %以下
Sは、硫化物を増加し清浄度を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.020 %までは許容できる。
つぎに、本発明の鋼管の製造方法で得られる製品鋼管の組織について説明する。
本発明の鋼管の製造方法で得られる製品鋼管は組織がフェライト粒径が3μm 以下のフェライトを主とする組織からなる延性および耐衝突衝撃特性に優れた鋼管である。
【0040】
フェライト粒径が3μm を超えると、延性の顕著な改善と歪速度の大きい衝撃荷重に対する特性、耐衝突衝撃特性の顕著な改善が得られない。
本発明におけるフェライト粒径は、鋼管長手方向に直角な断面を、ナイタール液で腐食し光学顕微鏡または電子顕微鏡で組織観察し、200 個以上のフェライト粒の円相当径を求め、その平均値を用いた。
【0041】
本発明でいうフェライトを主とする組織は、第2相が析出しないフェライト単独の組織と、フェライトとフェライト以外の第2相とからなる組織が含まれる。フェライト以外の第2相としては、マルテンサイト、ベイナイト、セメンタイトがあり、それら単独あるいは複合して析出してもよい。第2相の面積率は30%以下とする。析出した第2相は変形時に一様伸びの向上に寄与し、鋼管の延性、耐衝突衝撃特性を向上させるが、このような効果は、第2相の面積率が30%を超えると少なくなる。
【0042】
本発明の製造方法で得られた製品鋼管の組織の1例を図3に示す。
つぎに、本発明の鋼管の製造方法について説明する。
上記組成の素材鋼管を加熱温度:Ac3〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃に加熱する。
加熱温度がAc3変態点を超えると、表面性状が劣化するとともに、結晶粒が粗大化する。このため、素材鋼管の加熱温度はAc3変態点以下、好ましくは(Ac1+50℃)以下、より好ましくは750 ℃以下とするのがよい。加熱温度が400 ℃未満では、好適な圧延温度を確保できないため、加熱温度は400 ℃以上とするのが好ましい。
【0043】
ついで、加熱された素材鋼管は絞り圧延を施される。
絞り圧延は、3ロール方式の絞り圧延機により行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。絞り圧延機は、複数のスタンドを配設して、連続的に圧延するのが好ましい。スタンド数は素材鋼管の寸法と、製品鋼管の寸法により適宜決定できる。
【0044】
絞り圧延の圧延温度は、フェライト回復・再結晶温度域のAc3〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、より好ましくは750 〜400 ℃の範囲とする。圧延温度がAc3変態点を超えると、再結晶後のフェライト粒の成長が著しくなり強度低下のわりには延性が向上しない。このため、圧延温度はAc3変態点以下、好ましくは(Ac1+50℃)以下、さらに好ましくは750 ℃以下とする。一方、圧延温度が400 ℃未満では青熱脆性により脆化し圧延中に材料が破断する恐れがある。さらに、圧延温度が400 ℃未満では材料の変形抵抗が増大し圧延が困難となるほか、再結晶が不十分となり加工歪が残存しやすくなる。このため、絞り圧延の圧延温度は、Ac3〜400 ℃、好ましくは(Ac1+50℃)〜400 ℃、さらに好ましくは750 〜400 ℃の範囲に限定した。なお、好ましくは600 〜700 ℃である。
【0045】
絞り圧延における累積縮径率は20%以上とする。
累積縮径率(=(素材鋼管外径−製品鋼管外径)/(素材鋼管外径)×100 %)が20%未満では、回復・再結晶による結晶粒の微細化が不十分であり、延性に富む鋼管とならない。また、造管速度も遅く生産能率が低い。このため、本発明では累積縮径率を20%以上とした。なお、累積縮径率が60%以上では、加工硬化による強度増加に加えて組織の微細化が顕著となり、上記した組成範囲の合金添加量が低い低成分系の鋼管でも強度と延性のバランスに優れ、強度、延性ともに優れた鋼管が得られる。このことから、累積縮径率は60%以上とするのがより好ましい。
【0046】
絞り圧延においては、1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む圧延とする。
絞り圧延の1パスあたりの縮径率が6%未満では、回復・再結晶による結晶粒の微細化が不十分である。また、6%以上では、加工発熱による温度上昇が認められ圧延温度の低下を防止できる。なお、1パスあたりの縮径率は、結晶粒微細化により大きな効果がある8%以上とするのが好ましい。
【0047】
本発明における鋼管の絞り圧延は、2軸応力状態の圧延加工となり、著しい結晶粒微細化効果を得ることができる。これに対し、鋼板の圧延においては、圧延方向に加え、板幅方向(圧延直角方向)にも自由端が存在し、1軸応力状態における圧延加工であり、結晶粒微細化に限界がある。
また、本発明では、絞り圧延は潤滑下での圧延とするのが好適である。絞り圧延を潤滑下での圧延(潤滑圧延)とすることにより、厚み方向の歪分布が均一となり、結晶粒径の分布が厚み方向で均一となる。無潤滑圧延を行うと剪断効果によって材料表面層部のみに歪が集中し、厚み方向の結晶粒が不均一となりやすい。潤滑圧延は、通常公知の、鉱油あるいは鉱油に合成エステルを混合した圧延油を用いて行えばよく、圧延油をとくに限定する必要はない。
【0048】
絞り圧延加工後、鋼材は室温まで冷却される。冷却方法は、空冷でよいが、粒成長を少しでも抑える目的で水冷、あるいはミスト冷却、強制空冷等通常公知の冷却方法が適用可能である。冷却速度は好ましくは10℃/sec 以上とするのが好ましい。
さらに、本発明では、製品鋼管の結晶粒径を安定して1μm 以下とするためには素材鋼管に以下のような絞り圧延を行うのが好ましい。
【0049】
外径ODi (mm)で鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径di(μm )の素材鋼管を加熱または均熱し、平均圧延温度θm(℃)、合計縮径率Tred (%)の絞り圧延を施し外径ODf (mm)の製品管とする。
絞り圧延方法は、レデューサと称される複数の孔型圧延機による絞り圧延が好適である。本発明の実施に好適な設備列の1例を図4に示す。図4では、孔型ロールを有する複数のスタンドの絞り圧延装置21が示されている。圧延機のスタンド数は、素材鋼管径と製品管径の組み合わせで適宜決定される。孔型ロールは、通常公知の2ロール、3ロールあるいは4ロールいずれでも好適に適用できる。
【0050】
絞り圧延の加熱または均熱方法はとくに限定するものではないが、加熱炉、あるいは誘導加熱によるのが好ましい。なかでも誘導加熱方式が加熱速度が大きく生産能率あるいは結晶粒の成長を抑制する点から好ましい。(図4には誘導加熱方式の再加熱装置25が例示されている。)加熱または均熱温度は結晶粒が粗大化しない温度範囲であるAc3 変態点以下、あるいは前記素材鋼管Ac1変態点を基準にし、(Ac1+50℃)以下、さらに好ましくは600 〜700 ℃とする。本発明では、もちろん、素材鋼管の加熱あるいは均熱温度が上記した温度を超える場合でも製品管の結晶粒径は微細となる。
【0051】
絞り圧延の圧延温度は425 ℃以上加熱または均熱温度以下、好ましくは775 ℃以下の温度範囲とする。Ac3 変態点を超える温度、あるいは(Ac1+50℃)を超える温度、あるいは775 ℃を超える高い温度では、多量のオーステナイトを含んだフェライト+オーステナイト2相域、あるいはオーステナイト単相となり、加工後フェライト組織、あるいはフェライトを主とする組織となりにくいうえ、フェライト加工による結晶粒微細化効果を減少させる。また、圧延温度が775 ℃を超えると、再結晶後のフェライト粒の成長が著しくなり微細粒となりにくい。さらに、圧延温度が425 ℃未満では、青熱脆化域となり圧延が困難となるか、あるいは再結晶が不十分となり加工歪が残存しやすくなるため、延性・靱性が低下する。このため、絞り圧延の圧延温度は425 ℃以上、Ac3 変態点以下、あるいは(Ac1+50℃)以下、好ましくは775 ℃以下の温度範囲とする。なお、好ましくは560 〜 720℃、より好ましくは600 〜700 ℃である。
【0052】
絞り圧延は、上記圧延温度範囲内でかつ素材鋼管の鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径di(μm )、絞り圧延の平均圧延温度θm (℃)および合計縮径率Tred (%)の関係が次(1)式
【0053】
【数3】
【0054】
を満足する絞り圧延とする。
ここに、平均圧延温度θm (℃)は、θm =(θi+θf)/2、θi:圧延開始温度、θf:圧延終了温度、合計縮径率Tred (%)は、Tred =(ODi−ODf)×100 /ODi、(ODi :素材鋼管外径(mm)、ODf :製品管外径(mm))で定義される。
【0055】
また、素材鋼管、製品管とも、前記したように、フェライトの平均結晶粒径は鋼管長手方向に直角な断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡により組織観察し、200 個以上のフェライト粒径を測定し、平均した値を用いる。
di、θmおよびTred の関係が(1)式を満足しない場合には、製品管のフェライト平均結晶粒(鋼管長手方向に直角な断面)が1μm 以下の微細粒とならない。
【0056】
JIS STKM 13A相当の素材鋼管( ODi=60.3mm、肉厚:3.5mm )を、4ロール圧延機を22スタンド連続させた絞り圧延装置で圧延出側速度200m/min、平均圧延温度550 ℃、700 ℃で、各種径の製品管を圧延した場合について、製品管の結晶粒径におよぼす合計縮径率と素材鋼管の平均結晶粒径との関係を図6に示す。(1)式を満足する斜線領域が製品管の結晶粒を1μm 以下にできる領域である。
【0057】
絞り圧延後、製品管16は好ましくは300 ℃以下まで冷却される。冷却方法は、空冷でよいが、粒成長を少しでも抑える目的で急冷装置24を用い水冷、あるいはミスト冷却、強制空冷等通常公知の冷却方法が適用可能である。冷却速度は1℃/sec 以上とするのが好ましい。
なお、本発明では、絞り圧延装置21の入側あるいは絞り圧延装置21の途中に冷却装置26を設置し、温度調節を行ってもよい。また、絞り圧延装置21の入側にデスケリーング装置23を設置してもよい。
【0058】
本発明で素材とする素材鋼管は、継目無鋼管あるいは、電縫鋼管、鍛接鋼管、固相圧接鋼管等いずれでもよい。また、本発明の超微細粒鋼管の製造工程は、上記した素材鋼管の製造ラインと連続化してもよい。固相圧接鋼管の製造ラインと連続化した1例を図5に示す。
アンコイラ14から払い出された帯鋼1は、接合装置15により先行する帯鋼と接続され、ルーパ17を介して予熱炉2で予熱されたのち、成形ロール群からなる成形加工装置3でオープン管7とされ、エッジ予熱用誘導加熱装置4とエッジ加熱用誘導加熱装置5により融点未満の温度域にオープン管7エッジ部を加熱して、スクイズロール6で衝合圧接され、素材鋼管8とされる。
【0059】
ついで、素材鋼管8は、上記したように、均熱炉22で所定の温度に加熱あるいは均熱後、デスケーリング装置23でスケールを除去し、絞り圧延装置21により絞り圧延され、切断機で切断され、管矯正装置19で矯正され製品管16となる。鋼管の温度は温度計20で測定する。
また、上記した絞り圧延でも、前記したように、潤滑下での圧延とするのが好ましい。
【0060】
上記した製造方法によれば、フェライトを主とした組織を有し、鋼材長手方向直角断面のフェライトの平均結晶粒径が1μm 以下の超微細粒を有する鋼管が得られる。また、上記した製造方法によれば、電縫鋼管、鍛接鋼管、固相圧接鋼管等のシーム部の硬さが均一な鋼管となるという効果もある。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学組成を有する素材鋼管に、表2に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロール構造の絞り圧延機で表2に示す圧延条件で製品管とした。
【0062】
表2中に示す固相圧接鋼管とは、2.6mm 厚の熱延帯鋼を600 ℃に予熱したのち、複数の成形ロールで連続的に成形しオープン管とし、ついで、オープン管両エッジ部を誘導加熱で1000℃まで予熱したのち、さらに両エッジ部を誘導加熱により未溶融温度域の1450℃まで加熱しスクイズロールにより衝合し固相圧接して、φ42.7mm×2.6mm 厚の鋼管としたものを用いた。一方、継目無鋼管は、連続鋳造製ビレットを加熱し、マンネスマンマンドレル方式のミルで造管し、継目無鋼管としたものを用いた。
【0063】
これら製品管の引張特性、衝突衝撃特性、組織を調査し、その結果を表2に示す。引張特性は、JIS 11号試験片を用いた。なお、伸びの値は、試験片のサイズ効果を考慮して、El=El0 ×(√(a0/a))0.4 (ここに、El0 :実測伸び、a0:292mm2、a:試験片断面積(mm2 ))を用いて求めた換算値を使用した。
衝突衝撃特性は、歪速度 2000s−1の高速引張試験を行い、得られた応力−歪曲線から歪量30%までの吸収エネルギーを求め、衝突衝撃吸収エネルギーとして評価した。
【0064】
なお、衝突衝撃特性は、実際に自動車が衝突する時の歪速度1000〜 2000s−1における材料の変形エネルギーで代表され、このエネルギーが大きいほど耐衝突衝撃特性が優れることになる。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
表2から、本発明範囲の本発明例(No.1〜No.9、No11 〜No.16 、No.19 〜No.22 ) は、延性と強度のバランスに優れた鋼管となっている。高歪速度における引張強さも高く、衝突衝撃吸収エネルギーも高い。一方、本発明の範囲を外れる比較例No.17 、No.18 、No.23 は、延性あるいは強度のいずれかが低下し、強度−延性バランスが悪く、耐衝突衝撃特性も劣る。
【0069】
比較例No.17 、No.18 は、縮径率が本発明の範囲を外れ、フェライト粒が粗大化し、強度延性バランスが劣化し、耐衝突衝撃吸収エネルギーが低下している。
(実施例2)
表3に示す化学組成を有する素材鋼管を、表4に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロール構造の絞り圧延機で表4に示す圧延条件で製品管とした。なお、素材鋼管の製造法は実施例1と同様とした。
【0070】
これら製品管について、実施例と同様に、引張特性、耐衝突衝撃特性、組織を調査し、その結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
表4から、本発明範囲の本発明例(No.2−1〜No.2−3、No.2−6〜No.2−8、No.2−10 〜No.2〜14) は、延性と強度のバランスに優れた鋼管となっている。さらに、高歪速度における引張強さも高く、衝突衝撃吸収エネルギーも高い。一方、本発明の範囲を外れる比較例No.2−4、No.2−5、およびNo.2−9は、延性あるいは強度のいずれかが低下し、強度−延性バランスが悪く、また、耐衝突衝撃特性も劣る。
【0074】
本発明によれば、従来になく延性−強度バランスが向上し、耐衝突衝撃特性に優れた鋼管が得られるが、さらに、本発明の鋼管は、二次加工性、例えばハイドロフォーム等のバルジ加工性にも優れ、バルジ加工用として好適な鋼管である。
本発明の鋼管のうち、溶接鋼管(電縫鋼管)またはシーム冷却を施した固相圧接鋼管においては、硬化シーム部が絞り圧延により母管部と同じレベルの硬さとなり、バルジ加工性が従来より顕著に改善される。
(実施例3)
表5に示す化学組成を有する素材鋼管に、表6に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロール構造の絞り圧延機で表6に示す圧延条件で製品管とした。
【0075】
本実施例における素材鋼管は、制御圧延、制御冷却により製造された熱延鋼板を用いて、φ 110mm×4.5mm 厚の鋼管としたものを用いた。
これら製品管の引張特性、衝突衝撃特性、組織および耐硫化物応力割れ性を調査し、その結果を表6に示す。実施例1と同様に、引張特性は、JIS 11号試験片を用いた。なお、伸びの値は、試験片のサイズ効果を考慮して、El=El0 ×(√(a0/a))0.4 (ここに、El0 :実測伸び、a0:292mm2、a:試験片断面積(mm2 ))を用いて求めた換算値を使用した。
【0076】
また、実施例1と同様に、衝突衝撃特性は、歪速度 2000s−1の高速引張試験を行い、得られた応力−歪曲線から歪量30%までの吸収エネルギーを求め、衝突衝撃吸収エネルギーとして評価した。
なお、衝突衝撃特性は、実際に自動車が衝突する時の歪速度1000〜 2000s−1における材料の変形エネルギーで代表され、このエネルギーが大きいほど耐衝突衝撃特性が優れることになる。
【0077】
なお、耐硫化物応力腐食割れ性は、図7に示すCリング試験片を用いて、NACE浴(0.5 %酢酸+5%食塩水、H2S 飽和、温度25℃、1気圧)中で、降伏強さの120 %の引張応力を付与し、200hr の試験期間中での破断の有無を調査して評価した。Cリング試験片は、製品管母材部のT方向(円周方向)から切り出した。試験は、同一条件で各2本実施した。
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
表6から、本発明範囲の本発明例(No.3−1〜No.3−3、No.3−5〜No.3−8、No.3−10 、No.3−12)は、延性と強度のバランスに優れた鋼管となっている。高歪速度における引張強さも高く、衝突衝撃吸収エネルギーも高い。また、耐硫化物応力割れ性にも優れ、ラインパイプ用としては優れた特性を有する鋼管である。一方、本発明の範囲を外れる比較例No.3−4、No.3−9、No.3−11)は、延性あるいは強度のいずれかが低下し、強度−延性バランスが悪く、耐衝突衝撃特性も劣り、NACE浴中の試験で破断が発生しており、耐硫化物応力腐食割れ性が劣化している。
【0081】
比較例No.3−4は、縮径率が本発明の範囲を外れ、フェライト粒が粗大化し、強度延性バランスが劣化し、耐衝突衝撃吸収エネルギーが低下し、耐硫化物応力腐食割れ性が劣化している。
比較例No.3−9、No.3−11 は、絞り圧延の圧延温度が本発明の範囲を外れ、フェライト粒が粗大化し、強度延性バランスが劣化し、耐衝突衝撃吸収エネルギーが低下し、耐硫化物応力腐食割れ性が劣化している。
(実施例4)
表7に示す化学組成を有する素材鋼管に、表8に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロール構造の絞り圧延機で表8に示す圧延条件で製品管とした。
【0082】
本実施例における素材鋼管は、熱延帯鋼を複数の成形ロールで成形しオープン管とし、ついでオープン管両エッジ部を誘導加熱により溶接し、φ 110mm× 2.0mm厚の電縫鋼管としたもの、および連続鋳造製ビレットを加熱し、マンネスマンマンドレル方式のミルで造管して、φ 110mm× 3.0mm厚の継目無鋼管としたものを用いた。
【0083】
これら製品管の引張特性、衝突衝撃特性、組織および耐疲労特性を調査し、その結果を表8に示す。引張特性、衝突衝撃特性は、実施例1と同様に実施した。
疲労特性は、製品管そのままの実管試験片を用いて、大気中で片持ち式両振り疲労試験(繰返し速度:20Hz)を実施し、疲労強度を求めた。
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
表8から、本発明範囲の本発明例(No.4−1、No.4−3、No.4−6〜No.4−9) は、延性と強度のバランスに優れた鋼管となっている。高歪速度における引張強さも高く、衝突衝撃吸収エネルギーも高い。また、耐疲労特性にも優れ、高疲労強度鋼管としては優れた特性を有する鋼管である。一方、本発明の範囲を外れる比較例No.4−2、No.4−4、No.4−5)は、疲労強度が低下している。
【0087】
比較例No.4−2は絞り圧延が行われておらず、比較例No.4−5は、縮径率が本発明の範囲を外れ、比較例No.4−4は、絞り圧延の圧延温度が本発明の範囲を外れ、フェライト粒が粗大化し、強度延性バランスが劣化し、耐衝突衝撃吸収エネルギーが低下し、耐疲労特性が劣化している。
(実施例5)
表9に示す化学組成を有する鋼素材A1を熱間圧延により4.5 mm厚の帯鋼とした。図5に示す設備列を利用して、この帯鋼1を予熱炉2で600 ℃に予熱したのち、複数の成形ロール群からなる成形加工装置3で連続的に成形しオープン管7とした。ついで、オープン管7の両エッジ部をエッジ予熱用誘導誘導加熱装置4で1000℃まで予熱したのち、さらに両エッジ部をエッジ加熱用誘導加熱装置5により1450℃まで加熱しスクイズロール6により衝合し固相圧接して、φ88.0×T4.5mmの素材鋼管8とした。
【0088】
ついで、素材鋼管をシーム冷却および管加熱装置22で表10に示す加熱均熱温度にしたのち、複数の3ロール構造の絞り圧延機を設置した絞り圧延装置21で所定の外径寸法の製品管とした。使用した圧延機のスタンド数は、製品管の外径がφ60.3mmの場合には6スタンド、φ42.7mmの場合には16スタンドとした。
なお、No.5−2の製品管は、絞り圧延に際し、鉱油に合成エステルを混合した圧延油を用いて潤滑圧延を行った。
【0089】
絞り圧延後、製品管は空冷した。
これら製品管について、結晶粒径、引張特性、衝撃特性を調査しその結果を表10に示す。結晶粒径は、鋼管の長手方向に対し直角な断面(C断面)について、5000倍の倍率でそれぞれ5視野以上観察し、フェライトの平均結晶粒径を測定した。引張特性は、JIS 11号試験片を用いた。なお、伸び(El)は試験片のサイズ効果を考慮して、
El=El0 ×(√(a0/a))0.4
(El0 :実測伸び、a0=100mm2、a:試験片断面積mm2 )より求めた換算値を用いた。衝撃特性(靱性)は、実管をシャルピー衝撃試験により、−150 ℃におけるC断面の延性破面率を用いて評価した。実管シャルピー衝撃試験は実管の管長手方向に直角に2mmVノッチを入れて衝撃破壊し、延性破面率を求めた。
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
表10から、本発明範囲の本発明例(No.5−2、No.5−4〜No.5−7、No.5−9〜No.5−11 、No.5−13 )は、フェライトの平均結晶粒径がいずれも1μm の微細粒となり、伸び、靱性も高く、強度と靱性・延性のバランスが優れた鋼管となっている。また、潤滑圧延を行ったNo.5−2では、肉厚方向の結晶粒のばらつきが少なかった。それに比較し、本発明の範囲を外れた比較例(No.5−1、No.5−3、No.5−8、No.5−12 )では、結晶粒が粗大化し、延性、靱性が劣化している。なお、本発明範囲の製品管の組織はフェライト+パーライト、フェライト+セメンタイト、あるいはフェライト+ベイナイトであった。
(実施例6)
表9に示す化学組成を有する鋼をB1転炉で溶製し連続鋳造法によりビレットとした。このビレットを加熱し、マンネスマンマンドレル方式のミルで造管し、φ110.0mm ×T6.0mmの継目無鋼管とした。これら継目無鋼管は誘導加熱コイルで表11に示す温度に再加熱され、3ロール構造の絞り圧延機で表11に示す外径の製品管とした。なお、使用した圧延機のスタンド数は、製品管の外径がφ60.3mmの場合には18スタンド、φ42.7mmの場合には20スタンド、φ31.8mmの場合には24スタンド、φ25.4mmの場合には28スタンドとした。
【0093】
これら製品管の特性を調査し、その結果を表11に示す。製品管の特性は、組織、結晶粒径、引張特性、靱性について実施例5と同様に調査した。
【0094】
【表12】
【0095】
表11から、本発明範囲の本発明例(No.6−1、No.6−3、No.6−6、No.6−7、No.6−9)は、フェライトの平均結晶粒径が1μm 以下となり、伸び、靱性も高く、さらに強度と靱性・延性のバランスが優れた鋼管となっている。それに比較し、本発明の範囲を外れた比較例(No.6−2、No.6−4、No.6−5、No.6−8)では、フェライト結晶粒が粗大化し、延性、靱性が劣化している。
【0096】
なお、本発明範囲の製品管の組織はフェライト+パーライト、フェライト+セメンタイト、あるいはフェライト+ベイナイトであった。
(実施例7)
表12に示す化学組成を有する素材鋼管に、表13に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロール構造の絞り圧延機で表13に示す圧延条件で製品管とした。なお、使用した圧延機のスタンド数は、素材鋼管が継目無鋼管の場合には24スタンド、固相圧接管および電縫管の場合には16スタンドとした。
【0097】
表13中に示す固相圧接鋼管とは、2.3mm 厚の熱延帯鋼を600 ℃に予熱したのち、複数の成形ロールで連続的に成形しオープン管とし、ついで、オープン管両エッジ部を誘導加熱で1000℃まで予熱したのち、さらに両エッジ部を誘導加熱により融点未満の1450℃まで加熱しスクイズロールにより衝合し固相圧接して、所定外径の鋼管としたものを用いた。一方、継目無鋼管とは、連続鋳造製ビレットを加熱し、マンネスマンマンドレル方式のミルで造管し、φ110.0 ×T 4.5mmの継目無鋼管としたものを用いた。
【0098】
これら製品管の特性を調査し、その結果を表13に示す。製品管の特性は、組織、結晶粒径、引張特性、靱性について実施例1と同様に調査した。
【0099】
【表13】
【0100】
【表14】
【0101】
表13から、本発明範囲の本発明例は、フェライトの平均結晶粒径が1μm 以下となり、伸び、靱性も高く、さらに強度と靱性・延性のバランスが優れた鋼管となっている。なお、本発明範囲の製品管の組織はフェライト+パーライト、フェライト+パーライト+ベイナイト、フェライト+セメンタイト、フェライト+マルテンサイトであった。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、延性および耐衝撃特性に優れた高強度鋼管の生産性が高く、容易に製造でき、鋼管の用途を拡大でき産業上格別の効果を奏する。また、本発明によれば、耐応力腐食割れ性の優れた高強度、高靱性のラインパイプ用鋼管や、耐疲労特性の優れた高強度高延性鋼管が、合金元素量を低減して、安価に製造できるという効果もある。
【0103】
また、本発明によれば、1μm 以下という超微細結晶粒を有し高強度でかつ靱性・延性に優れた高鋼材が容易に製造でき、鋼材の用途を拡大でき産業上格別の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼管の伸びと引張強さの関係を示すグラフである。
【図2】鋼管の引張強さとフェライト粒径の関係におよぼす引張歪速度の影響を示すグラフである。
【図3】本発明の1実施例である鋼管の金属組織を示す電子顕微鏡組織写真である。
【図4】本発明の実施に好適な設備列の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の実施に好適な固相圧接鋼管製造設備と連続化した設備列の1例を示す概念図である。
【図6】本発明の1実施例を示す製品管の結晶粒径微細化におよぼす合計縮径率と素材鋼管の平均結晶粒径との関係を示すグラフである。
【図7】耐硫化物応力割れ性試験の試験片形状を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 帯鋼
2 予熱炉
3 成形加工装置
4 エッジ予熱用誘導加熱装置
5 エッジ加熱用誘導加熱装置
6 スクイズロール
7 オープン管
8 素材鋼管
14 アンコイラ
15 接合装置
16 製品管
17 ルーパ
18 切断機
19 管矯正装置
20 温度計
21 絞り圧延装置
22 均熱炉(シーム冷却および管加熱装置)
23 デスケーリング装置
24 急冷装置
25 再加熱装置
26 冷却装置
Claims (17)
- 質量%で、
C:0.005 〜0.30%、
Si:0.01〜3.0 %、
Mn:0.01〜2.0 %、
Al:0.001 〜0.10%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:A c 3 変態点〜 400 ℃に加熱したのち、圧延温度:A c 3 変態点〜 400 ℃で累積縮径率: 20 %以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする鋼管の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上から該各群のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の製造方法。
記
質量%で、
A群:Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群
B群:Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以下の群
C群:REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群 - 質量%で、
C:0.005 〜0.10%、
Si:0.01〜0.5 %、
Mn:0.01〜1.8 %
Al:0.001 〜0.10%
を含み、さらに、
Cu:0.5 %以下、Ni:0.5 %以下、Cr:0.5 %以下、Mo:0.5 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および
Nb:0.1 %以下、V:0.1 %以下、Ti:0.1 %以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、あるいはさらに、
REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:Ac3変態点〜400 ℃に加熱したのち、圧延温度:Ac3変態点〜400 ℃で累積縮径率:20%以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする延性および耐衝突衝撃特性に優れかつ耐応力腐食割れ性に優れた鋼管の製造方法。 - 質量%で、
C:0.06〜0.30%、
Si:0.01〜1.5 %、
Mn:0.01〜2.0 %、
Al:0.001 〜0.10%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋼管を、加熱温度:Ac3変態点〜400 ℃に加熱したのち、圧延温度:Ac3変態点〜400 ℃で累積縮径率:20%以上で、かつ1パス当たりの縮径率が6%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む絞り圧延を施し、組織がフェライト、あるいはフェライトと面積率で30%以下のフェライト以外の第2相とからなり、該フェライトの粒径が3μm以下であることを特徴とする延性、耐衝突衝撃特性および耐疲労特性に優れた鋼管の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上から該各群のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項4に記載の鋼管の製造方法。
記
質量%で、
A群:Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群
B群:Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 %以 下の群
C群:REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群 - 前記加熱温度を(Ac1 +50℃)〜400 ℃、前記圧延温度を(Ac1 +50℃)〜400 ℃とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 前記加熱温度を750 〜400 ℃、前記圧延温度を750 〜400 ℃とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 前記累積縮径率が60%以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 前記絞り圧延が潤滑下での圧延であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 外径ODi (mm)、鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径di(μm )の素材鋼管を加熱または均熱し、平均圧延温度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)の絞り圧延を施し外径ODf (mm)の製品管とする鋼管の製造方法において、前記絞り圧延を425 ℃以上加熱または均熱温度以下の温度範囲で、かつ前記平均結晶粒径di(μm )、前記平均圧延温度θm(℃)および前記合計縮径率Tred (%)の関係が下記(1)式を満足する絞り圧延とすることを特徴とする鋼管長手方向に直角な断面のフェライトの平均結晶粒径が1μm 以下の超微細粒を有する鋼管の製造方法。
θm:平均圧延温度(℃)=(θi+θf)/2
θi:圧延開始温度(℃)
θf:圧延終了温度(℃)
Tred :合計縮径率(%)=(ODi-ODf)×100 /ODi
ODi :素材鋼管外径(mm)
ODf :製品管外径(mm) - 前記絞り圧延を425 ℃〜775 ℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項10に記載の鋼管の製造方法。
- 前記素材鋼管の加熱または均熱をAc3 変態点以下の温度範囲とすることを特徴とする請求項10または11に記載の鋼管の製造方法。
- 前記素材鋼管の加熱または均熱を該素材鋼管のAc1変態点を基準にし、(Ac1+50℃)以下の温度範囲とすることを特徴とする請求項10または11に記載の鋼管の製造方法。
- 前記絞り圧延が潤滑下での圧延であることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 前記素材鋼管が質量%で、C:0.60%以下を含有する鋼管である請求項10ないし14のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
- 前記素材鋼管が質量%で、
C:0.005 〜0.30%、
Si:0.01〜3.0 %、
Mn:0.01〜2.0 %、
Al:0.001 〜0.10%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の鋼管の製造方法。 - 前記素材鋼管が質量%で、
C:0.005 〜0.30%、
Si:0.01〜3.0 %、
Mn:0.01〜2.0 %、
Al:0.001 〜0.10%
を含み、さらに、下記A〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上から該各群のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
記
A群:Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2%以下、Mo:1%以下の群
B群:Nb:0.1 %以下、V:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、B:0.005 % 以下の群
C群:REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下の群
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