JP3811713B2 - 紙離れ促進剤および紙切れ防止方法 - Google Patents

紙離れ促進剤および紙切れ防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙離れ促進剤および紙切れ防止方法に関する。さらに詳しくは、この発明は、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面から紙が速やかに離れることを促進する紙離れ促進剤およびこれを用いた紙切れ防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、製紙工場においては、生産性の向上を図るため、抄紙機は高い抄紙速度で運転されている。このような抄紙機の高速運転に伴って、紙切れが頻繁に発生し、生産性が低下するという問題が生じている。
紙切れの原因の多くは、抄紙工程水中に含まれるスライム、ピッチおよびスケールなどが絡み合ったデポジットに由来する。このようなデポジットの生成を防止するために、各種工業用殺菌剤、ピッチコントロール剤およびスケール防止剤などを抄紙工程水に添加する方法が採用されてきた。
【0003】
また、上記のデポジットが生成していない、あるいは適切なデポジット生成防止対策を実施しているにも拘らず、紙切れが頻繁に発生し、生産性が低下するという問題もあった。
特に、坪量〔紙および板紙の面積1m2 当たりの重量(g)〕が100g以下の上質紙、中質紙、クラフト紙(未晒、半晒)および新聞紙などの抄紙工程において、抄紙速度が800m/分以上の場合に、紙切れが頻繁に発生している。
【0004】
紙切れが発生すると、抄紙工程の操業を一時停止する必要がある。また、このような時間的な損失のみならず、操業再開のための作業には多大な労力を要する。そこで、必要に応じて、抄紙速度を低下させて、紙切れを防止する方法も採用されてきた。
しかしながら、抄紙速度を低下させると、紙の生産性が低下してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、かかる現状に鑑み、抄紙速度を低下させることなく、坪量の少ない紙の生産においても、紙切れを防止することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者らは、上記のような現状と認識に鑑み、抄紙機のプレスパート部の紙切れの原因を検討した結果、抄紙速度が高くなるのに伴って、紙と直接接触するロールからの紙離れが悪化し、引張応力(張力)が増加し、坪量が小さいとその応力に抵抗しきれなくなることを見出し、この発明を完成するに到った。
【0007】
かくして、この発明によれば、分子量10,000〜200,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩と、炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩と、ホスホン酸化合物とを有効成分として含有することを特徴とする抄紙機のプレスパート部におけるロールの紙離れ促進剤が提供される。
【0008】
また、この発明によれば、上記の薬剤を、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に散布することを特徴とする紙切れ防止方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明で用いられる分子量10,000〜200,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩は、一般式(I):
【0010】
【化1】
Figure 0003811713
【0011】
(式中、Xはハロゲン原子または鉱酸アニオン、nは整数)
で表される。
【0012】
一般式(I)におけるXの「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などが挙げられる。なかでも、塩素が特に好ましい。
また、Xの「鉱酸アニオン」としては、硫酸、硝酸、リン酸および炭酸などのアニオン、すなわちHSO4 - 、NO3 - 、H2 PO4 - およびHCO3 - などが挙げられる。
一般式(I)におけるnは、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩の分子量が10,000〜200,000に相当する整数である。
【0013】
一般式(I)で表されるポリジアリルジメチルアンモニウム塩としては、具体的にはポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ポリジアリルジメチルアンモニウムナイトレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムサルフェイトおよびポリジアリルジメチルアンモニウムホスフェイトなどが挙げられ、なかでもポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
【0014】
ポリジアリルジメチルアンモニウム塩の分子量は、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000が特に好ましい。
分子量が上記の範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得られる。
【0015】
この発明で用いられる分子量10,000〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物は、一般式(II):
【0016】
【化2】
Figure 0003811713
【0017】
(式中、Rはメチル基またはエチル基、mは整数)
で表される。
【0018】
一般式(II)におけるmは、エピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物の分子量が10,000〜200,000に相当する整数である。
【0019】
一般式(II)で表されるエピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物としては、例えばエピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物およびエピクロルヒドリンジエチルアミン縮合物などが挙げられ、エピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物が特に好ましい。
【0020】
エピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物の分子量は、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000が特に好ましい。
分子量が上記の範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得られる。
【0021】
この発明で用いられる炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩としては、具体的には、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムブロマイド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムブロマイド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドおよびオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。これらのアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、2種以上の化合物が混合されたものであってもよい。例えば、炭素数12〜16のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドの混合物が挙げられる。
【0022】
この発明で用いられる上記の4級アンモニウム化合物は、いずれも公知のカチオン界面活性剤であり、市販のものを使用することができる。
この発明においては、これらの4級アンモニウム化合物から選択される1種または2種以上の混合物が用いられる。これらの4級アンモニウム化合物の混合物が用いられる場合、その組み合わせおよび混合割合は、特に限定されないが、紙離れ促進効果の点から、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩またはエピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物とアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩との混合物が好ましい。
【0023】
この発明の紙離れ促進剤は、有効成分となる上記の4級アンモニウム化合物を適当な溶媒で希釈した製剤として用いることが好ましい。なかでも、製剤は水を溶媒とした水溶液の形態が好ましい。
その製剤中の有効成分の配合割合は、製剤100重量部中、有効成分を5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部とするのが好ましい。
【0024】
この発明の紙離れ促進剤は、ホスホン酸化合物をさらに含有することにより、紙離れ促進効果を向上させることができる。
ホスホン酸化合物としては、具体的には、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、トリメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチルホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノプロパン−1,1−ジホスホン酸および1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸など、ならびにそれらのアルカリ金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩およびカリウム塩などが挙げられる。なかでも、紙離れ促進効果の点から、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸および1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸が好ましい。
【0025】
ホスホン酸化合物の併用割合は、4級アンモニウム化合物1重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。併用割合が上記の範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得られる。
【0026】
この発明の紙離れ促進剤の適用場面としては、「抄紙機のプレスパート部における紙が直接接触するロール」が挙げられる。
「抄紙機のプレスパート部」とは、抄紙された紙をドライパート部で乾燥させる前工程にあたる部分で、フェルトおよび毛布などで紙の含水率を約70〜55%程度に低下させることを目的として設けられている。また、「紙が直接接触するロール」とは、例えば、センターロールおよびトップロールなどである。
【0027】
この発明によれば、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に、前記の薬剤を散布することを特徴とする紙切れ防止方法が提供される。
【0028】
散布方法としては、ロールを洗浄するために散布されるシャワー水に添加するのが好ましい。この方法であれば、新たな設備を必要とせず、作業性および希釈性の点でも好ましい。
ロール全体に前記の薬剤が均一に散布されるのが好ましく、ロールに平行にドクター等の掻き取り装置が設置されている場合には、ロールの回転に対して、掻き取り装置の前方の任意の箇所で薬剤を散布するのが好ましい。
【0029】
また、有効成分のシャワー水中への添加は連続的であっても、間欠的であってもよい。
添加量は、有効成分がシャワー水中で5〜500mg/l、好ましくは10〜200mg/lとなる量であればよい。
【0030】
この発明の紙離れ促進剤は、ロールの表面の滑り性を向上させ、ロールからの紙離れを促進する結果、紙切れを防止できる。
【0031】
この発明の方法は、紙切れが発生しやすい、坪量が100g以下の上質紙、中質紙、クラフト紙(未晒、半晒)および新聞紙などの抄紙工程における抄紙機、特に抄紙速度が800m/分以上の抄紙機に用いたときに、その効果が顕著である。
【0032】
【実施例】
この発明を実施例および試験例により以下に説明するが、この発明はこれらの実施例および試験例により限定されるものではない。
なお、実施例1〜6および9ならびにこれらの実施例の薬剤を使用する試験例は、すべて参考例である。
【0033】
(実施例1〜9および比較例1〜11)
実施例1
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 15重量部
(分子量50,000)
水 85重量部
実施例2
エピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物 15重量部
(分子量50,000)
水 85重量部
実施例3
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部
(分子量50,000)
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部
水 85重量部
【0034】
実施例4
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部
(分子量50,000)
1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 3重量部
水 85重量部
実施例5
エピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物 12重量部
(分子量50,000)
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部
水 85重量部
実施例6
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部
(分子量50,000)
アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 3重量部
アンモニウムクロライド
水 85重量部
【0035】
実施例7
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 10重量部
(分子量50,000)
アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 2重量部
アンモニウムクロライド
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部
水 85重量部
実施例8
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 10重量部
(分子量50,000)
アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 2重量部
アンモニウムクロライド
1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 3重量部
水 85重量部
実施例9
アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 15重量部
アンモニウムクロライド
水 85重量部
【0036】
比較例1
ジシアンジアミド−ホルマリン縮合 15重量部
(分子量30,000、米国特許第3,582,461号公報参照)
水 85重量部
比較例2
ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体 15重量部
(分子量100,000、特公平4−8556号参照)
水 85重量部
比較例3
ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物(分子量30,000)12重量部
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部
水 85重量部
【0037】
比較例4
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 15重量部
水 85重量部
比較例5
1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 15重量部
水 85重量部
比較例6
ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル・エチレン 15重量部
オキサイド10モル付加物(以下、エチレンオキサイドを「EO」と略す)
水 85重量部
【0038】
比較例7
ポリエチレングリコールオレイルエーテル・EO24モル 15重量部
付加物(ピッチコントロール剤)
水 85重量部
比較例8
第2級アルコール(炭素数12〜14)・EO9モル付加物 15重量部
水 85重量部
比較例9
ポリプロピレングリコール・EO付加物 15重量部
(プルロニック型非イオン界面活性剤、ポリプロピレングリコールの
平均分子量2,050、EO40重量%、三洋化成社製、商品名:
ニューポールPE−74)
水 85重量部
【0039】
比較例10
ステアリルアミン・EO18モル付加物 15重量部
(ピッチコントロール剤)
水 85重量部
比較例11
ステアリルアミン・EO18モル付加物 10重量部
トール油脂肪酸アミド 5重量部
水 85重量部
【0040】
(試験例1)
抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するプレスロールに使用されている人造石〔ユニロック(登録商標)、株式会社金陽社製〕のロール(以下、「ロール」と略す)を用いて、紙離れ促進効果を試験した。なお、このロールは、本卓上試験用に株式会社金陽社で製作された。
実施例および比較例の各薬剤の0.5%水溶液を、回転可能なロール(外径57mm×長さ165mm)表面に市販の噴霧器で均一に散布した(10回)。次いで、薬剤散布後のロール表面の滑り性およびベタ付き性を触感で観察した。
【0041】
観察後、このロールに、別途製造した含水率60%の湿潤紙(幅120mm×長さ140mm)をロール表面に沿って貼り付け、湿潤紙を一様な力(約50gf)で引っ張り、そのときのロールの回転角度(θ°)を測定した。図1に試験装置の断面の模式図を示す。なお、薬剤を用いない系についても同様に試験した。
【0042】
この試験は、ロールと湿潤紙との間の摩擦の変化によって、湿潤紙に一様な引っ張り応力を加えたときのロールの回転角度が変化することを利用するものであり、ロールの回転角度が小さい程、紙離れがよいことを意味する。
滑り性を5段階で評価し、各試験について1〜5の評点を付した。数値が大きい程、滑り性がよいことを意味する。また、ベタ付き性は、ベタ付きがない場合に「○」を、ある場合に「×」を付した。得られた結果を散布した薬剤とともに表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003811713
【0044】
(試験例2)
中質紙を製造するA製紙工場の抄紙機(抄紙速度1000m/分)において、プレスパート部のセンターロールのドクターシャワー水(120l/分)に、実施例7の薬剤を有効成分が75mg/lとなるように連続的に添加した。
試験開始から2週間、紙切れは1回も発生しなかった。また、試験途中で抄紙速度を1100m/分にしたにも拘らず、紙切れは発生しなかった。
一方、薬剤を添加しない系について同様に2週間試験したところ、センターロールにおいて1日平均2回の紙切れが発生した。
なお、薬剤の添加、無添加に拘らず、センターロールにはピッチなどの付着物のないことが目視により確認できた。
【0045】
試験例2の結果から、薬剤を添加した系では薬剤を添加しない系に比べて、紙切れによる作業上の手間を大幅に削減できることがわかる。具体的には、薬剤を添加した系では、紙の生産量が約20%も増加した。
【0046】
(試験例3)
新聞紙を製造するB製紙工場の抄紙機(抄紙速度1200m/分)において、プレスパート部のセンターロールのドクターシャワー水(200l/分)に、実施例7の薬剤を有効成分が75mg/lとなるように連続的に添加した。
また、実施例7の薬剤の代わりに、比較例1、比較例7および比較例11の薬剤を用いて同様に10日間試験した。
【0047】
実施例7の薬剤を用いた場合、試験開始から10日間、紙切れは1回も発生しなかった。また、試験途中で抄紙速度を1300m/分にしたにも拘らず、紙切れは発生しなかった。
一方、比較例1、比較例7および比較例11の薬剤を用いた場合、センターロールにおいて1日平均1回の紙切れが発生した。
なお、薬剤の種類に拘らず、センターロールに少量のピッチが付着していることを目視により確認した。
【0048】
試験例3の結果から、本発明の薬剤を添加した系では、紙切れによる作業上の手間を大幅に削減できることがわかる。具体的には、この系では、紙の生産量が約15%も増加した。
【0049】
【発明の効果】
この発明の抄紙機のプレスパート部におけるロールの紙離れ促進剤は、分子量10,000〜200,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩、分子量10,000〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物および炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩から選択される4級アンモニウム化合物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0050】
また、この発明の紙切れ防止方法は、上記の4級アンモニウム化合物を含有する薬剤を、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に散布することを特徴とする。
【0051】
この発明の紙離れ促進剤は、ロールの表面の滑り性を向上させ、ロールからの紙離れを促進する結果、紙切れを防止することができる。
したがって、抄紙速度を低下させることなく、坪量の少ない紙の生産においても、紙切れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1の試験装置の断面の模式図である。

Claims (4)

  1. 分子量10,000〜200,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩と、炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩と、ホスホン酸化合物とを有効成分として含有することを特徴とする抄紙機のプレスパート部におけるロールの紙離れ促進剤。
  2. 水溶液の形態にある請求項1に記載の紙離れ促進剤。
  3. 分子量10,000〜200,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩と、炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩と、ホスホン酸化合物とを含有する薬剤を、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に散布することを特徴とする紙切れ防止方法。
  4. 薬剤をシャワー水に添加して散布する請求項に記載の方法。
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