JP2003328296A - ピッチコントロール剤およびこれを用いたピッチ障害の抑制方法 - Google Patents

ピッチコントロール剤およびこれを用いたピッチ障害の抑制方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルプおよび紙の製造工程におけるピッチ障
害を抑制することができるピッチコントロール剤および
これを用いたピッチ障害の抑制方法を提供することであ
る。 【解決手段】 下記の(a)成分、または(a)および(b)成
分を含む水溶液からなるピッチコントロール剤を使用す
る。 (a) 少なくともポリオキシエチレン鎖を有するポリ低
級アルキレンオキシドにポリ低級アルキレンイミンが付
加した化合物であり、この化合物中のポリオキシエチレ
ン鎖部分の合計重量が該化合物の総重量の50重量%以
上であり、さらに該化合物の数平均分子量が1,000
〜100,000であるポリエーテル化合物誘導体。 (b) 非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
ポリエチレンイミン誘導体を除くカチオン性ポリマー、
および有機ホスホン酸からなる群より選ばれる少なくと
も一種の成分。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材パルプ、古紙
パルプ等のパルプ、および紙の製造工程において問題と
なるピッチの付着を防止するためのピッチコントロール
剤およびこれを用いたピッチ障害の抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙パルプ産業は、パルプ化工程から始ま
る各工程において、永年、ピッチ障害(ピッチトラブ
ル)に悩まされている。特に、近年の白水の再利用率向
上等によるシステムのクローズ化の推進や、木材資源の
不足を背景として、原料の多様化、特に、填料の多い古
紙や樹脂分の多い南洋材の使用割合の増大や、更には、
製品である紙の多様化に伴って、用いる化学薬品の種類
も多様化し、また、その量も増大しており、ピッチ障害
の様相が更に複雑なものとなっている。
【0003】一般に、製紙工程は、パルプ調成、抄造
(脱水、乾燥)、必要に応じて塗工等の各工程からな
る。脱水工程のワイヤーパートでは、パルプスラリー
(紙料)に含まれる大部分の水が除去されて湿紙とな
る。この時点では、湿紙はまだ多くの水を含んでいるの
で、この湿紙をそのまま乾燥すると多量のエネルギーを
必要として経済的にも不利であるため、さらにプレスパ
ート(搾水部)において機械的なプレスにより脱水し、
その後、ドライパート(乾燥部)において乾燥する。こ
れらの工程における抄紙機回り、特に、ワイヤーパート
とプレスパートとからなるウェットパートを構成する部
材に付着するピッチによる汚れは、紙製造において操業
効率や最終製品の品質に直接影響を及ぼすので、深刻な
問題となっている。
【0004】ここで、「ピッチ」とは、紙製造におい
て、パルプ(GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカ
ニカルパルプ)、KP(クラフトパルプ)、DIP(脱
インキパルプ)等)が含有する樹脂状物質を総称するも
のであり、当初パルプスラリー中に分散していたもの
が、pH、温度、イオン強度等の変化によって凝集し粘
着性の物質となって製紙工程における種々のトラブルの
原因となる。例えば、このピッチが設備装置に付着し集
積することにより、製品を汚染したり、あるいは穴あき
等の欠陥を発生させる。このようなピッチの発生源は、
大別すると、第1に、木材由来の樹脂酸、脂肪酸、アル
コール、不ケン化物又はパルプ化工程で変質したもの、
第2には、古紙パルプからの接着剤、インクビヒクル
等、そして、第3には、製造時の内添薬品であるデンプ
ン、合成紙力増強剤、サイズ剤等の未定着分の3つに分
類することができる。
【0005】上記のようなピッチ障害を防止し、又は軽
減するために、従来から、ポリジアリルジメチルアンモ
ニウムクロリド、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン
縮合物等を含む種々のピッチコントロール剤が提案され
ている。例えば、特公昭45−25322号公報、特開
昭55−84491号公報、特開昭55−80598号
公報、特開昭63−264993号公報、特開平3−2
44698号公報、特開平4−352898号公報、特
開平4−202299号公報、特開平4−300383
号公報等には有機系や無機系のピッチコントロール剤が
種々提案されているが、いずれも満足すべきピッチ障害
の抑制効果を達成するには至っていない。
【0006】更に、近年においては、上述したピッチ障
害と共に、微生物に起因するスライム障害(スライムト
ラブル)も多く発生しており、スライムが製紙設備に付
着すると、操業を妨げたり、製品を汚染したりする。こ
のように、ピッチ障害とスライム障害が併発すると相乗
的に障害を増大させて所謂デポジットトラブルを引き起
こす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、パルプおよび紙の製造工程におけるピッチ障害
を抑制することができるピッチコントロール剤およびこ
れを用いたピッチ障害の抑制方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パルプお
よび紙の製造工程における上記課題を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果、少なくともポリオキシエチレン鎖を有
するポリ低級アルキレンオキシドにポリ低級アルキレン
イミンが付加した化合物、またはこの化合物と、非イオ
ン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポ
リマー、および有機ホスホン酸からなる群より選ばれる
少なくとも一種の成分とを含む組成物が、従来のピッチ
コントロール剤に比べて、高いピッチ付着防止作用を有
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明にかかるピッチコントロ
ール剤は、下記の(a)成分、または(a)および(b)成分を
含む水溶液からなることを特徴とするピッチコントロー
ル剤。 (a) 少なくともポリオキシエチレン鎖を有するポリ低
級アルキレンオキシドにポリ低級アルキレンイミンが付
加した化合物であり、この化合物中のポリオキシエチレ
ン鎖部分の合計重量が該化合物の総重量の50重量%以
上であり、さらに該化合物の数平均分子量が1,000
〜100,000であるポリエーテル化合物誘導体。 (b) 非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
ポリエチレンイミン誘導体を除くカチオン性ポリマー、
および下記の一般式(I)で表される有機ホスホン酸か
らなる群より選ばれる少なくとも一種の成分。
【化2】
【0010】本発明にかかるピッチ障害の抑制方法は、
上記ピッチコントロール剤をパルプスラリーに添加する
ものである。また、本発明方法では、上記ピッチコント
ロール剤を抄紙機におけるプレスパートのロールの表面
に適用してもよく、また、上記ピッチコントロール剤を
抄紙機におけるプレスパートのフェルトの表面に適用し
てもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て詳細に説明する。本発明にかかるピッチコントロール
剤は、上記の(a)成分、または(a)および(b)成分を含む
水溶液からなるものである。(a)および(b)成分を混合す
る場合の各成分の配合比率は、(a)成分1〜99重量部
に対して、(b)成分が99〜1重量部であればよい。
【0012】本発明における(a)成分は、例えば、ポリ
低級アルキレンオキシドにポリ低級アルキレンイミンを
付加させることにより得られる。
【0013】前記ポリ低級アルキレンオキシドは、アル
キレン基の炭素数が2〜6、好ましくは炭素数が2また
は3であるのがよい。このポリ低級アルキレンオキシド
は、具体的には、エチレンオキシドの単独重合体または
これにプロピレンオキシド等の他の低級アルキレンオキ
シドの二量体以上の重合体が付加したものである。前記
ポリ低級アルキレンイミンは、アルキレン基の炭素数が
2〜6、好ましくは炭素数が2または3、より好ましく
はポリエチレンイミンであるのがよい。
【0014】(a)成分中のポリオキシエチレン鎖部分の
合計重量は(a)成分の総重量の50重量%以上、好まし
くは50重量%以上90重量%以下であるのがよい。ま
た、(a)成分中のポリ低級アルキレンイミンの重量は(a)
成分の総重量の10重量%以上50重量%以下であるの
がよい。さらに、(a)成分中のポリオキシエチレン鎖以
外のポリオキシアルキレン鎖部分の合計重量は(a)成分
の総重量の40重量%未満であるのがよい。(a)成分の
数平均分子量は1,000〜100,000であるのが
よい。
【0015】(a)成分の具体例として、ポリ低級アルキ
レンオキシドがポリエチレンオキシド単独である場合の
化学式を下記に示す。
【化3】
【0016】次に、前記(b)成分について説明する。本
発明における前記非イオン性界面活性剤は、活性水素を
有する化合物へのアルキレンオキシド付加物からなるの
が好ましい。
【0017】前記活性水素を有する化合物としては、脂
肪族アルコール、アルキルフェノール、ソルビタン脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリス
リトール脂肪酸エステル等のような多価アルコール脂肪
酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アミン等を
例示することができる。上記化合物を構成する各脂肪酸
は飽和および不飽和のいずれであってもよい。
【0018】上記のような活性水素を有する化合物への
アルキレンオキシド付加物としては、例えば、脂肪族ア
ルコールへのアルキレンオキシド付加物であるポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル、アルキルフェノールへ
の付加物であるポリオキシアルキレンアルキルフェニル
エーテル、ソルビタン脂肪酸エステルへの付加物である
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステルへの付加物であるポリオキシアル
キレングリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトー
ル脂肪酸エステルへの付加物であるポリオキシアルキレ
ンペンタエリスリトール脂肪酸エステル、脂肪酸への付
加物であるポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪
酸アミドへの付加物であるポリオキシアルキレン脂肪酸
アミド、脂肪族アミンへの付加物であるポリオキシアル
キレン脂肪族アミン等を挙げることができる。
【0019】また、前記カチオン性界面活性剤として
は、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドおよび
アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェー
トからなる群より選ばれた一種または二種以上の化合物
であるのが好ましい。
【0020】また、前記カチオン性ポリマーとしては、
ビニルアミン単位を有するポリマー(例えばポリビニル
アミン等)、水溶性のポリアミドアミン、ポリジアリル
ジメチルアンモニウムハロゲニド、ジアルキルアミン−
エピハロヒドリン縮合物、カチオン性ポリアクリルアミ
ド、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド縮合物および
ジシアンジアミド−ポリアルキレンアミン縮合物からな
る群より選ばれた一種または二種以上の化合物であるの
が好ましい。
【0021】さらに、前記有機ホスホン酸誘導体として
は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
等が挙げられる。
【0022】本発明のピッチコントロール剤は、上記
(a)成分、または(a)および(b)成分を水に加えて溶解さ
せることにより得ることができる。このとき、必要に応
じて有機溶剤を添加してもよい。水に添加する(a)成分
は、その濃度が0.1〜80重量%程度となるように添
加するのがよい。また、水に添加する(a)および(b)成分
は、その合計濃度が0.5〜95重量%程度となるよう
に添加するのがよい。
【0023】次に、本発明のピッチ障害抑制方法につい
て説明する。パルプおよび紙の製造工程におけるピッチ
障害を抑制するためにピッチコントロール剤を使用する
際には、上記ピッチコントロール剤をそのまま用いても
よく、必要に応じてタルク、硫酸バンド等の他の成分を
添加して用いてもよい。
【0024】本発明のピッチコントロール剤を抄紙前の
パルプスラリーに添加することによって、抄紙工程にお
けるピッチ障害を有効に抑制することができる。ピッチ
コントロール剤の添加量は、パルプスラリー中のピッチ
量に応じて適宜設定すればよいが、通常、パルプ(固形
分)100重量部に対して、ピッチコントロール剤中の
(a)成分、または(a)および(b)成分が0.01〜0.2
5重量部の範囲であるのがよい。パルプスラリー中にピ
ッチコントロール剤を添加する場所は、特に限定されな
いが、例えば抄紙工程で使用されるミキシングチェス
ト、マシンチェスト、ファンポンプ等の各種設備中に添
加することができる。
【0025】また、本発明のピッチコントロール剤は、
これを抄紙機におけるプレスパートのフェルト、ロール
等の表面に注ぐことによっても、ピッチ障害を有効に抑
制することができる。
【0026】図1は、抄紙機におけるプレスパートのロ
ール構成の一例であるトランスフォーマー型2ニップコ
ンバインドプレスのロール構成を示す概略図である。図
1に示すように、ワイヤパート(図示せず)からプレス
パートに送られてきた湿紙7は、ピックアップロール1
を経てピックアップフェルト9に重ねられ、No.1プ
レスロール2およびNo.1プレスストーンロール24
で構成されるNo.1プレスと、No.2プレスロール
3およびNo.2プレスストーンロール4で構成される
No.2プレスにて搾水され、更に、No.3プレスロ
ール5およびNo.3プレスストーンロール6で構成さ
れるNo.3プレスにて搾水される。その間、ロール4
からペーパーロール11の間がオープンドローとなる。
符号8はNo.1プレスフェルトであり、符号10はN
o.3プレスフェルトである。
【0027】図2は、図1におけるロール4およびロー
ル6、並びにその周辺を示す要部斜視図である。図2に
示すように、ロールの表面に付着した微細物や滓を除去
してロール表面を清浄に保つためのドクターブレード1
5がロール4に接するように配置されている。また、ロ
ール4の表面にピッチコントロール剤を注ぐためのシャ
ワーパイプ12が、ロール4およびドクターブレード1
5に近接して配置されている。ロール6には、ドクター
ブレード21,22がこのロール6に接するように配置
されており、これらのドクターブレード21,22に近
接してシャワーパイプ19および滴下装置20がそれぞ
れ配置されている。
【0028】薬液タンク14には、本発明のピッチコン
トロール剤が入れられている。このピッチコントロール
剤は、薬液タンク14から定量ポンプ17aおよび17
bによりそれぞれ送液され、ドクターブレード15,2
1,22に注ぐ温水を送液するための配管25,26,
27に圧入され、この温水とともにシャワーパイプ1
2、シャワーパイプ19および滴下装置20からドクタ
ーブレード15,21,22にそれぞれ吹き付けられ
る。吹き付けられたピッチコントロール剤は、ドクター
ブレード15,21,22によりロール4,6の表面全
域に均一に引き伸ばされる。このピッチコントロール剤
は、連続的に注いでもよく、断続的に注いでもよい。ま
た、ピッチコントロール剤は、ドクターブレード15,
21,22に吹き付ける以外に、ロール4,6の表面に
直接吹き付けてもよい。これにより、ロール4,6の表
面にピッチが堆積するのを防止することができる。
【0029】上記ピッチコントロール剤は、ドクターブ
レード15,21,22またはロール4,6に吹き付け
る時点における (a)成分の濃度が0.01〜1重量%に
なるように、または(a)成分および(b)成分の合計濃度が
0.01〜1重量%になるように濃度調整される。ま
た、ピッチコントロール剤の添加量は、装置の寸法、紙
匹の駆動速度等に応じて適宜設定されるものであり、特
に限定されないが、通常、1〜40cc/分・mの範囲
であり、好ましくは5〜20cc/分・mの範囲である
のがよい。
【0030】また、フェルト10には、シャワーパイプ
18がこのフェルト10に近接して配置されている。薬
液タンク13から定量ポンプ23により上記と同じピッ
チコントロール剤が送液され、シャワーパイプ18から
フェルト10の全幅にわたって吹き付けられる。これに
より、フェルト10表面へのピッチの堆積を防止するこ
とができる。
【0031】なお、上記実施形態では、ピッチコントロ
ール剤を抄紙機におけるプレスパートのロールの表面お
よびフェルトの表面に適用する手段としてシャワーパイ
プを用いた場合について説明したが、該適用手段として
はドクターブレードやロールにピッチコントロール剤を
付着させることができるものであれば特に限定されな
い。
【0032】また、本発明のピッチコントロール組成物
は、ピッチ障害を抑制することができるだけでなく、ス
ライム障害をも抑制することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 (ピッチ障害に対する抑制効果の確認)下記配合組成の
ピッチコントロール剤を用いて、中芯原紙用パルプのピ
ッチ障害に対する抑制効果を、J.TAPPI紙パルプ
試験方法No.11のパルプピッチの金網付着量試験方
法に従ってピッチテスターにてピッチの付着試験を行う
ことによって評価した。
【0035】下記の配合組成に示す括弧内の数字は、括
弧の直後のエチレンイミンまたはオキシアルキレンの繰
り返し単位の数を示す。また、(a)成分中のポリオキシ
エチレン鎖部分の合計重量は、(a)成分の総重量の約7
6重量%に相当する。 <実施例1に用いたピッチコントロール剤の配合組成> (a)成分:ポリ(14)エチレンイミンポリ(50)オキシエチレン(2)オキシプロ ピレン 20重量部 (b)成分:ポリ(8)オキシエチレンポリ(2)オキシプロピレントリデシルエー テル 2重量部 水 78重量部
【0036】試験温度は50℃とし、硫酸バンドを用い
て、パルプスラリーのPHを5.5または4.5に調節
し、金網(ワイヤー)へのピッチ付着量およびピッチ除
去率を求めた。ピッチコントロール剤の添加量は、パル
プスラリー100重量部に対して、0(ブランク),
0.01重量部,0.05重量部,0.10重量部とし
た。ピッチの除去率は下式により求めた。測定結果を表
1に示す。
【数1】
【0037】実施例2 ピッチコントロール剤として下記配合組成のものを用い
た他は、実施例1と同様にして、ピッチ障害に対する抑
制効果を調べた。測定結果を表1に示す。
【0038】 <実施例2に用いたピッチコントロール剤の配合組成> (a)成分:ポリ(14)エチレンイミンポリ(50)オキシエチレン 20重量部 水 80重量部
【0039】比較例1 ピッチコントロール剤として下記配合組成のものを用い
た他は、実施例1と同様にして、ピッチ障害に対する抑
制効果を調べた。測定結果を表1に示す。
【0040】 <比較例1に用いたピッチコントロール剤の配合組成> ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド 20重量部 水 80重量部
【0041】比較例2 ピッチコントロール剤として下記配合組成のものを用い
た他は、実施例1と同様にして、ピッチ障害に対する抑
制効果を調べた。測定結果を表1に示す。
【0042】 <比較例2に用いたピッチコントロール剤の配合組成> ジメチルアミン・エピクロルヒドリン縮合物 50重量部 水 50重量部
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、パルプおよび紙の製造
工程におけるピッチ障害を抑制することができるので、
製品の汚染や穴あき等の不良品の発生が低減し、操業効
率および最終製品の品質が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】抄紙機におけるプレスパートのロール構成の一
例を示す概略図である。
【図2】図1におけるNo.2プレスストーンロール4
およびNo.3プレスストーンロール6、並びにその周
辺を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1・・・ピックアップロール、2・・・No.1プレス
ロール、3・・・No.2プレスロール、4・・・N
o.2プレスストーンロール、5・・・No.3プレス
ロール、6・・・No.3プレスストーンロール、7・
・・湿紙、8・・・No.1プレスフェルト、9・・・
ピックアップフェルト、10・・・No.3プレスフェ
ルト、11・・・ペーパーロール、12・・・シャワー
パイプ、13・・・フェルト洗浄剤タンク、14・・・
薬液タンク、15,16・・・ドクターブレード、17
a,17b・・・定量ポンプ、18,19・・・シャワ
ーパイプ、20・・・滴下装置、21,22・・・ドク
ターブレード、23・・・定量ポンプ、24・・・N
o.1プレスストーンロール、25,26,27・・・
配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J031 AA53 AA57 AB04 AC09 AD01 AF14 4L055 AG34 AG39 AG65 AG73 AG77 AG80 AG88 AH22 AH50 EA30 EA32 FA06 FA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)成分、または(a)および(b)成分
    を含む水溶液からなることを特徴とするピッチコントロ
    ール剤。 (a) 少なくともポリオキシエチレン鎖を有するポリ低
    級アルキレンオキシドにポリ低級アルキレンイミンが付
    加した化合物であり、この化合物中のポリオキシエチレ
    ン鎖部分の合計重量が該化合物の総重量の50重量%以
    上であり、さらに該化合物の数平均分子量が1,000
    〜100,000であるポリエーテル化合物誘導体。 (b) 非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
    ポリエチレンイミン誘導体を除くカチオン性ポリマー、
    および下記の一般式(I)で表される有機ホスホン酸か
    らなる群より選ばれる少なくとも一種の成分。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1記載のピッチコントロール剤をパ
    ルプスラリーに添加することを特徴とするピッチ障害の
    抑制方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のピッチコントロール剤を抄
    紙機におけるプレスパートのロールの表面に適用するこ
    とを特徴とするピッチ障害の抑制方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のピッチコントロール剤を抄
    紙機におけるプレスパートのフェルトの表面に適用する
    ことを特徴とするピッチ障害の抑制方法。
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