JP2000096488A - 紙離れ促進剤および紙切れ防止方法 - Google Patents

紙離れ促進剤および紙切れ防止方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抄紙速度を低下させることなく、坪量の少な
い紙の生産においても、紙切れを防止することを課題と
する。 【解決手段】 分子量10,000〜200,000の
ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、分子量10,0
00〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキル
アミン縮合物および炭素数12〜18のアルキル基を有
するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩から選択
される4級アンモニウム化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする、抄紙機のプレスパート部における
ロールの紙離れ促進剤により、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紙離れ促進剤お
よび紙切れ防止方法に関する。さらに詳しくは、この発
明は、抄紙機のプレスパート部の紙が直接接触するロー
ルの表面から紙が速やかに離れることを促進する紙離れ
促進剤およびこれを用いた紙切れ防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製紙工場においては、生産性の向
上を図るため、抄紙機は高い抄紙速度で運転されてい
る。このような抄紙機の高速運転に伴って、紙切れが頻
繁に発生し、生産性が低下するという問題が生じてい
る。紙切れの原因の多くは、抄紙工程水中に含まれるス
ライム、ピッチおよびスケールなどが絡み合ったデポジ
ットに由来する。このようなデポジットの生成を防止す
るために、各種工業用殺菌剤、ピッチコントロール剤お
よびスケール防止剤などを抄紙工程水に添加する方法が
採用されてきた。
【0003】また、上記のデポジットが生成していな
い、あるいは適切なデポジット生成防止対策を実施して
いるにも拘らず、紙切れが頻繁に発生し、生産性が低下
するという問題もあった。特に、坪量〔紙および板紙の
面積1m2 当たりの重量(g)〕が100g以下の上質
紙、中質紙、クラフト紙(未晒、半晒)および新聞紙な
どの抄紙工程において、抄紙速度が800m/分以上の
場合に、紙切れが頻繁に発生している。
【0004】紙切れが発生すると、抄紙工程の操業を一
時停止する必要がある。また、このような時間的な損失
のみならず、操業再開のための作業には多大な労力を要
する。そこで、必要に応じて、抄紙速度を低下させて、
紙切れを防止する方法も採用されてきた。しかしなが
ら、抄紙速度を低下させると、紙の生産性が低下してし
まう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる現
状に鑑み、抄紙速度を低下させることなく、坪量の少な
い紙の生産においても、紙切れを防止することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
上記のような現状と認識に鑑み、抄紙機のプレスパート
部の紙切れの原因を検討した結果、抄紙速度が高くなる
のに伴って、紙と直接接触するロールからの紙離れが悪
化し、引張応力(張力)が増加し、坪量が小さいとその
応力に抵抗しきれなくなることを見出し、この発明を完
成するに到った。
【0007】かくして、この発明によれば、分子量1
0,000〜200,000のポリジアリルジメチルア
ンモニウム塩、分子量10,000〜200,000の
エピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合物および炭素
数12〜18のアルキル基を有するアルキルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩から選択される4級アンモニウム
化合物を有効成分として含有することを特徴とする抄紙
機のプレスパート部におけるロールの紙離れ促進剤が提
供される。
【0008】また、この発明によれば、上記の4級アン
モニウム化合物を含有する薬剤を、抄紙機のプレスパー
ト部の紙が直接接触するロールの表面に散布することを
特徴とする紙切れ防止方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明で用いられる分子量1
0,000〜200,000のポリジアリルジメチルア
ンモニウム塩は、一般式(I):
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Xはハロゲン原子または鉱酸アニ
オン、nは整数)で表される。
【0012】一般式(I)におけるXの「ハロゲン原
子」としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などが
挙げられる。なかでも、塩素が特に好ましい。また、X
の「鉱酸アニオン」としては、硫酸、硝酸、リン酸およ
び炭酸などのアニオン、すなわちHSO4 - 、N
3 - 、H2 PO4 - およびHCO3 - などが挙げられ
る。一般式(I)におけるnは、ポリジアリルジメチル
アンモニウム塩の分子量が10,000〜200,00
0に相当する整数である。
【0013】一般式(I)で表されるポリジアリルジメ
チルアンモニウム塩としては、具体的にはポリジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチ
ルアンモニウムブロマイド、ポリジアリルジメチルアン
モニウムナイトレート、ポリジアリルジメチルアンモニ
ウムサルフェイトおよびポリジアリルジメチルアンモニ
ウムホスフェイトなどが挙げられ、なかでもポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
【0014】ポリジアリルジメチルアンモニウム塩の分
子量は、10,000〜200,000が好ましく、2
0,000〜100,000が特に好ましい。分子量が
上記の範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得られ
る。
【0015】この発明で用いられる分子量10,000
〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキルアミ
ン縮合物は、一般式(II):
【0016】
【化2】
【0017】(式中、Rはメチル基またはエチル基、m
は整数)で表される。
【0018】一般式(II)におけるmは、エピクロルヒ
ドリンジアルキルアミン縮合物の分子量が10,000
〜200,000に相当する整数である。
【0019】一般式(II)で表されるエピクロルヒドリ
ンジアルキルアミン縮合物としては、例えばエピクロル
ヒドリンジメチルアミン縮合物およびエピクロルヒドリ
ンジエチルアミン縮合物などが挙げられ、エピクロルヒ
ドリンジメチルアミン縮合物が特に好ましい。
【0020】エピクロルヒドリンジアルキルアミン縮合
物の分子量は、10,000〜200,000が好まし
く、20,000〜100,000が特に好ましい。分
子量が上記の範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得
られる。
【0021】この発明で用いられる炭素数12〜18の
アルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩としては、具体的には、ドデシルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジル
アンモニウムブロマイド、テトラデシルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベン
ジルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル
ベンジルアンモニウムブロマイド、オクタデシルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライドおよびオクタデシル
ジメチルベンジルアンモニウムブロマイドなどが挙げら
れる。これらのアルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩は、2種以上の化合物が混合されたものであってもよ
い。例えば、炭素数12〜16のアルキル基を有するア
ルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドの混合
物が挙げられる。
【0022】この発明で用いられる上記の4級アンモニ
ウム化合物は、いずれも公知のカチオン界面活性剤であ
り、市販のものを使用することができる。この発明にお
いては、これらの4級アンモニウム化合物から選択され
る1種または2種以上の混合物が用いられる。これらの
4級アンモニウム化合物の混合物が用いられる場合、そ
の組み合わせおよび混合割合は、特に限定されないが、
紙離れ促進効果の点から、ポリジアリルジメチルアンモ
ニウム塩またはエピクロルヒドリンジアルキルアミン縮
合物とアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩との混
合物が好ましい。
【0023】この発明の紙離れ促進剤は、有効成分とな
る上記の4級アンモニウム化合物を適当な溶媒で希釈し
た製剤として用いることが好ましい。なかでも、製剤は
水を溶媒とした水溶液の形態が好ましい。その製剤中の
有効成分の配合割合は、製剤100重量部中、有効成分
を5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部とする
のが好ましい。
【0024】この発明の紙離れ促進剤は、ホスホン酸化
合物をさらに含有することにより、紙離れ促進効果を向
上させることができる。ホスホン酸化合物としては、具
体的には、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラメチレンホスホン酸、トリメチレンジアミ
ンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミン
テトラメチルホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ
メチルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジ
ホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホス
ホン酸、1−アミノプロパン−1,1−ジホスホン酸お
よび1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン
酸など、ならびにそれらのアルカリ金属塩が挙げられ
る。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩およびカリ
ウム塩などが挙げられる。なかでも、紙離れ促進効果の
点から、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
および1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホ
ン酸が好ましい。
【0025】ホスホン酸化合物の併用割合は、4級アン
モニウム化合物1重量部に対して、0.1〜5重量部、
好ましくは0.5〜3重量部である。併用割合が上記の
範囲であれば、良好な紙離れ促進効果が得られる。
【0026】この発明の紙離れ促進剤の適用場面として
は、「抄紙機のプレスパート部における紙が直接接触す
るロール」が挙げられる。「抄紙機のプレスパート部」
とは、抄紙された紙をドライパート部で乾燥させる前工
程にあたる部分で、フェルトおよび毛布などで紙の含水
率を約70〜55%程度に低下させることを目的として
設けられている。また、「紙が直接接触するロール」と
は、例えば、センターロールおよびトップロールなどで
ある。
【0027】この発明によれば、抄紙機のプレスパート
部の紙が直接接触するロールの表面に、前記の薬剤を散
布することを特徴とする紙切れ防止方法が提供される。
【0028】散布方法としては、ロールを洗浄するため
に散布されるシャワー水に添加するのが好ましい。この
方法であれば、新たな設備を必要とせず、作業性および
希釈性の点でも好ましい。ロール全体に前記の薬剤が均
一に散布されるのが好ましく、ロールに平行にドクター
等の掻き取り装置が設置されている場合には、ロールの
回転に対して、掻き取り装置の前方の任意の箇所で薬剤
を散布するのが好ましい。
【0029】また、有効成分のシャワー水中への添加は
連続的であっても、間欠的であってもよい。添加量は、
有効成分がシャワー水中で5〜500mg/l、好まし
くは10〜200mg/lとなる量であればよい。
【0030】この発明の紙離れ促進剤は、ロールの表面
の滑り性を向上させ、ロールからの紙離れを促進する結
果、紙切れを防止できる。
【0031】この発明の方法は、紙切れが発生しやす
い、坪量が100g以下の上質紙、中質紙、クラフト紙
(未晒、半晒)および新聞紙などの抄紙工程における抄
紙機、特に抄紙速度が800m/分以上の抄紙機に用い
たときに、その効果が顕著である。
【0032】
【実施例】この発明を実施例および試験例により以下に
説明するが、この発明はこれらの実施例および試験例に
より限定されるものではない。
【0033】 (実施例1〜9および比較例1〜11) 実施例1 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 15重量部 (分子量50,000) 水 85重量部 実施例2 エピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物 15重量部 (分子量50,000) 水 85重量部 実施例3 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部 (分子量50,000) 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部 水 85重量部
【0034】 実施例4 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部 (分子量50,000) 1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 3重量部 水 85重量部 実施例5 エピクロルヒドリンジメチルアミン縮合物 12重量部 (分子量50,000) 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部 水 85重量部 実施例6 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 12重量部 (分子量50,000) アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 3重量部 アンモニウムクロライド 水 85重量部
【0035】 実施例7 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 10重量部 (分子量50,000) アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 2重量部 アンモニウムクロライド 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部 水 85重量部 実施例8 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド 10重量部 (分子量50,000) アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 2重量部 アンモニウムクロライド 1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 3重量部 水 85重量部 実施例9 アルキル(炭素数12〜16の混合物)ジメチルベンジル 15重量部 アンモニウムクロライド 水 85重量部
【0036】 比較例1 ジシアンジアミド−ホルマリン縮合 15重量部 (分子量30,000、米国特許第3,582,461号公報参照) 水 85重量部 比較例2 ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体 15重量部 (分子量100,000、特公平4−8556号参照) 水 85重量部 比較例3 ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物(分子量30,000)12重量部 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 3重量部 水 85重量部
【0037】 比較例4 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 15重量部 水 85重量部 比較例5 1,2,4−トリカルボキシブタン−2−ホスホン酸 15重量部 水 85重量部 比較例6 ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル・エチレン 15重量部 オキサイド10モル付加物(以下、エチレンオキサイドを「EO」と略す) 水 85重量部
【0038】 比較例7 ポリエチレングリコールオレイルエーテル・EO24モル 15重量部 付加物(ピッチコントロール剤) 水 85重量部 比較例8 第2級アルコール(炭素数12〜14)・EO9モル付加物 15重量部 水 85重量部 比較例9 ポリプロピレングリコール・EO付加物 15重量部 (プルロニック型非イオン界面活性剤、ポリプロピレングリコールの 平均分子量2,050、EO40重量%、三洋化成社製、商品名: ニューポールPE−74) 水 85重量部
【0039】 比較例10 ステアリルアミン・EO18モル付加物 15重量部 (ピッチコントロール剤) 水 85重量部 比較例11 ステアリルアミン・EO18モル付加物 10重量部 トール油脂肪酸アミド 5重量部 水 85重量部
【0040】(試験例1)抄紙機のプレスパート部の紙
が直接接触するプレスロールに使用されている人造石
〔ユニロック(登録商標)、株式会社金陽社製〕のロー
ル(以下、「ロール」と略す)を用いて、紙離れ促進効
果を試験した。なお、このロールは、本卓上試験用に株
式会社金陽社で製作された。実施例および比較例の各薬
剤の0.5%水溶液を、回転可能なロール(外径57m
m×長さ165mm)表面に市販の噴霧器で均一に散布
した(10回)。次いで、薬剤散布後のロール表面の滑
り性およびベタ付き性を触感で観察した。
【0041】観察後、このロールに、別途製造した含水
率60%の湿潤紙(幅120mm×長さ140mm)を
ロール表面に沿って貼り付け、湿潤紙を一様な力(約5
0gf)で引っ張り、そのときのロールの回転角度(θ
°)を測定した。図1に試験装置の断面の模式図を示
す。なお、薬剤を用いない系についても同様に試験し
た。
【0042】この試験は、ロールと湿潤紙との間の摩擦
の変化によって、湿潤紙に一様な引っ張り応力を加えた
ときのロールの回転角度が変化することを利用するもの
であり、ロールの回転角度が小さい程、紙離れがよいこ
とを意味する。滑り性を5段階で評価し、各試験につい
て1〜5の評点を付した。数値が大きい程、滑り性がよ
いことを意味する。また、ベタ付き性は、ベタ付きがな
い場合に「○」を、ある場合に「×」を付した。得られ
た結果を散布した薬剤とともに表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】(試験例2)中質紙を製造するA製紙工場
の抄紙機(抄紙速度1000m/分)において、プレス
パート部のセンターロールのドクターシャワー水(12
0l/分)に、実施例7の薬剤を有効成分が75mg/
lとなるように連続的に添加した。試験開始から2週
間、紙切れは1回も発生しなかった。また、試験途中で
抄紙速度を1100m/分にしたにも拘らず、紙切れは
発生しなかった。一方、薬剤を添加しない系について同
様に2週間試験したところ、センターロールにおいて1
日平均2回の紙切れが発生した。なお、薬剤の添加、無
添加に拘らず、センターロールにはピッチなどの付着物
のないことが目視により確認できた。
【0045】試験例2の結果から、薬剤を添加した系で
は薬剤を添加しない系に比べて、紙切れによる作業上の
手間を大幅に削減できることがわかる。具体的には、薬
剤を添加した系では、紙の生産量が約20%も増加し
た。
【0046】(試験例3)新聞紙を製造するB製紙工場
の抄紙機(抄紙速度1200m/分)において、プレス
パート部のセンターロールのドクターシャワー水(20
0l/分)に、実施例7の薬剤を有効成分が75mg/
lとなるように連続的に添加した。また、実施例7の薬
剤の代わりに、比較例1、比較例7および比較例11の
薬剤を用いて同様に10日間試験した。
【0047】実施例7の薬剤を用いた場合、試験開始か
ら10日間、紙切れは1回も発生しなかった。また、試
験途中で抄紙速度を1300m/分にしたにも拘らず、
紙切れは発生しなかった。一方、比較例1、比較例7お
よび比較例11の薬剤を用いた場合、センターロールに
おいて1日平均1回の紙切れが発生した。なお、薬剤の
種類に拘らず、センターロールに少量のピッチが付着し
ていることを目視により確認した。
【0048】試験例3の結果から、本発明の薬剤を添加
した系では、紙切れによる作業上の手間を大幅に削減で
きることがわかる。具体的には、この系では、紙の生産
量が約15%も増加した。
【0049】
【発明の効果】この発明の抄紙機のプレスパート部にお
けるロールの紙離れ促進剤は、分子量10,000〜2
00,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩、
分子量10,000〜200,000のエピクロルヒド
リンジアルキルアミン縮合物および炭素数12〜18の
アルキル基を有するアルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩から選択される4級アンモニウム化合物を有効成
分として含有することを特徴とする。
【0050】また、この発明の紙切れ防止方法は、上記
の4級アンモニウム化合物を含有する薬剤を、抄紙機の
プレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に散布
することを特徴とする。
【0051】この発明の紙離れ促進剤は、ロールの表面
の滑り性を向上させ、ロールからの紙離れを促進する結
果、紙切れを防止することができる。したがって、抄紙
速度を低下させることなく、坪量の少ない紙の生産にお
いても、紙切れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1の試験装置の断面の模式図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量10,000〜200,000の
    ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、分子量10,0
    00〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキル
    アミン縮合物および炭素数12〜18のアルキル基を有
    するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩から選択
    される4級アンモニウム化合物を有効成分として含有す
    ることを特徴とする抄紙機のプレスパート部におけるロ
    ールの紙離れ促進剤。
  2. 【請求項2】 ホスホン酸化合物をさらに含有する請求
    項1記載の紙離れ促進剤。
  3. 【請求項3】 水溶液の形態にある請求項1または2に
    記載の紙離れ促進剤。
  4. 【請求項4】 分子量10,000〜200,000の
    ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、分子量10,0
    00〜200,000のエピクロルヒドリンジアルキル
    アミン縮合物および炭素数12〜18のアルキル基を有
    するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩から選択
    される4級アンモニウム化合物を含有する薬剤を、抄紙
    機のプレスパート部の紙が直接接触するロールの表面に
    散布することを特徴とする紙切れ防止方法。
  5. 【請求項5】 ホスホン酸化合物を併用散布する請求項
    4記載の方法。
  6. 【請求項6】 薬剤をシャワー水に添加して散布する請
    求項4または5に記載の方法。
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