JP3810569B2 - マルチトラック再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声データが記録されている音声トラック再生装置の頭出し装置に関し、特に複数の音声トラックにそれぞれ音声データが記録されているマルチトラック再生装置の頭出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マルチトラック記録装置では、複数の音声トラックにそれぞれ音声データが記録されている。例えば、1つの曲を演奏した場合の各楽器のパートが、音声トラックごとに記録されている。このマルチトラック記録装置では、例えば特定の楽器のパートの特定のポイントから音声データを再生したり、編集したりする必要がある。このような場合、頭出しと呼ばれる作業により再生時刻をその特定のポイントから再生できるようにしておくか、その特定のポイントをローケータと呼ばれる時刻を登録するメモリに記憶する必要がある。
【0003】
従来、この頭出しは、その特定の音声トラックを早送りまたは巻き戻ししながら、再生音を使用者が聞き取り、所望のポイントを探すことで行われていた。そして、何度も、この特定ポイントを頭出しする必要がある場合には、頭出ししたポイントの時刻をローケータに記憶させ、ローケータを用いて頭出しすることも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような頭出し作業は、使用者が再生された音声を聞きながら行っていたので、使用者が、この作業に習熟していないと、円滑に行えなかった。ローケータを使用するにしても、予め使用者が特定のポイントをローケータに設定しなければならないので、使用者が、上述した作業に習熟していなければならない。
【0005】
本発明は、マルチトラック再生装置において、容易に頭出しが行える装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、音声データを互いに独立して同時に再生可能な複数の音声トラックと、任意の音声トラックを指定する音声トラック指定手段と、任意の時刻を指定する時刻指定手段と、検出を行う指示をする無音区間の検出開始指示手段と、検出開始指示手段からの検出開始指示によって、前記音声トラック指定手段が指定した音声トラックの、前記任意の時刻より順方向または逆方向に音声データの波形データまたはエンベロープを判定し、無音区間を検出する無音区間検出手段とを、具備し、前記無音区間検出手段の検出した無音区間の無音開始点または無音終了点の時刻情報を発生する。
【0007】
本発明によれば、検出開始指示手段が検出開始指示を発生すると、音声トラック指定手段によって指定された音声トラックの音声データの、時刻指定手段によって指定された任意の時刻から、無音区間検出手段によって、順方向または逆方向に音声データの波形データまたはエンベロープが判定され、無音区間が検出される。通常のカセットテープレコーダ等において行われている頭出しは、少なくともRチャンネル、Lチャンネルの2チャンネルの音声を混合した状態で、無音区間を検出している。従って、特定の楽器パートにおける無音区間を検出することは不可能である。しかし、この発明によれば、複数の音声トラックのうち、指定された特定の音声トラックのみで無音区間を検出することができるので、指定されたトラックにのみ記録されている音声データを、例えば特定の楽器パートを、対象として頭出しを行うことができ、特定の楽器パートにおける無音区間を検出して、頭出しを行うことができる。ハードディスクやZIP等の不揮発性の記録媒体に音声データを記録させるディジタル・ハードディスク・レコーディングにおいては、特定のパートにおけるトラックの音声データのみを無音検出の対象とすることにより、全ての楽器パートの音声データを再生して頭出しを行うよりも遥かに速い時間で頭出しを行うことができる。
【0008】
無音区間検出手段としては、種々のものが利用できる。例えば、音声データのレベル(絶対値レベル)を、無音判定用に予め定めた閾値レベルと比較手段によって比較し、音声データのレベルが閾値レベルよりも小さいときに無音と判定することができる。また、音声データの音量レベル(エンベロープ)を無音判定用の閾値レベルと比較することを行って、無音区間検出を行ってもよい。
【0009】
また、音声データのレベルが閾値レベル以下になったポイント(有音から無音に変化したポイント)と、これに続いて音声データのレベルが閾値レベルを超えたポイント(無音から有音に変化したポイント)とをそれぞれ検出し、これらポイント間の期間を、予め定めた期間(検出長さ)と比較し、予め定めた期間よりも長いときに、無音区間であると判定することもできる。これによって、単なる休符部分を無音区間と誤認識することを防止できる。
【0010】
このようにして検出された無音区間の無音開始点または無音終了点の時刻情報は、種々に利用できる。例えば、この時刻情報に基づき再生時刻を示す現在時刻を移動させることによって、検出された無音開始点または無音終了点の時刻から再生を直ちに開始することもできるし、検出された無音開始点または無音終了点の発生時刻をローケータに設定し、何度もこの無音開始点または無音終了点から再生することができるようにすることもできる。
【0011】
或いは、このようにして頭出ししたことを利用して、音声データのコピー、切り取りまたは貼り付け等の編集を行うこともできる。即ち、音声データのコピー、切り取りが開始される位置や、終了される位置は、無音であることが多い音楽的な切れ目である可能性が高い。また、貼り付けが開始される位置も、無音であることが多い音楽的な切れ目である可能性が高い。そこで、上述した音声トラック指定手段、無音区間検出手段等を利用して、無音開始点または無音終了点の発生時刻を検出し、この検出された時刻に基づいて現在時刻を移動させ、この現在時刻をコピー、切り取開始ポイントとすることができる。さらに、コピー、切り取りの開始ポイントを検出した後に、これに後続する無音開始点または無音終了点の発生時刻を検出し、これに現在時刻を移動させ、この現在時刻を終了ポイントとすることもできる。これによって、コピーまたは切り取りする領域を自動的に指定することができる。
【0012】
なお、上記のコピー、切り取りの開始ポイントは、音声データの無音区間の検出を、演奏データの時間経過(順方向)に従って行った場合であり、音声データの無音区間の検出を、演奏データの時間経過と逆(逆方向)に行った場合には、コピー、切り取りの終了ポイントが、まず検出され、次にコピー、切り取りの開始ポイントが検出される。
【0013】
また、貼り付けの開始ポイントも、上記と同様にして決定することができる。これによって貼り付けの開始ポイントを自動的に決定することができる。
【0014】
さらに、このように頭出ししたことを利用して、音声トラック内の不要な領域の削除を行うことができる。ハードディスクやZIP等の不揮発性の記録媒体に音声データを記録させるディジタルレコーディングでは、録音した長さだけハードディスク等の領域を必要とするが、そのうち無音区間は、実際には不要であるのに領域が確保される。マルチトラックの場合には、各トラックごとにこのような不要な領域が確保される。不要な領域は開放したほうが録音時間が長くなるので、好ましい。そこで、各トラックごとに、上述したトラック指定手段と無音検出手段の他に消去手段を設け、無音検出手段によって無音区間を検出し、この無音区間を消去手段によって消去する。
【0015】
また、停止位置設定手段によって停止オフセット量を設定し、無音区間の無音開始点または無音終了点の時刻情報と停止オフセット量とに基づいて現在時刻を移動させることもできる。この場合も、上述したのと同様に現在時刻を利用して、音声データの再生、コピー及び切り取りのような編集を行うと、これらの開始時刻または終了時刻にマージンを確保できる。
【0016】
また、検出頻度設定手段に無音区間の検出頻度を設定し、この設定された検出頻度に基づいて、音声トラック指定手段が指定した音声トラックの音声データのうちの一部のデータから無音区間を検出することもできる。この場合、音声データの一部のデータから無音区間を検出するので、無音検出を高速化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施の形態の頭出し装置は、図1に示されているように、マルチトラックレコーダ2を有している。このマルチトラックレコーダ2は、複数の音声トラックを有し、これらトラックにそれぞれ異なる音声データが録音されている。音声データは、音声、楽器または効果等の波形データであり、ディジタル形式で記録されている。また、記録は、実際には、ハードディスクやZIP等の記録媒体に行われている。
【0018】
このマルチトラックレコーダ2は、レコーダ制御装置4によって制御されている。このレコーダ制御装置4は、マルチトラックレコーダ2を制御するためのものである。例えば録音、再生、早送り、巻き戻し、停止等の指示が、ユーザーインターフェース6から操作子8を介してレコーダ制御装置4に供給されたとき、レコーダ制御装置4が、マルチトラックレコーダ2に、録音、再生、早送り、巻き戻し、停止等の動作を行わせる。なお、上記のような指示が操作子8を介して与えられたことは、ユーザーインターフェース6を介して表示装置10に表示される。
【0019】
なお、操作子8には、後述する無音部分検出装置12に、いずれの音声トラックの無音部分を検出させるかを指示する操作子や、無音部分の検出の開始を指示する操作子も含まれている。なお、この開始の指示には、順方向に頭出しの開始を指示するものと、逆方向に頭出しの開始を指示するものとの2種類がある。これら操作子8としては、キーボードやマウス等を使用することができる。
【0020】
無音部分検出装置12は、マルチトラックレコーダ2から供給される指定された音声トラックからのディジタル音声データから無音部分を検出するものである。
【0021】
これらレコーダ制御装置4、ユーザーインターフェース6、無音部分検出装置12は、図示しないCPUやDSPが実行するプログラムによって実現される。なお、図示していないが、CPUやDSPは、RAMやROMと共同して、プログラムを実行する。
【0022】
図2は、この頭出し装置を備えたマルチトラックレコーダのメインルーチンを示したものである。マルチトラックレコーダが再生停止状態にある時は、このメインルーチンの実行が継続されるものである。電源が供給されると、まず初期設定が行われる(ステップS2)。次に、なんらかのイベントが発生していないか監視するルーチンが実行される。
【0023】
この監視ルーチンでは、操作子8によって無音部分の検出を行う音声トラックを指定するイベントが発生しているか判断される(ステップS4)。このイベントが発生していると、指定された音声トラックの番号が記憶される(ステップS6)。
【0024】
ステップS6が実行された場合、或いは音声トラックの指定イベントが発生していない場合、操作子8によって、順方向頭出し開始イベントが発生しているか判断される(ステップS8)。このイベントが発生していると、ステップS6で指定されたトラック番号の音声トラックを再生方向と同一方向に無音部分を検出する処理が行われる(ステップS10)。この処理の詳細については、後述する。
【0025】
このステップS10に続いて、検出された時刻(無音部分)にレコーダ2が制御され(ステップS12)、現在時刻(例えば再生の対象時刻)を移動させて、マルチレコーダを停止状態にし、その停止位置からの再生が可能な状態とする。
【0026】
ステップS12が実行された後、或いは順方向頭出し開始イベントが発生していない場合、逆方向頭出し開始イベントが発生しているか判断される(ステップS14)。このイベントが発生している場合、ステップS6で指定されたトラック番号のトラックを再生方向と逆方向に無音部分を検出する処理が行われる(ステップS16)。この処理については後述する。
【0027】
このステップS16に続いて、検出された時刻(無音部分)にレコーダ2が制御される(ステップS18)。ここでのレコーダ2の制御は、ステップS12の制御と同様なものである。
【0028】
ステップS18に続いて、或いは逆方向頭出し開始イベントが発生していない場合、レコーダの操作イベントが操作子8によって発生しているか判断される(ステップS20)。このイベントが発生していると、レコーダ2の制御が行われる(ステップS22)。例えば、イベントに応じて、再生、録音、早送り、巻き戻し、停止等の制御が行われる。
【0029】
ステップS22に続いて、或いはレコーダの操作イベントが発生していない場合、操作子8によって無音部分を検出するためのパラメータの設定イベントが発生しているかの判断が行われる(ステップS24)。このイベントが発生していると、各種パラメータが設定される。パラメータとしては、検出レベル、検出長さ、検出頻度、停止オフセット、検出方法がある。検出レベルは、無音検出閾値レベルを表わし、検出長さは、無音区間として検出する最小の無音の長さを表わし、検出頻度は、音声データの検出間隔を表わし、停止オフセットは検出された無音区間の開始点または終了点のオフセット量を表わし、検出方法は、無音開始を検出するのか、無音終了を検出するのかを表わす。
【0030】
このステップS26に続いて、或いはパラメータ設定イベントが発生していない場合には、ステップS4以降が再び実行される。即ち、なんらかのイベントが発生するか監視が行われており、イベントが発生すると、そのイベントに対応した処理が実行される。
【0031】
図3は、再生方向と同一方向に検出が指示された場合の図2のステップS10の詳細なフローチャートである。なお、レコーダの各トラックには、一定の時刻ごとに音声データが記憶されているとする。まず、無音の開始時刻または無音の終了時刻を検出するための音声データの時刻がセットされる検出時刻に、図7(a) または図7(b)に示されている現在の時刻(無音区間の検出を開始しようとする検査開始時刻)をセットする(ステップS28)。
【0032】
次に、無音開始時刻の検出を行う(ステップS30)。無音開始時刻の検出は、図4に示されているように、まず検出時刻の音声レベルを検出する(ステップS302)。なお、以後、音声レベルを検出する場合は、音声データの絶対値を示すものとする。次に、この検出されたレベルが、予めパラメータの1つとして設定されている検出レベル以下であるか判断される(ステップS304)。
【0033】
検出レベル以下でないと判断されると、無音部分ではないので、検出時刻をパラメータとして予め設定されている検出頻度時刻分だけ、検出方向に進める(ステップS306)。検出レベル以下でないと判断された検出時刻が、例えば60秒であり、検出頻度時刻が例えば0.1秒であり、検出方向が順方向であると、検出時刻は60.1秒とされる。検出方向が逆方向であると、検出時刻は59.9秒とされる。
【0034】
次に、ステップS306において更新された検出時刻が、現在検査を行っているトラックの最終時刻以上であるか判断する(ステップS308)。最終時刻以上でなければ、ステップS302以降が再び実行され、ステップS304において検出レベル以下となる音声レベルを探す。
【0035】
ステップS304において検出レベル以下となる音声レベルが見つかると、そのときの検出時刻を図7(a)または図7(b)に示す無音開始時刻と記憶して(ステップS310)、リターンする。
【0036】
また、ステップS308において、検出時刻が最終時刻以上になると、無音の開始が検出されなかったので、エラーリターンする。
【0037】
再び図3に戻って、ステップS30の無音開始時刻の検出の処理に続いて、ステップS30がエラーリターンしているか判断する(ステップS32)。エラーリターンしている場合、検出時刻としてトラック最終時刻が設定され(ステップS34)、リターンする。リターンした場合、図2のステップS12が実行されるが、仮に再生処理がステップS12において実行されるとすると、検出時刻の値である最終時刻が現在時刻となり、停止状態となる。
【0038】
ステップS32において、エラーリターンしていないと判断されると、無音終了時刻検出処理が実行される(ステップS36)。無音終了時刻検出処理では、図5に示すように、検出時刻(これは当初には、無音開始時刻である。)の音声レベルを検出する(ステップS362)。次に、この検出されたレベルが、検出レベル以上であるか判断される(ステップS364)。検出レベル以上でないと判断されると、無音区間が継続しているので、検出時刻を検出頻度時刻分だけ、検出方向に進める(ステップS366)
【0039】
次に、ステップS366において更新された検出時刻が、現在検査を行っているトラックの最終時刻以上であるか判断する(ステップS368)。最終時刻以上でなければ、ステップS362以降が再び実行され、ステップS364において検出レベル以上となる音声レベルを探す。
【0040】
ステップS364において検出レベル以上となる音声レベルが見つかると、そのときの検出時刻を、図7(a)または図7(b)に示す無音終了時刻として記憶し(ステップS370)、リターンする。
【0041】
また、ステップS368において、検出時刻が検出方向におけるトラック終了時刻(順方向の場合は、そのトラックの録音最終時刻、逆方向の場合は、そのトラックの録音先頭時刻)を超えると、無音の終了が検出されなかったので、エラーリターンする。
【0042】
再び図3に戻って、ステップS36に続いて、ステップS36がエラーリターンしているか判断される(ステップS38)。エラーリターンしていなければ、ステップS30において決定した無音開始時刻と、ステップS36において決定した無音終了時刻との差の絶対値が、予めパラメータとして設定した検出長さ以上であるか判断する(ステップS40)。この検出長さは、例えば、実際に無音であるのか単なる休符に伴う無音であるのかの境界となる時間として予め設定されている。
【0043】
図7(a)または図7(b)に示すように、この無音開始から無音終了までの区間が、検出長さよりも長いと、真に無音であると判定できる。無音開始から無音終了までの区間が、検出長さよりも短いと、無音でないと判断できるので、検出時刻をステップS36で求めた無音終了時刻に設定し(ステップS42)、ステップS30から再び実行して、真の無音区間を再び検査する。
【0044】
ステップS40において、無音区間であると判断されると、予めパラメータとして、無音の開始を検出すると指示されていたか、無音の終了を検出すると指示されていたか、即ち検出方法がどのように指示されているかを判断する(ステップS44)。
【0045】
無音の開始の検出が指示されている場合には、図7(a)に示すように、ステップS30において検出された無音開始時刻に、予めパラメータとして設定されている停止オフセットを加算した時刻を、検出時刻として記憶し(ステップS46)、リターンする。
【0046】
無音の終了の検出が指示されている場合には、図7(b)に示すように、ステップS36において検出された無音終了時刻から上記停止オフセットを減算した時刻を、検出時刻として記憶し(ステップS48)、リターンする。
【0047】
このように停止オフセットを開始時刻に加算し、或いは終了時刻から停止オフセットを減算しているのは、コピーや切り取り等の編集時や再生時の立ち上がりや、ステップS12でのレコーダ2の制御が、予め余裕を持って開始されるようにするためである。
【0048】
これらリターンによって、ステップS12が実行され、検出時刻の値である最終時刻が現在時刻となり、レコーダ2が停止状態となる。
【0049】
なお、図3において、ステップS38において、ステップS36がエラーリターンしたと判断された場合、即ち、無音の終了が検出されなかった場合には、ステップS50において、終了時刻としてトラック最終時刻が記憶され、ステップS44以降が実行される。
【0050】
従って、無音の開始を検出する指示が与えられている場合には、ステップS46が実行されて、ステップS30において検出された無音開始時刻に停止オフセットが加算された時刻が検出時刻とされる。また、無音の終了を検出する指示が与えられていると、ステップS48が実行されて、ステップS42において検出された終了時刻から停止オフセットが減算され、これが検出時刻とされる。
【0051】
図2に示す「指定されたトラック番号のトラックを逆方向に無音区間を検出」(ステップS16)の詳細を図6に示す。トラックの検査方向が順方向であるか逆方向の相違があるだけであるので、このステップS16は、図3に示した「指定されたトラック番号のトラックを順方向に無音区間を検出」(ステップS10)とほぼ同様に構成されている。同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。また、トラック最終時刻を代入していた個所(ステップS34、S50)は、トラック録音先頭時刻(ステップS34a、S50a)を代入するものとする。但し、検出される無音の開始時刻は、順方向に検出した場合の無音の終了時刻に相当し、検出される無音の終了時刻は、順方向に検出した場合の無音の開始時刻に相当する。
【0052】
無音区間があると判定された後に、無音の終了を検出する場合と無音の開始を検出する場合との処理が、順方向の検査と逆方向の検査との相違に基づき、図3とは異なる。逆方向に無音区間の検出を行っているので、無音の開始(順方向の場合の無音の終了)を検出する場合、図7(c)に示すように、検出された無音開始時刻から停止オフセットを減算して、検出時刻を求めている(ステップS46a)。無音終了(順方向の場合の無音の開始)を検出する場合には、図7(d)に示すように、検出された無音終了時刻に停止オフセットを加算している(ステップS48a)。
【0053】
このように、このマルチトラックレコーダによれば、無音区間を検出しようとする音声トラックを指定し、検出開始の指示を与えると、自動的に無音区間を検出することができる。しかも、無音検出は、順方向に行うことも、逆方向に行うこともできる。また、無音区間は、或る程度の長さを有しているので、無音の開始を検出することも、無音の終了を検出することもできる。
【0054】
なお、このマルチトラックレコーダ2では、音声データの絶対値を検出レベルと比較することによって無音部分の検出を行ったが、音声データの音量を示す値(エンベロープ) を検出レベルと比較することによって、無音部分の検出を行ってもよい。
【0055】
図8は、音声データの音量を示す値(エンベロープ) を無音の開始時刻検出に用いた場合のフローチャートである。図3におけるステップS30において無音開始検出が指示された場合、図8のフローチャートの処理が実行される。
【0056】
まず、前回に無音の開始時刻か判定された音声データの音量を示す値が記憶される前回値が0とされる(ステップS301a)。これに続いて、ステップS302が実行される。これは、図4のフローチャート内のステップS302と同様な処理を行うものであるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
次に、ステップS30によって検出された音声レベルの絶対値が現在値とされる(ステップS303a)。この現在値と前回値との差が求められる(ステップS303b)。
【0058】
上記差が正であるか負であるか判断される(ステップS303c)。上記差が正ならば、検出した音声レベルの音量(振幅)が前回値を上回っている(音量が増加状態である)ので、現在値は、現状の音量を示している。従って、なんら処理を行わずに、後述するステップS303eに進む。
【0059】
上記差が負ならば、音声レベルの音量(振幅)が前回値を下回っている(音量が減少状態である)ので、前記差(負の値)を降下係数、例えば16で除算したものを、前回値に加算して、現在値とする(ステップS303d)。これにより、現在の音量を示す現在値は、ステップS303aで検出された音声レベルの絶対値に近づいていく。なお、この実施の形態では、降下係数を16としたが、この値は、検出頻度や記録されている音声データの楽音等の種類(周波数)等に基づいて調節される。
【0060】
ステップS303dに続いて、またはステップS303cにおいて上記差が正であると判断されると、次回の検出に備えて、前回値として現在値が記憶される(ステップS303e)。
【0061】
これに続いて、図4のフローチャートのステップS304と同様に、現在値(これは、ステップS303aにおける現在値と異なり、音量の値を表わしている。)が予めパラメータの1つとして設定されている検出レベル以下であるか判断される(ステップS304a)。以下、図4のフローチャートに示すステップS306、S308、S310と同じ処理が行われる。
【0062】
以上のようにして、音声データの音量を示す値(エンベロープ)を検出レベルと比較することにより、無音開始部分の検出が行われる。また、図3のフローチャートのステップS36において無音終了検出が指示された場合も、同様な処理により、音声データの音量を示す値(エンベロープ)を検出レベルと比較することによって、無音終了部分の検出を行うことができる。
【0063】
なお、このマルチトラックレコーダ2では、無音区間を検出した場合、その無音区間の開始時刻または終了時刻から再生可能な現在時刻で停止状態となるようにしたが、これに限ったものではなく、現在時刻を変更するのではなく、ローケータ(頭出しのポインタ)にその無音区間の開始時刻または終了時刻を設定するようにしてもよい。
【0064】
また、無音区間の検出結果を種々に利用することができる。例えば指定した音声トラックの波形データの一部をコピーまたは切り取りする場合、コピーまたは切り取りしたい波形データの一部は、フレーズであることが多いので、無音区間から始まることが多い。そこで、上述したように無音区間の開始時刻または終了時刻を検出することによって、コピーまたは切り取りの開始位置を決定し、この決定された位置からコピーまたは切り取りを開始するようにしてもよい。或いはフレーズは無音区間から始まり、無音区間で終わることが多いので、まず上述したように無音区間の開始時刻または終了時刻を1つ検出し、連続して次の無音区間の開始時刻または終了時刻を検出し、これらの間をコピーまたは切り取りするようにしてもよい。
【0065】
上記のようにしてコピーまたは切り取りされたフレーズは、適当なフレーズの先頭または後部に貼り付けられるが、このフレーズの先頭または後部も無音区間であることが多い。従って、貼り付ける位置を上述したように無音区間の開始時刻または終了時刻を検出することによって決定することもできる。
【0066】
また、マルチトラックレコーダ2では、音声トラックに記録される音声データは、実際に行われた演奏を録音したデータであることがある。このような場合、マルチトラックレコーダ2のハードディスクは、その演奏時間に相当する領域を必要とする。しかし、この録音された領域内には、無音区間が含まれていることがある。このような無音区間は、不要であり、ハードディスクの領域をいたずらに消費している。そこで、無音区間を検出し、この無音区間を開放し、この無音区間に別のデータを記録できるようにすることができる。このようにすると、録音可能な時間を伸ばすことができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数の音声トラックのうち任意に指定された音声トラックにおける無音区間を自動的に検出することができるので、使用者が頭出しを行うために特殊な技術を身につける必要がなく、容易に頭出しを行うことができる。また、ハードディスクやZIP等の不揮発性の記録媒体に音声データを記録させるディジタル・ハードディスク・レコーディングにおいては、特定の楽器パートにおけるトラックの音声データを検出頻度により間引いて、無音検出を行うことにより、全ての楽器パートの音声データを再生して、頭出しを行うよりも、遥かに速い時間で頭出しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による頭出し装置を備えたマルチトラックレコーダのブロック図である。
【図2】図2のマルチトラックレコーダのメインルーチンである。
【図3】図2のステップS10の詳細なフローチャートである。
【図4】図3のステップS30の詳細なフローチャートである。
【図5】図3のステップS36の詳細なフローチャートである。
【図6】図2のステップS16の詳細なフローチャートである。
【図7】図1のマルチトラックレコーダでの頭出しの説明図である。
【図8】図3のステップS30の無音開始時刻検出処理の他の例の詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
2 マルチトラックレコーダ
4 レコーダ制御装置
8 操作子
12 無音部分検出装置
Claims (5)
- 音声データを互いに独立して同時に再生可能な複数の音声トラックと、
任意の音声トラックを指定する音声トラック指定手段と、
任意の時刻を指定する時刻指定手段と、
検出を行う指示をする無音区間の検出開始指示手段と、
検出開始指示手段からの検出開始指示によって、前記音声トラック指定手段が指定した音声トラックの、前記任意の時刻より順方向または逆方向に音声データの波形データに基づいて判定し、無音区間を検出する無音区間検出手段とを、
具備し、前記無音区間検出手段の検出した無音区間の無音開始点または無音終了点の時刻情報を発生するマルチトラック再生装置。 - 前記発生された時刻情報に基づき再生時刻を示す現在時刻を移動させることを特徴とする請求項1記載のマルチトラック再生装置。
- 停止オフセット量を設定する停止位置設定手段と、
前記発生された時刻情報と設定された停止オフセット量とに基づいて、現在時刻を移動させることを特徴とする請求項1記載のマルチトラック再生装置。 - 無音区間の検出頻度を設定する検出頻度設定手段と、
検出頻度設定手段によって設定された検出頻度に基づいて、音声トラック指定手段が指定した音声トラックの音声データのうちの一部のデータから無音区間を検出することを特徴とする請求項1記載のマルチトラック再生装置。 - 無音区間の検出長さを設定する検出長さ設定手段と、
この検出長さ設定手段によって設定された検出長さに基づいて、設定された検出長以上の無音区間のみを検出することを特徴とする請求項1記載のマルチトラック再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32659798A JP3810569B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | マルチトラック再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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