JP3810168B2 - 半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の製造方法、詳しくは、SIMOX基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日の大規模集積回路は、動作速度の高速化の要請により種々の改善がなされているが、更に高速化を図るには、大幅な寄生容量の低減が不可欠とされている。このような寄生容量の低減には、絶縁膜層上にシリコン単結晶薄膜を形成し、このシリコン単結晶薄膜を素子形成領域とするSOI(Silicon−on−Insulator)基板が有望とされている。イオン注入で埋め込み酸化膜を形成するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板は大面積で、且つ結晶性の良好な素子形成領域を容易に得ることができるため、最も有望なSOI基板の一つと考えられている。
【0003】
しかしながら、従来のSIMOX基板は、埋め込み酸化膜がシリコン単結晶基板全面にわたって形成されているため、素子形成領域を汚染する重金属等を除去するゲッタリング技術の応用が困難であった。このゲッタリングとは、素子形成領域以外に結晶欠陥等のゲッタリングサイトを形成し、これに汚染不純物を捕獲、固着する技術である。
【0004】
通常、このゲッタリングサイトはシリコン単結晶基板の裏面若しくはバルク内部に形成される。したがって、基板表面(素子形成領域)に付着し取り込まれた汚染不純物を、付着した部位からゲッタリングサイトまで拡散させる必要がある。
【0005】
ところが、SIMOX基板では、素子形成領域と基板内部若しくは基板裏面との間にシリコン酸化膜が存在するため、汚染不純物の拡散が著しく妨げられる。これは、一般的な不純物拡散係数が、シリコン酸化膜中ではシリコン単結晶中より極めて小さい値をとることによる。例えば、900℃におけるシリコン酸化膜中の金の拡散係数は、シリコン単結晶中の拡散係数の10-7以下となる。
【0006】
以上のように、SIMOX基板ではゲッタリング技術の適用が困難であり、素子形成領域に汚染不純物が残留しやすく、これらの汚染不純物による素子特性(接合リーク、耐圧)の劣化が生じやすい。
【0007】
このような課題を解決するために、特開平5−82525号公報には、SIMOX基板に、部分的に埋め込み酸化膜が形成されない領域を有し、且つ、基板バルク若しくは基板裏面に何らかのゲッタリング手段を付与する技術が開示されている。
【0008】
この構造を実現するため、例えば、図3ではシリコン単結晶基板31の表面に酸素イオンの注入を遮蔽するマスク材30を部分的に配して酸素イオンを注入し、高温熱処理を行った後に何らかのゲッタリング手段を基板裏面若しくは基板バルクに付与する工程をとる。図3(d)、(e)ではバルクで通常使用されるIG(Intrinsic−Gettering)を用いて埋め込み酸化膜32よりバルク内部側にシリコン結晶製造時に含有する格子間酸素を析出させて析出核33を作り、これに汚染不純物をゲッタリングさせる手法を取っている。尚、図3において、符号34は析出物である。
【0009】
このように、部分的に埋め込み酸化膜の無い領域を設けることにより、素子形成領域となる基板表面とゲッタリングサイトを有する基板バルクもしくは基板裏面とが単結晶シリコンのみでつながっているため、素子形成領域に付着した重金属等の汚染原子は容易にゲッタリングサイトまで拡散することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−82525号公報に記載の技術ではプロセス工程で、基板表面に付着する汚染元素に対してゲッタリングの観点から有効である反面、以下の問題点が発生する。
【0011】
まず、シリコン単結晶基板表面に、酸素イオンの注入を遮蔽するマスク材を部分的に配して、酸素イオンを注入し、基板内部に埋め込み酸化膜を形成するため、注入後のアニールで酸素イオン注入領域が体積膨張する。
【0012】
その結果、▲1▼注入されていない領域との界面に結晶面の転位欠陥が集中し、逆にこの転位が重金属等の汚染元素のゲッタリングサイトになってしまうこと、▲2▼体積膨張によって部分的にシリコン基板内部に埋め込み酸化膜が成長するため、埋め込み酸化膜端上のSOI層に体積膨張の応力が集中し、SOI層に形成されたデバイスの電気的特性(リーク電流等)が劣化すること、▲3▼酸素イオン注入領域が体積膨張して埋め込み酸化膜が形成されるため、SIMOX基板表面に段差が生じ、微細加工技術の根幹である、フォトリソグラフィの解像度あるいはアライメントマージンが低下すること、▲4▼埋め込み酸化膜が存在しない領域ではゲッタリング能力が大きい反面、SOI層上に形成されたデバイスの特性が確保できず、パターン回路の設計が難しくなることや基板に占めるチップ有効面積が不効率になること、▲5▼フォトリソグラフィ工程が必要であること等様々な問題点が生じる。
【0013】
ところで、近年の半導体基板を処理するプロセス装置は、重金属汚染レベルが極めて微弱になってきており、且つ、プロセス温度も低温になってきた。したがって、バルク内部にゲッタリングサイトを作ることはプロセス中に付着する汚染元素の熱拡散の観点から、ゲッタリング効率はよいとは言えない。また、SIMOX基板に形成されるデバイスは、最近ではSOI層の深さ全域を利用する完全空乏型トランジスタが主流になりつつあり、SOI層内にゲッタリングサイトを形成することは不可能になっている。
【0014】
また、従来のIG基板に酸素イオン注入を行ってSIMOX基板を形成する手法においてはIG効果を有すると考えられるが、この手法では、バルク基板内部の酸素析出量が多くなっており、結晶の機械的強度が低下するため、酸素イオン注入後の高温アニールによる熱ストレス、或いは埋め込み酸化膜成長時の体積膨張ストレスで、SIMOX基板に反りが発生するため使用は難しい。
【0015】
更に、特開平8−191140号公報には、埋め込み酸化膜の形成領域に、イオン注入で予め結晶欠陥を導入し、その後、酸素注入を行い埋め込み酸化膜を形成している。この方法では、酸素注入量が少なくできるので、結晶性の良いSOI基板が得られるが、予め形成する結晶欠陥部と埋め込み酸化膜は同じ場所に形成されるので、汚染不純物は埋め込み酸化膜中に取り込まれ、埋め込み酸化膜の膜質を悪くするという問題点がある。
【0016】
請求項1記載の本発明の半導体基板の製造方法は、シリコン基板に酸素イオンを注入し、熱処理することにより埋め込みシリコン酸化膜層を形成する、SOI構造の半導体基板の製造方法において、上記シリコン基板に、上記埋め込みシリコン酸化膜層が形成される深さより深い領域に埋め込み欠陥層が形成されるように、所定の元素からなるイオンを所定のエネルギーで注入する工程と、上記シリコン基板の上記埋め込み欠陥層の上方領域に、上記シリコン基板を第1所定温度に加熱しながら酸素イオンを注入し、上記シリコン基板内に存在する不純物を上記埋め込み欠陥層にゲッタリングする工程と、第2所定温度による熱処理により、上記埋め込み欠陥層を転位網に変えると共に、上記酸素イオンが注入された領域を埋め込みシリコン酸化膜層に変え、上記酸素イオンが注入された領域が埋め込みシリコン酸化膜層になるまでの間、上記転位網に上記シリコン基板内に存在する不純物をゲッタリングする工程とを有し、かつ汚染不純物がゲッタリングされた転位網が、埋め込みシリコン酸化膜層内に形成されていないSOI構造の半導体基板を製造することを特徴とするものである。
【0018】
更に、請求項2記載の本発明の半導体基板の製造方法は、上記埋め込み欠陥層を形成するイオン注入に、IIIb族、IVb族、Vb族、VIb族又はVIIb族のいずれかの元素から成るイオンを用いることを特徴とする、請求項1に記載の半導体基板の製造方法である。
【0019】
【実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態の半導体基板の製造工程図、図2は本発明の参考例である第2の実施の形態の半導体基板の製造工程図である。
【0021】
SIMOX基板形成のための酸素イオン注入では化学量論的にシリコン原子の2倍の酸素原子を必要とするため、酸素注入量は、1017〜1018cm-2オーダーの注入を必要とする。このような高ドーズ量では、酸素イオンが通過したシリコン層はアモルファス化してしまい、以降の熱アニールで単結晶まで結晶性が回復することは不可能になる。このため、酸素イオン注入時には、500℃以上の加熱を行いSOI層となるべきシリコン表層の結晶性を回復確保させる技術が用いられる。したがって、酸素イオン注入前のゲッタリングサイト形成のイオン注入では、シリコン基板表層の結晶性が保たれた方がよい。
【0022】
この条件を満たすには、10〜200keVの低エネルギーイオン注入では不可能であり、表面の結晶性を保ったまま、内部に埋め込み欠陥が形成される高エネルギーイオン注入が必要となる。したがって、イオン注入のエネルギーは高いほど安定してゲッタリングサイトとなる埋め込み欠陥層が形成されるが、その後の酸素イオン注入による汚染元素のゲッタリングを考慮すれば、埋め込み欠陥層をシリコン基板表面にできるだけ近づけた方が効果的である。
【0023】
このような理由により、高エネルギーイオン注入で採用するエネルギーは0.3〜3MeVが適切である。また、イオン注入に用いる元素は、シリコンとの結合エネルギーが大きく、酸素イオン注入後の高温アニールで埋め込み酸化膜の電気的特性を与えない元素を用いる必要があり、IIIb族のB,Ga、IVb族のC,Si、Vb族のN,P,As、VIb族のO,S、VIIb族のF,Cl等が有効である。
【0024】
現在、使用されているSIMOX基板では、酸素注入エネルギーは100〜200keVが利用され、例えば、180keVで注入した際の酸素イオンのシリコン内部への到達深さはおよそ0.78μmである。高エネルギーでイオン注入する不純物元素は、SIMOX形成後には、通常は埋め込み酸化膜よりバルク内部側に分布するように注入エネルギーを選択すれば、注入元素がSOIデバイスに電気的に影響を及ぼすことはない。
【0025】
例えば、ここでB+イオン、O+イオン、Si+イオンを注入イオンとして選択する場合には、シリコン中のイオンの飛程で表層側にテールを引く部分が0.78μmより深くなればよく、その最小注入エネルギーを計算すれば、それぞれ0.56、0.59、1.08MeVと計算され、実際の注入には、それ以上のエネルギーを採用すればよいことになる。
【0026】
また、注入ドーズ量は、ゲッタリング能力を持たせるために基板内部に十分に欠陥層を導入させるだけの量が必要であるが、注入量の増大化に伴ってシリコン基板表層にイオン注入に起因した微小欠陥も導入されるため、用いるイオン種によってその最適ドーズ量は異なるが、一般的にここで用いるイオン種では、およそ5×1013cm-2以上のドーズ量を必要とする。
【0027】
以上のようにして、シリコン基板表層の結晶性を破壊することなくバルク内部に埋め込み欠陥層を導入すると、この結晶性の乱れた埋め込み欠陥層は、Si−Si結合が切断されたり、結合角に歪みが入るような状態になり、エネルギー的に高い状態になる。基板内を熱拡散する汚染元素はこのエネルギー的に高い欠陥部に捕獲され、ゲッタリング効果が生じることになる。
【0028】
続いて行うSIMOX形成の酸素イオン注入では、上述した通り500℃以上の加熱を必要とするため、結晶製造起因の重金属、あるいは酸素イオン注入機から生じる重金属等の汚染元素は、加熱時の熱エネルギーで拡散し、バルク内部に予め導入した埋め込み欠陥層にゲッタリングされるように作用する。この際、高エネルギーイオン注入で導入した結晶欠陥も、ある程度結晶性が回復し、この過程でもゲッタリング作用が生じる。
【0029】
更に都合のよいことに、この埋め込み欠陥層は上記酸素イオン注入後の結晶性回復の際の熱処理により、結晶性の保たれている埋め込み欠陥層の上下界面からエピ成長して結晶性が回復するため、上下からの結晶成長点が交叉する領域に転位網が残存し、ゲッタリング能力を失うことはない。
【0030】
したがって、酸素イオン注入後の高温アニールで注入された酸素原子が埋め込み酸化膜を形成し、汚染元素のゲッタリングサイトまでの拡散を抑制するようになるまで、ゲッタリング能力は持続するように働く。
【0031】
尚、上記作用によれば、高エネルギーイオン注入でバルク内部に導入した埋め込み欠陥層は、完全に結晶性が回復することなく、ゲッタリング能力が持続するのでプロセス工程で必要であれば、高エネルギーイオン注入後にアニールを行い、ゲッタリングサイトを形成し、この後、酸素イオン注入を行うことも可能である。
【0032】
以下、図1を用いて、本発明の第1の実施の形態の半導体基板の製造工程を説明する。
【0033】
まず、P型(100)のシリコン単結晶基板1にC+イオンを注入エネルギーを0.65MeV、注入量を1×1015cm-2、そして、結晶軸チャネリング防止のため、注入角度を10°の条件で、結晶欠陥をバルク内部に導入するための高エネルギーイオン注入を行った。この注入で、シリコン単結晶基板1の深さ1.1μm近傍におよそ0.34μm前後の埋め込み欠陥層2が導入される(図1(a))。ここで用いる高エネルギーイオン注入条件は、上述したように、SIMOX基板のSOI層に影響を与えないような注入条件を設定することが必要であり、特に、埋め込み欠陥層2が埋め込み酸化膜5より深い位置に形成されるように注入エネルギーを選択することが必要である。
【0034】
次に、注入エネルギーを180keV、注入量を4×1017cm-2、そしてチャネリング防止のため、注入角度を13°、注入温度550℃の条件で、埋め込み酸化膜を形成する酸素イオンをシリコン単結晶基板1に注入した(図1(b))。この酸素イオン注入では、O+イオン3はシリコン単結晶基板1の表面からおよそ0.44μm近傍にピークをもつ注入分布となる。
【0035】
この酸素イオン注入時の際の温度加熱により、結晶製造時起因の重金属不純物や酸素イオン注入機から生じる重金属等の汚染元素は、ある程度バルク内部に予め導入した埋め込み欠陥層2にゲッタリングされる。
【0036】
最後に、注入した酸素イオンをバルクシリコンと反応させ、埋め込み酸化膜5を形成するためのアニールをAr雰囲気下、1350℃で4時間熱処理した。この熱処理で、埋め込み欠陥層2は、転位網4になり、注入した酸素イオン3はシリコン表面から0.4μmの位置におよそ0.08μmの厚みをもった埋め込み酸化膜5となる(図1(c))。このとき、酸素イオン3はバルクシリコンと反応して、埋め込み酸化膜5が形成されるまでの間に、汚染不純物は転位網4にゲッタリングされ、ゲッタリング作用は完了する。
【0037】
この高温熱処理では、汚染元素によっては温度が高温すぎると、一旦ゲッタリングされた原子がゲッタリングサイトから遊離してくる場合もあるが、その際には、バルクとSOI層の間に埋め込み酸化膜5が形成されているので、汚染元素のバリアとして作用するようになる。このため、この高温熱処理は、一般にSIMOX基板製造において採用されている、1200〜1380℃で1〜10時間程度の処理でよく、特に制約はないことになる。
【0038】
次に、図2を用いて、本発明の第2の実施の形態の半導体基板の製造工程について説明する。
【0039】
まず、P型(100)のシリコン単結晶基板1にC+イオンを注入エネルギーを0.65MeV、注入量を1×1015cm-2、結晶軸チャネリング防止のため、注入角度を10°の条件で、結晶欠陥をバルク内部に導入するための高エネルギーイオン注入を行った(図2(a))。この注入で、シリコン基板深さ1.1μm近傍におよそ0.34μm前後の埋め込み欠陥層2が導入される。ここで用いる高エネルギーイオン注入条件は、上述しましたように、SIMOX基板のSOI層に影響を与えないような注入条件を設定することが必要であり、特に、埋め込み欠陥層2が埋め込み酸化膜5より深くなるよう慎重に注入エネルギーを選択することが肝心である。
【0040】
次に、Ar雰囲気下、900℃で30分のアニールを行って、埋め込み欠陥層2を転位網4に変換した(図2(b))。ここで、転位網4はシリコン表面から深さ1.0μm当たりに集中的に発生するようになる。このときのアニールは、通常の半導体プロセスで用いられる程度の条件で十分問題なく、条件の制約はない。また、この工程においてもゲッタリングが生じます。
【0041】
次に、O+イオンを注入エネルギーを180keV、注入量を4×1017cm-2、チャネリング防止のため、注入角度を13°、注入温度を550℃の条件で、埋め込み酸化膜を形成する酸素をシリコン単結晶基板1に注入した(図2(c))。この酸素注入では、O+イオン3はシリコンの表面からおよそ0.44μm近傍にピークをもつ注入分布となる。
【0042】
この酸素イオン注入時の際の温度加熱により、第1の実施の形態と同様、結晶製造時起因の重金属不純物や、酸素イオン注入機から生じる重金属等の汚染元素は、ある程度バルク内部に予め導入した埋め込み欠陥層2にゲッタリングされる。
【0043】
最後に、注入した酸素イオンをバルクシリコンと反応させ、埋め込み酸化膜を形成するためのアニールをAr雰囲気下、1350℃で4時間熱処理した。この熱処理で、注入した酸素イオン3はシリコン表面から0.4μmの位置におよそ0.08μmの厚みをもった埋め込み酸化膜5となる(図2(d))。このとき、酸素イオン3はバルクシリコンと反応して、埋め込み酸化膜5が形成されるまでの間に、汚染不純物は転位網4にゲッタリングされ、ゲッタリング作用は完了する。
【0044】
この高温熱処理では、汚染元素によっては温度が高温すぎると、一旦ゲッタリングされた原子がゲッタリングサイトから遊離してくる場合もあるが、その際には、バルクとSOI層の間に埋め込み酸化膜5が形成されているので、汚染元素のバリアとして作用するようになる。このため、この高温熱処理は、一般にSIMOX基板製造において採用されている、1200〜1380℃で1〜10時間程度の処理でよく、特に制約はないことになる。
【0045】
上述の第1及び第2の実施の形態のSIMOX基板のゲッタリング効果を検証するため、通常の従来技術によるSIMOX基板を参照サンプルとして重金属の定量汚染によるSOI層表面の結晶欠陥発生量の比較板に硫酸銅溶液を使用して、5×1012原子/cm2に相当する銅を塗布した。
【0046】
次に、酸素イオン注入時の加熱温度に相当する550℃で、10時間、続いてSIMOX形成のための通常の高温アニールを1350℃で4時間施した。この基板のSOI層表面を、ライトエッチで選択エッチングし、表面欠陥密度を測定した。この結果、従来のSIMOX基板では、重金属に起因した105〜106個/cm2のピット及び積層欠陥が観察されたが、本発明の第1及び第2の実施の形態では、SIMOX基板のSOI層のピット及び積層欠陥密度は0〜103個/cm2と表面欠陥の低減化効果が見られた。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明を用いることにより、結晶製造時起因或いは酸素イオン注入時に付着する汚染元素をSIMOX基板のSOI層外へ効率的に除去することが可能となるため、SIMOX基板を用いたSOIデバイスの素子の特性及び製造歩留まりを改善できる。
【0049】
更に、請求項2に記載の本発明を用いることにより、埋め込み酸化膜の電気的特性に影響を与えることなく、埋め込み欠陥層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体基板の製造工程図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の半導体基板の製造工程図である。
【図3】従来のSIMOX基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 シリコン単結晶基板
2 埋め込み欠陥層
3 イオン注入された酸素原子
4 転位網
5 埋め込み酸化膜
Claims (2)
- シリコン基板に酸素イオンを注入し、熱処理することにより埋め込みシリコン酸化膜層を形成する、SOI構造の半導体基板の製造方法において、
上記シリコン基板に、上記埋め込みシリコン酸化膜層が形成される深さより深い領域に埋め込み欠陥層が形成されるように、所定の元素からなるイオンを所定のエネルギーで注入する工程と、
上記シリコン基板の上記埋め込み欠陥層の上方領域に、上記シリコン基板を第1所定温度に加熱しながら酸素イオンを注入し、上記シリコン基板内に存在する不純物を上記埋め込み欠陥層にゲッタリングする工程と、
第2所定温度による熱処理により、上記埋め込み欠陥層を転位網に変えると共に、上記酸素イオンが注入された領域を埋め込みシリコン酸化膜層に変え、上記酸素イオンが注入された領域が埋め込みシリコン酸化膜層になるまでの間、上記転位網に上記シリコン基板内に存在する不純物をゲッタリングする工程
とを有し、かつ汚染不純物がゲッタリングされた転位網が、埋め込みシリコン酸化膜層内に形成されていないSOI構造の半導体基板を製造することを特徴とする、半導体基板の製造方法。 - 上記埋め込み欠陥層を形成するイオン注入に、IIIb族、IVb族、Vb族、VIb族又はVIIb族のいずれかの元素から成るイオンを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
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