JP3809783B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータ制御装置に関し、特に、3相交流モータに流れる高調波電流を低減するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、3相交流モータの電流制御回路では、演算を容易にするために、3相交流を直流に変換して制御演算が行われている(例えば、特開平08−331885号公報参照)。図25は、従来の3相交流モータの制御装置の構成を示す。従来のモータ制御装置で行われる制御演算では、3相交流モータに流れる電流のうち、励磁電流成分の方向をd軸に設定し、トルク電流成分の方向をd軸と直交するq軸に設定した回転直交座標系(dq座標系)を用いる。回転直交座標系において、3相交流電流値を変換した直流電流値を用いて電流制御演算を行い、電流の制御偏差を小さくしている。
【0003】
交流モータは、小型化と高効率化のために、図7に示すような内部埋め込み磁石構造のローターと、集中巻構造のステーターを備えている。ローターは、磁石トルクとリラクタンストルクを有効利用できる。このようなローターを有するモータはIPM(Interior Permanent-magnet Motor)と呼ばれている。ステーターは、コイルエンドの大幅な低減が可能である。上述した構造のローターとステーターを備えたモータは、集中巻IPMモータと呼ばれ、小形で高い効率を実現できるモーターとして注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した集中巻IPMモータは、空間高調波が大きいという特性を有している。集中巻IPMモータのように集中巻構造を有するモータは、1極当たりのスロット数が少ないので、分布巻構造のモータに比べて磁束の分布が不均一になるからである。磁束の分布が均一にならない理由について説明する。
【0005】
図8は、ローターの表面が磁石で覆われている表面磁石構造を有するSPMモータを示す。図8に示すSPMモータと異なり、図7に示す内部埋め込み磁石構造を有するIPMモータでは、ローターの円周に沿って磁石が埋め込まれている部分と磁石が存在しない部分とが存在する。従って、ローターの表面が磁石で覆われているSPMモータでは磁束の分布が均一になるが、IPMモータでは磁束の変化が大きくなり、空間高調波成分が大きくなる。
【0006】
モータの空間高調波が大きくなると、モータに流れる電流の高調波成分が大きくなるので、モータの効率改善効果が小さくなったり、トルクリップルが大きくなるという問題がある。また、電流の基本波成分に高調波成分が重畳されるので、電流のピーク値が大きくなるという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、交流モータに流れる高調波電流を低減するモータ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の発明は、3相交流モータMに流れる電流iu、iv、iwの励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流iu、iv、iwの基本波成分を制御する基本波電流制御回路1〜5,8と、モータ電流iu、iv、iwの基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(高調波座標系)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路8〜12とを備え、高調波座標系を基本波電流制御回路1〜5,8のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、高調波電流制御回路8〜12は、dq座標系の電流指令値に対する電流応答値を予測する電流応答値予測回路50と、dq座標系の電流値から電流応答値予測回路50で予測された電流応答値を減算して高調波電流を検出する高調波電流検出回路50とを備え、高調波電流検出回路50で検出されたdq座標系の高調波電流を高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、基本波電流制御回路1〜5,8の出力と高調波電流制御回路8〜12の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とする。
(2)請求項2のモータ制御装置は、3相交流モータMに流れる電流i u 、i v 、i w の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流i u 、i v 、i w の基本波成分を制御する基本波電流制御回路1〜5,8と、モータ電流i u 、i v 、i w の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(高調波座標系)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路8〜12とを備え、高調波座標系を基本波電流制御回路1〜5,8のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、高調波電流制御回路8〜12は、モータ電流指令値に対する電流応答値を予測する電流応答値予測回路50と、基本波電流値から電流応答値予測回路50で予測された電流応答値を減算して高調波電流を検出する高調波電流検出回路50とを備え、高調波電流検出回路8〜12によって検出された高調波電流を高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、
基本波電流制御回路1〜5,8の出力と高調波電流制御回路8〜12の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とする。
(3)請求項3のモータ制御装置は、3相交流モータMに流れる電流i u 、i v 、i w の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流i u 、i v 、i w の基本波成分を制御する基本波電流制御回路1〜5,8と、モータ電流i u 、i v 、i w の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(高調波座標系)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路8〜12とを備え、高調波座標系を基本波電流制御回路1〜5,8のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、高調波電流制御回路8〜12は、モータ電流をモータのステーター側に固定されたαβ直交座標系の電流に変換し、このαβ座標系の電流の高調波成分を検出して高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、基本波電流制御回路1〜5,8の出力と高調波電流制御回路8〜12の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3のモータ制御装置において、高調波電流制御回路11,33,34,35,36,50D,55は、αβ座標系の電流指令値iα * ,iβ * に対する電流応答値iα _i ,iβ _i を予測する電流応答値予測回路50Dと、αβ座標系の電流値iα,iβから電流応答値予測回路50Dで予測された電流応答値iα _i ,iβ _i 減算して高調波電流iα _h ,iβ _h を検出する高調波電流検出回路50Dとを備える。
(5)請求項5の発明は、請求項1,2,4のいずれかに記載のモータ制御装置において、電流応答値予測回路は、ローパス・フィルタであることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5のモータ制御装置において、ローパス・フィルタの時定数は、モータの状態が変化することに伴い変化することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1のモータ制御装置において、高調波電流制御回路における制御対象の高調波次数をモータの駆動状態に応じて切り換えるようにしたものである。
(8)請求項8の発明は、請求項1〜7のモータ制御装置において、複数の次数の高調波電流に対応する複数組の高調波電流制御回路を備えることを特徴とする。
(9)請求項9の発明は、請求項8のモータ制御装置において、高調波電流制御回路における制御対象の高調波次数を、モータ電流に含まれる高調波成分の多い順に決定するようにしたものである。
【0009】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために一実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、基本波電流が変化した時でも、基本波電流の変化分が高調波電流として検出されることはなく、確実に高調波電流を検出することができる。また、所定次数を中心とする高調波成分を大幅に低減することができる。
(2)請求項2の発明によれば、基本波電流が変化した時でも、基本波電流の変化分が高調波電流として検出されることはなく、確実に高調波電流を検出することができる。また、所定次数を中心とする高調波成分を大幅に低減することができる。
(3)請求項3の発明によれば、3相交流座標系で電流制御演算を行う場合に比べて演算量を少なくしつつ、所定次数を中心とする高調波成分を大幅に低減することができる。
(4)請求項4の発明によれば、基本波電流が変化した時でも、基本波電流の変化分が高調波電流として検出されることはなく、確実に高調波電流を検出することができる。
(5)請求項の発明によれば、モータの状態により基本波電流の制御応答値が変化する場合でも、ローパス・フィルタの時定数をモータの状態に応じた値とするので、電流指令値に対する予測応答値の精度を向上させることができる。
(6)請求項の発明によれば、モータの駆動状態に応じて発生する高調波電流を効果的に低減することができる。
(7)請求項8または9の発明によれば、モータ電流に含まれる高調波成分をさらに多く低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
図1は、本発明によるモータ制御装置の第1の実施の形態の構成を示す制御ブロック図である。モータ制御装置は、3相交流モータを用いて直流モータと同等のトルク制御を実現するベクトル制御を行う。すなわち、モータ電流の励磁電流成分とトルク電流成分とを非干渉化することにより、トルク電流成分がモータの出力トルクに比例する。つまり、交流モータが回転駆動することにより発生する回転磁界の磁束ベクトルの振幅を一定に制御すると、磁束ベクトルと直交するトルク電流ベクトルがモータトルクに比例する。
【0012】
上述した制御を行うために、第1の実施の形態のモータ制御装置は、基本波電流制御回路と高調波電流制御回路とを備えている。基本波電流制御回路は、dq座標系を用いてモータ電流iu、iv、iwの基本波成分を制御する回路である。dq座標系は、3相交流モータMに流れる3相電流iu、iv、iwの励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とで構成され、モータ回転に同期して回転する座標系である。高調波電流制御回路は、高調波座標系を用いてモータ電流iu、iv、iwに含まれる高調波成分を制御する回路である。高調波座標系は、基本波電流制御回路のみを用いてモータ電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系であり、モータ電流iu、iv、iwの基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する座標系である。
【0013】
基本波電流制御回路は、トルク制御部1、基本波電流制御部2、dq/3相変換部3、電力変換部4、位相速度演算部5および3相/dq変換部8を備えている。なお、この基本波電流制御回路の構成は、図25に示す従来のモータ制御装置の構成と同様である。トルク制御部1は、トルク指令値Te*とモータ回転速度ωeとに基づいて、電流指令値テーブルを用いて、励磁電流成分であるd軸電流指令値id*と、トルク電流成分であるq軸電流指令値iq*とを演算する。演算した電流指令値id*,iq*は、基本波電流制御部2に送られる。
【0014】
基本波電流制御部(dq軸電流制御部)2は、d軸とq軸の実電流id、iqをそれぞれ電流指令値id*、iq*に一致させるために、d軸とq軸の基本波電圧指令値vd*、vq*を演算する。dq/3相変換部3は、3相交流座標系から見たdq座標系の位相θeに基づいて、d軸とq軸の電圧指令値(vd*+vd')、(vq*+vq')を3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。d軸,q軸の電圧指令値(vd*+vd')、(vq*+vq')については後述する。変換した3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*は、電力変換部4に送られる。電力変換部4は、IGBTなどの電力変換素子により、3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいてバッテリなどの直流電源(不図示)の直流電圧をスイッチングし、3相交流電圧U、V、Wを3相交流モータMに印加する。
【0015】
エンコーダPSは3相交流モータMに連結され、モータMの回転位置θmを検出する。検出した回転位置θmは、位相速度演算部5に送られる。位相速度演算部5は、エンコーダPSから送られた回転位置信号θmに基づいてモータMの回転速度ωeと3相交流座標系から見たdq座標系の位相θeを演算する。電流センサ6、7は、3相交流モータMのU相とV相の実電流iu、ivをそれぞれ検出する。検出したU相電流iuとV相電流ivは、3相/dq変換部8に送られる。3相/dq変換部8は、3相交流座標系から見たdq座標系の位相θeに基づいて3相交流モータMの実電流iu、iv、iw(=−iu−iv)をd軸の実電流idとq軸の実電流iqに変換する。
【0016】
高調波電流制御回路は、3相/dq変換部8、ハイパス・フィルタ9、dq/dhqh変換部10、高調波電流制御部11およびdhqh/dq変換部12を備えている。ハイパス・フィルタ9は、d軸の実電流id、q軸の実電流iqにフィルタ処理を施して高調波成分を抽出する。dq/dhqh変換部10は、上述した基本波電流制御回路のみでモータ電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系(高調波座標系)dhqhを有し、d軸の実電流id、q軸の実電流iqの高調波成分を高調波座標系dhqhの実電流idh、iqhに変換する。dq座標系から見たdhqh座標系の位相をθehとすると、dhqh座標系の実電流idh、iqhは次式(1)により求められる。
【数1】
Figure 0003809783
【0017】
高調波電流制御部11は、モータ電流iu、iv、iwに含まれる高調波成分の内の上記所定次数の高調波成分が0となるように高調波電流を制御する。そのため、高調波電流制御部(dhqh軸電流制御部)11は、dh軸とqh軸の実電流idh、iqhをそれぞれ電流指令値idh*=0、iqh*=0に一致させるためのdh軸とqh軸の高調波電圧指令値vdh*、vqh*を演算する。dhdq/dq変換部12は、dh軸とqh軸の高調波電圧指令値vdh*、vqh*をそれぞれ、d軸とq軸の高調波電圧指令値vd’、vq’に変換する。この変換は式(1)と逆の変換を行えばよい。変換後の電圧指令値vd’、vq’は、加算器13,14に送られる。加算器13,14は、基本波電流制御部2で生成された基本波電圧指令値vd*、vq*と高調波電流制御回路で生成された高調波電圧指令値vd'、vq'とを加算し、最終的なd軸電圧指令値(vd*+vd')とq軸電圧指令値(vq*+vq')を得る。
【0018】
図1に示す第1の実施の形態のモータ制御装置から、ハイパス・フィルタ9、dq/dhqh変換部10、高調波電流制御部11、dhqh/dq変換部12および加算器13,14を除くと、図25に示す従来のモータ制御装置の電流制御回路、つまり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流を制御する電流制御回路となる。dq座標系のみを用いた電流制御演算では、電流指令値に対する実電流の追従性を、モータの空間高調波に起因する高調波電流の周波数帯域まで確保するのは困難である。従って、上述したように集中巻IPMモータの効率改善効果が小さくなったり、トルクリップルが大きくなったり、あるいは電流のピーク値が大きくなるという問題が発生する。
【0019】
この問題について詳しく説明する。dq座標系は、モータの回転に同期して回転する座標系であるから、dq座標系ではモータの基本波電流は直流量になる。一方、dq座標系における高調波電流の角周波数ωeh_dqは、高調波電流の角周波数をωehとし、モータ電流の基本角周波数をωeとすると、次式(2)で表される。
【数2】
ωeh_dq=ωeh−ωe …(2)
式(2)から明らかなように、モータ電流の高調波成分はdq座標系でも直流量にならない。このため、モータの回転速度が高くなってモータ電流の周波数が高くなると、モータ電流の基本波成分の追従性は良好であるが、モータ電流の高調波成分はモータの回転速度に応じて周波数が高くなり、電流指令値に対して実電流が追従できなくなる。
【0020】
上述した問題を解決するために、第1の実施の形態のモータ制御装置では、図1に示す高調波電流制御回路8〜12と加算器13,14とを用いて、所定次数の高調波成分の電流追従性を改善して、所定次数の高調波成分を低減する。説明を簡単にするために、この実施の形態ではk次高調波成分を低減するものとする。
【0021】
3相/dq変換部8から出力されるd軸とq軸の実電流id、iqの基本波成分は直流量であるが、高調波成分は交流量である。ハイパス・フィルタ9は、実電流id、iqから高調波成分のみを抽出する。抽出した高調波成分は、dq/dhqh変換部10に送られる。dq/dhqh変換部10は、実電流id、iqに含まれるk次高調波成分を、位相(θe_h−θe)で回転するdhqh高調波座標系の実電流idh、iqhに変換する。ただし、θe_hはk次高調波電流の位相である。k次高調波成分は予め設定しておくことができるので、位相θe_h−θeは演算により求めることができる。変換後の実電流idh、iqhは、直流量となる。したがって、dhqh座標系で電流制御演算を行うと、k次高調波電流の電流指令値(=0)に対する追従性は大きく改善される。この結果、モータ電流iu、iv、iwに含まれる高調波電流を低減することができる。特に、k次およびその近傍の高調波電流を大幅に低減できる。
【0022】
従来のモータ制御装置を用いて、空間高調波成分の大きい集中巻IPMモータを駆動した場合の、U相電流指令値に対するU相電流の波形を図5に示す。また、第1の実施の形態のモータ制御装置を用いて、同じIPMモータを駆動した場合のU相電流指令値に対するU相電流の波形を図6に示す。従来のモータ制御装置を用いた場合、図5から明らかなようにモータ電流に大きな高調波成分が含まれている。これに対し、第1の実施の形態のモータ制御装置を用いた場合、図6から明らかなように高調波成分が大きく低減されている。
【0023】
このように、第1の実施の形態におけるモータ制御装置によれば、モータ電流に含まれる所定次数を中心とする高調波成分を低減することができる。
【0024】
なお、上述した第1の実施の形態のモータ制御装置では、任意の所定次数kの高調波電流を低減する例を示したが、モータ速度や負荷などのモータの駆動状態に応じて、低減する高調波電流の次数kを切り換えるようにしてもよい。すなわち、モータの駆動状態が変化すると発生する高調波電流成分も変化するので、モータの駆動状態に応じて、最も多い高調波電流成分を低減する必要がある。
【0025】
上述した第1の実施の形態では、dq軸の実電流id、iqから基本波成分と高調波成分とを抽出する例を示した。dq軸では基本波成分は直流量となり、高調波成分は交流量となるため、後述する第2および第3の実施の形態で行う方法に比べ、基本波成分と高調波成分の分離が容易である。
【0026】
上述した第1の実施の形態では、高調波座標系を基本波電流制御回路1〜8のみでモータ電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系dhqhとした例を示した。高調波座標系として、モータ電流の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系を用いても、同様な高調波成分の低減効果を得ることができる。
【0027】
《第2の実施の形態》
上述した第1の実施の形態では、基本波分のdq軸電圧指令値vd*、vq*と高調波分のdq軸電圧指令値vd'、vq'とを加算して最終的なdq軸電圧指令値(vd*+vd')、(vq*+vq')を求め、dq/3相変換により3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する例を示した。第2の実施の形態では、基本波分の3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*と高調波分の3相交流電圧指令値vu'、vv'、vw'とを求め、それらを加算して最終的な3相交流電圧指令値(vu*+vu')、(vv*+vv')、(vw*+vw')を得る。
【0028】
図2は、第2の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略するとともに、単線図で表す。基本波電流制御回路については図1に示す第1の実施の形態と同様であり、その説明は省略する。
【0029】
高調波電流制御回路において、ハイパス・フィルタ9は3相交流モータMの実電流iu、ivにフィルタ処理を施して高調波成分を抽出する。3相/dhqh変換部21は、高調波座標系dhqhを有し、モータ電流iu、ivの高調波数成分を高調波座標系dhqhの実電流idh、iqhに変換する。高調波座標系とは、上述したように、基本波電流制御回路のみでモータ電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系である。3相座標系から見たdhqh座標系の位相をθehsとすると、dhqh座標系の実電流idh、iqhは次式(3)により求められる。
【数3】
Figure 0003809783
【0030】
dhqh/3相変換部22は、高調波電流制御部11から送られてきたdh軸の電圧指令値vdh*、qh軸の電圧指令値vqh*を高調波分の3相交流電圧指令値vu'、vv'、vw'に変換する。この変換は式(3)と逆の変換を行えばよい。加算器13,14は、基本波電流制御回路で演算した基本波分の3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*と、高調波電流制御回路で演算した高調波分の3相交流電圧指令値vu'、vv'、vw'とを加算し、最終的な3相交流電圧指令値(vu*+vu')、(vv*+vv')、(vw*+vw')を得る。
【0031】
第2の実施の形態のモータ制御装置を用いたときのモータ電流波形は、図6に示す波形とほぼ同様な波形が得られる。すなわち、第1の実施の形態のモータ制御装置と同様にモータ電流に含まれる所定次数を中心とする高調波成分を低減することができる。なお、第2の実施の形態のモータ制御装置では、3相交流座標系において基本波分と高調波分の指令値演算を行うため、dq座標系において演算を行う第1の実施の形態よりも演算処理量が多くなる。
【0032】
《第3の実施の形態》
上述した第1の一実施の形態では、dq座標系において電圧指令値演算を行う例を、また第2の実施の形態では3相交流座標系において電圧指令値演算を行う例をそれぞれ示した。第3の実施の形態では、αβ座標系において電圧指令値演算を行う。
【0033】
上述した3相交流座標系は、モータのステーターに固定された静止座標系であり、120度ずつずれたU相、V相、W相の軸を有する座標系である。これに対しαβ座標系は、ステーターに固定された直交座標系である。一般には、α軸を3相交流座標系のU軸と同一位相にとってαβ座標系を設定する。このαβ座標系では、3相交流座標系の3つの物理量を直交する2つの物理量で取り扱えるので、指令値演算の処理量は上述した第1の実施の形態のdq座標系の場合とほぼ同じ量になる。
【0034】
図3は第3の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略するとともに、単線図で表す。第3の実施の形態の基本波電流制御回路は、図1に示す基本波電流制御回路に対して、dq/αβ変換部31とαβ/3相変換部32が新たに加わり、3相/dq変換部8に代わって3相/αβ変換部33とαβ/dq変換部34が用いられる。
【0035】
dq/αβ変換部31は、基本波電流制御部2で演算されたdq軸基本波電圧指令値vd*、vq*をαβ軸基本波電圧指令値vα*、vβ*に変換する。αβ/3相変換部32は、後述する最終的なαβ軸電圧指令値(vα*+vα')、(vβ*+vβ')を3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。3相/αβ変換部33は、基本波電流位相θeに基づいて3相交流モータMの実電流iu、iv、iw(=−iu−iv)をαβ軸の実電流iα、iβに変換する。αβ/dq変換部34は、αβ軸の実電流iα、iβをdq軸の実電流id、iqに変換する。
【0036】
第3の実施の形態の高調波電流制御回路では、図1に示す高調波電流制御回路のdq/dhqh変換部10とdhqh/dq変換部12の代わりに、αβ/dhqh変換部35とdhqh/αβ変換部36がそれぞれ用いられる。
【0037】
ハイパス・フィルタ9は、αβ軸の実電流iα、iβにフィルタ処理を施して高調波成分を抽出する。抽出した高調波成分は、αβ/dhqh変換部35に送られる。αβ/dhqh変換部35は、高調波座標系dhqhを有し、αβ軸電流iα、iβの高調波成分を高調波座標系dhqhの実電流idh、iqhに変換する。高調波座標系は、上述したように、基本波電流制御回路のみでモータ電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系である。dhqh/αβ変換部36は、高調波電流制御部11から送られてきたdh軸とqh軸の高調波電圧指令値vdh*、vqh*を、αβ軸高調波電圧指令値vα'、vβ'にそれぞれ変換する。
【0038】
加算器13,14は、基本波電流制御回路で演算したαβ軸基本波電圧指令値vα*、vβ*と、高調波電流制御回路で演算したαβ軸高調波電圧指令値vα'、vβ'とを加算し、最終的なαβ軸電圧指令値(vα*+vα')、(vβ*+vβ')を得る。
【0039】
最終的なαβ軸電圧指令値(vα*+vα')、(vβ*+vβ')は、αβ/3相変換部32により3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換される。電力変換部4は、3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいて、3相交流電圧U、V、Wを3相交流モータMに印加する。
【0040】
第3の実施の形態のモータ制御装置を用いたときのモータ電流波形は、図6に示す波形とほぼ同様な波形が得られる。すなわち、第1の実施の形態のモータ制御装置と同様に、モータ電流に含まれる所定次数を中心とする高調波成分を低減することができる。
【0041】
《第4の実施の形態》
上述した第1〜第3の実施の形態ではいずれも、モータ電流に含まれる単一次数を中心とした高調波成分を低減する例を示した。第4の実施の形態では、2つの次数、ここでは一般的に成分が大きいとされる第5次と第7次を中心とする高調波成分を低減する例を示す。
【0042】
図4は第4の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略するとともに、単線図で表す。第4の実施の形態の基本波電流制御回路の構成は、図1に示す第1の実施の形態の基本波電流制御回路の構成と同じである。
【0043】
第1の実施の形態のモータ制御装置と異なるのは、高調波電流制御回路である。すなわち、第4の実施の形態のモータ制御装置では、図1に示す第1の実施の形態の高調波電流制御回路を2組備えている。2つのうちの1つの高調波電流制御回路は、3相/dq変換部8、ハイパス・フィルタ9、dq/dh1qh1変換部10A、高調波電流制御部11およびdh1qh1/dq変換部12Aから構成される。もう1つの高調波電流制御回路は、3相/dq変換部8、ハイパス・フィルタ9、dq/dh2qh2変換部10B、高調波電流制御部11およびdh1qh1/dq変換部12Bから構成される。
【0044】
dq/dh1qh1変換部10Aとdq/dh2qh2変換部10Bは、図1に示すdq/dhqh変換部10と同様のものである。しかし、dq/dh1qh1変換部10Aは、dq軸の実電流id、iqの高調波成分を、モータ電流の第5次高調波成分の位相(θeh1−θe)に同期して回転する直交座標系(高調波座標系)dh1qh1の実電流idh1、iqh1に変換するものである。また、dq/dh2qh2変換部10Bは、dq軸の実電流id、iqの高調波成分を、モータ電流の第7次高調波成分の位相(θeh2−θe)に同期して回転する直交座標系(高調波座標系)dh2qh2の実電流idh2、iqh2に変換するものである。
【0045】
dh1qh1/dq変換部12Aとdh2qh2/dq変換部12Bは、図1に示すdhqh/dq変換部12と同様のものである。しかし、dh1qh1/dq変換部12Aは、dh1軸とqh1軸の高調波電圧指令値vdh1*、vqh1*をd軸とq軸の高調波電圧指令値vd1’、vq1’に変換するものである。また、dh2qh2/dq変換部12Bは、dh2軸とqh2軸の高調波電圧指令値vdh2*、vqh2*をd軸とq軸の高調波電圧指令値vd2’、vq2’に変換するものである。
【0046】
加算器13,14は、基本波電流制御回路で演算したdq軸基本波電圧指令値vd*、vq*と、第5次高調波電流制御回路で演算したdq軸高調波電圧指令値vd1'、vq1'と、第7次高調波電流制御回路で演算したdq軸高調波電圧指令値vd2'、vq2'とを加算し、最終的なdq軸電圧指令値(vd*+vd1'+vd2')、(vq*+vq1'+vq2')を得る。
【0047】
最終的なdq軸電圧指令値(vd*+vd1'+vd2')、(vq*+vq1'+vq2')は、dq/3相変換部3により3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換される。電力変換部4は、3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいて、3相交流電圧U、V、Wを3相交流モータMに印加する。
【0048】
第4の実施の形態のモータ制御装置によれば、上述した第1〜第3の実施の形態のモータ制御装置よりもさらにモータ電流に含まれる高調波成分、特に第5次と第7次を中心とした高調波成分を低減することができる。
【0049】
なお、第4の実施の形態のモータ制御装置では、第1の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備えた構成としている。同様に、第2の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備える構成とすることもできるし、第3の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備える構成とすることもできる。また、第4の実施の形態では、モータ電流に含まれる高調波電流のうち、第5次と第7次の高調波成分が多いので、第5次高調波成分と第7次高調波成分を低減する例を示したが、低減対象となる高調波の次数はこの実施の形態に限定されない。すなわち、高調波電流のうち含まれている高調波成分が多い次数を低減すればよい。さらに、第4の実施の形態では、第5次と第7次の2つの次数の高調波成分を中心に低減する例を示したが、3つ以上の高調波成分を低減することもできる。この場合、低減対象となる高調波成分の数だけ上述した高調波電流制御回路を設ければよい。
【0050】
《第5の実施の形態》
図9は、第5の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略するとともに、単線図で表す。基本波電流制御回路については図1に示す第1の実施の形態と同様であり、その説明は省略する。
【0051】
第5の実施の形態のモータ制御装置が、図1に示すモータ制御装置と異なるのは、高調波電流検出部50である。すなわち、第1の実施の形態のモータ制御装置では、ハイパス・フィルタ9を用いてdq軸の実電流id,iqの高調波成分を検出しているが、第5の実施の形態のモータ制御装置では、高調波電流検出部50を用いて高調波成分を検出している。高調波電流検出部50は、dq軸の電流指令値id*,iq*に対する電流応答値を予測し、予測した電流応答値と3相/dq変換部8で変換したdq軸電流id,iqとを用いてdq軸電流id,iqの高調波成分を検出する。この方法を図10を用いて詳しく説明する。
【0052】
図10は、高調波電流検出部50の構成を示すブロック図である。電流応答予測部51は、dq軸の電流指令値id*,iq*に対する電流応答予測値id_i,iq_iを出力する伝達関数G(s)を有する。基本波電流制御部2で行う電流制御を例えばPI制御にて行う場合、図11に示すように、伝達関数G(s)を1次のローパス・フィルタ51aで実現することができる。この場合、ローパス・フィルタ51aの時定数は、基本波電流制御部2の時定数と等しい。
【0053】
電流応答予測部51にdq軸の電流指令値id*,iq*を入力し、例えばローパスフィルタ51aを用いてフィルタ処理を施すことにより、電流応答予測値id_i,iq_iを求めて減算器52,53に出力する。減算器52は、d軸の実電流idからd軸の電流応答予測値id_iを減じて、d軸電流の高調波成分id_hを求める。また、減算器53は、q軸の実電流iqからq軸の電流応答予測値iq_iを減じて、q軸電流の高調波成分iq_hを求める。なお、dq軸の電流指令値id*,iq*に対する電流応答予測値の位相特性・ゲイン特性は、基本波電流制御部2の位相特性・ゲイン特性と等しい。また、基本波電流制御部2がPI制御以外の制御を行うときは、その制御系に対応した伝達関数を用いればよい。
【0054】
図1に示すハイパス・フィルタ9を用いてdq軸電流の高調波成分を検出する場合、基本波電流が変化した時に基本波電流の変化分がハイパス・フィルタ9を通過して高調波成分として検出されることがある。高調波成分が誤って検出されると、電力変換部4に送られる3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*にも誤差が生じるので、モータの制御の精度が悪化する。ハイパス・フィルタ9の代わりに高調波電流検出部50を用いてdq軸電流の高調波成分を検出した場合、基本波電流が変化する時でも高調波成分id_h,iq_hは基本波電流の変化分を含むことはない。すなわち、dq軸の電流指令値id*,iq*が変化すると電流応答予測値id_i,iq_iも変化するので、減算器52,53で電流応答予測値の変化分が減じられて算出される高調波成分には基本波電流の変化分は含まれない。
【0055】
図13〜図17を用いて、第1の実施の形態のモータ制御装置を用いてシミュレーションを行ったときの制御結果と第5の実施の形態のモータ制御装置を用いてシミュレーションを行ったときの制御結果とを比較する。図13は、d軸電流指令値とq軸電流指令値の時間変化を示す図である。図14は、図13に示す電流指令値に対して、第1の実施の形態におけるモータ制御装置を用いてq軸の高調波電流を検出したときの結果である。縦軸のスケールは、−60[A]〜150[A]である。図14から明らかなように、検出されたq軸の高調波電流には、基本波電流の変化分も含まれている。
【0056】
図15は、図13に示す電流指令値に対して、第5の実施の形態におけるモータ制御装置を用いてq軸の高調波電流を検出したときの結果である。縦軸のスケールは、−20[A]〜20[A]である。検出されたq軸の高調波電流の変動は小さく、基本波電流の変化分は含まれていないことが分かる。高調波電流指令値idh=0,iqh=0としたときの、図13に示す電流指令値に対する応答値を図16,図17に示す。図16から分かるように、第1の実施の形態のモータ制御装置による制御では、d軸電流が変動している。これに対し、第5の実施の形態のモータ制御装置による制御では、d軸電流の変動が抑えられて、制御精度が向上している。また、電流指令値に対するq軸電流の応答性も向上している。
【0057】
図17は、図16の一部を拡大した図であり、q軸電流指令値に対する第1の実施の形態のモータ制御装置による制御結果と、第5の実施の形態のモータ制御装置による制御結果とを示す。図から分かるように、第5の実施の形態のモータ制御装置による制御の方が、電流指令値に対するq軸電流の応答値の制御精度が向上している。上述したように、第1の実施の形態のモータ制御装置による制御では、基本波電流の変化分が誤って高調波電流として検出されるために、d軸電流、q軸電流ともに制御精度が悪化する。第5の実施の形態のモータ制御装置による制御では、検出した高調波電流には基本波電流が含まれないので、dq軸電流の制御精度を向上させることができる。
【0058】
第5の実施の形態のモータ制御装置で用いられたローパス・フィルタ51aの時定数は、基本波電流制御部2の時定数と等しい固定の値である。この時定数を可変とすることもできる。実際の制御においては、モータMの抵抗は温度によって変化し、インダクタンスはモータ電流によって変化するように、モータMの状態は変化する。この場合、時定数を固定とした一次遅れ系の制御では、電流指令値と電流応答値との間に誤差が生じる。この誤差を抑えるために、ローパス・フィルタ51aの時定数を可変として、高調波電流の検出精度を向上させることができる。
【0059】
図12は、ローパス・フィルタ51aの時定数を可変とした高調波電流検出部50Aの構成を示すブロック図である。時定数テーブル54は、dq電流指令値id*,iq*に応じてローパス・フィルタ51aAの時定数を設定するためのテーブルである。電流指令値id*,iq*とローパス・フィルタ51aAの時定数との関係は、予め実験によって求めておく。ローパス・フィルタ51aAは、時定数テーブル54により求められる時定数を用いてフィルタ処理を行い、電流応答予測値id_i,iq_iを減算器52,53にそれぞれ出力する。
【0060】
第5の実施の形態のモータ制御装置によれば、基本波電流が変化した時でも、基本波電流の変化分が高調波電流として検出されることはなく、確実に高調波電流を検出することができる。また、電流指令値id*,iq*に応じてローパス・フィルタ51aAの時定数を設定することにより、さらに正確に高調波電流を検出することができる。
【0061】
なお、時定数テーブル54に格納されるローパス・フィルタ51aAの時定数を、電流指令値id*,iq*ではなく、dq軸電流id,iqに応じる値とすることもできる。
【0062】
《第6の実施の形態》
第5の実施の形態のモータ制御装置は、第1の実施の形態のモータ制御装置におけるハイパス・フィルタ9を高調波電流検出部50と置き換えて構成している。第6の実施の形態のモータ制御装置は、第2の実施の形態のモータ制御装置におけるハイパス・フィルタ9を高調波電流検出部50Bと置き換えて構成される。また、高調波電流検出部50Bに電流指令値iu*,iv*を入力するために、dq/3相変換部55を備えている。第6の実施の形態のモータ制御装置の構成を図18に示す。
【0063】
図19は、高調波電流検出部50Bの構成を示すブロック図である。dq/3相変換部55で変換された電流指令値iu*,iv*は、ローパス・フィルタ51aBに入力される。入力された電流指令値iu*,iv*は、ローパス・フィルタ51aBでフィルタ処理が施されて電流応答予測値iu_i,iv_iが求められる。減算器52は、u相電流iuからu相電流応答予測値iu_iを減じて、u相電流の高調波成分iu_hを求める。また、減算器53は、v相電流ivからv相電流応答予測値iv_iを減じて、v相電流の高調波成分iv_hを求める。求めた高調波成分iu_h,iv_hはそれぞれ3相/dhqh変換部21に出力される。
【0064】
また、第5の実施の形態と同様に、ローパス・フィルタ51aBの時定数を可変とすることもできる。図20は、ローパス・フィルタ51aBの時定数を可変とした高調波電流検出部50Cの構成を示すブロック図である。時定数テーブル54Cには、u相電流指令値iu*,v相電流指令値iv*に対応するローパス・フィルタ51aCの時定数が格納されている。ローパス・フィルタ51aCの時定数を可変とすることにより、第5の実施の形態でローパス・フィルタ51aAの時定数を可変としたときと同様の効果を得ることができる。なお、時定数テーブル54Cに格納されるローパス・フィルタ51aCの時定数を、電流指令値iu*,iv*ではなく、U相電流iu,V相電流ivに応じる値とすることもできる。
【0065】
第6の実施の形態のモータ制御装置によれば、第5の実施の形態のモータ制御装置と同様の効果を得ることができる。
【0066】
《第7の実施の形態》
図21は、第7の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。第7の実施の形態のモータ制御装置は、第3の実施の形態のモータ制御装置におけるハイパス・フィルタ9を高調波電流検出部50Dと置き換えて構成される。また、高調波電流検出部50Dに電流指令値iα*,iβ*を入力するために、dq/αβ変換部56を備えている。
【0067】
図22は、高調波電流検出部50Dの構成を示すブロック図である。dq/αβ変換部56で変換された電流指令値iα*,iβ*は、ローパス・フィルタ51aDに入力される。入力された電流指令値iα*,iβ*は、ローパス・フィルタ51aDでフィルタ処理が施されて電流応答予測値iα_i,iβ_iが求められる。減算器52は、α軸電流iαからα軸電流応答予測値iα_iを減じて、α軸電流の高調波成分iα_hを求める。また、減算器53は、β軸電流iβからβ軸電流応答予測値iβ_iを減じて、β軸電流の高調波成分iβ_hを求める。求めた高調波成分iβ_h,iβ_hはそれぞれαβ/dhqh変換部35に出力される。
【0068】
ローパス・フィルタ51aDの時定数を可変とすることができるのも、第5,第6の実施の形態と同様である。図23は、ローパス・フィルタ51aDの時定数を可変とした高調波電流検出部50Eの構成を示すブロック図である。時定数テーブル54Eには、α軸電流指令値iα*,β軸電流指令値iβ*に対応するローパス・フィルタ51aEの時定数が格納されている。ローパス・フィルタ51aEの時定数を可変とする効果は、第5,第6の実施の形態でローパス・フィルタ51aAの時定数を可変としたときと同じであり、その詳細については省略する。
【0069】
第7の実施の形態のモータ制御装置においても、第5,第6の実施の形態のモータ制御装置と同様の効果を得ることができる。
【0070】
《第8の実施の形態》
第8の実施の形態のモータ制御装置は、第4の実施の形態のモータ制御装置におけるハイパス・フィルタ9を高調波電流検出部50と置き換えて構成される。すなわち、第8の実施の形態のモータ制御装置は、図9に示す第1の実施の形態のモータ制御装置の高調波電流制御回路を2組備えている。第8の実施の形態のモータ制御装置の構成を図24に示す。高調波電流検出部50は、第1の実施の形態の高調波電流検出部50と同じものを用いることができるので、その構成は図10,11に示すものとなる。また、ローパス・フィルタ51aの時定数を可変としたときの高調波電流検出部50の構成は、図12に示すものとなる。第8の実施の形態のモータ制御装置においても、第5〜第7の実施の形態のモータ制御装置と同様の効果を得ることができる。
【0071】
なお、第8の実施の形態のモータ制御装置では、第5の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備えた構成としている。同様に、第6の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備える構成とすることもできるし、第7の実施の形態のモータ制御装置の高調波制御回路を2組備える構成とすることもできる。これらの構成によるモータ制御装置では、2つの次数の高調波成分を低減することができるが、3つ以上の高調波成分を低減する構成とすることもできる。この場合、低減対象となる高調波成分の数だけ上述した高調波電流制御回路を設ければよい。
【0072】
本発明は、上述した実施の形態に限定されることはない。例えば、第2〜第4の実施の形態のモータ制御装置の高調波電流制御回路における制御対象である高調波電流成分の次数は、モータ速度やモータにかかる負荷などのモータの制御状態に応じて切り替えることができる。また、交流モータの種類に限定されることはなく、同期モータや誘導モータに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図3】第3の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図4】第4の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図5】従来のモータ制御装置により駆動したモータの電流波形を示す図である。
【図6】第1の実施の形態により駆動したモータの電流波形を示す図である。
【図7】IPMモータのローター構造を示す図である。
【図8】SPMモータのローター構造を示す図である。
【図9】第5の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図10】第5の実施の形態のモータ制御装置における高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図11】電流応答予測部にローパス・フィルタを用いて構成される高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図12】ローパス・フィルタの時定数を可変としたときの高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図13】dq軸の電流指令値を示す図である。
【図14】図13に示す電流指令値に対して、第1の実施の形態のモータ制御装置により検出されるq軸の高調波電流を示す図である。
【図15】図13に示す電流指令値に対して、第5の実施の形態のモータ制御装置により検出されるq軸の高調波電流を示す図である。
【図16】図13に示す電流指令値に対して、dq軸の電流応答値を示す図である。
【図17】図16の一部を拡大した図である。
【図18】第6の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図19】第6の実施の形態のモータ制御装置における高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図20】ローパス・フィルタの時定数を可変としたときの第6の実施の形態の高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図21】第7の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図22】第7の実施の形態のモータ制御装置における高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図23】ローパス・フィルタの時定数を可変としたときの第7の実施の形態の高調波電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図24】第8の実施の形態のモータ制御装置の構成を示す図である。
【図25】従来のモータ制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 トルク制御部
2 基本波電流制御部
3 dq/3相変換部
4 電力変換部
5 位相速度演算部
6,7 電流センサー
8 3相/dq変換部
9 ハイパス・フィルター
10 dq/dhqh変換部
10A dq/dh1qh1変換部
10B dq/dh2qh2変換部
11 高調波電流制御部
12 dhqh/dq変換部
12A dh1qh1/dq変換部
12B dh2qh2/dq変換部
13,14 加算器
21 3相/dhqh変換部
22 dhqh/3相変換部
31 dq/αβ変換部
32 αβ/3相変換部
33 3相/αβ変換部
34 αβ/dq変換部
35 αβ/dhqh変換部
36 dhqh/αβ変換部
50、50A、50B、50C、50D、50E 高調波電流検出部
51 電流応答予測部
51a、51aA、51aB、51aC、51aD、51aE、 ローパス・フィルタ
52、53 減算器
54、54C、54E 時定数テーブル
55 dq/3相変換部
56 dq/αβ変換部
M 3相交流モータ
PS エンコーダー

Claims (9)

  1. 3相交流モータに流れる電流の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流の基本波成分を制御する基本波電流制御回路と、
    モータ電流の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(以下、高調波座標系と呼ぶ)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路とを備え、
    前記高調波座標系を前記基本波電流制御回路のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、
    前記高調波電流制御回路は、dq座標系の電流指令値に対する電流応答値を予測する電流応答値予測回路と、dq座標系の電流値から前記電流応答値予測回路で予測された電流応答値を減算して高調波電流を検出する高調波電流検出回路とを備え、前記高調波電流検出回路で検出されたdq座標系の高調波電流を前記高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、前記所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、
    前記基本波電流制御回路の出力と前記高調波電流制御回路の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 3相交流モータに流れる電流の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流の基本波成分を制御する基本波電流制御回路と、
    モータ電流の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(以下、高調波座標系と呼ぶ)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路とを備え、
    前記高調波座標系を前記基本波電流制御回路のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、
    前記高調波電流制御回路は、モータ電流指令値に対する電流応答値を予測する電流応答値予測回路と、基本波電流値から前記電流応答値予測回路で予測された電流応答値を減算して高調波電流を検出する高調波電流検出回路とを備え、前記高調波電流検出回路によって検出された高調波電流を前記高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、前記所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、
    前記基本波電流制御回路の出力と前記高調波電流制御回路の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 3相交流モータに流れる電流の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流の基本波成分を制御する基本波電流制御回路と、
    モータ電流の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(以下、高調波座標系と呼ぶ)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路とを備え、
    前記高調波座標系を前記基本波電流制御回路のみでモータ電流を制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系とし、
    前記高調波電流制御回路は、モータ電流をモータのステーター側に固定されたαβ直交座標系の電流に変換し、このαβ座標系の電流の高調波成分を検出して前記高調波座標系の高調波電流に変換するとともに、変換した高調波電流のうち、前記所定次数の高調波電流が0となるように高調波電流を制御し、
    前記基本波電流制御回路の出力と前記高調波電流制御回路の出力とを加算して3相交流 座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項に記載のモータ制御装置において、
    前記高調波電流制御回路は、αβ座標系の電流指令値に対する電流応答値を予測する電流応答値予測回路と、αβ座標系の電流値から前記電流応答値予測回路で予測された電流応答値を減算して高調波電流を検出する高調波電流検出回路とを備えることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項1、2、4のいずれかの項に記載のモータ制御装置において、
    前記電流応答値予測回路は、ローパス・フィルタであることを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項に記載のモータ制御装置において、
    前記ローパス・フィルタの時定数は、モータの状態が変化することに伴い変化することを特徴とするモータ制御装置。
  7. 3相交流モータに流れる電流の励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モータ回転に同期して回転するdq座標系でモータ電流の基本波成分を制御する基本波電流制御回路と、
    モータ電流の基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する直交座標系(以下、高調波座標系と呼ぶ)でモータ電流に含まれる高調波成分を制御する高調波電流制御回路とを備え、
    前記高調波電流制御回路は、制御対象の高調波次数をモータの駆動状態に応じて切り換え、
    前記基本波電流制御回路の出力と前記高調波電流制御回路の出力とを加算して3相交流座標系の各相の電圧指令値を生成し、3相交流モータを駆動制御することを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかの項に記載のモータ制御装置において、
    複数の次数の高調波電流に対応する複数組の前記高調波電流制御回路を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  9. 請求項に記載のモータ制御装置において、
    前記高調波電流制御回路における制御対象の高調波次数を、モータ電流に含まれる高調波成分の多い順に決定することを特徴とするモータ制御装置。
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