JP6867931B2 - モータ制御装置及び空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置及び空気調和装置に関する。
従来から、電圧指令値に応じたモータ電圧をインバータを介してモータに印加するモータ制御装置が知られている。例えば、モータ制御装置によるモータの駆動方式として、変調率を1より大きくする、いわゆる過変調化させることで、モータを高出力で駆動させることができる矩形波駆動方式が知られている。この過変調化した状態(変調率が1を超えた状態)となったときには、図8に模式的に示すように、電圧指令値とモータ電圧との間に線形性が成立しなくなる。この場合、モータ制御装置における制御状態と実際のモータでの制御状態との間で不整合が生じ、結果的に、モータ動作の不安定又はモータの駆動効率の悪化を招くおそれがある。これを解消するため、特許文献1に記載のモータ制御装置は、変調率が1よりも大きい場合には、入力される電圧指令値に補正係数を乗じることにより電圧指令値を増幅する線形化補償部を備える。これにより、過変調化した状態であっても、電圧指令値とモータ電圧との間の線形性が補償される。
特開2003−309993号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の線形化補償部に入力される電圧指令値には、不要な成分が含まれており、この不要な成分は線形化補償部により増幅され、モータの動作を不安定とするおそれがある。この不要な成分は、例えば、モータ制御装置を構成するマイクロコンピュータの演算誤差を含む各制御(電流制御、速度制御)によるバラツキ、電流センサ等による測定誤差によるバラツキ、外的要因による突発的なノイズ等により生じることが想定される。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、モータを安定的に動作させることができるモータ制御装置及び空気調和装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るモータ制御装置は、電圧指令値に応じたモータ電圧をインバータを介してモータに印加するモータ制御装置であって、入力される前記電圧指令値から、非線形補償する信号成分と前記信号成分よりも高周波であり突発的な負荷変動による電圧変動を含み得るノイズ成分とを分離する信号分解処理部と、前記信号成分について非線形補償処理を行うことにより補償済み信号成分を生成する非線形補償部と、前記補償済み信号成分に前記ノイズ成分を加算することで補償後電圧指令値を生成する加算処理部と、を備える。
また、上記モータ制御装置において、前記信号分解処理部は、入力される前記電圧指令値について移動平均処理を行うことにより前記信号成分を生成する平均処理部と、入力される前記電圧指令値から前記信号成分を差し引くことにより前記ノイズ成分を生成する減算器と、を備える、ようにしてもよい。
また、上記モータ制御装置において、前記非線形補償部は、変調率が1を超える場合、前記信号成分を増幅することにより前記非線形補償処理を行う、ようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る空気調和装置は、前記モータ制御装置と、前記インバータと、前記モータと、前記モータにより駆動されるコンプレッサと、前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して温度を調整する空調部と、を備える。
本発明によれば、モータ制御装置及び空気調和装置において、モータを安定的に動作させることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るモータ制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る非線形補償ユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る(a)〜(e)は各種信号の波形を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る非線形補償処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る(a)は正弦波駆動方式により駆動されている際のモータ電圧の波形を示すグラフであり、(b)は矩形波駆動方式により駆動されている際のモータ電圧の波形を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る(a)は電圧指令値と補償済み信号成分との関係を示すグラフであり、(b)は電圧指令値とモータ電圧との関係を示すグラフである。 背景技術に係る電圧指令値とモータ電圧との関係を示すグラフである。
本発明に係るモータ制御装置及び空気調和装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、空気調和装置1は、制御部10と、インバータ20と、モータ30と、コンプレッサ40と、電源50と、電圧検出部51と、シャント抵抗19と、2つの電流センサ35v,35wと、空調部60と、を備える。
電源50は、図示しない商用電源から直流電圧Eを生成し、生成された直流電圧Eをインバータ20に印加する。電圧検出部51は、直流電圧Eを検出し、その検出結果を制御部10に出力する。
シャント抵抗19は、過電流検出のために、電源50とインバータ20との間の接続線に介挿されている。シャント抵抗19は、この接続線に流れる電流を検出する電流検出信号Sp1をインバータ20に出力する。
インバータ20は、制御部10からのPWM(Pulse Width Modulation)信号Su,Sv,Swに基づき、電源50から供給された直流電流を、3相、すなわちU相、V相、W相の交流電流Iu,Iv,Iwに変換し、その変換した交流電流Iu,Iv,Iwをモータ30に供給する。インバータ20は、例えば、IPM(Intelligent Power Module:高機能パワーモジュール)である。インバータ20は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1を受けて過電流の有無を表す過電流検知信号Sp2を制御部10に出力する。
モータ30は、3相ブラシレスモータである。モータ30は、インバータ20からのU相、V相、W相の交流電流Iu,Iv,Iwを受けることで回転し、これによりコンプレッサ40を駆動する。
電流センサ35v、35wは、それぞれモータ30に流れるV相、W相の電流Iv,Iwの値を検出し、その電流Iv,Iwの値を制御部10に出力する。電流センサ35v、35wは、例えば、変流器(CT:Current Transformer)センサ又はホール素子である。
コンプレッサ40は、モータ30により駆動されることで、吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒を排出する。
空調部60は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して室内温度を調整する。詳しくは、空調部60は、室内空気と熱交換する室内用熱交換器63と、室外空気と熱交換する室外用熱交換器64と、冷媒の減圧を行う膨張弁65と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒の流路を室外用熱交換器64及び室内用熱交換器63の何れかに切り替える四方弁66と、を備える。
冷房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、冷房運転時には冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室外空気と冷媒との間で熱交換させることで冷媒の熱を室外に排出する。その後、この冷媒は、膨張弁65で減圧膨張されたうえで室内用熱交換器63に送られる。室内用熱交換器63は、冷房運転時には蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室内空気と冷媒との間で熱交換させることで室内空気の温度を低下させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、室内用熱交換器63を経た冷媒は、四方弁66を介してコンプレッサ40に戻る。
暖房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室内用熱交換器63に送り込む。室内用熱交換器63は冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室内空気と冷媒との間で熱交換させることで、室内空気の温度を上昇させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、膨張弁65は、室内用熱交換器63を経た冷媒を減圧膨張させたうえで室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室外空気と冷媒との間で熱交換させる。その後、四方弁66は、熱交換された冷媒をコンプレッサ40に戻す。
制御部10は、マイクロコンピュータにより構成され、CPU(Central Processing Unit)等の処理部と、当該処理部が処理を実行するためのプログラム及び図7(a)にグラフとして模式的に示すデータテーブル等が記憶されるROM(Read Only Memory)等からなる記憶部10aを備える。
図1に示すように、制御部10は、ユーザによる図示しないリモコンの操作に基づき空気調和装置1の運転を指令する運転指令部11と、モータ30を制御するモータ制御装置の一例であるモータ制御部12と、を備える。運転指令部11は、例えば、図示しないセンサにより取得される室内温度及び室外温度、ユーザにより設定される目標温度に基づきモータ30の目標回転速度Sω0を演算し、その演算した目標回転速度Sω0をモータ制御部12に出力する。
モータ制御部12は、ベクトル制御によりモータ30を制御する。モータ制御部12は、モータ30の回転速度及びモータ30のトルクの少なくとも一方に応じて、モータ30の駆動方式を正弦波駆動方式と矩形波駆動方式の何れかに切り替える。
正弦波駆動方式は、図6(a)に示すように、正弦波からなるU相、V相、W相の交流電圧をモータ30に供給する方式であり、モータ30を高効率で駆動させることができる。正弦波駆動方式においては、インバータ20に印加される直流電圧Eの大きさに対する電圧指令値の大きさの割合を示す変調率、すなわち、電源50の直流電圧Eで出力可能な正弦波電圧の大きさに対する電圧指令値の大きさの割合を示す変調率が1以下となる。
矩形波駆動方式は、図6(b)に示すように、矩形波からなるU相、V相、W相の交流電圧をモータ30に供給する方式であり、モータ30を高出力(高回転)で駆動させることができる。矩形波駆動方式においては、変調率が1を超えた、いわゆる過変調化した状態となる。
詳しくは、モータ制御部12は、図2に示すように、機能ブロックとして、速度制御部12aと、d軸電流指令演算部12bと、電流制御部12cと、電圧変換部12dと、PWM信号生成部12eと、トルク制御部12fと、角度・速度推定制御部12gと、電流変換部12h、3相電流演算部12iと、非線形補償ユニット13と、を備える。
3相電流演算部12iは、電流センサ35v、35wを通じてV相、W相の電流Iv,Iwの値を取得する。そして、3相電流演算部12iは、その取得した電流Iv,Iwの値に基づき、3相の電流Iu,Iv,Iwの和がゼロとなることを利用してU相の電流Iuの値を演算する。この際、3相電流演算部12iは、例えば、複数回にわたって電流Iv,Iwの値を取得し、その平均値をとる。また、3相電流演算部12iは、例えば、インバータ20からの過電流検知信号Sp2に基づき過電流が発生しているときにはそのときの電流Iv,Iwの値を含めずに平均値をとる。
電流変換部12hは、3相電流演算部12iによって演算された3相の電流Iu,Iv,Iwを2相のq軸電流Iqとd軸電流Idに座標変換する。なお、q軸電流Iqはモータ30のトルク成分であり、d軸電流Idはモータ30の磁束成分である。
角度・速度推定制御部12gは、電流変換部12hにより変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idと、後述する電流制御部12cにより演算されるq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdとに基づき、モータ30の角度θ(回転位置)を推定する。また、角度・速度推定制御部12gは、推定されたモータ30の角度θを微分することで回転速度情報であるモータ30の回転速度ωを推定する。
速度制御部12aは、モータ30の回転速度ωを運転指令部11からの目標回転速度Sω0に一致させるべく目標q軸電流Iq*を演算するフィードバック制御を行う。例えば、速度制御部12aは、目標回転速度Sω0と回転速度ωとの偏差ΔE(ΔE=Sω0−ω)を求める。そして、速度制御部12aは、偏差ΔEに基づくPI制御により、目標q軸電流Iq*を、Iq*=k1・ΔE+k2∫ΔEdtにより求める。なお、k1は比例要素のフィードバックゲインであり、k2は積分要素のフィードバックゲインである。また、速度制御部12aが行うフィードバック制御は、PI制御に限られず、P(比例)、I(積分)、D(微分)のうち少なくともいずれかを用いた制御であってもよい。
トルク制御部12fは、角度・速度推定制御部12gからの回転速度ωと、電流変換部12hにより変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idとに基づき、トルク補正電流Iq*’を演算する。加算器14は、このトルク補正電流Iq*’と速度制御部12aによって演算された目標q軸電流Iq*とを加算する。これにより目標q軸電流Iq*’’が演算される。このトルク補正電流Iq*’は、トルク脈動による負荷変動が生じた場合であってもモータ30の回転速度ωを安定させる値に設定される。
d軸電流指令演算部12bは、予め記憶されるテーブルに基づき目標q軸電流Iq*’’に対応する目標d軸電流Id*を演算する。目標q軸電流Iq*’’に対する目標d軸電流Id*の設定により、モータ30の出力トルクを最大とする最大トルク制御、モータ30の磁束を減少させることでモータ30の誘起電圧を抑えてモータ30の回転速度ωを上げる弱め磁束制御等の各種制御が可能となる。
電流制御部12cは、現在のq軸電流Iqを目標q軸電流Iq*’’に一致させるためのq軸電圧指令値Vqと、現在のd軸電流Idを目標d軸電流Id*に一致させるためのd軸電圧指令値Vdと、を演算する。この際、電流制御部12cは、上記速度制御部12aと同様の計算手法によりPI制御を行ってもよいし、その他PD、PID等のフィードバック制御を行ってもよい。
非線形補償ユニット13は、q軸電圧指令値Vqとd軸電圧指令値Vdについて非線形補償を行うことにより非線形補償後のq軸電圧指令値Vq’とd軸電圧指令値Vd’を生成する。非線形補償ユニット13の具体的な構成及び処理内容については後述する。
電圧変換部12dは、補償後のq軸電圧指令値Vq’とd軸電圧指令値Vd’をU相、V相、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに座標変換する。
PWM信号生成部12eは、電圧変換部12dにより座標変換されたU相、V相、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに応じて直流電圧Eをパルス幅変調することでPWM信号Su,Sv,Swを生成する。PWM信号生成部12eは、このPWM信号Su,Sv,Swをインバータ20に出力する。以上がモータ制御部12の全体構成についての説明である。
次に、非線形補償ユニット13の具体的構成について説明する。
非線形補償ユニット13は、図3に示すように、信号分解処理部13aと、非線形補償部13dと、加算処理部の一例である加算器13eと、変調率算出部13fと、を備える。
図5のフローチャートに沿って、非線形補償ユニット13の各機能ブロックの処理内容と併せて、非線形補償処理の手順について説明する。この非線形補償処理は、モータ30の駆動中に繰り返し実行される。
信号分解処理部13aは、入力されるq軸電圧指令値Vqとd軸電圧指令値Vd(図4(a)参照)に基づき、非線形補償する信号成分Vd1,Vq1(図4(b)参照)と、信号成分Vd1,Vq1よりも高周波のノイズ成分Vd2,Vq2(図4(c)参照)と、を分離する(ステップS101)。
ノイズ成分Vd2,Vq2は、例えば、モータ制御部12を構成するマイクロコンピュータの演算誤差を含む各制御(電流制御、速度制御)によるバラツキ、電流センサ等による測定誤差によるバラツキ、外的要因による突発的なノイズ等により生じることが想定される。なお、ノイズ成分Vd2,Vq2には、ノイズ以外の要素、例えば突発的な負荷変動による電圧変動が含まれている可能性がある。
上記ステップS101の分離処理についてより詳しく説明する。図3に示すように、信号分解処理部13aは、平均処理部13bと、減算器13cと、を備える。平均処理部13bは、ローパスフィルタからなる。平均処理部13bは、図4(a)に示すq軸電圧指令値Vqとd軸電圧指令値Vdを移動平均し、これにより、図4(b)に示すように、ノイズ成分を含まない信号成分Vd1,Vq1に生成する。平均処理部13bは、生成した信号成分Vd1,Vq1を非線形補償部13d及び減算器13cを出力する。減算器13cは、q軸電圧指令値Vqとd軸電圧指令値Vdから信号成分Vd1,Vq1を差し引くことで図4(c)に示すノイズ成分Vd2,Vq2を算出し、算出したノイズ成分Vd2,Vq2を加算器13eに出力する。すなわち、減算器13cは、以下の式によりノイズ成分Vd2,Vq2を算出している。
Vd2=Vd−Vd1
Vq2=Vq−Vq1
次に、変調率算出部13fは、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdと検出された直流電圧Eに基づき変調率Mを算出する(ステップS102)。変調率算出部13fは、直流電圧Eの最大値に対する電圧指令値Vq,Vdの大きさの割合により変調率Mを算出し、その算出した変調率Mを非線形補償部13dに出力する。
そして、非線形補償部13dは、信号成分Vd1,Vq1について非線形補償処理を行うことにより補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を生成する(ステップS103)。
非線形補償部13dは、非線形補償処理においては、図7(a)にグラフとして模式的に示す記憶部10aに記憶されるデータテーブルを参照しつつ、信号成分Vd1,Vq1に応じた補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を出力する。
詳しくは、非線形補償部13dは、変調率が1未満の場合には、信号成分Vd1,Vq1と同一の補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を生成し、変調率が1を超える場合には、図4(b)に示す信号成分Vd1,Vq1を所定の増幅率にて増幅することにより図4(d)に示す補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を生成し、生成した補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を加算器13eに出力する。この所定の増幅率は、図7(b)に示すように、信号成分Vd1,Vq1がモータ電圧との間に線形性を有するように設定される。
加算器13eは、補償済み信号成分Vd1’,Vq1’とノイズ成分Vd2,Vq2とを加算することにより補償後のq軸電圧指令値Vq’とd軸電圧指令値Vd’を生成する(ステップS104)。すなわち、加算器13eは、図4(d)に示す補償済み信号成分Vd1’,Vq1’に図4(c)に示すノイズ成分Vd2,Vq2を重畳させ、これにより、図4(e)に示すように補償後のq軸電圧指令値Vq’とd軸電圧指令値Vd’を生成する。この補償後のq軸電圧指令値Vq’及びd軸電圧指令値Vd’により信号成分Vd1,Vq1は、図7(b)に示すように、変調率が1を超える場合であっても、モータ電圧との間に線形性を有する。
加算器13eは、以下の式により電圧指令値Vd’,Vq’を算出している。
Vd’=Vd1’+Vd2
Vq’=Vq1’+Vq2
以上で、当該フローチャートに係る処理が終了する。
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)モータ制御装置の一例であるモータ制御部12は、電圧指令値Vd,Vqに応じたモータ電圧をインバータ20を介してモータ30に印加する。モータ制御部12は、入力される電圧指令値Vd,Vqから、非線形補償する信号成分Vd1,Vq1と信号成分Vd1,Vq1よりも高周波のノイズ成分Vd2,Vq2とを分離する信号分解処理部13aと、信号成分Vd1,Vq1について非線形補償処理を行うことにより補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を生成する非線形補償部13dと、を備える。
この構成によれば、非線形補償部13dは、電圧指令値Vd,Vqのうち信号成分Vd1,Vq1についてのみ非線形補償処理を行う。このため、非線形補償処理によりノイズ成分Vd2,Vq2が増幅されることが抑制される。このため、モータ30を安定的に動作させることができる。
また、非線形補償処理が行われることにより、信号成分Vd1,Vq1とモータ電圧との間の線形性が補償される。よって、モータ制御部12における制御状態と実際のモータ30での制御状態との間で整合をとることができ、モータ30を、効率的に、かつ安定的に動作させることができる。また、特に、モータ30を高速で回転させた場合の制御応答性を向上させることができる。
(2)モータ制御部12は、補償済み信号成分Vd1’,Vq1’とノイズ成分Vd2,Vq2とを加算することで補償後の電圧指令値Vd’,Vq’を生成する加算処理部の一例である加算器13eを備える。
この構成によれば、ノイズ成分Vd2,Vq2は、ノイズ以外の要素、例えば突発的な負荷変動による電圧変動を含んでいる可能性がある。よって、ノイズ成分Vd2,Vq2を補償済み信号成分Vd1’,Vq1’に重畳させることにより、突発的な負荷変動等に応じてモータ30を駆動させることができる。このため、モータ30を安定的に動作させることができる。
(3)信号分解処理部13aは、入力される電圧指令値Vd,Vqについて移動平均処理を行うことにより信号成分Vd1,Vq1を生成する平均処理部13bと、入力される電圧指令値Vd,Vqから信号成分Vd1,Vq1を差し引くことによりノイズ成分Vd2,Vq2を生成する減算器13cと、を備える。
この構成によれば、簡易な構成で、かつ迅速に、信号成分Vd1,Vq1とノイズ成分Vd2,Vq2とを分離することができる。
(4)非線形補償部13dは、変調率が1を超える場合、信号成分Vd1,Vq1を増幅することにより非線形補償処理を行う。
この構成によれば、非線形補償処理により、信号成分Vd1,Vq1とモータ電圧との間の線形性が補償されるため、モータ30を安定的に動作させることができる。
(5)空気調和装置1は、モータ制御部12と、インバータ20と、モータ30と、モータ30により駆動されるコンプレッサ40と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して温度を調整する空調部60と、を備える。
この構成によれば、空気調和装置1においては動作環境又は動作条件により負荷変動が発生し易いものの、モータ30を安定的に動作させることができる。
(変形例)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
上記実施形態において、非線形補償ユニット13は、図3に一点鎖線で示すように、補償済み信号成分Vd1’,Vq1’に加算される前のノイズ成分Vd2,Vq2を増幅又は減衰させる振幅調整部13gを備えていてもよい。振幅調整部13gは、増幅率を1未満に設定することによりノイズ成分Vd2,Vq2を減衰させたうえで加算器13eに出力してもよいし、増幅率を1よりも大きく設定することによりノイズ成分Vd2,Vq2を増幅させたうえで加算器13eに出力してもよい。
上記実施形態において、加算器13eは、補償済み信号成分Vd1’,Vq1’とノイズ成分Vd2,Vq2とを加算していたが、加算器13eは省略されてもよい。この場合、非線形補償部13dは、補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を電圧指令値Vd’,Vq’として出力する。
信号分解処理部13aは、平均処理部13bと減算器13cにより電圧指令値Vq,Vdを信号成分Vd1,Vq1とノイズ成分Vd2,Vq2に分離していたが、信号成分Vd1,Vq1とノイズ成分Vd2,Vq2に分離する手法はこれに限らない。例えば、信号分解処理部13aは、電圧指令値Vq,Vdをその周波数により分離してもよい。信号分解処理部13aは、電圧指令値Vq,Vdのうち閾値よりも周波数が高い信号をノイズ成分Vd2,Vq2とし、電圧指令値Vq,Vdのうち閾値以下の周波数を有する信号を信号成分Vd1,Vq1として分離してもよい。
上記実施形態においては、モータ制御部12は、電流センサ35v、35wの検出結果に基づきモータ30を制御していたが、電流センサ35v、35wを省略してもよい。この場合、モータ制御部12は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1とPWMスイッチングパターンとに基づき3相の交流電流Iu,Iv,Iwを復元してもよい。
上記実施形態においては、モータ30は回転角度センサレスであったが、回転角度センサが設けられていてもよい。
上記実施形態においては、非線形補償部13dは、記憶部10aに記憶される図7(a)にグラフとして示すデータテーブルを参照しつつ、信号成分Vd1,Vq1に応じた補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を出力していたが、記憶部10aに記憶される計算式により、信号成分Vd1,Vq1に応じた補償済み信号成分Vd1’,Vq1’を算出してもよい。この場合、変調率が1を超えるか否かにより異なる計算式を用いてもよい。
上記実施形態において、モータ制御部12は、空気調和装置1に搭載されるモータ30を駆動させていたが、空気調和装置1に限らず、その他の機器に搭載されるモータ30を駆動させてもよい。
1 空気調和装置
10 制御部
11 運転指令部
12 モータ制御部
12a 速度制御部
12b d軸電流指令演算部
12c 電流制御部
12d 電圧変換部
12e PWM信号生成部
12f トルク制御部
12g 角度・速度推定制御部
12h 電流変換部
12i 3相電流演算部
13 非線形補償ユニット
13a 信号分解処理部
13b 平均処理部
13c 減算器
13d 非線形補償部
13e,14 加算器
13f 変調率算出部
13g 振幅調整部
20 インバータ
30 モータ
40 コンプレッサ
50 電源
60 空調部

Claims (4)

  1. 電圧指令値に応じたモータ電圧をインバータを介してモータに印加するモータ制御装置であって、
    入力される前記電圧指令値から、非線形補償する信号成分と前記信号成分よりも高周波であり突発的な負荷変動による電圧変動を含み得るノイズ成分とを分離する信号分解処理部と、
    前記信号成分について非線形補償処理を行うことにより補償済み信号成分を生成する非線形補償部と
    前記補償済み信号成分に前記ノイズ成分を加算することで補償後電圧指令値を生成する加算処理部と、を備える、
    モータ制御装置。
  2. 前記信号分解処理部は、
    入力される前記電圧指令値について移動平均処理を行うことにより前記信号成分を生成する平均処理部と、
    入力される前記電圧指令値から前記信号成分を差し引くことにより前記ノイズ成分を生成する減算器と、を備える、
    請求項に記載のモータ制御装置。
  3. 前記非線形補償部は、変調率が1を超える場合、前記信号成分を増幅することにより前記非線形補償処理を行う、
    請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 請求項1からの何れか1項に記載のモータ制御装置と、
    前記インバータと、
    前記モータと、
    前記モータにより駆動されるコンプレッサと、
    前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して温度を調整する空調部と、
    を備える、
    空気調和装置。
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