JP3852289B2 - モーター制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交流モーターを駆動制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に3相交流モーターの電流制御回路では、取り扱いが煩雑な3相交流の物理量を直流の物理量に変換して制御演算が行われている(例えば、特開平08−331885号公報参照)。
【0003】
図12は、一般に広く用いられている3相交流モーターの制御装置の構成を示す。この種の制御装置では、3相交流モーターに流れる電流の励磁電流成分の方向をd軸に設定するとともに、トルク電流成分の方向をd軸と直交するq軸に設定し、回転するdq軸直交座標系において直流量で電流制御演算を行うことにより、電流の制御偏差を小さくしている。
【0004】
一方、交流モーターでは、小型化と高効率化を図るために、図13に示すような内部埋め込み磁石構造のローターと、集中巻構造のステーターの採用が増加している。前者のローターは磁石トルクとリラクタンストルクを有効利用できる構造であり、このような構造のローターを有するモーターはIPM(Interior Permanent-magnet Motor)と呼ばれている。一方、後者のステーターはコイルエンドの大幅低減が可能な構造である。上述した構造のローターとステーターを備えたモーターは集中巻IPMモーターと呼ばれ、小形で高い効率を実現できるモーターとして注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した集中巻IPMモーターは小形化と高効率化に適したモーターであるが、空間高調波が大きいという特性を有している。集中巻構造のモーターは1極当たりのスロット数が少ないため、分布巻構造のモーターに比べて磁束の分布が不均一になり、空間高調波が大きくなる。
【0006】
また、図14に示すようなローターの表面が磁石で覆われている表面磁石構造のSPMモーターに比べ、図13に示す内部埋め込み磁石構造のIPMモーターでは、ローターの円周に沿って磁石が埋め込まれている部分と磁石が存在しない部分とがあるため、磁束の変化が大きく、したがって空間高調波成分が大きくなる。
【0007】
モーターの空間高調波が大きいとモーターに流れる電流の高調波成分が大きくなるため、モーターの効率と出力が低下したり、トルク、電流および電圧リップルが大きくなり、モーターの制御性能が低下するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、空間高調波が大きいモーターの制御性能を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態の構成を示す図1に対応づけて本発明を説明すると、
(1) 請求項1の発明は、少なくとも交流モーターMのトルク指令値Te*に基づいてモーター電流の基本波電流指令値id*、iq*を決定する基本波電流指令値決定手段1と、少なくとも交流モーターMのトルク指令値Te*に基づいてモーター電流の高調波電流指令値idh*、iqh*を決定する高調波電流指令値決定手段1と、前記基本波電流指令値id*、iq*と前記高調波電流指令値idh*、iqh*に基づいて前記交流モーターMに流れる電流を制御する電流制御手段2,5,6,8,9とを備え、前記基本波電流指令値決定手段1および前記高調波電流指令値決定手段1は、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値id*、iq*と高調波電流指令値idh*、iqh*を決定することを特徴とする。
(2) 請求項2のモーター制御装置は、少なくとも交流モーターMのトルク指令値T e * に基づいてモーター電流の基本波電流指令値i d * 、i q * を決定する基本波電流指令値決定手段1と、少なくとも交流モーターMのトルク指令値T e * に基づいてモーター電流の高調波電流指令値i dh * 、i qh * を決定する高調波電流指令値決定手段1と、前記基本波電流指令値i d * 、i q * と前記高調波電流指令値i dh * 、i qh * に基づいて前記交流モーターMに流れる電流を制御する電流制御手段2,5,6,8,9とを備え、前記基本波電流指令値決定手段1および前記高調波電流指令値決定手段1は、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * 、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながらトルクリップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * 、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電圧リップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * 、およびモータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電流リップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * を決定し、モーターの動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記基本波電流指令値決定手段1および前記高調波電流指令値決定手段1により決定される基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * の中から、モーターの動作状態に応じた最適な電流指令値i d * 、i q * 、i dh * 、i qh * を選択する電流指令値選択手段とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3のモーター制御装置は、前記電流指令値選択手段1によって、モータートルクが最大値に近い所定領域内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電流リップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * を選択するようにしたものである。
(4)請求項4のモーター制御装置は、前記電流指令値選択手段1によって、モータートルクとモーター回転速度がともに低い所定範囲内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながらトルクリップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * を選択するようにしたものである。
(5)請求項5のモーター制御装置は、前記電流指令値選択手段1によって、モーター出力が最大値に近い所定領域内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電圧リップルを最少にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * を選択するようにしたものである。
(6)請求項6のモーター制御装置は、前記電流指令値選択手段1によって、モータートルクとモーター出力がそれらの最大値に近い前記所定領域内になく、かつモータートルクとモーター回転速度が前記所定範囲内にないモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値i d * 、i q * と高調波電流指令値i dh * 、i qh * を選択するようにしたものである。
(7)請求項7のモーター制御装置は、前記基本波電流指令値決定手段1によって、電機子鎖交磁束の基本波成分に同期して回転するdq座標系における基本波電流指令値i d * q * を決定し、前記高調波電流指令値決定手段1によって、電機子鎖交磁束の高調波次数成分に同期して回転するd h h 座標系における高調波電流指令値i dh * 、i qh * を決定するようにしたものである。
(8)請求項8のモーター制御装置の前記電流制御手段は、電機子鎖交磁束の基本波成分に同期して回転するdq座標系においてモーター電流の基本波成分が前記基本波電流指令値i d * 、i q * に一致するように制御する基本波電流制御手段2,5と、電機子鎖交磁束の高調波次数成分に同期して回転するd h h 座標系においてモーター電流の高調波次数成分が前記高調波電流指令値i dh * 、i qh * に一致するように制御する高調波電流制御手段5,6,8,9とを有する。
【0010】
上述した課題を解決するための手段の項では、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、従来のモーター制御装置のように基本波電流成分を制御するだけでは達成できない高い効率を得ることができる。
(2) 請求項2の発明によれば、モーターの動作状態に応じた最適な電流指令値を選択でき、モーターのすべての動作状態において、効率を改善しながら出力の向上とトルク、電圧および電流リップルの低減を図ることができ、空間高調波が大きいモーターの制御性能を向上することができる。
(3) 請求項3の発明によれば、モーターを最大トルクライン近傍で運転したときに、電流リップルによる基本波電流の低減を少なくすることができ、定トルク制御領域におけるモータートルクの増加を図ることができる。
(4) 請求項4の発明によれば、低速かつ低トルクのモーター動作状態においてトルクリップルに起因した振動、騒音を低減でき、モーターを駆動源とする電気自動車に適用した場合には乗り心地の改善を図ることができる。
(5) 請求項5の発明によれば、モーターを最大出力ライン近傍で運転したときに、電圧リップルによる基本波電圧の低減を少なくすることができ、弱め界磁領域すなわち定出力制御領域におけるモーター効率の改善と出力増加を図ることができる。
(6) 請求項6の発明によれば、モーターの通常の動作状態において高いモーター駆動効率を得ることができる。
(7) 請求項7の発明によれば、基本波電流と高調波電流をそれぞれ正確に制御することができ、請求項1〜6の上記効果を確実に達成することができる。
(8) 請求項8の発明によれば、基本波電流と高調波電流をそれぞれ直流量に変換して追従性の良好な電流制御を実現でき、請求項1〜7の上記効果を確実に達成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
《発明の第1の実施の形態》
モーターの効率と出力を改善する第1の実施の形態を説明する。図1に第1の実施の形態の構成を示す。この実施の形態のモーター制御装置は、3相交流モーターで直流モーター並のトルク制御を実現するベクトル制御を行う。
【0013】
この一実施の形態のモーター制御装置は、基本波電流制御回路と高調波電流制御回路とを備えている。基本波電流制御回路は、3相交流モーターMに流れる電流iu、iv、iwの励磁電流成分に対応するd軸とトルク電流成分に対応するq軸とからなり、モーター回転に同期して回転する直交座標系(以下、基本波座標系と呼ぶ)dqにおいて、モーター電流iu、iv、iwの基本波成分を制御する回路である。
【0014】
一方、高調波電流制御回路は、基本波電流制御回路のみでモーター電流iu、iv、iwを制御した場合に発生する所定次数の高調波成分の周波数で回転する直交座標系(以下、高調波座標系と呼ぶ)dhqh、換言すれば、モーター電流iu、iv、iwの基本波成分の周波数の整数倍の周波数で回転する高調波座標系dhqhにおいて、モーター電流iu、iv、iwに含まれる高調波成分を制御する回路である。
【0015】
図1において、トルク制御部1は、トルク指令値Te*およびモーター回転速度ωeに基づいて、基本波座標系dqにおけるd軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*を演算するとともに、高調波座標系dhqhにおけるdh軸電流指令値idh*とqh軸電流指令値iqh*を演算する。
【0016】
基本波電流制御部(dq軸電流制御部)2は、d軸とq軸の実電流id、iqをそれぞれ指令値id*、iq*に一致させるためのd軸とq軸の基本波電圧指令値vd*、vq*を演算する。加算器3は、基本波電流制御部2で生成された基本波電圧指令値vd*、vq*と、後述する高調波電流制御部6およびdhqh/dq変換部7で生成された高調波電圧指令値vd'、vq'とをそれぞれ加算し、最終的なd軸電圧指令値(vd*+vd')とq軸電圧指令値(vq*+vq')を得る。
【0017】
dq/3相変換部4は、3相交流座標系から見たモーター回転に同期する基本波座標系dqの位相θeに基づいて、d軸とq軸の電圧指令値(vd*+vd')、(vq*+vq')を3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。3相/dq変換部5は、3相交流座標系から見たモーター回転に同期する基本波座標系dqの位相θeに基づいて、3相交流モーターMの実電流iu、iv、iw(=−iu−iv)をd軸とq軸の実電流id、iqへ変換する。なお、基本波電流制御部2と3相/dq変換部5とが基本波電流制御回路を構成する。
【0018】
高調波電流制御部(dhqh軸電流制御部)6は、dh軸とqh軸の実電流idh、iqhをそれぞれ電流指令値idh*、iqh*に一致させるためのdh軸とqh軸の高調波電圧指令値vdh*、vqh*を演算する。dhdq/dq変換部7は、dh軸とqh軸の高調波電圧指令値vdh*、vqh*をd軸とq軸の高調波電圧指令値vd’、vq’に変換する。ハイパス・フィルター8は、モーター回転速度ωeに基づいてdq軸の実電流id、iqにフィルター処理を施して高周波成分を抽出する。dq/dhqh変換部9は上述した高調波座標系dhqhを有し、基本波座標系dqの実電流id、iqの高調波成分を高調波座標系dhqhの実電流idh、iqhに変換する。なお、高調波電流制御部6、3相/dq変換部5、ハイパス・フィルター8およびdq/dhqh変換部9が高調波電流制御回路を構成する。
【0019】
電力変換部10は、IGBTなどの電力変換素子により3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*にしたがってバッテリーなどの直流電源(不図示)の直流電圧をスイッチングし、3相交流電圧U、V、Wを3相交流モーターMに印加する。エンコーダーPSは3相交流モーターMに連結され、モーターMの回転位置θmを検出する。また、電流センサー11、12は、3相交流モーターMのU相とV相の実電流iu、ivを検出する。位相速度演算部13は、エンコーダーPSからの回転位置信号θmに基づいてモーターMの回転速度ωeと3相交流座標系から見た基本波座標系dqの位相θeを演算する。
【0020】
次に、空間高調波が大きいIPMモーターを例に上げて、基本波座標系dqと高調波座標系dhqhについて説明する。図2は、空間高調波が存在しない場合の、IPMモーターの磁石が形成する電機子鎖交磁束(U相巻線)を示す。図3は、5次成分の空間高調波が存在する場合の、IPMモーターの磁石が形成する電機子鎖交磁束(U相巻線)を示す。
【0021】
磁束はモーターの回転角の変化に対して正弦波状に変化する。通常、電機子鎖交磁束ベクトルの方向をd軸に、このd軸と直交する方向をq軸にとる。従来は、3相交流座標系における電圧や電流などの物理量をdq軸座標系(基本波座標系)の物理量に変換し、dq軸上でモーター制御を行っている。これに対しこの実施の形態では、電圧や電流などの物理量の内の基本波成分は従来と同様にdq軸座標系において取り扱い、高調波成分は次数ごとに電機子鎖交磁束ベクトルの方向をdh軸に、このdh軸と直交する方向をqh軸にとり、dhqh座標系(高調波座標系)で取り扱う。図3に示すように第5次の高調波成分を含む場合には、電機子鎖交磁束を基本波成分の磁束と第5次高調波成分の磁束とに分け、基本波成分の電機子鎖交磁束ベクトルの方向をd軸に、このd軸と直交する方向をq軸にとるとともに、第5次高調波成分の電機子鎖交磁束ベクトルの方向をdh軸に、このdh軸と直交する方向をqh軸にとる。したがって、基本波座標系dqは電機子鎖交磁束の基本波成分に同期して回転する座標系であり、高調波座標系dhqhは電機子鎖交磁束の高調波次数成分に同期して回転する座標系である。
【0022】
従来のモーター制御装置は基本波成分の磁束と電流とによりモータートルクを制御しているが、この従来の制御装置により駆動制御されるモーターの効率と出力について説明する。空間高調波成分を含むモーターの出力トルクTeは、次式により表される。
【数1】
Figure 0003852289
上式において、Pは極対数、φdはd軸電機子鎖交磁束、φd_1はd軸電機子鎖交磁束の基本波成分、φd_hはd軸電機子鎖交磁束の高調波成分、φqはq軸電機子鎖交磁束、φq_1はq軸電機子鎖交磁束の基本波成分、φq_hはq軸電機子鎖交磁束の高調波成分である。また、idはd軸電流、id_1はd軸電流の基本波成分、id_hはd軸電流の高調波成分、iqはq軸電流、iq_1はq軸電流の基本波成分、iq_hはq軸電流の高調波成分である。
【0023】
なお、基本波座標系dqにおけるd軸電流idの基本波成分はid_1、高調波成分はid_hであるから、
【数2】
id=id_1+id_h
また、基本波座標系dqにおけるq軸電流iqの基本波成分はiq_1、高調波成分はiq_hであるから、
【数3】
iq=iq_1+iq_h
【0024】
この実施の形態では高調波電流を高調波座標系dhqhで制御するから、トルク制御部1で、基本波座標系dqにおける励磁電流成分のd軸電流指令値id*とトルク電流成分のq軸電流指令値iq*を演算するとともに、高調波座標系dhqhにおける励磁電流成分のdh軸電流指令値idh*とトルク電流成分のqh軸電流指令値iqh*を演算し、基本波電流制御回路2,5でdq軸基本波電流id、iqがそれらの指令値id*、iq*に一致するように制御するとともに、高調波電流制御回路5,6,8,9でdhqh軸高調波電流idh、iqhがそれらの指令値idh*、iqh*に一致するように制御する。以下の説明では、説明を分かりやすくするために、基本波座標系dqにおいて基本波電流id_1、iq_1と高調波電流id_h、iq_hを取り扱い、最終的にdq軸高調波電流id_h、iq_hをdhqh軸高調波電流idh、iqhに変換することにする。
【0025】
数式1の右辺第1項は、モーターの電機子鎖交磁束の基本波成分と電流の基本波成分とにより発生するトルクを表す。第2項は、モーターの電機子鎖交磁束の高調波成分と電流の高調波成分とにより発生するトルクを表す。また第3項は、モーターの電機子鎖交磁束の高調波成分と電流の基本波成分とにより発生するトルクを表す。さらに第4項は、モーターの電機子鎖交磁束の基本波成分と電流の高調波成分とにより発生するトルクを表す。
【0026】
数式1の右辺第3項と第4項は、次数の異なる電機子鎖交磁束成分と電流成分の積であるからその時間平均値は0となり、モーターから出力される平均トルクには寄与しない。しかし、第1項は電機子鎖交磁束の基本波成分と電流の基本波成分との積であるから、当然平均トルクに寄与し、また、第2項は電機子鎖交磁束の高調波成分と電流の高調波成分との積であるから、ともに高調波成分の次数が同一であり平均トルクに寄与する。従来のモーター制御装置はdq座標系での基本波電流制御、つまり電流歪みを0とする制御を行っており、数式1の右辺第1項のトルクしか活用できていない。そのため、従来の制御装置ではモーターの効率が低く、また出力も低い値になっている。
【0027】
そこでこの第1の実施の形態では、基本波成分の磁束と電流とによりモータートルクを制御するのに加え、高調波成分の磁束と電流とによりモータートルクを制御し、モーターの効率を改善するとともに出力を向上させる。
【0028】
まず、モーターに流れる高調波電流が効率に与える影響を考察する。図4は基本波電流成分であるdq軸電流id、iqを一定にした場合の高調波電流成分と総合効率との関係を示す図であり、(a)はqh軸電流iqhを0にした場合のdh軸電流idhに対する総合効率を示し、(b)はdh軸電流idhを0にした場合のqh軸電流iqhに対する総合効率を示す。図から明らかなように、高調波電流idhまたはiqhを0にしたときに効率は最大にならず、ある程度の高調波電流を流したときに効率が最大となる。つまり、基本波電流だけでモーターを駆動制御する従来の制御方法よりも、基本波電流に高調波電流を重畳させた方が総合効率を改善できる。
【0029】
図5は第1の実施の形態のトルク制御部1の詳細な構成を示す。トルク制御部1は、トルク指令値とモーター回転速度に対するd軸電流指令値のデータが収められている最高効率idマップ1aから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するd軸電流指令値id*を表引き演算する。また、トルク指令値とモーター回転速度に対するq軸電流指令値のデータが収められている最高効率iqマップ1bから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するq軸電流指令値iq*を表引き演算する。
【0030】
同様に、トルク指令値とモーター回転速度に対するdh軸電流指令値のデータが収められている最高効率idhマップ1cから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するdh軸電流指令値idh*を表引き演算する。さらに、トルク指令値とモーター回転速度に対するqh軸電流指令値のデータが収められている最高効率iqhマップ1dから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するqh軸電流指令値iqh*を表引き演算する。
【0031】
これらのマップ1a〜1dには、モータートルクTeをトルク指令値Te*に一致させるための電流指令値の組み合わせの中で、総合効率を最大にする基本波電流と高調波電流の指令値が収められている。
【0032】
この第1の実施の形態によれば、あらゆるモーター回転速度ωeにおいて、効率よくトルク指令値Te*に一致するトルクTeをモーターから出力させることができる。
【0033】
《発明の第2の実施の形態》
モーターのトルクリップルを最少にする第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は、トルク制御部1を除いて図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、全体構成の説明を省略して相違点を中心に説明する。
【0034】
上記数式1の右辺第3項と第4項は次数の異なる電機子鎖交磁束と電流の積であるから平均トルクには寄与しないが、これらはトルクリップル成分となる。従来のモーター制御装置では、dq軸座標系での基本波電流の制御、つまり電流の高調波成分を0とする制御を行うので、第4項は0となるが、第3項は0とならずトルクリップル成分となる。つまり、従来の制御装置では空間高調波が大きいモーターのトルクリップルを低減することができなかった。電気自動車ではこのモーターのトルクリップルが乗員に不快感を与える原因となり、低減しなければならない。
【0035】
そこで、この第2の実施の形態では、空間高調波が存在するIPMモーターの電流と出力トルクとの関係を解析し、トルクリップルを数式で表してトルクリップルを0にするための電流条件を導出する。
【0036】
IPMモーターの出力トルクTeはマグネットトルクTemと、リラクタンストルクTerとの和で表すことができる。
【数4】
Figure 0003852289
上式において、Temはマグネットトルク、Terはリラクタンストルク、φdmは電機子鎖交磁束(磁石分)、Lqdはdq軸インダクダンス差(=Lq−Ld=Lqd_1+Lqd_h)である。
【0037】
まず、マグネットトルクTemを演算する。
【数5】
Figure 0003852289
上式において、φdm_1は電機子鎖交磁束の基本波成分(磁石分)、φdm_hは電機子鎖交磁束の高調波分(磁石分)である。数式5の右辺第1項は基本波成分トルクを表し、第2項はトルクリップル成分を表す。したがって、第2項を0にする電流条件が存在すれば、マグネットトルクのリップル成分を0にすることができる。
【数6】
φdm_h・iq_1+φdm_1・iq_h+φdm_h・iq_h=0
つまり、
【数7】
iq_h=−φdm_h・iq_1/(φdm_1+φdm_h)
ここで、磁石が形成する電機子鎖交磁束の基本波成分が高調波成分に比べて十分に大きい(φdm_1≫φdm_h)とすれば、数式7は次式に近似できる。
【数8】
iq_h=−φdm_h・iq_1/φdm_1
以上の演算により、マグネットトルクTemのリップルを0にする条件は、q軸電流の高調波成分iq_hを数式8で表す値にすればよいことがわかる。
【0038】
次に、リラクタンストルクTerを演算する。
【数9】
Figure 0003852289
数式9の右辺第1項はリラクタンストルクの基本波成分を表し、第2項と第3項がトルクリップル成分を表す。したがって、第2項と第3項の和を0にする電流条件が存在すれば、リラクタンストルクのリップル成分を0にすることができる。
【数10】
(Lqd_1・iq_1+Lqd_h・iq_1+Lqd_1・iq_h+Lqd_h・iq_h)id_h=−(Lqd_h・iq_1+Lqd_1・iq_h+Lqd_h・iq_h)id_1
∴id_h=−(Lqd_h・iq_1+Lqd_1・iq_h+Lqd_h・iq_h)id_1/(Lqd_1・iq_1+Lqd_h・iq_1+Lqd_1・iq_h+Lqd_h・iq_h)
ここで、モーターのパラメーターおよび電流は、基本波成分に比べ高調波成分が十分に小さいと仮定すれば、数式10を次式に近似できる。
【数11】
id_h=−(Lqd_h・iq_1+Lqd_1・iq_h)id_1/(Lqd_1・iq_1)
以上の演算により、リラクタンストルクのリップルを0にする条件は、d軸電流の高調波成分id_hを数式11で表す値にすればよいことがわかる。
【0039】
このように、q軸の高調波成分電流iq_hを数式8に示す値に制御し、d軸の高調波成分電流id_hを数式11に示す値に制御すれば、モーターのトルクリップルを低減することができる。
【0040】
ところで、ここで用いているid_h、iq_hはそれぞれd軸とq軸の高調波成分電流を表しており、次式により高調波座標系のdh軸とqh軸の高調波成分電流に変換する。
【数12】
Figure 0003852289
上式において、θehは基本波dq軸座標系から見た高調波dhqh軸座標系の位相であり、3相交流座標系で高調波成分が5次の場合にθeh=−6ωe+θeo(ここで、θeoはθe=0とθeh=0の位相差)である。数式8と数式11を数式12に代入してdh軸電流指令値idh*とqh軸電流指令値iqh*を算出し、上述したように高調波電流を制御すればモーターのトルクリップルを最少にすることができる。
【0041】
図6は第2の実施の形態のトルク制御部1Aの詳細を示す図である。この第2の実施の形態では、図1に示すトルク制御部1に代えてトルク制御部1Aを用いる。トルク制御部1Aは、トルク指令値とモーター回転速度に対するd軸電流指令値のデータが収められている最高効率idマップ1eから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するd軸電流指令値id*を表引き演算する。また、トルク指令値とモーター回転速度に対するq軸電流指令値のデータが収められている最高効率iqマップ1fから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するq軸電流指令値iq*を表引き演算する。
【0042】
トルク制御部1Aはさらに、dq軸電流指令値に対するdh軸電流指令値のデータが収められている最少トルクリップルidhマップ1gから、dq軸電流指令値id*、iq*に対応するdh軸電流指令値idh*を表引き演算する。同様に、dq軸電流指令値に対するqh軸電流指令値のデータが収められている最少トルクリップルiqhマップ1hから、dq軸電流指令値id*、iq*に対応するqh軸電流指令値iqh*を表引き演算する。
【0043】
マップ1e〜1hには、モータートルクTeをトルク指令値Te*に一致させるための電流指令値の組み合わせの中で、上記数式8と数式11を満たしトルクリップルを最少にする基本波電流と高調波電流の指令値が収められている。これらの指令値を演算により求めるとずれが生じるので、実験によりトルクリップルを最少とする基本波電流と高調波電流を測定し、それらの値をデータとして採用してもよい。
【0044】
この第2の実施の形態によれば、あらゆるモーター回転速度ωeにおいて、トルクリップルを最少に抑制しながらトルク指令値Te*に一致するトルクTeをモーターから出力させることができる。
【0045】
《発明の第3の実施の形態》
電圧リップルを最少にする第3の実施の形態を説明する。なお、この第3の実施の形態の構成は、トルク制御部1を除いて図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、全体構成の説明を省略して相違点を中心に説明する。
【0046】
図7はモーターMの回転速度ωeに対するトルクTeの関係、つまりモーターMの出力特性を示す。モーターMは、回転速度ωeが0から基底回転速度±ωbまでは太線▲1▼の最大トルクラインまで駆動制御され、基底回転速度±ωbを超えると破線▲2▼の最大出力ラインまで駆動制御される。通常、電力変換部10のパワー素子の定格電流は最大トルクライン▲1▼に応じて決定されので、例えば定格電流が600Aの場合には基本波電流を600Aまで流すことができる。ところが、モーター電流に高調波電流が含まれると、モーター電流のピーク値が基本波電流のピーク値より大きくなるため、基本波電流を定格の600Aより低く抑えなければならなくなり、最大トルクが小さくなる上に、鉄損や銅損が増加して効率が悪くなる。一方、モーター電圧に高調波成分が含まれると、モーター電圧のピーク値が基本波電圧のピーク値より高くなるため、基本波電圧をモーターおよびパワー素子の定格電圧より低く抑えなければならなくなり、電圧不足により所定の電流が流せなくなって出力が低下する。
【0047】
まず、空間高調波含むモーターの電圧リップルについて説明する。モーターMの回路方程式は次のように表すことができる。
【数13】
Figure 0003852289
ここで、vdはd軸電圧、vqはq軸電圧、Rは相巻線抵抗、φdはd軸電機子鎖交磁束、φqはq軸電機子鎖交磁束、φdmは電機子鎖交磁束(磁石分)、Ldはd軸インダクダンス、Lqはq軸インダクダンスである。
【0048】
磁束、インダクダンス、電流を基本波成分と高調波成分とに分けて数式13を記述すると、まずd軸電圧vdは次のように表される。
【数14】
Figure 0003852289
数式14において、第1項は基本波成分であり、第2項は電圧リップル成分である。電圧リップルを0にするにはこの第2項を0にすればよい。
【数15】
R・id_h+d(φdm_h+Ld_h・id_1+Ld_1・id_h+Ld_h・id_h)/dt−ωe(Lq_h・iq_1+Lq_1・iq_h+Lq_h・iq_h)=0
そのためには、数式15の3項すべてを0にする必要があるが、通常、第1項は第2項および第3項に比べて無視できる程度に小さいので、第2項と第3項を0にする条件を導出する。まず、第2項を0にする条件から次式が求められる。
【数16】
φdm_h+Ld_h・id_1+(Ld_1+Ld_h)id_h=const,
∴id_h=−{(φdm_h+Ld_h・id_1)+const}/(Ld_1+Ld_h)
また、第3項を0にする条件から次式が求められる。
【数17】
Lq_h・iq_1+Lq_1・iq_h+Lq_h・iq_h=0
∴iq_h=−Lq_h・iq_1/(Lq_1+Lq_h)
【0049】
このように、d軸電圧vdのリップルを0にするには、dq軸電流の高調波成分id_h、iq_hが数式16、数式17に示す値となるように制御すればよい。
【0050】
一方、磁束、インダクダンス、電流を基本波成分と高調波成分とに分けて数式13を記述すると、q軸電圧vqは次のように表される。
【数18】
Figure 0003852289
数式18において、第1項は基本波成分であり、第2項は高次成分(リップル分)である。q軸電圧のリップルを0にするにはこの第2項を0にすればよい。
【数19】
ωe{φdm_h+(Ld_h・id_1+Ld_1・id_h+Ld_h・id_h)}+R・iq_h+d(Lq_h・iq_1+Lq_1・iq_h+Lq_h・iq_h)/dt=0
そのためには、数式19の3項すべてを0にする必要があるが、通常、第2項は第1項および第3項に比べて無視できる程度に小さいので、第1項と第3項を0にする条件を導出する。まず、第1項を0にする条件から次式が求められる。
【数20】
φdm_h+(Ld_h・id_1+Ld_1・id_h+Ld_h・id_h)=0,
∴id_h=−(φdm_h+Ld_h・id_1)/(Ld_1+Ld_h)
また、第3項を0にする条件から次式が求められる。
【数21】
Lq_h・iq_1+Lq_1・iq_h+Lq_h・iq_h=const,
∴iq_h=(−Lq_h・iq_1+const)/(Lq_1+Lq_h)
【0051】
このように、q軸電圧vqのリップルを0にするには、dq軸電流の高調波成分id_h、iq_hが数式20、数式21に示す値となるように制御すればよい。
【0052】
なお、数式16と数式21のconstを0とすれば、数式16と数式20、数式17と数式21はそれぞれ同一となる。つまり、d軸電圧vdのリップル電圧を0にする条件と、q軸電圧vqのリップル電圧を0にする条件とを同一にすることができ、d軸電圧vdとq軸電圧vqのリップル成分をともに0にすることが可能になる。
【数22】
id_h=−(φdm_h+Ld_h・id_1)/Ld_1,
iq_h=−Lq_h・iq_1/Lq_1
つまり、基本波座標系dqにおけるd軸高調波電流id_hとq軸高調波電流iq_hが数式22に表す値となるように制御すれば、電圧リップルを小さくすることができる。なお、基本波座標系dqにおける高調波電流id_h、iq_hは、上記数式12により高調波座標系dhqhのdh軸高調波電流idhとqh軸高調波電流iqhに変換することができる。したがって、数式22を数式12に代入してdh軸電流指令値idh*とqh軸電流指令値iqh*を算出し、上述したように高調波電流を制御すれば電圧リップルを最少にすることができる。
【0053】
図8は第3の実施の形態のトルク制御部1Bの詳細を示す図である。この第3の実施の形態では、図1に示すトルク制御部1に代えてトルク制御部1Bを用いる。トルク制御部1Bは、トルク指令値とモーター回転速度に対するd軸電流指令値のデータが収められている最高効率idマップ1eから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するd軸電流指令値id*を表引き演算する。また、トルク指令値とモーター回転速度に対するq軸電流指令値のデータが収められている最高効率iqマップ1fから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するq軸電流指令値iq*を表引き演算する。
【0054】
トルク制御部1Bはさらに、dq軸電流指令値に対するdh軸電流指令値のデータが収められている最少電圧リップルidhマップ1iから、dq軸電流指令値id*、iq*に対応するdh軸電流指令値idh*を表引き演算する。同様に、dq軸電流指令値に対するqh軸電流指令値のデータが収められている最少電圧リップルiqhマップ1jから、dq軸電流指令値id*、iq*に対応するqh軸電流指令値iqh*を表引き演算する。
【0055】
マップ1e、1f、1i、1jには、モータートルクTeをトルク指令値Te*に一致させるための電流指令値の組み合わせの中で、電圧リップルを最少にする基本波電流と高調波電流の指令値データが収められている。これらの指令値を演算により求めるとずれが生じるので、実験により電圧リップルを最少とする基本波電流と高調波電流を測定し、それらの値をデータとして採用してもよい。
【0056】
この第3の実施の形態によれば、あらゆるモーター回転速度ωeにおいて、電圧リップルを最少に抑制しながらトルク指令値Te*に一致するトルクTeをモーターから出力させることができる。
【0057】
《発明の第4の実施の形態》
電流リップルを最少にする第4の実施の形態を説明する。なお、この第4の実施の形態の構成は、トルク制御部1を除いて図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、全体構成の説明を省略して相違点を中心に説明する。
【0058】
図9は第4の実施の形態のトルク制御部1Cの詳細を示す図である。この第4の実施の形態では、図1に示すトルク制御部1に代えてトルク制御部1Cを用いる。トルク制御部1Cは、トルク指令値とモーター回転速度に対するd軸電流指令値のデータが収められている最高効率idマップ1eから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するd軸電流指令値id*を表引き演算する。また、トルク指令値とモーター回転速度に対するq軸電流指令値のデータが収められている最高効率iqマップ1fから、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeとに対応するq軸電流指令値iq*を表引き演算する。
【0059】
一方、トルク制御部1Cは、dh軸電流指令値idh*とqh軸電流指令値iqh*をともに0にする。これにより、高調波電流制御回路5,6,8,9は高調波座標系dhqhのdh軸電流idhとqh軸電流iqhがともに0になるように制御する。
【0060】
この第4の実施の形態によれば、あらゆるモーター回転速度ωeにおいて電流リップルを最少に抑制しながら、トルク指令値Te*に一致するトルクTeをモーターから出力させることができる。
【0061】
《発明の第5の実施の形態》
モーターMの動作状態に応じて最適な基本波電流指令値と高調波電流指令値を選択するようにした第5の実施の形態を説明する。なお、この第5の実施の形態の構成は、トルク制御部1を除いて図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、全体構成の説明を省略して相違点を中心に説明する。
【0062】
図10は第5の実施の形態のトルク制御部1Dの詳細を示す図である。この第5の実施の形態では、図1に示すトルク制御部1に代えてトルク制御部1Dを用いる。トルク制御部1Dは、最高効率電流指令演算部1p、最少トルクリップル電流指令演算部1g、最少電圧リップル電流指令演算部1r、最少電流リップル電流指令演算部1t、最適指令値選択部1uおよび切り換えスイッチ1vを備えている。
【0063】
最高効率電流指令演算部1pは、効率を最大にする基本波電流指令値id*、iq*と高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する。最少トルクリップル電流指令演算部1gは、トルクリップルを最少にする基本波電流指令値id*、iq*と高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する。最少電圧リップル電流指令演算部1rは、電圧リップルを最少にする基本波電流指令値id*、iq*と高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する。最少電流リップル電流指令演算部1tは、電流リップルを最少にする基本波電流指令値id*、iq*と高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する。
【0064】
最適指令値選択部1uは、モーターMの回転速度ωeやトルクTeなどのモーターMの動作状態に応じて、電流指令演算部1p、1q、1r、1tで演算された電流指令値の中から最適な電流指令値を選択し、切り換えスイッチ1vを切り換える。なお、モーターMのトルクTeは、例えば上述した数式1や数式4により演算により求めてもよいし、トルク検出器を設置して測定してもよい。
【0065】
図11により、最適指令値選択部1uの動作を説明する。図11は、図7に示すモーターMの出力特性の内の第1象限のみを示す。なお、第2象限〜第4象限における動作は第1象限の動作と同様であり、説明を省略する。
【0066】
図11において、最大トルクライン▲1▼近傍の領域▲6▼では他の領域▲3▼〜▲5▼に比べてモーター電流が大きく、モーター電流が電力変換部10のパワー素子の定格電流に近くなる。モーターMの回転速度ωeとトルクTeで決まる運転点が領域▲6▼内にあるとき、つまりモータートルクTeと最大トルクとの差が所定値以下でモータートルクTeが最大値に近いときは、最少電流リップル電流指令演算部1tで演算される電流指令値を選択し、モーターMの電流リップルを最少に抑制することによって、モーター電流のピーク値をパワー素子の定格電流より低く抑える。
【0067】
また、最大出力ライン▲2▼近傍の領域▲5▼では上述したようにモーターMに大きな電圧を印加する必要があるので、直流母線電圧(インバーターのDCリンク電圧)とモーター電圧vu、vv、vwとの差が小さくなる。したがって、モーターMの回転速度ωeとトルクTeで決まる運転点が領域▲5▼内にあるとき、つまりモーター出力と最大出力との差が所定値以下でモーター出力が最大値に近いときは、最少電圧リップル電流指令演算部1rで演算される電流指令値を選択し、モーターMの電圧リップルを最少に抑制することによって、モーター電圧のピーク値がパワー素子の電圧電圧より低くなるようにしながら、リップル電圧によるモーター電圧の低下を防ぐ。
【0068】
さらに、モーターMの回転速度ωeとトルクTeがともに低い領域▲4▼では、トルクリップルの影響が大きく現れるので、最少トルクリップル電流指令演算部1gで演算される電流指令値を選択し、モーターMのトルクリップルを最少に抑えることによって、トルクリップルに起因した影響、例えば車両の振動や騒音を低減して乗員の不快感を減ずる。
【0069】
モーターMの回転速度ωeとトルクTeで決まる運転点が領域▲3▼内にあるときは、効率を最大とする最高効率電流指令演算部1pで演算された電流指令値を選択し、効率を最大にしてモーターMの消費電力を低減する。
【0070】
このように第5の実施の形態によれば、モーターMの動作状態に応じた最適な電流指令値を選択してモーターMを駆動制御することができる。
【0071】
なお、上述した各実施の形態では、トルク制御部1、1A、1B、1Cにおいて、トルク指令値Te*とモーター回転速度ωeに基づいてdq軸基本波電流指令値id*、iq*とdhqh軸高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する例を示したが、モーターを図7に示す0〜基底回転速度ωbまでの速度範囲で使用する場合、すなわち定トルク制御領域でのみ使用する場合(定トルク制御)には、トルク指令値Te*のみに基づいてdq軸基本波電流指令値id*、iq*とdhqh軸高調波電流指令値idh*、iqh*を演算する。つまり、トルク指令値に対する電流指令値のマップを予め設定しておき、トルク指令値Te*に対応する電流指令値id*、iq*、idh*、iqh*を表引き演算する。
【0072】
また、本発明は同期モーターや誘導モーターなどの交流モーターに適用することができる。誘導モーターの場合には、磁束の方向を推定する周知の磁束推定器を設け、磁束の基本波成分の推定方向に同期して回転する座標系をdq座標系とし、磁束の高調波次数成分の推定方向に同期して回転する座標系をdhqh座標系とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 空間高調波が存在しない場合の、IPMモーターの磁石が形成する電機子鎖交磁束(U相巻線)を示す図である。
【図3】 5次の空間高調波が存在する場合の、IPMモーターの磁石が形成する電機子鎖交磁束(U相巻線)を示す図である。
【図4】 基本波電流成分であるdq軸電流id、iqを一定にした場合の高調波電流成分と総合効率との関係を示す図である。
【図5】 第1の実施の形態のトルク制御部の詳細な構成を示す図である。
【図6】 第2の実施の形態のトルク制御部の詳細な構成を示す図である。
【図7】 モーターの出力特性を示す図である。
【図8】 第3の実施の形態のトルク制御部の詳細な構成を示す図である。
【図9】 第4の実施の形態のトルク制御部の詳細な構成を示す図である。
【図10】 第5の実施の形態のトルク制御部の詳細な構成を示す図である。
【図11】 モーターの動作状態に応じた最適な電流指令値の選択動作を説明するための図である。
【図12】 従来の3相交流モーターの制御装置の構成を示す図である。
【図13】 IPMモーターの構造を示す図である。
【図14】 SPMモーターの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 トルク制御部
1a 最高効率d軸電流指令値マップ
1b 最高効率q軸電流指令値マップ
1c 最高効率dh軸電流指令値マップ
1d 最高効率qh軸電流指令値マップ
1e 最高効率d軸電流指令値マップ
1f 最高効率q軸電流指令値マップ
1g 最少トルクリップルdh軸電流指令値マップ
1h 最少トルクリップルqh軸電流指令値マップ
1i 最少電圧リップルdh軸電流指令値マップ
1j 最少電圧リップルqh軸電流指令値マップ
1p 最高効率電流指令演算部
1q 最少トルクリップル電流指令演算部
1r 最少電圧リップル電流指令演算部
1t 最少電流リップル電流指令演算部
2 基本波電流制御部
3 加算器
4 dq/3相変換部
5 3相/dq変換部
6 高調波電流制御部
7 dhqh/dq変換部
8 ハイパスフィルター
9 dq/dhqh変換部
10 電力変換部
11,12 電流センサー
13 位相速度演算部

Claims (8)

  1. 少なくとも交流モーターのトルク指令値に基づいてモーター電流の基本波電流指令値を決定する基本波電流指令値決定手段と、
    少なくとも交流モーターのトルク指令値に基づいてモーター電流の高調波電流指令値を決定する高調波電流指令値決定手段と、
    前記基本波電流指令値と前記高調波電流指令値に基づいて前記交流モーターに流れる電流を制御する電流制御手段とを備え、
    前記基本波電流指令値決定手段および前記高調波電流指令値決定手段は、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を決定することを特徴とするモーター制御装置。
  2. 少なくとも交流モーターのトルク指令値に基づいてモーター電流の基本波電流指令値を決定する基本波電流指令値決定手段と、
    少なくとも交流モーターのトルク指令値に基づいてモーター電流の高調波電流指令値を決定する高調波電流指令値決定手段と、
    前記基本波電流指令値と前記高調波電流指令値に基づいて前記交流モーターに流れる電流を制御する電流制御手段とを備え、
    前記基本波電流指令値決定手段および前記高調波電流指令値決定手段は、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値と高調波電流指令値、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながらトルクリップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電圧リップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値、およびモータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電流リップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を決定し、
    モーターの動作状態を検出する動作状態検出手段と、
    前記基本波電流指令値決定手段および前記高調波電流指令値決定手段により決定される基本波電流指令値と高調波電流指令値の中から、モーターの動作状態に応じた最適な電流指令値を選択する電流指令値選択手段とを備えることを特徴とするモーター制御装置。
  3. 請求項2に記載のモーター制御装置において、
    前記電流指令値選択手段は、モータートルクが最大値に近い所定領域内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電流リップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を選択することを特徴とするモーター制御装置。
  4. 請求項2に記載のモーター制御装置において、
    前記電流指令値選択手段は、モータートルクとモーター回転速度がともに低い所定範囲内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながらトルクリップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を選択することを特徴とするモーター制御装置。
  5. 請求項2に記載のモーター制御装置において、
    前記電流指令値選択手段は、モーター出力が最大値に近い所定領域内のモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら電圧リップルを最少にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を選択することを特徴とするモーター制御装置。
  6. 請求項2に記載のモーター制御装置において、
    前記電流指令値選択手段は、モータートルクとモーター出力がそれらの最大値に近い前 記所定域内になく、かつモータートルクとモーター回転速度がともに低い前記所定範囲内にないモーター動作状態が検出されたときは、モータートルクを前記トルク指令値に一致させながら効率を最大にする基本波電流指令値と高調波電流指令値を選択することを特徴とするモーター制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかの項に記載のモーター制御装置において、
    前記基本波電流指令値決定手段は、電機子鎖交磁束の基本波成分に同期して回転するdq座標系における基本波電流指令値を決定し、
    前記高調波電流指令値決定手段は、電機子鎖交磁束の高調波次数成分に同期して回転するd h h 座標系における高調波電流指令値を決定することを特徴とするモーター制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかの項に記載のモーター制御装置において、
    前記電流制御手段は、電機子鎖交磁束の基本波成分に同期して回転するdq座標系においてモーター電流の基本波成分が前記基本波電流指令値に一致するように制御する基本波電流制御手段と、電機子鎖交磁束の高調波次数成分に同期して回転するd h h 座標系においてモーター電流の高調波次数成分が前記高調波電流指令値に一致するように制御する高調波電流制御手段とを有することを特徴とするモーター制御装置。
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