JP3809728B2 - 倍力装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のブレーキ等に用いられる倍力装置に関し、より詳しくは、その弁機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作動応答性を向上させるようにした倍力装置として、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディに設けられて、入力軸の進退動に連動してバルブボディ内の流路の切換え制御を行う弁機構とを備え、
上記弁機構は、バルブボディに形成されてフロント側に向いた大気弁座と、バルブリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢される弁プランジャに形成されて、上記大気弁座の内方側に位置するフロント側に向いた真空弁座と、ポペットリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢されて、上記大気弁座に着座する第1シート部と真空弁座に着座する第2シート部とを有する弁体と、上記大気弁座よりも外方側の空間を大気に連通させる大気通路と、上記大気弁座と真空弁座との間の空間を変圧室に連通させる変圧通路と、さらに上記真空弁座よりも内方側の空間を定圧室に連通させる定圧通路とを備えたものが提案されている(特開平9−39779号公報)。
上述した公報の弁機構によれば、大気弁座を真空弁座よりも大きく形成しているので、真空弁座よりも大気弁座を小さく形成した場合に比較して変圧室に流入する大気量が多くなるので、それによって作動応答性が向上するようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記公報の弁機構では、同心上に配置した大気弁座と真空弁座に着座するように第1シート部の内方側に第2シート部を配置していたため、第1シート部が大気弁座に着座し、第2シート部が真空弁座から離座する非作動時よりも第1シート部が大気弁座から離座し、第2シート部が真空弁座に着座する作動時では差圧の作用する受圧面積が大きくなる。
それにより、作動時では弁体をフロント側に付勢する差圧が大きくなるので、その大きな差圧を考慮してポペットリターンスプリングのセット荷重を大きく設定していた。
また、大気弁座が大きく形成されていたため、第1シート部が大気弁座に着座し、第2シート部が大気弁座から離座する非作動時では、差圧が弁プランジャに作用する受圧面積が大きくなる。
それにより、非作動時では弁プランジャをフロント側に付勢する差圧が大きくなるため、非作動時の大きな差圧を考慮してバルブリターンスプリングのセット荷重を大きく設定していた。
その結果、従来ではポペットリターンスプリングのセット荷重とバルブリターンスプリングのセット荷重をそれぞれ大きく設定していたので、両スプリングを撓めて弁機構を切換える際の作動開始入力が大きくなっていた。
本発明は上述した事情に鑑み、作動開始入力を低減することができる弁機構を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載した本発明は、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディに設けられて、入力軸の進退動に連動してバルブボディ内の流路の切換え制御を行う弁機構とを備え、
上記弁機構は、バルブボディに形成されてフロント側に向いた大気弁座と、バルブリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢される弁プランジャに形成されてフロント側に向いた真空弁座と、ポペットリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢されて、上記大気弁座に着座する第1シート部と真空弁座に着座する第2シート部とを有する弁体と、上記大気弁座よりも外方側の空間を大気に連通させる大気通路と、上記大気弁座と真空弁座との間の空間を変圧室に連通させる変圧通路と、さらに上記真空弁座よりも内方側の空間を定圧室に連通させる定圧通路とを備え、非作動時においては上記弁体の第1シート部を大気弁座に着座させるととも第2シート部を真空弁座から離座させて、変圧室へ大気が導入されるのを阻止するとともに変圧室と定圧室に負圧を導入するようにした倍力装置において、
上記真空弁座が大気弁座よりもフロント側に位置するようにそれら両弁座を軸方向に離隔させて直列に配置するとともに、上記真空弁座と大気弁座の有効径を同一に設定し、また、上記弁体を概略筒状に形成するとともに第1シート部が第2シート部よりもリヤ側に位置するようにそれらを軸方向に離隔させて形成し、さらに、上記弁体の第1シート部を上記大気弁座に対向するようにリヤ側に向けて配置するとともに、上記弁体の第2シート部を上記真空弁座に対向するようにリヤ側に向けて配置したものである。
また、請求項2に記載した本発明は、上記請求項1において、上記弁体は、フロント側の第2シート部を支持するフロント側のバックアッププレートと、リヤ側の第1シート部を支持するリヤ側のバックアッププレートと、両バックアッププレートの外周部を連結する剛性を有する筒状部とを備えており、さらにフロント側のバックアッププレートは、半径方向外方に折返された弾性素材からなる転動部を介してバルブボディに連結されており、この転動部の有効径を、上記大気弁座と真空弁座の有効径と同一に設定し、
非作動時においては、上記リヤ側のバックアッププレートにおける第1シート部よりも半径方向外方部分にフロント側に向けて作用する差圧が、上記フロント側のバックアッププレートにおける第2シート部よりも半径方向外方部分にリヤ側に向けて作用する差圧によって打ち消されるように構成したものである。
【0005】
【作用】
上記請求項1に記載した構成によれば、大気弁座を従来のものよりも縮径させて真空弁と同径に形成することができる。そのため、非作動時に差圧が弁プランジャに作用する受圧面積を従来よりも小さくすることができる。したがって、弁プランジャをリヤ側に付勢するバルブリターンスプリングのセット荷重を従来に比較して低減することができる。
また請求項2に記載した弁機構によれば、弁体の転動部の有効径を、大気弁座と真空弁座との有効径を同一に設定したことにより、弁体が大気弁座に着座する非作動時または弁体が真空弁座に着座する作動時において、弁体をフロント側に付勢する差圧に対して弁体をリヤ側に付勢する同等の差圧が作用するようになるので、それにより差圧によって弁体が受ける付勢を打ち消すことができる。
したがって、非作動時または作動時における差圧を考慮する必要なくポペットリターンスプリングのセット荷重を設定することができるので、非作動時に作用する大きな差圧を考慮してポペットリターンスプリングのセット荷重を設定していた従来に比較してセット荷重を大きく低減することができる。
その結果、ポペットリターンスプリングのセット荷重とバルブリターンスプリングのセット荷重とを従来に比較してそれぞれ低減することができるので、弁機構を切換える際の作動開始入力を大きく低減することができる。
【0006】
【実施例】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、ブレーキ倍力装置のシェル1内には概略筒状のバルブボディ2を摺動自在に設けてあり、バルブボディ2の末端筒状部2Aはシェル1の開口から外部に突出させている。上記バルブボディ2の外周部にはパワーピストン3を連結してあり、このパワーピストン3の背面にはダイアフラム4を張設している。それによってシェル1内をフロント側の定圧室Aとリヤ側の変圧室Bとに区画形成している。
上記バルブボディ2内には、上記定圧室Aと変圧室Bと大気との間の流体回路を切換える弁機構5を設けている。
上記弁機構5は、バルブボディ2の内周部からフロント側に伸びる大径な環状突起6の先端に形成した大気弁座7と、バルブボディ2内に摺動自在に嵌合した弁プランジャ8の外周部から半径方向外方に伸びる壁部9の外方側に形成して、上記大気弁座7よりも軸方向フロント側に位置する真空弁座10とを備え、またポペットリターンスプリング11の弾発力によってリヤ側に付勢されて、上記大気弁座7に着座する第1シート部S1と真空弁座10に着座する第2シート部S2とを有する弁体12とを備えている。
さらに上記弁機構5は、上記大気弁座7よりも外方側の空間を大気に連通させるバルブボディ2の末端筒状部2A内に形成した大気通路13と、上記大気弁座7と真空弁座10との間の空間を変圧室Bに連通させるバルブボディ2内に形成した変圧通路14と、さらに上記真空弁座10よりも内方側の空間を定圧室Aに連通させるホルダ15内に形成した定圧通路16とを備えており、上記定圧室Aは、シェル1に設けた図示しない負圧導入管を介してエンジンのインテークマニホールドに連通されており、それにより定圧室Aには常時負圧が導入されている。上記大気通路13内には埃を除去するフィルタ17を設けている。
そして、上記弁プランジャ8のリヤ側端部を嵌合したバルブボディ2の内周部にはOリング18を設けて、このOリング18によってバルブボディ2の内周部と弁プランジャ8の外周部の間の気密を保持している。
なおプラグ15は、実質的にバルブボディ2の一部を構成するものである。
【0007】
上記弁プランジャ8の右端部には図示しないブレーキペダルに連動する入力軸20の左端部が連結されており、また上記弁プランジャ8の左方側には、プレートプランジャ21とリアクションディスク22とが順次配置されており、該リアクションディスク22は出力軸23の右端基部内に収容されている。この出力軸23の右端基部はホルダ15にフロント側より嵌合されており、他方、その先端部はシェル1の軸部よりシール部材24を介して気密を保持して外部に突出させている。
またホルダ15の端面と弁プランジャ8の壁部9の内方側とにわたって、バルブリターンスプリング25を弾装してあり、このバルブリターンスプリング25の弾撥力によって弁プランジャ8、弁体12および入力軸20をリヤ側に付勢している。
上記弁プランジャ8は、従来の周知のキー部材26によりバルブボディ2から抜出るのを防止されており、このキー部材26を倍力装置の非作動時にはシェル1のリヤ側内面に当接させて弁プランジャ8をバルブボディ2に対する前進位置に保持するようになっている。
そして、シェル1のフロント側内壁とバルブボディ2とにわたってリターンスプリング27を弾装して、通常はバルブボディ2を図示非作動位置に保持している。
【0008】
しかして本実施例では、上記弁機構5を改良して作動開始入力を低減させるように構成したものである。
すなわち、図2に示すように、軸方向に離隔させて配置した大気弁座7の有効径D1と真空弁座10との有効径D2をそれぞれ所定の設定値Dに一致させて設定し、具体的には真空弁座10を拡径することなく大気弁座7を縮径させて同径に形成している。
このとき、大気弁座7を縮径させたことにより大気の流入量が減少して作動応答性が悪くなることが懸念されるが、図1に示すように大気弁座7と真空弁座10との間および大気弁座7と弁プランジャ8の外周部との間には大きなクリアランスがあるので、それにより作動応答性が悪くなることはない。
【0009】
他方、弁体12は、その基部をバルブボディ2とこのバルブボディ2内に嵌合したホルダ15とによって挟持された弾性素材からなる転動部30と、この転動部30のフロント側端部に連設されたバックアッププレート31と、その末端を上記バックアッププレート31にカシメられるとともに、真空弁座10を囲繞してリヤ側に伸びる金属製の筒状部32と、この筒状部32の先端に連設されて半径方向内方に折曲げられたバックアッププレート33と、このバックアッププレート33の表側に設けられた弾性素材からなる環状シート34とを備えており、この環状シート34の中央に大気弁座7に着座する第1シート部S1を形成するとともに、筒状部21の先端に真空弁座10に着座する第2シート部S2を形成してあり、これら第1シート部S1と第2シート部S2との間隔は大気弁座7と真空弁座10との間隔よりも若干大きく設定している。
これにより、上記弁体12が弁プランジャ8の壁部9とバックアッププレート33との間に弾装したポペットリターンスプリング11によってリヤ側に付勢されているので、図示非作動状態では、第1シート部S1が大気弁座7に着座して大気と変圧室Bとの連通が遮断され、他方、第2シート部S2が真空弁座10から離座して定圧室Aと変圧室Bとが連通されて、変圧室Aと変圧室Bは同圧になっている。
そして、上記弁体12の半径方向外方に折返された転動部30の有効径D3を設定値Dと設定しており、それにより大気弁座7、真空弁座10および弁体12の転動部30の有効径D1、D2、D3はそれぞれ同一になっている。
【0010】
以上のように構成した本実施例によれば、弁体12の第1シート部S1が大気弁座7に着座し、第2シート部S2が真空弁座10から離座する非作動時では、有効径D3よりも外方に位置するバックアッププレート31とバックアッププレート33の受圧面積は同じなので、バックアッププレート33をフロント側に付勢する差圧はバックアッププレート31をリヤ側に付勢する差圧により打ち消されるようになる。他方、有効径D3よりも内方に位置する転動部30とバックアッププレート31(転動部30の先端も含む)の受圧面積は同じなので、転動部30をフロント側に付勢する差圧はバックアッププレート31をリヤ側に付勢する差圧により打ち消されるようになる。
その結果、倍力装置1の非作動時において差圧が作用するのは、有効径D3よりも外方に位置する転動部30の僅かな受圧面積だけになるので、それにより弁体12は殆ど差圧による付勢を受けることはない。
これに対し、弁体12の第1シート部S1が大気弁座7から離座し、第2シート部S2が真空弁座10に着座する作動時では、上記有効径D3よりも内方に位置する転動部30とバックアッププレート31(転動部30の先端も含む)の受圧面積は同じなので、転動部30をフロント側に付勢する差圧はバックアッププレート31をリヤ側に付勢する差圧により打ち消されるようになる。
その結果、倍力装置1の作動時においても差圧が作用するのは、有効径D3よりも外方に位置する転動部30の僅かな受圧面積だけになるので、それにより弁体12は殆ど差圧による付勢を受けることはない。
なお、上記転動部30は作動時には非作動時に対して形状が若干変化するようになるが、その際、有効径D3の変化は小さいので、弁体12に作用する差圧に殆ど変化はない。
また本実施例では、大気弁座7を縮径させて真空弁座10と同径に形成しているので、それにより大気弁座7に弁体12の第1シートS1が着座し、真空弁座10から第2シート部S2から離座する非作動時において差圧が弁プランジャ8に作用する受圧面積は従来よりも小さくなる。
【0011】
したがって、大気弁座7、真空弁座10および弁体12の転動部30の有効径D1、D2、D3とをそれぞれ同一に設定しているので、上述したように弁体12は非作動時と作動時において差圧によるフロント側への付勢を受けることはない。
このような本実施例に対し、従来の弁機構は大気弁座の内方側に真空弁座を配置するとともに、弁体の第1シート部の内方側に第2シート部を配置していたので、第1シート部が大気弁座に着座し、第2シート部が真空弁座から離座している非作動時よりも第1シート部が大気弁座から離座し、第2シート部が真空弁座に着座している作動時では弁体をフロント側に付勢する差圧が大きくなる。
このため、弁体を両弁座に着座させるポペットリターンスプリングのセット荷重を非作動時の大きな差圧を考慮して大きく設定していたが、本実施例によれば差圧を考慮することなく弁体12を両弁座7、10に着座させるだけのセット荷重に設定すればよいので、従来に比較してセット荷重を大きく低減することができる。
そしてまた従来の弁機構では、大気弁座を大きく形成していたので、第1シート部が大気弁座に着座し、第2シート部が真空弁座から離座した非作動時では差圧が弁プランジャに作用する受圧面積が大きかった。
このため、弁プランジャをリヤ側に付勢するバルブリターンスプリングのセット荷重を作動時の大きな差圧に打ち勝つように大きく設定していたが、本実施例によれば弁プランジャ8の受圧面積が従来に比較して低減されているので、バルブリターンスプリング25の弾発力を従来に比較して小さく設定することができる。
以上の結果から理解されるように、本実施例ではポペットリターンスプリング11のセット荷重とバルブリターンスプリング25のセット荷重とを従来に比較してそれぞれ低減させることができるので、弁機構を切換える際の作動開始入力を大幅に低減することができる。
【0012】
なお上記実施例では、大気弁座7および真空弁座10、弁体12の転動部30との有効径D1、D2、D3をそれぞれ同一に設定していたが、これに限定されるものではなく、大気弁座7と真空弁座10との有効径D1、D2とを同一に設定するだけでも、非作動時に弁プランジャ8に作用する受圧面積を低減させることができるので、それによりバルブリターンスプリング25のセット荷重を低減して作動開始入力を低減させることができる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ポペットリターンスプリングおよびバルブリターンスプリングのセット荷重を従来に比較してそれぞれ低減させて、作動開始入力を低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】図1の要部の拡大図。
【符号の説明】
2…バルブボディ 3…パワーピストン 5…弁機構
7…大気弁座 8…弁プランジャ 10…真空弁座
11…ポペットリターンスプリング 12…弁体
13…大気通路 14…変圧通路 16…定圧通路
20…入力軸 30…転動部 32…筒状部
31、33…バックアッププレート
S1…第1シート部 S2…第2シート部
Claims (2)
- シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディに設けられて、入力軸の進退動に連動してバルブボディ内の流路の切換え制御を行う弁機構とを備え、
上記弁機構は、バルブボディに形成されてフロント側に向いた大気弁座と、バルブリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢される弁プランジャに形成されてフロント側に向いた真空弁座と、ポペットリターンスプリングによりリヤ側に向けて付勢されて、上記大気弁座に着座する第1シート部と真空弁座に着座する第2シート部とを有する弁体と、上記大気弁座よりも外方側の空間を大気に連通させる大気通路と、上記大気弁座と真空弁座との間の空間を変圧室に連通させる変圧通路と、さらに上記真空弁座よりも内方側の空間を定圧室に連通させる定圧通路とを備え、非作動時においては上記弁体の第1シート部を大気弁座に着座させるととも第2シート部を真空弁座から離座させて、変圧室へ大気が導入されるのを阻止するとともに変圧室と定圧室に負圧を導入するようにした倍力装置において、
上記真空弁座が大気弁座よりもフロント側に位置するようにそれら両弁座を軸方向に離隔させて直列に配置するとともに、上記真空弁座と大気弁座の有効径を同一に設定し、
また、上記弁体を概略筒状に形成するとともに第1シート部が第2シート部よりもリヤ側に位置するようにそれらを軸方向に離隔させて形成し、さらに、上記弁体の第1シート部を上記大気弁座に対向するようにリヤ側に向けて配置するとともに、上記弁体の第2シート部を上記真空弁座に対向するようにリヤ側に向けて配置したことを特徴とする倍力装置。 - 上記弁体は、フロント側の第2シート部を支持するフロント側のバックアッププレートと、リヤ側の第1シート部を支持するリヤ側のバックアッププレートと、両バックアッププレートの外周部を連結する剛性を有する筒状部とを備えており、さらにフロント側のバックアッププレートは、半径方向外方に折返された弾性素材からなる転動部を介してバルブボディに連結されており、この転動部の有効径を、上記大気弁座と真空弁座の有効径と同一に設定し、
非作動時においては、上記リヤ側のバックアッププレートにおける第1シート部よりも半径方向外方部分にフロント側に向けて作用する差圧が、上記フロント側のバックアッププレートにおける第2シート部よりも半径方向外方部分にリヤ側に向けて作用する差圧によって打ち消されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の倍力装置。
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