JP3808400B2 - 生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有するポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体、及び該発泡体の製造方法に関する。さらに詳しくは、廃棄時に好気性、嫌気性環境下での生分解性に優れ、焼却処理したとしても発熱量が少なく、微生物が生産した天然のポリヒドロキシアルカノエートを使用し、ハロゲン原子を含まない環境適合性の高い揮発性発泡剤を使用する場合には、地球環境に優しい、例えば緩衝材、発泡シート、発泡ボード、フィルター等として包装材料、食器材料、建築・土木・農業・園芸材料、吸着・担体・濾過材等に応用可能なポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体、及び該発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックは加工や使用しやすさや、再利用の困難さ、衛生上問題などから使い捨てされてきた。しかし、プラスチックが多量に使用、廃棄されるにつれ、その埋め立て処理や焼却処理に伴う問題がクローズアップされており、ゴミ埋め立て地の不足、非分解性のプラスチックスが環境に残存することによる生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与える原因となっている。近年、プラスチック廃棄物の問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。一般的に生分解性プラスチックは、▲1▼ポリヒドロキシアルカノエートといった微生物生産系脂肪族ポリエステル、▲2▼ポリ乳酸やポリカプロラクトン等の化学合成系脂肪族ポリエステル、▲3▼澱粉や酢酸セルロース等の天然高分子物といった、3種類に大別される。化学合成系脂肪族ポリエステルのなかでもポリ乳酸、ポリカプロラクトンは耐熱性に問題があり、特にポリ乳酸は加工温度と分解温度が近接しており成形加工が困難であるといった問題がある。また、天然高分子物は非熱可塑性であることや耐水性に劣るといった問題がある。
【0003】
一方、ポリヒドロキシアルカノエートは好気性、嫌気性下での分解性に優れ、燃焼時には有毒ガスを発生せず、加工性に優れ、微生物由来であるため天然成分で高分子量化が可能であるといった優れた特徴を有している。特に嫌気性下で分解する性質や高分子量化が可能で有る点は特筆すべき性能である。該ヒドロキシアルカノエートは脂肪族ポリエステルに分類されるが先に述べた化学合成系の脂肪族ポリエステルとは、ポリマーの性質が大きく異なる。生分解性プラスチックの重要な用途として使い捨て製品があるが、使い捨て製品の多くには多孔質製品が使用されている。これまでポリヒドロキシアルカノエートの多孔質体として、特表2001−527101号公報に開示される多孔質体があるが、該多孔質体は水溶性化合物、例えば無機塩及び糖類などとポリヒドロキシアルカノエートを混合した後、混合物を水洗し水溶性化合物を除去する方法や、凍結乾燥法といった方法が例示されている。しかしこれらの方法は、得られる多孔質体が高密度で、大量生産に不向きで製造に時間と手間を要し、生産性が悪く、高額な設備が必要といった問題がある。さらに、このようにして得られるポリヒドロキシアルカノエート多孔質体は非常に高価なものとなる。
【0004】
また、汎用ポリマーや脂肪族ポリエステルの多孔質体として物理発泡剤を使用した押出発泡体が知られているが、脂肪族ポリエステル押出発泡体は殆どが化学合成系のものである。例えば、特開平10−152572号公報に開示される脂肪族ポリエステル押出発泡体に関しては、実質的に化学合成系の脂肪族ポリエステルを使用することを想定し、発泡適性を得るためにイソシアネート架橋等による高分子量化等が詳細に説明されている。ポリヒドロキシアルカノエートは架橋無しに高分子量化が可能である点で、脂肪族ポリエステルとして化学合成系のものとは異なる性質を有する。実質的にポリヒドロキシアルカノエートの多孔質体については特表2001−527101号公報に記載されている多孔質や特開2000−319438記載の発泡粒子があるが、ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体の製造に関しては考慮されていなかった。ポリヒドロキシアルカノエートから押出発泡体を得る際には特定の条件を満たさない場合、溶融混練時に熱分解し、発泡体が得られないといった問題がある。更に、従来の汎用樹脂を用いた押出発泡体にはフロンを含有しているものも多く、フロン類はオゾン層保護や地球温暖化防止などの観点から、代替していくことが望まれている。
この様なことから、天然成分からなり、廃棄物の問題が解決され、環境適合性に優れ、包装材料、食器材料、建築・土木・農業・園芸材料、吸着・担体・濾過材等に応用可能なポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定の生分解性ポリマー及び発泡剤を使用することにより、廃棄処分手段の1つとして生分解性、すなわち、微生物などによる分解も可能な、使用後廃棄処分がしやすく、かつ、オゾン層など地球環境を破壊しない低環境負荷の発泡剤を用いた環境適合性に優れた発泡体およびその製造方法を提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究の結果、揮発性発泡剤と環境適合性及び生分解性に非常に優れたポリヒドロキシアルカノエートよりなる押出発泡体、特に特定の構造、分子量、溶融粘度のポリヒドロキシアルカノエートと、環境適合性の高い揮発性発泡剤を使用し、製造することにより、本発明を完成するに至った。さらには、ポリヒドロキシアルカノエートが溶融混練時に分子量低下しにくく発泡適性を有する状態を詳細に検討した結果、押出機の加熱温度をポリヒドロキシアルカノエートの融解温度+40℃以下の温度に調整することによって本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明の第一は、式(1)で示される、3ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有し、かつ微生物から生産される、重量平均分子量が5万以上であり、剪断速度122sec −1 、融解温度+10℃および融解温度+40℃の条件下で測定される溶融粘度が3×10 2 〜1×10 4 Pa・sであるポリヒドロキシアルカノエートとハロゲン原子を含まない揮発性発泡剤を溶融混練して混合物を作成し、該混合物を成形ダイを通じて低圧領域に押し出すことで得られる生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体に関する。
[−CHR−CH2−CO−O−]・・・・・・・・・・・式(1)
ここに、RはCnH2n+1で表されるアルキル基で、n=1〜15である。
【0009】
好ましい実施態様としては、前記ポリヒドロキシアルカノエートがn=1,3のポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)である前記いずれか1項に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体に関する。
【0010】
より好ましい実施態様としては、前記揮発性発泡剤が二酸化炭素、水、炭素数3〜4の脂肪族飽和炭化水素、ジメチルエーテルからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする前記いずれか1項に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体に関する。
【0011】
また、本発明の第二は、前記いずれか1項に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体を製造するに際し、ポリヒドロキシアルカノエートを押出機で加熱溶融させ、該溶融樹脂に揮発性発泡剤を圧入した後、該溶融樹脂と該発泡剤を混練し、冷却しながら溶融樹脂と発泡剤の高圧混合物を作成し、該混合物を成形ダイを通して低圧領域に押し出すことでポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体を得る押出発泡体の製造方法において、押出機の加熱温度がポリヒドロキシアルカノエートの融解温度+40℃以下であるポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体は、式(1)で示される3ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有し、かつ微生物から生産されるポリヒドロキシアルカノエートと揮発性発泡剤とを含んでなる生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体である。
【0013】
前記ポリヒドロキシアルカノエートは、3ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造が式(1)で示されるものであり、微生物から生産されるものである。
[−CHR−CH2−CO−O−]・・・・・・・・・・・式(1)
ここに、RはCnH2n+1で表されるアルキル基で、n=1〜15であり、これらのホモポリマーまたは2種以上の組み合わせからなる共重合体、ジ−コポリマー、トリ−コポリマー、テトラ−コポリマーなど、またはこれらホモポリマー、コポリマー等から選ばれる2種以上のブレンド物が挙げられる。なかでもn=1のポリ3ヒドロキシブチレート、n=2のポリ3ヒドロキシバリレート、n=3のポリ3ヒドロキシヘキサノエート、n=5のポリ3ヒドロキシオクタノエート、n=15のポリ3ヒドロキシオクタデカノエートのホモポリマー、または2種以上の組合わせからなる共重合体、ジ−コポリマー、トリ−コポリマー、またはこれらのブレンド物が、好ましく使用できる。また、特に好ましくはn=1のポリ3ヒドロキシブチレート、n=3のポリ3ヒドロキシヘキサノエートのホモポリマー、ポリ3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート、またはこれらのブレンド物が、最も好ましくは、ポリ3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエートが、好適に使用される。
【0014】
前記ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量の下限は、好ましくは5万以上である。重量平均分子量が5万未満の場合、加工時の溶融粘度変化が大きく、流動性が高くなり、成形加工性が低下する傾向がある。更に溶融樹脂が発泡時の張力にも耐えられず、発泡セルが破泡し、良好な発泡体が得られにくくなる傾向がある。前記重量平均分子量は、クロロホルム溶離液を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算分子量分布測定より得られる重量平均分子量(Mw)を用いた。
【0015】
また、前記ポリヒドロキシアルカノエートは、示差走査熱量測定によって得られる融解温度を基準として、融解温度+10℃および融解温度+40℃、剪断速度122sec−1の条件下で測定される溶融粘度の下限が、3×102Pa・s以上、上限は、1×105Pa・s以下である。溶融粘度が3×102Pa・s未満の場合、加工時の溶融粘度変化が大きく、また加工時の剪断による分子量低下が激しい傾向にあり、成形加工が困難である傾向がある。また、溶融粘度が1×104Pa・sを越える場合、高粘度のため押出機への負荷が大きく製造安定性に劣る場合がある。本発明におけるポリヒドロキシアルカノエートには得られる発泡体の要求性能を阻害しない範囲において、各種添加剤を加えても良い。ここで添加剤とは、結晶核剤、発泡核剤、可塑剤、滑剤、増粘剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などである。添加剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素等の無機化合物や、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などが挙げられるが、これらに限定されたものではない。
【0016】
前記揮発性発泡剤としては、ハロゲンを含む発泡剤を除く、公知の発泡剤を使用できるが、環境適合性を有し、ポリヒドロキシアルカノエートへの溶解性を有し、室温ないしは押出時の成形ダイの温度において気体状を示すものが好ましい。これらの点から前記揮発性発泡剤としては、好ましくは、二酸化炭素、水、窒素、空気などの無機ガス、脂肪族飽和炭化水素、その他のハロゲンを含まない発泡剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記無機ガスとしては、ポリアルカノエートが二酸化炭素溶解性が高く保持性に優れる点、また耐加水分解性優れる点から、特に二酸化炭素または水が好ましく用いられる。
また、前記脂肪族飽和炭化水素としては、プロパン、ノルマルブタン(以下n−Buと称する)、イソブタン(以下i−Buと称する)など炭素数3〜4の飽和炭化水素、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭素数5の飽和炭化水素が挙げられる。中でも発泡性が良好である点からn−Bu、またはi−Bu、若しくはn−Buとi−Buの混合物がより好ましく、特にはi−Buが、好ましく用いられる。
【0017】
本発明で用いられる前記の無機ガス、飽和炭化水素以外の、他の発泡剤としては、ハロゲンを含む発泡剤(以下、ハロゲン系発泡剤と呼ぶ)以外で有れば環境保護の観点から特に好ましい。そして、こうした非ハロゲン系発泡剤で有れば、特に限定されず、好ましい発泡剤として使用できる。例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、アゾ化合物などの化学発泡剤などを用いることができる。これら他の発泡剤は単独または2種以上混合して使用することができる。他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形性などの点から、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルがより好ましく、中でもジメチルエーテルが特に好ましい。
【0018】
本発明で好適に使用されるポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体の製造時に、前記ポリヒドロキシアルカノエート中に添加または注入される前記発泡剤の量としては、発泡倍率の設定値などに応じて適宜変わるものではあるが、通常、前記発泡剤の合計量がポリヒドロキシアルカノエート100重量部に対して0.5〜20重量部とするのが好ましい。発泡剤の添加量が0.5重量部未満では発泡体が高密度となり、発泡体としての軽量性、コスト的メリットなどが得られにくい場合がある。一方20重量部を超えると過剰な発泡剤量のため発泡体中に巨大なボイドなどの不良や、ポリマーの可塑化が著しくなり押出機内のポリヒドロキシアルカノエートと発泡剤との混練状態が不均一となり、押出機の圧力制御が難しく製造安定性に劣り、生産性が悪化する場合がある。
【0019】
本発明で好適に使用されるポリヒドロキシアルカノエート発泡体を得るために水を発泡剤として使用する場合は、ポリヒドロキシアルカノエート100重量部に対して吸水媒体物質0.2〜10重量部添加し、加熱溶融混練後、水を含む発泡剤を圧入し、ついで低圧域に押出発泡して得ることができる。
ここで使用する吸水媒体物質とは、ポリヒドロキシアルカノエートへ均一に分散しにくい水を吸水しポリヒドロキシアルカノエート中に均一に分散させる効果があると考えられる物質である。
前記吸水媒体物質としては、ベントナイト、吸水性高分子化合物、または表面に水酸基を多数有する無機粉末等が挙げられるが、前記吸水媒体物質と同様の効果を示す物質で有れば、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明でいうベントナイトとは、主成分がモンモリロナイトであり、石英、α―クリストバライト、オパール、長石、雲母等の随伴鉱物を含んだ塩基性粘土鉱物である。化学成分から言えば、ベントナイトは酸化珪素が主成分であり、次いで多い化学成分が酸化アルミニウムである。ここに、モンモリロナイトとは、約1nmの薄いケイ酸塩層からなり、その板状結晶粒子の層表面はマイナスに帯電し、層間にはナトリウムやカルシウムのような交換性陽イオンを介在して電荷的に中性を保っており、水が接触すると層間の交換性陽イオンに水分子が水和し、層間が膨潤する粘土鉱物であるとされている。代表例としては、天然ベントナイト、精製ベントナイトがあげられる。また、有機ベントナイト、アニオン系ポリマー変性モンモリロナイト、シラン処理モンモリロナイト、高極性有機溶剤複合モンモリロナイト等のモンモリロナイト変性処理生成物もその範疇に含まれる。ベントナイトは、例えば、豊順鉱業(株)よりベントナイト穂高、ベンゲルなどとして入手しうる。かかるベントナイトは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
また、前記吸水性高分子化合物としては、例えば、(株)日本触媒よりアクアリックCAなどのポリアクリル酸塩基樹脂が挙げられる。
表面に水酸基を多数有する無機粉末の代表例としては、たとえば日本アエロジル(株)のAEROSIL200(平均粒径12nm)、シオノギ(株)のCARPLEX BS304F(平均粒径6μm)などの表面にシラノール基を有するシリカなどがあげられる。
【0021】
前記吸水媒体物質の配合量は、ポリヒドロキシアルカノエート100重量部に対して0.2〜10重量部、好ましくは1〜5重量部となるように調整することが好ましい。かかる配合量が0.2重量部未満では水の圧入量に対して吸水媒体物質の水の吸着量が不足し、押出機内で水の不分散による気孔が発生し成形体不良になる傾向がある。また10重量部をこえる場合には、ポリヒドロキシアルカノエート中に存在する無機物粉体の量が過剰になる為、ポリヒドロキシアルカノエート中への均一分散が困難になり、気泡むらが発生する傾向にある。
【0022】
本発明のポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体は、ポリヒドロキシアルカノエートを押出機で加熱溶融させ、該溶融樹脂に揮発性発泡剤を圧入し、溶融樹脂と発泡剤を混練し、押出発泡に適する温度に冷却し高圧混合物とした後、該混合物を、ダイを通して低圧の領域に押出発泡して、ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体を形成することにより製造される。ポリヒドロキシアルカノエートを加熱溶融する際の溶融温度は、ポリヒドロキシアルカノエートを示差走査熱量測定することによって得られる融解温度を基準として、融解温度+40℃以下である。溶融温度が融解温度+40℃を越えると、溶融時間が短時間であっても熱分解による低分子量化が促進され、発泡適性を有するような粘度を得ることが困難になる傾向がある。また、溶融温度が融解温度+40℃以下の場合、溶融時間が比較的長時間であっても熱分解による低分子量化が抑制され、発泡適性を有するような粘度が比較的得られやすい。溶融時間は、単位時間当たりの押出量、溶融手段などによって異なるので一概には決定することができないが、該ポリヒドロキシアルカノエート、発泡剤、添加剤が均一に分散混合し、熱分解による低分子量化を著しく受けない範囲の時間が選ばれる。また、溶融手段としては、例えばスクリュー型押出機など、通常の押出発泡の際に用いられる溶融、混練装置を適宜選択すればよく、特に制限するものではない。
【0023】
本発明の発泡剤の押出機への圧入は公知の方法で行うことができる。発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限するものではなく、押出機内に圧入するために押出機の内圧力よりも高い圧力であればよい。
本発明のポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体が押出される相状態、雰囲気の温度、圧力も特に制限されるものではなく、良好な発泡体が得られる温度、圧力を適宜選択すれば良い。例えば、常温、大気圧雰囲気や、必要に応じて常温より高い温度あるいは低い温度、また大気圧未満の減圧雰囲気や若干の加圧雰囲気に調整された、気相、液相が選択し得る。
【0024】
【実施例】
次に本発明のポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体の製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り「部」は重量部を表す。
【0025】
以下の記載において、略記号はそれぞれ下記の物質を表すものである。
DME:ジメチルエーテル
CO2:二酸化炭素
前記ポリヒドロキシアルカノエートの特性として、重量平均分子量(Mw)と、融解温度(Tm)、溶融粘度、また、実施例1〜13、比較例1〜3、参考例1の方法で得られた発泡体の特性として、発泡倍率、独立気泡率、発泡体の外観について下記の方法にしたがって評価した。
1)重量平均分子量(Mw)
GPC測定によりポリスチレン換算Mwを求めた。GPC装置はCCP&8020システム(東ソー製)のものを使用し、カラムはGPC K−805L(昭和電工製)、カラム温度は40℃とし、ポリヒドロキシアルカノエート20mgをクロロホルム10mlに溶解したものを、200μl注入し、Mwを求めた。2)融解温度(Tm)
セイコー電子工業製DSC200を使用して、常温より10℃/minで200℃まで昇温した後、10℃/minで常温まで降温させ、更に常温より10℃/minで200℃まで昇温させて示差走査熱量測定を行い、得られた曲線により融解温度(Tm)を求めた。
3)溶融粘度
キャピログラフ(東洋精機製作所製)を用い、1mmφ×10mmのダイスを使用して上記2)で測定したTmをもとに、Tm+10℃およびTm+40℃、剪断速度122sec−1にて前記ポリヒドロキシアルカノエートの溶融粘度を測定した。溶融粘度の評価は以下のように判断した。
○:溶融粘度が3×102〜1×104Pa・sである。
×:溶融粘度が3×102〜1×104Pa・sでない。
4)発泡倍率
ポリヒドロキシアルカノエートのおおよその密度を1.2(g/cm3)として、次の式より測定した。
発泡倍率(倍)=1.2/発泡体の密度(g/cm3)
5)独立気泡率
マルチピクノメーター(ベックマン・ジャパン(株)社製)を用い、ASTMD−2856に準じて発泡体の独立気泡率を測定した。
6)発泡体の外観
発泡体の外観は以下の評価基準で目視で評価した。
○:断面に未発泡樹脂塊がない。
×:断面に未発泡樹脂塊が顕著に存在する。
7)環境適合性
以下の評価基準にて評価を実施した。
○:発泡体が生分解性を有し、かつ、使用した揮発性発泡剤が非ハロゲン系発泡剤である。
×:発泡体が生分解性を有さない、及び/または、使用した揮発性発泡剤がハロゲン系発泡剤である。
生分解性を有するとは発泡体を10cm×10cm×1cmの形状に加工し、深さ10cmの土中に埋めて6ヶ月後、形状変化を観察し、形状が確認できないほど分解していることをいう。
【0026】
表1に実施例、比較例で用いたポリヒドロキシアルカノエートの種類、Mw、Tm、溶融温度、溶融粘度、発泡剤、各種評価結果について示した。
また、実施例、比較例で用いたポリヒドロキシアルカノエートを以下に示す。
・PHBH1:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシヘキサノエート=90:10、
Mw=710000、Tm=110℃、
Tm+10℃での溶融粘度=5100Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=1400Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)
・PHBH2:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシヘキサノエート=95:5、
Mw=550000、Tm=140℃、
Tm+10℃での溶融粘度=2000Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=760Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)
・PHBH3:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシヘキサノエート=90:10、
Mw=240000、Tm=110℃、
Tm+10℃での溶融粘度=4400Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=610Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)
・PHBH4:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシヘキサノエート=90:10、
Mw=1300000、Tm=110℃、
Tm+10℃での溶融粘度=5800Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=2800Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)
・PHBH5:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシヘキサノエート=90:10、
Mw=10000、Tm=110℃、
Tm+10℃での溶融粘度=290Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=280Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)
・PHBO1:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシオクタノエート=92:8、
Mw=530000、Tm=130℃、
Tm+10℃での溶融粘度=2300Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=790Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシオクタノエート)
・PHBO2:
3ヒドロキシブチレート:3ヒドロキシオクタノエート=92:8、
Mw=410000、Tm=130℃、
Tm+10℃での溶融粘度=1900Pa・s、
Tm+40℃での溶融粘度=720Pa・s、である
ポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシオクタノエート)。
【0027】
(実施例1)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、表1に示されるPHBH1100部に対して、造核剤としてタルク0.1部、加工助剤としてステアリン酸バリウム0.25部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmのものと口径90mmのものを直列に連結した二段押出機へ約40kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、140℃に加熱して溶融混練し、発泡剤を添加、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を95℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、厚さ約5mm、幅約70mmの薄板状の押出発泡体を得た。
このとき添加した発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してCO2を3部、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中に圧入した。得られた発泡体は、発泡倍率5倍、独立気泡率は42%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0028】
(実施例2)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、表1に示されるPHBH2を使用し、150℃に加熱して溶融混練し、発泡剤を添加、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を115℃に冷却した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約4.5mm、幅約65mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率4倍、独立気泡率は37%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0029】
(実施例3)
発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してi−Buを3部添加した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5mm、幅約82mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率8倍、独立気泡率は46%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0030】
(実施例4)
発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してDMEを3部添加した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5.3mm、幅約80mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率6倍、独立気泡率は51%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0031】
(実施例5)
発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してCO2を2部、DMEを1.5部添加した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5.3mm、幅約80mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率6.8倍、独立気泡率は47%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0032】
(実施例6)
発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してCO2を2部、i−Buを1.5部添加した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5.1mm、幅約78mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率6.5倍、独立気泡率は49%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0033】
(実施例7)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、表1に示されるPHBH1100部に対して、ベントナイト(豊順鉱業(株)製、商品名:ベンゲル15)1部、水酸基を多数有する無機粉末として無水シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL)0.1部、造核剤としてタルク0.1部、加工助剤としてステアリン酸バリウム0.25部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を溶融混練し、発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してCO2を2部、水を0.5部をそれぞれ別のラインから、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中に圧入した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約4.3mm、幅約62mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率4.5倍、独立気泡率は38%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0034】
(実施例8)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBH3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約4.8mm、幅約68mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率4.7倍、独立気泡率は34%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0035】
(実施例9)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBH4を用いた以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5mm、幅約71mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率4.8倍、独立気泡率は39%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0036】
(実施例10)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBH4を、発泡剤としてCO22部、DME1.5部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5.5mm、幅約83mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率6.6倍、独立気泡率は48%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0037】
(実施例11)
発泡剤としてCO22部、DME1.5部を用い、樹脂混合物を、150℃に加熱して溶融混練し、発泡剤を添加、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を95℃に冷却した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約5.1mm、幅約76mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率6倍、独立気泡率は38%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0038】
(実施例12)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、表1に示されるPHBO1の100部に対して、造核剤としてタルク0.1部、加工助剤としてステアリン酸バリウム0.25部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmのものと口径90mmのものを直列に連結した二段押出機へ約40kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、135℃に加熱して溶融混練し、発泡剤を添加、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を93℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、厚さ約5.2mm、幅約72mmの薄板状の押出発泡体を得た。
このとき添加した発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してCO2を3部、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中に圧入した。得られた発泡体は、発泡倍率5.3倍、独立気泡率は47%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0039】
(実施例13)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBO2を用いた以外は、実施例12と同様の方法を使用し、厚さ約4.7mm、幅約70mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率4.3倍、独立気泡率は38%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0040】
(比較例1)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBH5を用いた以外は、実施例1と同様の方法を使用したところ、厚さ約2.5mm、幅約53mmの薄板状体となり発泡体は得られなかった。
【0041】
(比較例2)
ポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBH5を用い、溶融混練温度を170℃とした以外は、実施例1と同様の方法を使用したところ、厚さ約2.5mm、幅約53mmの薄板状体となり発泡体は得られなかった。
【0042】
(比較例3)
ポリヒドロキシアルカノエーとして、PHBH5を、発泡剤としてCO22部、DME1.5部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を使用したところ、厚さ約2.8mm、幅約55mmの薄板状体となり発泡体は得られなかった。
【0043】
(比較例4)
発泡剤として、ポリヒドロキシアルカノエート100部に対してフロン134aを3部添加した以外は、実施例1と同様の方法を使用し、厚さ約3.2mm、幅約68mmの薄板状の押出発泡体を得た。得られた発泡体は、発泡倍率3.5倍、独立気泡率は29%で、発泡体断面には未発泡樹脂塊は観察されなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
表1および2から、実施例1〜13で得られた発泡体は、比較例1〜3と比較して、均質良好で、かつ、オゾン層など地球環境を破壊しない低環境負荷の発泡剤を用いた生分解性ポリエステル系樹脂であるのに加え、発泡剤として、環境負荷の大きいハロゲン系発泡剤を用いた比較例4と比較しても、良好な押出発泡成形体が得られることがわかる。比較例1〜3では、環境適合性には優れるものの、重量平均分子量が低く、特定の溶融特性を示さず、溶融粘度が低いため、気泡が形成できず、良好な発泡体を得ることができない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の3ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有するポリヒドロキシアルカノエートと揮発性発泡剤とを含むことで、均質良好、かつ、環境適合性に優れた押出発泡体が得られる。
Claims (4)
- 式(1)で示される、3ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有し、かつ微生物から生産される、重量平均分子量が5万以上であり、剪断速度122sec −1 、融解温度+10℃および融解温度+40℃の条件下で測定される溶融粘度が3×10 2 〜1×10 4 Pa・sであるポリヒドロキシアルカノエートとハロゲン原子を含まない揮発性発泡剤を溶融混練して混合物を作成し、該混合物を成形ダイを通じて低圧領域に押し出すことで得られる生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体。
[−CHR−CH2−CO−O−]・・・・・・・・・・・式(1)
ここに、RはCnH2n+1で表されるアルキル基で、n=1〜15である。 - 前記ポリヒドロキシアルカノエートがn=1,3のポリ(3ヒドロキシブチレート−コ−3ヒドロキシヘキサノエート)である請求項1に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体。
- 前記揮発性発泡剤が二酸化炭素、水、炭素数3〜4の脂肪族飽和炭化水素、ジメチルエーテルからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の生分解性ポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体を製造するに際し、ポリヒドロキシアルカノエートを押出機で加熱溶融させ、該溶融樹脂に揮発性発泡剤を圧入した後、該溶融樹脂と該発泡剤を混練し、冷却しながら溶融樹脂と発泡剤の高圧混合物を作成し、該混合物を成形ダイを通して低圧領域に押し出すことでポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体を得る押出発泡体の製造方法において、押出機の加熱温度がポリヒドロキシアルカノエートの融解温度+40℃以下であるポリヒドロキシアルカノエート押出発泡体の製造方法。
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