JP3807708B2 - 固体高分子型燃料電池用セパレータ部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用、例えば自動車をはじめ小型分散型電源などに用いられる固体高分子型燃料電池用のセパレータ部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、例えばスルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜のような高分子イオン交換膜からなる電解質膜と、その両面に設けた2つの触媒電極と、それぞれの電極に水素などの燃料ガスあるいは酸素や空気などの酸化剤ガスを供給するガス供給溝を設けたセパレータなどからなる単セルを積層することによりスタックを形成している。
【0003】
燃料電池の発電機構は、セルのアノード側に供給された燃料ガス(水素ガスまたは水素含有ガスなど)とカソード側に供給された酸化剤ガス(酸素含有ガスなど)が反応して生ずる電子(e- )の流れを電気エネルギーとして外部に取り出すものである。例えば、燃料ガスに水素ガス、酸化剤ガスに酸素ガスを用いた場合、次の反応が進行する。
アノード;H2 →2H+ +2e-
カソード;(1/2)O2 +2H+ +2e- →H2 O
全反応 ;H2 +(1/2)O2 →H2 O
【0004】
したがって、燃料ガスと酸化剤ガスとは完全に分離した状態で電極に供給することが必要でありセパレータ部材には高度のガス不透過性が要求される。また、セパレータ部材の破損や欠損によりガスリークが生じると、上記の電気化学反応が円滑に進行しないために電池性能が低下するばかりではなく、燃料ガスと酸化剤ガスとが混合し、爆発のおそれが発生することとなる。
【0005】
セパレータ部材の破損や欠損は、主に電池起動時の昇温過程あるいは電池停止時の降温過程で発生する不均一な温度分布状態に伴う熱応力によることが多い。固体高分子型燃料電池の作動時の温度は通常60〜100℃であるが、ホットスポットと称される最高温度部では100℃を超える場合もあり、温度分布が局所的に著しく不均一化して大きな熱応力が発生する。このような熱応力に対してセパレータ部材の材質強度、寸法精度、平面度(反り)などの値が適正であれば熱応力による破損や欠損を抑制することができる。
【0006】
また、固体高分子型燃料電池は、上記した単セルを数十層に積層して電池スタックが組み立てられるが、この場合、各セル間が充分に密着するように組み立てることが重要である。密着性が不充分であると接触電気抵抗が増大して電池の内部抵抗が大きくなり、温度分布の不均一化が著しくなり電池性能の低下を招くこととなる。通常、0.05〜1MPa程度の締め付け力で周囲をボルト締めすることにより組み立てているが、この際に偏加重が生じてセパレータ部材に亀裂が発生して破損や欠損を生じることがある。この場合にも、セパレータ部材の材質強度、寸法精度、平面度(反り)などが適正であれば、破損や欠損を抑止することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固体高分子型燃料電池における上記した問題点を解消するために、セパレータ部材の材質強度、形状精度、セル間の密着性などの要因について多角的に検討を行った結果、特定範囲の量比で炭素成分と熱硬化性樹脂成分とが複合一体化した炭素−樹脂硬化成形体の強度、形状精度などを特定することによりセパレータ部材の破損や欠損を効果的に抑制できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は上記の知見に基づいて開発されたものであって、その目的は電池の発電起動時や停止時、あるいは通常稼働時、更には電池スタックの組み立て時、などにおけるセパレータ部材の破損や欠損を抑止して燃料ガス(水素ガスまたは水素含有ガス)または酸化剤ガス(酸素含有ガスなど)のガスリークの問題を解消し、電池性能の安定維持及び向上を可能とする固体高分子型燃料電池用セパレータ部材の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による固体高分子型燃料電池用セパレータ部材の製造方法は、炭素粉末40〜90重量%に、ゲル化時間が20分以下、固形分が60%以上の熱硬化性樹脂を60〜10重量%の量比で混合し、混合物を粉砕し、篩分けして得られた40メッシュ以下の粉砕粒を金型に装填し、予圧したのち一旦金型を開放して揮発分及び残留空気を排出除去し、次いで、室温〜280℃の温度及び20〜400MPaの圧力で熱圧成形し、離型後、表面平滑な平板で挟持して、150〜280℃の温度で5分間以上加熱して熱硬化性樹脂を加熱硬化処理することを構成上の特徴とする。
【0010】
上記の製造方法において、熱圧成形時における金型内の温度差を10℃以内に制御することが好ましく、また、熱硬化性樹脂の加熱硬化処理を70Pa以上の圧力下で行うことが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により製造される固体高分子型燃料電池用セパレータ部材は、炭素粉末を熱硬化性樹脂を結合材として一体化した炭素−樹脂硬化成形体から形成されており、炭素粉末には人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛、コークス粉、カーボンブラック及びこれらの混合物などが用いられる。炭素粉末の結合材として機能する熱硬化性樹脂は、固体高分子型燃料電池の発電稼働時の温度である80〜120℃の温度に耐える耐熱性、及びpH2〜3程度のスルフォン酸や硫酸酸性に耐え得る耐酸性があれば特に制限はなく、例えばフェノール系樹脂、フラン系樹脂、エポキシ系樹脂などの樹脂を単独または複合したものが用いられる。
【0012】
これらの炭素粉末と熱硬化性樹脂の混合比は、炭素粉末を40〜90重量%、熱硬化性樹脂を60〜10重量%の量比に設定される。炭素粉末が40重量%未満、熱硬化性樹脂が60重量%を超えると導電性や熱伝導性が低くなり、一方、炭素粉末が90重量%を超え、熱硬化性樹脂が10重量%未満であると成形性が悪化してガス不透過性や強度が低下し、共にセパレータ部材としての機能を充分に果たすことができなくなるためである。
【0013】
本発明の製造方法により製造される固体高分子型燃料電池用セパレータ部材は、この炭素−樹脂硬化成形体が、室温における曲げ強度が30MPa以上、室温から100℃における曲げ強度低下率が30%以下の強度特性を備えることができる。上述したように、電池起動時の昇温過程や電池停止時の降温過程、また発電中の電池反応による発熱により電池内部には温度分布が生じて熱応力が発生し、機械的な歪みが発生する。特に、セパレータ部材のガス供給溝は厚さが薄く、この機械的歪みにより破損や欠損し易いので、本発明においては材質強度として室温における曲げ強度を30MPa以上、室温から100℃における曲げ強度低下率を30%以下に設定するものである。なお、曲げ強度はJIS K6911により測定した値であり、曲げ強度低下率は室温及び100℃において測定した曲げ強度の値をA、Bとして〔(A−B)/(A)〕×100 (%) 式により算出した値である。
【0014】
このような材質強度により破損や欠損は抑制されるが、更に、炭素−樹脂硬化成形体の反りが0.5mm以下、ショア硬度が100以下、曲げ弾性率が20GPa以下、厚さ精度が±0.05mm以内の材質強度ならびに形状精度を備えたものである場合にはより効果的に破損や欠損を抑制することができる。
【0015】
セルを積層して組み立てる際に、セパレータ部材の形状や寸法などの形状精度にバラツキがあったり、平面性が劣るものである場合にはセルを密着させて組み立てることが困難となる。そこで、本発明においては平面性として反りを0.5mm以下に、また厚さ精度を±0.05mm以内に設定される。更に、ショア硬度を100以下、曲げ弾性率を20GPa以下の値に設定することにより、セルを組み立てる際のボルト締め付け時に破損や欠損することなく、充分に密着した状態で組み立てることが可能となる。
【0016】
なお、反りは、定盤上にセパレータ部材試料を置いて基準位置でダイヤルゲージをゼロセットし、全体で9点について反り量を測定して、その最大値を反りとし、また厚さ精度は、セパレータ部材試料の9箇所について厚さをマイクロメータで測定し、平均値、最大値、最小値から厚さ精度を求め、曲げ弾性率はJISK6991に準じて測定した値である。
【0017】
本発明の固体高分子型燃料電池用セパレータ部材の製造方法は、炭素粉末と熱硬化性樹脂を混合し、混合物を粉砕した粉砕粒を金型に装填し熱圧成形することを特徴とする。人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛、コークス粉、カーボンブラックなどの炭素粉末とフェノール系樹脂、フラン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を、炭素粉末40〜90重量%、熱硬化性樹脂60〜10重量%の量比で混合する。熱硬化性樹脂には強度を維持するために、ゲル化時間20分以下、固形分60%以上のものが用いられる。なお、ゲル化時間は試料を150℃に保持した状態で攪拌してゲル化までの時間を測定し、固形分は試料を70℃に保持されたオーブン中に150分間置き、デシケーター中で放冷後の重量残渣率を測定して求めた値である。
【0018】
セパレータ部材は、通常、厚さ1〜3mm程度の板状体に加工され、その片面または両面に燃料ガスあるいは酸化剤ガスを供給するための、通常、深さ0.5〜1mmのガス供給溝が形成されている。したがって、これらの加工時に炭素粉末が脱落して気孔空隙が形成されるとガス不透過性が低下する難点があるので、炭素粉末としては平均粒径が50μm 以下、最大粒径が100μm 以下の粉末を用いることが望ましい。
【0019】
炭素粉末と熱硬化性樹脂との混合は、加圧型ニーダー、二軸スクリュー式混練機など常用の混練機により行われれるが、均一に混合するためには熱硬化性樹脂をアルコールやエーテルなどの適宜な有機溶媒に溶解して粘度を下げて混合することが好ましい。混合物は、必要に応じて乾燥して揮発性成分や用いた有機溶媒などを揮散除去したのち、粉砕機により粉砕し、篩分けして、40メッシュ以下の粉砕粒を調製する。混合物は大粒から小粒まで広範囲の粒度分布を有しているが、特に大粒が存在すると成形時に均質、緻密な成形を阻害するので、成形粉には40メッシュ以下の粉砕粒が使用される。
【0020】
粉砕粒は、ガス供給溝を形成するための突条部を設けた金型に装填し、10MPa程度の圧力で予圧したのち一旦金型を開放して内在する揮発分及び残留空気を排出除去する。この揮発分や残留空気の排出除去により成形体中に発生する組織欠陥が大幅に低減化し、ガス不透過性の向上や反り発生の防止が図られる。
【0021】
次いで、金型を閉じ、室温〜280℃の温度及び20〜400MPaの圧力で熱圧成形したのち、金型から離型し、得られた板状成形体を黒鉛板やアルミニウム板などの表面が平坦平滑で熱伝導性が良好な平板に挟持して、150〜280℃の温度に5分間以上保持して加熱硬化処理を行い、熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させることにより、平面度が高く、反りが少なく、更に耐蝕性の優れた板状成形体を製造することができる。
【0022】
この熱圧成形時における金型内の温度分布は、樹脂の硬化反応速度の均一性に影響するため、成形体組織中の硬化状態の均一化を図るために熱圧成形時の金型内の温度差、すなわち最高温度部位の温度と最低温度部位の温度との差は10℃以内に制御される。温度差が10℃を超えると成形中の硬化状態が部分的に変化する度合いが大きくなって熱歪みが生じ、成形体に反りが生じ易くなる。
【0023】
また、表面平坦平滑な平板で挟持して熱硬化性樹脂を加熱硬化処理する際に、70Pa以上の圧力下で熱処理を行うと、表面平坦で平面性の高い板状成形体を得ることができる。なお、設計条件によっては、フライス加工、サーフェス加工などの表面平滑化処理や外周加工処理が施される。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
【0025】
実施例3〜4、比較例1〜7
真比重2.18、平均粒径45μm の炭素粉末と、ゲル化時間および樹脂固形分の異なるフェノール樹脂をメタノールに溶解した溶液(樹脂濃度20wt%)を異なる量比で混合し、二軸ニーダーを用いて混合した。得られた混合物を室温で真空乾燥したのち、奈良式粉砕機により粉砕し、次いで篩分けして異なる粒度の粉砕粒を調整し、ガス供給溝を形成するための突条部を設けた金型に装填した。
【0026】
金型には、幅1.5mm、深さ1mmのガス供給溝に対応する突条部が片面に33本づつ両面に設けられており、縦150mm、横150mm、厚さ3mmの板状成形体が得られるように製作された上型と下型とから構成されている。この金型を加熱し、10MPaの圧力を5秒間負荷して予圧したのち、金型を開放して揮発性ガス及び残留する空気を排出除去した。次いで、温度及び圧力を変えて3分間保持して熱圧成形した。なお、熱圧成形時の金型内の温度差(最高温度と最低温度との差)は8℃に調整した。
【0027】
金型から離型した成形体を表面平滑な黒鉛板で挟み付け、温度、圧力、時間を変えてフェノール樹脂を加熱硬化処理した。このようにして製造した炭素−樹脂硬化成形体からなるセパレータ部材の製造条件を対比して表1に示した。
【0028】
【表1】
┌───┬───────┬─────┬───┬─────┬────────┐
│ │熱硬化性樹脂 │炭素粉末/│粉砕粒│熱圧成形 │ 加熱硬化処理 │
│ ├───┬───┤熱硬化性樹│の粒度├──┬──┼──┬──┬──┤
│ │ゲル化│固形分│脂の量比 ├───┤温度│圧力│温度│圧力│時間│
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
│ │時間 │ ├─────┤メッシ│ │ │ │ │ │
│ │ 分 │ % │ 重量% │ュ │ ℃│ MPa│ ℃│ Pa │ 分│
├─┬─┼───┼───┼─────┼───┼──┼──┼──┼──┼──┤
│実│3│ 14 │ 61 │ 75/25 │30以下│ 200│ 180│ 210│ 75│ 35│
│施│4│ 19 │ 65 │ 70/30 │40以下│ 190│ 400│ 185│ 95│ 60│
│例│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
├─┼─┼───┼───┼─────┼───┼──┼──┼──┼──┼──┤
│比│1│ 22 │ 65 │ 79/21 │40以下│ 150│ 18│ 180│ 75│ 7│
│較│2│ 18 │ 65 │ 79/21 │40以下│ 160│ 30│ 140│ 65│ 9│
│例│3│ 18 │ 55 │ 79/21 │40以下│ 180│ 80│ 190│ 55│ 4│
│ │4│ 18 │ 65 │ 38/62 │40以下│ 150│ 150│ 170│ 20│ 20│
│ │5│ 18 │ 65 │ 79/21 │40以下│ 160│ 510│ 190│ 90│ 4│
│ │6│ 18 │ 65 │ 79/21 │60以下│ 180│ 250│ 185│ 70│ 5│
│ │7│ 18 │ 65 │ 57/43 │40以下│ 150│ 100│ 170│ 70│ 3│
└─┴─┴───┴───┴─────┴───┴──┴──┴──┴──┴──┘
【0029】
これらのセパレータ部材の曲げ強度、曲げ強度低下率、反り量、厚さ精度、ショア硬度、曲げ弾性率、を測定して表2に示した。また、下記の方法により接触電気抵抗の測定およびガスリーク試験を行ってその結果も表2に併載した。
(1) 接触電気抵抗の測定
セパレータ部材を10枚積層し、1MPaの締付け力で固定したのち、積層体を100℃に加熱し、次いで10Aの直流電流を通電して積層されたセパレータ間の接触電気抵抗を測定した。
(2) ガスリーク試験
接触電気抵抗測定後、積層されたセパレータを解体し、各セパレータ間に窒素ガスで1MPaの圧力を加えてガスリークの有無を調べた。
【0030】
【表2】
┌───┬──┬────┬───┬────┬───┬───┬─────┬───┐
│ │曲げ│曲げ強度│反り量│厚さ精度│ショア│曲げ │接触電気抵│ガス │
│ │強度│低下率 │ │ │硬度 │弾性率│抗 │リーク│
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │
│ │MPa │ % │ mm │ mm │ Hs │ GPa │×104 Ωcm│ *1 │
├─┬─┼──┼────┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┤
│実│3│ 31 │ 15 │ 0.5 │±0.05 │ 90 │ 19 │ 16000 │無し │
│施│4│ 46 │ 18 │ 0.4 │±0.04 │ 60 │ 16 │ 13000 │無し │
│例│ │ │ │ │ │ │ │ │ │
├─┼─┼──┼────┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┤
│ │1│ 35 │ 33 │ 0.4 │±0.04 │ 60 │ 16 │ 13000 │ 3/10│
│比│2│ 43 │ 45 │ 0.7 │±0.05 │ 85 │ 17 │ 25000 │ 2/10│
│較│3│ 28 │ 26 │ 0.3 │±0.05 │ 85 │ 17 │ 20000 │無し │
│例│4│ 31 │ 50 │ 0.3 │±0.08 │ 70 │ 16 │ 21000 │無し │
│ │5│ 29 │ 28 │ 0.4 │±0.05 │ 95 │ 23 │ 28000 │無し │
│ │6│ 27 │ 25 │ 0.3 │±0.05 │ 80 │ 19 │ 18000 │ 3/10│
│ │7│ 38 │ 41 │ 0.5 │±0.05 │ 120 │ 19 │ 22000 │ 1/10│
└─┴─┴──┴────┴───┴────┴───┴───┴─────┴───┘
(表注)*1 10個の試験材中、ガスリークを生じた試験材数
以 上
【0031】
表1の結果より、本発明の範囲内で製造されたセパレータ材は、本発明の特性を有する製品であることが判る。また、表2の結果から本発明の特性を有するセパレータ材は、接触電気抵抗が小さく、かつ電池組立時においてリーク発生が解消されていることも判る。この結果から、本発明で選定された特性が、部材の接触電気抵抗を低減させ、かつ電池内のガスリークを効果的に防止できることは明らかである。また、本特性を有するセパレータ材は所定の条件で製造することによって確保可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明により製造された固体高分子型燃料電池用セパレータ部材によれば、室温及び高温における材質強度が大きく、また反り量や厚さ精度などの形状精度が高い、炭素−樹脂硬化成形体から形成されているので、電池起動時の昇温過程や電池停止時の降温過程、あるいは通常稼働時に生じる不均一な温度分布状態に伴う熱応力によるセパレータ部材の破損や欠損を効果的に低減化することが可能となる。また、電池組み立て時においてセル間の密着性が改善されるため接触電気抵抗の増大が防止され、更に、電池組み立て時の締め付けによるセパレータ部材の破損や欠損も防止される。したがって、セパレータ部材の破損や欠損に伴って発生するガスリークの問題も解消され、電池性能の安定維持及び向上を可能とする固体高分子型燃料電池用セパレータ部材を製造することができる。
Claims (1)
- 炭素粉末40〜90重量%に、ゲル化時間が20分以下、固形分が60%以上の熱硬化性樹脂を60〜10重量%の量比で混合し、混合物を粉砕し、篩分けして得られた40メッシュ以下の粉砕粒を金型に装填し、予圧したのち一旦金型を開放して揮発分及び残留空気を排出除去し、次いで、室温〜280℃の温度で金型内における温度差を10℃以内に制御して、20〜400MPaの圧力で熱圧成形し、離型後、表面平滑な平板で挟持して、150〜280℃の温度、70Pa以上の圧力で5分間以上加熱して熱硬化性樹脂を加熱硬化処理することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ部材の製造方法。
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