JP4236248B2 - 固体高分子形燃料電池用セパレータ材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車をはじめ小型分散型電源などに使用される固体高分子形燃料電池用のセパレータ材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料エネルギーを直接電気エネルギーに変換するもので、固体高分子形燃料電池はリン酸形燃料電池などの燃料電池に比較して低温でかつ高出力の発電が可能であるため、自動車の電源をはじめ小型の移動用電源や定置用電源として期待されている。固体高分子形燃料電池は、通常、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜のような高分子イオン交換膜からなる電解質膜と、その両面に白金触媒を担持させた触媒電極と、それぞれの電極に水素などの燃料ガスあるいは酸素や空気などの酸化剤ガスを供給するガス供給用の凹凸を設けたセパレータなどからなる単セルを積層したスタック、及びその外側に設けた2つの集電体から構成されている。
【0003】
単セルの構造は、図1に示すように、例えばフッ素系樹脂により形成されたイオン交換膜からなる電解質膜5を挟んで配置される一対の電極3、4(アノード4、カソード3)と、これをさらに両側から挟む緻密質のカーボン材からなるセパレータ1、セパレータの端部にはガス溝と平行方向に設置されたシール材6とから構成されている。電極3、4は白金などの触媒を担持させた炭素短繊維からなる多孔質体あるいは触媒を担持したカーボンブラックを樹脂で結着したものなどから形成される。
【0004】
セパレータ1には複数の凹凸形状の溝2が形成され、溝2とカソード3との間に形成される空間を酸化剤ガス(空気などの酸素含有ガス)流路とし、溝2とアノード4との間に形成される空間を燃料ガス(例えば水素ガスや水素ガスを主成分とする混合ガスなど)流路として、燃料ガスと酸化剤ガスとが電極に接触して起こる化学反応を利用して、電極間から電流を取り出すようになっている。そして、この単セルを通常数十層に積層して電池スタックが形成されている。
【0005】
したがって、電池性能の向上を図るためにはスタック中の各単セル間が密着するように組立て、かつ発電中も良好な接触状態が維持されてセパレータと電極との接触電気抵抗を最小にするとともに、単セル間のガスリークや単セル外へのガスリークを防止することが重要となる。
【0006】
また、セパレータには、燃料ガスと酸化剤ガスとを完全に分離した状態で電極に供給するために高度のガス不透過性が要求され、また、発電効率を高くするために電池の内部抵抗を小さくすることが必要である。更に、材質強度が充分でないとセパレータの破損や欠損が生じ、電池性能が低下するばかりではなく、ガスリークによる爆発の危険性もある。特に、電池の作動温度である100℃程度の高温においても充分な材質強度を備えていることが重要である。
【0007】
すなわち、固体高分子形燃料電池の高出力化と小型化を図るためにセパレータに要求される特性は、セパレータの厚さを薄くしても十分な強度が確保されること、電気抵抗が低いこと、ガス不透過性に優れていること、などの材質特性が必要となる。このような材質特性が要求されるセパレータ材には、従来から炭素質系の材料が用いられており、黒鉛などの炭素粉末と熱硬化性樹脂を結合材として成形した炭素/樹脂硬化成形体が好適に使用されている。
【0008】
例えば、本出願人は炭素質粉末100重量部に対し、熱硬化性樹脂を10〜100重量部の割合で加えて混練し、硬化して得られた炭素/硬化樹脂成形体を金属薄板の表裏両面に熱圧接合して被着し、この硬化樹脂成形体にガス流通溝を形成する固体高分子形燃料電池セパレータ部材の製造方法(特許文献1)、平均粒子径50μm以下、最大粒子径100μm以下、アスペクト比3以下の黒鉛粉末60〜85重量%に不揮発分60%以上の熱硬化性樹脂15〜40重量%を加えて加圧混練し、混練物を粉砕して型に充填し減圧脱気したのち加圧成形し、成形体を所定形状に加工した後150〜280℃の温度で加熱硬化する、あるいは150〜280℃の温度で加熱硬化した後所定形状に加工する、固体高分子形燃料電池用セパレータ部材の製造方法(特許文献2)を開発した。
【0009】
また、固体高分子形燃料電池用セパレータ部材の製造方法として、平均粒子径Aが50μm以下の人造黒鉛粉と平均粒子径BがA×(1/5〜1/10)の天然黒鉛粉とを、重量比で80:20〜60:40の割合で混合し、混合した黒鉛粉末100重量部に熱硬化性樹脂を10〜25重量部の重量比で配合、混練したのち、解砕し、篩い分けして粒径2mm以下の解砕粒を150〜280℃の温度で熱圧モールド法により板状体に成形、加熱硬化する製造方法(特許文献3)、炭素粉末40〜90重量%に、ゲル化時間が20分以下、固形分が60%以上の熱硬化性樹脂を60〜10重量%の量比で混合し、混合物を粉砕し、篩分けして得られた40メッシュ以下の粉砕粒を金型に装填し、予圧したのち一旦金型を開放して揮発分及び残留空気を排出除去し、次いで、室温〜280℃の温度及び20〜400MPaの圧力で熱圧成形し、離型後、表面平滑な平板で挟持して、150〜280℃の温度で5分間以上加熱して熱硬化性樹脂を加熱硬化処理する製造方法(特許文献4)などを開発した。
【0010】
更に、本出願人は炭素粉末100重量部と熱硬化性樹脂20〜40重量部との混合物から形成したガス流路部材用の予備成形体と、炭素繊維10〜100重量部と炭素粉末90〜0重量部との量比で混合した炭素材100重量部と熱硬化性樹脂20〜40重量部との混合物から形成した枠体部材用の予備成形体とを、金型に装入し、一体に熱圧成形する固体高分子形燃料電池用セパレータの製造方法(特許文献5)を開発提案した。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−297337号公報
【特許文献2】
特開2000−21421号公報
【特許文献3】
特開2000−40517号公報
【特許文献4】
特開2000−243409号公報
【特許文献5】
特開2002−63913号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、固体高分子形燃料電池の高出力化と小型化を図るためには、セパレータの厚さを薄くしても十分な強度が確保されること、電気抵抗が低いこと、ガス不透過性に優れていること、などの材質特性が要求されるが、本発明者は、このような材質特性を有する炭素/樹脂硬化成形体を作製する方策について鋭意研究を行い、原料となる炭素粉末の性状について更に研究を進めた結果、炭素粉末の充填性がこれらの材質特性に大きく影響することを確認した。
【0013】
すなわち、本発明は、この知見に基づいて開発されたもので、その目的は強度特性及びガス不透過性に優れ、かつ電気抵抗が低く、セパレータ材として好適な材質特性を備える炭素/樹脂硬化成形体からなる固体高分子形燃料電池用のセパレータ材の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明による固体高分子形燃料電池用セパレータ材の製造方法は、メカノフュージョン処理によって粒子表面を平滑化処理して、平均粒子径70μm以下、最大粒子径300μm以下、粒子径10μm以下の粒子の割合が20重量%以下の粒度性状に調整した黒鉛粉末100重量部に対し、樹脂固形分が15〜26重量部の割合となるように熱硬化性樹脂を混練し、乾燥して溶媒を除去して得られた混練物を解砕して成形粉とし、成形粉を金型に充填して、20〜50MPaの圧力、150〜250℃の温度で熱圧成形することを構成上の特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により製造される固体高分子形燃料電池用セパレータ材は、黒鉛粉末が熱硬化性樹脂を結合材として一体化した黒鉛/樹脂硬化成形体からなり、この黒鉛/樹脂硬化成形体を厚さ1〜3mm程度の板状に成形し、その表裏両面に燃料ガス及び酸化剤ガスの流路となる深さ0.5〜1mm程度の溝が多数形成されたものである。
【0016】
黒鉛粉末には人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛、あるいは、これらの混合物が用いられる。黒鉛粉末は黒鉛の結晶構造により鱗片状、鱗状、板状などの粒子形状を示し、角張った形状で、表面には「ささくれ」や「はがれかけ」などの突起物や微粉末が存在し、微細な凹凸が形成されている。したがって、単に、黒鉛粉末の粒度を調整するのみでは、充填性を向上させることには限界がある。
【0017】
機械的摩砕処理は、角張った黒鉛粒子の角を取って丸みを帯びさせるとともに、粒子表面の微細な凹凸を平滑化するために行うもので、粉砕装置としては、例えば、(株)徳寿工作所製のシータ・コンポーサ、ホソカワミクロン(株)製のメカノフュージョンシステムなどが好適に使用される。
【0018】
このように、粒子の角部を削り、表面平滑化した黒鉛粉末を用いることにより充填性が向上し、混合する樹脂量が相対的に少なくても成形時の流動性が高く、強度やガス不透過性および電導性などに優れた黒鉛/樹脂硬化成形体を製造することができる。なお、機械的摩砕処理する黒鉛材には制限はないが、例えば、人造黒鉛電極などの黒鉛製品を製造する際の加工粉や粉砕粉などを用いると、コスト面で有利となる。
【0019】
この場合、機械的摩砕処理された黒鉛粉末は、平均粒子径が70μm以下、最大粒子径が300μm以下、粒子径10μm以下の粒子の割合が20重量%以下の粒度性状に調整することが必要である。平均粒子径が70μmを越え、最大粒子径が300μmを越える大粒が存在すると、薄型でガス流通路となる溝部を設けたセパレータ材の成形が困難となり、特にセパレータの周縁部や溝部の角などの強度が不十分となり欠落し易くなる。一方、粒子径が小さい微粉末は表面積が大きいため、表面に吸着、捕捉される樹脂量が増大し、樹脂との混練物の流動性が低下して成形性が悪化するので、粒子径10μm以下の粒子の割合を20重量%以下に調整する。
【0020】
このように、機械的摩砕処理で粒子の角部を削って丸みを帯びさせるとともに表面平滑化し、更に粒度調整した黒鉛粉末は、黒鉛粉末100重量部に対し、樹脂固形分が15〜26重量部の割合となるように熱硬化性樹脂と混練する。熱硬化性樹脂としては、固体高分子形燃料電池の作動温度である80〜120℃の温度に耐える耐熱性、pH2〜3程度のスルフォン酸や硫酸に耐え得る耐酸性があればよく、例えばフェノール系樹脂、フラン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール−エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を単独または混合して使用されるが、成形性、耐酸性、耐熱性、コスト面などからフェノール樹脂が好適である。
【0021】
黒鉛粉末と熱硬化性樹脂との混合量比は、黒鉛/樹脂硬化成形体の低電気抵抗化を図るためには電気抵抗の高い熱硬化性樹脂の混合割合をできるだけ少なくすることが好ましい。しかしながら、結合材となる熱硬化性樹脂の混合割合を少なくすると成形性が悪化するために、成形体の強度が低下するとともにガス不透過性に優れた成形体を得ることが困難となる。更に、成形体の表面平滑性が低下して均質性も劣ることになる。
【0022】
このような観点から、黒鉛粉末100重量部に対し、樹脂固形分が15〜26重量部の割合となるように熱硬化性樹脂を混合、混練する。すなわち、熱硬化性樹脂の量比が26重量部を越えると電気抵抗の増大が著しくなり、一方、15重量部未満では混練物の流動性が低く成形性が低下して、成形体の形状精度や強度およびガス不透過性などの低下を招くためである。
【0023】
黒鉛粉末と熱硬化性樹脂とを混合し、より均一な混練物を得るために、熱硬化性樹脂をアルコールやエーテルなどの適宜な有機溶媒に溶解した低粘度の熱硬化性樹脂溶液を用いて混練し、次いで混練物を乾燥して有機溶媒を除去する方法が採られる。なお、混練はニーダー、加圧型ニーダー、二軸スクリュー式混練機などの適宜な混練機が用いられる。
【0024】
混練物は、破砕機により適宜な粒度、例えば篩目150メッシュ以下の粒度に解砕して成形粉が得られる。混練物の表面は樹脂被膜で覆われているため導電性が低くなるが、解砕することによって、黒鉛部を露出させて導電性の低下を抑制することができ、更に材質性状の異方性の是正を図ることもできる。
【0025】
成形粉は所望形状の金型に充填され、20〜50MPaの圧力、150〜250℃の温度で熱硬化性樹脂を硬化して、板状成形体に熱圧成形することにより、固体高分子形燃料電池用のセパレータ材が製造される。ガス流路となる板状体の片面もしくは両面に形成する溝部は、この成形時に形成するか、または機械加工により板面に溝加工を施すなどの方法により形成することもできる。なお、この場合に成形粉を室温の金型に入れ、3〜30MPaの圧力で最終形状に近い形状の予備成形体を作製し、この予備成形体を所望の最終形状の金型に入れて、熱圧成形することもできる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
【0027】
実施例1〜3、比較例1〜6
黒鉛電極の加工粉をホソカワミクロン(株)製AMS−30F型メカノフュージョンシステムにより粉砕して、粒度性状の異なる黒鉛粉末を調製した。熱硬化性樹脂にはフェノール樹脂〔住友ベークライト(株)製PR−311)を樹脂固形分が70wt%になるようにメタノールに溶解した溶液を使用した。
【0028】
この黒鉛粉末とフェノール樹脂溶液とを重量比を変えて混合し、2軸ニーダーにより30分間混練して、黒鉛粉末100重量部に対する樹脂固形分の重量部の異なる混練物を作製した。混練物を減圧状態にてメタノールや揮発性成分を揮散除去した後、破砕機により解砕し、解砕粒を粒度50メッシュ以下に調整して成形粉とした。
【0029】
この成形粉を金型に充填して、圧力30MPa、温度170℃の条件で熱圧成形して黒鉛/硬化樹脂からなる、縦200mm、横200mm、厚さ2mmの板状成形体を製造した。
【0030】
比較例7〜11
黒鉛電極の加工粉を粉砕することなくそのまま用い、粒度調整して調製した黒鉛粉末を使用した他は、実施例1と同じ方法で黒鉛/樹脂硬化板状成形体を製造した。
【0031】
これらの板状成形体の製造条件を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
これらの黒鉛/樹脂硬化板状成形体の材質特性を下記の方法により測定し、その結果を表2に示した。
▲1▼電気抵抗率(Ωm);
JISR7222に準じて測定した。
▲2▼曲げ強度(MPa );
JISK6911に準じて測定(空気中、室温)した。
▲3▼ガス透過量(m3 ・m-2・sec-1);
窒素ガスにより0.1MPaの圧力(差圧)をかけた時の単位時間、単位断面積当たりの窒素ガス通過量を測定した。
▲4▼反り(10-3m);
黒鉛/樹脂硬化板状成形体を定盤上に置き、定盤面と黒鉛/樹脂硬化板状成形体面との間の最大の隔たりを測定し、これを最大反りとした。
【0034】
【表2】
【0035】
表1、2の結果から、機械的摩砕処理によって表面を平滑化処理した黒鉛粉末を使用して本発明の製造条件を適用して製造した実施例1〜3の黒鉛/樹脂硬化板状成形体は、高位の強度を保持し、ガス透過量が少なく電気抵抗率が低く、反りも少ないセパレータ材として好適な材質特性を備えていることが分かる。
【0036】
一方、黒鉛粉末の平均粒子径が70μmを越える比較例1、最大粒子径が300μmを越える比較例2は曲げ強度が低く、また10μm以下の黒鉛粉末の割合が20重量%を越える比較例3では成形性が悪化してガス透過量が大きくなる。更に、平均粒子径が70μmを越え、最大粒子径が300μmを越え、10μm以下の割合が20重量%を越える黒鉛粉末を用いた比較例4では成形性が悪化してガス透過量が大きくなるとともに曲げ強度の低下が著しくなる。また、黒鉛粉末の粒度性状が満足するものであっても、混合する樹脂量が多い比較例5では電気抵抗率が高くなり反りも大きくなる。一方混合する樹脂量が少ない比較例6では曲げ強度が低下し、ガス透過量も増大する。
【0037】
また、比較例7〜11に示したように、機械的摩砕処理をしない黒鉛粉末を使用した場合には、樹脂量が多い比較例7は反りが大きくなり、樹脂量が少ない比較例11では曲げ強度が低く、ガス透過量が大きくなる。また、比較例8〜10のように黒鉛粉末の粒度性状が本発明の要件を満足する場合であっても材質特性が劣るものであることが認められる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明は角張った形状で、表面に突起物や微粉末による微細な凹凸が形成されている黒鉛粉末を機械的摩砕処理して、角張った黒鉛粒子の角を取って丸みを帯びさせるとともに粒子表面の微細な凹凸を平滑化し、特定の粒度性状に調整した黒鉛粉末を用いることにより充填性が向上し、混合する樹脂量が相対的に少なくても成形性が高く、強度やガス不透過性および電導性などに優れ、固体高分子形燃料電池用セパレータ材として好適な黒鉛/樹脂硬化成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子形燃料電池の概略構造を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 セパレータ
2 ガス流路用溝
3 カソード
4 アノード
5 電解質膜
6 シール材
Claims (1)
- メカノフュージョン処理によって粒子表面を平滑化処理して、平均粒子径70μm以下、最大粒子径300μm以下、粒子径10μm以下の粒子の割合が20重量%以下の粒度性状に調整した黒鉛粉末100重量部に対し、樹脂固形分が15〜26重量部の割合となるように熱硬化性樹脂を混練し、乾燥して溶媒を除去して得られた混練物を解砕して成形粉とし、成形粉を金型に充填して、20〜50MPaの圧力、150〜250℃の温度で熱圧成形することを特徴とする固体高分子形燃料電池用セパレータ材の製造方法。
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