JP2002208411A - 固体高分子型燃料電池用セパレータ材およびその製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用セパレータ材およびその製造方法

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JP2002208411A
JP2002208411A JP2001004740A JP2001004740A JP2002208411A JP 2002208411 A JP2002208411 A JP 2002208411A JP 2001004740 A JP2001004740 A JP 2001004740A JP 2001004740 A JP2001004740 A JP 2001004740A JP 2002208411 A JP2002208411 A JP 2002208411A
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JP2001004740A
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Yoshio Suzuki
義雄 鈴木
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亘って、安定に稼働することのでき
る固体高分子型燃料電池用のセパレータ材およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 平均粒子径が50μm 以下、最大粒子径
が100μm 以下の黒鉛粉末60〜85重量%と熱硬化
性樹脂15〜40重量%とからなる黒鉛/樹脂硬化板状
成形体であって、板状成形体の水中強度低下率が10%
以下、経時寸法変化率が2%以下であることを特徴とす
るセパレータ材。製造方法は水分0.4%以下、平均粒
子径50μm 以下、最大粒子径100μm 以下の黒鉛粉
末60〜85重量%と熱硬化性樹脂15〜40重量%と
を減圧脱気下に混練し、混練物を乾燥したのち解砕し、
解砕粒を板状体に成形し、次いで150〜280℃の温
度で加熱硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用、例え
ば自動車をはじめ小型分散型電源などに使用される固体
高分子型燃料電池用のセパレータ材、およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料エネルギーを直接電気
エネルギーに変換するもので、固体高分子型燃料電池は
リン酸型燃料電池などの燃料電池に比較して低温でかつ
高出力の発電が可能であるため、自動車の電源をはじめ
小型の移動型電源として期待されている。固体高分子型
燃料電池は、通常、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系
イオン交換膜のような高分子イオン交換膜からなる電解
質膜と、その両面に白金触媒を担持させた触媒電極と、
それぞれの電極に水素などの燃料ガスあるいは酸素や空
気などの酸化剤ガスを供給するガス供給用の凹凸を設け
たセパレータなどからなる単セルを積層したスタック、
及びその外側に設けた2つの集電体から構成されてい
る。
【0003】単セルの構造は、図1に示すように、例え
ばフッ素系樹脂により形成されたイオン交換膜からなる
電解質膜5を挟んで配置される一対の電極3、4(アノ
ード4、カソード3)と、これをさらに両側から挟む緻
密質のカーボン材からなるセパレータ1、セパレータの
端部にはガス溝と平行方向に設置されたシール材6とか
ら構成されている。電極3、4は白金などの触媒を担持
させた炭素短繊維からなる多孔質体あるいは触媒担持し
たカーボンブラックを樹脂で結着したものなどから形成
される。
【0004】セパレータ1には複数の凹凸形状の溝2が
形成され、溝2とカソード3との間に形成される空間を
酸化剤ガス(空気などの酸素含有ガス)流路とし、溝2
とアノード4との間に形成される空間を燃料ガス(例え
ば水素ガスや水素ガスを主成分とする混合ガスなど)流
路として、燃料ガスと酸化剤ガスとが電極に接触して起
こる化学反応を利用して、電極間から電流を取り出すよ
うになっている。そして、この単セルを積層して電池ス
タックが形成されている。
【0005】セパレータには、燃料ガスと酸化剤ガスと
を完全に分離した状態で電極に供給するために高度のガ
ス不透過性が要求され、また、発電効率を高くするため
に電池の内部抵抗を小さくすることが必要である。更
に、材質強度が充分でないとセパレータの破損や欠損が
生じ、電池性能が低下するばかりではなく、ガスリーク
による爆発の危険性もある。特に、電池の作動温度であ
る100℃程度の高温においても充分な材質強度を備え
ていることが重要である。
【0006】電池スタックは数十個の単セルを積層し、
通常、0.1〜1MPa 程度の締め付け力で周囲をボル
ト締めすることにより組立てられるが、セパレータの寸
法精度の不良などの要因により締め付け時に偏加重が生
じ、特にガス流路用溝部の底部端縁部に亀裂が発生し易
く、セパレータが欠損する問題がある。
【0007】したがって、燃料電池性能を向上させるに
はスタック中の各単セル間が密着するように組立て、か
つ発電中も良好な接触状態が維持されてセパレータと電
極との接触電気抵抗を最小にするとともに、単セル間の
ガスリークや単セル外へのガスリークを防止することが
重要となる。このような材質性状が要求されるセパレー
タ材には、従来から炭素質系の材料が用いられており、
黒鉛などの炭素粉末と熱硬化性樹脂を結合材として成形
した炭素/樹脂硬化成形体が好適に使用されている。
【0008】例えば、本発明者は平均粒子径50μm 以
下、最大粒子径100μm 以下の粒度分布を有する黒鉛
粉末60〜85重量%と熱硬化性樹脂15〜40重量%
とからなる板状成形体であって、その面方向の固有抵抗
が300×10-4Ωcm以下、厚さ方向/面方向の固有抵
抗の比が7以下、曲げ強度が300 kgf/cm2 以上の材
質性状を備える黒鉛−樹脂硬化成形体から形成された固
体高分子型燃料電池用セパレータ部材(特開2000−2142
1 号公報)を先に開発し、提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素
(黒鉛)/樹脂硬化成形体からなるセパレータ材を用い
て長期間の発電を行うと、セル間の接触電気抵抗の増大
や、セル間あるいはセル外へのガスリークが発生するこ
とがあった。そこで、本発明者はその原因を調査した
が、セパレータ材の電気抵抗、気体不透過性、ガスシー
ル材の材質などには特に変化、異常は認められなかっ
た。
【0010】更に、詳細調査を進めたところ、セパレー
タ材の寸法が、硬化処理が終了し、室温まで冷却した時
のものから変化し、同時にセパレータ材によっても変化
量が異なることが判明した。なお、寸法変化は初期寸法
から膨張することが多い。このように、セパレータ材の
寸法が変化し、かつ変化量がセパレータ材毎に異なる
と、スタック組立て後のセル間の密着状態が悪化し、接
触電気抵抗が増大するため電池性能が低下することとな
り、またセル間のガスリークが発生することにもなる。
更に、変化量が大きくなるとセル外周部に設置したシー
ル材が充分に機能しなくなり、セル外へのガスリークが
生じ、長期間安定して発電操業ができなくなる問題点が
ある。
【0011】本発明は、上記の問題点を解消するために
鋭意研究を行い、セル間の密着性の経時変化とセパレー
タの材質、形状、寸法などの各因子の変化、および製造
条件とについて検討を進めた結果、完成に至ったもの
で、その目的は、スタック組立て時のセル間の密着性を
維持して、接触電気抵抗の増加を抑制するとともにセル
間およびセル外へのガスリークを抑止し、電池性能の劣
化が少なく、長期間安定して発電操業が可能な固体高分
子型燃料電池用セパレータ材およびその製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による固体高分子型燃料電池用セパレータ材
は、平均粒子径が50μm 以下、最大粒子径が100μ
m 以下の黒鉛粉末60〜85重量%と熱硬化性樹脂15
〜40重量%とからなる黒鉛/樹脂硬化板状成形体であ
って、板状成形体の水中強度低下率が10%以下、経時
寸法変化率が2%以下であることを特徴とし、更に、室
温における厚さ方向の固有抵抗が1500×10-6Ωm
以下、空気中100℃における曲げ強度が20MPa 以
上で、かつ反りが0.5mm以下であることを特徴とす
る。
【0013】また、その製造方法は水分が0.4%以下
で、平均粒子径が50μm 以下、最大粒子径が100μ
m 以下の黒鉛粉末60〜85重量%と、熱硬化性樹脂初
期縮合物15〜40重量%とを減圧脱気下に混練し、混
練物を乾燥したのち解砕し、解砕粒を板状体に成形し、
次いで150〜280℃の温度で加熱硬化することを特
徴とし、更に、真比重が2.15以上、アスペクト比が
3以下の黒鉛粉末を用い、70Pa 以上の加圧下で加熱
硬化することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の固体高分子型燃料電池用
セパレータ材は、黒鉛粉末が熱硬化性樹脂を結合材とし
て一体化した黒鉛/樹脂硬化成形体からなる板状成形体
で形成されており、黒鉛粉末には人造黒鉛、天然黒鉛、
膨張黒鉛あるいはこれらの混合物が用いられ、適宜な粉
砕機により粉砕し、篩い分けして所定の粒度に調整して
使用に供される。熱硬化性樹脂は、固体高分子型燃料電
池の作動時の温度である80〜120℃の温度に耐える
耐熱性、及びpH2〜3程度のスルフォン酸や硫酸酸性
に耐え得る耐酸性があれば特に制限はなく、例えばフェ
ノール系樹脂、フラン系樹脂、エポキシ系樹脂などの樹
脂を単独または混合して用いられる。
【0015】セパレータは、通常、厚さ1〜3mm程度の
その表裏両面に燃料ガスあるいは酸化剤ガスの流路とな
る深さ0.5〜1mmのガス溝が形成された板状体であ
る。ガス溝を形成する方法としては、ガス溝をセパレー
タの成形時に付設するか、平板状に成形後に機械加工に
よって設ける方法がある。このようなガス溝がある構造
のため、黒鉛粉末の粒径が大きいと、前記のガス溝の形
成時に黒鉛粒子の脱落、ないしは粒子間クラックが発生
する関係でガス不透過性が低下し、電池性能が損なわれ
ることになる。そのため、平均粒子径が50μm 以下、
最大粒子径が100μm 以下の粒度特性に調整した黒鉛
粉末が用いられる。
【0016】本発明のセパレータ材は、黒鉛粉末が60
〜85重量%、熱硬化性樹脂が15〜40重量%の量比
からなる黒鉛/樹脂硬化板状成形体から形成されてい
る。黒鉛粉末が60重量%未満、熱硬化性樹脂が40重
量%を越える量比では、電気抵抗の増大が著しく、一方
黒鉛粉末が85重量%を越え、熱硬化性樹脂が15重量
%未満では混練物の流動性が低下するので、熱圧成形に
より形状精度の高い板状成形体を作製することが困難と
なり、成形性の悪化によりガス不透過性や強度が低下す
ることになる。
【0017】セパレータ材は、発電時の電気化学的反応
により生成した水、および供給される燃料ガスや酸化剤
ガスに含まれる水分と長期間接触する関係で、耐水性を
有することが必要である。耐水性が不足するとセパレー
タ材中に水分が取り込まれ、機械的強度の大幅な低下を
招くことになり、発電時においてセパレータ材の破損に
つながることにもなる。そのため、本発明のセパレータ
材は、水中強度低下率が10%以下に設定される。な
お、水中強度低下率は、90℃の水中に500時間浸漬
した試料の曲げ強度を測定し、その低下率を算出して評
価するもので、曲げ強度はJISK6911に準じて測
定する。
【0018】黒鉛/樹脂硬化板状成形体は、成形−硬化
後において長期間経過すると、徐々に変形を始める。通
常、1〜3ヶ月経過すると変化は大略終了するが、電池
スタック組立て時の寸法に対して、大きいものでは5%
を越える経時的変形を示すものもある。通常、この経時
的変形は膨張で、主として成形、硬化過程で熱硬化性樹
脂中に取り込まれた揮発分が、弾性緩和を助長すること
によって発生する。セパレータ材の寸法変化が起こる
と、個々のセパレータ材により変化量が異なることもあ
って、セル間の密着性が低下し、これに伴い接触電気抵
抗の上昇を招き、電池性能の低下がもたらされることに
なる。更に、セル外周のシールが不備となり、ガス漏洩
が生じ易く、爆発事故を起こす原因ともなる。
【0019】セパレータ材の経時的変形が終了後にスタ
ックの組立てを行う方法もあるが、経時的変形の割合や
大きさが各セパレータで異なることもあって、スタック
組立て時に、セル間の密着性を充分に確保し、シール材
を的確に設置することは困難である。
【0020】この経時的に生じた変形による電池性能の
低下が許容される限界として、本発明のセパレータ材
は、経時寸法変化率を2%以下に設定する。なお、本発
明において、経時寸法変化率とは、成形し、加熱硬化し
た後、30日を経過した時の長さ方向の、元の長さ(硬
化処理後に室温まで冷却した時の長さ)に対する寸法の
変化率で示した値である。
【0021】更に、本発明のセパレータ材は、室温にお
ける厚さ方向の固有抵抗が1500×10-6Ωm 以下、
空気中100℃における曲げ強度が20MPa 以上で、
かつ反りが0.5mm以下であることを特徴とする。
【0022】セパレータ材の電気抵抗、特に板状成形体
の厚さ方向の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗の増大を
招き、電池性能が低下することとなるため、室温におけ
る厚さ方向の固有抵抗を1500×10-6Ωm 以下に設
定する。
【0023】セパレータには、当然高い材質強度が要求
されるが、特に電池の稼働時の温度である80〜120
℃の温度における材質強度が高いことが重要である。そ
のため、本発明のセパレータ材は空気中100℃におけ
る曲げ強度を20MPa 以上に設定する。すなわち、黒
鉛粉末と熱硬化性樹脂とが結着一体化した組織構造から
なる本発明のセパレータ材は、電解腐食によって組織が
侵食されると黒鉛粒子の脱落が起こり易くなるため、耐
食性を向上させ、耐久性を高めるために、空気中100
℃の温度における曲げ強度を20MPa 以上に設定す
る。なお、曲げ強度はJISK6911に準じて測定し
た値である。
【0024】また、セパレータに反りがあると、スタッ
ク組立て時に各セル間を密着させて組立てることが困難
であり、各セル間の接触抵抗が増大するとともに各セル
間のガスリークやセル外へのガスリークが生じることに
なる。そのため、本発明のセパレータ材は反りを0.5
mm以下に設定する。なお、反りは、定盤上に試料を置
き、基準位置でダイヤルゲージをゼロセットし、全体で
9点について反り量を測定して、その最大値を反りとし
た。
【0025】本発明の固体高分子型燃料電池用セパレー
タ材の製造方法は、水分が0.4%以下で、平均粒子径
が50μm 以下、最大粒子径が100μm 以下の黒鉛粉
末60〜85重量%と、熱硬化性樹脂初期縮合物15〜
40重量%とを減圧脱気下に混練し、混練物を乾燥した
のち解砕し、解砕粒を板状体に成形し、次いで150〜
280℃の温度で加熱硬化することを特徴とする。
【0026】黒鉛粉末は人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛
あるいはこれらの混合物を適宜な粉砕機により粉砕し、
篩い分けして所定の粒度に調整して用いられる。この場
合、黒鉛粉末中の水分は、成形体中に内在し、徐々に揮
散排出されるために、成形体内部の残留応力が徐々に解
放される結果、成形体の経時的寸法変化をもたらすこと
になり、また熱硬化性樹脂との結着性に影響し、強度を
低下させることになるため、加熱処理して含有する水分
を0.4%以下に調整したものが用いられる。なお、黒
鉛粉末中の水分は、JISM8511に準じて測定され
る。
【0027】このようにして、水分が0.4%以下、平
均粒子径が50μm 以下、最大粒子径が100μm 以下
に調整した黒鉛粉末と熱硬化性樹脂とを、黒鉛粉末が6
0〜85重量%、熱硬化性樹脂初期縮合物が15〜40
重量%の量比になるように混合し、ニーダー、加圧型ニ
ーダー、二軸スクリュー式混練機などの混練機により混
練する。なお、混練時に揮発性成分が除去されるよう
に、混練は減圧脱気下、例えば600hPa 以下の減圧
下に行うことが望ましい。この場合、黒鉛粉末と熱硬化
性樹脂とを均一に混合するために、熱硬化性樹脂初期縮
合物をアルコールやエーテルなどの適宜な有機溶媒に溶
解した低粘度の熱硬化性樹脂液を用いて混練し、次いで
有機溶媒を除去する方法を採ることもできる。
【0028】混練物は、乾燥して揮発性物質を除去した
のち、破砕機により適宜な粒度、例えば篩目150メッ
シュ以下の粒度に解砕する。解砕は、混練物の表面が樹
脂被膜で覆われているため導電性が低くなるので、混練
物を解体することによって、黒鉛部を露出させて導電性
の向上を図るとともに材質性状の異方性の是正を図るこ
とができ、板状成形体の厚さ方向の電気抵抗を低くする
ことができる。
【0029】解砕粒は、モールド成形、CIP成形、押
し出し成形などの方法により成形して、板状体を得る。
なお、ガス流路となる板状体の片面もしくは両面に形成
する溝部は、この成形時に形成するか、または機械加工
により板面に溝加工を施すなどの方法により形成され
る。次いで、150〜280℃の温度に加熱して熱硬化
性樹脂を硬化するとによりセパレータ材が製造される。
【0030】本発明の製造方法の他の態様は、前記の製
造方法において真比重が2.15以上、アスペクト比が
3以下の黒鉛粉末を用い、70Pa 以上の加圧下で加熱
硬化することを特徴とする。
【0031】黒鉛粉末の真比重が高く、2.15以上の
場合には、機械的強度が大きく、黒鉛/樹脂硬化成形体
における補強効果も向上し、板状成形体の強度の増大を
図ることができる。なお、真比重はJISR7223に
準じて測定する。また、アスペクト比が小さい黒鉛粉末
を使用すると成形体の特性の異方性が減少するので、厚
さ方向の電気抵抗を小さくすることができ、アスペクト
比は3以下のものが使用される。なお、アスペクト比は
走査型電子顕微鏡を用いて黒鉛粉末の最大径と最小径を
測定し、その比(最大径/最小径)から求められる。更
に、板状成形体を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる際
に圧力を加えると、表面平坦で平面性が高く、また黒鉛
粉末と熱硬化性樹脂は強固に接着し、機械的強度も向上
するので70Pa 以上の加圧下で加熱硬化する。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0033】実施例1〜5、比較例1〜7 水分、平均粒子径、最大粒子径が異なる黒鉛粉末に、フ
ェノール樹脂をメタノールに溶解した溶液(樹脂濃度5
0重量%)を異なる量比で加えて、真空排気装置付2軸
ニーダーにより600hPa 以下に減圧した状態で充分
に混練した。混練物を真空乾燥して溶剤であるメタノー
ルや揮発性成分を揮散除去した後、粉砕機で解砕し、解
砕粒をモールドに充填して、温度180℃、圧力30M
Pa の条件で熱圧成形した。成形体を型抜きした後、2
00℃で8分間加熱硬化して、縦150mm、横150m
m、厚さ3mmで、ガス流路となる溝部(幅1.5mm、高
さ1mm)を、片面に33本づつ形成したセパレータ材を
製造した。この製造条件を対比して、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】これらのセパレータ材について、下記の方
法により材質特性を測定し、その結果を表2に示した。 水中強度低下率(%);試片を90℃の水中に500
時間浸漬後に取り出し、100℃で乾燥した後にJIS
K6911に準じて曲げ強度を測定し、浸漬前の強度に
対する低下率を算出する。 経時寸法変化率(%);室温中で30日間放置した
後、長さを測定し、硬化直後の長さと対比して、変化率
を算出する。 固有抵抗(Ωm );JISR7222に準じて測定し
た。 曲げ強度(MPa );JISK6911に準じて測定
(空気中、100℃)した。 反り(mm);定盤上にセパレータ材を置いて基準位置
でダイヤルゲージをゼロセットし、全体で9点について
反り量を測定し、最大値を採用した。
【0036】
【表2】
【0037】次に、これらのセパレータ材について、下
記の方法により接触電気抵抗の測定およびガスリーク試
験を行い、また、ハーフセルを組み立てて発電効率を測
定した。得られた結果を表3に示した。 接触電気抵抗(Ωm );セパレータ材を10枚積層
し、1MPa の負荷で固定した後、10Aの直流電流を
通電し、積層されたセパレータ間の電気抵抗を測定し
た。この電気抵抗からセパレータ材自身の電気抵抗を引
いた値を接触電気抵抗とし、JISR7202に準じて
測定した。なお、測定は、硬化直後と30日経過後の両
方で行った。 ガスリーク試験;接触電気抵抗測定後の積層体を解体
し、各セパレータ材に窒素ガスで0.1MPa の圧力を
加えてガスリークの有無を調べた。なお、測定は、硬化
直後と30日経過後の両方で行った。 発電効率(%);固体高分子型燃料電池ハーフセルを
組み立て、セル電圧0.8Vにおける発電効率を測定し
た。なお、測定は、硬化直後と30日経過後の両方で行
った。
【0038】
【表3】
【0039】表1〜3の結果から、実施例のセパレータ
材は、比較例のセパレータ材に比べて、曲げ強度が高
く、固有抵抗が小さく、また長期間経過後においても、
接触電気抵抗の増大化傾向が小さく、ガスリークも認め
られず、発電効率も高い、など電池性能の低下が少ない
ことが判る。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の固体高分子型燃
料電池用セパレータ材によれば、強度特性に優れるとと
もに経時的な寸法変化が少ないので、長期間に亘って発
電稼働しても、内部接触抵抗の増大化やガスリークによ
る電池性能の低下や稼働の不安定化を抑制することがで
きる。したがって、長期間、安定に発電操業することが
可能となる。また、本発明の製造方法によれば、このよ
うな優れた性能を有する固体高分子型燃料電池用セパレ
ータ材を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の概略構造を示す一部断
面図である。
【符号の説明】
1 セパレータ 2 ガス流路用溝 3 カソード 4 アノード 5 電解質膜 6 シール材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が50μm 以下、最大粒子径
    が100μm 以下の黒鉛粉末60〜85重量%と熱硬化
    性樹脂15〜40重量%とからなる黒鉛/樹脂硬化板状
    成形体であって、板状成形体の水中強度低下率が10%
    以下、経時寸法変化率が2%以下であることを特徴とす
    る固体高分子型燃料電池用セパレータ材。
  2. 【請求項2】 室温における厚さ方向の固有抵抗が15
    00×10-6Ωm 以下、空気中100℃における曲げ強
    度が20MPa 以上で、かつ反りが0.5mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池
    用セパレータ材。
  3. 【請求項3】 水分が0.4%以下で、平均粒子径が5
    0μm 以下、最大粒子径が100μm 以下の黒鉛粉末6
    0〜85重量%と、熱硬化性樹脂初期縮合物15〜40
    重量%とを減圧脱気下に混練し、混練物を乾燥したのち
    解砕し、解砕粒を板状体に成形し、次いで150〜28
    0℃の温度で加熱硬化することを特徴とする固体高分子
    型燃料電池用セパレータ材の製造方法。
  4. 【請求項4】 真比重が2.15以上、アスペクト比が
    3以下の黒鉛粉末を用い、70Pa 以上の加圧下で加熱
    硬化することを特徴とする請求項3記載の固体高分子型
    燃料電池用セパレータ材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005100887A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Dainippon Ink & Chem Inc 燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池
JP2008123828A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Tokai Carbon Co Ltd 固体高分子形燃料電池セパレータ材とその製造方法
JP2008127476A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Lignyte Co Ltd カーボン・フェノール樹脂複合材料の製造方法、カーボン・フェノール樹脂複合材料、カーボン・フェノール樹脂複合炭化材料、燃料電池用セパレータ、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電気二重層キャパシター

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