JP3807071B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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    • H01P1/387Strip line circulators

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  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯域等で用いられる無線機器、例えば携帯電話のごとき移動体無線機器等に使用される非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の移動体通信機器の小型化に伴い、これら通信機器に使用されるアイソレータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子の小型化への要求がますます強くなってきている。
【0003】
従来の集中定数型サーキュレータは、図1の分解斜視図に示すごとき基本構造を有しており、平面形状が円形の組立式の磁気回転子を備えていた。
【0004】
同図において、100はガラス・エポキシ樹脂等からなる円形の非磁性体基板であり、この非磁性体基板100の上下面には中心導体101及び102が形成されている。中心導体101及び102は、非磁性体基板100を貫通するビアホール103で互いに接続されている。中心導体101及び102を形成したこの非磁性体基板100を両側から挟むように、円形の磁性体部材104及び105を積み重ねて接着した構造で組立式に取り付けられており、中心導体101及び102に印加される高周波電力によってこれら磁性体部材104及び105内に高周波磁束が生じるように構成されている。
【0005】
サーキュレータ全体としては、図2の分解斜視図に示すように、中心導体101(102)を形成したこの非磁性体基板100の両側に、磁性体部材104及び105、グランド電極106及び107、励磁用永久磁石108及び109、並びに上下に分割されており励磁用永久磁石108及び109からの磁束用磁路を構成する分割式の金属製ハウジング110及び111をこの順序でそれぞれ積み重ねて組み立て固定することによって形成される。
【0006】
図示されていない入出力端子を介して中心導体101及び102に高周波電力を与えると、磁性体部材104及び105内に中心導体101及び102の回りを回転する高周波磁束が発生する。この高周波磁束と直交する直流磁界を永久磁石108及び109から印加すると、磁性体部材104及び105は、図3に示すように、高周波磁束の回転方向に応じて異なる透磁率μ+ 及びμ- を示すこととなる。サーキュレータは、高周波信号の伝播速度がこのような透磁率の違いによって回転方向によって異なり、その結果、磁気回転子内の打ち消し効果で特定の端子への信号の伝播を止め得ることを利用しているのである。
【0007】
非伝播端子は、透磁率μ+ 及びμ- の性質から、駆動端子に対する角度関係で設定される。例えば、ある回転方向に沿って端子A、B及びCがこの順序で配置されているとすると、駆動端子Aに対する非伝播端子が端子Bである場合に、駆動端子Bに対する非伝播端子は端子Cとなる。アイソレータは、このようにして構成されたサーキュレータの一端子を終端して構成される。終端するには、整合する抵抗を接続すれば良く、従来は、チップ抵抗又は共振容量を形成するための基板上に設けた厚膜抵抗で形成されている。非可逆回路素子を構成する部品の中で、永久磁石の占める割合は大きく、この永久磁石の占める容積が非可逆回路素子を小型化する上で問題となっている。
【0008】
また、従来の集中常数型サーキュレータは、図4に示す等価回路の構造が用いられてきた。この場合、サーキュレータの各インダクタの一端400(外部導体)は、グランドに直接接続されていた。
【0009】
サーキュレータを広帯域化するための手法として、図5の等価回路に示すような同相励振固有値を調整するための直列共振回路501をサーキュレータの各インダクタの一端を共通に接続した共通接続点500(外部導体)とグランドとの間に付加することが公知である。
【0010】
一般に、サーキュレータの成立条件として、同相励振、正相励振及び逆相励振の各アドミッタンスが、互いに120度の関係を保つことが必要である。通常、周波数の変化と共に正相励振及び逆相励振のアドミッタンスは変化するが、同相励振のアドミッタンスは変化しない。このため、周波数が大きく変化すると各アドミッタンスが120度の関係を保てなくなり、サーキュレータとして動作できなくなる。これが、サーキュレータの動作周波数帯域が制限される理由である。それ故、同相励振にのみ寄与する直列共振回路を付加すれば、アドミッタンスが互いに120度の角度を長く維持することができ、サーキュレータの動作周波数を広帯域化できるのである。しかしながら、LCの直列共振回路を付加することは、部品点数を増加させることになり、これは近年の小型化の要求に対して反するものとなっている。特に、小型、高性能のインダクタを構成することは非常に困難なことであった。
【0011】
特公昭49−28219号公報には、中心導体の一端と地導体との間に容量を形成することが提案されている。この場合の等価回路は、図6のように、3つの中心導体の一端にそれぞれ容量601、602及び603が接続された構成になると考えられる。これら容量は、同相励振固有値だけではなく、正相励振及び逆相励振の固有値にも共に影響を与えることになる。このため、図4の従来技術の場合と同様に、周波数が大きく変化すると各アドミッタンスが120度の関係を保てなくなり、サーキュレータとして動作できなくなるので、動作周波数帯域が制限されることとなる。
【0012】
非可逆回路素子の温度特性について説明する。サーキュレータ等の非可逆回路素子の温度特性に影響を与える要因としては、種々のものが考えられるが、支配的な要因としては、磁気回転子に使用されるYIG等の磁性体の飽和磁化の温度特性や、バイアス磁界を与えるための永久磁石の温度特性が考えられる。一般に、YIG等の磁性体の温度特性変化は、バイアス磁界の温度特性変化より大きい。このため、温度が高くなるほどサーキュレータの動作周波数が増加してしまい、実質的に使用可能周波数帯域を狭めている。このため、YIGにガドリニウムを置換しYIGの飽和磁化の温度特性を改善することが一般に行われている。しかしながら、ガドリニウムを置換すると、YIGの損失が増加し、サーキュレータの挿入損失の増加を招くという欠点がある。また、このような方法は、温度特性を完全に調整できるものではなかった。
【0013】
以上述べたように、移動体通信機器の小型化に伴って非可逆回路素子の小型化、軽量化及び低背化の要求がますます強くなっている。この要求に応えるには、非可逆回路素子を構成する部品の中でも、永久磁石を小型化することが重要となる。また、非可逆回路素子の小型化を行うと、動作周波数が上がってしまい所望の動作収斂が得られないという問題がある。
【0014】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、非可逆回路素子の動作磁界を下げて永久磁石を小型化すると共に動作周波数を下げることができ、これによって小型化、軽量化及び低背化を図ることのできる非可逆回路素子を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、使用する材料を変更せずに、しかも挿入損失の悪化を招くこと無しに任意に温度特性を調整することができる非可逆回路素子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに絶縁された状態で交差する複数の中心導体と、該複数の中心導体に近接して設けられた磁性体と、該複数の中心導体の一端に共通に接続されたグランド導体とを備えており、入出力端とグランドとの間にそれぞれ入出力容量が形成されている非可逆回路素子であって、前記グランド導体と前記グランドとの間に同相励振固有値のみを調整する容量であって、その容量値をC [pF]、当該非可逆回路素子の並列共振容量値をC[pF]とした場合に、C ×C≦1500を満たす容量を設けた非可逆回路素子が提供される。
【0018】
中心導体の一端に共通に接続されたグランド導体とグランドとの間に同相励振固有値のみを調整する容量を設けたので、動作周波数及び印加磁界を同時に下げることができる。動作周波数が下がればより小型の磁気回転子を使用することが可能となり、非可逆回路素子の小型化が可能となる。また、印加磁界が下がればより小型の永久磁石を使用することが可能となり、非可逆回路素子のさらなる小型化が可能となる。しかも、容量のみを追加するのみでよいため、その意味からも非可逆回路素子の小型化を図ることができる。
【0019】
また、この付加容量の容量値を選ぶことにより、単位磁界当りの周波数変化量dF/dHの値を任意に変化させることができる。dF/dHが増加すれば、バイアス磁界の温度特性の影響が非可逆回路素子の温度特性により強く寄与することとなり、バイアス磁界の温度特性が見かけ上大きくなったような効果を得ることができ、その結果、非可逆回路素子の温度特性が改善される。容量の容量値によりdF/dHが任意に変化させられるため、非可逆回路素子の温度特性も任意に調整できることとなり、ほとんど温度特性のない非可逆回路素子を実現できることになる。
【0020】
上述の容量値C は、×C≦900を満たす容量であることが好ましい。
【0021】
本発明の一実施態様においては、上述の中心導体は、磁性体上に折り重ねて配置したストリップラインである。この場合、付加する容量は、電極間の誘電体材料として樹脂材料又はセラミックスを用いた容量であることが好ましい。
【0022】
本発明の他の実施態様においては、上述の中心導体は、磁性体内に一体的に形成された導体である。この場合、付加する容量は、電極間の誘電体材料としてセラミックス又は樹脂材料を用いた容量であることが好ましい。本発明のさらに他の実施態様においては、この付加する容量は、磁性体と一体的に形成された容量である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非可逆回路素子の実施形態として、集中定数型アイソレータの一例を説明する。なお、この実施形態は、集中定数型アイソレータの場合であるが、本発明は、分布定数型アイソレータ、集中定数型サーキュレータ及び分布定数型サーキュレータにも適用することができる。
【0025】
図7は本発明の非可逆回路素子の一実施形態である集中定数型アイソレータにおける全体構成及び組み立て順序を概略的に示す分解斜視図であり、図8は図7の実施形態における中心導体及びグランド導体部分の折り重ね前の展開した状態を示す平面図であり、図9は図7の実施形態における中心導体をフェライトコアに折り重ねて構成される組立体を示す平面図、図10は図7の実施形態における集中定数型アイソレータを組み立てた後の構成を示す斜視図である。
【0026】
これらの図において、700はグランド導体(シールド板)、701a、701b及び701cは3つの中心導体を構成するストリップライン、702はYIGによる円板状のフェライトコアをそれぞれ示している。
【0027】
このグランド導体700とストリップライン701a、701b及び701cとは、図8に示すように、銅箔の打ち抜き加工によってグランド導体700から3つのストリップライン701a、701b及び701cを放射方向に突出伸長させて形成される。ストリップライン701a及び701bは先端部が入出力端となり、ストリップライン701cは先端部が終端するように構成されている。なお、グランド導体700は、図7及び図9に示すごとく、この上に載置する円板状フェライトコア702とほぼ同じ寸法の円板形状となっている。
【0028】
グランド導体700上に円板状フェライトコア702を載置後、円板状フェライトコア702の外周縁に沿って、入出力端を持つストリップライン701a及び701bのうちの一方を折り曲げ、次に他方を折り曲げ、最後に終端抵抗接続端を持つストリップライン701cを折り曲げる。これにより、図7及び図9に示すように、円板状フェライトコア702の上面に3つのストリップライン701a、701b及び701cを折り重ねて交差させ、3つの中心導体としてのストリップライン及び円板状フェライトコアの組立体703が形成される。
【0029】
図示されていないが、各ストリップライン701a、702b及び701cを円板状フェライトコア702に折り重ねる際に、ストリップライン701a、702b及び701c相互間の絶縁をとるために、ポリイミド系の絶縁シートが互いの間に挟み込まれている。
【0030】
図7及び図10から理解できるように、集中定数型アイソレータは、組立体703の他に、終端抵抗や所要の静電容量が形成されている内部基板704と、方形枠状の樹脂ケース705と、フェライトコア702の厚み方向に直流磁界を印加する永久磁石706と、樹脂ケース705の上下に一体化される軟磁性体ヨークとしての上カバー707及び下カバー708と、面装着用の端子基板709と、本発明の同相励振固有値のみを調整する付加容量(容量値Cs )を形成するための絶縁シート710とを備えている。
【0031】
誘電体絶縁シート710は組立体703と下カバー708との間に挟み込まれ、組立体703のグランド導体700と下カバー708とを容量電極として、容量値Cs の付加容量を形成している。絶縁シート710を構成する誘電体としては、例えば樹脂材料が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0032】
内部基板704は、組立体703を内部に取り付けるための抜き穴711を誘電体材料によるこの基板704の中央部に有している。基板704の上面には、ストリップライン701a、702b及び701cの先端部が載置され接続される所定形状の容量電極704a、704b及び704cが形成されている。さらに、この上面には、ストリップライン701cの先端部が接続される容量電極704cとグランド電極704dとの間に、酸化ルテニウム等による終端抵抗712が厚膜印刷によって形成されている。図示されていないが、基板104の下面には、容量電極704a、704b及び704cとの間で所要の入出力容量を形成するグランド電極に形成されている。このグランド電極は直接的にグランドされている。
【0033】
組立体703は、基板704の穴711に嵌め込まれ、その基板704上の容量電極704a、704b及び704cに、ストリップライン701a、702b及び701cの先端部がハンダ付けでそれぞれ接続される。
【0034】
鉄等の軟磁性金属による下カバー708上に絶縁シート710を挟んで組立体703を取り付けた内部基板704が載置される。
【0035】
方形枠状の樹脂ケース705は、先端部が入出力端となる2つのストリップライン701a及び701bのそれら先端部に対応する位置に2つの接続電極705a及び705bを有すると共に、終端抵抗712の一端をグランドに落すためにグランド電極704dに対応する位置にグランド接続電極705dを有している。この樹脂ケース705の下側には、組立体703を取り付けた下カバー708が組み付けられ、接続電極705a及び705bのケース内側端部に、ストリップライン701a及び701bの先端部並びに容量電極704a及び704bがハンダ付けでそれぞれ接続され、グランド接続電極705dのケース内側端部にグランド電極704dがハンダ付けで接続される。
【0036】
鉄等の軟磁性金属による上カバー707の内側には、永久磁石706が固定されている。この永久磁石706を内蔵する上カバー707が樹脂ケース705の上側に組み付けられ、上カバー707及び下カバー708が相互にかしめられて一体化されている。その結果、上カバー707及び下カバー708で構成される磁気ヨークの内側に、永久磁石706とストリップライン701a、702b及び701cを上側に設けたフェライトコア702とが配置されることとなり、これらは磁気ヨークによって囲まれている。
【0037】
端子基板709は、入出力端を持つ2つのストリップライン701a及び701bの先端部に対応する位置に2つの外部回路接続用面装着端子電極709a及び709bをその下面に有すると共に、グランド電極709dをその下面に有する。さらに、その上面に、図示されていないビアホールを介して外部回路接続用面装着端子電極709a及び709bに接続される電極709a′及び709b′と、図示されていないビアホールを介してグランド電極709dに接続される電極709d′とを有している。この端子基板709は、下カバー708の下面に装着され、樹脂ケース705の接続電極705a及び705bのケース外側端部が電極709a′及び709b′にそれぞれハンダ付けで接続され、下カバー708の下面が電極709d′にハンダ付けで接続される。
【0038】
このようにして、入出力端となる2つのストリップライン701a及び701bの先端部が、端子基板709の外部回路接続用面装着端子電極709a及び709bに引き出され、ストリップライン701cの先端部が終端抵抗712を介してグランド電極709dに接続されて終端された集中定数型アイソレータが組み立てられる。
【0039】
本実施形態のごとき構造を有する集中定数型アイソレータについて、Cs ×Cの値を変化させたサンプルを実際に作成した。このとき、円板形状のフェライトコア706の寸法は、直径3.5mm、厚さ0.4mmとした。アイソレーションの中心周波数、バイアス磁界の相対強度、及び温度を−25℃から+85℃まで変化させたときのアイソレーションの中心周波数の変化量をそれぞれ測定した。その測定結果を表1に示す。比較のために付加容量(容量値Cs )を設けないアイソレータを作成し、同様に測定した。
【0040】
【表1】
Figure 0003807071
【0041】
また、円板形状のフェライトコア706の寸法を直径2.5mm、厚さ0.4mmとして同様の実験をした。その測定結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003807071
【0043】
これら表1及び表2から明らかのように、付加容量(容量値Cs )を追加することによって、アイソレーションの中心周波数が低下し、かつバイアス印加磁界が低下することが分かる。しかも温度特性も改善されている。
【0044】
以上述べた実施形態をも含む本発明の非可逆回路素子のアイソレーション特性、温度特性等について、シミュレーションによる計算結果をも参照し、以下詳細に説明する。
【0045】
一般に、3端子の非可逆回路素子に対する同相励振のアドミッタンスy1 、正相励振のアドミッタンスy2 、及び逆相励振のアドミッタンスy3 は、
【数1】
Figure 0003807071
のように表わすことができる。ここで、Cは並列共振容量、L1 は同相励振のインダクタンス、L2 は正相励振のインダクタンス、L 3は逆相励振のインダクタンスを表わしている。
【0046】
この式より、C、L1 、L2 及びL3 を実測すれば、y1 、y2 及びy3 から次式によりアイソレーション特性を計算することができる。
【数2】
Figure 0003807071
ただし、y0 は回路の固有アドミッタンス、sは散乱行列固有値、S31はアイソレーションをそれぞれ表わしている。
【0047】
図4の等価回路で表わされる従来のサーキュレータに対し、本実施形態による非可逆回路素子(サーキュレータ)の等価回路が図11に示されている。両図を比較すれば明らかのように、本実施形態では、3つのインダクタを構成する中心導体の一端が結線された後に、グランドとの間に同相励振固有値を調整するための容量値がCs である容量1100が付加されている。この場合、容量値Cs は、同相励振のアドミッタンスのみに作用し、
【数3】
Figure 0003807071
となる。容量1100の容量値Cs を変えた場合のアイソレーション特性を計算した結果が、図12に示されている。同図は、実測したC、L1 、L2 及びL3 よりアイソレーション特性を計算したものであり、Cs ×C=30、300、3000[pF2 ]の各場合と容量1100を付加しない場合とを示している。
【0048】
図12から明らかなように、この位置に容量1100を付加することによって、アイソレーションの中心周波数が低下していることが分かる。しかしながら、この図12の場合、磁界が一定であるとしてアイソレーションを計算しているため、アイソレーションの最大値は、容量値が小さいほど低下する。
【0049】
このため、アイソレーションの最大値が一番大きくなるように印加磁界を下げて計算した結果を図13に示す。図13から明らかなように、印加磁界を低下させることによって、アイソレーションの中心周波数はさらに低下する。
【0050】
図14は、Cs ×Cとアイソレーションの中心周波数との関係を示しており、図15は、Cs ×Cと印加磁界との関係を示している。ただし、これらの図14及び図15は、本実施形態と後述する図22の実施形態における特性をも合わせて示している。これらの図から明らかなように、容量値Cs の容量1100を付加することにより、サーキュレータの動作周波数及び印加磁界を同時に下げられることが分かる。動作周波数を低下させる効果は、図14より、Cs ×C≦1500[pF2 ]の場合に顕著となることが分かる。従って、好ましいCs ×Cの範囲は、1500[pF2 ]以下となる。また、印加磁界を低下させる効果は、図15より、Cs ×C≦900[pF2 ]の場合に顕著となることが分かる。従って、より好ましいCs ×Cの範囲は、900[pF2 ]以下となる。
【0051】
一般に、磁気回転子の大きさは動作周波数に逆比例する。つまり、動作周波数が低下すれば、より小型の磁気回転子を使用することが可能となり、サーキュレータ全体の小型化が可能となる。また、印加磁界が下がれば、より小型の永久磁石を使用することが可能となり、サーキュレータのさらなる小型化が可能となるのである。
【0052】
図16は、印加磁界を種々変化させると共にCs ×Cを変化させて周波数変化量を計算した結果として、Cs ×Cと単位磁界当りの周波数変化量dF/dHとの関係を示している。同図から明らかなように、容量値Cs の容量1100を付加すると、付加しない場合よりdF/dHが増加する。しかも、容量値Cs が小さい方が、印加磁界の変化に対して周波数の変化が大きいことが分かる。また、Cs の値を適切に選ぶことにより、dF/dHの値を任意に変化させることができる。
【0053】
サーキュレータ等の非可逆回路素子の温度特性に影響を与える要因としては、種々のもの考えられるが、支配的な要因としては、磁気回転子に使用されるYIG等の磁性体の飽和磁化の温度特性、及びバイアス磁界を与えるための永久磁石の温度特性が考えられる。通常は、YIG等の磁性体の温度特性がバイアス磁界の温度特性よりも大きいため、温度が高くなるほどサーキュレータの動作周波数が増加してしまい、実質的に使用可能周波数帯域を狭めているのである。
【0054】
本発明のように容量値Cs の容量1100を付加することによってdF/dHが増加するということは、バイアス磁界の温度特性の影響がより強くサーキュレータの温度特性に寄与していることを意味している。即ち、見かけ上バイアス磁界の温度特性が大きくなったような効果が現われるので、サーキュレータの温度特性が改善されるのである。容量値Cs を選択することにより、dF/dHが任意に変化させられるため、サーキュレータの温度特性も任意に調整できることになる。また、Cs の値を適当に選ぶことにより、ほとんど温度特性のないサーキュレータを実現できることにもなる。
【0055】
図17は、容量値Cs =1pFの容量1100を付加し、印加磁界を変化させた場合の特性を示している。比較のために容量1100を付加しない場合の特性を図18に示す。これらの図17及び図18から、容量1100を付加した場合は、印加磁界を変化させてもアイソレーションの最大値の劣化が比較的小さいことが分かる。このため、アイソレーションの帯域幅の劣化も押さえることができ、さらにサーキュレータの温度特性を改善することができるのである。
【0056】
図19は本発明の非可逆回路素子の他の実施形態である集中定数型アイソレータにおける磁気回転子の部分の構成を概略的に示す斜視図であり、図20は図19のA−A線断面図、図21は図19の実施形態における全体構成を概略的に示す分解斜視図である。なお、この実施形態は、集中定数型アイソレータの場合であるが、本発明は、分布定数型アイソレータ、集中定数型サーキュレータ及び分布定数型サーキュレータにも適用することができる。
【0057】
これらの図において、1900は3回対称のパターンを有する中心導体(内部導体)1901と磁性体とを一体的に焼成して形成された磁気回転子、1902は磁気回転子1900の一方の面全体及び側面の一部に形成されたグランド導体、1903a、1903b及び1903cは磁気回転子1900の側面に形成され、各中心導体1901の一端に接続されている端子電極、1904は内部基板、1905は励磁用永久磁石、1906は鉄等の軟磁性金属によるヨーク、1907はグランド導体1902の下面に形成されており、本発明の同相励振固有値のみを調整する付加容量(容量値Cs )を形成するための誘電体層をそれぞれ示している。
【0058】
誘電体層1907はグランド導体1902とその下に位置するヨーク1906の一面との間に挟み込まれ、磁気回転子1900のグランド導体1902とヨーク1906の一面とを容量電極として、容量値Cs の付加容量を形成している。誘電体層1907を構成する誘電体材料としては、例えばセラミックスが用いられるが、これに限定されるものではない。
【0059】
内部基板1904は、磁気回転子1900を内部に取り付けるための抜き穴1908を誘電体材料によるこの基板1904の中央部に有している。基板1904の上面には、磁気回転子1900の端子電極1903a、1903b及び1903cが接続される所定パターンの容量電極1904a、1904b及び1904cが形成されている。さらに、この上面には、端子電極1903cが接続される容量電極1904cとグランド電極1904dとの間に、酸化ルテニウム等による終端抵抗1909が厚膜印刷によって形成されている。図示されていないが、基板1904の下面には全面にグランド電極が形成されており、容量電極1904a、1904b及び1904cとの間で所要の静電容量が形成される。容量電極1904a及び1904bは入力端子及び出力端子をもそれぞれ構成しており、グランド電極1904dはグランド端子をも構成している。
【0060】
磁気回転子1900の形成方法について以下説明する。酸化イットリウム(Y23 )と酸化鉄(Fe23 )をモル比で3:5の割合で混合し、混合粉を1200℃で仮焼する。これによって得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕したのち、有機バインダー及び溶剤を添加し、磁性体スラリーを作製する。得られた磁性体スラリーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形する。成形したグリーンシートにビアホール用の穴をパンチングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜印刷法で中心導体1901のパターンを形成する。このとき、ビアホールの充填も同時に行う。導体材料としては、例えば銀ペーストが使用される。
【0061】
このように加工したグリーンシートを熱圧着し、積層体を得る。その後、所定の大きさの形状に切断し、1480℃で焼成する。次いで、この焼成体の一方の面全面にグランド導体1902を銀ペーストを焼き付けることによって形成する。さらに、焼成体側面に、端子電極1903a、1903b及び1903cとグランド導体1902及び中心導体の電極引き出し部分をつなぐ電極とを、銀ペーストを焼き付けることにより形成する。これにより、磁気回転子1900が得られる。
【0062】
次いで、磁気回転子1900の全面グランド導体1902の面上に、セラミックスペーストを印刷し、焼成することにより誘電体層1907が形成される。
【0063】
この磁気回転子1900に、内部基板1904、永久磁石1905及び上下のヨーク1906を図21のように組み立てることにより、集中定数型アイソレータが形成される。
【0064】
セラミック材料で形成された誘電体層1907を挟むグランド導体1902とヨーク1906の一面とにより容量値Cs の付加容量が形成され、Cs ×Cの値は50[pF2 ]である。アイソレーションの中心周波数、バイアス磁界の相対強度、及び温度を−25℃から+85℃まで変化させたときのアイソレーションの中心周波数の変化量をそれぞれ測定した。その測定結果を表3に示す。比較のために付加容量(容量値Cs )を設けないアイソレータを作成し、同様に測定した。
【0065】
【表3】
Figure 0003807071
【0066】
本実施形態においても、前述した実施形態の場合と同様に、付加容量(容量値Cs )を追加することによって、アイソレーションの中心周波数が低下し、かつバイアス印加磁界が低下している。しかも温度特性も改善されている。
【0067】
図22は本発明の非可逆回路素子のさらに他の実施形態である集中定数型アイソレータの全体構成を概略的に示す分解斜視図である。なお、この実施形態は、集中定数型アイソレータの場合であるが、本発明は、分布定数型アイソレータ、集中定数型サーキュレータ及び分布定数型サーキュレータにも適用することができる。
【0068】
同図において、2200は3回対称のパターンを有する中心導体(内部導体)と磁性体とを一体的に焼成して形成された磁気回転子、2202は磁気回転子2200の一方の面全体及び側面の一部に形成されたグランド導体、2203a、2203b及び2203cは磁気回転子2200の側面に形成され、各中心導体の一端に接続されている端子電極、2204は内部基板、2205は励磁用永久磁石、2206は鉄等の軟磁性金属によるヨーク、2207は本発明の同相励振固有値のみを調整する付加容量(容量値Cs )を形成するための誘電体層、2210は磁気回転子2200の下面に形成されたグランド導体2202と内部基板2204の下面に形成された図示されていないグランド電極とに接続されるようにこれらグランド導体2202及びグランド電極の下に挿入されたグランド導体をそれぞれ示している。
【0069】
誘電体層2207はグランド導体2210とその下に位置するヨーク2206の一面との間に挟み込まれ、このグランド導体2210とヨーク2206の一面とを容量電極として、容量値Cs の付加容量を形成している。誘電体層2207を構成する誘電体材料としては、例えばセラミックスが用いられるが、これに限定されるものではない。
【0070】
内部基板2204は、磁気回転子2200を内部に取り付けるための抜き穴2208を誘電体材料によるこの基板2204の中央部に有している。基板2204の上面には、磁気回転子2200の端子電極2203a、2203b及び2203cが接続される所定パターンの容量電極2204a、2204b及び2204cが形成されている。さらに、この上面には、端子電極2203cが接続される容量電極2204cとグランド電極2204dとの間に、酸化ルテニウム等による終端抵抗2209が厚膜印刷によって形成されている。図示されていないが、基板2204の下面には全面にグランド電極が形成されており、容量電極2204a、2204b及び2204cとの間で所要の入出力容量が形成される。容量電極2204a及び2204bは入力端子及び出力端子をもそれぞれ構成しており、グランド電極2204dはグランド端子をも構成している。
【0071】
磁気回転子2200の形成方法について以下説明する。酸化イットリウム(Y23 )と酸化鉄(Fe23 )をモル比で3:5の割合で混合し、混合粉を1200℃で仮焼する。これによって得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕したのち、有機バインダー及び溶剤を添加し、磁性体スラリーを作製する。得られた磁性体スラリーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形する。成形したグリーンシートにビアホール用の穴をパンチングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜印刷法で中心導体のパターンを形成する。このとき、ビアホールの充填も同時に行う。導体材料としては、例えば銀ペーストが使用される。
【0072】
このように加工したグリーンシートを熱圧着し、積層体を得る。その後、所定の大きさの形状に切断し、1480℃で焼成する。次いで、この焼成体の一方の面全面にグランド導体を銀ペーストを焼き付けることによって形成する。さらに、焼成体側面に、端子電極2203a、2203b及び2203cと全面グランド導体及び中心導体の電極引き出し部分をつなぐグランド導体2202とを、銀ペーストを焼き付けることにより形成する。これにより、磁気回転子2200が得られる。
【0073】
この磁気回転子2200を、内部基板2204に取り付け、全面グランド電極及び内部基板2204の下面に形成されたグランド電極に接続されるグランド導体2210と、その下に誘電体層2207とを積層した後、永久磁石2205及び上下のヨーク2206を図22のように組み立てることにより、集中定数型アイソレータが形成される。
【0074】
セラミック材料で形成された誘電体層2207を挟むグランド導体2210とヨーク2206の一面とにより容量値Cs の付加容量が形成される。本実施形態による非可逆回路素子(サーキュレータ)の等価回路が図23に示されている。3つのインダクタを構成する中心導体の一端が結線された後に、グランドとの間に同相励振固有値を調整するための容量値がCs である容量2300が付加されている。この場合、容量値Cs は、同相励振のアドミッタンスのみに作用し、
【数4】
Figure 0003807071
となる。また、この実施形態では、入出力容量の一方の端は直接的にグランドに接続されず、グランド導体2210側に接続され、容量2300を介してグランドに接続されることとなる。
【0075】
図14及び図15から明らかなように、容量値Cs の容量2300を付加することにより、サーキュレータの動作周波数及び印加磁界を同時に下げられることが分かる。動作周波数を低下させる効果は、図14より、Cs ×C≦1500[pF2 ]の場合に顕著となることが分かる。従って、好ましいCs ×Cの範囲は、1500[pF2 ]以下となる。また、印加磁界を低下させる効果は、図15より、Cs ×C≦900[pF2 ]の場合に顕著となることが分かる。従って、より好ましいCs ×Cの範囲は、900[pF2 ]以下となる。
【0076】
本実施形態においても、前述した実施形態の場合と同様に、付加容量(容量値Cs )を追加することによって、アイソレーションの中心周波数が低下し、かつバイアス印加磁界が低下している。しかも温度特性も改善されている。
【0077】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0078】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、中心導体の一端に共通に接続されたグランド導体とグランドとの間に同相励振固有値のみを調整する容量を設けたので、動作周波数及び印加磁界を同時に下げることができる。動作周波数が下がればより小型の磁気回転子を使用することが可能となり、非可逆回路素子の小型化、軽量化及び低背化を図ることが可能となる。また、印加磁界が下がればより小型の永久磁石を使用することが可能となり、非可逆回路素子のさらなる小型化が可能となる。しかも、容量のみを追加するのみでよいため、その意味からも非可逆回路素子の小型化を図ることができる。
【0079】
また、この付加容量の容量値を選ぶことにより、単位磁界当りの周波数変化量dF/dHの値を任意に変化させることができる。dF/dHが増加すれば、バイアス磁界の温度特性の影響が非可逆回路素子の温度特性により強く寄与することとなり、バイアス磁界の温度特性が見かけ上大きくなったような効果を得ることができ、その結果、非可逆回路素子の温度特性が改善される。容量の容量値によりdF/dHが任意に変化させられるため、非可逆回路素子の温度特性も任意に調整できることとなり、ほとんど温度特性のない非可逆回路素子を実現できることになる。即ち、使用する材料を変更せずに、しかも挿入損失の悪化を招くこと無しに任意に温度特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の集中定数型サーキュレータにおける磁気回転子の分解斜視図である。
【図2】従来の集中定数型サーキュレータの組立の様子を示す分解斜視図である。
【図3】回転高周波磁界に対する磁性体の透磁率を示す特性図である。
【図4】従来のサーキュレータの等価回路図である。
【図5】同相励振固有値を調整するための直列共振回路を付加したサーキュレータの等価回路図である。
【図6】特公昭49−28219号公報に記載されているサーキュレータの等価回路図である。
【図7】本発明の非可逆回路素子の一実施形態である集中定数型アイソレータにおける全体構成及び組み立て順序を概略的に示す分解斜視図である。
【図8】図7の実施形態における中心導体及びグランド導体部分の折り重ね前の展開した状態を示す平面図である。
【図9】図7の実施形態における中心導体をフェライトコアに折り重ねて構成される組立体を示す平面図である。
【図10】図7の実施形態における集中定数型アイソレータを組み立てた後の構成を示す斜視図である。
【図11】図7の実施形態における非可逆回路素子の等価回路図である。
【図12】容量値Cs の容量を付加した場合のアイソレーションの特性図である。
【図13】容量値Cs の容量を付加し、印加磁界を最適化した場合のアイソレーションの特性図である。
【図14】容量値Cs を変化させた場合の動作周波数の変化を示す図である。
【図15】容量値Cs を変化させた場合の印加磁界の変化を示す図である。
【図16】容量値Cs を変化させた場合のdF/dHの変化を示す図である。
【図17】容量値Cs =1pFの容量を付加し、印加磁化を変化させた場合のアイソレーションの変化を示す図である。
【図18】容量値Cs の容量を付加しないで、印加磁化を変化させた場合のアイソレーションの変化を示す図である。
【図19】本発明の非可逆回路素子の他の実施形態である集中定数型アイソレータにおける磁気回転子の部分の構成を概略的に示す斜視図である。
【図20】図19のA−A線断面図である。
【図21】図19の実施形態における全体構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図22】本発明の非可逆回路素子のさらに他の実施形態である集中定数型アイソレータにおける全体構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図23】図22の実施形態における非可逆回路素子の等価回路図である。
【符号の説明】
700、1902、2202、2210 グランド導体
701a、701b、701c ストリップライン
702 フェライトコア
703 組立体
704、1904、2204 内部基板
704a、704b、704c、1904a、1904b、1904c、2204a、2204b、2204c 容量電極
704d、709d グランド電極
705 樹脂ケース
705a、705b 接続電極
705d グランド接続電極
706、1905、2205 永久磁石
707 上カバー
708 下カバー
709 端子基板
709a、709b 外部回路接続用面装着端子電極
709a′、709b′、709d′ 電極
710 絶縁シート
711、1908、2208 穴
712、1909、2209 終端抵抗
1900、2200 磁気回転子
1901 中心導体
1903a、1903b、1903c、2203a、2203b、2203c端子電極
1906、2206 ヨーク
1907、2207 誘電体層

Claims (7)

  1. 互いに絶縁された状態で交差する複数の中心導体と、該複数の中心導体に近接して設けられた磁性体と、該複数の中心導体の一端に共通に接続されたグランド導体とを備えており、入出力端とグランドとの間にそれぞれ入出力容量が形成されている非可逆回路素子であって、前記グランド導体と前記グランドとの間に同相励振固有値のみを調整する容量であって、その容量値をC [pF]、当該非可逆回路素子の並列共振容量値をC[pF]とした場合に、C ×C≦1500を満たす容量を設けたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記中心導体は、前記磁性体上に折り重ねて配置したストリップラインであることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記中心導体は、前記磁性体内に一体的に形成された導体であることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記容量は、電極間の誘電体材料として樹脂材料を用いた容量であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
  5. 前記容量は、電極間の誘電体材料としてセラミックスを用いた容量であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
  6. 前記容量は、前記磁性体と一体的に形成された容量であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
  7. 前記容量は、該容量の容量値をC[pF]、当該非可逆回路素子の並列共振容量値をC[pF]とした場合に、C×C≦900を満たす容量であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
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