JP3806993B2 - カチオン硬化性プレポリマーおよびそれを用いた活性エネルギー線硬化型塗料組成物 - Google Patents

カチオン硬化性プレポリマーおよびそれを用いた活性エネルギー線硬化型塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規カチオン硬化性プレポリマーおよびそれを用いた硬化性に優れる活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カチオン硬化技術は従来から公知であり、エポキシ化合物、カチオン光重合開始剤等の材料が広く市販されている。エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ化合物が硬化性に優れることが知られている。しかしながら、市販の脂環式エポキシ化合物は低分子量のものが多く、1分子中のエポキシ基の数は4個程度までである。このような低分子量の脂環式エポキシ化合物では、生産性向上のためには硬化速度が不十分である。
硬化速度を改善する技術として、特開平2−289611号公報に開示される脂環式エポキシ基を有するアクリル樹脂を用いる方法が挙げられるが、この方法をもってしてもまだ十分とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、硬化速度が速く、基材への密着が良好で、かつ硬化後に優れた物性を発現するカチオン硬化性プレポリマー、およびそれを用いた活性エネルギー線硬化型塗料組成物の提供を目的とする。
【0004】
本発明は、(A){( a )エポキシ基を2〜4個有する化合物と、( b )多価カルボン酸とを重付加反応させて得られるカチオン硬化性プレポリマーであって、さらに( a )のエポキシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポキシ基であるカチオン硬化性プレポリマー}5〜94.5重量%、(B)常温で液状のエポキシ化合物5〜94.5重量%、(C)光重合剤0.5〜15重量%を含んでなる、飲用缶内面および外面塗装用活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
また、本発明は、飲用缶内面および外面塗装用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を塗布した飲用缶に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のカチオン硬化性プレポリマーの出発原料となる(a)エポキシ基を2〜4個有する化合物の種類としては特に限定はないが、ノボラック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ、複素環式エポキシ、動植物油エポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。なかでも、エポキシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポキシ基である化合物を用いることが好ましい。
化合物(a)として具体的には、ノボラック型エポキシとしては「アラルダイトBY154−1(チバ・ガイギー社製)」、「アラルダイトXB4122(同)」、「アラルダイトECN1273(同)」、「アラルダイトECN1280(同)」、「アラルダイトECN1299(同)」、「アラルダイトEPN1138(同)」、「アラルダイトEPN1180(同)」、「アラルダイトGY1180(同)」、「エピクロンN−665(大日本インキ化学工業(株)製)」、「エピクロンN−695(同)」等が挙げられる。
【0007】
脂肪族エポキシとしては「デナコールEX−810(ナガセ(株)製)」、「デナコールEX−830(同)」、「デナコールEX−911(同)」、「デナコールEX−211(同)」、「デナコールEX−212(同)」、「デナコールEX−611(同)」、「デナコールEX−612(同)」、「デナコールEX−313(同)」、「デナコールEX−321(同)」、「デナコールEX−421(同)」、「デナコールEX−512(同)」等が挙げられる。
【0008】
脂環式エポキシとしては3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(市販品:「サイラキュアUVR−6110(ユニオン・カーバイド社製)等」、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(市販品:「ERL−4206(ユニオン・カーバイド社製)」等)、リモネンジオキシド(市販品:「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(市販品:「サイラキュアUVR−6128(ユニオン・カーバイド社製)等」、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン、「エポリードGT301(ダイセル化学工業(株)製)」、「エポリードGT302(同)」、「エポリードGT401(同)」、「エポリードGT403(同)」、「EHPE(同)」等が挙げられる。
【0009】
複素環式エポキシとしてはトリグリシジルイソシアヌレート(市販品:「TEPIC(日産化学工業(株)製)」、「アラルダイトPT810(チバ・ガイギー社製)」等)等が、植物油エポキシ化物としては「ダイマックS−300K(ダイセル化学工業(株)製)」、「ダイマックL−500(同)」等が、魚油エポキシ化物としては「EDHA70(ダイセル化学工業(株)製)」等が、エポキシ化ポリブタジエンとしては「E−1000−8.0(日本石油化学(株)製)」、「E−1800−6.5(同)」、「デナレックスR−45EPI(ナガセ化成工業(株)製)」、「デナレックスR−45EPT(同)」等が挙げられる。
【0010】
本発明のカチオン硬化性プレポリマーの出発原料となる(b)多価カルボン酸としては、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、イタコン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸(市販品:「リカシッドTH−W(新日本理化(株)製)」等)、ヘキサヒドロフタル酸(市販品:「リカシッドHH−W(同)」等)、イソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラメチルフタル酸、トリメリット酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明のカチオン硬化性プレポリマーは、化合物(a)と多価カルボン酸(b)との間で重付加反応を起こさせることにより得られる。なお、この反応は分子が鎖状に伸びていく単純な重付加反応ではなく、主反応であるエポキシ基とカルボキシル基との反応の他に種々の副反応が起こっていると思われる。カチオン硬化性プレポリマーの分子量は反応時間とともに増大していく。上記化合物(a)と多価カルボン酸(b)とは、化合物(a)のエポキシ基1モルに対し、多価カルボン酸(b)のカルボキシル基を0.05〜1モルの範囲で反応させることが好ましい。
【0013】
反応させる際には、必要に応じて触媒を使用し、反応温度には特に制限はないが、概ね50〜150℃である。触媒としては酸、塩基、リン化合物、金属化合物、有機金属化合物等が使用できる。酸触媒としては塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等が、塩基触媒としてはアミン、4級アンモニウム塩、DBU、イミダゾール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が、リン化合物としてはリン酸トリメチル、トリフェニルホスフィン等が、金属化合物としては塩化亜鉛、塩化アルミニウム等が、有機金属化合物としてはチタンアルコキシド、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
その他、得られる硬化性プレポリマーが常温で高粘度または固形の場合は、取り扱いを容易にするために、希釈剤を使用することが好ましい。希釈剤には非反応性のものと反応性のものとがある。非反応性希釈剤としては、汎用の有機溶剤を使用でき、その種類に特に限定はない。反応性希釈剤としては特に限定はないが、多価アルコール類、グリコールエーテル類、ビニルエーテル類、カプロラクトン、カプロラクトンポリオール、低分子エポキシ化合物、動植物油等がある。
【0015】
これらの具体例を述べると、多価アルコール類としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等が、グリコールエーテル類としてはエチレングリコールヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等が、ビニルエーテル類としてはヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル等が挙げられる。
【0016】
カプロラクトンとしては「プラクセルM(ダイセル化学工業(株)製)」等が、カプロラクトンポリオールとしては化合物(c)で例示したものが、低分子エポキシ化合物としてはビニルシクロヘキセンモノオキシド(市販品:「セロキサイド2000(ダイセル化学工業(株)製)」等)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(市販品:「ERL−4206(ユニオン・カーバイド社製)」等)、リモネンジオキシド(市販品:「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)」等)、シクロヘキセンオキシド、長鎖エポキシ化合物(「UVR−6126(ユニオン・カーバイド社製)」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール(市販品:「ETHB(ダイセル化学工業(株)製)」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートおよびそのカプロラクトン変性物(市販品:「サイクロマーM100(ダイセル化学工業(株)製)」、「サイクロマーM101(同)」、「サイクロマーA200(同)」等)が、動植物油としては大豆油、アマニ油、ヒマシ油、魚油等が挙げられる。
【0017】
上記のようにして得られるカチオン硬化性プレポリマーは、分子内にエポキシ基を多数有しており、たとえ一部のエポキシ基しか反応しなくても十分架橋するため、光照射直後に非常に高い硬度が発現する。また、未反応物として残留しにくいため、硬化後の耐性に優れるという特長を有する。
カチオン硬化性プレポリマーのエポキシ当量は、200〜2000g/molであることが好ましい。エポキシ当量が200未満のものを得ることは困難であり、2000g/molを越えるとカチオン反応による架橋反応が期待できない。また、重量平均分子量は2000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量が2000未満の場合は見かけの硬化速度が低下する恐れがあり、100000を越えると、著しく高粘度となるため実用に適さない。また、酸価は0〜50であることが好ましい。酸価が50を越えると保存安定性が低下する。
【0018】
本発明のカチオン硬化性プレポリマーは、常温で液状のエポキシ化合物および光重合開始剤と下記の組成で混合することにより、活性エネルギー線硬化型塗料組成物を得ることができる。
(A)本発明のカチオン硬化性プレポリマー 5〜94.5重量%、
(B)常温で液状のエポキシ化合物 5〜94.5重量%、
(C)光重合開始剤 0.5〜15重量%
【0019】
(B)常温で液状のエポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであればどのようなものを使用してもよい。種類としては特に限定はないが、ビスフェノール型等の汎用エポキシ樹脂や、ノボラック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ、動植物油エポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。(B)成分のうち、20〜100重量%は脂環式エポキシ化合物であることが好ましい。脂環式エポキシ化合物の比率が20%未満の場合、得られる塗料組成物の硬化速度が低下する恐れがある。
【0020】
化合物(B)の具体例を述べると、ビスフェノールA型エポキシとしては「エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エピコート815(同)」、「アラルダイトAER−250(チバ・ガイギー社製)」、「アラルダイトAER−2500(同)」、「アラルダイトAER−2600(同)」等が、ビスフェノールF型エポキシとしては「エピコート806(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エピコート807(同)」、「エピクロンS−129(大日本インキ化学工業(株)製)」、「エピクロン830(同)」等が挙げられる。
ノボラック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ、動植物油エポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエンとしては、化合物(a)で例示したものと同様の化合物を用いることができる。
【0021】
(C)光重合開始剤としては、カチオン光重合開始剤を使用することが好ましく、必要に応じてラジカル光重合開始剤を併用してもよい。
カチオン光重合開始剤としてはルイース酸のジアゾニウム塩、ルイース酸のヨードニウム塩、ルイース酸のスルホニウム塩、ルイース酸のホスホニウム塩等が挙げられる。具体例としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(市販品:「サイラキュアUVI−6990(ユニオン・カーバイド社製)」等)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(市販品:「サイラキュアUVI−6974(同)」等)、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、「サンエイドSI−60L(三新化学工業(株)製)」、「サンエイドSI−80L(同)」、「サンエイドSI−100L(同)」等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
ラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン(市販品:「カヤキュアBP−100(日本化薬(株)製)」等)、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド(市販品:「カヤキュアBMS(日本化薬(株)製)」等)、2,4−ジエチルチオキサントン(市販品:「カヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)」等)、2−イソプロピルチオキサントン(市販品:「エザキュアITX(ヘンケル白水(株)製)」等)、ベンゾイルエチルエーテル、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ−プロパン−1-オン(市販品:「イルガキュア907(チバ・ガイギー社製)」等)、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチル安息香酸イソアミル、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
活性エネルギー線硬化型塗料組成物は、その他必要に応じ、塗料の性能を低下させない範囲で、常温で固形のエポキシ樹脂、希釈剤、滑剤、ワックス、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、顔料、顔料分散剤、充填剤等の成分を含んでもよい。
常温で固形のエポキシ樹脂としては特に限定はないが、ビスフェノール型等の汎用エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ等が挙げられる。
【0024】
常温で固形のエポキシ樹脂の具体例を述べると、ビスフェノールA型エポキシとしては「エピコート1001(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エピコート1004(同)」、「エピコート1007(同)」、「エピコート1009(同)」、「アラルダイトAER−6001(チバ・ガイギー社製)」、「アラルダイトAER−6002(同)」、「アラルダイトAER−6004(同)」、「アラルダイトAER−6007(同)」、「アラルダイトAER−6009(同)」等が、ノボラック型エポキシとしては「アラルダイトECN1273(チバ・ガイギー社製)」、「アラルダイトECN1280(同)」、「アラルダイトECN1299(同)」、「アラルダイトEPN1138(同)」、「アラルダイトEPN1180(同)」、「アラルダイトGY1180(同)」、「エピクロンN−665(大日本インキ化学工業(株)製)」、「エピクロンN−695(同)」等が、脂環式エポキシとしては「EHPE(ダイセル化学工業(株)製)」、「EHPE−3150(同)」等が挙げられる。
【0025】
希釈剤には反応性のものと非反応性のものとがある。反応性希釈剤としては、カチオン硬化性プレポリマーの取り扱いを容易にするための希釈剤として例示したものと同様の多価アルコール類、グリコールエーテル類、ビニルエーテル類、カプロラクトン、カプロラクトンポリオール、低分子エポキシ化合物、動植物油等を使用できる。また、非反応性希釈剤としては汎用の有機溶剤を使用できる。
【0026】
上述の(A)〜(C)の必須成分および必要に応じて用いる成分は、適当な混合装置、攪拌装置、分散機を用いて適宜配合される。得られた塗料組成物は、硬化速度、硬度、基材への密着性に優れ、かつ耐レトルト性、機械加工性といった硬化後の物性が良好であるという特長を有する。
硬化に用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線、ガンマ線等があるが、本発明の塗料組成物に関してはこれらはいずれも利用できる。工業的には紫外線が多く用いられる。
【0027】
本発明の塗料組成物の用途としては特に限定はないが、飲料缶の内面および外面の塗装用に好適に用いることができる。本発明の塗料組成物は、適当な塗工装置で基材に塗布される。基材の種類に特に限定はないが、金属、樹脂フィルム等が挙げられる。飲料缶の場合、金属としては鉄、アルミニウムが、樹脂フィルムとしてはポリエステル(PET)が主に用いられる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明の権利範囲を何ら限定するものではない。実施例1〜の硬化性プレポリマーの合成に用いた化合物(a)のエポキシ当量、化合物(b)の分子量、化合物(a)のエポキシ基と化合物(b)のカルボキシル基とのモル比を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003806993
【0030】
[実施例1]
1分子中に平均4個の脂環式エポキシ基を有する化合物(a1)として「エポリードGT401(ダイセル化学工業(株)製)」225.0g、メチルエチルケトン97.38gをフラスコに仕込み50℃に加熱した。次に、多価カルボン酸(b1)としてアジピン酸7.3g、および触媒としてトリエチルアミン1.16gをメチルエチルケトン5gに希釈して加え、75℃に加熱し12時間反応させた。重量平均分子量11000、分子量分布(Mw/Mn)8.3、エポキシ当量265.3g/mol(固形分換算)、酸価6.6mgKOH/g(同)のカチオン硬化性プレポリマー(A1)を得た。
その後、希釈剤として「サイラキュアUVR−6110(ユニオン・カーバイド社製)」126.1gを加え、トラップを取り付けて120℃まで加熱しメチルエチルケトンを除去した。
【0031】
[実施例2]
1分子中に平均3個の脂環式エポキシ基を有する化合物(a2)として「エポリードGT301(ダイセル化学工業(株)製)」200.0g、メチルエチルケトン90gをフラスコに仕込み50℃に加熱した。次に、多価カルボン酸(b2)としてイソフタル酸27.7g、および触媒としてトリフェニルホスフィン1.13gをメチルエチルケトン10gに溶解して加え、90℃に加熱し8時間反応させた。重量平均分子量7800、分子量分布(Mw/Mn)7.6、エポキシ当量370.1g/mol(固形分換算)、酸価8.4mgKOH/g(同)のカチオン硬化性プレポリマー(A2)を得た。
その後、希釈剤としてリモネンジオキシド(「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)」)97.6gを加え、トラップを取り付けて120℃まで加熱しメチルエチルケトンを除去した。
【0032】
[実施例3]
1分子中に平均4個の脂環式エポキシ基を有する化合物(a3)として「エポリードGT401(ダイセル化学工業(株)製)」225.0g、多価カルボン酸(b3)としてコハク酸29.5gをフラスコに仕込み、100℃に加熱し6時間反応させた。重量平均分子量28000、分子量分布(Mw/Mn)10.6、エポキシ当量724.4g/mol、酸価14.2mgKOH/gのカチオン硬化性プレポリマー(A3)を得た。
その後、希釈剤としてリモネンジオキシド(「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)」)109.1gを加えた。
【0034】
[実施例5]
1分子中に3〜4個のエポキシ基を有する化合物(a5)として「デナコールEX−611(ナガセ化成(株)製)」340.0g、多価カルボン酸(b5)としてイソフタル酸33.2g、および触媒としてトリエチルアミン1.87gをフラスコに仕込み、80℃に加熱し12時間反応させた。重量平均分子量15000、分子量分布(Mw/Mn)7.9、エポキシ当量287.2g/mol、酸価9.3mgKOH/gのカチオン硬化性プレポリマー(A5)を得た。
その後、希釈剤としてリモネンジオキシド(「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)」)159.9gを加えた。
【0035】
[実施例6〜10]
以下に示す処方を配合し、紫外線硬化型塗料組成物を調製した。
Figure 0003806993
【0036】
なお、(A)カチオン硬化性プレポリマーとしては、それぞれ下記のものを用いた。
実施例6―――A1
実施例7―――A2
実施例8―――A3
実施例10――A5
【0037】
[比較例1]
実施例の配合処方の(A)カチオン硬化性プレポリマー13.82部を「サイラキュアUVR−6110」に置き換え、塗料組成物を調製した。
[比較例2]
実施例の配合処方の(A)カチオン硬化性プレポリマー13.82部を常温で液状の脂環式エポキシ基を有する化合物「エポリードGT401」(ダイセル化学工業(株)製)に置き換え、塗料組成物を調製した。
【0038】
得られた塗料組成物について、以下の3種類の試験で評価を行った。結果を表2に示す。
(1)低照射量試験
塗料組成物をバーコーター#4でポリエステルフィルムラミネート板に塗装し、直後にコンベアスピード120m/分の条件で、120W/cmの強度を有する超高圧水銀灯を備えたコンベア型紫外線照射装置を用いてUV照射し、タック(べたつき)が消失するまでの時間を計測するとともに照射1分後に鉛筆硬度試験、密着性試験を下記の方法で行った。
鉛筆硬度試験:JIS K 5400の6・14項に準じて行った。
密着性試験:カッターナイフでクロスカット(+印状)を入れた後セロハンテープ剥離を行い、剥離した面積を目視で計測した。
【0039】
(2)高照射量試験
塗料組成物をバーコーター#4でポリエステルフィルムラミネート板に塗装し、直後にコンベアスピード40m/分の条件で、240W/cmの強度を有するメタルハライドランプを備えたコンベア型紫外線照射装置を用いてUV照射し、1分後に鉛筆硬度試験、密着性試験、傷つき性試験を行った。鉛筆硬度試験、密着性試験は低照射量試験と同様に行った。傷つき性試験は試験体を爪でこすり、傷が付くかどうかを観察した(○:傷が付かない、×:傷が付く)。
【0040】
(3)熱処理試験
高照射量試験と同様の条件で紫外線照射した後、熱風炉にて200℃/100秒で熱処理を行った。室温に戻してから、鉛筆硬度試験、密着性試験、耐レトルト性試験、加工性試験を下記の方法で行った。なお、鉛筆硬度試験、密着性試験は低照射量試験と同様にして行った。
耐レトルト性試験:蒸気滅菌機を使用して130℃/30分の条件でレトルト処理し、白化の有無の観察および密着性試験を行った。
【0041】
加工性試験:エリクセン押し出しで14cmの高さに成形後、上記と同様にレトルト処理を行った。その後エッジ部でセロハンテープ剥離を行い、剥離具合を観察した。評価は下記に示す5段階で行った。
5:全く剥離が見られない。
4:スポット状の剥離が少数見られる。
3:スポット状の剥離が多数見られる。
4:連続面状の剥離が見られる。
3:全面的な剥離が見られる。
【0042】
【表2】
Figure 0003806993
【0043】
【発明の効果】
本発明により、硬化速度、硬度、基材への密着性に優れ、かつ耐レトルト性、機械加工性といった硬化後の物性が良好な塗料組成物はが得られた。

Claims (2)

  1. (A){( a )エポキシ基を2〜4個有する化合物と、( b )多価カルボン酸とを重付加反応させて得られるカチオン硬化性プレポリマーであって、さらに( a )のエポキシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポキシ基であるカチオン硬化性プレポリマー}5〜94.5重量%、(B)常温で液状のエポキシ化合物5〜94.5重量%、(C)光重合剤0.5〜15重量%を含んでなる、飲用缶内面および外面塗装用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  2. 請求項1記載の飲用缶内面および外面塗装用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を塗布した飲用缶。
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