JP2008303308A - 硬化性組成物および光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、良好な近赤外線吸収及び可視光透過特性を有するとともに不活性ガス置換することなく薄膜硬化できる硬化性組成物及びそれを用いて作製された光学フィルタを提供することにある。
【解決手段】エポキシ化合物、硬化剤および、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つを含有することを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ化合物、硬化剤および、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つを含有することを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ化合物、銅錯体化合物を含有する硬化性組成物及びそれを用いて作製される光学フィルタに関する。
光学機器などの光学系材料を扱う分野においては、必要に応じ特定の波長の光を吸収する光学フィルタが用いられる。
例えば、近赤外光吸収特性を有する従来の光学フィルタとして、リン酸エステル化合物、及び銅イオンを主成分とするイオン性金属成分を含有する光学フィルタが知られている(特許文献1参照)。この光学フィルタは、近赤外光を効率よく吸収する一方で、可視光の透過率が高いという特性を有しており、可視光の透過と近赤外光の遮断とが必要とされる用途、例えば、窓用の熱線吸収部材や、視感度補正フィルタ、ディスプレイの前面板等に適用される。
また、耐湿性が改良された光学フィルタとして、アクリル系重合基を持つリン酸エステル銅錯体を用いることにより作製された光学フィルタが知られている(特許文献2参照)。
近年光学系材料はより高品質、小サイズ化が望まれてきており、光学フィルタも小サイズ、薄膜のものが必要とされている。
しかしながら、従来の方法においては、小サイズ、薄膜でフィルタを作製する際、例えば重合により光学フィルタを作製する場合、窒素等の不活性ガスで置換し酸素による重合阻害を低減させながら硬化する必要があるなど、光学フィルタを作製するための方法は効率的に不充分なものであった。
特開平6−118228号公報
特開2001−154015号公報
本発明の目的は、良好な近赤外線吸収及び可視光透過特性を有するとともに不活性ガス置換することなく薄膜硬化できる硬化性組成物及びそれを用いて作製された光学フィルタを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.エポキシ化合物、硬化剤および、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つを含有することを特徴とする硬化性組成物。
2.エポキシ化合物、硬化剤、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体を含有することを特徴とする1に記載の硬化性組成物。
3.さらにオキセタン化合物を含有することを特徴とする1または2に記載の硬化性組成物。
4.前記硬化剤が酸発生剤であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
5.前記硬化剤が酸無水物であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
6.さらにアミン化合物を含有することを特徴とする5に記載の硬化性組成物。
7.前記酸無水物が、テトラヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸の誘導体であることを特徴とする5または6に記載の硬化性組成物。
8.前記エポキシ化合物が、脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
9.1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物からなる光吸収層を有することを特徴とする光学フィルタ。
1.エポキシ化合物、硬化剤および、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つを含有することを特徴とする硬化性組成物。
2.エポキシ化合物、硬化剤、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体を含有することを特徴とする1に記載の硬化性組成物。
3.さらにオキセタン化合物を含有することを特徴とする1または2に記載の硬化性組成物。
4.前記硬化剤が酸発生剤であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
5.前記硬化剤が酸無水物であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
6.さらにアミン化合物を含有することを特徴とする5に記載の硬化性組成物。
7.前記酸無水物が、テトラヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸の誘導体であることを特徴とする5または6に記載の硬化性組成物。
8.前記エポキシ化合物が、脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
9.1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物からなる光吸収層を有することを特徴とする光学フィルタ。
本発明の上記構成により、良好な近赤外線吸収及び可視光透過特性を有するとともに不活性ガス置換することなく薄膜硬化できる硬化性組成物及びそれを用いて作製された光学フィルタが提供できた。
本発明は、硬化性組成物であって、エポキシ化合物と、硬化剤と、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つとを含有することを特徴とする。
本発明は、特にリン酸エステル銅錯体またはカルボン酸銅錯体と、エポキシ化合物、硬化剤を共存させることにより、良好な近赤外線吸収及び可視光透過特性を有するとともに重合する際に、不活性ガス置換することなく薄膜硬化できる、感光性組成物及びそれを用いて作製された光学フィルタが提供できる。
(リン酸エステル銅錯体)
本発明に係るリン酸エステル銅錯体は、リン酸エステル基を有する化合物と銅との錯体であり、リン酸エステル基を有する化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
本発明に係るリン酸エステル銅錯体は、リン酸エステル基を有する化合物と銅との錯体であり、リン酸エステル基を有する化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(1)中、Rは、下記式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)若しくは(9)で表される基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルケニル基を示し、nは1又は2であり、nが1のときにRは同一であっても異なっていてもよい。
アルキル基としては炭素数1〜20のアルキル基が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が、アルケニル基としては、例えばオレイル基などの炭素数1〜20のアルケニル基などが挙げられる。
式(2)〜(9)中、R11〜R17は炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が6〜20のアリール基又はアラルキル基を示し(ただし、芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子が、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲンによって少なくともひとつ置換されていてもよい)、R21〜R25は水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基を示し(ただし、R23、R24、R25が全て水素原子の場合を除く)、R31及びR32は炭素数が1〜6のアルキレン基を示し、R41は炭素数が1〜10のアルキレン基を示し、R51及びR52は炭素数が1〜20のアルキル基を示し、R61は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜6の整数を示し、kは0〜5の整数を示し、pは2〜97の整数を示し、rは1〜4の整数を示す。
式(1)で表される化合物の具体例を下記に挙げるがこれらに限られるものではない。
本発明に係るリン酸エステル銅錯体は、以下のように、リン酸エステル化合物と銅イオンの供給源である銅塩との反応により得られる。銅塩としては、例えば酢酸銅、酢酸銅一水和物、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等の有機酸の銅塩無水物や水和物、或いは水酸化銅や、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩の無水物や水和物が挙げられる。
リン酸エステル化合物(以下、「特定のリン酸エステル化合物」という)と銅塩との反応は、適宜の条件下で両者を接触させることにより行われる。具体的には、下記(イ)、(ロ)、(ハ)の方法等を用いることが可能である。
(イ)特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを混合して両者を反応させる方法。
(ロ)適宜の有機溶剤中において特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させる方法。
(ハ)特定のリン酸エステル化合物が有機溶剤中に含有されて成る有機溶剤層と、銅塩が溶解又は分散されて成る水層とを接触させることにより、特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させる方法。
(イ)特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを混合して両者を反応させる方法。
(ロ)適宜の有機溶剤中において特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させる方法。
(ハ)特定のリン酸エステル化合物が有機溶剤中に含有されて成る有機溶剤層と、銅塩が溶解又は分散されて成る水層とを接触させることにより、特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させる方法。
また、この特定のリン酸エステル化合物と銅塩との反応条件は、反応温度が0〜150℃、好ましくは20〜120℃であり、反応時間が0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜7時間である。
上記(ロ)の方法において用いられる有機溶剤としては、用いられる特定のリン酸エステル化合物を溶解又は分散し得るものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン、ケロシン、石油エーテル等が挙げられる。また、(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等の重合性を有する有機溶剤も用いられる。
一方、上記(ハ)の方法において用いられる有機溶剤としては、水に不溶又は難溶であって、用いられる特定のリン酸エステル化合物を溶解又は分散し得るものであれば、特に限定されず、例えば、(ロ)の方法において用いられる有機溶剤として例示したもののうち、芳香族化合物、エーテル類、エステル類、ヘキサン、ケロシン、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
また、銅塩として酸塩を用いた場合には、特定のリン酸エステル化合物と銅塩との反応において、銅塩から陰イオンである酸成分が遊離される。このような酸成分は、光学フィルタの耐湿性及び熱安定性を低下させる原因となり得るため、必要に応じて除去することが好ましい。上記(イ)又は(ロ)の方法によりリン酸エステル銅錯体を製造する場合には、特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させた後、生成された酸成分((ロ)の方法においては生成された酸成分及び有機溶剤)を蒸留によって除去することができる。
さらに、上記(ハ)の方法によってリン酸エステル銅錯体を製造する場合には、酸成分を除去する好ましい方法として、水に不溶又は難溶の有機溶剤に特定のリン酸エステル化合物が含有されて成る有機溶剤層に、アルカリを添加することによって中和した後、この有機溶剤層と銅塩が溶解又は分散された水層とを接触させることより、特定のリン酸エステル化合物と銅塩とを反応させ、その後、有機溶剤層と水層とを分離する方法がある。
ここで、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この方法によれば、銅塩から遊離される酸成分とアルカリとによって水溶性の塩が形成され、この塩が水層に移行するとともに、生成される特定のリン酸エステル銅化合物は有機溶剤層に移行するため、この水層と有機溶剤層とを分離することにより、酸成分が除去される。
さらに、上記式(2)、式(3)、式(6)、又は式(7)で表されるリン酸エステル化合物におけるアルキレンオキサイド基の繰り返し単位数mは、1〜6、好ましくは1〜3の整数である。このmの値が6を超えると、例えば、樹脂組成物としたときの硬度が大幅に低下する。一方、mの値が0、すなわちアルキレンオキサイド基が結合されていない場合には、樹脂組成物とする場合に、銅イオンを樹脂中に分散させることが困難となる。
また、上記式(8)におけるアルキレンオキサイド基の繰り返し単位数kは、0〜5、好ましくは0〜2の整数である。このkの値が5を超える場合には、樹脂組成物としたときの硬度が低下する傾向にある。さらに、式(9)におけるアルキレンオキサイド基の繰り返し単位数rは、1〜4の整数である。このrの値が4を超えるものは、樹脂組成物としたときの吸湿性が高くなり、成形品の伸縮が発生しやすい傾向にある。特に、長期間の使用において、周囲環境の湿度変化による伸びや縮みによって、例えば、表面被覆層がある場合に、その表面被覆層の劣化が進行することがある。また、rの値が4を超えると、成形品の剛性又は硬度が低下してしまい、板状部材に必要な所望の機械的強度が得られにくい傾向にある。さらに、rの値が4を超える場合には、成形品に対して十分な耐熱性を得られないおそれがある。
またさらに、リン酸エステル化合物及びリン酸エステル銅化合物の熱的安定性の観点から、上記アルキレンオキサイド基の繰り返し単位数mが1であると特に好適である。このmが1であるアルキレンオキサイド基を有するリン酸エステル化合物の銅塩及びリン酸エステル銅化合物は、mが2以上の整数であるアルキレンオキサイド基を有するものに比して、高い熱分解温度を有する傾向があり、mが1であるアルキレンオキサイド基を有するリン酸エステル化合物の銅塩及びリン酸エステル銅化合物を含む組成物を熱成形する際に、その成形温度を高めることができる。よって、成形が容易となり、成形加工性をより向上することが可能となる。
また、mが1であるアルキレンオキサイド基を有するリン酸エステル化合物の銅塩及びリン酸エステル銅化合物は、mが2以上の整数であるアルキレンオキサイド基を有するものに比して、耐湿性に優れる傾向にある。具体的には、mが1であるアルキレンオキサイド基を有するリン酸エステル化合物の銅塩及びリン酸エステル銅化合物を用いた光学フィルタは、高温多湿の環境下でも可視光透過率の経時的な劣化が殆ど無いのに対し、mが2以上の整数であるアルキレンオキサイド基を有するものは、経時的な劣化が比較的起こりやすい傾向にある。
なお、上述したように、特定のリン酸エステル化合物としては、モノエステルかジエステルが用いられるが、上記式(1)において水酸基が結合していないトリエステルは、銅イオンと配位結合及び/又はイオン結合が可能な水酸基を有しないため、樹脂組成物とする場合等に銅イオンを樹脂中に分散させることが困難である。
またさらに、式(2)〜(6)におけるR11〜R17は炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2のアルキル基、又は、炭素数が6〜20のアリール基若しくはアラルキル基である(ただし、芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子が、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲンによって少なくともひとつ置換されていてもよい)。
また、式(7)におけるR51、及び式(8)におけるR52は炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2のアルキル基である。これらR11〜R17、R51及びR52の炭素数が20を超えるリン酸エステル化合物は、樹脂組成物とした場合に、樹脂との相溶性が低下する場合があり、樹脂中に銅イオンを分散させ難い。
また、式(2)におけるR21、式(3)におけるR22、及び式(6)におけるR23〜R25は、炭素数が1〜4のアルキル基である(ただし、R23、R24、R25が全て水素の場合を除く)。すなわち、式(2)及び式(3)におけるアルキレンオキサイド基としては、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基等が挙げられ、式(6)におけるアルキレンオキサイド基としてはブチレンオキサイド基等が挙げられる。これらのなかでは、プロピレンオキサイド基を有するものが好ましい。また、これらR21〜R25の炭素数が4を超える場合には、高い割合で分散させることが困難となる。
さらに、式(7)におけるR31、及び式(8)におけるR32は、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4、更に好ましくは3〜4、特に好ましくは3のアルキレン基である。すなわち、アルキレンオキサイド基(OR31、OR32)としては、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基などが挙げられ、特にプロピレンオキシ基及びブチレンオキシ基が好ましい。
このR31及びR32の炭素数が6を超える場合には、(A)成分及び/又は(B)成分を溶媒や樹脂中に高い割合で分散させることが困難である。またさらに、式(8)におけるR41は、炭素数が1〜10、好ましくは3〜6、更に好ましくは3〜4、特に好ましくは3のアルキレン基である。さらにまた、式(9)におけるR61は水素原子又はメチル基である。
硬化性組成物中のリン酸エステル銅錯体の含有量としては、光学フィルタとしたときの光学特性および硬化性の面から、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
(カルボン酸銅錯体)
本発明に係るカルボン酸銅錯体は、カルボン酸基を有する化合物を配位子として有する銅錯体であり、酢酸銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等の有機酸の銅塩無水物が挙げられる。
本発明に係るカルボン酸銅錯体は、カルボン酸基を有する化合物を配位子として有する銅錯体であり、酢酸銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等の有機酸の銅塩無水物が挙げられる。
これらのなかでは、酢酸銅、酢酸銅一水和物、安息香酸銅が好ましく用いられる。
硬化性組成物中のカルボン酸銅錯体の含有量としては、光学フィルタとしたときの光学特性および硬化性の面から、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、光学特性および硬化性の面から、リン酸エステル銅錯体とカルボン酸銅錯体とを含むことが好ましく、両者の比は1:5〜5:1であることが好ましい。
(エポキシ化合物)
本発明に用いられるエポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
本発明に用いられるエポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシド(芳香族エポキシ化合物)として好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシド(脂環式エポキシ化合物)としては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシド(脂肪族エポキシ化合物)の好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、硬化性の面から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
エポキシ化合物の含有量は、硬化性組成物に対して、10〜95質量%が好ましい。硬化剤に酸発生剤を用いる場合は、10〜70質量%が好ましい。また硬化剤に酸無水物を用いる場合、40〜60質量%が好ましい。
(硬化剤)
本発明の硬化性組成物は、硬化剤を含有する。硬化剤は、加熱あるいは活性光線の照射によりエポキシ樹脂を硬化させ得るものである。硬化剤としては酸発生剤あるいは酸無水物が好ましく用いられ、酸無水物を含有する場合は硬化促進剤としてアミン化合物を含有することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、硬化剤を含有する。硬化剤は、加熱あるいは活性光線の照射によりエポキシ樹脂を硬化させ得るものである。硬化剤としては酸発生剤あるいは酸無水物が好ましく用いられ、酸無水物を含有する場合は硬化促進剤としてアミン化合物を含有することが好ましい。
(酸発生剤)
酸発生剤は、光または熱により酸を発生しうる化合物であり、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。以下に、光により酸を発生する光酸発生剤、熱により酸を発生しうる熱酸発生剤の、好適な化合物の例を以下に挙げる。
酸発生剤は、光または熱により酸を発生しうる化合物であり、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。以下に、光により酸を発生する光酸発生剤、熱により酸を発生しうる熱酸発生剤の、好適な化合物の例を以下に挙げる。
(光酸発生剤)
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4-、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4-、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明においては、これらの光酸発生剤の増感剤として、特開2005−113043号公報に記載の多環芳香族化合物、カルバゾール誘導体、チオキサントン誘導体などを用いることができる。
(熱酸発生剤)
熱酸発生剤としては、モノアリルスルホニウム塩、Al塩などが挙げられ、例えば、特開2007−8919号公報の段落番号(68)〜(72)、特開2006−290998号公報の段落番号(23)〜(28)、特開平5−65331号公報の段落番号(26)〜(43)に記載のものを用いることができる。
熱酸発生剤としては、モノアリルスルホニウム塩、Al塩などが挙げられ、例えば、特開2007−8919号公報の段落番号(68)〜(72)、特開2006−290998号公報の段落番号(23)〜(28)、特開平5−65331号公報の段落番号(26)〜(43)に記載のものを用いることができる。
好ましい熱酸発生剤としては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アルミニウムキレートなどがある。具体的な例としては、芳香族スルホニウム塩としては三新化学工業製のSI−60L、SI−80L、SI−100L、旭電化工業製のCP−66、CP−77などがあり、アルミニウムキレートとしては、ダイセル化学工業製DAICAT EX−1などが挙げられる。
酸発生剤の含有量は、硬化性組成物のに対して、0.05〜10質量%が好ましく、特に0.1−3質量%が好ましい。
(酸無水物)
酸無水物としては、脂肪族酸無水物、例えば、ポリアゼライン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸など、脂環族酸無水物、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸(メタノテトラヒドロフタル酸)、無水メチルナジック酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物など、芳香族酸無水物、例えば、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸など、ハロゲン系酸無水物、例えば、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などが挙げられる。
酸無水物としては、脂肪族酸無水物、例えば、ポリアゼライン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸など、脂環族酸無水物、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸(メタノテトラヒドロフタル酸)、無水メチルナジック酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物など、芳香族酸無水物、例えば、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸など、ハロゲン系酸無水物、例えば、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などが挙げられる。
本発明においては、硬化性の面から酸無水物として、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸の誘導体を用いることが好ましい。
酸無水物の硬化性組成物中の含有量としては、40質量%〜60質量%が好ましい。
(アミン化合物)
現像促進剤として用いられるアミン化合物としては、直接エポキシ化合物と反応する−NH基を持たない3級アミン化合物あるいは4級アミン塩が好ましい。
現像促進剤として用いられるアミン化合物としては、直接エポキシ化合物と反応する−NH基を持たない3級アミン化合物あるいは4級アミン塩が好ましい。
3級アミンとしては、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
4級アミン塩としては、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの4級アミンの臭素塩、ジアザビシクロウンデセン(DBU)の有機酸塩等がある。
アミン化合物の酸無水物に対する含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、更に0.2〜5質量%が特に好ましい。
本発明においては、硬化性組成物がカチオン重合性の場合、重合性成分としてさらにオキセタン化合物、ビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、オキセタン基(トリメチレンオキシド基)を有する化合物であり、本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物が使用できる。
オキセタン化合物は、オキセタン基(トリメチレンオキシド基)を有する化合物であり、本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物が使用できる。
具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルを好ましく用いることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記重合性化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて併用してもよい。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じ、重合禁止剤、粘度調節剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じ、重合禁止剤、粘度調節剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
重合禁止剤としては、アミン化合物を用いることができ、2級、3級のアミン化合物、あるいは4級アミン塩を用いることが好ましい。また、塩基性化合物も添加することができる。代表的なものとして塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。
前記の塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。前記の塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様にアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリンおよびキノリジンなど含窒素複素環化合物などが挙げられるが、これらの中でも、光重合性モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。
塩基性化合物を存在させる際のその濃度は、重合性モノマーの総量に対して10〜1000質量ppm、特に20〜500質量ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
粘度調整剤としては、フィラーなどを含ませることが好ましい。フィラーとしては、例えばガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布があげられる。ガラス繊維の場合、厚みは特に限定されるものではないが、30〜300μmであることが好ましい。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラスなどがあげられ、中でもアルカリ金属が少ないEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。フィラーの屈折率は特に制限されないが、フィルタの透明性の面から、硬化後のフィルタの屈折率との差が0.01以下であることが望ましく、0.005以下がより好ましい。
劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来から公知の劣化防止剤があげられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の従来から公知のシランカップリング剤があげられる。また、上記脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の従来公知の脱泡剤があげられる。
(光学フィルタ)
本発明の光学フィルタは、硬化性組成物を硬化させた硬化物からなる光吸収層を有する。硬化性組成物を、硬化性組成物の成分に応じて、加熱または活性光線の照射を行うことで、硬化性組成物を硬化させることができる。
本発明の光学フィルタは、硬化性組成物を硬化させた硬化物からなる光吸収層を有する。硬化性組成物を、硬化性組成物の成分に応じて、加熱または活性光線の照射を行うことで、硬化性組成物を硬化させることができる。
硬化物からなる光吸収層の形成は、硬化性組成物を基材上に塗布し、薄膜化し、薄膜化された硬化性組成物を加熱または活性光線により照射することにより行うことができる。
本発明においては、硬化性組成物を薄膜化し、硬化させる際、特に不活性ガス置換などの操作を伴うことなく、加熱、活性光線の照射を行うことで硬化を行うことができる。
光学フィルタは、用途に応じ、上記薄膜化され硬化された光吸収層を基材から離して別の基材上に貼合してもよいし、塗布した基材をそのまま用いて光学フィルタとしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
下記組成の硬化性組成物をホモディスパー型攪拌機で均一に溶解混合することにより、硬化性組成物101〜112、201〜209、301〜303を得た。この硬化性組成物をガラス板上に300μm厚に塗布し、下記のように硬化し硬化膜を得た。
90℃の環境条件で、10分間加熱することにより、硬化した硬化膜を得た。
銅錯体(表1に記載) 20部
他の色剤(表1に記載) 3部
モノマー(表1に記載(表中モノマー組成はモル比を表す)) 60部
酸発生剤(表1、2に記載) 2部
硬化剤(表3に記載) 60部
硬化触媒(表3に記載) 1部
[吸収特性]
500nmと700nmの吸収差を分光光度計U−3010(日立製作所製)で評価した。
○:500nm透過率60%以上、700nm透過率10%未満
△:500nm透過率60%以上、700nm透過率20%未満
×:500nm透過率60%以上、700nm透過率20%以上
〔接着性〕
「硬化性評価」
(硬化膜擦り耐久性)
硬化膜の表面を擦り試験機(当社製)で100回擦りを行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した。
◎:100%変化無し
○:わずかに表面が削れているが実用上使用可能レベル
△:わずかに表面が削れているが実用上限定使用可能レベル
×:大部分が削れている。
他の色剤(表1に記載) 3部
モノマー(表1に記載(表中モノマー組成はモル比を表す)) 60部
酸発生剤(表1、2に記載) 2部
硬化剤(表3に記載) 60部
硬化触媒(表3に記載) 1部
[吸収特性]
500nmと700nmの吸収差を分光光度計U−3010(日立製作所製)で評価した。
○:500nm透過率60%以上、700nm透過率10%未満
△:500nm透過率60%以上、700nm透過率20%未満
×:500nm透過率60%以上、700nm透過率20%以上
〔接着性〕
「硬化性評価」
(硬化膜擦り耐久性)
硬化膜の表面を擦り試験機(当社製)で100回擦りを行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した。
◎:100%変化無し
○:わずかに表面が削れているが実用上使用可能レベル
△:わずかに表面が削れているが実用上限定使用可能レベル
×:大部分が削れている。
結果を表1、2、3に示す。
表1、2、3から、本発明の硬化性組成物を用いることにより、近赤外線吸収及び可視光透過特性が良好で、密着性が良好な硬化膜が得られていることが分かる。即ち、不活性ガス置換などの操作を行うことなく、近赤外線吸収及び可視光透過特性に優れる薄膜硬化物からなる光吸収層が得られ、光吸収特性に優れる光学フィルタが得られた。
2−EHP−C:リン酸−2−エチルヘキシル銅錯体(モノエステルとジエステルの混合物)
OLP−C:リン酸オレイル銅錯体(モノエステルとジエステルの混合物)
BA−C:安息香酸銅錯体
2−EHP−C/OLP−C=50/50(モル比)
2−EHP−C/CA−C=50/50(モル比)
HDDGE:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
DVE−3:トリエチレングリコールジビニルエーテル
DBU:1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
UVI−6992:トリフェニルスルフォニウム塩のプロピオンカーボネート50%液(ダウケミカル社製)
EPICLON850:エポキシ価192の液状エポキシ樹脂(大日本インキ・化学社製)
SI−100L:芳香族スルホニウム塩のプロピオンカーボネート66.6%液(三新化学工業(株)社製)
SI−150L:芳香族スルホニウム塩のプロピオンカーボネート66.6%液(三新化学工業(株)社製)
OLP−C:リン酸オレイル銅錯体(モノエステルとジエステルの混合物)
BA−C:安息香酸銅錯体
2−EHP−C/OLP−C=50/50(モル比)
2−EHP−C/CA−C=50/50(モル比)
HDDGE:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
DVE−3:トリエチレングリコールジビニルエーテル
DBU:1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
UVI−6992:トリフェニルスルフォニウム塩のプロピオンカーボネート50%液(ダウケミカル社製)
EPICLON850:エポキシ価192の液状エポキシ樹脂(大日本インキ・化学社製)
SI−100L:芳香族スルホニウム塩のプロピオンカーボネート66.6%液(三新化学工業(株)社製)
SI−150L:芳香族スルホニウム塩のプロピオンカーボネート66.6%液(三新化学工業(株)社製)
Claims (9)
- エポキシ化合物、硬化剤および、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体の少なくとも1つを含有することを特徴とする硬化性組成物。
- エポキシ化合物、硬化剤、リン酸エステル銅錯体およびカルボン酸銅錯体を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
- さらにオキセタン化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化剤が酸発生剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化剤が酸無水物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- さらにアミン化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の硬化性組成物。
- 前記酸無水物が、テトラヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸の誘導体であることを特徴とする請求項5または6に記載の硬化性組成物。
- 前記エポキシ化合物が、脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物からなる光吸収層を有することを特徴とする光学フィルタ。
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