JP4833491B2 - エネルギー重合性組成物に有用な促進剤 - Google Patents

エネルギー重合性組成物に有用な促進剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4833491B2
JP4833491B2 JP2002505879A JP2002505879A JP4833491B2 JP 4833491 B2 JP4833491 B2 JP 4833491B2 JP 2002505879 A JP2002505879 A JP 2002505879A JP 2002505879 A JP2002505879 A JP 2002505879A JP 4833491 B2 JP4833491 B2 JP 4833491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
epoxy
class
accelerator
iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002505879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004502003A (ja
JP2004502003A5 (ja
Inventor
エス. マホニー,ウェイン
エス. ウィレット,ペギー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2004502003A publication Critical patent/JP2004502003A/ja
Publication of JP2004502003A5 publication Critical patent/JP2004502003A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4833491B2 publication Critical patent/JP4833491B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/038Macromolecular compounds which are rendered insoluble or differentially wettable
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/68Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the catalysts used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/04Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring from cyclic ethers only
    • C08G65/06Cyclic ethers having no atoms other than carbon and hydrogen outside the ring
    • C08G65/08Saturated oxiranes
    • C08G65/10Saturated oxiranes characterised by the catalysts used
    • C08G65/105Onium compounds

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、カチオン硬化性材料を含有するエネルギー重合性組成物;カチオン硬化性材料と、少なくとも1種類の有機金属錯塩および少なくとも1種類の促進剤を含有する2成分開始剤系と、を含有するエネルギー重合性組成物に有用な促進剤;およびその組成物を硬化させる方法に関する。この方法は、硬化組成物を含む物品の製造にもまた関するものである。他の用途に加えて、その組成物は、成形物品として、耐摩耗性コーティングを含むコーティング組成物として、構造用接着剤を含む接着剤として、研磨材および磁気媒体のバインダーとして有用である。本発明は、有機金属錯塩および本明細書に開示のクラス1およびクラス2の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する物質の組成物にもまた関するものである。
【0002】
背景
有金属カチオンおよび非求核対アニオンを含む遷移金属塩は、カチオン付加重合の光化学活性化開始剤として有用性を有することが明らかになっている。これらの光開始剤塩には、アニオンPF6 -およびSbF6 -の(シクロペンタジエニル)(アレーン)鉄+塩が含まれる。同様に、これらの塩の特定の種類は、カチオン重合の熱活性硬化剤であることが知られている。
【0003】
多くの工業的用途では、重合されるモノマーは、多官能性(つまり、1分子あたりに1個を超える重合性基を含有する)、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)などのエポキシドであることが多い。エポキシドおよびポリアルコール(ポリオール)またはポリエポキシドおよびポリアルコールなどの多官能性モノマーの混合物は、段階成長メカニズムを経て酸触媒重縮合される。この記述には、多反応性モノマー−2種類以上の反応基を含むモノマーもまた含まれる。
【0004】
多くの用途において、光誘導重合は不可能であり、実用的でなく、または好ましくない。例えば、重合反応が閉じられた環境において(つまり、型または積層製品において)起こる、あるいは重合性組成物が、不透明顔料、熱活性化開始剤を含有する、多くの状況が好ましい。公知の有機金属塩などの熱活性化開始剤を使用して、これらの場合に重合を開始することが可能である。
【0005】
特定の用途の必要性を満たすために、エネルギー重合性組成物の重合速度および温度を変更できることが、引き続き必要とされている。
【0006】
本発明の概要
本発明は、カチオン硬化性材料を含有するエネルギー重合性組成物の重合が起こる温度に影響を及ぼすために使用することが可能な促進剤に関する。特に、有機金属塩開始剤をカチオン重合で使用する場合に、本発明の促進剤を使用して、重合温度を下げるか、または所定の温度でカチオン重合性材料の重合速度もしくは程度を変更することが可能となる。
【0007】
簡単に言えば、一態様において、本発明は、促進剤および有機金属錯体カチオンの少なくとも1種類の塩を用いて、カチオン硬化性材料を含有するエネルギー重合性組成物の硬化速度を増大するか、または硬化温度を下げる段階を含む方法であって、前記カチオンが、遷移金属原子に結合する少なくとも1個の炭素原子を含有し、かつ前記促進剤またはその活性部分が、クラス1および2
(クラス1は、式IIIによって示される化合物を含み、
クラス2は、式IVによって示される化合物を含む)から選択される少なくとも1種類の化合物を含む方法を提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、
(a)少なくとも1種類のカチオン硬化性材料と、
(b)(1)有機金属錯体カチオンの少なくとも1種類の塩であって、前記カチオンが、遷移金属原子に結合する少なくとも1個の炭素原子を含有する塩;
(2)クラス1およびクラス2の少なくとも1種類の促進剤、またはその活性部分(クラス1は、本明細書中で式IIIによって示される化合物を含み、クラス2は、本明細書中で式IVによって示される化合物を含む);を含有する2成分開始剤系と、を含むエネルギー重合性組成物を提供する。
【0009】
他の態様では、本発明は、以下の任意の成分:
(a)アルコール含有材料およびその他の補助剤のうちの少なくとも1種類;
(b)貯蔵寿命を改善するための安定化配位子;
(c)アミン、アミド、ニトリル、硫黄、もしくは亜リン酸基などの求核基、またはカルボン酸、スルホン酸などの金属錯化基を本質的に含まない、少なくとも1種類のフィルム形成熱可塑性オリゴマーまたはポリマー樹脂;
(d)付着性を改変するためのカップリング剤;のうちの1つまたは複数を有するエネルギー重合性組成物を提供する。
【0010】
他の態様において、本発明は、
(a)本発明のエネルギー重合性組成物を提供する段階;
(b)いずれかの組み合わせおよび順序で、熱、照射、および光の少なくとも1種類の形態で、組成物を重合するのに十分なエネルギーをその組成物に加える段階;を含む、組成物の硬化を調節または改変する方法を提供する。
【0011】
他の態様では、本発明は、その少なくとも1つの面上に本発明の組成物の層を有する基材を含む物品を提供する。その物品は、
(a)基材を提供する段階;
(b)本発明の硬化性組成物および任意に補助剤で、その基材をコーティングする段階;
(c)いずれかの組み合わせおよび順序で、熱、照射、および光の少なくとも1種類の形態で、組成物を重合するのに十分なエネルギーを組成物に加える段階;を含む方法によって提供することができる。
【0012】
他の態様では、本発明は、
(1)有機錯体カチオンの少なくとも1種類の塩であって、前記カチオンが、遷移金属原子に結合する少なくとも1個の炭素原子を含有する塩;
(2)クラス1およびクラス2からの少なくとも1種類の化合物、またはその活性部分(クラス1は、本明細書中で式IIIによって示される化合物を含み、クラス2は、本明細書中で式IVによって示される化合物を含む);を含有する物質の組成物を提供する。
【0013】
本明細書において使用する:
「エネルギー誘導硬化」とは、熱および光が、同時またはいずれかの順序で、例えば熱に続いて光、光に続いて熱、続いて光が使用されるように、熱、光(例えば、紫外線光、可視光)または照射(例えば、電子ビーム)によって、または熱手段と併用して光によって、硬化または重合することを意味し;
「触媒有効量」とは、指定された条件下にて、少なくとも組成物の粘度を増大させる程度に、硬化性組成物の重合生成物への重合を生じさせるのに十分な量であることを意味し;
「有機金属塩」とは、そのカチオンが、元素周期表(「Basic Inorganic Chemistry」,F.A.Cotton,G.Wilkinson,Wiley,1976,p.497)の転移金属系列の金属原子に結合する有機基の少なくとも1個の炭素原子を含有する、有機金属錯体カチオンのイオン塩を意味し;
「開始剤」および「触媒」は同義で用いられ、化学反応の速度を変化させることができる有機金属錯体カチオンの少なくとも1種類の塩を意味し;
「カチオン硬化性モノマー」とは、少なくとも1種類のエポキシド含有またはビニルエーテル含有材料を意味し;
本明細書で使用される「重合性組成物」または「硬化性組成物」とは、開始剤系とカチオン硬化性モノマーとの混合物を意味し;アルコールおよび補助剤は任意に存在することが可能であり;
「重合」または「硬化」とは、組成物の物理的状態を変化させ、それを流動状態からそれより低い流動状態へ変え、粘着状態から非粘着状態にし、可溶状態から不溶性状態にし、または化学反応におけるその消費により重合性材料の量を低減するのに十分なエネルギーを、いずれかの組み合わせおよび順序で、熱および光の少なくとも1種類の形態で組成物に加えることを意味し;
「開始系」、「開始剤系」、または「2成分開始剤」とは、有機金属錯体カチオンの少なくとも1種類の塩および少なくとも1種類の促進剤を意味し、その系は、重合を開始することが可能であり;
「促進剤」または「促進添加剤」とは、重合温度を下げるか、または所定の温度での重合速度または程度を増大するのを可能にすることによって、本発明の組成物の硬化を調節する、指定のクラスの化合物のうちの少なくとも1種類を意味し;
「エポキシ含有」とは、少なくとも1種類のエポキシを含有する材料を意味し、促進添加剤、安定化添加剤、充填剤、ジオール、および他の添加剤をさらに含有することが可能であり;
「基」または「化合物」または「配位子」とは、置換が見込まれる、または所望の生成物に干渉しない従来の置換基によって置換することが可能な化学種を意味し、例えば、置換基としては、アルキル、アルコキシ、アリール、フェニル、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、ニトロ等が挙げられ;
「エポキシ/ポリオール」および「触媒/添加剤」等とは、スラッシュ(「/」)の両側の物質の組み合わせを意味する。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施形態の利点は、その開始剤系が、本発明の促進剤を使用することなく開始した反応に必要な温度よりも低い温度で、熱もしくは光重合性組成物の硬化を開始することができることである。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施形態の他の利点は、その開始剤系が、所定の温度で、熱もしくは光重合性組成物の硬化を高めることができることである。例えば、所定の温度で、本発明の促進剤を使用せず開始した反応の硬化時間と比較して、硬化時間を短くすることができる。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施形態のさらに他の利点は、組成物中の触媒が活性化すると同時に、あるいは組成物が未硬化状態から硬化状態へと変化するに従って、硬化性組成部の色の変化に影響を及ぼす能力である。
【0017】
詳細な開示
本発明は、少なくとも1種類のカチオン重合性材料と、そのための開始系とを含有するエネルギー重合性組成物を提供し、その開始系は、少なくとも1種類の有機金属錯塩と、少なくとも1種類の促進剤とを含有する。その硬化組成物は、有用な物品または被覆物品を提供する。
【0018】
本発明の方法によって硬化または重合することができるエポキシ化合物は、カチオン重合を受け、かつ1,2−、1,3−、および1,4−環状エーテル(1,2−、1,3−、および1,4−エポキシドとも呼ばれる)を含むことが公知の化合物である。
【0019】
適切なエポキシ樹脂の説明には、「Encyclopedia of Polymer Science and Technology」,6,(1986),p.322を参照のこと。特に、有用な環状エーテルには、シクロヘキセンオキシドなどの脂環式エポキシおよびUnion Carbide社(ニューヨーク州ニューヨーク)から市販のERLシリーズタイプの樹脂、例えばビニルシクロヘキセンオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−メタ−ジオキサンが含まれ;プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、グリシドールなどのグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびこの材料の鎖伸長タイプ、例えばEPON828、EPON1001、EPON1004、EPON1007、EPON1009およびEPON2002を含むShell Chemical社(テキサス州ヒューストン)から市販のEPONシリーズタイプのエポキシ樹脂、または他の製造業者からのそれらの同等物、ジシクロペンタジエンジオキシド、Elf Atochem North America社(ペンシルヴェニア州フィラデルフィア)からVIKOLOXおよびVIKOFLEX樹脂として市販のエポキシ化アマニ油および大豆油などのエポキシ化植物油、Shell Chemical社(テキサス州ヒューストン)から市販のL−207などのエポキシ化KRATON LIQUIDポリマー、Elf Atochem North America社(ペンシルヴェニア州フィラデルフィア)から市販のPOLY BD樹脂などのエポキシ化ポリブタジエン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、フェノールホルムアルデヒドのポリグリシジルエーテル、Dow Chemical社(ミシガン州ミッドランド)から市販のDEN431およびDEN438などのエポキシ化フェノールノボラック樹脂、Ciba社(ニューヨーク州ホーソーン)から市販のARALDITE ECN1299などのエポキシ化クレゾールノボラック樹脂、レソルシノールジグリシジルエーテル、およびDaicel USA社(ニュージャージー州フォートリー)から市販のEPOFRIENDなど、EPOFRIEND樹脂などのエポキシ化ポリスチレン/ポリブタジエンブレンド、およびレソルシノールジグリシジルエーテルもまた含まれる。
【0020】
好ましいエポキシ樹脂には、ERLタイプの樹脂、特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−メタ−ジオキサンおよび2,2−ビス−[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルプロパンおよびこの材料の鎖伸長タイプを含むビスフェノールA EPONタイプの樹脂が含まれる。1種類を超えるエポキシ樹脂のブレンドを使用することもまた、本発明の範囲内である。
【0021】
共にブレンドした1種類または複数種のエポキシ樹脂を使用することもまた、本発明の範囲内である。
【0022】
カチオン硬化性材料としてビニルエーテルモノマーを使用することは、本発明の範囲内である。ビニルエーテル含有モノマーは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、第三−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル(RAPI−CURE DVE−3、International Specialty Products(ニュージャージー州ウェイン)から市販)、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(RAPI−CURE CHVE、International Specialty Products社)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPTVE、BASF社(ニュージャージー州オリーブ)から市販)およびVECTOMER2010、VECTOMER2020、VECTOMER4010、およびVECTOMER4020などのAllied Signal社から市販のVECTOMERジビニルエーテル樹脂、または他の製造業者からのそれらの同等物が含まれる。1種類を超えるビニルエーテル樹脂のブレンドを使用することは、本発明の範囲内である。
【0023】
1種類または複数種のビニルエーテル樹脂とブレンドした1種類または複数種のエポキシ樹脂を使用することもまた、本発明の範囲内である。異なる種類の樹脂が、いずれかの比率で存在することが可能である。
【0024】
2官能性モノマーを使用することも可能であり、本発明で有用な例は、少なくとも1種類のカチオン重合性官能基、またはカチオン重合性モノマーと共重合する官能基、例えばエポキシ−アルコールの共重合を可能にするであろう官能基を有する。
【0025】
2種類以上の重合性組成物が存在する場合、それらはいずれかの比率で存在することが可能である。
【0026】
開始剤系の有機金属錯体カチオンの適切な塩には、限定されないが、米国特許第5,089,536号(コラム2,48行目〜コラム16,10行目)に開示の塩が含まれる。
【0027】
本発明の好ましい組成物では、開始剤系の有機金属錯塩は、以下の式:
[(L1y(L2zM]+qn (I)
(式中、Mは、Cr、Ni、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、RhおよびIrを含む群から選択され;
1は、芳香族化合物および複素環式芳香族化合物から選択することができる、パイ電子を寄与する同一または異なる配位子を表し、その配位子は、Mの価電子殻に6個のパイ電子を寄与することが可能であり;
2は、シクロペンタジエニルおよびインデニルアニオン基から選択することができる、パイ電子を寄与する同一または異なる配位子を表し、その配位子は、Mの価電子殻に6個のパイ電子を寄与することが可能であり;
qは、1または2の値を有する整数、錯体カチオンの残留電荷であり;
yおよびzは、yとzの和が2に等しいという条件で、0、1、または2の値を有する整数であり;
Xは、トリス−(高フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチド、テトラキス−(フッ素化アリール)ボレート、有機スルホン酸塩アニオン、および金属または半金属のハロゲン含有錯体アニオンであり;
nは、1または2の値を有する整数、錯体カチオン上の電荷qを中和するのに必要な錯体アニオンの数である)によって表される。
【0028】
配位子L1およびL2は、遷移金属の有機金属化合物分野ではよく知られている。
【0029】
配位子L1は、化合物の総分子量にかかわらず、接近可能な芳香族基を有するモノマーまたはポリマー化合物によって提供される。「接近可能」とは、不飽和基を有する化合物(または接近可能な化合物がそれから調製される、前駆体化合物)が、アルコール、例えばメタノール;ケトン、例えばメチルエチルケトン;エステル、例えば酢酸アミル;ハロゲン化炭素、例えばトリクロロエチレン;アルカン、例えばデカリン;芳香族炭化水素、例えばアニソール;エーテル、例えばテトラヒドロフラン;などの反応媒体に可溶性であるか、あるいは不飽和基(つまり、芳香族基)が不飽和基とMとの間のパイ結合を形成する金属に十分接近するように、その化合物が、高表面積の非常に微細な粒子に分割可能であることを意味する。ポリマー化合物とは、以下に説明するように、配位子がポリマー鎖上の基であることが可能であることを意味する。
【0030】
配位子L1の実例は、25個までの環、および100個までの炭素原子、および窒素、硫黄、過酸化物の酸素、リン、ヒ素、セレン、ホウ素、アンチモン、テルル、ケイ素、ゲルマニウム、およびスズから選択される10個までのヘテロ原子を有する、置換および未置換炭素環式および複素環式芳香族配位子であり、例えば、η6−ベンゼン、η6−メシチレン、η6−トルエン、η6−p−キシレン、η6−o−キシレン、η6−m−キシレン、η6−クメン、η6−ズレン、η6−ペンタメチルベンゼン、η6−ヘキサメチルベンゼン、η6−フルオレン、η6−ナフタレン、η6−アントラセン、η6−ペリレン、η6−クリセン、η6−ピレン、η6−トリフェニルメタン、η6−パラシクロファン、およびη6−カルバゾールである。他の適切な芳香族化合物は、多くの化学手引書のいずれかを調べて見つけることができる。
【0031】
配位子L2の実例は、置換および未置換η5−シクロペンタジエニルアニオン、例えばη5−シクロペンタジエニルアニオン、η5−メチルシクロペンタジエニルアニオン、η5−ペンタメチルシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリメチルスズシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリフェニルスズシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリフェニルシリルシクロペンタジエニルアニオン、およびη5−インデニルアニオンから誘導される配位子である。
【0032】
配位子L1およびL2のそれぞれは、金属原子への配位子の錯化作用に干渉しない、または金属原子との競争が起こらない範囲内で配位子の可溶性を低減しない基によって置換することができる。置換基の例は、そのすべてが、30個未満の炭素原子、窒素、硫黄、過酸化物の酸素、リン、ヒ素、セレン、ホウ素、アンチモン、テルル、ケイ素、ゲルマニウム、スズおよびホウ素から選択される10個までのヘテロ原子を有することが好ましく、メチル、エチル、ブチル、ドデシル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベンジリデン、エテニルおよびエチニルなどのヒドロカルビル;シクロヘキシルなどのシクロヒドロカルビル;メトキシ、ブトキシおよびフェノキシなどのヒドロカルビルオキシ基;メチルメルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チオフェノキシ)などのヒドロカルビルメルカプト基;メトキシカルボニルおよびフェノキシカルボニルなどのヒドロカルビルオキシカルボニル;ホルミル、アセチル、およびベンゾイルなどのヒドロカルビルカルボニル;アセトキシおよびシクロヘキサンカルボニルオキシなどのヒドロカルビルカルボニルオキシ;ヒドロカルビルカルボンアミド、例えばアセトアミド、ベンズアミド;アゾ;ボリル;ハロ、例えばクロロ、ヨード、ブロモ、およびフルオロ;ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;ニトロソ;オキソ;ジメチルアミノ;ジフェニルホスフィノ;ジフェニルアルシノ;ジフェニルスチビン;トリメチルゲルマン;トリブチルスズ;メチルセレノ;エチルテルロ;およびトリメチルシロキシが含まれる。
【0033】
配位子L1およびL2は独立して、ポリマーの単位であることが可能である。L1は例えば、ポリスチレンまたはポリメチルフェニルシロキサンにおけるフェニル基;またはポリビニルカルバゾールにおけるカルバゾール基であることが可能である。L2は例えば、ポリ(ビニルシクロペンタジエン)におけるシクロペンタジエン基であることが可能である。1,000,000以上の平均分子量を有するポリマーを使用することができる。ポリマーに存在する芳香族基の5〜50%が、金属カチオンと錯化することが好ましい。
【0034】
上述の他に、コーティング組成物中の有機金属錯体カチオンのイオン塩における対イオンとして使用される、式Iにおける適切なアニオンXは、次式:
DQr (II)
(式中、Dは、元素周期表(CAS表記)の第IB〜VIIB族およびVIII族の金属、第IIIA〜VA族の金属または半金属であり、
Qは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換フェニル基、または置換もしくは未置換アルキル基であり、
rは、1〜6の値を有する整数である)によってXを表すことができるものである。
【0035】
その金属は、銅、亜鉛、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルであることが好ましく、その半金属は、ホウ素、アルミニウム、アンチモン、スズ、ヒ素、およびリンであることが好ましい。ハロゲン原子Qは、塩素またはフッ素であることが好ましい。適切なアニオンの実例としては、B(フェニル)4 -、B(フェニル)3(アルキル)-(アルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等である)、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、FeCl4 -、SnCl5 -、SbF5OH-、AlCl4 -、AlF6 -、GaCl4 -、InF4 -、TiF6 -、ZrF6 -、B(C654 -、B(C63(CF324 -が挙げられる。
【0036】
有機金属錯体カチオンのイオン塩における対イオンとして使用の式Iにおける他の適切なアニオンXには、Xが有機スルホネートであるものが含まれる。適切なスルホネート含有アニオンの実例としては、CH3SO3 -、CF3SO3 -、C65SO3 -、p−トルエンスルホネート、p−クロロベンゼンスルホネートおよび関連する異性体が挙げられる。その他の適切なアニオンには、米国特許第5,554,664号に記載のように、トリス−(高フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチドが含まれる。アニオンは、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、SbF5OH-、AsF6 -、SbCl6 -、CF3SO3 -、C(SO2CF33 -、およびN(SO2CF32 -であることが好ましい。
【0037】
有機金属塩は、当技術分野で公知であり、例えば、欧州特許第094,914号、同第094,915号、同第126,712号、および米国特許第5,089,536号、同第5,059,701号、同第5,191,101号に開示されているように調製することができる。2置換フェロセン誘導体もまた、J.Amer.Chem.Soc.,1978,100,7264に記述されている一般手順によって調製することができる。Inorg.Chem.,1971,10,1559に記載の手順によって、フェロセン誘導体を酸化して、対応するフェロセニウム塩を調製することができる。
【0038】
本発明の組成物中の有用な有機金属錯体カチオンの好ましい塩は、式I[式中、L1は、好ましくはベンゼンをベースとする芳香族化合物の種類から選択され、L2は、シクロペンタジエニルアニオン基を含有する化合物の種類から選択され、MはFeであり、Xは、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロヒ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヒドロキシペンタフルオロアンチモン酸塩またはトリフルオロメタンスルホン酸塩からなる群から選択される]から誘導される。本発明で有用な有機金属錯体カチオンの最も好ましい塩は、式I(式中、L1のみが存在するか、またはL1およびL2の両方が存在し、MはFeであり、Xは、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロヒ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、ヒドロキシペンタフルオロアンチモン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、およびトリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチドからなる群から選択される)に含まれる。有機金属錯体カチオンは、混合物および異性体混合物として使用することができる。
【0039】
本発明の好ましい組成物において、有機金属錯体カチオンの塩には、米国特許第5,089,536号に開示の塩が含まれる。
【0040】
本発明の組成物を調製するのに有用な有機金属錯体カチオンの好ましい塩の例には、ビス−(η6−アレーン)鉄錯体カチオン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)鉄錯体カチオン、および(η5−シクロペンタジエニル)鉄アレーン錯体カチオン、例えば:
ビス−(η6−クメン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−ズレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)トリフルオロメタンスルホン酸塩、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
ビス−(η6−ヘキサメチルベンゼン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−ペンタメチルベンゼン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−ナフタレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η6−ピレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−ピレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−インデニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η5−シクロペンタジエニル)(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリフルオロメタンスルホン酸塩、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
(η6−キシレン(混合異性体))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−キシレン(混合異性体))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸塩、
(η6−キシレン(混合異性体))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
(η6−キシレン(混合異性体))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ビス−(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、
(η6−m−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)テトラフルオロホウ酸塩、
(η6−o−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−p−キシレンs)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリフルオロメタンスルホン酸塩、
(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−m−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−ヘキサメチルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−メシチレン)(η5−シクロペンタジエニル−)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸塩、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、および
(η6−メシチレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ペンタフルオロヒドロキシアンチモン酸塩が含まれる。
【0041】
本発明の重合性組成物において、開始剤塩は、重合を開始する触媒有効量で、硬化性組成物に対して、一般に0.01〜20重量%(wt%)、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で存在する;全組成物は、存在する溶媒を除外している。
【0042】
本発明の促進剤は、2種類の物質から選択することができる。これらの物質の活性部分(式IIIおよびIVを参照)は、ポリマーの一部であるか、または本発明の組成物中のいずれかの成分の一部として含まれる。
【0043】
クラス1は、式IIIによって示される。
【化7】
Figure 0004833491
【0044】
クラス1の分子はジヒドロキシ芳香族化合物を含み、式中、R1はそれぞれ独立して、水素であるか、またはクロロ、ヨード、ブロモ、フルオロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、カルボキシ、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、トリアルキルシリル、およびトリアルコキシシリルから選択される基であることが可能である。さらに、R1はそれぞれ独立して、炭素原子を30個まで含有する、置換および未置換アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ基から選択されるラジカル部位であるか、または1〜4つの置換もしくは未置換芳香環の基(2〜4つの環は縮合または未縮合である)であるか、または合わせた2つのR1は、飽和もしくは不飽和の少なくとも1つの環を形成することが可能であり、その環は、置換または未置換である。R1はそれぞれ独立して、環が2個を超えるヒドロキシ芳香族基を有するようなヒドロキシであることも可能である。その分子が2個を超える芳香族ヒドロキシ基を含有する場合、ヒドロキシ基の少なくとも2個は、互いに隣接しなければならない、つまりオルト位になければならない。置換基は、促進添加剤の金属錯体との錯化作用に干渉しない、または本発明のカチオン重合に干渉しないことが重要である。
【0045】
1基に存在することの可能な、または環に直接結合することが可能な置換基(すべてが好ましくは、30個未満の炭素原子およびヘテロ原子10個を有し、そのヘテロ原子が炭素鎖を中断して、例えば硫黄もしくは非過酸化物の酸素から選択されるエーテルまたはチオ結合を形成する)の例には、メチル、エチル、ブチル、ドデシル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベンジリデン、エテニル、およびエチニルなどのヒドロカルビル基;シクロヘキシルなどのシクロヒドロカルビル基;メトキシ、ブトキシ、およびフェノキシなどのヒドロカルビルオキシ;メチルメルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チオフェノキシ)などのヒドロカルビルメルカプト基;メトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、およびフェノキシカルボニルなどのヒドロカルビルオキシカルボニル;ホルミル、アセチル、およびベンゾイルなどのヒドロカルビルカルボニル;アセトキシ、およびシクロヘキサンカルボニルオキシなどのヒドロカルビルカルボニルオキシ;トリフルオロメチルおよびペンタフルオロフェニルなどのパーフルオロヒドロカルビル基;アゾ;ボリル;ハロ、例えばクロロ、ヨード、ブロモ、およびフルオロ;ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;ニトロソ;トリメチルシロキシ;およびシクロペンタジエニル、フェニル、ナフチルおよびインデニルなどの芳香族基が含まれる。さらに、R1は、ポリマーの単位であることが可能である。このタイプの例としては、カテコールノボラック樹脂、またはそのフェニル環が少なくとも1個のオルト−ジヒドロキシ基で置換されるポリスチレンタイプのポリマーが挙げられる。
【0046】
適切なクラスIの促進剤の例は、カテコール;ピロガロール;没食子酸;没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチルなどの、没食子酸のエステル(没食子酸のカルボン酸とアルコールとの縮合から調製される);タンニン酸などのタンニン;4−第三−ブチルカテコールなどのアルキルカテコール、4−ニトロカテコールなどのニトロカテコール、3−メトキシカテコールなどのメトキシカテコール;2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン;および2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノンが含まれる。
【0047】
クラス1の促進剤は、全重合性組成物に対して、範囲0.01〜10.0重量%、好ましくは0.1〜4重量%の量で存在することが可能である。
【0048】
クラス2は、式IVによって示される。
【化8】
Figure 0004833491
【0049】
クラス2の分子は、β−ケトン部位を有する化合物を含み、各R2は同一または異なり、水素を除いて、クラス1の促進剤について記載のR1と同一であり、かつR3は置換もしくは未置換アルキルまたはアリール基である。このクラスの適切な促進剤の例としては、2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、およびRoche Vitamins社(ニュージャージー州パーシッパニー)からPARSOL1789として市販されており、EM Industries社(ニューヨーク州ホーソーン)からEUSOLEX9020として市販の1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−第三−ブチルフェニル)プロパン−1,3−ジオンが含まれる。クラス2からの好ましい化合物は2,4−ペンタンジオンである。クラス2の促進添加剤は、ビス−η6−アレーンタイプの有機金属塩で特に有用である。クラス2の促進剤は、全重合性組成物に対して、範囲0.05〜10.0重量%、好ましくは0.05〜4重量%の量で存在することが可能である。
【0050】
異なるクラスの促進剤は、またはクラス内の促進剤でさえ、いずれかの所定の開始剤で同様に有効であるわけではないことを留意されたい。
【0051】
強化剤もしくは柔軟剤としてモノアルコールまたは多価アルコールを重合性組成物に添加することもまた好ましく、本発明の範囲内である。アルコールまたはポリオール酸は、鎖伸長の助けとなり、硬化中のエポキシドの過剰な架橋を防ぐ。
【0052】
代表的なものアルコールには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−フェノキシエタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、3−シクロヘキシル−1−プロパノール、2−ノルボルナンメタノール、およびテトラヒドロフルフリルアルコールが含まれる。
【0053】
本発明において有用なポリオールは、2〜5個、好ましくは2〜4個の非フェノール性ヒドロキシ基を有する。有用なポリオールの例には、限定されないが、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、および2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ペンタエリトリトール、2−エチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2−オキシジエタノール、ソルビトール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、およびポリアルコキシ化ビス−フェノールA誘導体が含まれる。有用なポリオールの他の例は、米国特許第4,503,211に開示されている。
【0054】
高分子量ポリオールには、Union Carbide社から供給されているCARBOWAXポリエチレンオキシド材料など、分子量範囲200〜20,000のポリエチレンおよびポリプロピレンオキシド、Union Carbide社から供給されているTONEポリオール材料など、分子量範囲200〜5,000のカプロラクトンポリオール、Dupont社(デラウェア州ウィルミントン)により供給されているTERATHANE物質など、分子量範囲200〜4,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、Elf Atochem社により供給されているPOLY BDなどのヒドロキシル末端ポリブタジエン材料、Creanova社(ニュージャージー州サマセット)からのDYNAPOLコポリエステル材料などのヒドロキシル末端ポリエステル材料、または他の製造業者により供給されている同等物が含まれる。
【0055】
アルコール官能性成分は材料の混合物として存在することが可能であり、モノおよびポリ−ヒドロキシル含有材料を含むことが可能である。そのアルコールは、好ましくは約1:0.1〜1:1、さらに好ましくは約1:0.2〜1:0.8、最も好ましくは約1:0.2〜1:0.6の組成物中のエポキシ/ヒドロキシ比を提供するのに十分な量で存在する。
【0056】
フィルムベースの組成物の製造を助ける、熱可塑性オリゴマーまたはポリマー樹脂を組み込むこともまた、本発明の範囲内である。これらの熱可塑性材料はフィルムの形成を容易にする。つまりフィルム形成剤として、かつ適切な溶媒を用いて結合の再生が許される一部の場合において使用される。その熱可塑性樹脂は、120℃未満のガラス転移温度および/または融点を有することが好ましい樹脂を含む。有用な熱可塑性樹脂は、カチオン硬化性モノマーのカチオン重合に干渉すると考えられる基を本質的に含まない。さらに詳細には、有用な熱可塑性樹脂は、アミン、アミド、ニトリル、硫黄もしくはリン官能基などの求核基を本質的に含まない。さらに、適切な熱可塑性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)もしくはメチルエチルケトン(MEK)などの溶媒に可溶性であり、使用するエポキシ樹脂との相溶性を示す。
【0057】
この相溶性によって、相分離なく、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂のブレンドを溶液流延することが可能となる。これらの特性を有し、本発明で有用な熱可塑性樹脂の比制限的な例には、ポリエステル、コポリエステル、アクリルおよびメタクリル樹脂、ポリスルホン、Phenoxy Associates社(サウスカロライナ州ロックヒル)から市販のPAPHEN材料などのフェノキシ樹脂、およびノボラック樹脂が含まれる。組成物を調製するのに、1種類を超える熱可塑性オリゴマーまたはポリマー樹脂のブレンドを使用することも、本発明の範囲内である。
【0058】
本発明の組成物のポットライフを向上させるのが望ましい場合には、安定化添加剤を含有するのが有用である。有用なポットライフ安定化添加剤には、ルイス塩基、窒素キレート配位子、例えば1,10−フェナントロリン,2,2’−ジピリジル、および2,4,6−トリピリジルトリアジン;トリアルキル、トリアリール、トリシクロアルキル、およびトリアルカリールアミン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスファイト、アルシン、およびスチビン(トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリフェニルアルシン、ジエチル−o−トルイド、およびトリフェニルホスファイトを含む);Aldrich Chemical社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)からすべて市販されている、12−CROWN−4、15−CROWN−5、18−CROWN−6、21−CROWN−7、KRYPTOFIX 211,およびKRYPTOFIX 222などの大環状クリプタンドおよびクラウンエーテル;ケトンまたはアルデヒドの一級アミンとの縮合によって一般に生成されるシッフ塩基誘導体が含まれる。適切な安定化添加剤は、米国特許第5,494,943号に記載されている。
【0059】
式Iにより示される有機金属錯体イオン塩と、クラス1または2から選択される少なくとも1種類の促進剤とを含有する適切な開始系は、一般に熱および/または光の形態で十分なエネルギーをかけると、本発明の組成物の重合を触媒する組み合わせを含む。触媒活性のレベルは、有機金属塩における配位子および対イオンの選択、および少なくとも1種類の促進剤の種類および量の選択などの様々な因子によって異なる。
【0060】
使用する開始剤系の重合温度および量は、使用する特定の重合性組成物および重合生成物の所望の用途に応じて異なる。
【0061】
シランカップリング剤の添加は、本発明の硬化組成物の調製において任意である。少なくとも1つの基材表面がガラス、酸化物、またはシランカップリング剤の添加から利益が得られるであろう他のいずれかの表面である場合には、シランカップリング剤を重合性組成物に添加して、付着性を向上させることが好ましい。存在する場合、シランカップリング剤は、エポキシ樹脂と反応することができる官能基、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有する。
【0062】
重合性モノマーにおける開始剤系の溶解を補助するために、加工助剤として、溶媒、好ましくは有機溶媒を使用することができる。重合性組成物の調製を単純化するために、少量の溶媒に溶解した有機金属錯塩の濃縮溶液を調製することが有利である。有用な溶媒は、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン;ε−カプロラクトン;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンなどのケトン;テトラメチレンスルホン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、ブタジエンスルホン、メチルスルホン、エチルスルホン、プロピルスルホン、ブチルスルホン、メチルビニルスルホン、2−(メチルスルホニル)エタノール、2,2’−スルホニルジエタノールなどのスルホン;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;炭酸プロピレン、炭酸エチレンおよび炭酸ビニレンなどの環状カーボネート;酢酸エチル、メチルセロソルブアセテート、ギ酸メチルなどのカルボン酸エステル;塩化メチレン、ニトロメタン、アセトニトリル、亜硫酸グリコール、および1,2−ジメトキシエタン(グリム)などの他の溶媒である。用途によっては、米国特許第4,677,137号に記述されているように、シリカ、アルミナ、粘土などの不活性担体上に開始剤を吸収させるのが有利である。
【0063】
本発明の組成物を硬化させるための適切な熱源には、誘導加熱コイル、オーブン、熱板、ヒートガン、レーザーを含む赤外線源、マイクロ波源が含まれる。適切な光源および照射源には、紫外線源、可視光源、およびeビーム源が含まれる。
【0064】
本発明の物品を提供するのに有用な、適切な基材には、例えば金属(例えば、アルミニウム、銅、カドミウム、亜鉛、ニッケル、鋼、鉄、銀)、ガラス、紙、木材、様々な熱可塑性フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン)、熱硬化フィルム(例えば、ポリイミド)、布、セラミック、および酢酸セルロースなどのセルロース系材料が含まれる。
【0065】
補助剤、例えば着色剤、研磨粒子、酸化防止安定剤、熱劣化安定剤、光安定剤、導電性粒子、粘着付与剤、流動剤、増粘剤、艶消し剤、不活性充填剤、バインダー、発泡剤、殺真菌剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、ゴム強化剤および当業者に公知の他の添加剤を任意に、組成物に添加することが可能である。無機および有機両方の充填剤など、それらは実質的に非反応性であることも可能である。存在する場合、これらの補助剤は、それらの意図する目的に有効な量で添加される。
【0066】
本発明の組成物は、物品に耐摩耗性または保護コーティングを提供するのに有用であり、成形物品として、ホットメルト接着剤および構造用接着剤を含む接着剤として、かつ研磨材のバインダーとして有用である。本発明の組成物は、組成物において触媒が活性化するか、または組成物が硬化すると同時に、色の変化も示す。かかる色の変化を示すことが可能な組成物のその他の例は、係属中の米国特許出願第09/224,421号(代理人識別番号:No.54529USA1A)に開示されている。
【0067】
一般に、組成物の物理的性質、つまり硬度、剛性、モジュラス、伸び、強さは、エポキシ樹脂の選択、アルコール含有材料を使用する場合には、エポキシとアルコールとの比およびアルコールの性質によって決定される。特定の用途に応じて、その系のこれらの各物理的性質は、特定の最適値を有するだろう。一般に、高いエポキシ/アルコール比の硬化材料は、低いエポキシ/アルコール比の硬化材料よりも堅い。一般に、エポキシ/アルコール組成物については、短鎖のポリオールによって、長鎖のポリオールを用いた場合よりも堅い硬化組成物が得られる。組成物の剛性は、ポリオールの代わりに短鎖単官能アルコールを用いることによってもまた向上させることができる。エポキシ/アルコール混合物は一般に、エポキシのみの組成物よりも速く硬化する。脂環式エポキシは、グリシジルエーテルエポキシよりも急速に硬化する。これら2種類のエポキシの混合物を用いて、所望のレベルに硬化速度を調節することができる。
【0068】
主題の発明の材料を用いて被覆研磨物品を製造するために、研磨粒子を硬化性組成物に加えなければならない。一般手順は、紙、布、ポリエステル等の適切な基材を選択し、この基材を、硬化性組成物からなる「メイクコート」でコーティングし、研磨粒子を付け、次いでエネルギー源を適用することによって硬化させる。次いで、メイクコートよりも硬い材料に硬化する「サイズコート」をメイクコートの上にコーティングし、硬化させる。サイズコートは、定位置に研磨粒子を固定する役割を果たす。この用途および他の用途では、コーティングは、バー、ナイフ、リバースロール、押出ダイ、ナールドロール、もしくはスピンコーティングなどの方法、または吹付け塗り、はけ塗り、もしくは貼合せによって提供することが好ましい。
【0069】
構造用/反構造用接着剤を製造するために、硬化性組成物は、シリカ充填剤、ガラスバブルおよび強化剤などの他の補助剤を含有することが可能である。これらの補助剤は、硬化組成物に靱性を付与し、硬化組成物の密度を低減する。一般に、短鎖ポリオールを使用して、硬化エポキシの鎖を伸長することによって靱性が付与される。通常、鎖が長すぎるジオールからは、構造/半構造用途に必要な強度を持たないであろう、柔らかすぎる硬化組成物が製造される。3つを超える高いヒドロキシル官能基を有するポリオールを用いると、過剰に架橋した材料が生成し、その結果、接着剤がもろくなる。
【0070】
主題の発明の材料を用いて磁気媒体を製造するために、磁気粒子を硬化性組成物に添加しなければならない。磁気媒体は、適切な基材、一般にポリエステルのようなポリマー基材上にコーティングする必要がある。一般にコーティングは非常に薄く、そのため、適切に薄い、均一なコーティングを製造可能なように、十分な担体溶媒を添加しなければならない。コーティングは急速に硬化しなければならず、そのため速い開始剤系および硬化性材料を選択しなければならない。硬化組成物は、適度に高いモジュラスを有しなければならず、そのため、硬化性材料は適切に選択しなければならない。
【0071】
主題の発明の材料から透明な耐摩耗性コーティングを製造するために、組成物の選択に重要な2つの基準は、硬化組成物の透明度および靭性である。一般に、粒状補助剤は、硬化組成物の光沢および透明度を低減するであろうことから、添加されない。任意に、顔料または染料を添加して、着色フィルムを製造することが可能である。
【0072】
導電性接着剤を製造するために、所望の接触点間の接着剤による伝導を提供するレベルまで、硬化性組成物を導電性粒子で充填する。ある種類の導電性接着剤は、「z軸接着剤」または「異方導電性接着剤」と呼ばれることが多い。この種類の接着剤は、接着剤のx−y面ではなく、z軸における接触点間の伝導を提供するレベルまで、導電性粒子が充填される。かかるz軸接着剤は、ポリマーフィルムなどの担体基材上に薄膜接着剤として製造されることが多い。z軸接着剤に適切な材料の説明は、米国特許第5,362,421号に開示されている。
【0073】
成形物品は、当業者に公知の手段によって、例えば、反応射出成形、注入成形等によって製造される。
【0074】
本発明の目的および利点は以下の実施例によってさらに説明するが、それらは本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0075】
実施例
実施例において、別段の指定がない限り、すべての部、比、およびパーセントは重量による。別段の指定がない限り、使用するすべての材料は、Aldrich Chemical社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から市販されている。別段の指定がない限り、すべての例は周囲大気中(通常量の酸素および水蒸気の存在下にて)で調製した。
【0076】
一般的な試料調製手順は以下の通りである:所望の量の促進添加剤をエポキシ含有組成物と混合し;必要な場合には、成分が確実に完全に溶解するように、得られた混合物を温め;その混合物を使用前に室温(23℃)に冷却した。所望の量のカチオン有機金属触媒を計り分け、触媒を溶解するための所望の量の溶媒を加え、次いで、適切な量のエポキシおよび促進剤含有混合物を加え、続いて木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、硬化性混合物を調製した。
【0077】
示差走査熱分析(DSC)
示差走査熱分析(DSC)をTA Instruments社(デラウェア州ニューキャッスル)製912DSCで行い、それを用いて、触媒重合性モノマーの熱硬化に関連する反応の発熱を測定した。DSCの試料は通常、6〜12mgであった。室温(23℃)から300℃の速度10℃/分にて、密封したアルミニウム製の液体試料パン中で試験を行った。反応プロセスからのデータを、熱流に対する温度を示すチャートでグラフにした。発熱ピーク下の積分された領域は、反応中に生成した発熱エネルギーを表し、ジュール/グラム(J/g)で測定される;その発熱エネルギーは硬化の程度、つまり重合の程度に比例する。発熱プロファイル、つまり開始温度(反応が起こり始める温度)、ピーク温度、および最終温度によって、材料を硬化するのに必要な条件についての情報が得られる。いずれかの特定の反応では、発熱の開始温度および/またはピーク温度の低い温度へのシフトは、反応材料が、短いゲル化時間と相関する低い温度で重合していることを示している。
【0078】
示差光熱分析(DPC)
示差光熱分析を用いて、光への暴露時のカチオン重合性モノマーの光開始硬化に関連する反応の発熱を測定した。DPCの試料サイズは通常、6〜12mgであった。TA Instruments930示差光熱量計(TA Instruments社、デラウェア州ニューキャッスル)を備えたTAInstruments912 DSCベースにおいて、窒素パージ下にて、開いているアルミニウム製パン中で試験を行った。200ワット水銀ランプを光分解段階に使用した。通常の実験では、DPC実験全体を通して所望の温度で、試料を等温に維持する。その試料を2分間暗所に保持し、次いで、シャッターを開けて5分間試料を照射し、その後シャッターを閉め、試料をさらに2分間暗所に保持する。DPC実験からのデータを、発熱に対する時間を示すチャートでグラフにした。発熱ピーク下の領域は、照射中に生成した全発熱エネルギーを表し、ジュール/グラム(J/g)で測定される。その発熱エネルギーは硬化の程度に比例し、いずれかの特定の反応の場合、全DPC発熱エネルギーの増大は、照射中の硬化の程度が高いことを示す。DPC実験の直後に、試料に蓋をかぶせ、上述のDSC実験において10℃/分で加熱した。全発熱エネルギーは、DPCエネルギーおよびDSCエネルギーを合わせたものであり、重合の全発熱エネルギーである。
【0079】
用語解説
実験で使用した成分の識別
【表1】
Figure 0004833491
【0080】
開始剤
【表2】
Figure 0004833491
【0081】
比較例C1
促進添加剤を含有しないエポキシ含有組成物のゲル化時間を決定するために、(メシチレン)2Fe(SbF620.02gを、アルミニウム製秤量皿(VWR/Scientific Products社、ペンシルヴェニア州ウェストチェスター)に計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティック(Puritan商標、Hardwood Products Company社(メイン州ギルフォード)から市販されている)を用いて、その混合物を攪拌した。これ以降「モノマー混合物」と呼ぶ、EPON828/1,6−ヘキサンジオール/CHDMの混合物(混合物の全重量に対する重量%比88:6:6(w/w))2.0gを、得られた触媒溶液に添加した。1,6−ヘキサンジオールとCHDMの重量比50:50の混合物を最初に60℃で加熱し、得られた液体を放置して室温に冷却し、次いでこの液体12重量%を適切な量のEPON828に添加することによって、そのモノマー混合物を調製した。得られた混合物を80℃で30分間加熱し、次いで30秒間激しく振とうして、30分を超える時間室温に冷却すると、ミルキーホワイトに変化する均質な溶液を得た。続いて、触媒溶液へのモノマー混合物の添加を、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって行った。ゲル化時間を測定するため、次いで、125℃に予め加熱しておいた熱板上にパンを置いた。木製アプリケータースティックの末端で試料をかき取ることによって、一定間隔をあけて、硬化について試料を試験した。ゲルの存在は、液体樹脂の固化によって示された。ゲル化時間または硬化時間は、試料がもはや液体ではない時間であると考えられた。この実施例では、ゲルは1:27(分:秒)後に形成した。
【0082】
実施例1〜7
クラス1の促進添加剤1重量%を熱硬化性組成物に添加する効果を調べた。促進添加剤(「添加剤」)とエポキシ樹脂の原液を、ガラスジャー中で添加剤0.1gをEPON828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDMの混合物(88:6:6w/w)(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)10gと合わせることによって調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスジャーに蓋をかぶせ、成分を完全に溶解するために、80℃で約30分間予め加熱しておいたDespatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch社、ミネソタ州ミネアポリス)内に入れた;加熱後、そのジャーを激しく15秒間振とうし、次いで、使用前に混合物を放置して、室温(23℃)に冷却した。これによって、エポキシ含有組成物中の添加剤の1%(w/w)溶液が生成された。
【0083】
各実施例では、アルミニウム皿に(メシチレン)2Fe(SbF620.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、混合物を撹拌した。続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、得られた触媒溶液に適切な原液2.0gを添加した。
【0084】
比較例1に記載の手順に従って、ゲル化時間を125℃で決定した。表1のデータから、使用した条件下では、クラス1の種類の促進添加剤を組み込むことによって、比較例1で得たゲル化時間と比較して、配合物のゲル化時間が低減することが示されている。各実施例では、配合物の色が、熱硬化中に薄いオレンジ色から暗い紫色に変化したことを留意されたい。
【0085】
【表3】
Figure 0004833491
【0086】
実施例8〜14
クラス1の促進添加剤2重量%を熱硬化性組成物に添加する効果を調べた。促進添加剤とエポキシ樹脂の原液を、ガラスジャー中で添加剤0.2gをEPON828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)10gと合わせることによって調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスジャーに蓋をかぶせ、成分を完全に溶解するために、80℃で約30分間予め加熱しておいたDespatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch社、ミネソタ州ミネアポリス)内に入れた;加熱後、そのジャーを激しく振とうし、次いで、使用前に混合物を放置して、室温(23℃)に冷却した。これによって、エポキシ中の添加剤の2%(w/w)溶液が得られた。
【0087】
各実施例では、アルミニウム皿に(メシチレン)2Fe(SbF620.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて混合物を攪拌した。続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、得られた触媒溶液に適切な原液2.0gを添加した。
【0088】
比較例1に記載の手順に従って、ゲル化時間を125℃で決定した。表2のデータから、使用した条件下では、クラス1の種類の促進添加剤を組み込むことによって、比較例1で得たゲル化時間と比較して、配合物のゲル化時間が低減することが示されている。さらに、実施例1〜7と比較すると、表2のデータから、促進添加剤2%を組み込むことによって、促進添加剤1%を含有する配合物よりも速いゲル化時間が得られることが示されている。実施例1〜7から分かるように、配合物の色は、熱硬化中にオレンジ色から暗紫色に変化した。
【0089】
【表4】
Figure 0004833491
【0090】
比較例C2〜C5
メタおよびパラ−ジヒドロキシ置換ベンゼン化合物を促進添加剤として評価した。実施例2〜14に一般的に記述されている手順に従って、添加剤の原液を調製した。
【0091】
各実施例では、アルミニウム皿に(メシチレン)2Fe(SbF620.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて混合物を攪拌した。続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、得られた触媒溶液に適切な原液2.0gを添加した。比較例1に記載の手順に従って、ゲル化時間を125℃で決定し、その結果を表3に示す。比較例1および実施例1〜14のデータと比較して、表3のデータから、本発明の促進剤のオルト−ヒドロキシ基とは異なり、メタまたはパラ−ヒドロキシ基のみを有するこれらの添加剤は、促進添加剤として有効ではないことが示されている。
【0092】
【表5】
Figure 0004833491
【0093】
実施例15〜22および比較例C6
クラス2の促進添加剤を熱硬化性組成物に添加する効果を調べた。EPON828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)10gを含む別々のバイアルに、2,4−ペンタンジオンをそれぞれ、0.0125g、0.025g、0.05g、0.1g、0.2g、0.4g、0.8g、および1.2g添加し、木製アプリケーターを用いて手で完全に完全に混合することによって、2,4−ペンタンジオン0.125%、0.25%、0.5%、1%、2%、4%、8%および12%を有する促進剤/エポキシ混合物の原液を調製した。各実施例では、アルミニウム皿に(メシチレン)2Fe(SbF620.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて混合物を攪拌した。続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、得られた触媒溶液に適切な原液2.0gを添加した。各実施例で2つの試料を調製し、ゲル化時間を125℃および80℃で決定した。表4に示すその結果から、少量の促進剤によってゲル化時間が著しく低減し、かつ添加剤の量が増大するにつれて、一般にゲル化時間が速くなるという相関関係があることが示されている。促進添加剤の濃度が4%を超える場合、試料を観察かつ取り扱うことによって決定した結果、完全に固体であるが、硬化材料は、対照の材料または低い濃度の添加剤で製造した材料よりもかなり柔らかいことが見出された。各実施例で、配合物の色が、熱硬化中に薄いオレンジ色から暗赤色に変化することもまた観察された。
【0094】
【表6】
Figure 0004833491
【0095】
実施例23〜24および比較例C7〜C8
示差光熱分析(DPC)を用いて、クラス1の促進添加剤を光硬化性組成物に添加する硬化を調べた。比較例および実施例のどちらの場合にも、促進剤を使用する、かつ使用しないエポキシ組成物の光開始重合を、示差光熱分析(DPC)を用いて、続いて示差走査熱分析(DSC)を用いて、40℃で調べた。比較例では、選択された光開始剤0.02gをアルミニウム皿に計量し、続いて、3−メチルスルホラン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて混合物を攪拌した。続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合することによって、得られた触媒溶液にERL4221を2.0g添加した。本明細書に記述したDPCおよびDSC試験法に従って、得られた溶液を光、次に熱にさらした。その結果を表5に示す。比較例についてのDPCおよびDSC試験を完了した後、比較例の各配合物に3−メトキシカテコール0.08gを添加し、3−メトキシカテコールが完全に溶解するまで室温で完全に混合することによって、実施例23〜24の試料を調製した。得られた組成物を、DPCおよびDSCを用いて調べた。その結果を表5に示す。表5のデータから、促進剤を添加するとDPC発熱エネルギーが増大することによって明示されるように、促進添加剤を添加することによって、光に暴露する間の重合の程度が増大することが示されている。
【0096】
【表7】
Figure 0004833491
【0097】
比較例C9
促進添加剤を含有しない光開始エポキシ組成物のゲル化時間を決定するために、CpFeXylSbF60.02gを、アルミニウム皿に計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、その混合物を攪拌した。EPON828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)2.0gを、得られた触媒溶液に添加し、続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合した。次いで、試料が光源から12cm(4.72インチ)離れて位置するように、得られた試料を500ワットのタングステン−ハロゲンランプ下に置き、ゲル化が認められるまで連続的に照射した。ゲルの存在は、液体樹脂の固化により示された。この比較例において、3:35(分:秒)後にゲルが形成した。
【0098】
実施例25〜31
クラス1の促進添加剤を含有する光開始エポキシ組成物のゲル化時間を調べた。異なるクラス1の促進添加剤とエポキシ樹脂との原液を、ガラスジャー中で添加剤0.1gをEPON828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)10gと合わせることによって調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスジャーに蓋をかぶせ、成分を完全に溶解するために、80℃で約30分間予め加熱しておいたDespatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch社、ミネソタ州ミネアポリス)内に入れた;加熱後、そのジャーを激しく15秒間振とうし、次いで、使用前に混合物を放置して、室温(23℃)に冷却した。これによって、エポキシ中の添加剤の1%(w/w)溶液が得られた。
【0099】
各実施例では、アルミニウム皿にCpFeXylSbF60.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、混合物を攪拌した。その得られた触媒溶液に適切な原液2.0gを添加し、続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合した。比較例9に記載の手順に従って、ゲル化時間を決定し、表6にその結果を示す。表6のデータから、エポキシ含有配合物にクラス1の種類の促進添加剤を組み込むことによって、ゲル化時間が低減することが示されている。
【0100】
【表8】
Figure 0004833491
【0101】
実施例32〜33および比較例C10
様々なレベルのクラス1促進添加剤を光開始組成物に添加する効果を調べた。これらの実施例では、促進剤を用いる、かつ用いないエポキシ組成物の光開始重合を、示差光熱分析(DPC)を用いて、続いて示差走査熱分析(DSC)を用いて調べた。ガラスジャー中で添加剤をそれぞれ0.1gおよび0.2gと、EPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)10gを合わせることによって、エポキシ樹脂中に没食子酸プロピル1%および2%を有する原液を調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスジャーに蓋をかぶせ、促進剤が最大限に溶解するのを確実にするために、80℃で約30分間予め加熱しておいたDespatch LFD 1−42−3オーブン内に入れた;加熱後、そのジャーを激しく15秒間振とうし、使用前に混合物を放置して、室温(23℃)に冷却した。これによって、エポキシ中の添加剤の1%(w/w)溶液および2%(w/w)溶液がそれぞれ得られた。
【0102】
各実施例では、アルミニウム皿にCpFeXylSbF60.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、混合物を攪拌した。その結果得られた触媒溶液に所望の原液2.0gを添加し、続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合した。比較例では、アルミニウム皿にCpFeXylSbF60.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、混合物を攪拌した。その結果得られた触媒溶液に、EPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)の混合物(比較例C1に記載の方法と同一方法で調製した)2.0gを添加し、続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合した。
【0103】
実施例および比較例の得られた溶液を、本明細書に記述したDPCおよびDSC試験法に従って、光、次に熱にさらした。その結果を表7に示す。DPC試験は40℃で行った。DPCでは、実施例または比較例のいずれにも、発熱は認められなかった;しかしながら、促進添加剤の効果は、その後のDSC試験から分かる。表7のデータによって、没食子酸プロピル1%を添加すると発熱ピーク温度が、低い温度へシフトし、没食子酸プロピル2%をエポキシ配合物に組み込んだ場合にはさらに低い温度にシフトすることが示されている。そのデータは図1に図示する。DSC発熱エネルギーは、43℃〜200℃の曲線下のエネルギーを積分することによって決定した。次いで、比較例C10のピーク最大温度(115.3℃)より上および下の両方の積分した発熱エネルギーの量を計算した。比較例のピーク温度より下の全DSC発熱エネルギーの面積が大きくなると、効果の程度が高くなる。促進添加剤の添加量を増大すると、より大量の添加剤が存在する場合には、硬化程度が著しく、より高くなることが観察されることが、表7から分かる。
【0104】
【表9】
Figure 0004833491
【0105】
実施例34
クラス2の促進添加剤を含有する光開始エポキシ組成物のゲル化時間を調べた。2,4−ペンタンジオン0.1gをEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)の混合物10gと合わせて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に攪拌することによって、クラス2の促進添加剤、2,4−ペンタンジオンの1%原液を調製した。これによって、エポキシ中の添加剤の1%(w/w)溶液が得られた。この実施例では、アルミニウム皿にCpFeXylSbF60.02gを計量し、続いて、炭酸プロピレン溶媒0.04gを添加した。溶媒中の開始剤の溶解を助けるために、木製アプリケータースティックを用いて、混合物を攪拌した。その結果得られた触媒溶液に、促進剤/エポキシ溶液2.0gを添加し、続いて、木製アプリケータースティックを用いて手で完全に混合した。比較例9に記載の手順に従って、ゲル化時間を決定した。この実施例については、5:46(分:秒)のゲル化時間が得られた。この実施例のゲル化時間を比較例9の結果と比較すると、クラス2タイプの促進添加剤の1%溶液は、CpFeXylSbF6触媒を用いて硬化される配合物のゲル化時間を促進するのに特に有用ではないことが分かる。
【0106】
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正形態および変更を加えることが可能なことは当業者には明らかであるだろう。本発明は、本明細書に記載の実例の実施形態に過度に制限されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CpFeXylSbF6触媒および没食子酸プロピル0重量%、1重量%、および2重量%を用いて硬化される、88:6:6重量%のEPON828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM混合物を含有する本発明の組成物の開始温度、ピーク温度、最終温度、および総発熱エネルギーを示す。115.3℃、113.0℃および98.74℃のピーク温度はそれぞれ、没食子酸プロピル0重量%、1重量%、および2重量%に対応する。

Claims (1)

  1. (a)少なくとも1種類のカチオン硬化性材料と、
    (b)(1)有機金属錯体カチオンの少なくとも1種類の塩であって、前記カチオンが、遷移金属原子に結合する少なくとも1個の炭素原子を含有する下式(I)で表される塩;
    [(L1y(L2zM]+qn (I)
    (式中、Mは、Cr、Ni、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、RhおよびIrを含む群から選択され;
    1は、芳香族化合物および複素環式芳香族化合物から選択することができる、パイ電子を寄与する同一または異なる配位子の0個、1個または2個を表し、その配位子は、Mの価電子殻に6個のパイ電子を寄与することが可能であり;
    2は、シクロペンタジエニルおよびインデニルアニオン基から選択することができる、パイ電子を寄与する同一または異なる配位子の0個、1個または2個を表し、その配位子は、Mの価電子殻に6個のパイ電子を寄与することが可能であり;
    qは、1または2の値を有する整数であって、錯体カチオンの残留電荷であり;
    yおよびzは、yとzの和が2に等しいという条件で、0、1、または2の値を有する整数であり;
    Xは、トリス−(高フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチド、テトラキス−(フッ素化アリール)ボレート、有機スルホン酸塩アニオン、および金属または半金属のハロゲン含有錯体アニオンから選択されるアニオンであり;
    nは、1または2の値を有する整数であって、錯体カチオン上の電荷qを中和するのに必要な錯体アニオンの数である。)
    および
    (2)アルキルカテコール、アルコキシカテコールまたはニトロカテコールから選択される少なくとも1種類の促進剤
    含む2成分開始剤系と、を含有するエネルギー重合性組成物。
JP2002505879A 2000-06-26 2000-10-31 エネルギー重合性組成物に有用な促進剤 Expired - Fee Related JP4833491B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/602,855 US6482868B1 (en) 1998-12-31 2000-06-26 Accelerators useful for energy polymerizable compositions
US09/602,855 2000-06-26
PCT/US2000/029965 WO2002000758A1 (en) 2000-06-26 2000-10-31 Accelerators useful for energy polymerizable compositions

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004502003A JP2004502003A (ja) 2004-01-22
JP2004502003A5 JP2004502003A5 (ja) 2008-01-31
JP4833491B2 true JP4833491B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=24413059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002505879A Expired - Fee Related JP4833491B2 (ja) 2000-06-26 2000-10-31 エネルギー重合性組成物に有用な促進剤

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6482868B1 (ja)
EP (1) EP1299448B1 (ja)
JP (1) JP4833491B2 (ja)
KR (1) KR100679000B1 (ja)
AT (1) ATE301684T1 (ja)
AU (1) AU2001214467A1 (ja)
DE (1) DE60021922T2 (ja)
WO (1) WO2002000758A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6635689B1 (en) * 2000-06-26 2003-10-21 3M Innovative Properties Company Accelerators for cationic polymerization catalyzed by iron-based catalysts
US20050256230A1 (en) * 2002-04-01 2005-11-17 Hiroaki Yamaguchi Cationic polymerizable adhesive composition and anisotropically electroconductive adhesive composition
US20050126697A1 (en) * 2003-12-11 2005-06-16 International Business Machines Corporation Photochemically and thermally curable adhesive formulations
US8501886B2 (en) * 2003-12-22 2013-08-06 Dow Global Technologies Llc Accelerated organoborane amine complex initiated polymerizable compositions
EP1699625B1 (en) * 2003-12-22 2008-08-13 Dow Global Technologies Inc. Accelerated organoborane amine complex initiated polymerizable compositions
JP4574993B2 (ja) 2004-01-16 2010-11-04 オリンパス株式会社 病変検出システム
US20050250929A1 (en) * 2004-05-10 2005-11-10 3M Innovative Properties Company Ferrocenium-derived catalyst for cationically polymerizable monomers
JP5383988B2 (ja) * 2007-07-30 2014-01-08 花王株式会社 縮重合反応用助触媒
JP5325206B2 (ja) * 2008-03-24 2013-10-23 昭和電工株式会社 エポキシ化合物およびその製造方法
US20090288770A1 (en) * 2008-05-23 2009-11-26 Loctite (R&D) Limited Surface-promoted cure of one-part cationically curable compositions
US20090288771A1 (en) * 2008-05-23 2009-11-26 Loctite (R&D) Limited Surface-promoted cure of one-part radically curable compositions
US8399099B1 (en) * 2008-05-23 2013-03-19 Henkel Ireland Limited Coating compositions
WO2010094634A1 (en) 2009-02-17 2010-08-26 Loctite (R & D) Limited Cationically curable compositions and a primer therefor
CN103119080B (zh) * 2010-09-24 2015-07-29 电气化学工业株式会社 能量射线固化性树脂组合物与使用该组合物的粘合剂及固化体
US8816211B2 (en) * 2011-02-14 2014-08-26 Eastman Kodak Company Articles with photocurable and photocured compositions
CN103289072A (zh) * 2013-05-22 2013-09-11 苏州志向纺织科研股份有限公司 一种含二茂铁衍生物的燃速催化剂
CN103435658B (zh) * 2013-08-24 2016-04-27 北京化工大学 一种单宁酸铑配位催化剂的制备及对丁腈橡胶加氢应用
WO2015132372A1 (de) * 2014-03-07 2015-09-11 Henkel Ag & Co. Kgaa Photohärtbare epoxidharzsysteme

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3907706A (en) 1973-07-06 1975-09-23 Minnesota Mining & Mfg Latent catalyst systems for cationically polymerizable materials
US4297458A (en) 1980-07-14 1981-10-27 General Electric Company Curable epoxy resins
EP0094915B1 (de) 1982-05-19 1987-01-21 Ciba-Geigy Ag Härtbare, Metallocenkomplexe enthaltende Zusammensetzungen, daraus erhältliche aktivierte Vorstufen und deren Verwendung
US4518676A (en) 1982-09-18 1985-05-21 Ciba Geigy Corporation Photopolymerizable compositions containing diaryliodosyl salts
US5089536A (en) 1982-11-22 1992-02-18 Minnesota Mining And Manufacturing Company Energy polmerizable compositions containing organometallic initiators
US5191101A (en) 1982-11-22 1993-03-02 Minnesota Mining And Manufacturing Company Energy polymerizable compositions containing organometallic initiators
US5073476A (en) 1983-05-18 1991-12-17 Ciba-Geigy Corporation Curable composition and the use thereof
EP0152377B1 (de) 1984-02-10 1987-12-09 Ciba-Geigy Ag Härtbare Zusammensetzung und deren Verwendung
US4503211A (en) 1984-05-31 1985-03-05 Minnesota Mining And Manufacturing Co. Epoxy resin curing agent, process and composition
JPS6136302A (ja) 1984-07-30 1986-02-21 Toshiba Corp 光重合性組成物
US4603182A (en) * 1984-10-05 1986-07-29 General Electric Company Low viscosity epoxy resin compositions
US4677137A (en) 1985-05-31 1987-06-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Supported photoinitiator
JPS6245617A (ja) * 1985-08-23 1987-02-27 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂硬化促進剤
US4788235A (en) 1987-11-23 1988-11-29 Minnesota Mining And Manufacturing Company Phosphite modified epoxy resin
DE3814876A1 (de) 1988-05-02 1989-11-16 Henkel Kgaa Lichtinduziert dunkelhaertende klebstoffe
JP2841810B2 (ja) * 1990-09-27 1998-12-24 関西ペイント株式会社 有機容剤形熱硬化性塗料組成物
JP3347142B2 (ja) 1990-04-23 2002-11-20 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 感圧接着剤組成物およびそれを光重合するための多重光開始方法
US5059701A (en) 1990-09-20 1991-10-22 Minnesota Mining And Manufacturing Company Methods for preparation of cyclopentadienyliron (II) arenes
US5252694A (en) 1992-01-22 1993-10-12 Minnesota Mining And Manufacturing Company Energy-polymerization adhesive, coating, film and process for making the same
US5212210A (en) 1992-03-18 1993-05-18 Minnesota Mining And Manufacturing Company Energy curable compositions having improved cure speeds
US5494943A (en) 1993-06-16 1996-02-27 Minnesota Mining And Manufacturing Company Stabilized cationically-curable compositions
US5453450A (en) * 1993-06-16 1995-09-26 Minnesota Mining And Manufacturing Company Stabilized curable adhesives
US5362421A (en) 1993-06-16 1994-11-08 Minnesota Mining And Manufacturing Company Electrically conductive adhesive compositions
DE4340949A1 (de) * 1993-12-01 1995-06-08 Thera Ges Fuer Patente Lichtinitiiert kationisch härtende Epoxidmasse und ihre Verwendung
DE4421623A1 (de) * 1994-06-21 1996-01-04 Thera Ges Fuer Patente Mehrkomponentige, kationisch härtende Epoxidmassen und deren Verwendung sowie Verfahren zur Herstellung gehärteter Massen
ES2154352T3 (es) 1994-10-31 2001-04-01 Minnesota Mining & Mfg Sistema epoxi, curable con luz visible, con profundidad de curado aumentada.
US5554664A (en) 1995-03-06 1996-09-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Energy-activatable salts with fluorocarbon anions
DE19534664A1 (de) 1995-09-19 1997-03-20 Thera Ges Fuer Patente Lichtinitiiert kationisch härtende, dauerflexible Epoxidharzmasse und ihre Verwendung
JPH09325479A (ja) 1996-05-31 1997-12-16 Hitachi Chem Co Ltd 感光性組成物、感光材料、レリーフパターンの製造法及びポリイミドパターンの製造法
US6265459B1 (en) * 1998-12-31 2001-07-24 3M Innovative Properties Company Accelerators useful for energy polymerizable compositions
US6133335A (en) 1998-12-31 2000-10-17 3M Innovative Properties Company Photo-polymerizable compositions and articles made therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
KR100679000B1 (ko) 2007-02-07
KR20030017560A (ko) 2003-03-03
EP1299448B1 (en) 2005-08-10
JP2004502003A (ja) 2004-01-22
DE60021922T2 (de) 2006-06-01
WO2002000758A1 (en) 2002-01-03
US6482868B1 (en) 2002-11-19
EP1299448A1 (en) 2003-04-09
ATE301684T1 (de) 2005-08-15
AU2001214467A1 (en) 2002-01-08
DE60021922D1 (de) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4436984B2 (ja) エネルギー重合性組成物に有用な促進剤
JP4833491B2 (ja) エネルギー重合性組成物に有用な促進剤
JP4662963B2 (ja) 安定化カチオン硬化性組成物
KR100295474B1 (ko) 안정된 경화성 접착제
US6133335A (en) Photo-polymerizable compositions and articles made therefrom
JP4828775B2 (ja) 組成物硬化方法及びエネルギー重合性組成物
JP5138870B2 (ja) カチオン硬化性組成物用の硬化剤
MXPA01006757A (en) Accelerators useful for energy polymerizable compositions
CN113383030A (zh) 可阳离子固化的组合物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071029

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110823

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees