JP4436984B2 - エネルギー重合性組成物に有用な促進剤 - Google Patents

エネルギー重合性組成物に有用な促進剤 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、カチオン硬化性材料を含むエネルギー重合性組成物に有用となりうる促進剤;カチオン硬化性材料と2成分開始剤系とを含み、該剤系が少なくとも1種類の有機金属錯塩と少なくとも1種類の促進剤を含むエネルギー重合性組成物;ならびに該組成物の硬化方法に関する。本発明は、該硬化組成物を含む物品の作製方法にも関する。他の用途に加えて、本発明の組成物は、成型品、耐摩耗性コーティング剤などのコーティング組成物、構造用接着剤などの接着剤、ならびに研磨材および磁気媒体用のバインダーとして有用である。本発明は、有機金属錯塩と、本明細書で開示されるクラス1化合物およびクラス2化合物から選択された少なくとも1つの化合物とを含む組成物にも関する。
【0002】
背景
有機金属陽イオンと非求核性対イオンとを含む遷移金属塩は、カチオン付加重合の光化学的活性化開始剤として有用であることが示されている。これらの光開始剤塩は、アニオンPF6 -およびSbF6 -の(シクロペンタジエニル)(アレーン)鉄+塩が挙げられる。同様に、この種類の塩はカチオン重合の熱活性化硬化剤として知られている。
【0003】
商業的用途の多くでは、重合されるモノマーは多官能性(すなわち、分子1つ当りで2つ以上の重合性基を含む)であることが多く、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)などのエポキシドが挙げられる。エポキシドと多価アルコール(ポリオール)またはポリエポキシドと多価アルコールなどの多官能性モノマー混合物では、段階成長機構による酸触媒作用重縮合が進行しうる。この説明には、2種類以上の反応性基を含むモノマーである多反応性モノマーも含まれる。
【0004】
多くの用途では、光誘導重合は不可能であるか、非実用的であるか、あるいは望ましくない。例えば、重合反応が閉鎖環境中で行われる場合(すなわち、成形型中、または積層製品中)、あるいは重合性組成物が不透明顔料を含みうる場合の多くの状況では、熱活性化開始剤が好ましい。これらの場合では公知の有機金属塩などの熱活性化開始剤を重合開始に使用することができる。
【0005】
特定の用途での要求に適合させるためにネルギー重合性組成物の重合速度および重合温度を変更可能にすることが必要とされ続けている。
【0006】
発明の要約
本発明は、カチオン硬化性材料を含むエネルギー重合性組成物の重合が起る温度に影響を与えるために使用することができる促進剤に関する。特に、本発明の促進剤は、有機金属塩開始剤がカチオン重合に使用される場合にカチオン重合性材料の重合温度を低下させるか、あるいは所与の温度での重合速度または重合度を変化させるために使用することができる。
【0007】
簡潔に述べると、態様の1つにおいて本発明は、カチオン硬化性材料を含むエネルギー重合性組成物の硬化速度を増大させるかあるいは硬化温度を低下させるために、促進剤と少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩とを使用する工程を含み、前記カチオンは遷移金属原子と結合する少なくとも1つの炭素原子を含み、前記促進剤またはその活性部分はクラス1および2から選択された少なくとも1種類の化合物を含み、
クラス1は式IIIで表された化合物を含み、
クラス2は式IVで表された化合物を含む、
方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、
(a)少なくとも1種類のカチオン硬化性材料と、
(b)(1)少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩、および
(2)クラス1および2の少なくとも1種類の促進剤またはその活性部分を含む2成分開始剤系と、を含み、前記カチオンが遷移金属原子と結合する少なくとも1つの炭素原子を含み、クラス1は本明細書に記載される式IIIで表された化合物を含み、クラス2は本明細書に記載される式IVで表された化合物を含む、
を含むエネルギー重合性組成物を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、以下の任意成分を1つ以上含むエネルギー重合性組成物を提供する:
(a)アルコール含有材料および付加的補助剤の少なくとも1種類;
(b)貯蔵寿命を向上させる安定化リガンド;
(c)アミン、アミド、ニトリル、硫黄、またはリン官能基などの求核性基、あるいはカルボン酸およびスルホン酸などの金属錯化性基を実質的に含まない少なくとも1種類のフィルム形成性熱可塑性オリゴマー樹脂またはポリマー樹脂;および
(d)接着性を改良するためのカップリング剤。
【0010】
別の態様では、本発明は、
(a)本発明のエネルギー重合性組成物を供給する工程と、
(b)前記組成物を重合させるために、任意の組み合わせおよび順序の熱および光の少なくとも1つの形態の十分なエネルギーを前記組成物に与える工程と、を含む組成物の硬化を制御または修正する方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、少なくとも一方の面に本発明の組成物の1層を有する基材を含む物品を提供する。本発明の物品は、
(a)基材を供給する工程と、
(b)本発明の硬化性組成物と任意に補助剤とで前記基材をコーティングする工程と、
(c)前記組成物を重合させるために、任意の組み合わせおよび順序の熱および光の少なくとも1つの形態の十分なエネルギーを前記組成物に供給する工程とを含む、
方法によって得ることができる。
【0012】
別の態様では、本発明は、
(1)少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩と、
(2)クラス1および2からの少なくとも1種類の化合物およびその活性部分と、
を含み、前記カチオンが遷移金属原子と結合する少なくとも1つの炭素原子を含み、クラス1が本明細書に記載される式IIIで表された化合物を含み、クラス2は本明細書に記載される式IVで表された化合物を含む組成物を提供する。
【0013】
本出願で使用される場合:
「エネルギー誘発硬化」は、熱または電磁放射線(紫外線、可視光、または電子線)、あるいは電磁放射線と熱手段の組み合わせ(赤外と熱)、例えば熱と光の同時使用、あるいな任意の順番での使用、例えば、熱の後に光、光の後に熱、さらに続いて光、などによる硬化または重合を意味し;
「触媒的有効量」は、特定の条件下で、少なくとも組成物の粘度を増大させる程度まで、重合生成物への硬化組成物の重合を行うために十分な量を意味し;
「有機金属塩」は、有機金属錯体カチオンのイオン塩を意味し、カチオンは、Periodic Table of Elements(元素周期表)(「Basic Inorganic Chemistry」,F.A.Cotton,G.Wilkinson,Wiley,1976,p.497)の遷移金属の金属原子に結合する、有機基の少なくとも1つの炭素原子を含み;
「開始剤」および「触媒」は交換可能に使用され、化学反応速度を変化させることができる少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩を意味し;
「カチオン硬化性モノマー」は、少なくとも1つのエポキシド含有またはビニルエーテル含有材料を意味し;
本明細書で使用される場合、「重合性組成物」または「硬化性組成物」は開始剤系とカチオン硬化性モノマーの混合物を意味し、アルコールおよび補助剤が任意に存在することができ;
「重合させる」または「硬化させる」は、任意の組み合わせおよび順序の熱および光の少なくとも1つの形態の十分なエネルギーを組成物に供給することによって、組成物の物理的状態を変化させる、流体からより流動性の低い状態に変化させる、粘着性から非粘着性に状態を変化させる、溶解性から不溶性に状態を変化させる、あるいは化学反応によって消費されることによって重合性材料量を減少させることを意味し;
「開始系」、「開始剤系」、または「2成分開始剤」は、少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩と少なくとも1種類の促進剤を意味し、この系は重合を開始することができ;
「促進剤」は、重合温度を低下させる、あるいは所与の温度における重合速度または重合度を増大させることによって、本発明の組成物の硬化を調節する規定の種類の化合物の少なくとも1つを意味し;
「エポキシ含有」は、少なくとも1つのエポキシを含む材料を意味し、促進剤、安定剤、充填剤、ジオール、および他の添加剤をさらに含むことができ;
「基」または「化合物」または「リガンド」は、置換を行うことができる化学種であるか、あるいは所望の生成物に影響しない従来の置換基によって置換されることができる化学種を意味し、例えば置換基としては、アルキル、アルコキシ、アリール、フェニル、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、ニトロなどを挙げることができ;
「エポキシ/ポリオール」や「触媒/添加剤」などは、スラッシュ(「/」)の両側の物質の組み合わせを意味する。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施態様の利点は、本発明の開始剤系によって、本発明の促進剤を使用せずに反応を開始するために必要な温度よりも低温で、熱重合性または光重合性組成物の硬化を開始することができることである。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施態様の別の利点は、本発明の開始剤系によって、所与の温度における熱重合性または光重合性組成物の硬化を促進することができることである。例えば、所与の温度において、本発明の促進剤を使用せずに反応を開始した場合の硬化時間と比較して硬化時間を短縮することができる。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施態様のさらに別の利点は、組成物中の触媒の活性化時、または未硬化状態から硬化状態に組成物が変化するときに硬化性組成物中の色の変化に影響を与えることができることである。
【0017】
詳細な開示
本発明は、少なくとも1種類のカチオン重合性材料とそのための開始系とを含むエネルギー重合性組成物を提供し、該開始系は少なくとも1種類の有機金属錯塩と少なくとも1種類の促進剤とを含む。本発明の硬化組成物によって有用な物品またはコーティングされた物品が提供される。
【0018】
本発明の方法で硬化または重合可能なエポキシ化合物は、カチオン重合が進行するとして公知のエポキシ化合物であり、1,2−、1,3−、および1,4−環状エーテル(1,2−、1,3−、および1,4−エポキシドとも呼ばれる)が挙げられる。
【0019】
好適なエポキシ樹脂の説明については、「Encyclopedia of Polymer Science and Technology」,6,(1986),p.322を参照されたい。特に、有用な環状エーテルとしては、シクロヘキセンオキシド、ならびにUnion Carbide(New York,NY)より入手可能なERLシリーズ型樹脂、例えば、ビニルシクロヘキセンオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、アジピン酸ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−m−ジオキサンなどの脂環式エポキシが挙げられ;さらに、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばプロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、グリシドール、ならびにShell Chemical Co.(Houston,TX)より入手可能なビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびこの材料の鎖延長された種類のものを含むEPONシリーズ型エポキシ樹脂、例えばEPON 828、EPON 1001、EPON 1004、EPON 1007、EPON 1009、およびEPON 2002、あるいは他の製造元によるこれらの同等物、ジシクロペンタジエンジオキシド、Elf Atochem North America,Inc.(Philadelphia,PA)よりVIKOLOX樹脂およびVIKOFLEX樹脂として入手可能なエポキシ化アマニ油およびダイズ油などのエポキシ化植物油、Shell Chemical Co.(Houston,TX)より入手可能なL−207などのエポキシ化KRATON LIQUID Polymer、Elf Atochem(Philadelphia,PA)のPOLY BD樹脂などのエポキシ化ポリブタジエン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、フェノールホルムアルデヒドのポリグリシジルエーテル、Dow Chemical Co.(Midland MI)より入手可能なDEN 431およびDEN 438などのエポキシ化フェノールノボラック樹脂、Ciba(Hawthorn,NY)より入手可能なARALDITE ECN 1299などのエポキシ化クレゾールノボラック樹脂、レソルシノールジグリシジルエーテル、Daicel USA Inc.(Fort Lee,NJ)より入手可能なEPOFRIEND A1010などのEPOFRIEND樹脂などのエポキシ化ポリスチレン/ポリブタジエン混合物、およびレソルシノールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0020】
好ましいエポキシ樹脂としては、ERL型樹脂、特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、アジピン酸ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−m−ジオキサン、ならびにビスフェノールAのEPON型樹脂、例えば2,2−ビス−[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルプロパン、およびこの材料を鎖延長した種類のものが挙げられる。2種類以上のエポキシ樹脂混合物の使用も本発明の範囲内である。
【0021】
1種類以上のエポキシ樹脂を互いに混合して使用することも本発明の範囲内である。異なる種類の樹脂は任意の比率で存在してよい。
【0022】
カチオン硬化性材料としてのビニルエーテルモノマーの使用は本発明の範囲内である。ビニルエーテル含有モノマーとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル(API−CURE DVE−3、International Specialty Products(Wayne,NJ)より入手可能)、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(RAPI−CURE CHVE、International Specialty Products)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPTVE、BASF Corp.(Mount Olive,NJ)より入手可能)、ならびにAllied SignalのVECTOMERジビニルエーテル樹脂、例えばVECTOMER 2010、VECTOMER 2020、VECTOMER 4010、およびVECTOMER 4020、あるいは他の製造元によるこれらの同等物を挙げることができる。2種類以上のビニルエーテル樹脂の混合物の使用も本発明の範囲内である。
【0023】
1種類以上のエポキシ樹脂を1種類以上のビニルエーテル樹脂と混合して使用することも本発明の範囲内である。異なる種類の樹脂は、任意の比率で存在してよい。
【0024】
2官能性モノマーも使用することができ、本発明において有用な例は、少なくとも1つのカチオン重合性官能基、またはカチオン重合性モノマーと共重合する官能基、例えばエポキシ−アルコール共重合が起りうる官能基を有する。
【0025】
2種類以上の重合性組成物が存在する場合、それらは任意の比率で存在してよい。
【0026】
開始剤系の好適な有機金属錯体カチオンの塩としては、限定するものではないが、米国特許第5,089,536号(第2欄48行〜第16欄10行)に開示される塩が挙げられる。
【0027】
本発明の好ましい組成物では、開始剤系の有機金属錯塩は次式で表され、
[(L1y(L2zM]+qn (I)
式中
Mは、Cr、Ni、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、およびIrを含む群から選択され;
1は、芳香族化合物および複素環式芳香族化合物から選択することができるπ電子を供与する同種または異種のリガンドを表し、このリガンドは6個のπ電子をMの原子価殻に供与することができ;
2は、シクロペンタジエニルアニオン基およびインデニルアニオン基から選択することができるπ電子を供与する同種または異種のリガンドを表し、このリガンドはMの原子価殻に6個のπ電子を供与することができ;
qは1または2の値を有する整数であり、錯体カチオンの残留電荷であり;
yとzは0、1、または2の値を有する整数であり、但しyとzの和が2であり;
Xは、トリス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチド、テトラキス−(フッ素化アリール)ボレート、有機スルホン酸アニオン、金属または半金属のハロゲン含有錯体アニオンから選択されたアニオンであり;
nは1または2の値を有する整数であり、錯体カチオンの電荷qを中和するために必要な錯体アニオンの数である。
【0028】
リガンドL1およびL2は、遷移金属の有機金属化合物分野で公知である。
【0029】
リガンドL1は、化合物の全分子量とは無関係に到達可能な芳香族基を有する任意のモノマー化合物またはポリマー化合物によって与えられる。「到達可能」とは、不飽和基を有する化合物(または到達可能な化合物が調製される前駆化合物)が、メタノールなどのアルコール;メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸アミルなどのエステル;トリクロロエチレンなどのハロカーボン;デカリンなどのアルカン;アニソールなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル、などの反応媒体に溶解性であるか、あるいは上記化合物が大きな表面積を有する非常に微細な粒子に分割可能であるかであり、不飽和基(すなわち、芳香族基)が十分に金属と接近して不飽和基とMの間にπ結合を形成できることを意味する。ポリマー化合物は、後述するように、リガンドがポリマー鎖上の基であってもよいことを意味する。
【0030】
リガンドL1の代表例は、上限25個の環と、上限100個の炭素原子と、窒素、硫黄、非過酸化物型酸素、リン、ヒ素、セレン、ホウ素、、アンチモン、テルル、ケイ素、ゲルマニウム、およびスズから選択された上限10個のヘテロ原子とを有する置換および未置換炭素環式および複素環式芳香族リガンドであり、例えば、η6−ベンゼン、η6−メシチレン、η6−トルエン、η6−p−キシレン、η6−o−キシレン、η6−m−キシレン、η6−クメン、η6−ズレン、η6−ペンタメチルベンゼン、η6−ヘキサメチルベンゼン、η6−フルオレンη6−ナフタレン、η6−アントラセン、η6−ペリレン、η6−クリセン、η6−ピレン、η6−トリフェニルメタン、η6−パラシクロファン、およびη6−カルバゾールなどが挙げられる。他の好適な芳香族化合物は、多くの化学便覧のいずれかを調べれば探すことができる。
【0031】
リガンドL2の代表例は、置換および未置換η5−シクロペンタジエニルアニオンから誘導されるリガンドであり、例えば、η5−シクロペンタジエニルアニオン、η5−メチルシクロペンタジエニルアニオン、η5−ペンタメチルシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリメチルスズシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリフェニルスズシクロペンタジエニルアニオン、η5−トリフェニルシリルシクロペンタジエニルアニオン、およびη5−インデニルアニオンが挙げられる。
【0032】
リガンドL1とL2のそれぞれは、リガンドと金属原子の錯体形成作用を妨害しない基、または金属原子との競合が起らない程度までリガンドの溶解性が低下しない基によって置換されてもよい。置換基のすべては30個未満の炭素原子と窒素、硫黄、非過酸化物型酸素、リン、ヒ素、セレン、アンチモン、テルル、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、およびホウ素から選択された上限10個のヘテロ原子とを含むことが好ましく、置換基の例としては、メチル、エチル、ブチル、ドデシル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベンジリデン、エテニル、およびエチニルなどのヒドロカルビル基;シクロヘキシルなどのシクロヒドロカルビル;メトキシ、ブトキシ、およびフェノキシなどのヒドロカルビルオキシ基;メチルメルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チオフェノキシ)などのヒドロカルビルメルカプト基;メトキシカルボニルおよびフェノキシカルボニルなどのヒドロカルビルオキシカルボニル;ホルミル、アセチル、およびベンゾイルなどのヒドロカルビルカルボニル;アセトキシ、およびシクロヘキサンカルボニルオキシなどのヒドロカルビルカルボニルオキシ;ヒドロカルビルカーボンアミド、例えば、アセトアミド、ベンズアミド;アゾ;ボリル;ハロ、例えば、クロロ、ヨード、ブロモ、およびフルオロ;ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;ニトロソ;オキソ;ジメチルアミノ;ジフェニルホスフィノ;ジフェニルアルシノ;ジフェニルスチビン;トリメチルゲルマン;トリブチルスズ;メチルセレノ;エチルテルロ;およびトリメチルシロキシが挙げられる。
【0033】
リガンドL1およびL2は独立にポリマーの単位であってもよい。例えばL1は、ポリスチレンまたはポリメチルフェニルシロキサン中のフェニル基、あるいはポリビニルカルバゾール中のカルバゾール基であってもよい。例えばL2は、ポリ(ビニルシクロペンタジエン)中のシクロペンタジエン基であってもよい。重量平均分子量の上限がl,000,000以上のポリマーを使用することができる。ポリマー中に存在する芳香族基の5〜50%が金属カチオンと錯体形成することが好ましい。
【0034】
上記説明に加えて、コーティング組成物の有機金属錯体カチオンのイオン塩の対イオンとしての使用に好適な式I中のアニオンXは、式
DQr (II)
で表すことができるXであり、
式中
Dは、元素周期表(CAS表記)の第IB族〜第VIIB族およびVIIIの金属、あるいは第IIIA族〜第VA族の金属または半金属であり、
Qは、ハロゲン原子、水酸基、置換または未置換フェニル基、あるいは置換又は未置換アルキル基であり、
rは1〜6の値を有する整数である。
【0035】
金属は銅、亜鉛、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルが好ましく、半金属はホウ素、アルミニウム、アンチモン、スズ、ヒ素、およびリンが好ましい。好ましくは、ハロゲン原子のQは塩素またはフッ素である。好適なアニオンの代表例は、B(フェニル)4 -、B(フェニル)3(アルキル)-(アルキルとしてはエチル、プロピルブチル、ヘキシルなどが挙げられる)、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、FeCl4 -、SnCl5 -、SbF5OH-、AlCl4 -、AlF6 -、GaCl4 -、InF4 -、TiF6 -、ZrF6 -、B(C654 -、B(C63(CF324 -である。
【0036】
有機金属錯体カチオンのイオン塩の対イオンとしての使用に好適なさらなる式IのアニオンXは、Xが有機スルホネートであるアニオンである。好適なスルホネート含有アニオンの代表例は、CH3SO3 -、CF3SO3 -、C65SO3 -、p−トルエンスルホネート、p−クロロベンゼンスルホネート、および関連する異性体である。さらに好適なアニオンとしては、米国特許第5,554,664号に記載されるようなトリス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチドが挙げられる。好ましいアニオンは、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、SbF5OH-、AsF6 -、SbCl6 -、CF3SO3 -、C(SO2CF33 -、およびN(SO2CF32 -である。
【0037】
有機金属塩は当技術分野において公知であり、例えば、欧州特許第094,914号、第094,915号、第126,712号、ならびに米国特許第5,089,536号、第5,059,701号、第5,191,101号に開示されるようにして調製することができる。また、二置換フェロセン誘導体をJ.Amer.Chem.Soc.,1978,100,7264に記載される一般手順によって調製することができる。Inorg.Chem.,1971,10,1559に記載される手順によって、フェロセン誘導体を酸化させて対応するフェロセニウム塩を調製することができる。
【0038】
本発明の組成物に有用な好ましい有機金属錯体カチオンの塩は、式Iにおいて、L1が芳香族化合物、好ましくはベンゼン系の種類から選択され、L2がシクロペンタジエニルアニオン基を含有する種類から選択され、MがFeであり、Xがテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ヒドロキシペンタフルオロアンチモネート、またはトリフルオロメタンスルホネートからなる群より選択された化合物から誘導される。本発明での使用に最も好ましい有機金属錯体カチオンの塩としては、式Iにおいて、L1のみが存在するか、あるいはL1とL2の両方が存在し、MがFeであり、Xがテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヒドロキシペンタフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、およびトリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチドからなる群より選択された化合物が挙げられる。有機金属錯体カチオンは混合物あるいは異性体混合物として使用することができる。
【0039】
本発明の好ましい組成物では、有機金属錯体カチオンの塩としては、米国特許第5,089,536号に開示されるものが挙げられる。
【0040】
本発明の組成物の調製に有用な好ましい有機金属錯体カチオンの塩の例としては、ビス−(η6−アレーン)鉄錯体カチオン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)鉄錯体カチオン、および(η−5−シクロペンタジエニル)鉄アレーン錯体カチオンが挙げられ、例えば:
ビス−(η6−クメン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−ズレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)トリフルオロメタンスルホネート、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−メシチレン)鉄(2+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
ビス−(η6−ヘキサメチルベンゼン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−ペンタメチルベンゼン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−ナフタレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η6−ピレン)鉄(2+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−ピレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−インデニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η5−シクロペンタジエニル)(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリフルオロメタンスルホネート、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス−(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
(η6−キシレン(異性体混合物))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−キシレン(異性体混合物))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロホスフェート、
(η6−キシレン(異性体混合物))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、
(η6−キシレン(異性体混合物))(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ビス−(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、
(η6−m−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)テトラフルオロボレート、
(η6−o−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−p−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリフルオロメタンスルホネート、
(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−m−キシレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−ヘキサメチルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−メシチレン)(η5−シクロペンタジエニル−)鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモネート、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロホスフェート、
(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)トリス−(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、および
(η6−メシチレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)ペンタフルオロヒドロキシアンチモネートが挙げられる。
【0041】
本発明の重合性組成物では、開始剤塩は重合を開始するための触媒的有効量が存在することができ、硬化性組成物、すなわち存在しうる任意の溶剤を除いた組成物全体に対して一般には0.01〜20重量%(wt%)、好ましくは0.1〜10重量%で存在することができる。
【0042】
本発明の促進剤は、2つの種類の材料から選択することができる。これらの材料の活性部分(式IIIおよびIV参照)はポリマーの一部であってもよいし、本発明の組成物の任意の成分の一部に含まれてもよい。
【0043】
クラス1は式IIIで表される。
【化1】
Figure 0004436984
【0044】
クラス1の分子は、ジヒドロキシ芳香族化合物を含み、式中、各R1は独立に、水素であるか、あるいは1〜30個の炭素原子を含有する置換および未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル、およびアルコキシ基、1〜4個の置換または未置換芳香環であって2〜4個の環は縮合してもしなくてもよい基から選択された基部分であるか、あるいは2つのR1を合わせたものが少なくとも1つの飽和または不飽和の環を形成することができ、この環は置換されても未置換であってもよい。分子が3つ以上の芳香族水酸基を含有する場合、少なくとも2つの水酸基は互いに隣接するべきであり、すなわちオルト位にあるべきである。置換基は、促進剤と金属錯体の錯形成作用を妨害せず、本発明のカチオン重合を妨害しないことが重要である。
【0045】
任意のR1基に存在することができる置換基は、すべての置換基が、30個未満の炭素原子と、上限10個のヘテロ原子とを有し、ヘテロ原子は炭素鎖に割り込んで例えば、エーテルまたはチオ結合などを形成することができ、ヘテロ原子は硫黄または非過酸化物型酸素から選択されることが好ましく、置換基の例としては、メチル、エチル、ブチル、ドデシル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベンジリデン、エテニル、およびエチニルなどのヒドロカルビル基;シクロヘキシルなどのシクロヒドロカルビル基;メトキシ、ブトキシ、およびフェノキシなどのヒドロカルビルオキシ基;メチルメルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チオフェノキシ)などのヒドロカルビルメルカプト基;メトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、およびフェノキシカルボニルなどのヒドロカルビルオキシカルボニル;ホルミル、アセチル、およびベンゾイルなどのヒドロカルビルカルボニル;アセトキシ、およびシクロヘキサンカルボニルオキシなどのヒドロカルビルカルボニルオキシ;トリフルオロメチルおよびペンタフルオロフェニルなどのペルフルオロヒドロカルビル基;アゾ;ボリル;ハロ、例えば、クロロ、ヨード、ブロモ、およびフルオロ;水酸基;シアノ;ニトロ;ニトロソ;トリメチルシロキシ;ならびにシクロペンタジエニル、フェニル、ナフチル、およびインデニルなどの芳香族基を挙げることができる。さらに、R1はポリマーの単位であってもよい。この種類の例としては、カテコールノボラック樹脂、またはフェニル環が好くなくともオルトジヒドロキシ基で置換されたポリスチレン型ポリマーが挙げられる。
【0046】
好適なクラスI促進剤の例は、カテコール;ピロガロール;没食子酸;例えば、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチルなどの没食子酸のエステル(没食子酸のカルボン酸とアルコールの縮合によって調製される);タンニン酸などのタンニン;4−tert−ブチルカテコール、4−ニトロカテコールなどのニトロカテコール、3−メトキシカテコールなどのメトキシカテコールなどのアルキルカテコール;2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン;および2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノンである。
【0047】
クラス1促進剤は、全重合性組成物の0.01〜10.0重量%の範囲、好ましくは0.1〜4重量%の範囲の量で存在することができる。
【0048】
クラス2は式IVで示される。
【化2】
Figure 0004436984
【0049】
クラス2の分子は、β−ジケトン部分を揺する化合物を含み、式中、各R2は同種でも異種でもよく、水素を含まないことを除けばクラス1促進剤で説明されるR1と同じものであってよく、R3は置換または未置換のアルキル基またはアリール基であってよい。このクラスの促進剤の好適な例は、2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、およびRoche Vitamins,Inc.(Parsippany,NJ)のPARSOL 1789およびEM Industries,Inc.(Hawthorne,NY)のEUSOLEX 9020として入手可能な1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−1,3−ジオンである。クラス2の好ましい化合物は2,4−ペンタンジオンである。クラス2促進剤は、ビス−η6−アレーン型有機金属塩と使用すると特に有用である。クラス2促進剤は、全重合性組成物の0.05〜10.0重量%の範囲、好ましくは0.05〜4重量%の範囲の量で存在することができる。
【0050】
異なるクラスの促進剤、あるいは同じクラスの促進剤でさえ、任意の開始剤と同等に有効であるわけではないことに注意されたい。
【0051】
1価または多価アルコールを強化剤として重合性組成物に加えることも好ましい場合があり、これも本発明の範囲内である。アルコールまたはポリオールは鎖延長を促進し、硬化時のエポキシドの過度の架橋を防止する。
【0052】
代表的な1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−フェノキシエタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、3−シクロヘキシル−1−プロパノール、2−ノルボルナンメタノール、およびテトラヒドロフルフリルアルコールを挙げることができる。
【0053】
本発明で有用なポリオールは2〜5個、好ましくは2〜4個の非フェノール性水酸基を有する。有用なポリオールの例としては、限定するものではないが、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、および2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ペンタエリトリトール、2−エチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2−オキシジエタノール、ソルビトール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、およびポリアルコキシル化ビスフェノールA誘導体が挙げられる。有用なポリオールの他の例は米国特許第4,503,211号に開示されている。
【0054】
より高分子量のポリオールとしては、Union Carbideから供給されるCARBOWAXポリエチレンオキシド材料などの分子量範囲が200〜20,000のポリエチレンオキシドポリマーおよびポリプロピレンオキシドポリマー、Union Carbideから供給されるTONEポリオール材料などの分子量範囲が200〜5,000のカプロラクトンポリオール、Dupont(Wilmington,DE)から供給されるTERATHANE材料などの分子量範囲が200〜4,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、Elf Atochemから供給されるPOLY BDなどの水酸基末端ポリブタジエン樹脂、Creanova Inc.(Somerset,NJ)のDYNAPOLコポリエステル材料などの水酸基末端ポリエステル材料、あるいは他の製造元の供給する同等物が挙げられる。
【0055】
アルコール官能性成分は、材料の混合物として存在することができ、モノヒドロキシおよびポリヒドロキシ含有材料を含むことができる。アルコールは、組成物中のエポキシと水酸基の比が約1:0.1〜1:1の間、より好ましくは約1:0.2〜1:0.8の間、最も好ましくは約1:0.2〜1:0.6の間となるために十分な量で存在することが好ましい。
【0056】
フィルム系組成物の製造を促進するために熱可塑性オリゴマーまたはポリマー樹脂を混入することも本発明の範囲内である。これらの熱可塑性材料によってフィルムの製造をより容易に行うことが可能となり、すなわちフィルム形成剤として使用され、用途によっては適当な溶剤を使用して再加工することができる。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度および/または融点が120℃未満であることが好ましい樹脂が挙げられる。有用な熱可塑性樹脂には、カチオン硬化性モノマーのカチオン重合を妨害する基が実質的に存在しない。より具体的には、有用な熱可塑性樹脂にはアミン、アミド、ニトリル、硫黄、またはリン官能基などの求核性基が実質的に存在しない。さらに、好適な熱可塑性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)またはメチルエチルケトン(MEK)などの溶剤に溶解性であり、使用されるエポキシ樹脂と相溶性である。
【0057】
この相溶性のために、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の混合物を相分離させずに溶液流延することができる。これらの特性を有し本発明で有用な熱可塑性樹脂の非限定的な例としては、ポリエステル、コポリエステル、アクリルおよびメタクリル樹脂、ポリスルホン、Phenoxy Associates(Rock Hill,SC)より入手可能なPAPHEN材料などのフェノキシ樹脂、およびノボラック樹脂が挙げられる。2種類以上の熱可塑性オリゴマーまたはポリマー樹脂を組成物中の調製に使用することも本発明の範囲内である。
【0058】
本発明の組成物のポットライフを延長させることが望ましい場合は、安定剤を混入すると有用である場合がある。有用なポットライフ安定剤としては、ルイス塩基、1,10−フェナントロリン、2,2’−ジピリジル、および2,4,6−トリピリジチロアジンなどの窒素キレートリガンド;トリアルキル、トリアリール、トリシクロアルキル、およびトリアルクアリール(trialkaryl)アミン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフィット、アルシン、およびスチビン、例えば、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリフェニルアルシン、およびトリフェニルホスフィット;大環式クリプタンドおよびクラウンエーテル、例えばすべてAldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)より入手可能な12−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6,21−クラウン−7、KRYPTOFIX 211、およびKRYPTOFIX 222;ならびにケトンまたはアルデヒドを第1級アミンと縮合させることによって一般に生成されるシッフ塩基誘導体が挙げられる。好適な安定剤は米国特許第5,494,943号に記載されている。
【0059】
式Iで表された有機金属錯イオン塩を含み、それらの組み合わせを含むクラス1または2から選択された少なくとも1種類の促進剤とを含む好適な開始系は、一般に熱および/または光の形態である十分なエネルギーを加えることによって、本発明の組成物の重合触媒として作用する。触媒的有効量は、有機金属塩のリガンドおよび対イオンの選択、ならびに少なくとも1種類の促進剤の種類および量の選択などの種々の要因に依存する。
【0060】
重合温度および使用される開始剤系の量は、使用される特定の重合性組成物および重合生成物の所望の用途に依存して変動する。
【0061】
本発明の硬化組成物の作製では、任意にシランカップリング剤を加えられる。少なくとも1つの基材面がガラス、酸化物、あるいはシランカップリング剤の添加による利点がある他の任意の表面である場合に、接着性を向上させるために重合性組成物にシランカップリング剤を加えることが好ましい。使用される場合は、シランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ樹脂と反応しうる官能基を含む。
【0062】
溶剤、好ましくは有機溶剤を、重合性モノマー中の開始剤系の溶解を促進するために加えることができ、さらに加工助剤として使用することができる。重合性組成物の製造を簡単にするために、少量の溶剤に溶解した有機金属錯塩の高濃度溶液を調製すると好都合となることもある。有用な溶剤は、ラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトン;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン;スルホン類、例えばテトラメチレンスルホン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、ブタジエンスルホン、メチルスルホン、エチルスルホン、プロピルスルホン、ブチルスルホン、メチルビニルスルホン、2−(メチルスルホニル)エタノール、2,2’−スルホニルジエタノール;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;環状カーボネート、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびビニレンカーボネート;カルボン酸エステル、例えば酢酸エチル、酢酸メチルセロソルブ、ギ酸メチル;およびその他の溶剤、例えば塩化メチレン、ニトロメタン、アセトニトリル、亜硫酸グリコール、および1,2−ジメトキシエタン(グリム)である。用途によっては、米国特許第4,677,137号に記載されるようにシリカ、アルミナ、クレイなどの不活性担体上に開始剤を吸着させると好都合となる場合もある。
【0063】
本発明の組成物を硬化させるための好適な熱源としては、誘導加熱コイル、オーブン、ホットプレート、ヒートガン、レーザーなどの赤外線源、マイクロ波源が挙げられる。好適な電磁放射線源としては、紫外光源、可視光源、および電子ビームが挙げられる。
【0064】
本発明の物品を作製するために有用となる好適な基材としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、銅、カドミウム、亜鉛、ニッケル、スチール、鉄、銅)、ガラス、紙、木材、種々の熱可塑性フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンポリエチレン)、熱硬化性フィルム(例えば、ポリイミド)、織物、セラミックス、および酢酸セルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。
【0065】
着色剤、研磨粒子、酸化防止安定剤、熱分解安定剤、光安定剤、導電性粒子、粘着性付与剤、流れ調整剤、増粘剤、つや消し剤、不活性充填剤、バインダー、発泡剤、殺真菌剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、ゴム強化剤、および当業者に公知の他の添加剤などの補助剤を本発明の組成物に任意に添加することができる。無機および有機の両方の充填剤などのように、これらの補助剤は実質的に非反応性であってもよい。これらの補助剤を使用する場合は、その意図する目的に対する有効量が加えられる。
【0066】
本発明の組成物は、耐摩耗性コーティング層または保護コーティング層を物品に形成するために有用であり、成型品として有用であり、ホットメルト接着剤および構造用接着剤などの接着剤として有用であり、研磨材のバインダーとして有用である。本発明の組成物は、組成物中での触媒の活性化時または組成物の硬化時に色の変化が起りうる。このような変色を示しうるさらなる組成物の例は、同時係属中の米国特許出願第09/224,421号(Attorney Docket No.54529USA1A)に開示されている。
【0067】
一般に、組成物の物理的性質、すなわち、硬度、剛性、弾性率、伸び、強度などは、エポキシ樹脂の選択によって決定され、さらにアルコール含有材料が使用される場合は、エポキシとアルコールの比およびアルコールの性質によって決定する。特定の用途に応じて、系のこれらの物理的性質のそれぞれは特定の最適値を有する。一般に、エポキシ/アルコール比がより高い硬化材料は、エポキシ/アルコール比がより低い材料よりも剛性が高い。一般に、エポキシ/アルコール組成物の場合、より短い鎖のポリオールからは、より長い鎖のポリオールを使用する場合よりもより剛性の高い硬化組成物が得られる。組成物の剛性は、ポリオールの代わりにより鎖の短い1官能性アルコールを使用することによっても増加させることができる。一般にエポキシ/アルコール混合物は、エポキシのみの組成物よりも硬化が速い。脂環式エポキシドは、グリシジルエーテルエポキシドよりも速く硬化する。これら2種類のエポキシの混合物を使用することによって、硬化速度を所望の速度の調整することができる。
【0068】
本発明の材料を使用してコーティングされた研磨物品を製造するためには、研磨粒子を硬化性組成物に加える必要がある。一般的手順は、紙、織物、ポリエステルなどの好適な基材を選択し、硬化性組成物からなる「メイクコート」でこの基材をコーティングし、研磨粒子を適用し、次にエネルギー源を適用することによって硬化させることを含む。硬化するとメイクコートよりも硬質な材料となる「サイズコート」を次にメイクコート上にコーティングして硬化させる。サイズコートは研磨粒子を所定の位置に固定する働きをする。この用途およびその他の用途では、コーティングは、バーコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、押出ダイコーティング、ナールドロールコーティング、またはスピンコーティング、あるいは吹付け、はけ塗り、または積層などの方法によって行うことができる。
【0069】
構造用/半構造用接着剤を製造するために、本発明の硬化性組成物は、シリカ充填剤、ガラスバブル、および強化剤などのさらなる補助剤を含むことができる。これらの補助剤は、硬化組成物に靭性を与え、硬化組成物の密度を低下させる。一般により鎖の短いポリオールは、硬化したエポキシの鎖延長によって靭性を付与するために使用される。一般に鎖の長すぎるジオールでは、硬化組成物が柔らかくなりすぎ、構造用/半構造用用途に要求される強度が得られない。水酸基数が4以上のポリオールを使用すると、架橋が過剰な物質が得られ、そのため接着剤が脆くなる。
【0070】
本発明の材料を使用して磁気媒体を作製するためには、磁性粒子を本発明の硬化性組成物に加える必要がある。磁気媒体は好適な基材(一般にはポリエステルなどのポリマー基材)上にコーティングする必要がある。一般に、コーティング層は非常に薄いので、好適な薄く均一なコーティング層を形成するためには十分に担体溶剤を加えなければならない。コーティング層は迅速に硬化する必要があるので、迅速な開始剤系および硬化性材料を選択する必要がある。硬化組成物は適度に高弾性である必要があるので、適切な硬化性材料を選択する必要がある。
【0071】
本発明の材料から透明な耐摩耗性コーティング層を形成したい場合、組成物の選択に関する2つの重要な基準は、硬化組成物の透明度と靭性である。一般に、粒子状補助剤は硬化組成物の光沢と透明度を減少させるので添加されない。任意に、着色フィルムを作製するために顔料または染料を添加することができる。
【0072】
導電性接着剤を作製する場合、本発明の硬化性組成物には、所望の接点間が接着剤によって導電性となる量の導電性粒子が充填される。導電性接着剤の種類の1つで、「z軸接着剤」または「異方性導電性接着剤」とよく呼ばれるものがある。この種類の接着剤で、接着剤のz軸方向の接点間では導電性が得られるがx−y面では導電性が得られない量の導電性粒子が充填される。このようなz軸接着剤は、ポリマーフィルムなどの担体基材上の薄膜接着剤として製造されることが多い。z軸接着剤として好適な材料の説明は、米国特許第5,362,421号に開示されている。
【0073】
成型品は、例えば、反応射出成形、注型などの当業者に公知の手段によって作製される。
【0074】
本発明の目的および利点は以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、これらの実施例は本発明を限定するために構成されたものではない。
【0075】
実施例
実施例では、すべての部、比、およびパーセントは他に明記しない限りは重量を基準にしている。使用されるすべての材料は、他に明記しない限りはAldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)より市販されている。他に明記しない限り、すべての実施例は周囲雰囲気下(通常量の酸素および水蒸気の存在下)で作製した。
【0076】
一般的な試料作製手順は以下の通りである:所望の量の促進剤をエポキシ含有組成物と混合し、得られた混合物を必要であれば加温して成分を完全に溶解させ、使用前にこの混合物を室温(23℃)まで冷却した。カチオン性有機金属触媒の所望の量を測定し、所望の量の溶剤を加えて触媒を溶解させ、適切な量のエポキシおよび促進剤含有混合物を加え、木製の塗布用スティックを使用して手で十分に混合することによって硬化性混合物を作製した。
【0077】
示差走査熱分析(DSC)
TA Instruments Inc.(New Castle,DE)912 DSCを使用して示差走査熱分析(DSC)を行い、カチオン重合性モノマーの熱硬化に関する反応の発熱を測定した。DSC試料は通常6〜12mgであった。試験は、密封したアルミニウム性液体試料用パンを使用し、室温(23℃)〜300℃において速度10℃/分で行った。反応過程のデータは、熱流対温度を示すチャート上にグラフで示された、発熱ピークの下の積分領域は、反応中に発生した全発熱エネルギーを表し、ジュール/グラム(J/g)の単位で測定され、発熱エネルギーは硬化の程度、すなわち重合度に比例する。発熱特性、すなわち開始温度(反応が始まる温度)、ピーク温度、および終了温度によって、材料を硬化させるために必要な条件の情報が得られる。任意の特定の反応で、発熱の開始温度および/またはピーク温度がより低い法に移動する場合、このことは反応材料がより低温で重合することを示しており、ゲル化時間がより短くなることと相関がある。
【0078】
示差光熱分析(DPC)
示差光熱分析(DPC)を使用して、光に曝露した間のカチオン重合性モノマーの光開始硬化と関連する反応の発熱を測定した。DPC試料量は通常6〜12mgであった。試験は窒素パージ下で開放アルミニウムパンを使用して行い、TA Instruments Inc.912 DSCを基本としこれにTA Instruments Inc.930示差光熱分析計(TA Instruments Inc.、New Castle,DE)を取付けたものを使用した。200ワット水銀ランプを光分解段階で使用した。通常の試験では、DPC試験全体を通して所望の温度で試料が等温に維持される。光を当てない状態で試料を2分間維持した後、シャッターを開放して試料に5分間光を照射し、その後シャッターを閉じて、光を当てない状態で試料をさらに2分間維持した。DPC試験のデータは、発熱流対時間を示すチャートにグラフとして記録した。発熱ピーク下の領域は、光照射中の全発熱エネルギーを表しており、単位ジュール/グラム(J/g)で測定される。発熱エネルギーは硬化の程度に比例し、任意の特定の反応では、DPCの全発熱エネルギーの増加は、光照射中の硬化が高い割合で起ったことを示す。DPC試験の直後に試料に密封し、10℃/分で加熱して前述のDSC試験を行った。全発熱エネルギーはDPCとDSCのエネルギーを合わせたものであり、重合の全発熱エネルギーである。
【0079】
【表1】
Figure 0004436984
【0080】
【表2】
Figure 0004436984
【0081】
比較例C1
促進剤を含まないエポキシ含有組成物のゲル化時間を測定するために、0.02gの(メシチレン)2Fe(SbF62をアルミニウム秤量皿(VWR/Scientific Products Inc.,West Chester,PA)に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。溶剤への開始剤の溶解を促進するために、この混合物を木製の塗布用スティック(Puritanブランド、Hardwood Products Company(Guilford,ME)より入手可能)で撹拌した。得られた触媒溶液に、2.0gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM混合物(混合物の全重量を基準にした88:6:6重量%比(w/w))(以降「モノマー混合物」と呼ぶ)を加えた。このモノマー混合物は、始めに1,6−ヘキサンジオールとCHDMの重量比50:50混合物を60℃に加熱し、得られた液体を室温まで冷却し、続いて12重量%のこの液体を適切な量のEPON 828に加えることによって調製した。得られた混合物を80℃で30分間加熱した後、30秒間激しく振盪すると均一溶液が得られ、これを30分間かけて室温まで冷却すると乳白色に変化した。このモノマー混合物を触媒溶液に加え、続いて木製塗布用スティックを使用して手で十分に撹拌した。ゲル化時間測定のため、皿をホットプレート上に置き、125℃で予備加熱した。木製塗布用スティックの端で試料をひっかいて、一定時間ごとにに試料の硬化を調べた。ゲルの存在は、液体樹脂の固化によって示された。試料がもはや液体として存在しない時間を、ゲル化時間または硬化時間であると判断した。この実施例ではゲルは1:27(分:秒)後に形成された。
【0082】
実施例1〜7
1重量%のクラス1促進剤を熱硬化性組成物に添加したことによる効果を調べた。ガラスビン中で、0.1gの添加剤と10gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製)を混合して、促進剤(「添加剤」)とエポキシ樹脂のストック溶液を調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスビンはふたをして、Despatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch Industries,Inc.、Minneapolis,MN)内に置き、成分を完全に溶解させるために80℃で約30分間予備加熱し、加熱後にビンを15秒間激しく振盪し、次に使用前に混合物を室温(23℃)まで冷却した。これによってエポキシ含有組成物中に添加剤を1%w/w含有する溶液が得られた。
【0083】
各実施例で、0.02gの(メシチレン)2Fe(SbF62をアルミニウム皿に秤量し、続いて0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの適当なストック溶液を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。
【0084】
比較例1に記載の手順に従って125℃におけるゲル化時間を測定した。表1のデータは使用した条件下で、比較例1で得られたゲル化時間と比較した場合、クラス1型促進剤を混入することによって配合物のゲル化時間が短縮されたことを示している。各実施例では、熱硬化中に配合物の色が薄オレンジ色から暗紫色に変化した。
【0085】
【表3】
Figure 0004436984
【0086】
実施例8〜14
2重量%のクラス1促進剤を熱硬化性組成物に加えることによる効果を調べた。ガラスビン中で0.2gの添加剤と10gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)とを混合して、促進剤とエポキシ樹脂のストック溶液を調製した。エポキシ/促進剤混合物を含むガラスビンにふたをして、Despatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch Industries,Inc.、Minneapolis,MN)に入れ、成分を完全に溶解させるために80℃で約30分間予備加熱し、加熱後にビンを激しく振盪し、使用前に混合物を室温(23℃)まで冷却した。これによってエポキシ中に添加剤が2%w/w含まれる溶液が得られた。
【0087】
各実施例では、0.02gの(メシチレン)2Fe(SbF62をアルミニウム皿に秤量し、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの適切なストック溶液を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。
【0088】
比較例1に記載の手順に従って125℃におけるゲル化時間を測定した。表2のデータは、表1のデータは使用した条件下で、比較例1で得られたゲル化時間と比較した場合、クラス1型促進剤を混入することによって配合物のゲル化時間が短縮されたことを示している。さらに実施例1〜7と比較すると、表2のデータは、2%の促進剤を混入することによって1%の促進剤を混入した配合物よりもゲル化時間が短縮されたことを示している。実施例1〜7で見られたように、熱硬化中に組成物の色はオレンジ色から暗紫色に変化した。
【0089】
【表4】
Figure 0004436984
【0090】
比較例C2〜C5
m−およびp−ジヒドロキシ置換ベンゼン化合物を促進剤として評価した。添加剤のストック溶液を実施例2〜14に一般的に記載される手順に従って調製した。
【0091】
各比較例では、0.02gの(メシチレン)2Fe(SbF62をアルミニウム皿に秤量し、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの適切なストック溶液を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。
【0092】
比較例1に記載の手順に従って125℃におけるゲル化時間を測定し、その結果を表3に示した。比較例1および実施例1〜14のデータと比較した場合、表3のデータは、m−またはp−ジヒドロキシ基のみを有する添加剤は、o−ジヒドロキシ基を有する本発明の促進剤とは対照的に、促進剤としては有効ではなかったことを示している。
【0093】
【表5】
Figure 0004436984
【0094】
実施例15〜22および比較例C6
クラス2促進剤を熱硬化性組成物に添加することによる効果を調べた。それぞれ0.0125g、0.025g、0.05g、0.1g、0.2g、0.4g、0.8g、および1.2gの2,4−ペンタンジオンを、10gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)を含有する別々のビンに加え、木製塗布具を使用して手で十分に混合することによって、0.125%、0.25%、0.5%、1%、2%、4%、8%、および12%の2,4−ペンタンジオンを含有する促進剤/エポキシ混合物のストック溶液を調製した。各実施例では、0.02gの(メシチレン)2Fe(SbF62をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの適切なストック溶液を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。各実施例について2つの試料を調製し、125℃および80℃におけるゲル化時間を測定した。表4の結果は、少量の添加剤によってゲル化時間が有意に短縮され、概して添加剤量の増加が、ゲル化時間がより短縮されることと相関していることを示している。促進剤の濃度が4%を超えると、硬化材料は完全に抗体ではあるが、試料を観察し手で触って調べてみると、対照材料やより低い添加剤濃度で作製した材料よりも有意に柔らかいことが分かった。今回も各実施例で、熱硬化時に組成物の色の薄オレンジ色から暗紫色への変化が見られた。
【0095】
【表6】
Figure 0004436984
【0096】
実施例23〜24および比較例C7〜C8
光硬化性組成物へのクラス1促進剤の添加の効果を示差光熱分析(DPC)を使用して調べた。比較例と実施例の両方で、促進剤を加えたあるいは加えなかったエポキシ組成物の光開始重合を40℃における示差光熱分析(DPC)で調べ、さらに続けて示差走査熱分析(DSC)を行った。比較例の場合、0.02gの選択した光開始剤をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gの3−メチルスルホラン溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gのERL 4221を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。本明細書に記載されるDPCおよびDSC試験法に従って得られた溶液に光を照射し、次に熱を加えた。結果を表5に示す。比較例についてのDPCおよびDSC試験が終了してから、0.08gの3−メトキシカテコールを比較例の各配合物に加え、3−メトキシカテコールが完全に溶解するまで室温で十分に混合することによって、実施例23〜24の試料を調製した。得られた組成物についてDPCおよびDSCを使用して試験を行い、その結果を表5に示す。表5のデータは、促進剤の添加によってDPC発熱エネルギーが増大したことから、促進剤の添加によって露光中の重合度が増大していることを示している。
【0097】
【表7】
Figure 0004436984
【0098】
比較例C9
促進剤を含まない光開始エポキシ組成物のゲル化時間を測定するために、0.02gのCpFeXylSbF6をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。得られた試料を500ワットタングステン−ハロゲンランプの下で、試料が光源から12cm(4.72インチ)離れるように配置し、ゲル化が観察されるまで連続的に光を照射した。ゲルの存在は、液体樹脂が固化することで確認された。この比較例では、ゲルは3:35(分:秒)後に形成された。
【0099】
実施例25〜31
クラス1促進剤を含有する光開始エポキシ組成物のゲル化時間を測定した。ガラスビン中で0.1gの添加剤と10gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)を混合することによって、異なる種類のクラス1促進剤とエポキシ樹脂のストック溶液を調製した。エポキシ/促進剤混合物を含有するガラスビンにふたをして、Despatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch Industries,Inc.Minneapolis,MN)に入れ、成分を完全に溶解させるために80℃で30分間予備加熱し、加熱後に15秒間激しく振盪し、使用前に室温(23℃)まで冷却した。これによってエポキシ中に1%w/wの添加剤を含有する溶液が得られた。
【0100】
各実施例では、0.02gのCpFeXylSbF6をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの適切なストック溶液を加え、続いて木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。比較例9に記載の手順に従ってゲル化時間を測定し、その結果を表6に示す。表6のデータは、クラス1型促進剤をエポキシ含有配合物に混入することによってゲル化時間が短縮されることを示している。
【0101】
【表8】
Figure 0004436984
【0102】
実施例32〜33および比較例C10
光開始組成物にクラス1促進剤を種々の量で加えた場合の効果を調べた。これらの実施例では、促進剤を加えたまたは加えなかったエポキシ組成物の光開始重合について示差光熱分析(DPC)で調べた後、示差走査熱分析(DSC)を行った。ガラスビン中でそれぞれ0.1gおよび0.2gの添加剤と10gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)を混合することによって、1%および2%没食子酸プロピルがエポキシ樹脂に含まれるストック溶液を調製した。エポキシ/促進剤混合物を含有するガラスビンにふたをして、Despatch LFD 1−42−3オーブン(Despatch Industries,Inc.Minneapolis,MN)に入れ、成分を最大限溶解させるために80℃で30分間予備加熱し、加熱後に15秒間激しく振盪し、使用前に室温(23℃)まで冷却した。これによってエポキシ中にそれぞれ1%w/wと2%w/wの添加剤を含有する溶液が得られた。
【0103】
各実施例では、0.02gのCpFeXylSbF6をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの所望のストック溶液を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。比較例の場合は、0.02gのCpFeXylSbF6をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gのEPON 828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)混合物(比較例C1に記載の方法と同様にして調製した)を加えた後、木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。
【0104】
実施例および比較例で得られた溶液に、本明細書に記載されるDPCおよびDSCの試験法に従って光および熱を与え、その結果を表7に示す。DPC試験は40℃で行った。DPC実施例および比較例のいずれもDPCでは発熱が測定されなかったが、促進剤の効果は引き続くDSC試験によって確認することができた。表7のデータは、エポキシ配合物に1%没食子酸プロピルを混入すると発熱ピーク温度がより低温に移行し、2%没食子酸プロピルを混入した場合にはさらに低温に移行することを示している。このデータをグラフで示したものが図1である。DSC発熱エネルギーは、43℃〜200℃の間の曲線の下のエネルギーを積分することによって求めた。比較例C10のピーク最高温度(115.3℃)より高温および低温での積分発熱エネルギー量を計算した。比較例ピーク温度より低温での前記DSC発熱エネルギーの領域が大きいほど、硬化度が高い。表7から、添加する促進剤の量を増加することによって、より多量の添加剤が存在する場合に有意に硬化度が高くなることがわかる。
【0105】
【表9】
Figure 0004436984
【0106】
実施例34
クラス2促進剤を含有する光開始エポキシ組成物のゲル化時間を測定した。0.1gの2,4−ペンタンジオンと10gのEPON828/1,6−ヘキサンジオール/CHDM(88:6:6w/w)混合物を混合し、木製塗布用スティックを使用して手で十分に撹拌することによって、クラス2促進剤の2,4−ペンタンジオンの1%ストック溶液を調製した。これによってエポキシ中に1%w/wの添加剤を含む溶液を得た。この実施例では、0.02gのCpFeXylSbF6をアルミニウム皿に秤量した後、0.04gのプロピレンカーボネート溶剤を加えた。開始剤の溶剤への溶解を促進するために、木製塗布用スティックを使用して混合物を撹拌した。得られた触媒溶液に2.0gの促進剤/エポキシ溶液を加え、続いて木製塗布用スティックを使用して手で十分に混合した。比較例9に記載の手順に従ってゲル化時間を測定した。この実施例では、ゲル化時間は5:46(分:秒)であった。この実施例のゲル化時間を比較例9の結果と比較すると、このクラス2型促進剤の1%溶液は、CpFeXylSbF6触媒を使用して硬化させる配合物のゲル化時間の促進には特に有用ではなかったことが分かる。
【0107】
本発明の種々の変更および変形は、本発明の範囲および意図から逸脱することなしに当業者には明らかとなるであろうし、本発明は本明細書に記載される説明的実施例によって不当に制限されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、EPON 828/1,6−ヘキサンジオール/1,4−CHDMの88:6:6重量%混合物を含む本発明の組成物を、CpFeXylSbF6触媒と0重量%、1重量%、および2重量%の没食子酸プロピルで硬化させた場合の開始温度、ピーク温度、終了温度、および全発熱エネルギーの変化を示している。ピーク温度115.3℃、113.0℃、および98.74℃が、それぞれ没食子酸プロピル0重量%、1重量%、および2重量%に対応している。

Claims (3)

  1. 少なくとも1種類のエポキシ化合物のカチオン硬化性材料を含むエネルギー重合性組成物の硬化用2成分開始剤系であって、その開始剤系が少なくとも1種類の有機金属錯体カチオンの塩と少なくとも1種の促進剤を含み、前記カチオンが遷移金属原子と結合する少なくとも1つの炭素原子を含み、前記促進剤またはその促進剤の活性化部分が、
    a)下式(III)により表される化合物、
    Figure 0004436984
    (式中、
    各R1は、独立に、(i)全てのR1が水素でないことを条件として、水素であるか、または、(ii)1から30個の炭素原子を含む、置換または未置換の、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシ基から選択される基部分であるか、または(iii)1〜4個の置換または未置換の芳香族環の基であり、その2〜4個の環が縮合しているかまたは縮合していない基である)
    b)タンニン、ニトロカテコール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、または没食子酸のエステル、または
    c)下式(IV)の化合物
    Figure 0004436984
    (式中、
    各R2は、独立に、(i)1から30個の炭素原子を含む、置換または未置換の、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシ基から選択される基部分であるか、または(ii)1〜4個の置換または未置換の芳香族環の基であり、その2〜4個の環が縮合しているかまたは縮合していない基であり、さらにR3は、置換または未置換のアルキルまたはアリール基である)
    から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、開始剤系
  2. 前記有機金属錯体カチオンの塩が式(I)
    [(L1y(L2zM]+qn (I)
    (式中、
    Mは、Cr、Ni、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、およびIrを含む群から選択され;
    1は、芳香族化合物および複素環式芳香族化合物から選択することができるπ電子を供与する0、1、または2個の同種または異種のリガンドを表し、前記リガンドは6個のπ電子をMの原子価殻に供与することができ;
    2は、シクロペンタジエニルアニオン基およびインデニルアニオン基から選択することができるπ電子を供与する0、1、または2個の同種または異種のリガンドを表し、前記リガンドはMの原子価殻に6個のπ電子を供与することができ;
    qは1または2の値を有する整数であり、前記錯体カチオンの残留電荷であり;
    yは2であり、zは0であり、;
    Xは、トリス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルイミド、トリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチド、テトラキス−(フッ素化アリール)ボラート、有機スルホン酸アニオン、金属または半金属のハロゲン含有錯体アニオンから選択されたアニオンであり;
    nは1または2の値を有する整数であり、錯体カチオンの電荷qを中和するために必要な錯体アニオンの数である。)
    を有する、請求項に記載のエネルギー重合性組成物の硬化用2成分開始剤系
  3. 少なくとも1種類のエポキシ化合物のカチオン硬化性材料と請求項1または2に記載のエネルギー重合性組成物の硬化用2成分開始剤系を含むエネルギー重合性組成物。
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