JPH1160684A - カチオン硬化性プレポリマーおよびそれを含む活性エネルギー線硬化型塗料組成物 - Google Patents

カチオン硬化性プレポリマーおよびそれを含む活性エネルギー線硬化型塗料組成物

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JPH1160684A
JPH1160684A JP21613297A JP21613297A JPH1160684A JP H1160684 A JPH1160684 A JP H1160684A JP 21613297 A JP21613297 A JP 21613297A JP 21613297 A JP21613297 A JP 21613297A JP H1160684 A JPH1160684 A JP H1160684A
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JP
Japan
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manufactured
epoxy
same
compound
prepolymer
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JP21613297A
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English (en)
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Katsuyuki Ueki
克行 植木
Hiroyuki Kubota
裕之 久保田
Masayuki Yamamoto
昌幸 山本
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化速度が速く、基材への密着が良好で、かつ
硬化後に優れた物性を発現するカチオン硬化性プレポリ
マー、およびそれを含む活性エネルギー線硬化型塗料組
成物の提供。 【解決手段】重量平均分子量 300〜100000、水酸基価50
〜1000mgKOH/g の水酸基を有する化合物(a)と、酸価
10〜985mgKOH/gの多価カルボン酸(b1)またはその環
状無水物(b2)と、エポキシ基を2〜4個有し、エポ
キシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポキシ基である
多価エポキシ化合物(c)とを反応させて得られるカチ
オン硬化性プレポリマー、および該プレポリマー5〜9
4.5重量%、常温で液状のエポキシ化合物5〜94.
5重量%、光重合開始剤0.5〜15重量%を含んでな
る活性エネルギー線硬化型塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン硬化性プ
レポリマーおよびそれを含み硬化性に優れる活性エネル
ギー線硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン硬化技術は従来から公知であ
り、エポキシ化合物、カチオン光重合開始剤等の材料が
市販されている。エポキシ化合物としては、脂環式エポ
キシ化合物が硬化性に優れることが知られている。しか
しながら、市販の脂環式エポキシ化合物は低分子量のも
のが多く、1分子中のエポキシ基の数は4個程度までで
ある。このような低分子量の脂環式エポキシ化合物で
は、生産性向上のためには硬化速度が不十分である。硬
化速度を改善する技術として、特開平2−289611
号公報に開示される脂環式エポキシ基を有するアクリル
樹脂を用いる方法が挙げられるが、この方法をもってし
てもまだ十分とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化速度が
速く、基材への密着が良好で、かつ硬化後に優れた物性
を発現するカチオン硬化性プレポリマー、およびそれを
含む活性エネルギー線硬化型塗料組成物の提供を目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重量平均
分子量300〜100000、水酸基価50〜1000
mgKOH/gの水酸基を有する化合物(a)と、酸価
10〜985mgKOH/gの多価カルボン酸(b1)
またはその環状無水物(b2)と、エポキシ基を2〜4
個有し、エポキシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポ
キシ基である多価エポキシ化合物(c)とを反応させる
ことにより、脂環式エポキシ基を多数有するカチオン硬
化性プレポリマーが得られることを見出し、本発明に至
った。このプレポリマーは、たとえ一部の脂環式エポキ
シ基しか反応しなくても十分架橋するため、光照射直後
に非常に高い硬度が発現する。また、このプレポリマー
は、硬化型塗料組成物中に未反応物として残留しにくい
ため、硬化後の耐性に優れるという特長を有する。
【0005】すなわち、本発明は、重量平均分子量30
0〜100000、水酸基価50〜1000mgKOH
/gの水酸基を有する化合物(a)と、酸価10〜98
5mgKOH/gの多価カルボン酸(b1)またはその
環状無水物(b2)と、エポキシ基を2〜4個有し、エ
ポキシ基のうち少なくとも1個が脂環式エポキシ基であ
る多価エポキシ化合物(c)とを反応させて得られるカ
チオン硬化性プレポリマーに関する。
【0006】また、本発明は、化合物(a)が、下記か
ら選ばれる少なくとも1種類の化合物である上記カチオ
ン硬化性プレポリマーに関する。 (a1)水添ケトン樹脂 (a2)フェノール樹脂 (a3)アリルアルコール共重合体 (a4)アクリルポリオール (a5)ポリビニルアセタール
【0007】さらに、本発明は、 (A)上記カチオン硬化性プレポリマー 5〜94.5重量%、 (B)常温で液状のエポキシ化合物 5〜94.5重量%、 (C)光重合開始剤 0.5〜15重量% を含んでなる活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関す
る。また、本発明は、エポキシ化合物(B)のうち20
〜100重量%が、脂環式エポキシ化合物である上記活
性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン硬化性プレポリ
マーは、2段階の合成を経て得られる。すなわち、1段
階目で、水酸基を有する化合物(a)の水酸基と多価カ
ルボン酸(b1)のカルボキシル基またはその環状無水
物(b2)のカルボン酸無水物基の一部とを反応させた
中間体(ab)を得る。次いで、2段階目で、中間体
(ab)のカルボキシル基と多価エポキシ化合物(c)
の一部のエポキシ基とを反応させ、目的とするカチオン
硬化性プレポリマーを得る。
【0009】本発明のカチオン硬化性プレポリマーを製
造するための第1の出発原料である水酸基を有する化合
物(a)としては、重量平均分子量300〜10000
0、好ましくは1000〜20000、水酸基価50〜
1000mgKOH/g、好ましくは70〜500mg
KOH/gの化合物を用いる。数平均分子量が300未
満では、得られるプレポリマーの分子量が小さくなるた
め硬化速度が向上せず、100000を越えると、得ら
れるプレポリマーが高粘度となり実用的でない。また、
水酸基価が50mgKOH/g未満の場合は、第2の出
発原料である多価カルボン酸(b1)またはその環状無
水物化合物(b2)と反応する部位が少なくなるため、
得られるプレポリマーの硬化速度が向上せず、1000
を越えると、得られるプレポリマーの耐水性が低下する
恐れがある。
【0010】化合物(a)としては、下記に示す(a
1)〜(a5)が好適に用いられる。これらは1種類を
単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用い
てもよい。 (a1)水添ケトン樹脂 (a2)フェノール樹脂 (a3)アリルアルコール共重合体 (a4)アクリルポリオール (a5)ポリビニルアセタール
【0011】(a1)水添ケトン樹脂とは、アセトフェ
ノン等の芳香族ケトンとホルムアルデヒドとの重縮合物
を水添、還元して得られるものであり、水酸基価150
〜400mgKOH/gのものが好適に用いられる。市
販品としては「ハロン110H(本州化学工業(株)
製)」、「Synthetic resin SK(イ
ンペックス・ケミカル社製)」等が挙げられる。 (a2)フェノール樹脂としては、ノボラック、レゾー
ルのいずれを使用してもよい。市販のノボラックとして
は「スミライトレジンPR(住友デュレズ(株)製)」
等が挙げられる。
【0012】(a3)アリルアルコール共重合体とは、
アリルアルコールと、スチレンなどの他のモノマーとを
共重合して得られるものである。市販のスチレン/アリ
ルアルコール共重合体としては、「SAA−100(ア
ーコ・ケミカル社製)」、「SAA−101(同)」、
「SAA−104(アーコ・ケミカル社製)」等が挙げ
られる。 (a4)アクリルポリオールとは、ラジカル重合等の従
来公知の方法によってヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートのような水酸基を有するモノマーを重合または
共重合して得られるものである。市販品としては「プラ
クセルEPA(ダイセル化学工業(株)製)」、「プラ
クセルDC(同)」等が挙げられる。
【0013】(a5)ポリビニルアセタールとしては、
「デンカブチラール(電気化学工業(株)製)」、「プ
ラクセルBLCL(ダイセル化学工業(株)製)」、
「デンカホルマール(電気化学工業(株)製)」、「エ
スレックKW(積水化学工業(株)製)」等が挙げられ
る。 化合物(a)としては上記以外に、カプロラクトンポリ
オール、ポリp−ビニルフェノール、ポリグリセリン、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リオレフィン系ポリオール、ポリビニルアルコール、ポ
リカーボネートジオール、セルロースおよびその誘導体
等も使用可能である。
【0014】カプロラクトンポリオールとしては「プラ
クセル200(ダイセル化学工業(株)製)」、「プラ
クセル210N(同)」、「プラクセルL200AL
(同)」、「プラクセル300(同)」、「プラクセル
H(同)」、「プラクセル400D(同)」、「TON
E 0301(ユニオン・カーバイド社製)」、「TO
NE 0305(同)]、「TONE 0310
(同)]等が挙げられる。ポリp−ビニルフェノールと
しては「マルカリンカーM(丸善石油化学(株)
製)」、「マルカリンカーCMM(同)」、「マルカリ
ンカーCHM(同)」等が挙げられる。ポリグリセリン
としては「PGL04(ダイセル化学工業(株)
製)」、「PGL06(同)」、「PGL10(同)」
等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては「プ
ラクセルCDE(ダイセル化学工業(株)製)」、「デ
スモフェン(バイヤー社製)」等が挙げられる。
【0015】ポリエーテルポリオールとしては「ユニオ
ックス(日本油脂(株)製)」、「ユニオール
(同)」、「ユニセーフ(同)」、「ユニルーブ
(同)」、「テラサン(デュポン社製)」等が挙げられ
る。ポリオレフィン系ポリオールとしては「poly
bd R−15HT(出光石油化学(株)製)」、「p
oly bdR−45HT(同)」、「エポール
(同)」等が挙げられる。ポリビニルアルコールとして
は日本合成化学(株)のNLシリーズ、GLシリーズ、
KLシリーズ等が挙げられる。ポリカーボネートジオー
ルとしては「プラクセルCD(ダイセル化学工業(株)
製)」等が挙げられる。セルロースおよびその誘導体と
してはセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらは1
種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0016】本発明のカチオン硬化性プレポリマーを製
造するための第2の出発原料である多価カルボン酸(b
1)またはその環状無水物(b2)としては、酸価10
〜985mgKOH/g、好ましくは20〜400mg
KOH/gの多価カルボン酸またはその環状無水物を用
いる。1段階目のエステル化反応において、多価カルボ
ン酸(b1)を用いれば問題なく目的とする中間体(a
b)は得られるが、多価カルボン酸の環状無水物(b
2)を用いればより穏和な条件で反応を行うことができ
る。多価カルボン酸またはその環状無水物の酸価が10
mgKOH/g未満では、次段階における多価エポキシ
化合物(c)の反応量が少なくなり、結果として得られ
るカチオン硬化性プレポリマー中のエポキシ基が少なく
なるため硬化速度が向上しない。また、酸価が985m
gKOH/gを越えるときは、化合物(a)との架橋反
応でかなりの高粘度となり、時にはゲル化を起こすため
実用的でない。
【0017】具体的に、多価カルボン酸(b1)として
は、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、イタ
コン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、フタル
酸、リンゴ酸、テトラヒドロフタル酸(市販品:「リカ
シッドTH−W(新日本理化(株)製)」等)、ヘキサ
ヒドロフタル酸(市販品:「リカシッドHH−W
(同)」等)、ポリアゼライン酸(市販品:「リカシッ
ドPAZ−90(同)」等)イソフタル酸、テトラヒド
ロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラメ
チルフタル酸、トリメリット酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0018】多価カルボン酸の環状無水物(b2)とし
ては、無水フタル酸、2−メチル無水フタル酸、3−メ
チル無水フタル酸、無水トリメリット酸、テトラブロモ
無水タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、メチルシク
ロヘキサンジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水メチルナ
ジック酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水
メチルハイミック酸、メチルシクロへキセンジカルボン
酸無水物、無水ピロメリット酸、エチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス
(アンヒドロトリメリテート)、無水ヘット酸、無水ク
ロレンディック酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無
水グルタル酸、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク
酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸
無水物、ブチルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸
無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン
酸無水物、デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン
酸無水物、ブチルグルタミン酸無水物、ヘキシルグルタ
ミン酸無水物、ヘプチルグルタミン酸無水物、オクチル
グルタミン酸無水物、デシルグルタミン酸無水物、ドデ
シルグルタミン酸無水物、メチルビニルエーテル・無水
マレイン酸共重合体(市販品:「VEMA(ダイイセル
化学工業(株)製)」等)などが挙げられる。
【0019】本発明のカチオン硬化性プレポリマーを製
造するための第3の出発原料である多価エポキシ化合物
(c)は、エポキシ基を2〜4個有し、エポキシ基のう
ち少なくとも1個は脂環式エポキシ基である。多価エポ
キシ化合物(c)の具体例としては、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート(市販品:「サイラキュアUVR−
6110(ユニオン・カーバイド社製)」等)、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセン
ジオキシド(市販品:「ERL−4206(ユニオン・
カーバイド社製)」等)、リモネンジオキシド(市販
品:「セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)
製)」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4
−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレ
ンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−
m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)アジペート(市販品:「サイラキュアUVR−61
28(ユニオン・カーバイド社製)」等)、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロ
キサン、多官能脂環式エポキシ樹脂(市販品:「エポリ
ードGT401(ダイセル化学工業(株)製)」、「エ
ポリードGT301(同)」等)等が挙げられる。
【0020】上記化合物(a)と多価カルボン酸(b
1)またはその環状無水物(b2)とは、(a)の水酸
基1モルに対して(b1)または(b2)0.05〜1
モル、さらには0.1〜0.8モルの範囲で反応させる
ことが好ましい。(b1)または(b2)が0.05モ
ル未満では硬化速度向上の効果が発現せず、1モルより
大きいと反応時にゲル化を起こしたり、反応後の保存安
定性を悪化させる原因となる。また、得られる中間体
(ab)の酸価は、10〜300mgKOH/g、さら
には15〜200mgKOH/gであることが好まし
い。中間体(ab)の酸価が10未満の場合は、次段階
における多価エポキシ化合物(c)の反応量が少なくな
り、結果として得られるカチオン硬化性プレポリマー中
のエポキシ基が少なくなり、硬化速度の向上が不充分で
ある。一方、酸価が300を越える場合は、多価エポキ
シ化合物(c)との反応において、架橋反応が起こり易
くなり、ゲル化の原因となる。
【0021】中間体(ab)と多価エポキシ化合物
(c)とは、(ab)のカルボキシル基1モルに対して
(c)0.5〜1モル、好ましくは0.7〜1モルの範
囲で反応させることが好ましい。(c)が0.5モル未
満ではプレポリマー内に導入されるエポキシ基が少なく
硬化速度向上の効果が発現しないだけでなく、プレポリ
マー内に残存するカルボキシル基のために保存安定性も
悪くなる。本発明のカチオン硬化性プレポリマーのエポ
キシ当量は、200〜5000g/mol、さらには3
00〜2000g/molであることが好ましい。エポ
キシ当量が200g/mol未満の場合は、得られるカ
チオン硬化性プレポリマーの保存安定性が悪くなる恐れ
があり、5000g/molを越える場合は、充分な硬
化速度が発現しない。
【0022】1段階目、2段階目の双方の反応は、とも
に反応温度、触媒の使用には特に制限はない。反応温度
はおおむね50〜150℃である。触媒としては酸、塩
基、リン化合物、金属化合物、有機金属化合物等が使用
できる。酸触媒としては塩酸、硫酸、リン酸、p−トル
エンスルホン酸等が、塩基触媒としてはアミン、4級ア
ンモニウム塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]
−7−ウンデセン(DBU)、イミダゾール、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等が、リン化合物としてはリ
ン酸トリメチル、トリフェニルホスフィン等が、金属化
合物としては塩化亜鉛、塩化アルミニウム等が、有機金
属化合物としてはチタンアルコキシド、アセチルアセト
ン鉄、アセチルアセトン亜鉛等が挙げられる。その他、
反応生成物が常温で高粘度または固形の場合は取り扱い
を容易にするために、希釈剤を使用することが好まし
い。希釈剤としては、汎用の有機溶剤を使用できるが、
多価エポキシ化合物(c)を使用してもよい。
【0023】本発明のカチオン硬化性プレポリマーは、
常温で液状のエポキシ化合物および光重合開始剤と下記
の組成で配合することにより、活性エネルギー線硬化型
塗料組成物を得ることができる。 (A)本発明のカチオン硬化性プレポリマー 5〜94.5重量%、 (B)常温で液状のエポキシ化合物 5〜94.5重量%、 (C)光重合開始剤 0.5〜15重量%
【0024】(B)常温で液状のエポキシ化合物として
は、エポキシ基を1個以上有し、25℃で液状の化合物
を使用することができる。種類としては特に限定はない
が、ビスフェノール型等の汎用エポキシ樹脂や、ノボラ
ック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ、動
植物油エポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン等が挙
げられる。また、前記多価エポキシ化合物(c)も使用
可能である。これらは1種類を単独で用いてもよいし、
2種類以上を組み合わせて用いてもよい。(B)のうち
20〜100重量%は、脂環式エポキシ化合物であるこ
とが好ましい。脂環式エポキシ化合物の比率が20重量
%未満の場合、得られる塗料組成物の硬化速度が低下す
る恐れがある。
【0025】化合物(B)の市販品を例示すると、ビス
フェノールA型エポキシとしては「エピコート828
(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エピコート81
5(同)」、「アラルダイトAER−250(チバ・ガ
イギー社製)」、「アラルダイトAER−2500
(同)」、「アラルダイトAER−2600(同)」等
が、ビスフェノールF型エポキシとしては「エピコート
806(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エピコー
ト807(同)」、「エピクロンS−129(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)」、「エピクロン830
(同)」等が挙げられる。ノボラック型エポキシとして
は、「アラルダイトBY154−1(チバ・ガイギー社
製)」、「アラルダイトXB4122(同)」等が挙げ
られる。
【0026】脂肪族エポキシとしては「デナコールEX
−121(ナガセ(株)製)」、「デナコールEX−1
41(同)」、「デナコールEX−146(同)」、
「デナコールEX−211(同)」、「デナコールEX
−212(同)」、「デナコールEX−810
(同)」、「デナコールEX−830(同)」、「デナ
コールEX−911(同)」等が、脂環式エポキシとし
ては「エポリードGT301(ダイセル化学工業(株)
製)」、「エポリードGT302(同)」、「エポリー
ドGT401(同)」、「エポリードGT403
(同)」等が、植物油エポキシ化物としては「ダイマッ
クS−300K(ダイセル化学工業(株)製)」、「ダ
イマックL−500(同)」等が挙げられる。魚油エポ
キシ化物としては「EDHA70(ダイセル化学工業
(株)製)」等が、エポキシ化ポリブタジエンとしては
「E−1000−8.0(日本石油化学(株)製)」、
「E−1800−6.5(同)」、「デナレックスR−
45EPI(ナガセ化成工業(株)製)」、「デナレッ
クスR−45EPT(同)」等が挙げられる。
【0027】(C)光重合開始剤としては、カチオン光
重合開始剤を使用することが好ましく、必要に応じてラ
ジカル光重合開始剤を併用してもよい。カチオン光重合
開始剤としては、ルイース酸のジアゾニウム塩、ルイー
ス酸のヨードニウム塩、ルイース酸のスルホニウム塩、
ルイース酸のホスホニウム塩等が挙げられる。具体例と
しては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホ
ネート(市販品:「サイラキュアUVI−6990(ユ
ニオン・カーバイド社製)」等)、トリフェニルスルホ
ニウムヘキサフロロアンチモネート(市販品:「サイラ
キュアUVI−6974(同)」等)、ジフェニルヨー
ドニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフロロアンチモネート、N,N−ジエチル
アミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネー
ト、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネ
ート、トリルクミルヨードニウムテトラキス−(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウ
ムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
「サンエイドSI−60L(三新化学工業(株)
製)」、「サンエイドSI−80L(同)」、「サンエ
イドSI−100L(同)」等が挙げられる。
【0028】ラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフ
ェノン(市販品:「カヤキュアBP−100(日本化薬
(株)製)」等)、o−ベンゾイル安息香酸メチル(市
販品:「ダイトキュアOB(大東化学(株)製)等」、
4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
(市販品:「カヤキュアBMS(日本化薬(株)製)」
等)、2,4−ジエチルチオキサントン(市販品:「カ
ヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)」等)、2
−イソプロピルチオキサントン(市販品:「エザキュア
ITX(ヘンケル白水(株)製)」等)、ベンゾイルエ
チルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン(市販品:「ダロキュア117
3(チバ・ガイギー社製)」等)、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン(市販品:「ダロキュア1164(同)」
等)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(市販品:「イルガキュア184(同)」等)、2,2
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
(市販品:「イルガキュア651(同)」等)、アルキ
ルフェニルグリオキシレート(市販品:「バイキュア5
5(アクゾジャパン(株)製)」等)、2-メチル-1-[4-
(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ−プロパン−1-
オン(市販品:「イルガキュア907(チバ・ガイギー
社製)」等)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(市販
品:「イルガキュア369(同)」等)、2,2-ジエトキ
シアセトフェノン(市販品:「DEAP(長瀬産業
(株)製)等」、ジフェニル−(2,4,6- トリメチルベン
ゾイル) −ホスフィンオキシド(市販品:「ルシリンT
PO(BASF社製)」等)、p−ジメチルアミノ安息
香酸エチル(市販品:「カヤキュアEPA(日本化薬
(株)製)」等)、p-ジメチル安息香酸イソアミル、4,
4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルエ
タノールアミン等が挙げられる。
【0029】光重合開始剤は、1種類を単独で用いても
よいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。活性
エネルギー線硬化型塗料組成物は、必要に応じて、その
性能を低下させない範囲で、常温で固形のエポキシ樹
脂、希釈剤、滑剤、ワックス、界面活性剤、レベリング
剤、消泡剤、顔料、顔料分散剤、充填剤等の成分を含ん
でもよい。常温で固形のエポキシ樹脂としては特に限定
はないが、ビスフェノール型等の汎用エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ
等が挙げられる。
【0030】常温で固形のエポキシ樹脂の市販品を例示
すると、ビスフェノールA型エポキシとしては「エピコ
ート1001(油化シェルエポキシ(株)製)」、「エ
ピコート1004(同)」、「エピコート1007
(同)」、「エピコート1009(同)」、「アラルダ
イトAER−6001(チバ・ガイギー社製)」、「ア
ラルダイトAER−6002(同)」、「アラルダイト
AER−6004(同)」、「アラルダイトAER−6
007(同)」、「アラルダイトAER−6009
(同)」等が、ノボラック型エポキシとしては「アラル
ダイトECN1273(チバ・ガイギー社製)」、「ア
ラルダイトECN1280(同)」、「アラルダイトE
CN1299(同)」、「アラルダイトEPN1138
(同)」、「アラルダイトEPN1180(同)」、
「アラルダイトGY1180(同)」、「エピクロンN
−665(大日本インキ化学工業(株)製)」、「エピ
クロンN−695(同)」等が、脂環式エポキシとして
は「EHPE(ダイセル化学工業(株)製)」、「EH
PE−3150(同)」等が挙げられる。
【0031】希釈剤には、反応性のものと非反応性のも
のとがある。反応性希釈剤としては、多価アルコール
類、グリコールエーテル類、ビニルエーテル類、カプロ
ラクトン、カプロラクトンポリオール、低分子エポキシ
化合物、動植物油等を使用できる。また、非反応性希釈
剤としては汎用の有機溶剤を使用できる。具体的に、多
価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、グリセリン等が、グリコールエーテル類と
しては、エチレングリコールヘキシルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールフェニ
ルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等
が挙げられる。
【0032】ビニルエーテル類としては、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエー
テル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエ
チレングリコールジビニルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジビニルエーテル等が、カプロラクトンとして
は「プラクセルM(ダイセル化学工業(株)製)」等
が、カプロラクトンポリオールとしては、プラクセル2
00(ダイセル化学工業(株)製)」、「プラクセル2
10N(同)」、「プラクセルL200AL(同)」、
「プラクセル300(同)」、「プラクセルH
(同)」、「プラクセル400D(同)」、「TONE
0301(ユニオン・カーバイド社製)」、「TON
E 0305(同)]、「TONE 0310(同)]
等が挙げられる。
【0033】低分子エポキシ化合物としては、ビニルシ
クロヘキセンモノオキシド(市販品:「セロキサイド2
000(ダイセル化学工業(株)製)」)、ビニルシク
ロヘキセンジオキシド(市販品:「ERL−4206
(ユニオン・カーバイド社製」)、リモネンジオキシド
(市販品:「セロキサイド3000(ダイセル化学工業
(株)製)」)、シクロヘキセンオキシド、長鎖エポキ
シ化合物(「UVR−6126(ユニオン・カーバイド
社製」等)、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコー
ル(市販品:「ETHB(ダイセル化学工業(株)
製)」)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メ
タ)アクリレートおよびそのカプロラクトン変性物(市
販品:「サイクロマーM100(ダイセル化学工業
(株)製)」、「サイクロマーM101(同)」、「サ
イクロマーA200(同)」等)が、動植物油としては
大豆油、アマニ油、ヒマシ油、魚油等が挙げられる。
【0034】上述の(A)〜(C)の必須成分および必
要に応じて用いる成分は、適当な混合装置、攪拌装置、
分散機を用いて適宜配合される。得られた塗料組成物
は、硬化速度、硬度、基材への密着性に優れ、かつ耐レ
トルト性、機械加工性といった硬化後の物性が良好であ
るという特長を有する。硬化に用いられる活性エネルギ
ー線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線、ガン
マ線等があるが、本発明の塗料組成物に関してはこれら
はいずれも使用できる。工業的には紫外線が多く用いら
れる。
【0035】本発明の塗料組成物の用途としては特に限
定はないが、飲料缶の内面および外面の塗装用に好適に
用いることができる。本発明の塗料組成物は、適当な塗
工装置で基材に塗布される。基材の種類に特に限定はな
いが、金属、樹脂フィルム等が挙げられる。飲料缶の場
合、金属としては鉄、アルミニウムが、樹脂フィルムと
してはポリエステル(PET)が主に用いられる。
【0036】
【実施例】次に、実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは本発明の権利範囲を何ら限定する
ものではない。表1−1および表1−2に、実施例1〜
5の硬化性プレポリマーの合成に用いた化合物(a)の
重量平均分子量と水酸基価、(a)の水酸基1モルに対
する(b)の配合モル数、(b)のカルボキシル基1モ
ルに対する(c)の配合モル数を示す。また、表2に化
合物(b)の分子量と酸価を、表3に化合物(c)のエ
ポキシ当量と1分子中のエポキシ基の数を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】[実施例1] (a1)水添ケトン樹脂「ハロン110H(本州化学工
業(株)製)」100.0g、メチルイソブチルケトン
100.0gをフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で80
℃で溶解した。次に触媒としてトリエチルアミン0.1
1gを添加し、(b1)多価カルボン酸「アジピン酸
(和光純薬工業(株)製)」7.81gをメチルイソブ
チルケトン7.81gで溶解し30分で滴下した。その
後100℃に昇温し6時間反応させところ、酸価29.
5mgKOH/gの中間体を得た。続けて、(c)多官
能脂環式エポキシ樹脂「エポリードGT401(ダイセ
ル化学工業(株)製)」47.72gをメチルイソブチ
ルケトン10.0gで溶解し30分で滴下し、6時間反
応させてカチオン硬化性プレポリマー(S1)を得た。
この時点で酸価は3.1mgKOH/gであり、88%
のカルボキシル基が反応したことが確認された。また、
エポキシ当量は1400g/molであった。その後、
10mmHgの減圧下で徐々に昇温しながらメチルイソ
ブチルケトンを除去した。150℃に達したところで加
熱をやめ、希釈剤として「サイラキュアUVR−611
0(ユニオン・カーバイド社製)」155.5gを添加
し、カチオン硬化性プレポリマー(S1)を取り出し
た。
【0041】[実施例2] (a2)フェノール樹脂「PR−53053(住友デュ
レズ(株)製)170.0g、メチルエチルケトン10
0.0gをフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で60℃で
溶解した。(b2)多価カルボン酸環状無水物「無水フ
タル酸(和光純薬工業(株)製)」14.37gをメチ
ルエチルケトン4.63gで溶解し30分で滴下した。
その後80℃に昇温し6時間反応させところ、酸価1
6.0mgKOH/gの中間体を得た。続けて、(c)
「サイラキュアUVR−6110(ユニオン・カーバイ
ド社製)」236.8gを30分で滴下し、6時間反応
させてカチオン硬化性プレポリマー(S2)を得た。こ
の時点で酸価は2.9mgKOH/gであり、81%の
カルボキシル基が反応したことが確認された。また、エ
ポキシ当量は1400g/molであった。その後、1
0mmHgの減圧下で徐々に昇温しながらメチルイソブ
チルケトンを除去した。120℃に達したところで加熱
をやめ、カチオン硬化性プレポリマー(S2)を取り出
した。
【0042】[実施例3] (a3)スチレン/アリルアルコール共重合体「SAA
−101(アーコ・ケミカル社製)」100.0g、メ
チルイソブチルケトン100.0gをフラスコに仕込
み、窒素雰囲気下で80℃で溶解した。次に触媒として
トリエチルアミン0.83gと(b2)多価カルボン酸
環状無水物「無水フタル酸(和光純薬工業(株)製)」
29.2gをメチルイソブチルケトン29.2gで溶解
し30分で滴下した。その後100℃に昇温し6時間反
応させところ、酸価85.9mgKOH/gの中間体を
得た。続けて(c)リモネンジオキシド「セロキサイド
3000(ダイセル化学工業(株)製)」36.9gを
30分で滴下し、6時間反応させてカチオン硬化性プレ
ポリマー(S3)を得た。この時点で酸価は5.7mg
KOH/gであり、93%のカルボキシル基が反応した
ことが確認された。また、エポキシ当量は400g/m
olであった。その後、10mmHgの減圧下で徐々に
昇温しながらメチルイソブチルケトンを除去した。15
0℃に達したところで加熱をやめ、希釈剤として「サイ
ラキュアUVR−6110(ユニオン・カーバイド社
製)」166.1gを添加し、カチオン硬化性プレポリ
マー(S3)を取り出した。
【0043】[実施例4] (a4)アクリルポリオール「プラクセルDC2009
(ダイセル化学工業(株)製)」(固形分69.3%キ
シレン溶液)144.3gを窒素雰囲気下で80℃に加
熱した。(b2)多価カルボン酸環状無水物「無水フタ
ル酸(和光純薬工業(株)製)」12.05gをキシレ
ン55.7gで溶解し30分で滴下した。その後100
℃に昇温し6時間反応させところ、酸価41.1mgK
OH/gノ中間体を得た。続けて(c)多官能脂環式エ
ポキシ樹脂「エポリードGT301(ダイセル化学工業
(株)製)」21.1gをキシレン30.0gに溶解し
て30分で滴下し、6時間反応させてカチオン硬化性プ
レポリマー(S4)を得た。この時点で酸価は3.3m
gKOH/gであり、96%のカルボキシル基が反応し
たことが確認された。また、エポキシ当量は1190g
/molであった。その後、10mmHgの減圧下で徐
々に昇温しながらキシレンを除去した。150℃に達し
たところで加熱をやめ、希釈剤として「サイラキュアU
VR−6110(ユニオン・カーバイド社製)」14
3.7gを添加し、カチオン硬化性プレポリマー(S
4)を取り出した。
【0044】[実施例5] (a5)ポリビニルブチラール「デンカブチラール#2
000−L(電気化学工業(株)製)」150.0gと
(b2)多価カルボン酸環状無水物「トリメリット酸無
水物(アルドリッチ社製)」10.29gをフラスコに
仕込み、窒素雰囲気下で100℃で融解し、そこへ触媒
としてp−トルエンスルホン酸0.90gを投入し、1
00℃で6時間反応させ、酸価39.6mgKOH/g
の中間体を得た。続けて化合物(c)ビニルシクロヘキ
センジオキシド「ERL−4206(ユニオン・カーバ
イド社製)」15.1gを30分で滴下し、6時間反応
させてカチオン硬化性プレポリマー(S5)を得た。こ
の時点で酸価は1.0mgKOH/gであり、97%の
カルボキシル基が反応したことが確認された。また、エ
ポキシ当量は790g/molであった。希釈剤として
「サイラキュアUVR−6110(ユニオン・カーバイ
ド社製)」175.4gを添加し、カチオン硬化性プレ
ポリマー(S5)を取り出した。
【0045】[実施例6〜10]以下に示す処方を配合
し、紫外線硬化型塗料組成物を調製した。 成分名 配合量(重量部) (A)カチオン硬化性プレポリマー(希釈剤を除いた正味量) 11.82 (B)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4− エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 26.00 「サイラキュアUVR−6110」 (C)トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート 3.50 「サイラキュアUVI−6990」 (X1)常温で固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂 5.50 「アラルダイトAER6004」 (X2)プロピレングリコールモノメチルエーテル(反応性希釈剤)6.00 「ダワノールPM」(ダウ・ケミカル社製) (X3)リモネンジオキシド(反応性希釈剤) 10.02 「セロキサイド3000」 (X4)精製パーム油(ワックス) 1.35
【0046】なお、(A)カチオン硬化性プレポリマー
としては、それぞれ下記のものを用いた。 実施例6 ――S1 実施例7 ――S2 実施例8 ――S3 実施例9 ――S4 実施例10――S5
【0047】[比較例1]実施例の配合処方の(A)カ
チオン硬化性プレポリマーを「サイラキュアUVR−6
110」に置き換え、塗料組成物を調製した。 [比較例2]実施例の配合処方の(A)カチオン硬化性
プレポリマーを多官能脂環式エポキシ樹脂「エポリード
GT401」に置き換え、塗料組成物を調製した。 [比較例3]実施例の配合処方の(A)カチオン硬化性
プレポリマーをエポキシアクリレート「リボキシR−9
136」(昭和高分子(株)製)に置き換え、さらにラ
ジカル光重合開始剤「イルガキュア184」(チバ・ガ
イギー社製)1.50重量部を加えて塗料組成物を調製
した。
【0048】得られた塗料組成物について、以下の3種
類の試験で評価を行った。結果を表4−1および表4−
2に示す。 (1)低照射量試験 塗料組成物をバーコーター#4でポリエステルフィルム
ラミネート板に塗装し、直後にコンベアスピード120
m/分の条件で、120W/cmの強度を有する超高圧
水銀灯を備えたコンベア型紫外線照射装置を用いてUV
照射し、タック(べたつき)が消失するまでの時間を計
測するとともに照射1分後に鉛筆硬度試験、密着性試験
を下記の方法で行った。 鉛筆硬度試験:JIS K 5400の6・14項に準
じて行った。 密着性試験:カッターナイフでクロス(+印状)カット
を入れた後セロハンテープ剥離を行い、剥離した面積を
目視で計測した。
【0049】(2)高照射量試験 塗料組成物をバーコーター#4でポリエステルフィルム
ラミネート板に塗装し、直後にコンベアスピード40m
/分の条件で、240W/cmの強度を有するメタルハ
ライドランプを備えたコンベア型紫外線照射装置を用い
てUV照射し、1分後に鉛筆硬度試験、密着性試験、傷
つき性試験を行った。鉛筆硬度試験、密着性試験は低照
射量試験と同様に行った。傷つき性試験は試験体を爪で
こすり、傷が付くかどうかを観察した(○:傷が付かな
い、×:傷が付く)。
【0050】(3)熱処理試験 高照射量試験と同様の条件で紫外線照射した後、熱風炉
にて200℃/100秒で熱処理を行った。室温に戻し
てから、鉛筆硬度試験、密着性試験、耐レトルト性試
験、加工性試験を下記の方法で行った。なお、鉛筆硬度
試験、密着性試験は低照射量試験と同様にして行った。 耐レトルト性試験:蒸気滅菌機を使用して130℃/3
0分の条件でレトルト処理し、白化の有無の観察および
密着性試験を行った。
【0051】加工性試験:エリクセン押し出しで14m
mの高さに成形後、上記と同様にレトルト処理を行っ
た。その後エッジ部でセロハンテープ剥離を行い、剥離
具合を観察した。評価は下記に示す5段階で行った。 5:全く剥離が見られない。 4:スポット状の剥離が少数見られる。 3:スポット状の剥離が多数見られる。 2:連続面状の剥離が見られる。 1:全面的な剥離が見られる。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明により、硬化速度、硬度、基材へ
の密着性に優れ、かつ耐レトルト性、機械加工性といっ
た硬化後の物性が良好な塗料組成物が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量300〜100000、水
    酸基価50〜1000mgKOH/gの水酸基を有する
    化合物(a)と、酸価10〜985mgKOH/gの多
    価カルボン酸(b1)またはその環状無水物(b2)
    と、エポキシ基を2〜4個有し、エポキシ基のうち少な
    くとも1個が脂環式エポキシ基である多価エポキシ化合
    物(c)とを反応させて得られるカチオン硬化性プレポ
    リマー。
  2. 【請求項2】化合物(a)が、下記から選ばれる少なく
    とも1種類の化合物である請求項1記載のカチオン硬化
    性プレポリマー。 (a1)水添ケトン樹脂 (a2)フェノール樹脂 (a3)アリルアルコール共重合体 (a4)アクリルポリオール (a5)ポリビニルアセタール
  3. 【請求項3】 (A)請求項1または2記載のカチオン硬化性プレポリマー 5〜94.5重量%、 (B)常温で液状のエポキシ化合物 5〜94.5重量%、 (C)光重合開始剤 0.5〜15重量% を含んでなる活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ化合物(B)のうち20〜100
    重量%が、脂環式エポキシ化合物である請求項3記載の
    活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
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